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PDFファイル - 八王子市学園都市文化ふれあい財団
平成 27 年度
事 業 報 告 書
自
平成 27 年 4 月 1 日
至
平成 28 年 3 月 31 日
公益財団法人 八王子市学園都市文化ふれあい財団
Ⅰ 平成 27 年度財団経営の総括
財団の経営戦略の柱として策定した「中期経営計画(平成 25 年度~27 年度)」の最終年度
として、同計画に掲げた各施策目標の達成をめざし、全力をあげて取組んだ。八王子音楽祭
やコミュニティオペラなど企画運営力を必要とする多くの事業を実施するとともに、収益改
善に向けた取組みや事務事業の改善などにより経営基盤の強化を図った。
しかしながら、オリンパスホール八王子の指定管理については、獲得できず、指定管理施
設(芸術文化会館、南大沢文化会館、夢美術館、学園都市センター)の指定の更新だけとな
った。八王子市が策定した「八王子市文化芸術ビジョン」(28~37 年)において市の文化芸
術施策を具体的に実行して行く団体として「市のパートナー」と位置づけられていることか
らも、指定管理提案に対する評価を充分に分析し今後の運営に反映させる必要がある。
これからの財団経営に当たっては、全ての事業検証を常に行い、特に中期経営計画の総括
及び 27 年度事業の取組みにおいて課題となった事項については、平成 28 年度事業計画及び
次期中期経営計画の取組の中で解決していかなければならない。
1.中期経営計画(平成 25 年度~27 年度)の総括
(1)中期経営計画の重点施策と結果
①施設の特性・ポテンシャルを最大限発揮して芸術文化・地域コミュニティ振興を一層推進
⇒平成 27 年度の実績を 24 年度と比較すると、
芸術文化事業の実施本数 65 本増、入場者数 48,619
人増となった。また上柚木運動公園では小学生陸上競技大会「はちおうじダッシュ!」の拡
充を図った。
②劇場法の理念を具現化するため、実演芸術の公演等の企画制作能力、事業遂行能力を高める
⇒著名な声楽家と市民・大学が協働し財団が制作した「南大沢コミュニティオペラ」など
独自の企画制作による公演実施やユースオーケストラの育成を行うなど財団の特性に活かし
た事業を展開した。
③市民の自主的文化活動の支援、市民参加・市民協働を強力に推進、財団発信力の強化
⇒地域行事と連動し中心市街地一帯を音楽で包み、地域の活性化に貢献した「八王子音楽祭」
や地域の青少年対策委員会と連携して南大沢音楽祭を立ち上げた。
また、住民協議会と連携し「地域ふれあいサロン」を市民センターに開設し、地域コミュニ
ティの推進に貢献した。
④総合戦略会議を設置し、次期指定管理取得に向け体制を強化
⇒ISO9001 品質マネジメントシステム導入やお客様の声対応システムの運用等による利用者満
足度の向上(27 年お客様満足度 99.4% 文化 4 館平均)
、総合戦略会議における指定管理申
請に向けた課題の把握・分析と具体的な計画立案の取組みを行ったが、オリンパスホール八
王子の指定管理については、獲得できなかった。
⑤安定的な経営基盤を確立
⇒利用料金収入の過去最高の更新や新電力の導入、キャンセル制度の導入、予算執行管理の徹
底等により財政収支を改善し、目標であった事業収支「0」を 26 年度に達成し、27 年度は
2,000 万円を超える黒字を計上した。
(2)課題と展望
文化施設の全国的な課題で劇場法にも掲げられている専門人材の育成や、今後市が策定する
予定の「公共施設総合計画」に基づく指定管理施設の保全計画の策定・実施など新たな課題への
対応を求められている。
当財団は、第 1 次中期計画の成果の上に立って、引き続き市の文化芸術施策、コミュニティ振
興等の補完的役割を担う専門組織としてその使命を果たすべく策定した第 2 次中期経営計画の実
現に向けて全力をあげて取組む。
-1-
2.27 年度事業の取組と課題
(1) 市の文化・地域振興施策と連動した公益の実現
① 芸術文化振興
・
「八王子音楽祭 2015」では、これまでの事業展開をさらに拡充し、ゲーム音楽のフェスティバ
ルを実施したほか、八王子にゆかりのあるアーティストや市内で活動するバンドの演奏などを実
施し、街づくりや人的交流に寄与した。
・東京交響楽団とのパートナーシップにより、映像を取り入れたオーケストラ公演やベートーヴ
ェン第九コンサート等の本格的な演奏会から、小中学生を招待するファミリーコンサートやトー
ク付きのコンサート、小中学校へ楽団員を派遣する事業、市民合唱やユースオーケストラを育成
する事業まで多様に展開し音楽の裾野を拡大した。
・芸術文化会館では著名なアーティストのコンサートや市民参加の「ステップアップコンサート」
等を、南大沢文化会館では、大学との連携による子ども向け「ダンスワークショップ」
、青少年対
策地区委員会との連携による音楽祭や地域音楽祭、プロの声楽家の指導によるワークショップと
公演を体系的に展開するコミュニティオペラ事業を実施し、それぞれ、市民に身近で地域に根ざ
した芸術文化振興を実現した。
・今後の事業展開として、演劇・ミュージカル・ダンスなど音楽以外のジャンルにも力を入れ、
バランスのとれた事業計画のもと幅広い文化振興を目指す。また、
「八王子音楽祭」や「ユースオ
ーケストラ育成」
(東京交響楽団パートナーシップ事業)などの柱の事業において、大学・専門学
校と連携したインターネットサイトや SNS などデジタルコンテンツを活用した様々な情報発信に
より、事業および財団の知名度や認知度の向上を図る。
・夢美術館では年間 6 本の特別展の開催を中心に、連動したギャラリートークやワークショップ
の開催、収蔵品展示等を行い、5 年間で展覧会入場者数 18 万人の指定管理目標を達成した。また、
収蔵作家の調査研究を市内美術大学と協働し地域機関との連携を強化した。
・利用料金(観覧料)収入確保と PR 強化、収蔵品の整理・データ化による利用推進を行う必要が
ある。
② コミュニティ振興
・
「八王子まつり」及び「フラワーフェスティバル由木」の事務局を担い、伝統文化の継承、地域
コミュニティ活動の活性化に寄与した。また、八王子市ボランティア協定による学生ボランティ
アの参加が定着し、市民とのふれあいの機会と活動の場を提供するとともに協力を得ている。
「八
王子まつり」は、ドラマの撮影や取材を通して注目されたこともあり、ここ数年、過去最高を連
続更新する来場者数となるなど、年々規模が大きくなり、盛大なまつりになっており、大勢の観
客を迎えるまつりの成功に貢献した。
・前年度住民協議会との連携により市民センターに開設した、誰でも気軽に立ち寄れる「地域ふ
れあいサロン」を、当年度は 4 地区で開催し、前年度比約2倍の参加者を得るなど、地域コミュ
ニティ活性化の取組を推進した。
・地域コミュニティの担い手の高齢化が進んでおり、実施した事業も参加者が減少傾向であり、
幅広い層の市民のニーズを反映した事業を実施し、次世代に引き継いでいくことが必要である。
③ スポーツ活動と公園利用の促進
・八王子市立で最大面積を誇り、都下唯一の公認 2 種陸上競技場を有する上柚木総合公園の指定
管理者として、地域の市民力や大学、企業との信頼と協力のもと、各スポーツ施設とみどり溢れ
る自然を活用し、ライフステージに応じて市民が楽しめる 29 事業を企画実施した。特に夏休み
に行う小学生 50m走競技大会「はちおうじダッシュ!」や、年間を通して走る基礎を身につける
「ジュニアジョギングスクール」
、テニス初心者の確かなレベルアップを目指す「ビギナーズス
クール」など子どもたちの体力向上を目指す事業を展開した。
・今後はオリンピックの機運向上に向けた新たな事業の検討、ソフトボール教室など参加者の減
少が続いている事業などの見直し、野鳥及び植物調査結果の集積を資源活用につなげる取り組み
に昇華させていくなど公園の魅力を発信し続けることが必要である。
-2-
④ 学園都市づくり
・市からの受託事業である学園都市大学(いちょう塾)について、大学コンソーシアム八王子加
盟の 25 大学等を含む講座提供機関との調整を行い、36 機関より提供された 285 講座のうち 269
講座を開講し、同事業の定着・発展に貢献した。なお、大学等との調整がつかず、未開講講座
を含め、事業計画に掲げる 300 講座に至っていない。
・高等教育の充実・地域社会の発展を図り、魅力ある学園都市づくりをめざして設立した「大学コ
ンソーシアム八王子」の事務局を担当し、教職員の教育力向上を目的とした FD・SD フォーラム等
の事業を実施したほか、経費の一部を負担した。
・夏休み子どもいちょう塾については、大学の先生方による小学生向けの魅力的な講座が多く、
参加者から好評を得ており定員以上の応募があることから、講座数を増やすなどにより落選者を
減らす必要がある。
(2) 専門的人材の養成・育成の取組の強化
・東京藝術大学等主催のアートマネジメント研修に延べ 17 名参加したほか、財団自主企画の講習
会を開催し、音響・接客・アートマネジメント・オペラ制作・著作権などスキルの向上を図った。
・財団自主制作オペラ「愛の妙薬」に職員が制作進行のほか、演出や照明など専門的分野にも積
極的に携わった。
・財団音楽アドバイザー(作曲家・ピアニスト)による助言をもって各企画の充実を図るととも
に、
「八王子音楽祭 2015」においてアドバイザー本人らによる公演を行うなど、音楽芸術の普及、
発信の取組を強化した。
・ユースオーケストラや市民参加のオペラなど専門性の高い事業の業務遂行に必要な運営ノウハ
ウや舞台制作スキルを習得し、アートマネージメント力の底上げを図る。
(3) 次期指定管理取得に向け体制を強化
・ISO9001 品質マネジメントシステムを構築する中で、
「お客様の声」をサービスに活かす仕組み
を見直すなど「顧客満足度向上」に向けた取組を強化し、平成 27 年 7 月 ISO9001 の認証を取得
し(芸術文化会館・南大沢文化会館・学園都市センター)、平成 28 年 1 月に更新認証を取得した。
・同システムの運用を推進することにより継続的な改善活動を定着させ、お客様満足度の最大化
を図る。
・指定管理施設(芸術文化会館、南大沢文化会館、夢美術館、学園都市センター)の第 2 期指定期
間の最終年度であり、申請時に提案した事業計画の進捗管理を行った。各施設とも所要の成果を
あげたことにより、指定管理の更新をすることができた。次期指定管理者として提案した事業計
画は必ず達成するとともに、施設保全計画を策定する。一方、オリンパスホール八王子の指定申
請については、取得に向け事業実績を積み上げ、また、新たな業務提携による運営をすべく関係
者とのPTを立ち上げるとともに、劇場法や条例の設置目的など同ホールが果たすべき使命とポ
テンシャルの実現を掲げた提案書の提出をしたものの、指定には至らなかった。
・指定管理申請の結果を分析し、財団の強み弱みを評価するとともに今後の運営に反映させる。
(4) 収支の改善、安定的経営基盤の確立
・財政収支の改善の取組では、新電力(PPS)導入による電気料の抑制、費用対効果の観点によ
る事業の点検・見直し及び予算執行管理の徹底の結果、
「事業活動収支差額」の当年度目標を大き
く上回り達成した。
・さらに財務体質を強化するため、利用料金収入の目標額達成にあらゆる手段を講じるとともに、
重点事業や市民サービスの向上にはより戦略的に予算を執行する。
-3-
Ⅱ 事業概要
1.芸術文化の鑑賞、活動の普及・支援
(1) 実演芸術※
① 鑑賞機会の提供
ア. 芸術文化会館
「仲道郁代ピアノリサイタル」
「フォレスタコンサート」
など著名なアーティスト公演のほかゲーム音楽フェステ
ィバル「4star オーケストラ 2015」を 3 日間に渡り実施
し、クラシック・邦楽・合唱・ゲーム音楽など市民の多
様なニーズに応えた。
4star オーケストラ 2015
イ. 南大沢文化会館
ホールの特徴を活かし人気を博している「南大沢で
JAZZ の名曲を」シリーズ公演などを継続実施したほか、
南大沢コミュニティオペラ 2016「愛の妙薬」を上演し、
地域の鑑賞ニーズに応えた。
ウ. 学園都市センター
親子向けのコンサート「シューベルト物語」を八王子
音楽祭の提携事業として実施した。
真夏の夜の JAZZ2015
エ. オリンパスホール八王子
ゲーム音楽の公演「4star オーケストラ 2015」
「ドラゴ
ンクエストコンサート」や、東京交響楽団による「惑星」
「モーツァルト作曲レクイエム」「第九演奏会」「フレ
ッシュ名曲コンサート」を実施したほか、舞劇・ポピュ
ラー・バレエ・海外オペラ等の共催事業を誘致し、市民
に多彩な芸術鑑賞の機会を提供した。
東京交響楽団「惑星」
※実演芸術
実演により表現される音楽、舞踊、演劇、伝統芸能、演芸その他
の芸術及び芸能の総称。(劇場・音楽堂等の活性化に関する法律 第 2 条)
② 市民参加型普及
ア. 芸術文化会館
「八王子音楽祭 2015」を期間・公演回数ともに拡充して
実施したほか、通年で実施しているロビーコンサートの出
演者による「ステップアップコンサート」や「初心者のた
めの茶道教室」など会館施設を活用した事業を継続実施し
た。また、東京交響楽団とのパートナーシップにより、楽
団員が講師となり直接小中高大学生を指導するユースオ
ーケストラ育成事業(ワークショップ)を通年で実施した
ほか、市民合唱団八王子クリンゲンコアの合唱練習を通年
に渡り実施した。
-4-
八王子音楽祭
八王子ナイト!
イ. 南大沢文化会館
南大沢地域の青少年対策地区委員会と企画・協働し、「第
2 回青少年のための南大沢音楽祭」や、地域で活動する芸術
家や音楽サークル等による「南大沢地域音楽祭」を開催した
ほか、地域の大学生と協働で小中学生を対象にしたダンス
ワークショップと発表会を開催した。
また「南大沢コミュニティオペラ」ではプロの声楽家や演
出家の指導により市民や学生が参加するワークショップを
通じて舞台制作を行い、その発表公演としてオペラ「愛の妙
薬」を上演するなど、市民による音楽の普及を図った。
南大沢コミュニティオペラ
「愛の妙薬」
ウ. オリンパスホール八王子
ファミリー向けの「オーケストラ・ワンダーランド」では、指揮者体験・楽器体験・バック
ステージツアーのほか、市内中学校吹奏楽部と東京交響楽団との共演を実現した。
エ. その他
「八王子音楽祭 2015」では、市内イベントとのコラボレーションのほか、街中カフェ、商業
施設や郊外施設での演奏などにおいて、多くの市民が自ら演奏に参加する機会を提供した。
③ 鑑賞型普及
ア. 芸術文化会館
八王子の地域財産である八王子車人形公演や、東京交響楽団メンバーによるトーク付の
「アフタヌーンコンサート」を実施し、伝統文化やクラシックの普及を図った。
イ. 南大沢文化会館
平日の午前中に気軽に楽しめる「モーニングコンサート」の継続実施や、ホールの特性
を活かした東京交響楽団メンバーによる室内楽コンサートを実施した。
ウ. 学園都市センター
「八王子音楽祭 2015」において八王子市出身アーティストによるコンサートを実施したほ
か、南大沢コミュニティオペラ「愛の妙薬」のプレコンサートを実施しクラシック音楽の普
及を図った。
エ. その他
「八王子音楽祭 2015」では、市内の商業施設のイベントスペース他多くの会場で約 1 ヶ月
に渡り数多くの公演を実施し、市民の身近に鑑賞する機会を提供した。
オ. 学校等アウトリーチ
東京交響楽団メンバーを市内小中学校へ派遣し、生徒に直接音楽の素晴らしさを伝える事
業を実施した。
-5-
④ 支援・助成
市民が主催する芸術文化事業への人的支援や会場利用料の一部助成等を行い、市民の芸術文化
活動の育成を図った。
ア.八王子市民文化祭
第 65 回市民文化祭を、八王子市民文化祭実行委員会及び八王子市と連携して開催し、情報
提供や、会場予約の調整をし、市民による芸術文化活動の発表の場を提供した。
イ.伝統文化ふれあい事業
実行委員会事務局を継続して担当し、車人形、説経節、篠笛等の体験講座やその発表会など
を実施した。
⑤ 芸術文化サポート事業・PR事業
⑥ アーティストバンク事業
⑦ 平成 27 年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
対象 4 事業
⑧ 文化施設の管理・運営(指定管理事業)
管理の指定を受けている下記施設において、利用案内、施設貸出、利用料徴収等の業務及び施
設や設備の保守管理業務など適正な管理運営に努めるとともに、利用者満足度の向上を図った。
また、平成 27 年 7 月に「ISO9001」を取得するとともに、同年 11 月に「エコアクション 21」の
認証登録を取得した。
芸術文化会館、南大沢文化会館、2 館の「第 3 期指定申請」
(特命)及びオリンパスホール「第
2 期指定申請」
(公募)に申請し、芸術文化会館、南大沢文化会館は選定され、オリンパスホー
ルは選定外となった。
ア. 芸術文化会館
入場者数 261,506 人
施設利用率 82.8%
利用者満足度調査結果 総合な満足的度 99.1%(大いに満足と満足の合計)
イ. 南大沢文化会館
入場者数 150,142 人
施設利用率 89.0%
利用者満足度調査結果 総合的な満足度 99.4%(大いに満足と満足の合計)
-6-
(2) 美術(夢美術館)
① 美術鑑賞
日本画、建築、浮世絵などの特別展を年間で 6 回開
催した。
ア. 国内外で高い評価を受けている優れた美術作品等の
紹介においては、
「戦後日本住宅伝説-挑発する家・内
省する家」
「安野光雅の世界 空想と歴史物語そして風
景」
「幕末明治の浮世絵探訪 ―歴史絵から開化絵
まで―」「日本のポスター芸術 明治・大正・昭
和 お酒の広告グラフィティ」を開催した。
「安野光雅の世界」展示風景
イ. 現代の息吹を感じ未来を指向する、学生や子供た
ちも楽しめる展覧会として、
「ますむらひろしの北
斎展 ATAGOAL×HOKUSAI」と 4 月初旬に前年度に引
き続き「絵本原画展 きかんしゃトーマスとなかま
たち」展を開催した。
「ますむらひろしの北斎展」展示風景
ウ. 地域ゆかりで国内トップレベルの美術作品等の紹
介においては、「日本画家 加山又造 アトリエの記
憶」と収蔵品展示を 5 回開催した。
② 市民参加型普及
ア. プロの指導による造形教室や見学会等を通して美
術等に親しむ機会を提供した。
「戦後日本住宅伝説」
に関連した市内名建築の住宅見学会、「ますむらひ
ろしの北斎展」に関連してキャラクターの猫にちな
んだ造形教室を開催した。
イ. 市内美術大学と提携し、市街で市民や学生が参加
する展示やイベントを開催。多摩美術大学との共催
で、八王子出身で同大学卒業の銅板画家・清原啓子
の共同研究を行い、東京造形大学との共催では、地
元商店街とも連携し、学生による「東京造形大学フ
ラッグギャラリープロジェクト」を開催した。
-7-
「戦後日本住宅伝説」見学会
「東京造形大学フラッグギャラリープロジェクト」
③ 鑑賞型普及
ア. 第一線で活躍する研究者等によるギャラリートークや講演会を開催した。
「日本画家 加山又造」では水墨画の第一人者、
「戦後日本住宅伝説」では若手№1の建築評
論家、
「日本のポスター芸術」ではポスター芸術に造詣の深い青梅市立美術館学芸員と連携、
「幕末明治の浮世絵探訪」では作品所蔵家、「ますむらひろしの北斎展」では作者本人によ
るギャラリートークを行い、多くの参加者を得た。
イ. 市内美術館と提携し、スタンプラリーを開催した。
東京富士美術館、村内美術館と共同で「はちおうじ美術館めぐり SUN☆KAN ラリー」を開催
したほか、美術連盟による市内画廊めぐりを共催した。
④ 管理・運営
夢美術館の指定管理者として、施設の維持管理を行うとともに年 6 回の特別展の企画・開催
及び収蔵品の展示を行い、展覧会関連事業のイベントや市内大学、市内美術館との共催事業等
を実施した。
また、夢美術館の「第 3 期指定申請」(特命)に申請し選定された。
・開館日数 258 日 施設利用・事業参加者数 47,648 人(うち展覧会入場者数 36,970 人)
・利用者満足度調査結果 総合的な満足度 99.4%(大いに満足と満足の合計)
・指定管理 2 期目の目標である 5 年間で 18 万人の展覧会入場者数目標達成。(181,309 人)
-8-
2.コミュニティづくりに関する事業
(1) コミュニティの育成
ふれあいのあるまちづくりの推進及び地域住民の交流促進を図るとともに、地域コミュニティの
高揚及び啓発を図るため、次の事業を実施した。
① コミュニティづくりの推進
地域住民協議会との協働により、地域住民を対象に誰もが
気軽に参加できる講座を各市民センターで開催し、地域住民
の交流の場づくりを行い、地域コミュニティの一層の活性化
を図った。
② コミュニティ団体の育成
より多くの市民に住民協議会の活動を広く周知するため、
市民センターで実施している「つるし雛まつり」を八王子市
芸術文化会館で開催した。
そば打ち体験教室
③ コミュニティ用具の貸出し
コミュニティ活動に供するため、各地域住民協議会をはじ
めとする各種団体に用具の貸出しを行った。
④ 地区図書室の運営
読書活動の活性化と地域住民の交流を図るため、地区図書
室を運営し「図書の貸出し」や「読み聞かせ」、「古本市」等
の行事を行った。また、八王子市図書館の所蔵図書のリクエ
ストの受付及び貸出・返却業務等を担った。地区図書室運営
部員を対象に、中央図書館との共催による研修を行った。
つるし雛まつり
(2) コミュニティ活動の支援
地域住民協議会の活動の支援や八王子まつり、フラワーフェスティバル由木及び八王子いちょ
う祭り等の開催経費の一部を助成し、地域コミュニティの活性化への支援を行った。
① 地域住民協議会への助成事業
コミュニティづくりの中心的推進団体である 17 地域住民協
議会に対し、運営費をはじめ、広報紙の発行費用、地域住民
のニーズに応じて開催される「地域ふれあい講座」の開催経
費の一部を助成・支援した。
長房ふれあい端午まつり
② まつりへの助成事業
「八王子まつり」
、
「フラワーフェスティバル由木」の開催
経費の一部を助成し、事務局を担当した。
このほか、市民手づくりの祭りである「八王子いちょう祭
り」の開催経費の一部を助成し、事務局運営の補助を行い、
併せて「踊れ西八夏まつり」の開催経費の一部を助成し、活
動を支援した。
八王子まつり
-9-
(3) コミュニティ施設の管理運営
市民センター18 館及び地区会館 14 館の指定管理者として、利用案内、施設貸出及び利用料徴収
等の業務、施設や設備の保守管理業務を行ない、利用者満足度の向上を図った。
また、市民センター内に一人でも気軽に立ち寄れる「地域ふれあいサロン」を開設し、地域コミ
ュニティの推進を図った。
利用者数 1,487,523 人
施設利用率 59.7% ※区分利用率
利用者満足度調査結果 総合的な満足度 99.1%(大いに満足と満足の合計)
※市民センターの区分利用率は午前・午後(A・B)
・夜間(A・B)
それぞれの利用区分数の合計を利用可能区分数で除した率
3.スポーツ活動と公園利用の促進及び公園・運動施設の管理運営に関する事業
(1) スポーツ活動の促進
上柚木総合公園における市民のスポーツ活動の促進を図
るため、それぞれのライフステージに応じた 18 のスポーツ
事業を実施した。特に市内陸上関係者の協力や教育委員会の
後援により運営する「はちおうじダッシュ!」は 50m走競技
や大学陸上部員による走りのクリニックを実施し、市内 59 小
学校から 391 人が参加した。また新たに日本工学院八王子専
門学校の協力による「テニスビギナーズスクール(計 10 回)」
を開催したほか、コニカミノルタ・JR東日本の協力による
「ジュニアジョギングスクール(27 回)」を開催するなど施設
の活用と市民のニーズに応えた。
(2) 公園利用の促進
上柚木総合公園の貴重な自然の資源を活かすため、日本山
岳会高尾の森づくりの会の協力による植物調査と希少植物育
成のための雑木林の下草刈りの実施、及び八王子・日野カワ
セミ会の協力による野鳥調査及び野鳥観察会「冬鳥を楽しも
う」を開催した。そのほか公園の魅力を活かした四季折々の
自然鑑賞教室や新規事業「クリスマスリースをつくろう」を
はじめとする 11 の公園事業を実施し、利用の促進に努めた。
また青少年対策地区委員としての公園や地域の防犯への取り
組みや情報共有、地域アドプト団体との協働による花壇管理
や美化活動、小学校との協働による樹木プレート制作などを
行い、地域連携に支えられた公園マネジメントを展開した。
テニスビギナーズスクール
冬鳥を楽しもう
(3) 公園・運動施設の管理運営
運動施設を含む上柚木公園の指定管理者として、使用受付・貸出及び利用案内、使用料収納事務
等の運営業務を行った。また、法定点検をはじめ、高品質なスポーツターフ管理等の運動施設管理
業務、安全安心の遊具管理等の公園施設管理業務を行った。
運動施設利用人数 306,467 人
施設利用率 87.6%
利用者満足度調査結果 総合的な満足度 97.4%(大いに満足と満足の合計)
- 10 -
4.学園都市づくりに関する事業
(1) 大学コンソーシアム八王子
① 大学等連携事業
大学コンソーシアム八王子に加盟する 25 の大学等と
連携し、効率的な教育改革を推進するための FD・SD フ
ォーラム、若手教職員勉強会、夏休み子どもいちょ
う塾等を実施した。
② 情報発信事業
情報紙「大学コンソーシアム八王子情報」、新入生の
ための生活便利帳「シティインデックス八王子」を発行
したほか、大学イベント情報の収集及びウェブサイトに
よる情報発信を行った。
FD・SD フォーラム分科会
③ 学生活動支援事業
八王子地域合同学園祭第 10 回学生天国、学生企画事業
補助金、第 36 回八王子いちょう祭り学生広場の運営支援
を実施したほか、八王子学生委員会が運営している「フ
ェアトレードカフェ MARCHE」の店舗を移転し、11 月に
リニューアルオープンした。
第 7 回学生発表会
④ 産学公連携事業
学生が、日頃の研究成果等を市政や企業に提案する第
7 回学生発表会を開催したほか、八王子まつり山車曳き
体験を実施した。
⑤ 外国人留学生支援事業
外国人留学生の生活支援や地域との交流を目的に、留
学生座談会、坐禅・茶道体験会等を実施したほか、教職員
向けに留学生寮見学会、留学生に関する勉強会を実施し
た。
留学生坐禅・茶道体験会
(2) 学園都市センターの管理運営
学園都市センターの指定管理者として、利用案内、施設貸出及び利用料徴収等の業務をはじ
め、施設や設備の保守管理業務及び修繕を行った。
また、平成 27 年 7 月に「ISO9001」を取得した。
学園都市センターの「第 3 期指定申請」
(特命)に申請し選定された。
入場者数 190,332 人
施設利用率 89.6%
利用者満足度調査結果 総合的な満足度 100%(大いに満足と満足の合計)
- 11 -
5.財団情報紙「ラ♪ラ♪ラ」等による情報提供に関する事業
芸術文化公演を始めとする各種催物等の情報や、財団が管理運営する施設の利用案内を情報紙、
インターネット等の媒体を通じて市民に提供した。
また、芸術文化会館(いちょうホール)
・南大沢文化会館・学園都市センターでは、施設のインタ
ーネット予約・検索サービスや、ホームページでイベント情報を提供した。
6.市からの受託事業
(1)「第 6 回わがまち八王子の彫刻写真コンクール」
市内に設置された 104 基の彫刻を広く市民に周知することを目的とした「第 6 回彫刻写真コン
クール」を実施した。入賞作品は 2 月の 1 か月間、いちょうホールロビーに展示した。
(応募作品数 98 点、応募者 29 名)
(2) 学園都市大学(いちょう塾)運営
八王子学園都市大学(いちょう塾)の運営業務を受託し、前期・後期の 2 期に分けて講座を設
定するにあたり、大学コンソーシアム八王子加盟の 25 大学等を含む講座提供機関との連絡・調整
を行い、36 機関より提供された 269 講座の設定・管理を行った。
また、受講生の募集・管理等を行うにあたり、講座案内 13,000 部(各期 6,500 部)及び市広報
特集号 571,170 部(前期:285,600 部、後期:285,570 部)を作成して周知を行った結果、年間受
講者数は 5,557 名となった。
7.法人管理
(1) 財政収支改善、新規自主財源の開拓
財団の厳しい財務環境改善を図るため、利用料金等収入確保の取組みに鋭意努めるととも
に、サービスの水準は維持しつつ、固定費以外の全ての支出について、契約方法及び執行方
法を見直し、収支改善に努めた。
また、12 施設(芸術文化会館、上柚木公園、市民センター10 館)において、新電力(PPS)
による電気供給を導入し、電気料金削減による支出抑制を図った。
(2) 事務事業の改善、効率化の推進、コンプライアンスの徹底
27 年度経営方針に基づき、財団運営基本方針を策定し、全職員に周知した。
また、当年度の目標を達成するために作成した課別経営計画の進捗管理を行い、取組や効
果を経営会議で報告し、情報の共有化を図るとともに、未達項目について見直しを図った。
ISO9001 品質マネジメントシステムを構築する中で、
「お客様の声」をサービスに活かすし
くみを見直すなど「顧客満足度向上」に向けた取組を強化し、平成 27 年 7 月 ISO9001 の認
証を取得し(芸術文化会館・南大沢文化会館・学園都市センター)、平成 28 年 1 月に更新認
証を取得した。
11 月 27 日に公益財団法人の認定に関する法律第 27 条 1 項及び第 59 条第 2 項の規定に基
づく、東京都都民生活部管理法人課の立入検査を受け、概ね適切な財団運営が行われている
との結果を得た。
マイナンバー対応システムを導入するとともに、個人情報の取扱いについての職員研修を
実施するなど、コンプライアンスの徹底を図った。
(3) 人材育成
研修計画に基づき各種研修を実施したほか、プロ意識とホスピタリティー向上のため、昨
年に引き続き、嘱託員・臨時職員を対象に、外部講師を招聘しての「顧客満足度研修」を開
催した。また、サービス介助士の習得や安全衛生推進者講習に参加させるなど、人材の育成
を図った。
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