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全 文 1938KB - 京都教育大学大学院

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全 文 1938KB - 京都教育大学大学院
平成 14 年度
京都府現職教育職員長期研修
研究課題
情報通信ネットワークを用いた地域連携に関する研究
∼ 開かれた学校構築のための活用 ∼
研修報告書
研修期間
自
平成 14 年 10 月 1日
至
平成 15 年 3 月 31 日
京都教育大学
教育学部
附属教育実践総合センター
指導教官
佐々木
真理
京都府天田郡夜久野町立精華小学校
中 川
敏 朗
情報通信ネットワークを用いた地域連携に関する研究
∼ 開かれた学校構築のための活用 ∼
夜久野町立精華小学校 教諭 中 川 敏 朗
【索引語】地域イントラネット
開かれた学校
地域連携
報告書の構成
第4章 学校における地域イントラネット
第1章 地域イントラネットの構築
1
第1節 学校イントラネットの条件と
提案
地域イントラネットに関する我が国
1
ハードウェアの側面
2
ソフトウェアの側面
3
人的環境
の方針
2
世界最高水準の高度情報通信ネット
ワークの形成とは
3
地域イントラネットの主な整備事業
第2節 家庭と学校の連携のあり方
1
インターネット機能を生かした
連携の試み
第2章 地域イントラネットの実際
2
運用実験の準備
調査
3
運用実験の計画
1
調査の目的
4
運用実験の結果
2
調査の方法
5
まとめ
3
調査結果・分析
第1節 地域イントラネット導入地域
第2節 地域イントラネット導入地域
第5章 まとめと課題
の事例(岸和田市)
1
岸和田市の概要
2
情報化の推進状況
要旨
3
主なアプリケーション
第1章
4
街頭端末機について
5
まとめ
地域イントラネットの構築
総務省では,
「e-Japan 重点計画-2002」
(平
成 13 年3月)や「全国ブロードバンド構想」
(平成 13 年 10 月 13 日)を作成し,「世界最
第3章 これからの地域イントラネット
高水準の高度情報通信ネットワークの形成」
1
地域イントラネットの条件
「教育及び学習の振興並びに人材の育成」,
2
地域イントラネットの提案
また,高速・超高速インターネットの全国的
な普及に関する平成 17 年度までのスケジュ
ールや官民の役割分担,実際の利用見込み,
5
産業活動への活用
ブロードバンドの普及により期待される社会
6
行政情報化の推進
生活の変化を明らかにし,
国の方針を示した。
7
住民の情報リテラシーの向上
また,政府各省は,この方針を具体化する
そして,7つのカテゴリーの構築条件を
ため,
様々な地域イントラネット事業を行い,
もとに,これからのイントラネットの構築
地域公共ネットワークを整備している。
について具体的に提案した。
第2章
第4章
地域イントラネットの実際
地域イントラネット整備事業等でイント
学校における地域イントラネット
学校におけるイントラネットの構築条件
ラネットを構築して,現在運用している地
をハードウェアの側面,ソフトウェアの側面,
域の構築・運用調査を行い,実態をつかん
人的環境に整理し,その考えを提案した。
だ。行政の各情報を公開するサービス内容
また,開かれた学校づくりを目指すにあた
から,住民のニーズに応じたサービス内容
り,インターネットの機能を生かした家庭と
も含んできたことや住民と双方向でのサー
学校との連携の仕方を夜久野町立精華小学校
ビス内容を展開しているなどサービス内容
2年生保護者家庭との間で実験的に試み,そ
がブロードバントに対応し,マルチメディ
の運用の実用度を検証した。
ア化したものになりつつある。
運用実験では,パソコンや携帯電話を使
第三セクターの㈱テレビ岸和田をパート
い,電子メールによる連携と BBS による交
ナーとして様々な分野で早くから地域イント
流,ホームページによる広報に絞って行っ
ラネットの整備を進めてきた大阪府岸和田市
た。使用ソフトウェアは Windows 付属の
は,庁内の情報化を進めるため職員に対する
ものであったり,無料のソフトウェアを使
IT 講座を精力的に行ってきた。市民に対する
用して行った。ダイアルアップ接続による
サービスも充実しており,各公共施設には端
低速回線の通信環境であったが,児童の育
末機を設置し,どこからでも市民が利用でき
ちを中心にさまざまな交流が展開でき成果
るようになっている。統合型 GIS の導入や電
があった。
子入札の導入など幅広く情報化に対応してい
く計画があり,学べることが多く,今後の進
展が楽しみな自治体である。
第5章
まとめと課題
本研究では,情報通信ネットワークを用い
て地域連携を進めるための地域イントラネッ
第3章
これからの地域イントラネット
トを構築するための具体案を提案し,さらに
これからのイントラネットを構築するに
「開かれた学校づくり」を進める方策につい
あたり,構築の条件を7つのカテゴリーに
て運用実験をし考察を進めてきた。この研究
分けて整理した。カテゴリーを次に示す。
結果が,今後,導入される地域イントラネッ
1
地域情報通信基盤の整備
トの構築において参考になることを願う。
2
コミュニティ活動での活用
3
暮らしへの活用
影の部分」に関する問題を克服するための取
4
教育・文化での活用
組みをしていく必要がある。
また,情報化を進めるにあたり,
「情報化の
はじめに
急速に進展する情報技術(IT)革命に対応して,小・中学校において本年度完全実施の
新しい学習指導要領のもとで,児童・生徒の情報活用能力の育成を図るため,コンピュー
タ活用等の充実が求められている。また,ミレニアム・プロジェクト「教育の情報化」、
e-Japan 戦略など一連の教育の IT 化の流れの中で,平成 17 年度までにすべての授業でコ
ンピュータやインターネットが使えることを目標に,コンピュータ整備,インターネット
接続,校内 LAN 整備,悉皆教員研修の実施などが進められている。
一方,新しい学習指導要領では「開かれた学校づくりを進めるため,家庭や地域社会と
の連携を深める」ことが求められており,文部科学省の「新・情報教育に関する手引」
(平
成 14 年6月)では,学校の情報を外部に提供する手段として,ホームページや電子メール
の活用を促している。
こうした状況の中で,学校や家庭,地域,関係諸機関などの連携,協力体制を一層深め
るための手段として有効な通信ネットワークに関する研究は重要である。すでに,地域イ
ントラネットを構築している地域では,それを生かした連携,協力の取り組みを進めてい
る実践例を見つけることができるが,学校の教育活動の中で地域イントラネットを生かし
た活用方法となると実践例が少ない。
そこで,今回の長期研修において,情報通信ネットワークを用いた学校・家庭・地域・
関係諸機関の連携強化をどのように進めればよいかを課題として設定し,おもに学校にお
ける活用を中心に実践的な研究を行い,その研究成果から,これから導入する地域や学校
のために,その運用方法を提案していきたい。
本報告書作成にあたり,研究主題の検討から内容構成に至るまで,細部にわたってご指
導いただいた京都教育大学教育学部附属教育実践総合センター・佐々木真理先生をはじめ,
多くの先生方のご指導に感謝を申し上げます。
今後も継続してこの研究課題の検証に努め,学校での教育実践に生かしていきたいと考
えております。
本当にありがとうございました。
平成 15 年3月 31 日
夜久野町立精華小学校
教諭
中 川
敏 朗
目 次
第1章 地域イントラネットの構築
1 地域イントラネットに関する我が国の方針
1
2 世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成とは
1
3 地域イントラネットの主な整備事業の概要
3
第2章 地域イントラネットの実際
第1節 地域イントラネット導入地域調査
1 調査の目的
7
2 調査の方法
7
3 調査結果・分析
12
4 調査対象地域の概要
24
5 調査対象地域のデータ
29
第2節 地域イントラネット導入地域の事例(岸和田市)
1 岸和田市の概要
51
2 情報化の推進状況
51
3 主なアプリケーション
57
4 街頭端末機について
58
5 まとめ
60
第3章 これからの地域イントラネット
1 地域イントラネットの条件
61
2 地域イントラネットの提案
62
第4章 学校における地域イントラネット
第1節 学校イントラネットの条件と提案
1 ハードウェアの側面
73
2 ソフトウェアの側面
89
3 人的環境
96
第2節 家庭と学校の連携のあり方
1 インターネット機能を生かした連携の試み
98
2 運用実験の準備
99
(1) 全保護者意識およびコンピュータ環境調査
(2) 2年生保護者事前意識およびコンピュータ環境調査
(3) 2年生保護者コンピュータ環境調整
(4) 保護者用マニュアル作成
(5) 特設ホームページの作成
3 運用実験の計画
119
4 運用実験の結果
121
5 まとめ
131
第5章 まとめと課題
133
第1章
第1章
地域イントラネットの構築
地域イントラネットの構築
1 地域イントラネットに関する我が国の方針
総務省では,
「e-Japan 重点計画-2002」
(平成 13 年3月)に掲げられている「世界最高
水準の高度情報通信ネットワークの形成」および「教育及び学習の振興並びに人材の育成」
等の具体的な取組みを展開するため,地域における市役所,学校,図書館等の施設を高速
ネットワークで幅広く結ぶ地域イントラネット基盤施設整備事業等による地域公共ネット
ワークの全国的な普及を推進しているところである。また,
「全国ブロードバンド構想」
(平
成 13 年 10 月 13 日)を作成し,高速・超高速インターネットの全国的な普及に関する平成
17 年度までのスケジュールや官民の役割分担,実際の利用見込み,ブロードバンドの普及
により期待される社会生活の変化を明らかにしている。
全国ブロードバンド構想では,
平成 17 年度までに少なくとも 3,000 万世帯が高速インタ
ーネットアクセス網に,1,000 万世帯が超高速インターネットアクセス網に常時接続可能
な環境を整備すること,地理的要因によるデジタル・ディバイド※1の発生を防止すること,
平成 17 年度までに,地域公共ネットワークの全国整備を図ることを目標としている。
2 世界最高水準の高度情報通信ネットワークの形成とは
我が国はこれまで極めて信頼性の高い世界的にも高水準の情報通信ネットワークを全
体として構築してきたが,IT 社会における中心的な情報通信ネットワークであるインター
ネットについては,アジア・太平洋地域においても決して先進国であるとは言えない状況
となっている。
現在の我が国のインターネットアクセスは,電話網を利用したダイアルアップ接続によ
るものが主流であるが,その地域通信市場が事実上の独占状態であり,十分な競争が行わ
れてこなかったことがインターネット普及の遅れの原因と考えられる。
インターネットは,
論理的には電話網とは別個のネットワークにより提供されるサービスである。しかしなが
ら,
インターネットの物理的なネットワークを全く新たに構築することは現実的ではなく,
インターネットサービスプロバイダーに接続するためにメタル線を用いた DSL※2やケー
ブルテレビ網等の既存伝送設備を活用した高速インターネット網の構築を推進することが
※1 IT に対応できる技術を持った人と,持っていない人との「技術格差」のこと
※2 メタル線に DSL モデムなどの専用装置を設置することにより高速データ伝送を可能とする技術
1
現実的である。さらに,今後,光ファイバ,FWA※1などの多様な技術による独自ネットワ
ークの構築や超高速化を推進すべきものと考えられる。
そこで,
「e-Japan 重点計画-2002」では,世界最高水準の高度情報通信ネットワークの
形成について,次のことを目標としている。
① 競争及び市場原理のもと,5年以内に超高速アクセス(目安として 30∼100Mbps が可
能な世界最高水準のインターネット網の整備を促進することにより,必要とするすべての
国民がこれを低廉な料金で利用できるようにする。少なくとも 3,000 万世帯が高速インタ
ーネットアクセス網に,また 1,000 万世帯が超高速インターネットアクセス網に常時接続
可能な環境を整備することを目指す。
)
② 短期的には,1 年以内に有線・無線の多様なアクセス網により,すべての国民が極めて
安価にインターネットに常時接続することを可能とする。これに必要なあらゆる手段を速
やかに講ずる。
③ インターネット端末やインターネット家電が普及し,それらがインターネットに常時
接続されることを想定し,十分なアドレス空間を備え,プライバシーとセキュリティの保
護がしやすい IPv6※2を備えたインターネット網への移行を推進する。
④ 無線アクセス網からのデータがインターネット網(IPv6)に効率よく接続された最先
端の高速無線インターネット環境を実現し,
シームレスな移動体通信サービスを実現する。
高度道路交通システム(ITS※3)や地理情報システム(GIS※4)などと連携した高度な移
動体通信サービスを普及・促進する。
⑤ 国内インターネット網の超高速化に併せて,国際的なインターネットアクセスの超高
速化を目指す。
⑥ 家庭における IT 革命を支える基盤となる放送のデジタル化を推進し,通信と放送の融
合や双方向サービスを本格展開する。
これらの目標から,IT 革命を推進し,我が国を世界最先端の IT 社会とするため,世界
最高水準の高度情報通信ネットワークの形成を目指すこと我が国の急務である。しかし,
この世界最高水準とは通信の速度・容量のみで判断されるものではなく,低廉・高速・大
容量のインターネットを中心とする多様なネットワーク全体を多様性・安全性・信頼性な
ど総合的に評価した上で,世界の最先端の水準と認められるものでなければならない。
※1 メットワーク端末を 30∼40GHz のミリ波の無線で接続するもの
※2 Internet Protocol version 6 のことでこのバージョンでは 43 億の4乗の IP アドレスが認識できる
※3 IT を利用して,交通混雑の解消,事故の自動通報や予防,地域交通の合理化などを行うシステム
※4 デジタル化された地理情報と各種データ,画像データを電子的に組み合わせて高度利用するシステム
2
第1章
地域イントラネットの構築
3 地域イントラネットの主な整備事業の概要
(1)地域イントラネット整備事業
政府は,地域の教育,行政,福祉,医療,防災等の高度化を図るため,インターネット
の技術で築く地域の高速 LAN(地域イントラネット)の整備に取り組む地方公共団体等を
国庫補助金により支援しており,各自治体がそれを利用することで,ここ近年急速に整備
事業が拡大してきた。地域イントラネットのイメージ図を図 1-1 に示す。
図 1-1 地域イントラネットイメージ図
(2)先進的情報通信システムモデル都市構築事業
郵政省及び通商産業省が共同で,モデル地域を選定し,行政,教育,医療及び防災等複
合的機能を持つ先進的な情報通信システムの整備を支援することにより,21 世紀型のマル
チメディア未来都市の先行的な実現を図り,高度情報通信社会の構築を加速・推進してい
る。モデル地域に選定された地方公共団体等が先進的情報通信システムを整備する際に,
郵政省及び通商産業省が連携して,所要経費の一部を補助することになっている。先進的
情報通信システムモデル都市構築事業のイメージ図を図 1-2 に示す。
3
図 1-2 先進的情報通信システムモデル都市構築事業イメージ図
(3)自治体ネットワーク施設整備事業
高度なネットワークを通じて,市役所,学校,病院等の公共施設を接続し,公共分野(行
政,教育,医療・福祉等)のアプリケーションの開発・導入を図るとともに,その効用を
全国的に普及することに資する施設を整備し,もって,全国的な情報通信基盤整備の加速
を図ることを目的に事業が進んでいる。自治体ネットワーク施設整備事業のイメージ図を
図 1-3 に示す。
図 1-3 自治体ネットワーク施設整備事業のイメージ図
4
第1章
地域イントラネットの構築
(4)テレワーク施設整備事業
また,自治体等地方公共団体が整備するテレワークのための地域住民の共同利用施設で
あるテレワークセンターに対する補助事業を通じ,テレワークの普及を推進するテレワー
クセンター施設整備事業がある。テレワークセンター施設整備事業のイメージ図を図 1-4
に示す。
図 1-4 テレワークセンター施設整備事業
(5)情報バリアフリー・テレワークセンター施設整備事業
高度な情報通信技術を活用した人の移動を伴わない勤務形態を,高齢者・障害者に対し
て可能とする施設及び設備の設置の事業であって,情報通信の活用による高齢者・障害者
の新たな雇用機会の創出効果,
あるいは環境保全効果の期待できる地域において都道府県,
市町村又は第三セクター法人等が行うものである。
(6)広域的地域情報通信ネットワーク整備促進モデル構築事業
我が国では,科学技術の進歩に伴い生活水準が向上しているが,一方で,過疎化,少子
高齢化が進み,生活水準の向上の恩恵を受け難い地域も残されている。また,都市部にお
いても,地方公共団体間の連携の不備により,十分な行政サービスが達成されていない場
合が多数存在している。
このような状況の中,平成 10 年3月 31 日に閣議決定された「21 世紀の国土のグランド
デザイン(新・全国総合開発計画)
」で掲げられている「4つの戦略」では,
「地域連携軸
5
の展開」が戦略の一つとして掲げられ,その実施施策として「情報通信体系の整備」が示
された。また「生活空間倍増戦略プラン」の一環として各地域で策定が進められている「地
域戦略プラン」でも,具体的なイメージとして「広域高度情報化計画」が掲げられた。
本事業は,他の地方公共団体のモデルとなり得る優れた広域的な情報通信ネットワーク
の構築を企画する複数の地方公共団体の連携主体に対して,モデルの構築(共通通信ネッ
トワークシステムの企画,設計,開発,試験等)を郵政省が委託する事業である。
本府では,相楽郡精華町,木津町,山城町及び加茂町が委託され,
「仮想的リアルタイム
処理による統合型データベースを活用した広域図書館ネットワークシステムの開発」を委
託事業テーマに掲げて取組みを進めている。
6
第2章
地域イントラネットの実際
第2章 地域イントラネットの実際
地域イントラネット整備事業等でイントラネットを構築し,現在運用している地域が全
国各地にある。この章では,こうした地域を調査研究し,現在の地域イントラネットの構
築・運営状況を明らかにしたい。
第1節 地域イントラネット導入地域調査
1 調査の目的
全国各地域で情報通信基盤を確立するため,地域イントラネット整備事業として公共施
設を中心に光ファイバー等の高速通信網の整備が進んでいる。
そこで,地域イントラネット推進事業を積極的に行い,運用している地域の構築・運用
状況をつかむことで,現段階での地域イントラネットの状況を知り,次世代型地域イント
ラネット構築の資料とする。
2 調査の方法
(1) アンケートシステムの立ち上げ
現在,地域イントラネットを構築し,運営している地域の実態を調査するため,現在行
われていると思われるサービス項目や将来行われそうなサービス項目を考え,アンケート
を作成した。調査項目を表 2-1 に示す。アンケートは 19 項目から成るが,14 項目は,選
択回答,残りの6項目を記述回答とした。選択回答は,①現在行われている,②将来行う,
③実施の可能性を検討中,④予定行う予定はない,⑤その他,の5者とした。
アンケートは Web 上に上げ,いつでも回答できる形にした。Web 上でアンケートの回
答ができるレンタルアンケートシステム・サービス(無料)を利用することにした。レン
タルアンケートシステム「質問君」を図 2-1 に示す。また,
「質問君」を利用して作ったア
ンケートを図 2-2 に示す。
7
表 2-1 アンケート調査項目
1.地域内図書館にある蔵書データベースが閲覧できる
2.IT 講座が自宅にいながら受講することができる
3.各種の申請届出がネット上でできる
4.公文書公開用のサーバがあり,円滑な情報公開が可能である
5.行政サービス事業,各種施設情報,イベント情報など最新情報が閲覧できる
6.日々の安全対策や災害発生時の緊急対策の情報発信ができる
7.介護保険や介護施設の利用,介護サービス内容など提供をしている
8.総合的な相談業務がテレビ電話等を介して対話形式でできる
9.専門の知識・技能を持ったイントラネット管理専任の職員がいる
10.各種の電子掲示板が用意され,住民等のコミュニケーションが図れる
11.地域内の公共施設の利用予約がネット上でできる
12.議会での様子がライブ中継で見ることができる
13.選挙では電子投票ができ,開票の結果に時間がかからない
14.工業,農業,林業,漁業酪農等の振興のための情報提供・交流がある
15.その他,地域イントラネットを利用して行っているサービスがあればその内容を
教えて下さい
16.ライブカメラ等を使って動画を配信していることがあればその内容を教えて下さ
い
17.現在,貴市町村の地域イントラネットを運用していて感じる問題点や課題を教え
て下さい
18.今後,地域イントラネットを利用して行うサービスの計画があれば教えて下さい
19.今後,地域イントラネットを利用して行えたらいいと思うサービスを教えて下さ
い
8
第2章
地域イントラネットの実際
図 2-1 レンタルアンケート「質問君」
http://www.supreme.co.jp/cfm/ask3/
図 2-2 地域イントラネットに関わるアンケート
http://www.supreme.co.jp/cfm/ask3/preview.cfm?nID=914409097&P=1114313311
9
(2) 調査の依頼
対象の選定にあたっては,地域イントラネットをホームページで検索し,そこであがっ
てきた市町村のホームページから情報推進・IT 推進に関わる担当に向けて直接電子メール
で依頼をした。電子メール依頼文を表 2-2 に示す。
また,アンケート調査は,平成 14 年 12 月4日から2週間をかけて行った。この依頼で
はアンケートに回答する地域が少ないことから,再度,平成 15 年1月 17 日より2週間か
けて,直接電話でアンケート依頼をした。
表 2-2 電子メールによるアンケート依頼文
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
地域イントラネットに関わるアンケートご協力のお願い
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
拝啓 深秋の候,貴地域におかれましては,ますますご清栄のこととお喜び申し上げ
ます。
私は現在,京都教育大学附属教育実践総合センターの佐々木研究室にて「情報通信ネ
ットワークを用いた地域連携に関する研究」をしている中川敏朗と申します。普段は,
現職小学校教諭として勤務しておりますが,長期研修生として来年3月まで上記の場所
にて研修することになっています。
さて,急速に進展する情報技術革命の中で,学校や家庭,地域,関係諸機関などの連
携,協力体制を一層深めるために有効な通信ネットワークの構築は不可欠であると考え
ています。貴地域のような先進的に情報通信ネットワークを構築され運用されている地
域の方に構築・運用状況等をお聞きし,地域イントラネットについて学びたいと考えて
います。
そこで,まことに恐縮でございますが,アンケート用紙をご用意いたしましたので,
ご協力の程よろしくお願い致します。
敬具
10
第2章
地域イントラネットの実際
○ 実施目的:
地域イントラネットの利用において先進的な地域の地域イントラネットの構築状況
および活用状況を調査するため。
○ 利用範囲:
京都教育大学附属教育実践総合センター佐々木研究室の研究資料としてのみの活用
とし,個別データは一切公表いたしません。
○ アンケート回収期限:
メールご開封後,2週間以内ほどでご回答いただければ大変にありがたく思います。
○ アンケート結果:
ご回答いただいた方には,結果がまとまりました時点で,報告させていただきます。
○ アンケート回答上のお願い
・ 下記の URL をクリックしますと,アンケートフォームが開くようになっています。
http://www.supreme.co.jp/cfm/ask3/preview.cfm?nID=914409097&P=1114313311
・ 全ての項目に答えていただかないと送信できなくなっています。当てはまるもの
がない場合は,
「その他」を選び,コメントのご記入をお願いします。
・ 利用状況が分かる場合(月間アクセス数など)は「その他」に記入していただけ
るとありがたいです。
※ 尚,このメールは,インターネット上で公開されているホームページ内において地
域イントラネットに取り組まれておられる地域の方々に,当方から任意で送信させて
いただきました。ご了承の程お願い致します。
※ ご意見・ご質問は下記へ
〒612-8522 京都市伏見区深草藤森町1
携帯:090-3030-1096
Tel:075-644-8338
Fax:075-644-8339
E-mail:
(中川)[email protected]
京都教育大学附属教育実践総合センター 佐々木研究室気付 中 川 敏 朗
11
3 調査結果・分析
アンケート回答を得たのは 23 地域である。方法は,調査アンケートの回答からそれぞ
れの項目の割合を求め,グラフに表して分析した。以下,質問毎にグラフを示す。
(1) 地域内図書館にある蔵書データベースが閲覧できる
地域内にある図書館の情報をパソコンを使ってアクセスして知ることができるかどう
かを調査した。
現在行っている
70%
将来行う予定
17%
検 行う予定
討
はない
中
9%
4%
地域内図書館にある蔵書データベースが閲覧できる
地域内図書館にある蔵書のデーターベースにアクセスして閲覧できる地域は,現在,約
70%あり,将来できる予定があるものを含めると約 90%の地域で実施可能である。
蔵書が閲覧できることは,地域住民に対するサービス内容の中でも重要さを表している。
(2) IT 講座を自宅にいながら受講できる
IT 講座ではパソコンを介して自宅で受講できるかどうか調査した。
現在行っている
0%
将来行う
予定
9%
検討中
17%
行う予定はない
74%
IT 講座を自宅にいながら受講できる
IT 講座が自宅にいながら受講できること地域は,現在一つもなかった。
これは,理想的な受講方法の一つであるが,システム環境が整っていないことからなど
から実施に及んでいないものと思われる。しかし,将来行う予定があったり,実施の可能
性を検討している地域もあったりと,確実に IT 講座の形式が変わりつつある。
12
第2章
地域イントラネットの実際
(3) 各種の申請届出がネット上でできる
各種の申請や届出が自宅にいながらネット上でできるかどうか調査した。
行う予定はない 0
現在行っている 5%
将来行う予定
52%
検討中
43%
各種の申請届出がネット上でできる
各種申請の届けがネット上でできることは,
地域住民にとって大変便利なサービスだが,
現在のところ実施されている地域はきわめて少ない。
しかし,このサービスを将来行おうとしている地域も多く,現在行っている地域とあわ
せると約 60%になる。また,現在実施の可能性を検討している地域を含めば,100%にな
り,重要なサービスを表している。
(4) 公文書公開用のサーバがあり、円滑な情報公開が可能である
住民のニーズに合わせた情報公開が可能かどうか調査した。
現在行っ
ている
8%
将来行う予定
35%
検討中
35%
行う予定はない
22%
公文書公開用のサーバがあり、円滑な情報公開が可能である
情報公開が可能な地域は,約 10%と少ないが,将来行う予定や実施の可能性を検討して
いる地域をあわせると全体の約 80%が情報公開ができる可能性がある。
情報を公開することは,住民にとって大事なサービスであるが,本格的な実施はこれか
らのようだ。
13
(5)行政サービス事業,各種施設情報,イベント情報など最新の情報が閲覧できる
行政サービス事業,各種施設情報,イベント情報など最新の情報を提供しパソコンから
閲覧できるかどうかを調査した。
行う予定はない 0
将来行
う予定
9%
現在行っている
87%
検
討
中
4%
行政サービス事業,各種施設情報,イベント情報など最新の情報が閲覧できる
現在実施しているところが約 90%と多く,将来行う予定や実施の可能性を検討している
地域を含めると 100%となる。
行政サービス事業等の最新の情報が閲覧できるサービスは,行政側の基本サービスであ
り,地域イントラネットを導入するに当たり,まず,実施したいサービスであろう。
(6)日々の安全対策や災害発生時の緊急対策の情報発信ができる
日常生活上の安全対策や災害が発生したときの緊急対策の情報を発信しているかどうか
調査した。
現在行っている
22%
将来行う予定
39%
検討中
30%
行う予定
はない
9%
日々の安全対策や災害発生時の緊急対策の情報発信ができる
安全対策や緊急対策の情報発信は,住民のとってきわめて重要な情報である。現在実施
している地域は約 20%とやや低いが,将来行う予定や実施の可能性を検討している地域を
含むと 90%以上になる。
安全対策や緊急対策を発信することは,どの地域も重要な情報であることを表している。
14
第2章
地域イントラネットの実際
(7)介護保険や介護施設の利用,介護サービス内容など提供をしている
介護サービスの内容を提供しているかどうか調査した。
将来行う予定
17%
現在行っている
61%
検討中
13%
行う予定
はない
9%
介護保険や介護施設の利用,介護サービス内容など提供をしている
現在,介護サービスの内容を提供している地域は約 60%ある。
高齢化がますます進む日本では,高齢者に対するサービスや介護に関わるサービスを充
実することは重要なことである。住民に広くその情報を発信することも,これからの行政
のあり方であろう。そういう意味でも,将来行う予定や実施の可能性を検討している地域
を含めると約 90%の地域が介護に関わる情報を提供しようとしていることは,重要さを表
している。
(8)総合的な相談業務がテレビ電話等を介して対話形式でできる
さまざまな相談業務がテレビ電話等の動機メディアを介して対話形式でできるかどうか
調査した。
将来行う予定 5%
現在行っている
17%
行う予定はない
39%
検討中 39%
総合的な相談業務がテレビ電話等を介して対話形式でできる
テレビ電話等を介して相談業務ができることは,次世代型のサービスといえる。約 60%
の地域が実施の可能性があり,このサービスに対応しようとしている。
テレビ電話等の導入にあたっては,費用がかなりかかるが,利用の価値は高いというこ
とを表している。
15
(9)専門の知識・技能を持ったイントラネット管理専任の職員がいる
ホームページを作り情報発信をしたり,サーバの管理をするなどのイントラネット管
理専任の職員がいるかどうか調査した。
現在
配置している
22%
将来配
置する
予定
9%
検討中 22%
予定はない 43%
そ
の
他
4%
専門の知識・技能を持ったイントラネット管理専任の職員がいる
様々な IT 業務を実施するためには,それに関わる人材が必要不可欠である。現在,イ
ントラネット管理専任職員がいる地域は,約 20%と低いが,将来配置する予定や検討中の
地域を含めると約 50%が専任職員の配置を考えていることになる。
ところが,専任の職員を配置する予定がない地域も約 43%と多くあり,専任職員の配置
が検討されていないことが表れている。
(10)各種の電子掲示板が用意され,住民等のコミュニケーションが図れる
住民同士のコミュニケーションが図れるように各種の伝言板が用意されているかどう
か調査した。
将来行う
予定
13%
現在行っている
57%
検討中
22%
行う予定
はない
8%
各種の電子掲示板が用意され,住民等のコミュニケーションが図れる
各種の電子掲示板が用意され,住民同士のコミュニケーションを図ろうとして取り組ん
でいる地域は,現在約 60%である。
電子掲示板等が用意されていることは,コミュニケーションを図る有効的なツールとし
て評価されている表れである。
将来行う予定や実施の可能性を検討している地域を含めば,
約 90%となり,重要なサービスの表れである。
16
第2章
地域イントラネットの実際
(11)地域内の公共施設の利用予約がネット上でできる
地域内にある各公共施設を利用する場合,予約がネット上でできるかどうか調査した。
行う予定はない 0
将来行う予定
22%
現在行っている
52%
検討中
26%
地域内の公共施設の利用予約がネット上でできる
公共施設の利用予約がネット上でできるサービスは,住民にとって非常に便利である。
現在そのサービスが,実施している地域は約 50%あり,高い実施率といえる。将来行う予
定や実施の可能性を検討している地域を含めると 100%になり,全地域でその重要性が表
れている。
(12)議会での様子がライブ中継で見ることができる
議会の様子を中継し,自宅にいながら見ることができるかどうか調査した。
現在行っている 4%
将来行
う予定
9%
検討中 61%
検討中 17%
行う予定
はない
9%
議会での様子がライブ中継で見ることができる
現在,議会の様子がライブ中継できる地域は1地域しかなかったが,将来行う予定や実
施の可能性を検討中の地域を含むと 90%以上の地域で実施が可能である。中には,CATV
に加入すると録画を見ることができる地域もあった。
議会の様子を中継しその情報を公開することは,これから重要になってくることを表し
ている。
17
(13)選挙では電子投票ができ,開票の結果に時間がかからない
選挙では電子投票が導入され,開票や速報に時間がかからないかどうか調査した。
行う予定はない 0
現在行っている 0%
将来行
う予定
9%
検討中 65%
検討中 26%
選挙では電子投票ができ,開票の結果に時間がかからない
現在,選挙で電子投票できる地域はないが,将来行う予定や実施の可能性を検討してい
るところを含めば,約 70%以上あり,関心の高さが表れている。
選挙における電子投票は,実施に向けては解決していかなければならない課題がある
ため,本格実施はまだ先のように思われる。
(14)工業,農業,林業,漁業酪農等の振興のための情報提供・交流がある
工業,農業,林業,漁業,酪農等の振興のための情報や交流ができる場を提供してい
るかどうか調査した。
現在行っ
ている
9%
将来行う予定
17%
検討中 48%
行う予定はない
26%
工業,農業,林業,漁業酪農等の振興のための情報提供・交流がある
各種産業の振興のために情報や交流の場を提供している地域は,現在約 10%と低いが,
将来行う予定や実施の可能性を検討している地域も多く,約 70%以上になる。
情報提供は,どの分野についてもしていこうという方向があることが表れている。
18
第2章
地域イントラネットの実際
(15) その他のサービス内容
現在各地域で工夫を凝らしたサービスが展開されている。情報を発信する行政側が単に
情報を発信し,情報の受け手となる住民側が自分の知りたい情報を受け取るという形式か
ら,双方向の情報のやりとりが増えてきている。
行政は,住民が求めている情報ニーズに応えながらも,住民と共に有効的な情報コミュ
ニケーションを図ろうとする表れであろう。
その他,地域イントラネットを利用して行っているサービスがあればその内容を教
えて下さい
・消防・防災情報提供システム
・保健情報提供システム
・市民向け公開端末サービス
・教育支援システム
・学校間インターネットシステム,学校内におけるビデオ会議システム
・図書管理福祉情報提供システム
・健康福祉情報
・ボランティア情報
・文化遺産等のデジタルアーカイブ※1のサービス
・ヘルスケア支援システム
・電子健康モニターで管理し,テレビ電話でアドバイス
・ケーブルテレビで動画配信
・情報ボランティアとの意見交流にネットミーティングを利用
・気象情報
・VOD※2(Video On Demand)
・例規集検索・公開
・議会議事録検索
・ライブカメラ
・教育情報データベース
・市民交流アルバムによる動画,静止画の提供
・町等の百科事典形式のものを掲載
・申請書関係のダウンロード
・各施設に常設している端末機からの情報閲覧
※1 有形・無形の歴史・文化資産をデジタル情報の形で保存,蓄積し,その情報を次世代に継承を図るとともに,閲覧,鑑
賞,研究のためにインターネットなど情報ネットワークを通 して情報発信するもの
※2 TV やビデオなどの映像データを見たいときに見ること
19
(16) 動画配信の内容
ライブカメラ等を使った動画の配信は,地域内の防災・監視に使用されている場合が
多く,住民の安全な生活と財産を守ることを目的としている。
今後,動画の配信では,各種イベントのライブ中継や,住民に向けての総合的な行政サー
ビスも増えてくるものと思われる。
ライブカメラ等を使って動画を配信していることがあればその内容を教えて下さい
・消防・防災システムにより携帯端末機で現場の状況を画像で転送
・議会中継
・ライフラインに関連する施設の一部の情報を配信する
・小中学校間での授業配信システム
・介護情報等を動画・音声で配信
・市庁舎屋上に設置
・出張所との間で映像による本人確認を行い,双方向で住民票等の発行
・河川の水位監視
・イベント開催中継用カメラ
・市内各地に防災用ライブカメラ
20
第2章
地域イントラネットの実際
(17) 地域イントラネット運営上の問題点や課題
地域イントラネット運営上の課題としては,まず,職員の IT 推進に関わる意識改革や
IT スキル向上が挙げられる。次に,利用者である住民に対するサービス内容の向上である。
そして,情報通信に関わるハード面の強化である。どの課題も重要だが,職員に関わる課
題克服が,大きな突破口となるであろう。
現在,貴市町村の地域イントラネットを運用していて感じる問題点や課題を教えて下
さい
・ネットワーク障害への対応が手間取る
・セキュリティーの確保
・職員の IT スキルの向上,情報化に対する意識の向上
・デジタル・デバイト
・ADSL がきていないなど情報通信環境の向上
・双方向性を充実させる
・住民(情報弱者)に対するインターネットサービス享受の是正
・使いやすいハード面の整備
・有効なソフトの開発や導入
・公共端末機を利用する市民のモラルの向上
・職員不足(情報の更新ができにくい)
・通信料の負担増
・業務拡大に伴う管理体制の確立
・情報弱者へのコンテンツ配信の手法
・住民との意識のずれ
21
(18) 今後実施するサービスの内容
今後,実施するサービスは,どの地域もそれぞれの課題を把握し,新しい内容のものを
検討している。
一部の住民を対象とするサービスから,全住民を対象としたサービスへの大きく転換し
ている。また,学校教育に関わっても開かれた学校づくりともいえる様々な情報提供がな
されようとしている。
今後,地域イントラネットを利用して行うサービスの計画があれば教えて下さい
・美術工芸品等をデジタル的にアーカイブし,デジタルミュージアムとして公開する
・電子博物館・美術館
・大学公開講座の中継
・生涯学習のコンテンツの充実
・電子申請等のノンストップサービスの実現
・学校間ネットワークの構築
・画像による学校間交流および公開授業の配信
・電子入札システム
・住民票等の発行を各地に設置
・防災情報の配信
・情報の利便性を実感してもらえるコンテンツ作り
・電子申請・届出
・各種様式のダウンロード
・アクションプラン
22
第2章
地域イントラネットの実際
(19) 今後実施したいサービス内容
今後,実施できたらいいと思うサービスは,従来,直接窓口に来て行っていた業務内
容が,ネット上でできるようになることや,GIS 等を利用した見た目にも優しい地域情
報が満載したサービスの提供などが挙げられた。さらに,地域内だけのサービスから大
きく展開しグローバルな視点でのサービスの提供も視野にあることから,今後の取り組
みが期待される。
今後,地域イントラネットを利用して行えたらいいと思うサービスを教えて下さい
・電子入札
・電子申請
・電子申告
・多くの情報を公開
・ラストワンマイル※1の構築
・ブロードバンド環境の提供
・地域住民ポータルサイトの構築
・グローバルネットワークへ転換
・議会中継
・公共施設予約
・防災情報の提供
・地図を活用したネット上での情報発信
・GIS を利用し,防災・観光・交通情報等の公開
・事業案内を動画で案内
・図書館貸し出し情報
・セキュリティー対策
※1 幹線の光ファイバ網から個別の家庭の最後の1マイルをつなぐためには膨大な費用がかかるため,構築には大きな壁と
なる
23
4 調査対象地域の概要
熊本県湯前町(http://www.yunomae.com/index.phtml)
ADSL が敷設されていない情報通信環境であるが,町のホームページが充実している。
ホームページは行政情報,施設の予約,湯前町について,観光と特産品,議会,アンケー
ト,みんなの掲示板から構成されている。
住民票交付申請書,住民異動届,イベント用備品借用願,戸籍郵便請求用など各課ごと
の申請書がダウンロードできる。また,施設の予約が各施設ごとの空き情報を確認しなが
ら行うことができるなど細かな配慮もなされている。さらに,掲示板を使ったコミュニケ
ーションの場もある。
福岡県宗像市(http://www.city.munakata.fukuoka.jp/php/index.php)
市のホームページは日本語,英語,韓国語の3カ国語で表現でき,国際化に広く対応し
ている。知りたい情報が見つかりやすいトップページであり,幅広いサービスを提供して
いる。施設管理システムを導入し,ID パスワードを取得することにより,幅広いサービス
を受けることができる。議会中継がライブで見ることができるなどイントラネット利用の
最先端の市である。
山形県米沢市(http://www.city.yonezawa.yamagata.jp/)
市のホームページでは,観光・イベント情報,市役所の案内など細かな情報が提供され
ている。住民票等交付申請書,戸籍・身分証明書等交付申請書,転出証明書の郵便による
請求書,
所得・課税証明等交付申請書などダウンロードできる各種申請書が充実している。
CATV に加入すると市議会の様子が録画で見ることができるが,ホームページ上でも一部
公開をしている。Yonezawa Living Guide では,外国人在住者向きに英語で情報を提供し
ている。
岐阜県笠松町(http://www.jic-gifu.or.jp/npt/kasamatu/kasamatu.htm)
町内の公共施設 17 カ所を高速大容量の光ファイバーケーブルでネットワーク化する
「地
域イントラネット」の基盤施設整備事業と町内全域に伝送路を設置し,双方向の通信体制
の整備をすることにより,地域の情報格差(デジタルデバイド)を是正する「新世代地域
ケーブルテレビ施設」整備事業を行い,町の情報化が本格的にスタートしている。申請や
届出用紙の一部が,自宅のパソコンや近くの公共施設に設置したタッチパネル式のキヨス
ク端末から取り出すことができる。
24
第2章
地域イントラネットの実際
大阪府能勢町(http://www.town.nose.osaka.jp/)
35 の公共施設間を光ファイバーケーブルで連絡し(約 41km 敷設)
,機器整備を行うことにより,
総合行政情報システム,総合教育情報システム,防災情報提供システムを構築している。大阪とよ
のネット検索サービスにより,能勢町観光物産センター内ロビーに設置している街頭情報端末で
情報の検索サービスが受けられたり,携帯電話から各種情報が検索できるiモードサービスを提供
したりしている。
岐阜県御嵩町(http://www.town.mitake.gifu.jp/)
町のホームページは,町の紹介,くらしの情報,教育情報,市役所内の情報,議会情報,
図書館情報から構成されており,それぞれが大変細かな情報まで丁寧に提供している。各
種申請書も検索可能であり,ダウンロードもできる。図書館情報では,蔵書の検索ができ
る。各公共施設の案内も細やかにしている。
富山県八尾町(http://www.town.yatsuo.toyama.jp/YATSUO/index.htm)
八尾町農村多元情報システム施設は,コミュニティ情報や,農業,防災情報などを提供する地域
メディアの核と位置づけており,若者の定住促進や営農意欲の向上,さらには,都市部との情報格
差是正や地域内外への情報受発信体制の構築により魅力ある町づくりを目指している。MIODS(多
重情報検索システム)により自主番組などを「必要な時」に「必要な情報」を選択し自宅の
TV で視聴できたり,保健,医療,福祉の連携による在宅ケアなどに活用が図れるなど個
性豊かなイントラネットである。
大阪府岸和田市(http://www.city.kishiwada.osaka.jp/)
ビデオサーバを設置し,介護情報等を動画・音声で配信したり,行政情報をビデオで紹
介するなどブロードバンドならではのサービスが充実している。また,29 の公共施設には,
端末機を設置し,様々な情報を取り寄せることができる。また,各種の助成金の申請や小
中学校転校の手続きなどの手引きが細かく紹介されている「くらし便利帳」が充実してい
る。
25
長野県佐久市(http://www.city.saku.nagano.jp/)
この市の情報通信ネットワークは,光ファイバーや CATV だけといった特定の通信ネッ
トワークに限定せず,有線系,無線系さらには通信衛星の利用など,より多角的であると
の考えでイントラネットを推進している。また,住民自らが情報を発信しうる双方向性も
重要なポイントと考え,それらのコンテンツも大変充実している。ライブカメラを利用し
た画像配信や地域に根付いたイベントのビデオ配信も充実している。
千葉県山武町(http://town.sambu.chiba.jp/index.html)
各自治体間をコンピュータで結ぶ「総合行政ネットワーク」の構築を機に,IT 戦略を推進
している。役場庁舎を(仮称)山武中央情報センターとして整備し,小中学校全6校のほ
か,幼稚園全3園,福祉センター,さんぶの森公園管理事務所,さんぶの森図書館,中央
会館,グリーンタワー,議会棟,国保直営診療所,保健センター,給食センター,浄水場
といった公共施設全 19 施設間を自営光ファイバー(100Mbps)で接続する地域イントラ
ネットを構築している。これにより,行政情報の提供,例規集の公開,公文書の公開,さ
んぶの森図書館の蔵書検索および予約等の各種アプリケーションを整備した。
岐阜県大垣市(http://www.city.ogaki.gifu.jp/)
この市では,これまでに情報産業の集積拠点「ソフトピアジャパン」や地域情報の受発
信拠点とて機能する「大垣市情報工房」の建設,光ファイバーなどによりネットワーク化
した小中学校のパソコン教室整備,インターネットによる体育施設の予約,市民を対象に
した各種の IT 講座の開催などハード,ソフト両面で IT 社会に対応したまちづくりを進め
ている。また,総務省の「電子自治体推進パイロット事業」の協力団体の指定を受け,市
が進めようとしている電子市役所の構築を図っている。
大分県臼杵市(http://www.city.usuki.oita.jp/)
市民の交流アルバムによる動画,静止画を提供したり,イベント開催における中継や市
内6カ所に設置した防災用ライブカメラによる画像配信など,情報発信が豊かである。ま
た,CATV による放送では,イベントはもちろん議会の様子も放映されている。市民同士
の交流の広場も充実しており,活発な意見交流が見られる。
26
第2章
地域イントラネットの実際
岡山県倉敷市(http://www.city.kurashiki.okayama.jp/index.html)
平成 15 年3月から地域イントラネットが導入されたが,市民への情報提供は充実して
いる。CATV による広報チャンネルがあり,市民に身近で役に立つ情報を文字放送と音声
放送を 24 時間繰り返し放送している。また,生涯学習の講座申込やスポーツ施設の予約
ができたり,図書館の利用案内と蔵書検索,倉敷市で使用する申請書などがダウンロード
できるなど多彩なサービスである。
石川県鹿西町(http://www.town.rokusei.ishikawa.jp/)
歴史や文化を大事にしており,鹿西町に関わる文化・歴史・地理などの分野の百科事典
「鹿西なるほど百科事典」がネット上にある。そこからは,言葉による検索も可能で多く
の題材が収録されている。公共施設の予約や図書館の蔵書の検索も可能である。
兵庫県加西市(http://www.city.kasai.hyogo.jp/)
高速大容量の情報通信基盤「兵庫情報ハイウェイ」の整備計画により地域イントラネッ
トが整備されてきた。電子的な申請・届出手続,案内・予約,相談などインターネットを
活用した生活アドバイザーとしてのサービス機能を充実させている。次世代型 CATV の実
現をめざし家庭や企業を結ぶ高速・大容量の常時接続型のネットワークなどハードの整備
を促進している。
岡山県加茂川町(http://www.town.kamogawa.okayama.jp/)
吉備高原地域イントラネットモデル事業に参加し地域イントラネットを推進している。
役場屋上に設置しているライブカメラにより常時その風景を見ることができる。国際交流
の町としてその情報も常に提供をしている。各種の申請や届出は実施の可能性を検討中で
ある。
福岡県久留米市(http://www.city.kurume.fukuoka.jp/)
本庁と出先の 29 機関の通信速度を現在の 64Kbps から,平成 15 年度中に 10Mbps に増
速するとともに,これら出先機関との接続を常時接続とし,久留米市役所高速 LAN を構
築することを目標に整備が進んでいる。電子市役所の構築や学校教育における情報化が IT
戦略アクションプランとしてまとめている。
27
岡山県成羽町(http://www.town.nariwa.okayama.jp/)
CATV で町内の農業や身近な話題,情報番組などを制作して,各家庭へ流す自主放送や
農業,行政,生活関連情報を,見たい人が見たい時に電話で予約し,家庭のテレビで見ら
れる放送,町役場から火災や災害などの緊急情報を,音で知らせ同時に文字情報などを放
送するなど充実している。また,観光や施設の情報も詳しく充実している。
新潟県三条市(http://www.city.sanjo.niigata.jp/)
「市民が利用しやすい行政」
,
「市民に開かれた行政」
,
「市民が生き生きと暮らせるまち」
等を実現していくため,三条市役所を情報センターとし,小中学校,公民館,生涯学習施
設など市内各公共施設を自営の光ファイバで結んだ地域イントラネットを構築している。
教室・講習会案内,施設紹介,指導者紹介・募集,大会イベント案内,スポーツ掲示板,
情報・意見交換などの機能などの市民交流システムと小中学校で利用している学校教育支
援システムを中心にサービスが充実している。
福岡県飯塚市(http://www.city.iizuka.fukuoka.jp/)
知りたい情報が地図上で検索できる地図情報システム(Web GIS)を導入することでサ
ービスを向上させている。また,スタンフォード大学の中心的な研究機関 CSLI と提携し,
Archimedes Project(人と人,人と機械との意思疎通を,コンピュータを介していかにし
て行うかについて,障害を持った人だけに対応するものでなく,世界的に問題になってい
る高齢化社会へも対応する研究)
,Cross Lingual Access to Information Project(高品質
な多言語による WWW アクセスを可能にする研究)について研究し,"情報"をキーワード
としたまちづくりをしようとしている。
28
第2章
地域イントラネットの実際
5 調査対象地域のデータ
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【熊本県湯前町】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 14 年9月
地域総戸数
1,723 戸
地域イントラネット対象戸数
1,723 戸
地域内小学校数
1校
地域内中学校数
1校
地域内高校数
0校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
実施の可能性を検討中
IT 講座を自宅で受講できるか
将来行う予定
各種の申請届出がネット上でできるか
実施の可能性を検討中
円滑な情報公開が可能か
実施の可能性を検討中
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
将来行う予定
介護サービスの内容を提供しているか
将来行う予定
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
実施の可能性を検討中
イントラネット管理専任の職員がいるか
配置する予定はない
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 現在行っている
公共施設の利用予約がネット上でできるか
現在行っている
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
将来行う予定
選挙で電子投票ができるか
実施の可能性を検討中
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
将来行う予定
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
−
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
−
地域イントラネット運用上の問題点や課題
ADSL がきていない
情報通信環境の向上
今後行う計画のあるサービス内容
−
今後あったらいいと思うサービス内容
−
29
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【福岡県宗像市】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 14 年4月1日
地域総戸数
30,164 戸
地域イントラネット対象戸数
30,164 戸
地域内小学校数
11 校
地域内中学校数
5校
地域内高校数
2校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
現在行っている
IT 講座を自宅で受講できるか
実施の可能性を検討中
各種の申請届出がネット上でできるか
現在行っている
円滑な情報公開が可能か
実施の可能性を検討中
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
将来行う予定
介護サービスの内容を提供しているか
現在行っている
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
実施の可能性を検討中
イントラネット管理専任の職員がいるか
現在いる
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 将来行う予定
公共施設の利用予約がネット上でできるか
現在行っている
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
現在行っている
選挙で電子投票ができるか
実施の可能性を検討中
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
実施の可能性を検討中
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
教育支援システム,学
校内におけるビデオ会
議システム,図書管理
福祉情報提供システ
ム,健康福祉情報,ボ
ランティア情報の提供
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
議会中継
地域イントラネット運用上の問題点や課題
双方向性を充実させる
今後行う計画のあるサービス内容
電子博物館・美術館,
大学公開講座の中継,
生涯学習のコンテンツ
の充実
今後あったらいいと思うサービス内容
ラストワンマイルの構
築,ブロードバンド環
境の提供
30
第2章
地域イントラネットの実際
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【山形県米沢市】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 11 年
地域総戸数
32,000 戸
地域イントラネット対象戸数
不明
地域内小学校数
18 校
地域内中学校数
8校
地域内高校数
6校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
現在行っている
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
実施の可能性を検討中
円滑な情報公開が可能か
行う予定はない
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
実施の可能性を検討中
介護サービスの内容を提供しているか
現在行っている
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
実施の可能性を検討中
イントラネット管理専任の職員がいるか
現在いる
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 実施の可能性を検討中
公共施設の利用予約がネット上でできるか
実施の可能性を検討中
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
CATV に加入すると録
画で見られる
選挙で電子投票ができるか
実施の可能性を検討中
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
実施の可能性を検討中
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
−
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
−
地域イントラネット運用上の問題点や課題
デジタル・デバイト
今後行う計画のあるサービス内容
−
今後あったらいいと思うサービス内容
−
31
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【岐阜県笠松町】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 14 年 10 月1日
地域総戸数
7,414 戸
地域イントラネット対象戸数
7,414 戸
地域内小学校数
3校
地域内中学校数
1校
地域内高校数
1校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
将来行う予定
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
実施の可能性を検討中
円滑な情報公開が可能か
将来行う予定
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
将来行う予定
介護サービスの内容を提供しているか
現在行っている
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
現在行っている
イントラネット管理専任の職員がいるか
配置する予定はない
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 現在行っている
公共施設の利用予約がネット上でできるか
将来行う予定
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
実施の可能性を検討中
選挙で電子投票ができるか
実施の可能性を検討中
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
行う予定はない
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
文化遺産等のデジタル
アーカイブのサービス
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
地域イントラネット運用上の問題点や課題
−
住民(情報弱者)に対
するインターネットサ
ービス享受の是正
今後行う計画のあるサービス内容
電子申請等のノンスト
ップサービスの実現
今後あったらいいと思うサービス内容
地域住民(個人)ポー
タルサイトの構築
32
第2章
地域イントラネットの実際
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【匿名】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 14 年度中
地域総戸数
15 万戸
地域イントラネット対象戸数
−
地域内小学校数
55 校
地域内中学校数
23 校
地域内高校数
4校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
将来行う予定
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
将来行う予定
円滑な情報公開が可能か
将来行う予定
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
将来行う予定
介護サービスの内容を提供しているか
現在行っている
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
行う予定はない
イントラネット管理専任の職員がいるか
検討中
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 現在行っている
公共施設の利用予約がネット上でできるか
現在行っている
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
実施の可能性を検討中
選挙で電子投票ができるか
行う予定はない
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
行う予定はない
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
−
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
ライフラインに関連す
る施設の一部の情報を
配信する予定
地域イントラネット運用上の問題点や課題
現在調整中
今後行う計画のあるサービス内容
−
今後あったらいいと思うサービス内容
グローバルネットワー
クへ転換
33
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【大阪府能勢町】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 14 年 10 月 31 日
地域総戸数
4,531 戸
地域イントラネット対象戸数
公共施設に接続
地域内小学校数
6校
地域内中学校数
2校
地域内高校数
1校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
現在行っている
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
実施の可能性を検討中
円滑な情報公開が可能か
行う予定はない
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
現在行っている
介護サービスの内容を提供しているか
将来行う予定
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
実施の可能性を検討中
イントラネット管理専任の職員がいるか
配置する予定はない
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 現在行っている
公共施設の利用予約がネット上でできるか
実施の可能性を検討中
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
実施の可能性を検討中
選挙で電子投票ができるか
実施の可能性を検討中
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
実施の可能性を検討中
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
ヘルスケア支援システ
ム,電子健康モニター
で個人のデータを管理
(血圧,脈拍等)し,
テレビ電話でアドバイ
ス
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
小中学校間で授業配信
システム
地域イントラネット運用上の問題点や課題
−
今後行う計画のあるサービス内容
−
今後あったらいいと思うサービス内容
議会中継,公共施設予
約,電子申請
34
第2章
地域イントラネットの実際
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【岐阜県御嵩町】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 14 年9月1日
地域総戸数
6,200 戸
地域イントラネット対象戸数
6,200 戸
地域内小学校数
3校
地域内中学校数
3校
地域内高校数
2校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
現在行っている
IT 講座を自宅で受講できるか
実施の可能性を検討中
各種の申請届出がネット上でできるか
将来行う予定
円滑な情報公開が可能か
将来行う予定
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
現在行っている
介護サービスの内容を提供しているか
現在行っている
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
現在行っている
イントラネット管理専任の職員がいるか
検討中
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 将来行う予定
公共施設の利用予約がネット上でできるか
現在行っている
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
実施の可能性を検討中
選挙で電子投票ができるか
実施の可能性を検討中
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
実施の可能性を検討中
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
−
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
−
地域イントラネット運用上の問題点や課題
−
今後行う計画のあるサービス内容
−
今後あったらいいと思うサービス内容
−
35
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【富山県八尾町】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 12 年4月
地域総戸数
6,500 戸
地域イントラネット対象戸数
6,500 戸
地域内小学校数
5校
地域内中学校数
2校
地域内高校数
1校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
現在行っている
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
将来行う予定
円滑な情報公開が可能か
現在行っている
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
将来行う予定
介護サービスの内容を提供しているか
現在行っている
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
行う予定はない
イントラネット管理専任の職員がいるか
検討中
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 実施の可能性を検討中
公共施設の利用予約がネット上でできるか
現在行っている
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
実施の可能性を検討中
選挙で電子投票ができるか
将来行う予定
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
実施の可能性を検討中
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
町直営ケーブルテレビ
を動画配信
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
地域イントラネット運用上の問題点や課題
−
使いやすいハード面の
整備,有効なソフトの
開発や導入
今後行う計画のあるサービス内容
学校間ネットワークの
構築
今後あったらいいと思うサービス内容
防災情報の提供
36
第2章
地域イントラネットの実際
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【大阪府岸和田市】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 13 年3月1日
地域総戸数
75,008 戸
地域イントラネット対象戸数
61,197 戸
地域内小学校数
24 校
地域内中学校数
11 校
地域内高校数
6校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
現在行っている
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
将来行う予定
円滑な情報公開が可能か
将来行う予定
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
現在行っている
介護サービスの内容を提供しているか
現在行っている
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
現在行っている
イントラネット管理専任の職員がいるか
現在いる
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 現在行っている
公共施設の利用予約がネット上でできるか
現在行っている
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
実施の可能性を検討中
選挙で電子投票ができるか
将来行う予定
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
実施の可能性を検討中
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
情報ボランティアとの
意見交流にネットミー
ティングを活用
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
ビデオサーバーを設置
し,介護情報等を動
画・音声で配信
地域イントラネット運用上の問題点や課題
各公共施設(29 施設)
に設置している街頭端
末機を利用する市民の
モラル向上
今後行う計画のあるサービス内容
電子入札システム
今後あったらいいと思うサービス内容
地図を活用したネット
上での情報発信
37
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【長野県佐久市】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 12 年
地域総戸数
23,726 戸
地域イントラネット対象戸数
23,726 戸
地域内小学校数
10 校
地域内中学校数
5校
地域内高校数
6校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
現在行っている
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
実施の可能性を検討中
円滑な情報公開が可能か
実施の可能性を検討中
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
実施の可能性を検討中
介護サービスの内容を提供しているか
現在行っている
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
行う予定はない
イントラネット管理専任の職員がいるか
配置する予定はない
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 現在行っている
公共施設の利用予約がネット上でできるか
実施の可能性を検討中
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
実施の可能性を検討中
選挙で電子投票ができるか
実施の可能性を検討中
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
現在行っている
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
気象情報,VOD,例規
集検索,議会議事録検
索,ライブカメラ
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
市庁舎屋上に設置(災
害時での迅速な対応が
可能になった)
地域イントラネット運用上の問題点や課題
−
今後行う計画のあるサービス内容
−
今後あったらいいと思うサービス内容
−
38
第2章
地域イントラネットの実際
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【千葉県山武町】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 14 年 12 月 28 日
地域総戸数
6,741 戸
地域イントラネット対象戸数
0戸
地域内小学校数
4校
地域内中学校数
2校
地域内高校数
0校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
現在行っている
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
実施の可能性を検討中
円滑な情報公開が可能か
将来行う予定
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
行う予定はない
介護サービスの内容を提供しているか
行う予定はない
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
行う予定はない
イントラネット管理専任の職員がいるか
配置する予定はない
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 実施の可能性を検討中
公共施設の利用予約がネット上でできるか
現在行っている
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
行う予定はない
選挙で電子投票ができるか
行う予定はない
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
行う予定はない
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
例規集の公開
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
地域イントラネット運用上の問題点や課題
−
12 月完成予定につき
不明
今後行う計画のあるサービス内容
未定
今後あったらいいと思うサービス内容
電子申請,届出
39
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【広島県】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 12 年
地域総戸数
約 2,400 戸
地域イントラネット対象戸数
−
地域内小学校数
7校
地域内中学校数
1校
地域内高校数
1校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
現在行っている
IT 講座を自宅で受講できるか
実施の可能性を検討中
各種の申請届出がネット上でできるか
将来行う予定
円滑な情報公開が可能か
実施の可能性を検討中
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
将来行う予定
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
実施の可能性を検討中
介護サービスの内容を提供しているか
行う予定はない
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
実施の可能性を検討中
イントラネット管理専任の職員がいるか
配置する予定はない
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 実施の可能性を検討中
公共施設の利用予約がネット上でできるか
現在行っている
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
実施の可能性を検討中
選挙で電子投票ができるか
実施の可能性を検討中
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
実施の可能性を検討中
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
−
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
出張所との間で映像に
よる本人確認を行い,
双方向で住民票等の発
行
地域イントラネット運用上の問題点や課題
職員不足(情報の更新
ができにくい)
今後行う計画のあるサービス内容
住民票等の発行を各地
区7地区に設置,映像
による学校間交流およ
び公開授業の配信
GIS を利用し,防災・
今後あったらいいと思うサービス内容
観光・交通情報等を公
開
40
第2章
地域イントラネットの実際
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【岐阜県大垣市】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 13 年7月 10 日
地域総戸数
54,709 戸
地域イントラネット対象戸数
54,709 戸
地域内小学校数
17 校
地域内中学校数
9校
地域内高校数
7校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
現在行っている
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
実施の可能性を検討中
円滑な情報公開が可能か
実施の可能性を検討中
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
将来行う予定
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
実施の可能性を検討中
介護サービスの内容を提供しているか
実施の可能性を検討中
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
行う予定はない
イントラネット管理専任の職員がいるか
配置する予定はない
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 現在行っている
公共施設の利用予約がネット上でできるか
現在行っている
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
行う予定はない
選挙で電子投票ができるか
実施の可能性を検討中
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
実施の可能性を検討中
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
教育情報データベース
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
河川の水位監視
地域イントラネット運用上の問題点や課題
通信料の負担増
業務拡大に伴う管理体
制・セキュリティの確
立
今後行う計画のあるサービス内容
防災情報の配信
今後あったらいいと思うサービス内容
−
41
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【大分県臼杵市】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
地域総戸数
平成 12 年4月1日
12,713 戸
地域イントラネット対象戸数
12,713 戸
地域内小学校数
13 校
地域内中学校数
5校
地域内高校数
2校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
将来行う予定
IT 講座を自宅で受講できるか
実施の可能性を検討中
各種の申請届出がネット上でできるか
将来行う予定
円滑な情報公開が可能か
実施の可能性を検討中
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
現在行っている
介護サービスの内容を提供しているか
将来行う予定
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
現在行っている
イントラネット管理専任の職員がいるか
将来配置予定
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 現在行っている
公共施設の利用予約がネット上でできるか
将来行う予定
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
実施の可能性を検討中
選挙で電子投票ができるか
実施の可能性を検討中
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
将来行う予定
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
ライブカメラや市民交
流アルバムによる動
画,静止画の提供
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
ふれあい情報センター
のイベント開催中継
用,市内各所の防災用
ライブカメラ
地域イントラネット運用上の問題点や課題
情報弱者へのコンテン
ツ配信の手法
今後行う計画のあるサービス内容
身近な地域情報の発信
を行い,情報化に伴い
利便性を実感してもら
えるコンテンツ作りを
行う
今後あったらいいと思うサービス内容
さまざまな行政サービ
ス,事業案内を動画で
案内できる仕組み
42
第2章
地域イントラネットの実際
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【岡山県倉敷市】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 15 年3月
地域総戸数
161,650 戸
地域イントラネット対象戸数
161,650 戸
地域内小学校数
55 校
地域内中学校数
23 校
地域内高校数
5校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
現在行っている
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
将来行う予定
円滑な情報公開が可能か
将来行う予定
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
将来行う予定
介護サービスの内容を提供しているか
現在行っている
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
実施の可能性を検討中
イントラネット管理専任の職員がいるか
将来配置予定
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 現在行っている
公共施設の利用予約がネット上でできるか
現在行っている
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
実施の可能性を検討中
選挙で電子投票ができるか
実施の可能性を検討中
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
実施の可能性を検討中
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
−
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
−
地域イントラネット運用上の問題点や課題
−
今後行う計画のあるサービス内容
−
今後あったらいいと思うサービス内容
−
43
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【石川県鹿西町】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 13 年9月 22 日
地域総戸数
1,630 戸
地域イントラネット対象戸数
−
地域内小学校数
2校
地域内中学校数
1校
地域内高校数
1校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
現在行っている
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
将来行う予定
円滑な情報公開が可能か
実施の可能性を検討中
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
将来行う予定
介護サービスの内容を提供しているか
実施の可能性を検討中
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
実施の可能性を検討中
イントラネット管理専任の職員がいるか
検討中
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 現在行っている
公共施設の利用予約がネット上でできるか
現在行っている
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
実施の可能性を検討中
選挙で電子投票ができるか
行う予定はない
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
実施の可能性を検討中
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
町に関する百科事典の
ような形式を掲載
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
地域イントラネット運用上の問題点や課題
−
職員の情報化に対する
意識の向上が遅い
今後行う計画のあるサービス内容
電子申請・届出を検討
中
今後あったらいいと思うサービス内容
−
44
第2章
地域イントラネットの実際
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【兵庫県加西市】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 14 年 10 月
地域総戸数
16,215 戸
地域イントラネット対象戸数
−
地域内小学校数
−
地域内中学校数
−
地域内高校数
−
図書館にある蔵書が閲覧できるか
将来行う予定
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
実施の可能性を検討中
円滑な情報公開が可能か
実施の可能性を検討中
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
実施の可能性を検討中
介護サービスの内容を提供しているか
現在行っている
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
行う予定はない
イントラネット管理専任の職員がいるか
配置する予定はない
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 現在行っている
公共施設の利用予約がネット上でできるか
将来行う予定
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
実施の可能性を検討中
選挙で電子投票ができるか
実施の可能性を検討中
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
実施の可能性を検討中
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
−
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
−
地域イントラネット運用上の問題点や課題
−
今後行う計画のあるサービス内容
−
今後あったらいいと思うサービス内容
−
45
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【岡山県加茂川町】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
−
地域総戸数
2,500 戸
地域イントラネット対象戸数
−
地域内小学校数
4校
地域内中学校数
1校
地域内高校数
1校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
行う予定はない
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
実施の可能性を検討中
円滑な情報公開が可能か
将来行う予定
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
実施の可能性を検討中
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
将来行う予定
介護サービスの内容を提供しているか
将来行う予定
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
実施の可能性を検討中
イントラネット管理専任の職員がいるか
配置する予定はない
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 実施の可能性を検討中
公共施設の利用予約がネット上でできるか
将来行う予定
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
将来行う予定
選挙で電子投票ができるか
実施の可能性を検討中
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
行う予定はない
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
−
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
−
地域イントラネット運用上の問題点や課題
−
今後行う計画のあるサービス内容
−
今後あったらいいと思うサービス内容
−
46
第2章
地域イントラネットの実際
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【福岡県久留米市】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
不明
地域総戸数
91,918 戸
地域イントラネット対象戸数
−
地域内小学校数
27 校
地域内中学校数
13 校
地域内高校数
2校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
現在行っている
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
将来行う予定
円滑な情報公開が可能か
将来行う予定
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
将来行う予定
介護サービスの内容を提供しているか
現在行っている
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
行う予定はない
イントラネット管理専任の職員がいるか
兼務の職員
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 行う予定はない
公共施設の利用予約がネット上でできるか
現在行っている
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
行う予定はない
選挙で電子投票ができるか
行う予定はない
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
将来行う予定
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
−
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
−
地域イントラネット運用上の問題点や課題
現在合併問題を抱えて
いるため,地域イント
ラネットへの取組は不
確定要素が大きい。
今後行う計画のあるサービス内容
アクションプランがあ
る
今後あったらいいと思うサービス内容
−
47
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【岡山県成羽町】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
地域総戸数
平成 12 年8月8日
2,160 戸
地域イントラネット対象戸数
400 戸
地域内小学校数
3校
地域内中学校数
1校
地域内高校数
1校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
行う予定はない
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
将来行う予定
円滑な情報公開が可能か
行う予定はない
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
実施の可能性を検討中
介護サービスの内容を提供しているか
実施の可能性を検討中
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
実施の可能性を検討中
イントラネット管理専任の職員がいるか
検討中
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 将来行う予定
公共施設の利用予約がネット上でできるか
実施の可能性を検討中
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
CATV で行っている
選挙で電子投票ができるか
行う予定はない
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
行う予定はない
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
申請書関係をパソコン
からダウンロードでき
る。各施設に情報端末
機を設置し,情報が閲
覧できる。
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
−
地域イントラネット運用上の問題点や課題
住民の中には,インタ
ーネットを利用しなく
ても役所に直接行くと
か電話ですます方が楽
という意見がある。
今後行う計画のあるサービス内容
各種様式のダウンロー
ドを可能にする
今後あったらいいと思うサービス内容
図書館貸し出し情報,
ネット上での各種申
請・届出,セキュリテ
ィ対策
48
第2章
地域イントラネットの実際
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【新潟県三条市】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
平成 14 年1月8日
地域総戸数
26,932 戸
地域イントラネット対象戸数
−
地域内小学校数
15 校
地域内中学校数
7校
地域内高校数
4校
図書館にある蔵書が閲覧できるか
現在行っている
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
将来行う予定
円滑な情報公開が可能か
行う予定はない
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
実施の可能性を検討中
介護サービスの内容を提供しているか
現在行っている
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
行う予定はない
イントラネット管理専任の職員がいるか
現在いる
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 現在行っている
公共施設の利用予約がネット上でできるか
将来行う予定
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
実施の可能性を検討中
選挙で電子投票ができるか
実施の可能性を検討中
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
行う予定はない
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
市民向け公開端末サー
ビス(Web 閲覧)
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
なし
地域イントラネット運用上の問題点や課題
セキュリティの確保,
職員の IT スキルの向
上
今後行う計画のあるサービス内容
未定
今後あったらいいと思うサービス内容
ホームページでより多
くの情報を公開する。
49
地域イントラネット構築に関する調査一覧表【福岡県飯塚市】
調
査
項
目
調 査 結 果
地域イントラネット導入年月日
−
地域総戸数
34,293 戸
地域イントラネット対象戸数
−
地域内小学校数
−
地域内中学校数
−
地域内高校数
−
図書館にある蔵書が閲覧できるか
現在行っている
IT 講座を自宅で受講できるか
行う予定はない
各種の申請届出がネット上でできるか
実施の可能性を検討中
円滑な情報公開が可能か
行う予定はない
行政サービス・イベント情報などが閲覧できるか
現在行っている
安全対策や緊急対策の情報発信ができるか
行う予定はない
介護サービスの内容を提供しているか
現在行っている
相談業務がテレビ電話などを介して対話形式でできるか
行う予定はない
イントラネット管理専任の職員がいるか
配置する予定はない
各種の電子掲示板が用意され,コミュニケーションが図れるか 現在行っている
公共施設の利用予約がネット上でできるか
実施の可能性を検討中
議会での様子がライブ中継で見ることができるか
行う予定はない
選挙で電子投票ができるか
行う予定はない
農林水産業などの振興のための情報提供,交流があるか
行う予定はない
地域イントラネットを利用した他のサービス内容
市議会会議録検索シス
テム,Web GIS 地図検
索システム
ライブカメラ等を使って動画を配信している内容
−
地域イントラネット運用上の問題点や課題
−
今後行う計画のあるサービス内容
−
今後あったらいいと思うサービス内容
−
50
第2章
地域イントラネットの実際
第2節 地域イントラネット導入地域の事例(大阪府岸和田市)
これまでの調査から地域イントラネットの現在の運用実態と課題、今後の発展の方向性
をつかむことを目的に、地域イントラネットを利用して様々な取組みをしている先進的な
大阪府岸和田市を選定し、訪問して実地調査した。
1 岸和田市の概要
古くは城下町として栄え,近代以降は泉州地域における政治,文化,経済の要として発
展してきた。大阪府南部に位置する本市は,南北方向に細長く伸び,臨海部,平地部,丘
陵部,山地部がほどよく調和し,気候の温暖なまちである。大阪市内へは約 40 分,関西
国際空港へは約 30 分で到着する。平成 15 年2月1日現在の人口は 204,518 人であり,こ
の 10 年間でも1万3千人のゆるやかな増加となっている。
豊かな自然に恵まれた本市は,農業・漁業の生産高でも府下屈指を誇っている。一方,
商工業では,泉州は綿業発祥の地であり,後に綿業の一大産地を形成することになり,こ
のことが鉄鋼二次製品生産の発達を促進してきた。また,高度成長期の臨海部造成に伴う
木材コンビナートの誘致は,新しい産業の育成に寄与してきたが,社会経済状況の変化と
ともに,一つの大きな転換期にさしかかっている。
2 情報化の推進状況
岸和田市では,情報化の推進を,市の重要施策の一つとして位置づけており,昭和 60
年に制定した「テレトピア基本計画」および平成 10 年に制定した「情報化推進基本計画」
に基づき,CATV 網を基軸に積極的な情報化施策を展開している。
岸和田市の地域イントラネットのイメージ図を図 2-3 に示す。
51
図 2-3 岸和田市地域イントラネットのイメージ
(1) 行政(庁内)情報化の推進状況
昭和 58 年にホストコンピュータを自己導入して以来,
ホストコンピュータを使った各種
業務システムの開発や運用を中心としてきたが,平成 11 年度に庁内 LAN の敷設工事を完
了したことに伴い,
そのネットワークを活用した全庁的システムの構築へと,
「電子自治体」
への対応をも視野に入れた新たな情報化の展開に着手している。
① 昭和 58 年度から平成 10 年度まで
・ S.59 住民基本台帳オンラインシステム稼働
・ S.61 税収納オンラインシステム稼働
上水道経理オンラインシステム稼働
・ H.01 国保年金システム稼働
・ H.02 下水道オンラインシステム稼働
・ H.04 印鑑登録オンラインシステム稼働
市民税課税オンラインシステム稼働
52
第2章
・ H.05 老人医療システム稼働
・ H.09 固定資産税課税オンラインシステム稼働
財務会計オンラインシステム稼働
② 平成 11 年度
・ 基幹 LAN の構築
・ 介護保険システム稼働(C/S 方式※1)
・ 年金オンラインシステム稼働
③ 平成 12 年度
・ OA 情報系ネットワークの構築(ノート型 PC70 台設置)
・ グループウェア導入(C/S 方式)
・ OA 情報系ネットワークにケーブルインターネットを接続
・ 議会議事録検索システム導入(C/S 方式)
・ 時事通信社官庁速報検索システム導入(インターネット方式)
・ 勤怠システム導入(C/S 方式)
・ 国保オンラインシステム稼働
・ 職員 1,000 人対象 PC 操作研修実施
④ 平成 13 年度
・ 文書管理システム開発(C/S 方式)
・ 例規集検索システム導入(C/S 方式)
・ 人事給与システム導入(C/S 方式)
・ 福利厚生システム導入
・ 全国住基ネットワークシステム開発開始(C/S 方式)
⑤ 平成 14 年度
・ 全国住基ネットワークシステム構築(C/S 方式)
・ LGWAN(総合行政ネットワーク)への対応
大阪電子自治体推進協議会への参加
・ 文書管理システムの導入・運用(10 月稼働)
・ 児童扶養手当オンラインシステム稼働
・ 税滞納処理システム導入
※1 クライアント・サーバ方式の略
53
地域イントラネットの実際
⑥ 平成 15 年度
・ 全国住基ネットワークシステムによる住民サービス(住基カード発行)の開始
・ LGWAN(総合行政ネットワーク)の構築(8月接続)
・ 文書管理システムのカスタマイズ
・ 地図情報活用システム導入
・ IC カードの利活用調査研究
・ セキュリティーポリシーの検討
・ パソコン 94 台増設
・ 庁内 LAN 上での議会中継の配信の調査研究
⑦ 平成 16 年度
・ ダークファイバーLAN(NTT 光ケーブルネットワーク)の構築
・ 統合型 GIS の検討
・ 電子決済システム導入(C/S 方式)の検討
・ 情報公開システム導入の検討
【情報政策課所管のパソコン台数】
H.13.8
ホスト系オンライン端末
185 台
H.13.9
OA 情報系ノート型 PC
71 台
H.13.12
OA 情報系ノート型 PC
111 台
H.14.9
OA 情報系ノート型 PC
65 台
H.15 年度 OA 情報系ノート型 PC
94 台
H.16 年度 OA 情報系ノート型 PC
100 台
(2)地域情報化の推進状況
昭和 60 年 11 月に,いち早く,郵政省が提唱した「テレトピア構想」の地域指定を受け,
昭和 62 年7月に,第三セクター方式によるテレトピア推進法人として株式会社テレビ岸
和田を設立している。CATV をメディアとした CATV システム,教育・コミュニティ情報
システムおよび公共広報システムを構築し,地域の情報化を進めている。
54
第2章
地域イントラネットの実際
○ CATV システム
だんじり祭りの全国放送など,積極的に自主放送番組を制作し,地域に密着した多種多
様な情報提供に取り組んでいる。
○ 教育・コミュニティ情報システム
市内の各小学校に「学校間双方向システム」を構築し,児童たちが制作する「みんなの
チャンネル」という放送番組により,学校・児童間の情報交流を図っている。全国的にも,
数少ない取組みである。
○ 公共広報システム
「テレビ市政だより」を週一本制作し,行政からの各種情報を積極的に映像で提供して
いる。
さらに,テレビ岸和田では,インターネットなどの通信事業にも参入するため,現在,
郵政省の「新世代地域ケーブルテレビ設置整備事業」の補助金による支援を受け,ケーブ
ルの張り替え工事を進めており,大容量・高速通信が可能なケーブルインターネットの通
信サービスが実現されている。
また,平成 12 年度の郵政省所管の「地域イントラネット基盤整備事業」の補助採択を
受け,市の公共施設にケーブルインターネットが可能な街頭端末(パソコン)を整備し,
地域情報化に積極的に取り組んでいる。
① 昭和 60 年度から平成 11 年度まで
・ S.60 テレトピア地域指定
・ S.62 第三セクターとして株式会社テレビ岸和田を設立
・ H.02 学校間双方向システムの構築
・ H.09 ホームページ開設
・ H.11 光同軸ハイブリッド方式へのケーブル張り替え(第1期)
(300MHz から 770MHz へ)
② 平成 12 年度
・ 同軸ハイブリッド方式へのケーブル張り替え(第2期)
・ 地域イントラネット基盤整備
24 公共施設に街頭端末を設置し,ケーブルインターネットを接続
・ 学校間双方向システムの構築
55
・ 申請書および届出書用紙配信(インターネット上で)
③ 平成 13 年度
・ ホームページ上で課長のメールアドレスを公開
・ 防災および介護情報発信システムの構築
・ 2地区公民館に街頭端末機を新設
・ IT 講習の実施
パソコン 370 台設置,約 6,300 人対象
・ 学校間双方向システムの構築
デジタル放送への対応,放送から放送+通信へ
・ 図書館蔵書検索システムの構築(インターネット上で)
④ 平成 14 年度
・ Web サーバによる本会議議会議事録および市例規集の発信(インターネット上で)
・ 電子会議システムの検討
・ オーパスシステム(スポーツ施設予約システム)の高度活用(インターネットから
の予約,ホームページの閲覧および図書館蔵書の検索)
・ IT 実践クラブの支援
・ 学校間双方向システムの構築(新規1校,改造1施設)
・ 街頭端末機を新設
・ 電子入札の調査研究
・ 株式会社テレビ岸和田が忠岡町へ進出
⑤ 平成 15 年度
・ 学校間双方向システムの構築(新規1校,改造1施設)
・ 市議会本会議録画中継の発信(インターネット活用)の調査研究
・ 市ホームページの活用(原課発信および更新の検討)
・ 市内地図情報の発信(インターネット上)の検討
・ 電子入札の調査研究
・ 電子申請・届出の調査研究
・ IC カード利活用調査研究
⑥ 平成 16 年度
・ 市内地図情報の配信(インターネット上)
・ 学校教材用データベースの整備および配信の調査研究
・ 学校間 WAN および校内 LAN の整備検討
56
第2章
地域イントラネットの実際
・ 電子入札の導入検討
・ 電子申請・届出の導入検討
・ 学校間双方向システムの構築(新規1校,改造1校)
・ IC カードの利活用調査研究
【岸和田市地域株式会社テレビ岸和田への加入状況(H.15.2.1 現在)
】
○ ケーブルテレビ
世帯数
75,428 世帯
配線済世帯数
61,602 世帯
テレビ接続世帯数
加入契約
15,844 世帯
電波障害等 29,986 世帯
○ インターネット
442 世帯
ダイヤルアップ接続
3,787 世帯
ケーブル接続
3 主なアプリケーション
(1)災情発信システム
日々の安全対策や災害発生時の緊急対策を本市防災行政無線と連携しながら CATV 網
を通じて市民へ情報発信するシステム。
(2)介護保険情報発信システム
介護保険制度のしくみ,介護施設の利用状況およびサービス内容を CATV 網を通じて市
民へ提供するとともに,双方向画像転送装置の活用により,直接市民との対話形式による
相談業務を行うシステム。
(3)生涯学習情報発信システム
各公民館で開催される講座・催し物のお知らせ,図書館蔵書目録の閲覧・検索等生涯学
習を支援する様々な情報を CATV 網を通じて市民へ提供するシステム。
(4)市民相談支援システム
公共施設(地区公民館 16 館・3市民センター・その他9公共施設)と市庁舎に設置す
る双方向画像伝送装置を CATV 網で結び,総合的な相談業務を直接市民との対話形式によ
り行うシステム。
57
(5)市政情報発信システム
地域情報センターより CATV 網を通じて,行政情報,市民フェスティバル等の行事案内,
住民健診等の保健衛生情報を市民に提供するとともに,インターネットを通じて,だんじ
り祭り等の観光情報を発信するシステム。
4 街頭端末機について
(1)システムについて
すべての端末機を同じ OS,アプリケーションソフトにし情報政策課が管理している。
OS は Windouws98 で,Internet Explorer6,Microsoft Word, Microsoft Excel などがイ
ンストールされている。また,Easy Recovery(関西電機株式会社)がインストールされ
ているため,利用者が,ファイルの削除や設定の変更,ソフトやドライバのインストール
しても,再起動することでハードディスクを元の正常な状態にもどすことができる。
(2)利用者数
平成 14 年3月現在で,公共施設に設置されている端末機は,公民館 16 館,市民センタ
ー3センター,その他の公共施設9施設の 28 施設に設置されている。平成 13 年度1か月
の平均利用者数を表 2-2 に示す。
端末機を利用している様子
端末機利用者数は,平成 13 年度のものであるが,平成 14 年度もほぼ同じくらいの利用
者とのことである。図書館の利用者が多いため,現在の1台から2台に増設したいと考え
ている。
58
第2章
地域イントラネットの実際
表 2-2 街頭端末機利用者数(平成 13 年度1か月平均利用者)
施 設 名
利用者人数(人)
300
中央公民館(2台)
15
葛城地区公民館
150
光陽地区公民館(2台)
山滝地区公民館
15
城北地区公民館
90
大芝地区公民館
90
葛城上地区公民館
15
光明地区公民館
30
新条地区公民館
100
青年の家
90
常盤青年会館
90
箕土路青年会館
90
大宮青年会館
90
東岸和田市民センター
180
春木市民センター
180
山直市民センター
120
図書館
300
保健センター(2台)
100
文化会館
100
市民病院
180
産業会館(消費者センター)
90
女性センター
120
自然資料館
210
いよやかの郷
300
59
(3)利用について
各施設に設置している端末機は,施設が開館している時間帯ならばいつでも,誰でも(岸
和田市民以外の人でも)自由に利用することができる。すべての端末機に,プリンターが
設置されているが,一人5枚までの印刷は無料としている。また,多くの方に利用しても
らいたいことから,原則として一人 30 分の使用時間となっている。
(4)街頭端末機設置の課題
① 利用者のマナーの問題
毎日利用する常連がいることで,他の人が利用できにくい状況がある。また,チャット
やインターネットゲームに没頭する利用者もある。原則として一人 30 分の使用時間があ
るが守らない利用者もいる。
② ハード面の故障
Easy Recovery を入れたことで,コンピュータの調子が悪くなることはないが,キーボ
ードやマウスの損傷がある。また,プリンターの故障が多く,対応が大変である。
5 まとめ
早くから地域イントラネットの整備を進めてきた岸和田市は,第三セクターの株式会社
テレビ岸和田をパートナーとして様々な分野で情報化を進めてきた。その大きな原動力と
なったのが,職員に対する IT 講座である。全職員の実に 97%が受講し,コンピュータリ
テラシーの向上を図ったことが,庁内の情報化を大きく進めることになった。また,市民
に対するサービスの充実度についても,市のホームページから伺うことができる。各公共
施設に端末機を設置することで市民が利用しやすいものにしている。株式会社テレビ岸和
田の存在も大きく,行政情報をビデオで紹介するなどその専門性を発揮している。
統合型 GIS の導入や電子入札の導入など幅広く情報化に対応していく計画があり,今後
が楽しみである。
60
第3章
これからの地域イントラネット
第3章 これからの地域イントラネット
1 地域イントラネットの条件
これからの地域イントラネットを構築するにあたり,構築の条件を7つのカテゴリーに
分け整理した。
(1)地域情報通信基盤の整備
高速通信ネットワークの整備をし,地域情報化の課題に対応できる機能と役割を持った
地域情報通信基盤を構築する。
(2)コミュニティ活動での活用
住民参加を推進していく上でのコンテンツの充実を図り,住民同士の啓発の場を提供す
る。
(3)暮らしへの活用
住民に対して快適な生活を支援するサービスの充実を図るためのコンテンツを提供する。
(4)教育・文化での活用
教育の充実と住民の自己実現を促進するためのサービスの充実を図るためのコンテンツ
を提供する。
(5)産業活動への活用
産業の活性化の促進するためのサービスの充実を図るためのコンテンツを提供する。
(6)行政情報化の推進
行政の電子化を推進し,行政の効率化・高速化と住民へのサービスの向上を図る。
(7)住民の情報リテラシーの向上
住民の情報リテラシーを向上させる取組みをする。
61
2 地域イントラネットの提案
これからの地域イントラネットを構築するにあたり,前述の7つのカテゴリーの構築条
件をもとに提案したい。
(1)地域情報通信基盤の整備
① 地域イントラネットの構築
地域情報の発信拠点として整備し,役所,公民館,図書館,学校などの公共施設を光フ
ァイバーなどの高速回線で結び,地域情報通信ネットワークを構築する。様々な地域情報
化に対応できる機能と役割を持ったものにする。
地域イントラネットイメージ図
② 公共施設等への情報端末機の設置
住民がいつでも自由に利用できるパソコンを役所や公民館,図書館などの公共施設に設
置し,行政情報の検索,各種申請書のダウンロードや公共施設の予約,また,インターネ
ットが利用できるようにする。
端末機で操作:岐阜県美濃加茂市
http://www.city.minokamo.gifu.jp/index.cfm
62
第3章
これからの地域イントラネット
(2)コミュニティ活動での活用
① 地域コミュニティサイトの構築
コミュニティ活動を推進し,より活発化させるため,地域内の情報交換や地域課題の検
討,憩いの場としての機能を持った電子会議室・電子掲示板を構築する。
市民会議室:新潟県三条市
http://www.city.sanjo.niigata.jp/
② ボランティア活動への支援
各種ボランティア団体がホームページを開設し,インターネットを通じて活動情報の提
供を行うとともに,電子メールによる問い合わせや申し込み,活動依頼の受付ができるよ
うに支援を行う。
ボランティアの活動紹介:佐賀県伊万里市
http://www.city.imari.saga.jp/cgi-bin/odb-get.exe?wit_template=AM040000
63
③ 行政情報の提供・行事参加の推進
役所が知らせたい情報だけでなく,住民が知りたい情報をインターネットで可能な限り
提供する。また,自治体の主要な施策に関しては,住民から意見を募集し,行政に住民の
意見を反映させるよう努める。さらに,議会の議事録や市の例規集,各種資料をインター
ネットで公開し,公共施設内に設置している公共端末の操作により,住民が視聴しやすい
ものとする。また,家庭からもインターネットで視聴ができる。
例規集検索システム:福岡県宗像市
http://www.city.munakata.fukuoka.jp/php/index.php
(3)暮らしへの活用
① 行政手続き
役所での各種申請書手続きの窓口時間や必要書類などの情報をホームページに掲載す
るとともに,申請書についてもインターネットでダウンロードできるようにフォームの提
供を行う。また,住民票の写し,印鑑登録証明書,納税証明書など各種証明書の自動交付
機を公共施設に設置し,土日,夜間でも証明書の交付が受けられるようにする。さらに,
最寄りの公共施設から,相手の画像を見ながら簡易な行政手続きや相談ができるような行
政相談システムも確立する。
各種申請書のダウンロード:岐阜県笠松町
http://www.town.kasamatsu.gifu.jp/
64
第3章
これからの地域イントラネット
② 防災・災害対策
災害時の被害を最小限にくいとめ,被災地の復旧活動を支援するため,避難場所や避難
ルート等の情報をインターネットで提供するとともに,消息等を自由に書き込みできる双
方向の電子掲示板を開設する。また,日頃から,防災・災害に対応できるよう対応マニュ
アルを公開し,防災・災害から守るための啓発を行う。
いざというとき:京都府亀岡市
http://www.city.kameoka.kyoto.jp/Index.html#kurasi
③ 就業支援
情報通信機器を利用した就業を行う障害者・高齢者が利用できるシステムを構築する。
また,情報通信機器を利用した就業希望する障害者・高齢者に対するパソコンの操作技術
などに関する講習会の実施に努める。
雇用:東京都三鷹市
http://www.city.mitaka.tokyo.jp/
65
④ 医療・保険
近郊総合病院と地域の診療所との間で,インターネットを利用し,患者の紹介及び高度
医療機器の共同利用等に関して医療の連携をとり充実を図る。また,休日・夜間の担当医
や救急医療情報など,地域内医療機関の情報をホームページで提供する。
健康づくり支援:福岡県久留米市
http://hoken.city.kurume.fukuoka.jp/iisepro/index.htm
⑤ 福祉
介護制度や高齢者・障害者福祉に関する各種制度,支援策についての情報提供をホーム
ページで行うとともに,役所の窓口に出向かなくても,電子メールで相談できるよう整備
する。また,ホームページで介護施設などの空き情報についても提供し,施設の利用申し
込みを電子化する。さらに,育児や子育てサークルに関する情報も提供し,電子メールで
も相談できるようにする。
福祉:島根県出雲市
http://www.city.izumo.shimane.jp/admin/index.html
66
第3章
これからの地域イントラネット
(4)教育・文化での活用
① 小中高等学校情報教育センターの設置
教育面でパソコン及びインターネットの活用を図るため,情報教育推進委員会を設置全
国の最新の情報教育に関する情報を収集し,情報教育設備等を検討する。また,情報教育
の拠点としての役割と機能を持つ情報教育センターを設置する。さらに,そこでは,すべ
ての教員が情報教育の推進者となるよう教員の情報リテラシーの向上を図る。
情報教育センター:北海道室蘭市
http://www.muroran.iburi.ed.jp/
② 学校におけるインターネットの活用(詳細は第4章で記述)
開かれた学校づくりを進めるため,すべての学校でホームページを開設し,学校から地
域への情報提供に努めるとともに,電子メールで問い合わせや保護者からの連絡等に活用
する。また,授業や野外学習を支援するための双方向性のある教材を作成し,授業での活
用を図る。
学校間の遠隔授業や交流を行うことができるビデオ会議システムの導入を図る。
③ 生涯学習の支援
インターネットを通じて生涯教育の講座情報を自宅から入手でき,また,利用申し込み
を行うことが可能となるシステムを構築する。大学等の公開講座を公共施設や自宅などで
も受講できることも可能なシステムが将来的には望ましい。
福岡生涯学習ネットワーク
http://www.fsg.pref.fukuoka.jp/index.asp?cindex=2&rindex=1&col=2
67
④ 公共施設の予約
インターネットを通じて公共施設の空き情報を自宅から入手でき,また,利用申し込み
を行うことが可能となるシステムを作る。
公共施設の予約:熊本県湯前町
http://www.yunomae.com/index.phtml
⑤ 図書館蔵書の検索・予約
インターネットを通じた図書資料検索システムを導入し,あわせて電子メールによるレ
ファレンスサービスを行う。また,大学図書館とリンクし,大学図書館の蔵書やその大学
とリンクしている様々な施設の蔵書の検索ができるシステムを構築する。
図書館の蔵書検索:北九州情報ネットワーク
http://www.kid.ne.jp/index.htm
68
第3章
これからの地域イントラネット
⑥ デジタルアーカイブ
インターネットを通じて,地域内にある文化や歴史,観光地,名所などをデジタル画像
として公開する。また,他地域にある関連されたホームページにもリンクし広がりあるも
のを作る。
デジタルアーカイブ:徳島大学付属図書館
http://www.lib.tokushima-u.ac.jp/ archive/
(5)産業活動への活用
① 産業への支援
自治体や関係団体のホームページで企業向けの各種制度や支援策についての情報を提
供し,電子メール等でも相談が可能となるようにしていく。また,情報分野での事業拡大
に積極的に取組む地元企業への支援を行う。
企業情報:山形県米沢市
http://www.city.yonezawa.yamagata.jp/
69
② 電子商取引
インターネット上で製品の受注・決済までの電子取引は,国の IT 戦略の主要な施策の
一つでもある。多くの企業でホームページを開設し,企業の製品イメージアップに努める
ことや電子商取引について企業自らの取り組みに期待するとともに,企業の電子商取引へ
の取り組みに対する支援を行う。
(6)行政情報化の推進
① 情報通信基盤の整備
情報の共有化を図り,効率的な行政運営を行っていくために,行政情報ネットワーク(役
所内 LAN)を構築し,一人一台パソコン環境のもとでグループウエアを推進する。
② 行政の効率化・高速化と住民のサービス向上
電子政府の実現に対応した電子市役所構築の取組みとして,総合行政ネットワークへの
対応,申請・届出のオンライン化の推進,文書管理システムの導入,住民基本台帳ネットワ
ークシステムの構築などを行う。また,戸籍ブックレスシステム,健康管理システム,財
務会計システム,各種データベースシステムの構築をすすめ,税金についてのシステムや
統合型地理情報システム(GIS)についても推進したい。こうしたシステムの構築にあた
っては,個人のプライバシー保護の観点からセキュリティ対策にも万全の注意を払ってい
く必要がある。
GIS を利用したサービス:福岡県飯塚市
http://www.city.iizuka.fukuoka.jp/
70
第3章
これからの地域イントラネット
③ 行政情報の提供
ホームページを活用し,自治体で保有する行政情報を積極的に提供していくとともに,
膨大な情報の中から容易に検索が可能となるよう,行政情報検索システムの構築を行う。
検索機能があるホームページ:岡山県倉敷市
http://www.city.kurashiki.okayama.jp/index.html
④ 情報化を支える人材育成
情報化をすすめるうえで,職員の情報リテラシーの向上が必要不可欠であることから,
全職員を対象にしたパソコン研修の充実を図る。また,IT に関する専門的な知識や技術を
有する職員の育成にも努める。
⑤ 推進体制の確立
行政情報化を着実に推進していくため,施策の実施状況について定期的に点検・把握し
ていく必要がある。情報化推進委員会などの情報化を推進していく母体は,行政情報化計
画の進捗状況を毎年度,取りまとめ,公表する必要があろう。
(7)住民の情報リテラシーの向上
① IT 講座の推進
住民の情報リテラシーを向上させるため,住民を対象にしたパソコン操作やインターネ
ットの利用に関する初歩的な講習会を計画的に開催する。また,PTA などの団体が学校を
会場にして IT 講習会を開催する場合に,講師等の派遣を行うなど必要な支援を行うとと
もに,自治会組織や地区公民館など地域に出向いて行う出前 IT 講座についても実施する
といいだろう。IT をめぐる状況もめまぐるしく変化することから,住民向けの地域情報化
に関する講座や講演会等にも取組むなど,情報化に関する普及啓発に努める。
71
② パソコンボランティアの育成
住民の情報リテラシーを向上させる一環として,パソコン初心者に対するサポートを行
うパソコンボランティアとパソコンボランティア団体を育成し,
その活動を支援していく。
また,住民の情報リテラシーを向上させるため,地域でのパソコンやインターネット利用
に関する普及啓発や,操作技術の指導の役割を担う制度の導入も有効ではないだろうか。
さらに,不要となった動作可能なパソコンを無償で提供するリサイクルについて行い,リ
サイクルで入手したパソコン機器の設定については,パソコンボランティア団体の協力を
得て行う。
72
第4章
学校における地域イントラネットの利用
第4章 学校における地域イントラネットの利用
この章では,学校におけるイントラネットの構築条件を整理し,その考えを提案したい。
また,開かれた学校づくりを目指すにあたり,インターネットの機能を生かした家庭と学
校との連携の仕方を実験的に試み,その運用の実用度を検証したい。
第1節 学校イントラネットの条件と提案
1 ハードウェアの側面
(1)コンピュータ教室設備一式
文部科学省の「学校教育の情報化」推進計画を表 1-1 に示す。これによれば,平成 17
年度(2005 年度)までに,コンピュータ教室に 42 台のコンピュータが整備され,一人一
台の学習環境が整えられることになる。メディアリテラシーの育成のためになくてはなら
ないコンピュータ教室は,学校図書館と連携しながら「情報」の最前線としての位置づけ
による環境整備が重要となる。
表 1-1 「学校教育の情報化」推進計画
目
標
平 成 12年 度
平 成 1 3年 度
(20 00年 度 )
(2001 年 度 )
【平 成 13年 度 ま で の 目 標 】
● す べ て の 公 立 小 中 高 等 学 校 等 をインター ネ ットに接 続 す る
● 全 公 立 学 校 教 員 が コン ピュー タを操 作 で き、半 数 は コンピュー タ
を用 いて 指 導 で きるように す る
【平 成 17年 度 ま で の 目 標 】
中学校学習指導要領
各教科で教育機器の活用
平 成 17年 度
(20 05年 度 )
各 教 科 や 総 合 的 な学 習 の 時 間 で コンピュータや 情 報 通 信 ネ ット
ワークを活用
移行措置
技 術 ・家 庭 「情 報 基 礎 」(選 択 )
各教科で教育機器を活用
移行措置
技 術 ・家 庭 「情 報 と コ ン ピ ュ ー タ 」を 必 修
各 教 科 や 総 合 的 な学 習 の 時 間 で コンピュータや 情 報 通 信 ネ ット
ワークを活用
情 報 科 を 新 設 ・必 修
各 教 科 や 総 合 的 な 学 習 の 時 間 で コンピュータ
や 情 報 通 信 ネ ットワ ー クを活 用
各教科で教育機器の活用
教 育 用 コンピュータ等 の 整 備
[周 辺 機 器 、ネ ットワ ー ク 化 を 含 む ]
移行措置
コ ン ピ ュ ー タ 教 室 (4 2 台 )、 普 通 教 室 (各 2 台 ) 、 特 別 教 室 等 (各 学 校 6 台 )
(地 方 交 付 税 措 置 )
校 内 L A N の 整 備 (国 庫 補 助 )
新世代型学習空間の整備
(国 庫 補 助 )
ミレ ニ ア ム ・フ ゚ロ シ ゙ェク トに よ る 整 備
(国 庫 補 助 )
教 育 情 報 通 信 ネ ット ワ ー クの 整 備
イ ン タ ー ネ ッ ト (地 方 交 付 税 措 置 )
への接続
(国 に よ るモ デ ル 事 業 )
ソ
フ
ト
面
平 成 16 年 度
(2004年 度 )
・ 各 普 通 教 室 へ コ ンヒ ゚ュー タ・ネ ッ トワ ー クの 整 備
・ 概 ね 全 公 立 学 校 の 高 速 イ ンター ネ ッ ト 接 続
・ 概 ね 全 公 立 学 校 教 員 が コ ンヒ ゚ュー タを 用 い て 指 導 で き る よ う に す る
高等学校学習指導要領
ハ
|
ド
面
平 成 15年 度
(200 3年 度 )
● 全 て の 公 立 小 中 高 等 学 校 等 の 、 全 て の 学 級 の あ ら ゆ る 授 業 に お い て 教 員 及 び 生 徒 が コ ン ヒ ゚ュー タ や イ ン タ ー ネ ットを 活 用 で き る 環 境 を 整 備 す る
小学校学習指導要領
教
育
課
程
平 成 14年 度
(2 0 0 2 年 度 )
(約 8, 000校 )
IT を 活 用 し た 授 業 が 自 在 に で き る よ う に 情 報 対 応 仕 様 を 備 え た 教 室 の 整 備
高 度 教 育 用 ネ ットワ ー ク 利 用 環 境 の 整 備
全 公 立 学 校 の 高 速 化 の 推 進 (光 フ ァ イ バ ー 、ADSL等 へ の 切 替 え
全 公 立 学 校 (約 3 9,700校 )が 接 続
高 速 イ ン タ ー ネ ッ ト を 活 用 し た 教 育 方 法 に つ い て の 研 究 開 発 (約 3 ,200
校)
教員研修の実施
コンピュータの 操 作 技 術 の 習 得
各 教 科 で の コンピ ュー タや インター ネ ットを活 用 した授 業 実 践
( IT 活 用 指 導 力 向 上 プ ラ ン )
学校教育用コンテンツの開発
(国 に よるモ デ ル 事 業 )
ミレ ニ ア ム ・フ ゚ロ シ ゙ェク トに よ る 開 発
コンテ ン ツの 普 及 、充 実
教 育 情 報 ナ シ ョナ ル セ ン ター 機 能 の 整 備
(国 に よ る整 備 )
ミレニ ア ム ・プロ シ ゙ェク トに よ る 整 備 (教 育 情 報 の ポ ー タ ル サ イ ト の 開 発 な ど )
e− ス ク ー ル
イ ン ター ネ ットを 活 用 し た フ ァ ス テ ィハ ゙ル の 開 催
73
めざましく発展しているコンピュータ業界では,約半年ごとに新しく,性能のいいコン
ピュータ機器を世に送っている。新製品で購入したコンピュータも半年後には旧製品にな
り,性能も一ランク下がることとなる。しかし,学校教育では,子ども達に最新の性能を
持ったコンピュータ使い,未来に生きる力をつけてやりたいと考える。そこで,各学校で
は,3∼5年間のリースなどによる導入がふさわしい。また,コンピュータ教室は,目的
にあわせてレイアウトが自由にできることがよく,各機器との情報通信は無線で行い,持
ち運びができるものがふさわしい。さらに,調べ作業の合間にノートの整理ができたり,
模造紙などに書きもむなど作業ができるスペースがほしい。
(2)普通教室および特別教室のコンピュータ設備
普通教室には各2台のコンピュータが整備されることになっている。各企業などと協力
しながら,リース落ちのコンピュータを利用し,グループでの利用が可能な台数を確保し
たい。さらに,プロジェクターや電子情報ボードなどの設置によって,板書を中心とした
今の授業が,プレゼンテーションソフトなどを利用した提示型授業へと徐々に変わってい
くものと思われる。
特別教室等には6台のコンピュータが整えられる。理科,技術,家庭科,美術,音楽な
ど,それぞれの特別教室で今すぐにでもコンピュータを活用できる場面がある。実験デー
タを理科室から共有のサーバに保存し,コンピュータ教室で分析したり,他校と共同授業
や遠隔授業も可能となる。
学校図書館は,インターネットを備えた情報拠点として,本,VCD,DVD 等を備えた
ものにしたい。
(3)各階ワークスペースのコンピュータ設備
各階のワークスペースには,調べ学習に必要な本があり,Web 検索可能なコンピュータ
を設置したい。学校のどの場からも様々な情報が入手でき,参画型の取組みに場所を選ば
ないところに設置の良さがある。
(4)職員室のコンピュータ設備
教育の情報化のため是非必要とされるのが職員室へのコンピュータ導入である。全ての教
師一人一人がコンピュータを持つことで,教師のコンピュータスキルがアップし,授業で
74
第4章
学校における地域イントラネットの利用
のコンピュータ利用場面が増える。現地点では,コンピュータスキルが教師に必要とされ
るものの,自費によるコンピュータ機器の購入がほとんどである。また,学校事務の効率
化は教師の負担を少なくし,子供達に集中できるようになる。そして,子供や校務に関す
るデータ保存も集中的に管理され,データの共有化はもちろん,セキュリティー面でも改
善が図れることとなる。なお,パソコンは,様々な利用状況に柔軟に対応できるようノー
トパソコンが望ましい。
(5)構内情報通信ネットワーク
全ての教員が,全ての授業の中で,様々な形態での利用ができるように,全ての教室や
各階のワークスペースがネットワークに接続する必要がある。また,校内ネットワークを
有効に機能させるには,各種のサーバコンピュータが必要となる。メールサーバ,www
サーバ,データサーバ,ストリーミングサーバなどである。
(6)高速大容量のネットワーク回線
インターネットの対象メディアがテキストや静止画等から動画や音声,映画などマルチ
メディアに移行している現在では,インターネットや地域ネットワークセンターのサーバ
ーにアクセスするためには,高速のネットワーク回線が不可欠である。光ファイバー回線
や CATV,ADSL 回線などにより,数∼100Mbps の転送速度が求められる。なお,
「e-Japan2002 プログラム」により,平成 17 年度を目標に,概ね全ての公立学校のイン
ターネット接続回線について,ADSL や光ファイバー等の高速インターネットへの切り替
えを推進することとされている。回線の違いによるデータ転送速度比較を表 4-2 に示す。
表 4-2 1MB 転送の場合の転送速度比較
回線の種類
時間
28KB モデムの最高速度
340 秒
ADSL 1.5MB の最高速度
6.7 秒
ADSL 8MB の最高速度
1.25 秒
ADSL 12MB の最高速度
0.83 秒
B フレッツファミリー(10MB)の最高速度
B フレッツビジネス(100MB)の最高速度
75
1秒
0.1 秒
また,回線形態の違いによるメリット・デメリットを表 4-3 に示す。
表 4-3 回線形態の違いによるメリット・デメリット・速度
利用形態
メリット
デメリット
公称速度
・対応サービスや製品が多
フレッツ ISDN い
データ転送速度が遅い
64Kbps
・ほとんどの地域で利用可
ADSL
フレッツ ADSL
・高速データ転送
・利用地域が限定される
・低料金
・光ファイバーの敷設で 1.5Mbps/8Mbps
・高速データ転送
利用出来なくなる
・ほとんどの地域で利用可
・利用地域が限定される
B フレッツ
・高速データ転送
・将来性大
・対応プロバイダが少な 10Mbps/100Mbps
い
(7)大画面提示装置および専用教室
大人数でコンピュータを使って学習する場合,大画面の提示装置が必要である。常に,
プロジェクターで投影できる専用の教室があることが理想的だが,移動が可能なプロジェ
クターや大画面のプラズマテレビがあると代用できる。
プラズマテレビ:パナソニック
http://www.panasonic.co.jp/products/tv/
76
第4章
学校における地域イントラネットの利用
(8)ビデオ会議システム
欧米では日常頻繁に利用されているビデオ会議システムだが,ISDN などの公衆回線や
専用線など利用して,遠隔地にいる相手と顔を見ながらリアルタイムに話が出来るコミュ
ニケーションツールである。また最近では,単純に会議・打ち合わせの用途にとどまらず,
遠隔教育・遠隔医療などの幅広い分野まで,そのアプリケーションは様々な方向へと広が
っている。本府内でも,共同学習や遠隔授業で利用するなど,新しい教育システムとして
注目されている。
テレビ電話:Polycom 社
京都教育大附属桃山中学校のビデオ会議の様子
http://www.polycom.co.jp/
(9)動画コンテンツ作成機材
子供達が学習内容を理解するために動画コンテンツを利用することは,きわめて有効な
手段だと言える。そのためには,そのような動画コンテンツを作成するために機材が必要
となる。具体的には,ビデオカメラ,デジタルカメラ,編集用パソコン(編集ソフト)
,ビ
デオレコーダー,ビデオデッキ等である。また,文部科学省のホームページでは,授業で
使える画像や動画など(教育用コンテンツ)を開発し,インターネットで提供している。
77
ビデオレコーダ『CE-VR1』(シャープ株式会社)
http://ezaurus.com/mie1/product/info/cevr1_info.html
ビデオデッキをラインケーブルでつなぎ,再生することで,パソコンを介さずに「MPEG-4」に変
換する。
文部科学省は,授業で使える画像や動画など(教育用コンテンツ)を開発し,インター
ネットで提供している。それを表 4-4 に示す。
表 4-4 ネットワーク提供型コンテンツ開発事業 開発コンテンツ一覧
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/index.htm
【平成 12 年度開発】
コンテンツ名称 開発ティーム名
概
URL
要
学校教育用ディ 神奈川県学校教 開発済みの学校教育放送用番 http://www.edu-ctr.
1
ジタル素材デー 育放送ディジタ 組をデジタル・アーカイブ化 pref.kanagawa.jp/e
タベース
ル化推進ティー し,クリップを抽出して教育 c/
ム
用にデータベース化
地域の生活・文 地域の生活・文化 教員が組織的に収集利用して
2
化データベース データベース研 いる動画等素材から地理的特 http://www.bunkei.
開発
究開発ティーム 色等に応じた生活文化資料 co.jp/dac/
3000 件をデータベース化
中学理科
3
実 実験・観察クリッ 理科の実験や観察について,
験・観察クリッ プ集開発ティー 理解を促すマルチメディアク
プ集
ム
リップの開発,データベース
化
78
http://kids.gakken.c
o.jp/campus/acade
my/kobe/
第4章
学校における地域イントラネットの利用
オンライン音楽 オンライン音楽 クリッカブル教科書,楽譜,
4
室
室プロジェクト MIDI データダウンロード,
音 http://www.ongaku
楽用語検索等で構成される音 shitsu.net/
楽教育用データベース
広域の観測地点 広域定点観測網 気象や風景の定点観測データ
5
群において自動 実証コンソーシ を自動集約・データベースを http://www.teiten2
収集される定点 アム
自動構築し,グラフ表示等を 000.org/
観測情報
行うシステム
マップ型学習調 仙台市教育委員 Web 上の地域のマップ上で,
査システム
会
利用者が調べた各種調査の記
録が登録でき,全国の同一テ
6
ーマで学習する学校がマップ
上でデータを共有できるシス
http://www.ex.send
ai-c.ed.jp/center/ma
p/
テム
学校間共同授業 共同授業活動支 分かりやすいインターフェー
活動支援ソフト 援ソフト開発委 スによる,交流希望校の検索,
−はじめての共 員会
7 同学習−
モデルプランによるナビゲー
ト機能,アンケート作成支
援・集計,掲示板交流機能,
http://is.im.mri.co.j
p/~co-study/
交流状況管理等の機能をシス
テム化
Web 上で提供す Web 教材開発研 DOS 時代に開発された教師
8
る教師自作のア 究会
の自作ソフトを選定し,Web
イデア学習ソフ
教材としてデータベース化
ト集
http://kids2.gakken
.co.jp/campus/acade
my/jisaku/
特殊教育の指導 特殊教育用 Web 既存の,特殊教育の指導に役
に役立つ Web 教 教 材 な ら び に 立つ学習ソフトウェアを Web
9
材コンテンツと Web 教材障害対 用に再開発し,データベース
Web 教材障害対 応評価ツール開 化
応評価ツール
http://kids.gakken.c
o.jp/campus/acade
my/nise/
発チーム
79
中学生のための 「中学生のため 中学生の職場体験および職業
1 世の中仕事カタ の世の中仕事カ 紹介コンテンツをデータベー http://www.yonokat
0 ログ
タログ」開発ティ ス化し,進路等について調べ,a.net/
ーム
情報交換できるサイトを開設
【平成 13 年度開発】
コンテンツ名称 開発ティーム名
概
URL
要
情報機器と情報 「情報機器と情 情報機器や情報社会のしくみ
社会のしくみ
1
報社会のしくみ」について,CG 動画や静止画に http://www.dainipp
開発委員会
より解説し,それらコンテン on-tosho.co.jp/mext
ツを著作権フリーで提供する /joho-kiki/
システム
算数・数学の思考 (株)NHK ソフ 数式・図形の意味や,基礎的
過程をイメージ トウェア
2 化する動画素材
集
な概念・法則を CG によって http://www.dainipp
イメージ化した,動画や立体 on-tosho.co.jp/mext
表現(3D 化)による動画素材 /nhk/
集
世界は今 ∼音声 中学校地理コン 中学校社会科「地理的分野」
解説を伴う外国 テンツ開発グル のなかで,日本では容易に入 http://ns.eizou-kyou
3 事例の映像素材 ープ
コンテンツデー
手できない「外国の事例」
(6 zai.jp/geography/in
か国)を集約した映像教材
dex.html
タベース
学習テーマで相 学校間交流デー 共同学習における相手校探し
手が探せる学校 タベース研究会 の支援のため,単に交流希望
4
間交流支援総合
校の登録・検索のみならず, http://kids.gakken.c
データベース
全国の学校の共同学習に係る o.jp/campus/acade
事例や研究発表をテーマ毎に my/koryu/index.ht
検索できるデータベースを中 ml
心とした,学校間交流・共同
学習の支援コンテンツ
80
第4章
学校における地域イントラネットの利用
軽度の障害のあ 特別支援教育の 軽度の障害のある児童生徒の
る児童生徒のた ための Web 教材 指導に役立つ学習ソフトウェ http://kids.gakken.c
5
めの Web 教材コ コンテンツ開発 アを Web 上で表示できるよう o.jp/campus/acade
ンテンツと学習 チーム
再開発。これらの児童生徒の my/nise2/index.ht
支援ツール
学習上の困難を軽減するため m
の支援ツール
簡単アクセステ 簡単アクセステ テレビ会議の相手校探しの支
レビ会議 ─自動 レビ会議活用委 援を行ったり,会議の自動録
記録で活動のま 員会
6 とめ─
画および Web 発信を自動ある
いは簡単な操作で行えるよう http://tv.itx.jp/stv
な,テレビ会議およびデジカ
メ画像の活用をサポートする
システム
静止画から教育 教育用3D 動画 複数の静止画を動画像に変換
用3D 動画を作 コンテンツ開発 し,インターポレーション法
7
成するシステム ティーム
で動画化するシステムによ
の開発とモデル
る,既存の静止画を動画化し
コンテンツの作
たものをもとにした,教科で
成
利用できるモデルコンテンツ
http://ddd.nicer.go.j
p/
病弱療養児と一 特殊教育などに インタラクティブなアニメー
般児童に対する 活用するマルチ ションによる,正しい療養に
臨床心理療法に メディアエンタ 対する知識を身に付けられる
基づいたインタ ーティメント教 ような病気別自己管理学習用
8
ラクティブ・マル 材開発ティーム の教材コンテンツ
チメディア・エデ
http://www.nise.go.j
p/上からリンク
(事業案内→教育用
コンテンツ→ココロ
ュテーメントコ
ココ)
ンテンツおよび
学習支援提供シ
ステム
81
(10)周辺機器
プリンターやスキャナーといった基本的な周辺機器はもちろん必要として,ここ数年急
速にマルチメディア化している様々なメディアに対応するための様々な周辺機器をそろ
える必要である。
①メディアリーダー・ライター
デジタルカメラなどの記憶メディアを簡単にパソコン内に取り込んだり,加工した画像
や動画を様々な記憶メディアに保存するためのメディアリーダー・ライターがあると便
利である。
コンパクトフラッシュ,メモリースティック,マルチメディアカード,スマートメディア,SD メ
モリカード,マイクロドライブなど,全てのメモリカードに対応している。
フラッシュカードリーダー・ライター(imation)
http://www.imation.co.jp/products/pc_hard/flash_go/flash_m/
②リムーバブルハードディスク
また,子ども達一人一人が,脱着可能なリムーバブルハードディスクを持って,自分の
パソコン環境を作りながらリテラシーを高めていくことも可能であろう。
データが記録される磁気ディスク部分だけが取り外せる構造になっているハードディスク。フロ
ッピーディスクなどの記憶装置と同じように,ディスクを交換して使うことができる。
リムーバブルディスク(ラトックディスク株式会社)
http://www.ratocsystems.com/products/subpage/frdk1.html
82
第4章
学校における地域イントラネットの利用
③低価格デジタルカメラ
デジタルカメラも教育活動にはきわめて有効的なメディアである。記録する目的に応じ
てカメラを使い分けるなど工夫が必要だが,一学級の人数分そろえたい。最終的には,プ
レゼンテーションやホームページ,デジタルポートフォリオなどに利用するための写真を
保存,記録を蓄積するような目的が多い。
このような場合には,画素数が低いものでもよく,現在では,小型で安価なものもある。
また,人数分そろえられると,日常的な活動や観察場面がすぐに記録でき,学習の素材集
めが容易にできる。
32 万画素でマクロ撮影も可能。AVI 形式の動画も撮影できる。
低価格デジタルカメラ Che-ez!
http://www.che-ez.com/splash/
④CCD カメラ
ビデオ会議システムの構築は,大金が必要なため,簡単に導入することが難しい。しか
し,CCD カメラをパソコンにつけることで,簡単にビデオ会議をすることが可能となる。
常時接続なら接続料を心配することなく,会議ができ,出張費も必要なくなる。
インターネット電話にも使えるヘッドセット添付。10 人同時にビデオチャットができるソフト
を標準添付。
USB-CCDCHAT(I・O DATA)
http://www.iodata.jp/products/video/2002/usbcamchat/hard1.htm
83
最近では,様々なビデオチャットサービスが登場しているが,もっとも手軽なビデオチ
ャットソフトといえばマイクロソフト社製の Windows Messenger であろう。
インスタントメッセンジャー(IM)の種類と主な機能,使い方
代表的なインスタントメッセンジャー
Windows Messenger
ビデオ
音声
文字
チャット チャット チャット
○
○
○
Yahoo!メッセンジャー
○
○
○
AOL インスタント・メッセンジャー
×
○
○
Biglobe メッセンジャー(Odigo)
×
×
○
(MSN Messenger, NET Messenger)
(11)携帯端末機
野外活動をするときに活動をする先々でいろいろな情報を送ることができる携帯端末機
があれば活動内容や活動範囲が大きく広がる。各社から様々な機能を持った携帯端末機が
発売されているが,簡単な操作で使え多機能なものがいいだろう。
eggy(NTT DoCoMo)
Zaurus MI-E25DC(シャープ)
http://www.sharp.co.jp/products/
http://www.docomo-kansai.co.jp/
mie25dc/index.html
products/media/eggy/
インターネットやメール機能はもちろんだが,デジタルカメラにもなり静止画や動画を
撮ることができる。また,その静止画や動画をメールに添付して配信する機能を持ってい
る。
84
第4章
学校における地域イントラネットの利用
FOMA P2102V(NTT DoCoMo)
http://www.nttdocomo.co.jp/info/products/foma/index.html
次世代型携帯電話で,インターネット Web やメール機能のほか,テレビ電話機能を備えている。
2台あれば,遠隔・多地点会議ができ,遠隔授業も可能である。
(12)地域ネットワークセンター
高度情報化社会が進むに従って,今後は自治体単位で地域ネットワークセンターを持
ち,運用することが必要となろう。地域のネットワークセンターで Web サーバ等を持ち
運用することは,地域の情報化を進め,開かれた地域や学校の実現を促進する。
インターネット
地域ネットワークセンター
学校
イメージ図
85
学校
<地域ネットワークセンターのメリット>
① ライブ・カメラ
ライブ・カメラは,学校などの施設にビデオカメラを設置して生の画像をサーバから
配信するシステムである。数秒∼数分間隔で自動的に画像が更新されるため,いつでも
最新の画像を見ることができる。ビデオ会議システムを使った画像配信システムより更
新の速度は遅いが,安価な CCD カメラで学校の様子を配信していくことは,これから
の学校教育の中では,利用価値が高い。
② ストリーミング・ビデオ
ライブ・カメラは静止画像を一定時間毎に更新するが,ストリーミング・ビデオは予
め録画した動画を,切れ目なく配信できる。ライブ・カメラと比べると高速なパソコン
が必要になるが,利用者は Windows の付属ソフト「MediaPlayer」を使って動画を楽
しめるので,ソフトウェアをインストールする必要はない。
③ メールサーバ
Web サーバにメールサーバのソフトウェアをインストールすれば,プロバイダのメー
ルサーバを利用せずにメールの送受信をすることができる。メールサーバのソフトウェ
アも無料で入手できるものがある。メールサーバを用意すれば,メールアドレスを自由
に使うことができ,教職員はもちろん,児童生徒のメールアドレスも自由に増やすこと
ができる。
④ IRC サーバ
IRC とは,インターネットを使ってチャットを楽しむシステムである。インターネッ
トでのチャットといえば,
「MSN メッセンジャー,Yahoo!メッセンジャー,ICQ」など
のメッセンジャーソフトが有名である。これらのソフトは開発した会社のサーバを使っ
てチャットを行っているため,
多人数が利用する時間帯には動作が遅くなることがある。
それに対して,IRC は分散化されたチャットシステムで,特定の会社がサービスを提供
しているわけではなく,いろいろな会社や組織が IRC サーバを用意していることになる。
IRC の仕様は公開されているので,IRC に対応したソフトウェアを開発することができ
る。もちろん,ほとんどの対応ソフトウェアは無料で入手できる。
⑤ ホームページの容量
プロバイダのホームページの領域は,数 MB∼数十 MB の容量に制限されていること
がふつうである。ある程度まで容量を増やせるプロバイダもあるが,そのためには追加
86
第4章
学校における地域イントラネットの利用
費用を支払う必要がある。
最近では,ホームページの素材として写真だけでなく,動画の場合もあり,かなりの
領域が必要となる。また,全てのファイル形式に対応しているプロバイダは少なく,ど
んな素材のどんなファイル形式にも対応するためには,
独自の Web サーバが必要となる。
⑥ CGI※1の設置
最近では多くの CGI が無料で配布されているので,自分たちのホームページに必要な
CGI を見つけることができる。CGI はとても魅力的なコンテンツだが,多くのプロバイ
ダでは,設置できる CGI の数を制限したり,サーバの負担になるような複雑な CGI の
設置を禁止したりしている。独自の Web サーバでは,CGI が必要なだけ設置すること
ができ,複雑な CGI も設置することができる。
※1 Common Gateway Interface の略で,ホームページ上での何かしらの自動処理を実現するための仕組みのことであ
る。これを用いることにより,カウンター,チャット,掲示板,アンケートフォームなどを作ることができる。
87
2 ソフトウェアの側面
(1) 基本ソフト
○ 統合ソフト
使用頻度が高く,中心となるソフト。ワープロ,表計算,お絵かき,DTP,インターネ
ット,メール,プレゼンテーション,データベース,ホームページ作成などができる。
描画や文字入力はもちろんのこと,音声・動画・表計算・アニメーション・様々なメディアなど,
学校で必要と思われる機能をほぼ揃えている。
スーパーYUKI21(NEC)
http://www.sw.nec.co.jp/educate/product/yuki21/02.html
12 種類のソフトを統合し,調べる,まとめる,発表する,交流する,インターネットを生かすな
どの授業展開ができる。
Cube ねっと Jr.
(スズキ教育ソフト)
http://www.suzukisoft.co.jp/products/cube_s/cubenet_jr/net_jr02.htm
88
第4章
学校における地域イントラネットの利用
ワープロ,表計算,プレゼンテーションなどのソフトに加え,地図作成ソフトやポートフォリオ
評価活動に役立つ個人フォルダ機能も新たに搭載した。
ジャストスマイル2(ジャストシステム)
http://www.justsystem.co.jp/software/dt/jsmile2/index.html
○ 画像処理ソフト
静止画像を目的にあわせて加工することができる。プレゼンテーションやポートフォリ
オなど写真を挿入する前にこのソフトで加工を施してわかりやすいものにしておく。
フォトレタッチ,Web グラフィックの作成,ペイント/ドロー,アニメーションなど,必要なすべ
ての機能もち,使いやすい。
Paint Shop Pro 7J(JascSofware)
http://www.panda.co.jp/products/psp7/index.html
○ 動画加工ソフト
動画にタイトルや BGM を挿入したり,動画を目的にあわせて加工したりすることができ
る。動画によるプレゼンテーションや記録ビデオの作成などに必要である。
(第4章にて紹
介)
89
○ 画像管理ソフト
デジタルカメラでいろいろな写真を記録することが増えているが,単にフォルダに納め
るだけでなく,その画像を管理していくことが大事である。担任や担当者がかわっても写
真の管理ができるソフトが必要である。
「一括自動補正」
「一括リネーム」など基本的な修正機能を標準で備え,レイヤ対応の本格的フォ
トレタッチ機能,バリエーション豊かな 281 点の印刷用テンプレートなど,多彩な機能を搭載した
“エクスプローラ型”の画像管理ソフトである。
デジカメの達人 Ver.3(日本アイ・ビー・エム)
http://www.ibm.com/jp/
○ 翻訳ソフト
外国との交流には,日本語を外国語に翻訳したり,外国語を日本語に翻訳したりするこ
とが必要となる。そんなとき,翻訳ソフトが威力を発揮する。
英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・ポルトガル語・イタリア語などヨーロッパ圏の言語
に加え,ロシア語,ポーランド語,ウクライナ語など,世界の 70%の国と地域の言語をカバーする
多言語翻訳ソフトである。 日本語を各国語にスピーディーに翻訳し,各国語から各国語へ「72」通
りのクロス翻訳も可能である。
ジェイエックス9か国語
http://www.nova.co.jp/products/Jx9/gaiyou.html
90
第4章
学校における地域イントラネットの利用
また,インターネット上でもテキストを入力するだけで,翻訳できるサイトが無料で提
供されている。
Excite.翻訳
http://www.excite.co.jp/world/text/
(2) 学習用ソフト
○ 各種図鑑・教 材 ソフト
各会社から学習用のマルチソフトがいろいろな分野で発売されている。これらのソフト
には,目的にあわせた必要な情報が含まれており,優れたものも多く見られる。
これらのソフトを効果的に利用することで学習効果が一層上がるものと思われる。
理科 マルチ図説 からだのたんけん人と動物のからだ(東京書籍株式会社)
http://www.adlink.co.jp/tosho/
91
(3) 教材コンテンツ
○ 校内サーバ内コンテンツ
校内のサーバ内に計画的・系統的に教材コンテンツを整えていくことで,学習内容に関
わる教材が資料化され,年を経るごとに豊かな教材コンテンツが整うことになる。内容ご
とに学校コンテンツ,学年コンテンツ,学級コンテンツ,PTA 用コンテンツ等に分け,活
用しやすくすることが重要である。
○ 地域サーバ用コンテンツ
地域サーバ内には,様々なコンテンツが用意されると思うが,学校教育でも,蓄積型の
コンテンツを用意し充実を図りたい。学校間用コンテンツ,地域内学年用コンテンツ,校
種間用コンテンツ,PTA 用コンテンツなどが考えられるが,学校内だけでなく,広く情報
を計画的・系統的に準備・蓄積することで,豊かな地域コンテンツができ,教育用として
活用できると考える。
(4) 学校用グループウェア
○ 校内 LAN 用
統合ソフトにネットワークサービスを付加したもので,現在多くの統合ソフトがネット
ワーク対応になっている。
また,学校用グループウェアには,①学習支援機能,②教務支援機能,③運用支援機能
を備えていることが大事である。
① 学習支援機能
・グループでの協調学習をサポートする。グループポートフォリオの作成,グループでの
作業日誌,電子会議室,アイデアトレイなどの機能がある。
・協調学習の過程において,児童生徒の自己評価・相互評価をサポートする。
・掲示板・アンケートフォームの作成,選択問題作成を通して学習事項の自己評価につな
げることができる。
・学習過程の様々なコメントを蓄積することができる。
・電子メール・チャット・伝言板機能があり,グループ活動のほか様々なコミュニケーシ
ョンを支援する。
92
第4章
学校における地域イントラネットの利用
・予定表があり,グループのメンバーでスケジュールを共有できる。また,学校行事予定
を個人の予定表と連動させることができる。
② 教務支援機能
・教師の事務処理をサポートする。
・出席管理,本日のお知らせ,教室の予約,行き先の表示,文書ファイリング,住所作成
などができる。
③ 運用支援機能
・ユーザーアカウントの管理などをすることができる。
・交流メールの設定をすることができる。
DigiNote の専用ブラウザを利用することにより,Web ページの作成が簡単にできるだけでなく,
メールや掲示板,アンケートなど,様々なネットワークサービスを,子供たちも容易に活用するこ
とができる。また,メールアカウントやパスワードなどの管理も,専用ブラウザから簡単に設定す
るがでる。
DigiNote(安川情報システム株式会社)
http://www.ysknet.co.jp/product/education/diginote/
93
画像や映像,音声などのマルチメディア素材を取り込んだ表現もでき,作成した情報は,電子メ
ールや電子掲示板,データベースの機能を使ってクラスの友達や別のクラス,別の学年,さらには
別の学校の人たちにとも簡単にやりとりすることができる。
スタディーノート(シャープ)
http://www.study.gr.jp/top-shohin.html
○ コンピュータ管理用ソフト
学校では,一台のコンピュータを不特定多数の児童生徒,時には保護者や地域の方々が
使用するため,いつもベストコンディションのコンピュータばかりであるとは限らない。
コンピュータ操作のリテラシーが向上すると,使用者の判断でコンピュータをカスタマイ
ズして,楽しむ場合もある。時には,必要なファイルの削除や設定の変更,ソフトやドライ
バのインストールさらには,ウイルスの感染などの原因で,パソコンに障害が起こること
がある。そうしたときに備えて,ハードディスクのシステムを完全に復旧することができ
るソフトが必要となる。
フォーマットを含むいかなるハードディスクに対する変更も,元の状態に戻すことができる。
Easy Recovery(関西電気株式会社)
http://www.kansai-elec.co.jp/classroom/soft/er/index.html
94
第4章
学校における地域イントラネットの利用
3 人的環境
学校の情報化は,高度化する様々な情報機器を活用して初めて可能となるものである。
そう考えると,校内の職員だけで人的環境の要件を満たすことは難しい。校長を中心とし
た校内推進体制はもちろんだが,外部人材の有用な活用や教育委員会や大学,民間団体等
が行う専門的な研究を積極的に活用し,人的環境を整えていく必要がある。
(1)情報化に対応した校長のリーダーシップ
「新・情報教育に関する手引」には,校長のリーダーシップとして次のような具体的な
事項が記されている。
① 情報化を通じて学校,教育活動をどのようにするかなどの総合的な学校の情報化計
画・ビジョンの決定
② 外部からの不正アクセスなどネットワークを通じてのトラブル等の場合の連絡体制の
整備と適切な指揮
③ 家庭,地域社会,関係機関等との連携
学校の情報化は,学校経営上の課題であり,校長がリーダーシップをとり,全教職員で
取組まなければ,学校の情報化は成し得ないということである。
(2)校内推進体制
情報化の推進をコンピュータに詳しい一部の教員だけに任せてしまうことは,学校の情
報教育が継続したものになっていかない。系統的・発展的な推進になるためにも校内の推
進体制を確立し,計画的に進んでいくことが大事である。
(3)校内情報化推進リーダーの配置
「新・情報教育に関する手引」には,情報化推進リーダーの役割として次のような事項
が記されている。
① 学校の総合的な情報化計画・ビジョンの作成
② 教員研修の企画・運営
③ 学校の情報化に関わる資料の収集と教職員への紹介
④ 情報手段を活用した授業におけるティームティーチング(TT)等の計画
⑤ コンピュータ学習環境の設計とトラブルへの対応への助言
⑥ 校外との交流学習等,情報化に関わる学校外人材等との調整の窓口
情報化推進リーダーは,専門的な知識や技能よりも,学校の情報化について具体的なプ
95
ランを企画する力や,それを説明し全教職員を動かせる統率力が求められている。これか
らの学校での情報通信手段の活用は,従来のコンピュータ教室だけでの活用ではなく,あ
らゆる教室のあらゆる教育活動の中で活動するようになる。また,教員や児童生徒が必要
と感じたときにどこからでも使える環境となるだろう。さらに,学校内だけでなく,保護
者や地域の人たちとの情報交換や交流が行えるものとなる。そうした活用への的確な助言
も情報化推進リーダーには求められている。
(4)専門的な知識を持つ人のサポート
学校におけるコンピュータ等の活用をより幅広く行うためには,専門的な知識・技能を
持った情報処理技術者等のサポートを得ることが必要である。専門家が授業の補助を行っ
たり,校内研修の講師を行うこと,さらに,ネットワークやサーバの設定などを行ったり
することは学校の情報化を円滑に行うためにも必要なことである。
(5)ボランティアの協力
退職教員,保護者,大学・専門学校・専門学校等の学生,企業などのボランティアを積
極的に活用することは,学校の情報化を推進していく上できわめて重要であり,開かれた
学校づくりの促進にもなる。
現在,全国に一般向けのパソコンに関するボランティア団体があるが,これからは,学
校教育の向きのボランティア団体も増えてくるだろう。
ネット上のボランティア「そでがうらパソコンねっと」
http://www.townpagenet.com/spn/
96
第4章
学校における地域イントラネットの利用
第2節 家庭と学校の連携のあり方
1 インターネット機能を生かした連携の試み
現在では,インターネットが各家庭に普及し,自宅にいながら様々な情報を瞬時に得る
ことができる。学校でも,ホームページを立ち上げ,学校の情報を保護者や地域の方々を
はじめ,全世界に発信しているところが増えている。
しかし,インターネットが普及したとはいえ,全家庭にパソコンが設置されていないこ
とから,インターネットの機能を充分に生かした双方向の取組みが学校公教育の中で実現
できないのが現況である。
インターネットは,一般的に利用者の判断で情報を自由に取り寄せ,発信することがで
きることが大きなメリットである。今回,試みとして一つの学級を対象に全家庭にインタ
ーネットを整備し,双方向の情報の流れをつくることで,家庭と学校とで有効な連携のモ
デルの構築ができないものかと考えた。
そこで,夜久野町立精華小学校の2年生の家庭の協力を得,インターネットの機能を生
かした家庭と学校との連携を試みることにした。
2年生の学級は,児童数 16 名,家庭数 16 世帯の少人数の学級である。運用実験では,
パソコン 14 世帯,携帯電話 16 世帯の端末機環境を整えることができた。したがって,2
世帯は,携帯電話のみのインターネット環境ということになる。
現在,夜久野町では,地域イントラネットはまだ整備されておらず,電話や携帯電話に
よるダイヤルアップ接続というきわめて低速な通信回線しかない。しかし,そのような通
信環境でも,工夫をすることでインターネットの機能を生かした双方向の取組みができる
と考え,運用実験に取りかかった。
97
2 運用実験の準備
(1)全保護者意識およびコンピュータ環境調査
インターネットの機能を生かした家庭と学校の連携のあり方を実験運用するにあたっ
て,どんなメディアを使い,どんな情報が必要なのかをつかむために全保護者に対してア
ンケート調査を実施した。調査用紙を図 4-1 に示す。その結果を,図 4-2 に示す。
図 4-1 全保護者用事前アンケート
98
第4章
学校における地域イントラネットの利用
3.5
2.0
必要度
分散度
3.0
1.5
必
要
度
分
散
1.0
2.0
0.5
学
宿
題
や
習 ポイ
の ン
ト
連 ポイ
絡
ン
・
ト
お
学 願い
級
行 通信
事
児
予
教 童の 定
育
様
・
学 子
習
学 相談
校
行
事
P
T A 授業
の
学
年 広場
子 別
ど PT
も
A
の
町
広
民
場
の
教
広
育
の 場
広
場
2.5
図 4-2 全保護者を対象とした事前アンケートの結果
事前アンケート結果では,行事予定,連絡・お願いの情報の必要度が高いことから,電
子メールによる情報の交流は,学校からの連絡やお願い,行事予定などの連絡事項を知ら
せてほしいという希望があることが分かる。逆に,宿題や,日々の学習については,情報
としては必要とせず,学校で教師と児童との間で解決してほしいことであるととらえられ
る。
ホームページによる情報の公開については,学校行事や授業の様子が情報として必要度
が高いことから,学校行事や日々の授業の様子を知りたいという希望が強かった。今回は,
動画を Web 上で公開するという内容だったこともあり,保護者が直接見ることができな
い子供の生の様子を知りたいということである。
また,インターネットを利用した情報の交流を行うことから,全家庭のコンピュータ環
境も合わせて調査をした。結果を図 4-3 に示す。
99
YES
子供用のパソコンがあるか
15%
85%
NO
50%
インターネットに接続されているか
50%
69%
パソコンがあるか
0%
10%
20%
30%
31%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
図 4-3 全保護者コンピュータ環境
調査の結果,全家庭の中でパソコンがある家庭は全体の約 70%で,学年によるばらつき
は少ない。また,全家庭の半数がインターネットに接続されている。これは,パソコンが
ある家庭の約 73%にあたる。2002 年2月調べの「インターネット白書 2002」による利
用場所や接続機器を問わず1世帯に1人以上インターネットユーザーがいる世帯は,
62.4%を参考にしても決して低くない普及率といえる。さらに,子供専用のパソコンがあ
る家庭も全体の 14%あることも見逃せない。
(2)2年生保護者事前意識およびコンピュータ環境調査
運用実験を行うにあたって,2年生の家庭のコンピュータ環境を調査した。
2年生の家庭のコンピュータ所有率を図 4-4 に示す。2年生全家庭 16 世帯中 12 世帯が
所有しており,75%である。これは,全校家庭よりも高い。インターネットも日常的に利
用し,楽しまれている家庭もある。しかし,一方では,まったくコンピュータを触ったこ
とがない家庭もあり,コンピュータに対するリテラシーの開きを感じた。
25%
持っている
持っていない
75%
図 4-4 2年生家庭コンピュータ所有率
100
第4章
学校における地域イントラネットの利用
(3)2年生保護者コンピュータ環境の調整
2年生の全家庭のパソコン環境を今回運用実験に必要な環境に整えるため整備を行っ
た。
①コンピュータ機器の調達
2年生全家庭にコンピュータ機器を設置するため,不足の4台のパソコンの貸し出しが
できる企業や施設を探した。レンタルのパソコンは,費用も相当かかるため,無償で貸し
出しができるところを探した。ある企業の中には,リース期間が満期になり,リース落ち
の機器を貸してところがあったが,その機器が入手できる期日が今回の運用期間とあわな
かったため断念した。結局,夜久野町教育委員会および夜久野町立夜久野中学校にあるパ
ソコン機器が借りられることとなり,必要な機器をそろえることができた。
急速にコンピュータ機器が発達していく中で,各企業や公共施設に導入されているコン
ピュータ機器は,リース契約によるものが多く,契約期間が終了した機器は,使い途がな
いことも現実にあるようだ。今回は,短期間の実験運用だが,長期的・継続的な運用を考
えたとき,そのような機器を再利用することは価値がある。
②インターネット接続
2年生の家庭のインターネットの接続状況を図 4-5 に示す。半数近くの家庭がインター
ネットに接続されていないため,接続できる環境に整えた。
つながっている
つながっていない
44%
56%
図 4-5 インターネットの接続状況
まず,契約プロバイダーだが,短期間の運用ということもあり,「Livedoor」という無
料プロバイダーと契約をした。また,同ホームページから,メールアドレスも無料で提供
しているため必要数を取得した。
101
「Livedoor」ホームページ
http://www.livedoor.com/
③必須ソフトウェアのインストール
今回の実験運用に必要なソフトウェアを整え,どの家庭においても不都合が起こらない
ようにし,以下のソフトウェアを整備した。
ア インターネットブラウザ;Internet Explorer 6
イ メールソフト;Outlook Express 6
ウ Media 再生ソフト;Windows Media Player 7
ア、 については,どのパソコンにも入っていたが,バージョンが3や4や5とかなり
ちがったため,同バージョンにアップデートした。
ウについては,子ども達の行事等の様子をストリーミング※1で再生したものを見てほし
かったため必要であった。マイクロソフト社が無償で「Windows Media Player」という
Media 再生ソフトを提供しているため,それの最新バージョンを利用することにした。
※1 インターネットから音声や映像データをダウンロードして再生する場合,全体を受信して再生するのではなく,一部の
データだけを受信した段階で直ちに再生できる秘術
102
第4章
学校における地域イントラネットの利用
Windows Media Player 7
http://www.microsoft.com/japan/windows/windowsmedia/download/default.asp
(ダウンロード)
(4)保護者用マニュアルの作成
ホームページを見る,電子メールが送受信できるために必要な操作のマニュアルを作り,
全保護者が抵抗なくパソコン操作ができるようにした。保護者用マニュアルを図 4-6 に示
す。また,初めてパソコンを操作する保護者やパソコン操作に抵抗があったり自信がない
保護者には,パソコンを設置する際に,操作の手順を講習した。
103
図 4-6 保護者用操作マニュアル
104
第4章
学校における地域イントラネットの利用
(5)特設ホームページの作成
今回の運用実験用に特設ホームページを開設した。実験校のホームページからリンクす
るようにし,
「交流の広場」と名付けた。ホームページの内容は,①2年生 PTA 伝言板,
②子どもの広場,③学習の広場,④夜久野町美術作品展ネット展示会,⑤管理者のつぶや
きの5つのカテゴリーに分けた。
特設ホームページ「交流の広場」のトップページ
無料ホームページ livedoor にアップロードしているホームページ
http://seikaes.infoseek.livedoor.com/index.html
①2年生 PTA 伝言板
電子掲示板を利用して,保護者同士が気軽に交流ができるように伝言板を設置した。子
育てのこと,学習のこと,家族の出来事,趣味についてなど様々な話題で交流することで,
お互いに理解が深まり,教育的効果も高いと考えた。また,全保護者に行った事前アンケ
ートでは,伝言板の必要度は平均的には,さほど高くなかったが,分散は大きく,必要と
思っている保護者も目立った。
そこで,無料掲示板のサイトを探し,
「2年生 PTA 伝言板」として開設をした。携帯電
話からもアクセスでき投稿も容易にできるサイトとして,
「Finito Web」があり,そのレ
ンタル掲示板を利用することにした。
105
無料ホームページサイト「Finito Web」
http://www.finito-web.com/
また,伝言板荒らしを防ぐことや2年生の保護者同士が気兼ねなく交流できるように,
伝言板に入る前に「パスワード」を設定した。パスワードは,事前に2年生の保護者にの
み知らせ,入力の仕方を伝えておいた。
交流の広場トップページ
パスワード入力画面
2 年 生 PTA伝 言 板
伝言板に入室するまでのイメージ図
106
第4章
学校における地域イントラネットの利用
パスワード入力画面
パスワードが正しいと伝言板に入室できる
現在では,様々なセキュリティーが元々備わっている掲示板が用意されているが,それ
がない掲示板でも,上記のような簡易的なパスワードをかけることができる。
<SCRIPT LANGUAGE="JavaScript">
<!-function passw(){
if (prompt(パスワードは?","")=="****")
{
alert("どうぞ,入室して下さい!");
}
else {
alert("パスワードが違います");history.go(-1)
}
}
document.writeln(passw())
<!-- -->
</SCRIPT>
パスワードのソース
このソースの太字ゴシック体の部分を自由に変えて使う
米田幸光氏のホームページより
http://hp.vector.co.jp/authors/VA008140/howto/secret.html
107
②子どもの広場
授業参観や学習発表会など学校が保護者や地域の方々に子どもの様子を公開する場面
があるが,
仕事等の都合でどうしても学校に足を運ぶことができない場合が現実的にある。
そこで,自宅にいながらインターネットを介してそのような行事等を見ることができるよ
うに動画を配信をすることにした。
現在では,様々な方法で,動画を配信することができるが,運用実験を行う夜久野町で
は,高速回線がきておらず,ダイヤルアップ(56Kbps)がほとんどで,一部の家庭において
は,ISDN(64×2Kbps)という実態である。 そこで,そのような低速回線でも動画を見る
ことができるように,ストリーミングによる動画配信をすることにした。
<今回のストリーミング動画配信の方法>
ア デジタルビデオカメラによる素材の撮影
今回の運用期間の中で,夜久野町音楽祭と学習発表会があったため,職員に依頼をし,
撮影をしてもらった。アナログのビデオカメラでもいいが,画質の低下やパソコンでの作
業の効率から考えるとデジタルビデオカメラの方がふさわしい。
イ パソコンへの取り込み
アで用意した素材をパソコンに取り込む(キャプチャリングする)が,映像やサウンド
といったメディアや再生する機器に応じた接続インターフェイス(IEEE1394 や USB な
ど)
,およびソフトウェアが必要となる。今回は,映像を再生機器から直接 MPEG4(動画
ファイル)に変換することができる CE-VR1(SHARP)ビデオレコーダー(前節 動画
コンテンツ作成機材を参照)を使い,変換した動画ファイルをパソコンに取り込んだ。
ウ 編集
取り込んだ素材から不要な部分をカットしたり,必要な部分をつなぎ合わせたり,フェ
ードイン/アウトなどの特殊効果をつけたりする作業を行う。ストリーミング配信は,複
数のメディアファイルを順々に続けて配信することができるので,全体を1本にまとめる
必要はない。今回は,低速回線にも耐えられるように,1つのファイルが,3分∼5分(2
MB 程度)になるようにした。なお,編集には,Adobe Premier (Adobe Systems) や Media
Studio Pro(Ulead Systems)などの専用のソフトウェアが必要である。しかし,簡単な
108
第4章
学校における地域イントラネットの利用
編集であれば,安価なソフトでも十分に対応できる。
Adobe Premier 6.5(Adobe Systems)
http://www.adobe.co.jp/
MegaVi DV2(JUSTSYSTEM)
http://www.justsystem.co.jp/
109
エ エンコーディング
ウで作成したメディアファイルを,ストリーミング配信用のファイル形式に変換(エン
コード)する。現在一般的に使われているストリーミング方式としては,RealSystem,
Windows Media Technology,Quick Time があるが,それぞれに応じたツールを使って,
定められたファイル形式にエンコードしなければならない。今回は,Windows Media
Technology 方式にすることにした。
Windows Media Technology 方式によるエンコーディング
Windows Media ファイルのストリーミングデータを作成するには,マイクロソフトか
ら配布されている Windows Media Encoder を使用しエンコードを行う。Windows Media
のホームページから最新版の Windows Media Encoder を無償で入手することができる。
Windows Media Encoder をダウンロードできる
http://www.microsoft.com/japan/windows/windowsmedia/wm7/encoder.asp
Windows Media Encoder 7.1
対応 OS:Windows98,Me,2000,Windows NT 4.0,Windows Me
110
第4章
学校における地域イントラネットの利用
まず,Windows Media Encoder を立ち上げる。
「新しいセッションウィザード」を選択する。
ダイアログが表示されるので,
「オーディオまたはビデオファイルを Windows Media フ
ァイルに変換する」ラジオボタンを選択する。
111
続いて,変換対象メディアと書き出し先の指定をする。保存先のディレクトリが異なる
場合は,
「参照」をクリックして場所を決定する。
次に,配信するサーバの種類を選択する。専用の Windows Media サーバがある場合は,
上のラジオボタンを選択するが,今回は,通常の HTTP サーバからの配信を選択した。
112
第4章
学校における地域イントラネットの利用
配信するターゲットにあわせて,フレーム数などの既存のプロファイルを選択する。今
回は,ほとんどがダイヤルアップ接続という低速回線なので,
「モデム配信用」を選択する
ことでうまく配信ができた。
最後に表示情報の入力が終わったら設定終了である。
113
メインウィンドウに設定値が表示される。確認の上「開始」ボタンを押すとエンコード
が始まる。
エンコードが終了すると,
フレームレートや欠落フレームの詳細が表示される。
オ サーバへのアップロード
メディアファイル(ストリーミングコンテンツ)をあらかじめ用意していたサーバへア
ップロードする。このとき,そのサーバがストリーミング形式のファイルを扱うことがで
きるかが問題となる。ホームページを無料提供している多くのサーバでは,扱うことが難
しい。
カ テスト
外部にストリーミング配信をする前に,問題なく配信が行われるかどうかアクセスして
チェックする。可能な限り,いろいろな回線環境で試してみる必要がある。高速な回線は,
問題なくできても,
今回のような低速な回線ではうまく配信できない場合がある。
そこで,
ADSL(1.5Mbps,3.0Mbps),ISDN(64×2Kbps),ダイヤルアップ(56Kbps,38Kbps)
の5種類の回線からテストをしたが,ほぼ問題なくできた。ただ,ダイヤルアップ(38Kbps)
では配信はできるものの,やや時間がかかるため,実用感は低いと感じた。
114
第4章
学校における地域イントラネットの利用
③学習の広場
インターネット上で学習を行うこと(WBT)も近年進んでいる。今回は,保護者を対象
にホームページを作成したが,中には,子どもと一緒にこのホームページを見ることもあ
るだろうと想定して,子ども達が学習で使える Web を集め活用してもらおうと考えた。今
回紹介した学習の広場を表 4-1 に示す。
表 4-1 学習の広場の内容
・ 探検キッズ http://www.discovery.panasonic.co.jp/index.html
・ こども図書館 http://www.joho-gakushu.or.jp/kids/kid1.html
・ ころころ島 http://www.yano-el.co.jp/coro/
・ KIDS WEB JAPAN http://jin.jcic.or.jp/kidsweb/index-j.html
・ KIDS わんだーらいぶらりー http://www.maxell-kids.com/flash/index.shtml
・ 小倉百人一首 http://www.watarase.ne.jp/hyakunin/
・ Musical Zoo http://www.yamaha-mf.or.jp/zoo/
・ 身近な野草 http://www.tcp-ip.or.jp/~jswc3242/
・ こども組 http://www.kodomogumi.net/
・ チルドレンズ・ミュージアム http://www.justnet.ne.jp/kidsland/cm/index.htm
・ 小学生のための調べ学習室 http://homepage2.nifty.com/sirabegakusyuusitu/
・ ファーザーズ http://study.nifty.com/fathers/
・ もりの小学校 http://www.morinogakko.com/
・ すぽなびキッズ http://sportsnavi.yahoo.co.jp/kids/
・ ネチケットを学ぼう http://www.disney.co.jp/netiquette/
・ マンガでわかるネチケット http://www.netkun.com/manners/netiquette/
・ Ecological Web http://www.ecoweb-jp.org/index2.html
・ MUSIC PAL http://www.yamaha.co.jp/edu/
・ リバーウォッチング http://www.city.sapporo.jp/eiken/river/
・ School Online http://www.teacher.ne.jp/
・ 世界の文字で遊ぼう http://www.geocities.jp/p451640/moji/
・ 食と農を考える広場 http://www.kanto.maff.go.jp/syokunou/top.html
・ 昆虫博物館 http://www.bekkoame.ne.jp/~kj8j-krd/index.htm
・ 川で遊ぼう http://www.kawaasobi.jp/
・ 英会話コーナー http://kids.gakken.co.jp/gakushu/english/english_top.html
・ 海外口コミ情報
http://kuchikomi.travel.isize.com/index.html?s=b5d7422d0b5b9e7030dfd070bcafdeee
・ 目からうろこ情報館 http://www.zapp-net.com/info.html
115
学習の広場
④夜久野町美術作品展ネット展示会
毎年,子ども達が展示会場に行き,作品を鑑賞するのだが,本年度は,諸事情により,
鑑賞には行かないことになっていた。そこで,自宅にいながら美術展の鑑賞ができるよう
にした。また,ホームページの下部に感想が書き込めるよう,感想掲示板も用意した。
ネット展示会
⑤管理者のつぶやき
管理者の感想を載せるコーナーを作った。
116
第4章
学校における地域イントラネットの利用
3 運用実験の計画
全保護者のアンケート結果や小学校の実態から,今回の運用実験の計画を立てた。
情報ネットワーク運用実施計画
開かれた学校づくりに向けての運用
1.目
的
地域イントラネットを生かした「開かれた学校」を構築するための試
作運用(特に学校・家庭間)をし,成果や問題点を明らかにして,今後の構
築に生かす。
平成 14 年 11 月 12 日(火)∼12 月6日(金)
2.期 間
3.内 容
(1) 電子メールによる交流
ァ 学校から家庭へのメール
(ア) 連絡やお願いを伝える。
・ 毎週金曜日に担任と打ち合わせて担任名で伝える。
(イ) 行事予定を伝える。
・
行事など伝えることを教頭等に聞き,学校行事は校長名,学級行事は
担任名で伝える。
イ 学校と家庭との交流
(ア) 児童の様子(家庭別)を交流する。
・ 家庭に伝えたいことを担任と話し合って計画し,担任名で伝える。
(2) ホームページにて公開
ア 学校行事の様子(動画などにて)を伝える。
・
学習発表会,町音楽祭などの学校行事をビデオで撮り,ホームページで公
開する。
イ 授業の様子を写真などで伝える。
・
4週間の運用期間の中で各学級2場面程度デジタルカメラで撮影し,ホー
ムページで公開する。12 月の人権学習,各教科の学習など
ウ 伝言板にて
・ 「2年生 PTA の広場」を開設し,会員相互のコミュニケーションを図る。
117
4.方 法
(1) 電子メールによる交流は,原則として毎週金曜日放課後,担任と打ち合わせを
し,担当者が送信する。
メールの受信は,原則として午後5時から6時の間に毎日行う。
(2) 電子メールの送信は原則として金曜日を送信日にするが,他の曜日についても
送信する内容がある場合はするものとする。
(3) ホームページによる公開は,公開する内容を特設ホームページにアップし公開
する。そして,更新内容は,その都度メールにて知らせる。
5.対象者
(1) 電子メールによる交流や伝言板は,2年生(16 人)全家庭を対象に行う。
(2) ホームページは,全保護者,地域を対象に行う。
6.その他
(1) あらかじめ,2年生の家庭を対象に各家庭のパソコン所有,インターネット接
続状況等の調査を行い,ハード面の確立をする。
(2) パソコンがない家庭やインターネットのプロバイダーと契約していない家庭に
ついては,パソコン,携帯電話や携帯端末機等を準備し対応にあたる。
(3) 運用に関わる経費は,大学側が負担し,保護者の負担をなくす。
(4) 原則として毎週金曜日(運用期間4回)の放課後の打ち合わせの時に,次の週の計
画案を提示し,見通しを持った取組みにする。
(5) ホ ー ム ペ ー ジ で 公 開 す る 児 童 の 活 動 の 様 子 を ビ デ オ や 写 真 に 撮 る 作
業は,学校にお願いをする。
118
第4章
学校における地域イントラネットの利用
4 運用実験の結果
約4週間の運用実験が終わった後,2年生の保護者にアンケートをとった。結果を図 4-7
に示す。町作品展をネット上に公開したことが最も高いが,どの交流分野も評判が良く,
高い評価を受けた。
電子メール
ホームページ
5.0
1.5
評価
分散
4.0
1
評
3.0
価
分
散
0.5
2.0
1.0
と
こ
た
こ
様
町
子
作
を
品
動
展
画
を
で
公
伝
開
え
し
た
た
っ
作
を
板
言
伝
の
A
子
供
の
T
P
と
と
こ
と
こ
た
え
伝
に
別
個
を
子
様
の
校
学
連
絡
事
項
や
お
願
予
い
定
を
を
伝
伝
え
え
た
た
こ
こ
と
と
0
図 4-7 運用実験後のアンケート結果
(1)電子メールによる交流
電子メールを使い,各保護者に学校の情報を伝えた。全家庭に同じ内容の情報を伝える
「全員にお知らせ」と,家庭毎に違う情報を伝える「個別にお知らせ」とに分けた。
ア 全員にお知らせ
学校や学級行事の予定や学校からのお願い,また,本日学校から持って帰っているプリ
ント類の案内,そして,今日のトピックスとして学校での出来事を知らせた。
119
学校からのメールの例
<今週の予定>
12日(火) 校内補習(木曜日のチャレンジ算数を今日しました)
13日(水) 体重測定
16日(土) 学習発表会
<今日の配布物>
・
「交流の広場」開設のご案内
学校からのメール:予定と配布物のお知らせ
<今日の配布物>
・PTA スポーツ大会のご案内
・健康記録…これは,後日学校に持ってきてください。
<連絡事項>
・持ち帰った「健康記録」には,先日行ったウォーキングレースの
順位とタイムが載っています。
・明日の学習発表会は,給食がありません。弁当と水筒が必要です。
学校からのメール:配布物と連絡事項のお知らせ
メールでの交流が進むに連れて,学校への連絡をメールでされる家庭があり,便利な交
流ツールとして活用が進み始めた。
家庭からのメールの例
○○ですが,今朝起きたときに左の耳のした辺りが 痛いと訴えがあ
りました。開口時痛があり,耳下腺の腫脹ははっきりしませんが,限
りなく耳下腺炎に近いと診断し, 本日は登校中止としました。今日
から二週間後,おたふくかぜが流行る可能性があります。注意してみ
てください。
保護者からのメール(医師)
120
第4章
学校における地域イントラネットの利用
いつもお世話になっております。利用させてもらってもよいのかと思
いながら送らせて頂きました。歯科検診の件なんですが,検診の数日
前に他の歯医者で二人とも見てもらい,
「虫歯と診断されるかもです
がそのまま様子みましょう」との事でした。いつも学校で見て頂く頃
と重なり,診断書を提出しないままになっており今回は連絡しなけれ
ば・・とメールを使わせて頂きました。
保護者からのメール
<保護者の感想>
・ 具体的で学校の様子がよく分かったように思いました。
・ 子どもの話だけでは,低学年のうちは伝わらないことが多いので助かりました。
・ 携帯電話に送っていただいて,分かりやすかったです。
・ 夜遅く帰ってきても確認できて良かったです。
・ 学校でどのようなことが行われているのか事前に分かると,子どもと話ができるか
ら良かったです。
・ 一週間の流れが確実に,早い目に分かり,親の予定も立てやすかったです。
・ 配布物の連絡は,子どもが忘れている時もあるし,親もうっかりしていることがあ
るので助かりました。
・ 配布物の連絡は,ありがたいです。
・ 子どもが忘れているということが分かりました。
・ 配布物の連絡は,子どもが忘れていても,こちらから確認することができ,非常に
助かりました。
家庭から学校への連絡方法はいくつもあるが,例えば,一般的によく利用する電話の場
合,連絡を取りたい時に必ず保護者と取れるとは限らず,必ずしも,保護者の都合に合わ
せて学校側が対応できるとは限らない。むしろ,行き違いの方が多いと言える。ところが,
電子メールは,非同期のツールであるから,自分の都合で連絡を取ることができるという
利点がある。それは,学校からの保護者に対する連絡も同様で,たとえ,真夜中でも連絡
内容が送れるという利点がある。電子メールは使い方によっては,大変便利で教育効果を
上げる大きな手段であると感じた。
121
イ 個別にお知らせ
電子メールを使い,それぞれの保護者宛に各自の子どもの様子を伝えた。4週間の運用
期間に最低一回は知らせるようにし,写真なども添えて子どもの良さや変化を中心に知ら
せた。
個別メールの例1
○○さんは,今日のウォーキングレースで見事3位になりました。女
子の中では1位です。
学校からの個別メール
嬉しかったようで頬をあからめて話してくれました。 ○○の母
学校へのメール:個別メールに対する返信
個別メールの例2
○○君は,牛乳をコップに移しかえて飲むようになってから,給食を
食べるのが5分∼10 分くらい早くなりました。授業のノートの字が
少しずつ上手になってきています。また見てあげてください。写真は,
給食の様子です。
学校からの個別メール
ありがとうございます。
本人も早く食べることが出来たってうれしそうに話してくれました。
字はきれいに(上手に)書くのではなくて,丁寧に書くようにと言っ
ています。上手下手というのは,とても主観的ではないかと思います。
見る人によってはきれいとかきたないとかがありますが,そうじゃな
くて一生懸命とか丁寧にとかが大事ではないかと思います。この個別
メールとても楽しみにしています。
○○の父より
学校へのメール:個別メールに対する返信
122
第4章
学校における地域イントラネットの利用
<保護者の感想>
・ 本人がいわないことでもよく分かり,親子の会話も広がった。
・ 自分の子どものがんばったことが直に伝わりよかった。
・ 様子がよく分かり,うれしかったで。
・ 恥ずかしがって,なかなか本人がいってくれなかったので良かったです。
・ 様子を見たり,聞いたりできるのはありがたいです。
・ 時間帯とか学校に出向くことなく,自分の時間で子どもの様子を知ることができて
良かった。
個別メールは,どの保護者も楽しみにしていた。具体的な学校での子どもの様子や変化
を常に知りたいという願いがあるのだろう。小さな出来事でも子どもの様子を伝えること
が子どもの全体像をとらえることにつながり,保護者と共に子どもを育てることになると
考える。
電子メールは,いつでも内容が確認できるという利点があるが,文章で伝えなければな
らないため,伝える内容を常に正確に表現しないといけない。相手の表情や言動を読みと
り,正確に伝わるように瞬時に言葉を変えることができないのである。そのため,伝えた
い内容と受け取った内容とが微妙にずれてしまうこともある。これは,電子メールの弱点
であろう。
123
(2)ホームページによる交流
家庭と学校の交流を図るため,ホームページ「交流の広場」を特設した。内容は,学校
行事を動画で知らせたり,町美術展をネット上で公開するなど「児童の様子を伝える」こ
とと,2年生の PTA 会員(教師,保護者は全員加入)の意見交流の場として電子掲示板
を使った「2年生 PTA 伝言板」である。
ア 児童の様子を伝える
家にいながら子どもの様子が見られるようにホームページの中に「ようこそ!子どもの
部屋へ」というコーナーを作った。そのページを図 4-8 に示す。
図 4-8 子どもの様子を知らせるページ「ようこそ!子どもの部屋へ」
124
第4章
学校における地域イントラネットの利用
このサイトの中には,夜久野町学校音楽祭における子どもたちの発表および,精華小学
校学習発表会の様子・風景をビデオに録画し,それをパソコンに取り込み,ストリーミン
グ配信用にエンコードして,ビデオ配信した。ダイアルアップ回線という通信環境であっ
たが,ストリーミングの各種設定により,動画としてみることが可能となった。保護者が
自分の子どもの様子を見たい時に見ることができる便利さを感じてほしいと願った。
<保護者の感想>
・ 家では見られない子どもの表情が見られたから良かった。
・ 様子が分かり,見に行けなかった方には良かったと思います。
・ 忙しい中出向くことなく見ることができ助かりました。
・ 見にくかったし,聞き取りにくかった。動画は見ることそのものが面倒でした。
・ 美術展は,期間や時間が決まっていたが,その間に行きたくてもいけないことがあ
るから良かった。
・ 美術展へは,結局見に行けなかったので,他の学校の作品もじっくり見られて良か
ったです。
・ 美術展は,やはり実際に見た方がいいですね。
・ 美術展へは,行けなかったのですが,ホームページを見て子どもと行こうかなと思
いました。
近い将来,どの地域も高速通信網が整備されることは間違いないため,その通信網を教
育に利用し,教育効果を高める取組みが必ず実現される。現在,当地域にはまだ,高速通
信網が整備されていないが,それでも,やり方を工夫することで,多くのことができた。
使用するソフトウェアもフリーソフトを使うことで対応が可能だ。
今回は,ストリーミングビデオという非同期のメディアを使ったが,これからの開かれ
た学校づくりには,同期メディアも利用が可能となってくる。例えば,必要に応じてリア
ルタイムで授業の様子を見ることができたり,学校全体の様子が自由に見ることができる
など保護者や地域の方々と共に子ども達を教育する上での情報提供をすることができるで
あろう。
125
イ 2年生 PTA 伝言板の開設
2年生の PTA 会員の意見交流の場として電子掲示板を使った「2年生 PTA 伝言板」を
開設した。開設したページを図 4-9 に示す。また,4週間の伝言板への入室者数を図 4-10
に示す。
図 4-9 2年生 PTA 伝言板
のべ入室者
一日の入室者
800
50
700
40
600
の
べ 500
入 400
室 300
者
30
20
200
10
100
0
11
/
1
11 3(火
/
)
1
11 4(水
/
)
1
11 5(木
/
)
1
11 6(金
/
)
1
11 7(土
/
)
1
11 8(日
/
)
1
11 9(月
/
)
2
11 0(火
/
)
2
11 1(水
/
22 )
11
(木
/
)
2
11 3(金
/
)
2
11 4(土
/
)
2
11 5(日
/
)
2
11 6(月
/
)
2
11 7(火
/
)
2
11 8(水
/
)
2
11 9(木
/
30 )
12 (金
)
/
1
12 (土
)
/
2
12 (日
)
/
3
12 (月
)
/
4
12 (火
)
/
5
12 (水
)
/
6(
木
)
0
図 4-10 2年生 PTA 伝言板入室者数
126
一
日
の
入
室
者
第4章
学校における地域イントラネットの利用
実施期間4週間ののべ入室者数は,748 人にのぼった。一日平均約 31 人がこの伝言板に
参加したことになる。これは,16 世帯の家庭数の約2倍に当たることから,どの家庭も最
低一日2回はこの伝言板を見たり,投稿したりきたことになる。関心の高さが伺える。保
護者は後述する感想にも触れられていたが,保護者同士の気軽な交流の場を求めているよ
うだ。いつでもみんなの交流内容が確認でき,自分もそれにいつでも参加できるこのよう
な伝言板は,保護者のニーズにあったものであり,運用価値が高い。
次に,伝言板の投稿内容に触れたい。投稿内容を図 4-11 に示す。
16
14
14
12
10
人
数
8
6
5
4
4
4
3
3
3
4
3
2
2
2
他
そ
の
情
報
保
保
護
者
へ
の
感
想
け
も
の
ど
子
呼
び
か
報
告
へ
の
護
者
自
分
の
感
想
子
分
の
自
家
で
の
様
し
て
子
生
に
対
の
様
先
学
習
生
活
も
の
ど
校
で
の
学
子
子
ど
も
の
学
習
0
投稿内容
図 4-11 2年生 PTA 伝言板投稿内容
2年生保護者による伝言板の投稿内容は,子どもに対する話題が多く,その関心の高さ
を物語っている。特に学習に関する内容の交流が際だっていた。さらに,その中身を探る
と,家庭学習の様子を相談する内容,家庭学習に対する意見,その家庭独特の学習方法の
交流があった。今回の運用期間中に,算数では九九の学習があったため,各家庭で工夫さ
れた覚え方の様子を積極的に交流されていた。
また,各保護者に対してイベント情報や病気の予防など有用な情報を提供され,保護者
同士の情報交換の場になっていた。さらに,共通の話題である子育てについての交流もな
され,楽しい交流が行われていた。
127
さらに,曜日別,時刻別に集計し考察した。曜日別投稿数を図 4-12 に,時刻別投稿数を
図 4-13 に示す。
13
14
12
11
10
9
人 8
数 6
9
6
5
5
水
木
4
2
0
月
火
金
土
日
図 4-12 2年生 PTA 伝言板曜日別投稿数
伝言板の投稿者は週末に多く,金・土・日で,全体投稿の約6割となっている。土・日
が休日である保護者が増え,
コンピュータにゆっくりと向かう時間があるのだと思われる。
今回4週間の運用期間中に投稿がなかった日はなく,いつでも誰かが投稿し,交流を求め
ていることが伺える。
15
16
14
14
12
10
人数 8
6
4
2
9
8
2
2
2
3
3
7:0
0∼
9:0
0
9:0
0∼
11
:00
11
:00
∼
13
:00
13
:00
∼
15
:00
15
:00
∼
17
:00
17
:00
∼
19
:00
19
:00
∼
21
:00
21
:00
∼
23
:00
23
:00
∼
1:0
0
0
図 4-13 2年生 PTA 時刻別投稿数
128
第4章
学校における地域イントラネットの利用
投稿の時間帯は,午後7時以降が全体の7割を占めていることから,自宅に戻ってから
の投稿がほとんどであると思われる。特に,午後9時以降の投稿が多いのは,子ども達が
就寝し家事も終え,一段落ついたところで伝言板を覗くからである。さらに,0時以降の
深夜での投稿も少なくない。
朝の投稿も多く見られるが,これは職場にパソコンがあり,常時メールのチェックやホ
ームページが閲覧できるができる環境にある現在のところごくまれな例である。昼の時間
帯での投稿は,土・日曜日等の休日に限られている。
インターネット掲示板は,自分の都合に合わせた使い方ができるとともに,インターネ
ットに接続しているパソコンがあるところなら,どこからでも投稿できるという利点があ
る。今回は,さらに携帯電話からの閲覧・投稿が可能なため,職場の休み時間にでも,ま
た,外出先からでも電波が届くところならどこからでも投稿ができることが,気軽さを印
象づけたのであろう。
<保護者の感想>
・ 普段なかなか出会えない保護者同士での話や悩みの相談ができて良かった。
・ 特定の人だけが利用していたように思いました。
・ 他の家庭の様子がよく分かって,皆さんがいろいろ関わっておられる様子がうかが
えて良かったです。
・ 普段会えないし,聞きたいことなどがその場でいろいろな内容で返ってくるのが嬉
しいです。
・ お互いの意見交換ができたことが良かったが,参加する人が定まっていたことが残
念だった。
5 まとめ
4週間の運用期間であったが,多くの方々に協力してもらう中で予定通り実施できた。
電子メールによる交流では,携帯電話でのやりとりが大変好評であった。毎日のメール
がとても楽しみであり,使い勝手もよかったようだ。パソコンは,電源を入れ立ち上げ,
インターネットに接続して初めて電子メールが使える。保護者の中には,その一連の作業
が負担になっている場合が見受けられた。今後,常時接続のインターネット環境に変わる
と,ある程度その問題は解決されるが,作業が簡単で,短時間でできることが運用上の重
129
要なポイントである。
内容的には,単なる連絡事項の情報も保護者にとっては必要なものであったが,子ども
の変化や良さを知らせるものの方が,さらに知りたい情報であった。また,その情報を交
流することが子どもの理解や保護者理解につながると感じた。
毎日の担任の作業は,最初に各保護者のメールアドレスを登録しておくと,同一内容の
電子メールは一斉送信できるため,短時間ですむ。その労力は,とらえた子どもの実態を
保護者に伝えることをもとにして各保護者と交流をし,そこから得る各家庭の情報や信頼
感と比較すると余りが出るくらい報われるだろう。
ホームページによる交流は,動画で子どもの様子を伝えたことが目新しいこともあり,
大好評であった。学校での様子を知りたいという保護者の願いの表れである。今回は,行
事を動画で公開したが,ホームページは,常に最新の情報を載せることが重要なポイント
であるため,日常的な授業や特別活動の様子など定期的に更新をしていく必要がある。ま
た,2年生 PTA 伝言板は,交流の中でも特に楽しみにしていたものであり,有意義な交
流活動が見られた。伝言板は,非同期メディアであり,その特徴を生かした交流が行われ
た。
今回は,2年生保護者のみを対象とした伝言板であったが,今後は,各学年や全保護者
を対象としたものに発展できるものである。地域の方や全国の方,世界の方とも交流がで
きるような場の設定も考えられ,インターネットの機能を生かしたグローバルな視野での
取組みも期待できるであろう。
130
第5章 まとめと課題
本研究では,情報通信ネットワークを用いて地域連携を進めるための地域イントラネッ
トを構築するための具体案を提案し,さらに「開かれた学校づくり」を進める方策につい
て運用実験をして考察を進めてきた。
地域イントラネットの構築の提案は,IT 化された地域の未来像を「e-Japan 重点計画」
や「全国ブロードバンド構想」から解釈し,地域イントラネットの構築に当てはめたもの
である。今後,地域イントラネットを導入していく自治体にとって,この取組みは一つの
実践事例として参考となるだろう。
また,学校における地域イントラネットの利用では,これからの利用法を推測し,児童
生徒を中心とした学校・家庭・地域における教育利用を念頭に具体案が提案できたことは
各学校においても参考にしてほしい。さらに,インターネットの機能を生かした家庭と学
校との新しい連携のあり方の運用実験は,インターネット環境が整備された家庭の中にお
いて連携の仕方の可能性を広げることができ,その利便性・実用性が証明できた。
学校が,保護者や地域住民等の信頼に応え,家庭や地域と連携協力して一体となって子
どもたちの健やかな成長を図っていくためには,学校を地域に開かれたものにしていく必
要がある。また,さらに保護者の信頼を深めるためには,子どもたちの様子を正確に捉え,
保護者と常に連携をとることが必要不可欠となる。インターネット機能を生かした連携の
取り方を研究した本研究は,今後,各家庭にコンピュータなどの端末機が入ったときに,
その方法の一端がトレースできるものと信じる。
インターネットをはじめとする情報通信ネットワークは,ますます拡大し,便利になる
一方で,いわゆる「情報化の影の部分」に関する問題も指摘されている。情報セキュリテ
ィーの問題,犯罪,暴力,性,人権侵害など違法あるいは不適切な情報もあり,これらか
ら子どもたちをどのように守るかが課題である。また,
「ネット中毒」などと称される情報
に埋没してしまう人や現実体験と疑似体験との区別が付かない人が現れる危険性も指摘さ
れている。
このような情報化の影の部分を克服するための取組みが必要であり,次代を担う子ども
たちが,社会で情報が果たす役割や影響を十分に理解し,便利で安全な情報社会の創造の
ために今後も努力していきたい。
最後に,今回の実践が成功裡に実現できた背景として,情報ネットワークの整備の前に,
保護者や地域,子ども達と実践者とのヒューマンネットワークの構築が前提であったこと
は言うまでもないことである。
131
参考文献・ホームページ
青木 修,こもりまさあき,まえだひさこ:ストリーミングをやってみよう!,BNN 新社,
全 251 頁,2001
紙田 昇:CGI ソフトウェアコレクション 800,技術評論社,pp.200-323,2001
高川 敏雄:IT 用語に強くなる本,PHP 研究所,全 273 頁,2001
越本 靖男:平成 13 年度京都府現職教職員長期研修研修報告書,全 107 頁,2001
文部科学省ホームページ,http://www.mext.go.jp/
総務省ホームページ,http://www.soumu.go.jp/
首相官邸ホームページ,http://www.kantei.go.jp
132
注釈語一覧
・デジタル・ディバイド…IT に対応できる技術を持った人と、持っていない人との「格
差」のこと
・DSL…メタル線に DSL モデムなどの専用装置を設置することにより高速データ伝送を可
能とする技術
・FWA…メットワーク端末を 30∼40GHz のミリ波の無線で接続するもの
・IPv6 …Internet Protocol version 6 のことでこのバージョンでは 43 億の4乗の IP
アドレスが認識できる
・ITS …IT を利用して、交通混雑の解消、事故の自動通報や予防、地域交通の合理化な
どを行うシステム
・GIS…デジタル化された地理情報と各種データ、画像データを電子的に組み合わせて高
度利用するシステム
・ラストワンマイル…幹線の光ファイバ網から個別の家庭の最後の1マイルをつなぐた
めには膨大な費用がかかるため,構築には大きな壁となる
・デジタルアーカイブ…有形・無形の歴史・文化資産をデジタル情報の形で保存,蓄積
し,その情報を次世代に継承を図るとともに,閲覧,鑑賞,研究
のためにインターネットなど情報ネットワークを通 して情報発
信するもの
・VOD …TV などの映像データを見たいときに見ること
・C/S 方式…クライアント・サーバ方式の略
・CGI…Common Gateway Interface の略で,ホームページ上での何かしらの自動処理を
実現するための仕組みのことである。これを用いることにより,カウンター,チ
ャット,掲示板,アンケートフォームなどを作ることができる。
・ストリーミング…インターネットから音声や映像データをダウンロードして再生する
場合,全体を受信して再生するのではなく,一部のデータだけを受信
した段階で直ちに再生できる秘術
指導教官から
貴君には、教育実践総合センターや勤務校で、半年間、メディア教育・情報
教育の分野から、地域・学校イントラネットワークの構築・活用について実践
的な研究をしていただいた。
当初は、授業実践校の協力が十分に得られるかどうか心配であったが、勤務
校や地域・保護者との人的ネットワークを足場に、研修期間の前半に早や、地
域と連携した授業実践を成功に導いたバイタリティーと熱意には敬服している。
「心の教育」
・
「生きる力」の育成への必死の掛け声から,一転して、基礎的・
基本的学力の充実を謳う,朝令暮改とも感じる教育改革の渦の中で,貴君には、
京都府の教育を担う教育専門職者としての自分を見失うことなく、全ての教育
活動に、日々精進されるよう願っている。
センターで過ごした半年間の貴重な経験や獲得した知識を生かして、ひたす
らメディア教育・情報教育の永久的・根本的な教育的価値を追い求めていって
欲しい。貴君の研究に照らしていえば、すべての国民のために平等かつ円滑な
地域教育サービスを実現する、新しいメディア教育機器を駆使した地域・学校
イントラネットワークの活用した「学校を開く」手法を,京都府下,ひいては
国家の新しい教育の発展と教育サービスの充実のために役立てていただきたい。
貴君のさらなる活躍を期待するものである。
平成 15 年3月 31 日
京都教育大学教育学部附属教育実践総合センター
講 師
佐 々 木 真 理
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