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2次スクリーニングで終了とする案件【PDF:1.1MB】
資料5-5 2次スクリーニングで終了とする案件 番号 N2013-05-01 件名 概要 主な問題点 原子力規制庁の見解(案) インディアンポイント2号機の静 米国では、設計基準対策として、MKⅠ及びⅡBWRに対す 国内プラントで PAR を設置す 新規制基準において、重大事故時に水素爆 的触媒式水素再結合装置 る格内雰囲気の不活性化、MKⅢBWR及びアイスコンデンサ る場合、PARが着火源となる 発による原子炉格納容器の破損を防止するた (PAR)の撤去の請願について PWRに対するイグナイタの設置が求められている。 ことも考慮して評価する必要 めの設備が求められている。 大型ドライ格納容器PWRについては、事故時にも大量の水 がある。 その際、当該設備により格納容器内の水素濃 素を収容可能のため設備対策は要求されていないが、米国で 度を、ドライ条件に換算して 13vol%以下、又 は Indian Point2 号機(IP2)にのみ静的触媒式水素再結合 は酸素濃度が 5vol%以下にすることによって水 装置(PAR)が設置されている。 素爆轟の防止を求めている。 IP2にはシビアアクシデント管理ガイドライン(SAMG)が整備さ 本件については、前項の条件を満足する場 れ、低濃度状態における意図的な水素燃焼や、格内を蒸気 合、PAR 等を着火源とする水素爆轟に至るこ で不活性に保つこと等が決められている。 とはないため、当該設備を起因とする水素爆 天然資源保護協議会(NRDC)は、IP2のPARは、設計基準 轟に係るリスクを評価する必要はない。 を超える事故では、処理能力を超えて着火源となり、水素爆 PAR の有効性については、新規制基準に対す 轟をもたらす可能性があるため撤去することを請願した。 る適合性審査で確認を行っている。 NRC は、以下の理由により NRDC の請願を却下した。 格内には、低い燃焼限界で水素燃焼を開始させるような 複数の着火源が存在する。これらの着火源と比較して、 PAR はパッシブな動作で水素を継続的に除去できる。 高水素濃度では、PAR は信頼性のあるイグナイタとして 作動し、“穏やかな”爆燃をもたらす。 従って、PARの存在は、撤去に値するようなリスクになる ことに合意しない。 1 2次スクリーニングで終了とする案件 番号 N2013-05-03 件名 概要 主な問題点 原子力規制庁の見解(案) 安全関連系統の機能に影響 ①サスケハナ(BWR)は原子炉建屋内換気空調系(HVAC)入 国内プラントで事例①と同様 国内のBWRプラントにおいて、給排気温度差 を及ぼす換気空調系の設計 口と室温の差により蒸気漏えい検知機が作動する設計である のシステムがあれば、単一脆 高により、主蒸気隔離弁(MSIV)等安全系統 管理上の問題 が、外気温低下時に温度制御装置が故障すると、蒸気漏洩 弱性による複数システムの隔 の隔離信号が発生するロジック回路をもつプラ (IN2012-12) 検出器が誤作動して主蒸気隔離弁等の複数の系が同時に 離が発生する懸念がある。 ントが存在することが判明した。(16 プラント) 隔離される可能性が示された。 事例②③と同様、欠陥や不 上記の 16 プラントにおいて、万一、給排気温 ②ディアブロキャニオン(PWR)の補助建屋換気系(ABVS)にお 適切な設計上の想定が存在 度差高による隔離信号が生じても、原子炉に いて、交換したプログラム可能なロジックコントローラ(PLC)の作 する場合、システムの動作不 注水する系統が複数同時に隔離される事態に 動ロジックに欠陥があり、ABVS が動作不能となった。 良を引き起こす懸念がある。 はならない。 ③ポイントビーチ(PWR)の制御室非常用ろ過系(CREFS)にお 外気温低下時に換気空系温度制御装置が けるモータの熱負荷設計に関する外気温度の想定が不適切で 故障した場合の影響は、プラントの立地条件に あったため、外気が低温になった時に CREFS ファンが運転不能 よって異なる。しかしその影響の大小に関わら となった。 ず、各事業者では換気系温度制御装置が故 障した場合の対応が検討されている。なお温 度制御装置が故障した場合は、警報により検 出される。 以上のことから、事例①と同様のシステムが存 在するプラントはあるものの、必要な安全対策 は既に講じられており、規制対応は不要と考え られる。 3 2次スクリーニングで終了とする案件 番号 H2013-05-04 件名 概要 主な問題点 原子力規制庁の見解(案) サーベイランス試験前の圧力ス Monticello(BWR)において、主蒸気管圧力低トリップの圧力ス 不適切な方法によりサーベイラ 国内の BWR(原子炉停止系作動回路、工学 イッチの事前調整 イッチに関する校正のサーベイランス試験を実施する前に、試験 ンス試験を行った場合、機械 的安全施設作動要求信号)、PWR(原子炉ト (IN2012-16) 装置を取付けるため当外部を一時開放していた。これにより、 的圧力スイッチの動作信頼性 リップ信号、工学的安全施設作動信号)にお 機械的スイッチを作動させるダイアフラムに正の最大作動圧力 が確認できない可能性があ ける機械的圧力スイッチの使用状況を調査し が働くため、圧力スイッッチの作動不良の原因となる粘着または る。そして、万一、圧力スイッチ たところ、47プラントで該当があった。 固着の発見を困難にしていた。なお、他プラントで隔離弁を設 が正常に作動しない場合、当 前記の機械的圧力スイッチのトラブルについて、 けることにより、上記のような不適切な事前調整を回避している 該インタロック(例えば主蒸気 NUCIA で調査したところ、不具合事例は報告 例を知りながら改善していなかった。 管圧力低トリップ)の動作を阻 されていない。 Waterford3 号機(CE-PWR)、格納容器真空逃がし系で 5 件 害する。 前記の機械的圧力スイッチに関するサーベイラ の差圧スイッチ故障。原因は固着により作動しなかった。 ンス試験は、原子炉停止中に実施されてい T-Spec 変更評価の際に運転条件全般を評価せず、更に試 る。原子炉運転中のサーベイランス試験は実 験前の事前調整より、それ以前の機能試験中に発生した可 施されていないが、原子炉停止時の降圧時に 能性のある固着の発見を困難にした。 作動が確認されたものは、原子炉運転中に固 着が生じていなかったことが確認されている。 前項に記載した確認を今後も継続する。そし て、原子炉運転中における機械的圧力スイッ チの固着に関する動向に応じて、その後の対応 を検討する。 4