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2020 年までに東京のエネルギー消費量を 2000 年比で 20%削減
東京都環境局 平成 26 年 3 月 東京都の省エネルギー目標 「2020 年までに東京のエネルギー消費量を 2000 年比で 20%削減」 ●都は「2020 年までに、東京の温室効果ガス排出量を 2000 年比で 25%削減する」という目標を掲げ、 様々な先駆的対策に取り組んできているが、エネルギー消費量が減少(2011 年の東京のエネルギー消費量は 2000 年比で 15%減)する一方で、都内に供給される電気のCO2排出係数の悪化によりCO2排出量が 増加している現状にある(電気の排出係数(実績)を用いて算定した場合。次頁「参考 1」参照)。 ⇒CO2排出量の推移だけでは、事業者・都民の省エネ努力の効果がわかりにくい状況になっている。 ●東京は北欧一国分に相当するエネルギーの大消費地であり、また電力の供給を他県に大きく依存してい る。エネルギーの大消費地の責務として、気候変動の危機を回避するためにも、エネルギー消費の効率 化を図るなど省エネ対策に先駆的に取り組んでいく必要がある。*CO2削減目標の見直しは、将来の電源構成が不透明 であるため困難 ●このため、事業者や都民等の省エネ・節電の成果が明確となるよう、温室効果ガス 25%削減目標に おける需要側が取り組むべき目標を設定するという観点から、 「2020 年までに東京のエネルギー消費 量を 2000 年比で 20%削減する」というエネルギー消費量そのものに着目した新たな目標を掲げ、 引き続き、世界有数の大都市として、実効性ある気候変動対策・省エネルギー対策に取り組んでいく。 ●エネルギー消費量そのものの削減目標を設定 「2020 年までに東京のエネルギー消費量を 2000 年比で 20%削減」 *都民・事業者による省エネ・節電の取組成果をわかりやすく提示可能に *都市の成長と両立する省エネ対策の推進 ~電気代削減や省エネ製品の販売拡大など環境ビジネスの推進にも寄与 (単位:ペタジュール) 900 800 9.8%減 700 15%減 20%減 600 500 400 合計 3か年度平均 300 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2020 (東京都調査結果) *目標達成にむけた主な対策 ~「都市の成長と両立する省エネ対策」を総合的に推進 大規模事業所 対策 ●キャップ&トレード制度による 着実なCO2削減(省エネ)の推進 ・第1期(2010-2014):2012 年度実績 平均 22%削減(基準排出量比) 暫定値 *CO2排出係数は固定して排出量を算定 ・第2期(2015-2019):オフィスビル等は 17%の削減義務(基準排出量比) 中小規模事業 所対策 ●地球温暖化対策報告書制度での自己評価指標(ベンチマーク)の活用や、 無料省エネ診断の推進等による、省エネの取組強化 など 新築建築物対策 ●建築物環境計画書制度を活用した新築建築物の省エネ性能の向上 家庭対策等 ●家庭等への創エネ・エネルギーマネジメント機器の普及促進 など など スマートエネルギー都市の実現へ 1 東京都環境局 【参考1】東京のエネルギー消費量とCO2排出量の現状 ●都内に供給される電気の 「電気のCO2排出係数」の推移 (kg-CO2/kWh) (東京都調査結果) 東京都内に供給される電気のCO2排出係数の推移 0.500 0.460 0.461 0.428 0.381 0.400 0.328 0.420 0.383 0.388 0.372 0.377 0.345 0.300 0.318 都内に供給される電気のCO2排出係数 0.200 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 ●「東京のCO2排出量」の推移 ●「東京のエネルギー消費量」の推移 【参考】電気の排出係数を 【電気の排出係数(実績)を用いて算定した場合】 2001 年値に固定して 算定した場合 (億メガジュール) 9,000 (百万トン) 8,000 70 7,000 ▲15%減 6,000 (百万トン) 70 4%増 60 60 50 50 5,000 40 4,000 3,000 2000 ▲14%減 40 30 30 20 20 2011 2000 2000 2011 2011 【参考2】 エネルギー消費量の 20%削減目標のレベルはこれまでと変わらない。 ・都の温室効果ガス削減目標(25%)は、そのうち 20%をエネルギー需要側(消費側)の省エネの取組で、残りの5%を エネルギー供給側の取組で削減することとしていた。 ・したがって、エネルギー消費側での省エネの取組の目標レベルは、これまでと変わらない。 *エネルギー供給側の取組:電気の排出係数 2000 年 0.328kg-CO2/kWh → 2020 年 0.310kg-CO2/kWh(東電計画値(当時の 2010 年達成目標)) (約 5%減) 【2020 年までに 2000 年比で 25%削減】 ①エネルギー需要側の取組 5,768 25%削減 万㌧ CO2 ⇒省エネによる削減効果 2000 年比約 20%削減程度 4,326 万㌧ CO2 ②エネルギー供給側の取組 ⇒電力会社等による電気のCO2排出係数の改善効果 2000 年比約 5%削減程度 2000 年度実績 2020 年度目標 2 東京都環境局 【参考3】2010(平成 22)年の都条例施行以降、大規模事業所では省エネが着実に推進 (1)エネルギー消費総量の経年変化 ~着実に削減 都キャップ&トレード制度の対象事業所におけるCO2排出量は、CO2排出係数を固定して算出しているため、 当該排出量の推移は、対象事業所のエネルギー消費量の推移とほぼ同様となる。 こうした都キャップ&トレード制度の対象事業所におけるCO2排出量の経年変化をみると、全国及び都内の産業・ 業務部門のエネルギー消費量の経年変化と比べ、継続的かつ大幅に削減されていることがわかる。 105 エネルギー消費量等の経年変化 H17 年度を100 とした経年変化 全国最終エネルギー消費量(産業・ 全国最終エネルギー消費量の経年変化 業務部門)の経年変化 (H17年度値=100) (H17(2005)年度値=100) 100 95 都内最終エネルギー消費量(産業・ 都内最終エネルギー消費量の経年変化 業務部門)の経年変化 (H17年度値=100) (H17(2005)年度値=100) 90 都キャップ&トレード制度の対象 キャップ&トレード制度の対象事業所の 事業所のCO2排出量の経年変化 CO2排出量の経年変化(H17年度値 (H17(2005)年度値=100) (注)CO2 排出係数固定 =100) *CO2 排出係数は固定して算出 85 80 75 70 平成17年度 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 平成24年度 2005 2006 2007 2008 2009 2010 都条例改正 2011 2012 総量削減義務施行 (出典)全国最終エネルギー消費量・・・資源エネルギー庁資料より(http://www.meti.go.jp/press/2013/10/20131002003/20131002003.pdf) 都内最終エネルギー消費量・・・東京都調査(参考 http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/other/attachement/2011sokuho.pdf) 都キャップ&トレード制度対象事業所の CO2 排出量・・・ 平成 17(2005)年度から平成 21(2009)年度まで(http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/large_scale/attachement/zenseidomatome.pdf) (2)エネルギー消費原単位(MJ/㎡)の経年変化 ~「事務所」は約 28%削減(基準年度比) 都キャップ&トレード制度対象事業所の主な用途ごとのエネルギー消費原単位(床面積あたりのエネルギー消費量)の 「平均値」をみると、 「事務所(オフィスビル)」は 2010(H20)年度実績では 15%減、2011(H21)年度実績では 28% 減(いずれも基準年度比)となるなど、他の用途でも 16%以上削減されている(2011 年度実績)。 主な用途ごとのエネルギー消費原単位の「上位 25%値」の推移も同様の傾向にあり、 「事務所(オフィスビル) 」は 2010 年度実績では 13%減、2011 年度実績では 28%減(基準年度比)となるなど、他の用途でも 18%以上削減されている。 ①主な用途ごとのエネルギー消費原単位「平均値」の推移 主な用途の「エネルギー消費原単位(MJ/㎡)[平均値]」の推移 主な用途の「エネルギー消費原単位(MJ/㎡)[平均値]」の推移 0% 4,000 事務所 商業 5% 医療 削減率(%) 10% 2,000 教育 15% 1,000 20% 0 25% 30% 基準年度 H21(2009) H22(2010) 事務所 商業 宿泊 医療 教育 3,000 宿泊 H23(2011) 基準年度 2,577 2,241 2,186 1,853 商業 3,635 3,292 3,200 2,719 宿泊 3,316 3,043 3,063 2,770 医療 3,351 3,061 3,132 2,808 教育 1,441 1,342 1,366 1,173 (出典)東京都資料より(http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/large_scale/cap_and_trade/data/karte.html) 基準年度:事業所が選択した平成 14 年度から 19 年度までの間のいずれか連続する3か年度 3 H21(2009) H22(2010) H23(2011) 事務所 東京都環境局 ②主な用途ごとのエネルギー消費原単位「上位 25%値」の推移 主な用途の「エネルギー消費原単位(MJ/㎡)[上位25%値]」の推移 主な用途の「エネルギー消費原単位(MJ/㎡)[上位25%値]」の推移 4,000 0% 事務所 3,000 商業 5% 宿泊 医療 削減率(%) 10% 事務所 商業 宿泊 医療 教育 2,000 教育 1,000 15% 0 20% 25% 30% 基準年度 H21(2009) H22(2010) H23(2011) 基準年度 H21(2009) H22(2010) H23(2011) 事務所 2,060 1,813 1,785 1,489 商業 2,783 2,534 2,418 2,045 宿泊 3,075 2,802 2,773 2,507 医療 3,055 2,695 2,811 2,505 教育 1,100 1,017 1,079 903 (出典)東京都資料より(http://www.kankyo.metro.tokyo.jp/climate/large_scale/cap_and_trade/data/karte.html) 基準年度:事業所が選択した平成 14 年度から 19 年度までの間のいずれか連続する3か年度 (3)商業施設ではLED照明の導入が加速 キャップ&トレード制度対象事業所(商業用途)における照明器具設置状況 省エネ型 ・Hf 蛍光ランプ ・セラミックメタルハライドランプ等 ・ハロゲン電球 ・直管形蛍光ランプ、 ゚ FLR、FSL 従来型 (対象事業所の提出資料をもとに東京都作成) 【参考4】都内のエネルギー消費量と都内GDPの推移 ~デカップリング~ エネルギー消費とGDPの推移(都内、全国) ・持続可能で活力のある都市を実現するには、経済活動の増加 とエネルギー消費や資源の消費量等の増加が連動しない 1996 年度=100 120 エネルギー消費(都内) 状態(デカップリング)を目指す必要がある。 ・EU では既に、第 6 次環境行動計画(2002 年)で、デカッ GDP(都内) 115 エネルギー消費(全国) (UNEP)などの場でも国際的な議論が行われている。 ・東京のGDPと最終エネルギー消費の推移をみると、2001 年以降、両者の分離(デカップリング)が始まっている状況 が伺える。 GDP GDP(全国) プリングを政策目標に掲げており,OECDや国連環境計画 110 105 100 ・業務部門でもグリーンビルディングの建設が加速するなど 東京の省エネルギーは新たな段階に入っており、家庭部門も 最終エネルギー消費 95 含めて「賢い節電・省エネ」の定着によってデカップリング を更に進めていく必要がある。*東京都環境白書 2012 より抜粋 90 年度 85 1996 4 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2011