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平成22年度「課題オ 超臨場感コミュニケーションシステムに関する研究開発」の開発成果について
1.施策の目標
遠く離れた場所からでもお互いがその場にいるような自然でリアルなコミュニケーションを実現するための、超臨場感コ
ミュニケーション技術を実現する。具体的には、ドーム形状のシアターに超高精細映像・高臨場感音響システムを構築し、
ドーム形状シアターによる臨場感を十分に引き出すコンテンツを開発し、臨場感効果の実証実験を行う。
2.研究開発の背景
博覧会、展示会において、家庭では見ることができない画面サイズでの超高精細映像・高臨場感音響上映が人気であり、
超臨場感サービスの潜在的な需要があると考えられる。超臨場感を生じさせるためには、映像・音響機器が必要なだけで
はなく、視聴環境も重要な要素である。超臨場感コミュニケーションに必須な超高精細映像・高臨場感音響の効果を十分
に引き出す環境として、映像と音響の空間へ観客を没入させるドーム形状のシアターは、理想に近いものと考えられる。こ
れは、画面をみるときの視野が大きいほど臨場感が向上するとの知見があり、ドーム形状のシアターでは、大勢の観客と
臨場感を共有しながら、視野をほぼ覆いつくす画面を表示できるからである。
3.研究開発の概要と期待される効果
本研究開発は、「超臨場感映像・音響技術」、「超臨場感シアター開発」、「超臨場感システム製作」、「超臨場感コンテン
ツ開発」、「超臨場感映像機器開発」からなっており、ドーム形状などの超臨場感シアターに向けたシステム設計、機器開
発、コンテンツ開発、機器設置とシアター製作による実証実験を行う。
これにより超高精細映像・高臨場感音響システムによる高臨場感サービスの実現性を高め、諸外国に先駆け超臨場感
技術を今後の産業の柱につなげる。
①超臨場感映像・音響技術の主な成果
①超臨場感映像・音響技術
人間の
視覚・聴覚特性
既存ドームシアターの
映像・音響特性測定
スーパーハイビジョン
映像・音響技術
ドームシアターの音響特性改善
バイノーラル方式+マルチチャンネル音響方式
従来の音響再生方式と提案のドーム音響再生システムにより、
壁面の反射による悪影響を低減し、原音には変化がないことを検証
ドームシアターでの映像・音響仕様決定、設計
•発明報告書:2件
•学会報告 :3件
大画面表示に必要な画質の主観評価実験
大画面表示での画質評価
場所:NHK双方技術研究所、画面サイズ:450インチ(10×5.5 m)
•評定者
:一般 15名
•評価画像 :画面サイズ、輝度、コントラストを変化させた
一般画像2絵柄
・評価結果 :画面サイズが大きいほ
うが好まれるが、ある程度の輝
度は必要
ドームシアターでの映像・音響仕様、設計
ドームシアターの映像仕様
•方式 :背面投射による表示
•画素数:7680×8640
•コントラスト:コントラストが低下しないよう、明るい部分は画面一部のみ
ドームシアターの音響仕様、設計
•方式 :バイノーラル方式(室内音響による悪影響を客席に配置した
スピーカで低減する)+マルチチャンネル音響(スピーカ配置:4層構
造(下層8ch、中層8ch、中上層8ch、上層1ch、LFE4ch))
•周波数特性: 6kH以上-3db/oct
•吸音率:50%以上
2
②超臨場感シアター開発の主な成果
②超臨場感シアター開発
既存小型ドームシアター(FRP製)の映像・音響特性測定まとめ
ドームシアターでのバイノーラル音響効果確認
場所:コニカミノルタプラネタリウムのテスト用
ドーム(豊川市)、
直径23m
場所:和歌山大学様 総合研究棟2F
大きさ:直径3mFRP自立型ドーム(4分割)
•残響時間:低域と中域との差が少ない。
100,800Hzでピークがあり、室内特性へ悪影響
バイノーラル音響:加工した椅子3脚を設置
•エコータイムパターン:スピーカ配置、周波数
帯域により品質の差が生じる
マルチチャンネル音響:スピーカーを複数地
点へ設置
‹シアター用の椅子を加工
残響時間測定例
‹頭部と背面に小型スピーカーを設置
エコータイムパターン測定例
リアスクリーンでのドーム検討
ドームシアターでの映像・音響設置仕様
今後の以下の要求をベースに仕様に落とし込む
映像
検討項目
• 直径8m(約25名収容可能)のリアスクリー
ンによるドーム
• 数台の超高精細映像・広ダイナミックレン
ジプロジェクターによる超臨場感映像の実現
• バイノーラルオーディオ技術を用いた超臨
場感音響の実現
直径8mでのリアスクリーンによ
るドーム
音響要求
音響
リア音響透過型スクリーンでのマ
ルチチャンネル音響とバイノーラ
ル音響の組み合わせ
3
③超臨場感システム製作の主な成果
③超臨場感システム製作
サウンドスクリーンの音響特性
新規ドームシアタースクリーンに
求められる映像・音響特性
○ スクリーンなし
映像特性
音響特性
● 有孔スクリーン
(開口率10%)
・背面投射型
・サウンドスクリーン
▲ 有孔スクリーン
4層
・高解像度(画素数: 7680×8640)
・フラットな透過周波数特性
△ 無孔スクリーン
1層
・必要最小限の指向特性 (±50度程度)
・できるだけ大きな透過率
□ 無孔スクリーン
4層
測定結果
背面投射型サウンドスクリーンは現存しないので、
・有孔スクリーンは4層でも
1層と同様な効果あり
既存の背面投射型スクリーン(ソフトタイプ)に
音響透過用の孔をあけたサンプルを試作し、特性を測定
音響透過周波数特性
・小型のシアター模型を試作し、
短冊状フィルムの曲面スクリー
ンの投射表示実験を行った。
・リアスクリーンで音響透過
の実現可能性あり
成果と今後の方針
湾曲面スクリーンの構成法と投射表示実験
・従来スクリーンで構成が難し
い湾曲形状を実現するため、
短冊状にしたクリアフィルムを4
層重ねてスクリーンを構成。
1層
・現在リアスクリーンで音響透過型は存在しないが、有孔
透過で複数枚重ねても音響透過性が確認できたので、
音響リアスクリーンは実現可能である。
・湾曲面スクリーンの構成法を検討して、短冊状スクリー
ンにおいて、スクリーン機能を確認した。
・短冊状スクリーンにおいて、スクリーン機能を確認した。
・今後の方針
・プロジェクタのホットスポットがスクリーンを透過するため、グレーフィル
ムによる拡散タイプスクリーンで実験を行った。その結果、フィルム重な
りが生じる短冊形には向かないことを明らかにした。
スクリーン保持構造の検討を行う。
4
1.これまで得られた成果(特許出願や論文発表等)
特許出願
超臨場感コミュニ
ケーションに関する
研究開発
論文
3 件
(1)
研究発表
3
報道発表
標準化提案
件
(3)
累積の件数、()は該当年度の件数
2.研究成果発表会等について
ドームシアターの映像・音響測定について学会発表
大画面の映像主観評価について学会発表
2件
1件
5
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