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再生可能エネルギー消費者選好調査 結果要旨

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再生可能エネルギー消費者選好調査 結果要旨
2012年 4月25日
(経済産業省 平成23年度 次世代エネルギー・社会システム実証事業)
再生可能エネルギー消費者選好調査
結果要旨
京都大学 依田 高典
政策研究大学院大学 田中 誠 東京都市大学 村上 佳世
UCバークレー校 Lee Friedman
【連絡先】
〒606-8501京都市左京区吉田本町 京都大学大学院経済学研究科 依田高典研究室 [email protected]
1
アンケート調査
•  日米共同調査
経済産業省平成23年度 次世代エネルギー・社会システム実証事業として、
京都大学・カリフォルニア大学バークレー校が次世代自動車・再生可能エネ
ルギーに関して日米の消費者選好を調査し、コンジョイント分析を実施。
•  日本の調査
2012年2月1∼7日、WEB調査により、地域別人口分布を割り付け、4,000
世帯をランダムに抽出抽出。
•  米国の調査
2012年2月1∼7日、WEB調査により、カリフォルニア州(CAL1022世
帯)・テキサス州(TEX1089世帯)・ミシガン州(MI1070世帯)・ニューヨー
ク州(NY1021世帯)の4つの州から、合計4,202世帯をランダムに抽出抽出。
2
回答者属性
3
世帯属性
4
電気代支払
•  月電気料金の最頻値は日米とも7,500〜10,000円だが米国の方が双方の裾野が厚い。
•  電気を最も使用する時間は日本の方が夜間に偏っている。
5
電気サービス満足度
•  震災と電力危機の影響で日本の電力サービスに対する満足度は低い。
•  電気料金に対して日米とも70%を超える回答者が高いと回答している。
6
エネルギー一般消費者意識
•  米国を上回る70%以上の日本の回答者が時間帯別料金の導入に賛成である。
•  日米とも60%以上の回答者が地球温暖化対策に前向きであるが米国の方が双方の裾野が
厚い。
•  70%近い日本の回答者が原発危機で何らかの形で認識が変わった。
7
原子力発電
•  日本の過半の回答者が原発を廃止すべきだと考えているが米国では過半の回答者が増設
すべきと考えている。
•  日本の半分近い回答者が原発を再稼働すべきと考えているが慎重意見も多い。
•  原発は止めても値段は上げるなというのが日本の消費者の生の声。
8
再生可能エネルギー
•  再生可能エネルギーの発電比率は50%位が望ましいという意見が多いが双方の散らばりが
大きい。
•  太陽光パネルの普及促進には賛成意見が多い。
9
•  メガソーラー、風力、地熱発電の拡大にも賛成意見が多い。
•  風力は米国の、地熱は日本の支持が大きい。
10
再生可能エネルギー・コンジョイント分析
【日米比較】
11
12
再生可能エネルギー・コンジョイント設問例
13
再生可能エネルギー・コンジョイント分析属性値
14
日米推定結果
Japanese respondents
<fixed parameter>
Monthly bill (US$)
<random parameter>
US respondents (all)
Coeff.
Std.Err.
WTP(US$)
<fixed parameter>
Monthly bill (US$)
<mean of random parameter>
-0.0604 0.0009 ***
Coeff.
Std.Err.
WTP($)
-0.0494 0.0009 ***
Air emission (% decrease)
0.0141 0.0006 ***
0.23 Air emission (% decrease)
0.0150 0.0005 ***
0.30 Nuclear (%)
-0.0387 0.0013 ***
-0.64 Nuclear (%)
-0.0050 0.0009 ***
-0.10 Renewable (%)
0.0230 0.0009 ***
0.38 Renewable (%)
0.0348 0.0010 ***
0.70 <s.d. of random parameter>
<s.d. of random parameter>
Air emission (% decrease)
0.0003 0.0023 Air emission (% decrease)
0.0011 0.0012 Nuclear (%)
0.0506 0.0015 ***
Nuclear (%)
0.0424 0.0012 ***
Renewable (%)
0.0019 0.0025 Renewable (%)
0.0331 0.0015 ***
Number of obs.
24533
Number of obs.
33616
McFadden Pseudo R-squared
0.249
McFadden Pseudo R-squared
0.163012
Log likelihood function
-12770.69
Log likelihood function
-19502.52
•  日米に分けてランダム・パラメーター・ロジット(RPL)モデルで推定した。
•  基本属性の平均値推定値はすべて期待された符号で1%水準で統計的に有意である。
•  原子力発電の標準偏差推定値が統計的有意であり、日米共に個人間の選好の散らばりが
非常に大きい。
15
日米電気料金の選択確率弾力性
Choice$probabiity$elas<ci<es$with$monthly$electricity$$bill
4$$
2.91$
3$$
2.26$
2$$
1$$
0$$
US$$
Japan$
•  月電気料金の1%の変化に対する選択確率の変化は米国で約2%、日本で約3%であり、日
本の方が電気料金への反応が大きい。
16
日米属性値のWTP
WTP$for$power$source$mix
US$$
Japan$
1.0$$
0.8$$
0.6$$
US$$($1=¥80)
0.4$$
0.2$$
0.0$$
=0.2$$
=0.4$$
=0.6$$
=0.8$$
=1.0$$
• 
• 
• 
• 
Air$emission$$
(%$decrease)$
Fossil$fuels$$
(%$increase)$
Nuclear$$
(%$increase)$
Renewable$$
(%$increase)$
US$$
0.30$
=0.30$
=0.10$
0.70$
Japan$
0.23$
0.13$
=0.64$
0.38$
温暖化ガス10%削減に対して日米の回答者は月2〜3ドル支払う意思。
化石燃料のシェア増加に日本の回答者はプラス、米国の回答者はマイナスの評価。
原子力シェアを10%減らすことに日本の回答者は月6ドル支払う意思。
再生可能エネルギーを10%増やすことに米国の回答者は月7ドル支払う意思。
17
シナリオ分析
Base
Scenario 1
Scenario 2
Scenario 3
Price increase ($30)
Price increase ($20)
Price increase ($10)
+ Emission decrease (40%)
+ Emission decrease (20%)
+ Emission decrease (20%)
+ No Nuclear (0%)
+ No Nuclear (0%)
+ Half renewal (50%)
80
90
100
20
20
40
Monthly bill (US$)
Air emission (% decrease)
70
0
Nuclear (%)
30
30
0
0
Renewable (%)
10
10
10
50
•  シナリオ1(価格増加+温暖化ガス削減)
•  シナリオ2(価格増加+温暖化ガス削減+原発廃止)
•  シナリオ3(価格増加+温暖化ガス削減+原発廃止+再生エネルギー増加)
18
シナリオ分析結果
Choice Probability Simulation
Scenario 1
Scenario 2
Scenario 3
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
US
Japan
Scenario 1
45.2%
42.0%
Scenario 2
36.9%
55.9%
Scenario 3
66.0%
69.7%
•  シナリオ1(価格増加+温暖化ガス削減)、シナリオ3(価格増加+温暖化ガス削減+原発廃
止+再生エネルギー増加)において、日米間で選択確率に大きな相違はない。
•  シナリオ2(価格増加+温暖化ガス削減+原発廃止) において、日米間で選択確率に大きな
相違がある。日本の反原発の世論が背景にある。
19
再生可能エネルギー・コンジョイント分析
【米国内比較】
20
4州推定結果
California
Texas
Coeff. Std.Err. WTP($)
<fixed parameter>
Monthly bill (US$)
-0.0471 0.0018 ***
Michigan
Coeff. Std.Err. WTP($)
-0.0498 0.0017 ***
New York
Coeff. Std.Err. WTP($)
-0.0569 0.0018 ***
Coeff. Std.Err. WTP($)
-0.0446 0.0017 ***
<mean of random parameter
>
Air emission (% decrease)
0.0149 0.0010 *** 0.32 0.0153 0.0009 *** 0.31 0.0152 0.0009 *** 0.27 0.0152 0.0009 *** 0.34 Nuclear (%)
-0.0053 0.0019 *** -0.11 -0.0047 0.0019 ** -0.09 -0.0013 0.0018 -0.02 -0.0086 0.0020 *** -0.19 Renewable (%)
0.0341 0.0020 *** 0.72 0.0344 0.0020 *** 0.69 0.0390 0.0021 *** 0.69 0.0330 0.0019 *** 0.74 <s.d. of random parameter>
Air emission (% decrease)
0.0083 0.0027 ***
0.0008 0.0035 0.0004 0.0034 0.0003 0.0033 Nuclear (%)
0.0412 0.0025 ***
0.0462 0.0025 ***
0.0386 0.0024 ***
0.0452 0.0025 ***
Renewable (%)
0.0306 0.0031 ***
0.0352 0.0029 ***
0.0370 0.0029 ***
0.0303 0.0030 ***
Number of obs.
8176
McFadden Pseudo R-squared 0.1523407
Log likelihood function
-4803.831
8712
8560
8168
0.1632154
0.1910776
0.148911
-5053.09
-4799.612
-4818.548
•  4州に分けてランダム・パラメーター・ロジット(RPL)モデルで推定した。
•  基本属性の平均値推定値はほぼ期待された符号で1%水準で統計的に有意である。
•  原子力発電と再生可能エネルギーの標準偏差推定値が統計的有意であり、個人間の選好
の散らばりが非常に大きい。
21
4州電気料金の選択確率弾力性
Choice%probabiity%elasBciBes%with%monthly%electricity%bill
3%%
2.63%
2.37%
2.15%
2.02%
2%%
1%%
0%%
California%
Texas%
Michigan%
New%York%
•  電気料金の選択確率弾力性はミシガン州が一番大きく、テキサスが続く。
22
4州属性値のWTP
WTP$for$power$source$mix$$
US$$($1=¥80)
California$
1.0$$
0.8$$
0.6$$
0.4$$
0.2$$
0.0$$
=0.2$$
=0.4$$
=0.6$$
=0.8$$
=1.0$$
Texas$
Michigan$
New$York$
Air$emission$$
(%$decrease)$
Fossil$fuels$$
(%$increase)$
Nuclear$$
(%$increase)$
Renewable$$
(%$increase)$
California$
0.32$
=0.31$
=0.11$
0.72$
Texas$
0.31$
=0.30$
=0.09$
0.69$
Michigan$
0.27$
=0.33$
=0.02$
0.69$
New$York$
0.34$
=0.27$
=0.19$
0.74$
•  全体的には4州間で大きな違いはないが、原子力を減らすことに対してミシガンが一番消極
的であり、ニューヨークが一番積極的である。
23
シナリオ分析
Base
Scenario 1
Scenario 2
Scenario 3
Price increase ($30)
Price increase ($20)
Price increase ($10)
+ Emission decrease (40%)
+ Emission decrease (20%)
+ Emission decrease (20%)
+ No Nuclear (0%)
+ No Nuclear (0%)
+ Half renewal (50%)
80
90
100
20
20
40
Monthly bill (US$)
Air emission (% decrease)
70
0
Nuclear (%)
30
30
0
0
Renewable (%)
10
10
10
50
•  シナリオ1(価格増加+温暖化ガス削減)
•  シナリオ2(価格増加+温暖化ガス削減+原発廃止)
•  シナリオ3(価格増加+温暖化ガス削減+原発廃止+再生エネルギー増加)
24
シナリオ分析結果
Choice Probability Simulation
Scenario 1
Scenario 2
Scenario 3
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
CAL
TEX
MIC
NY
Scenario 1
45.7%
45.2%
43.4%
46.5%
Scenario 2
38.1%
36.6%
31.1%
41.8%
Scenario 3
66.9%
65.4%
62.3%
70.0%
•  シナリオ1(価格増加+温暖化ガス削減)、4州間で選択確率に大きな相違はない。
•  シナリオ2(価格増加+温暖化ガス削減+原発廃止) 、シナリオ3(価格増加+温暖化ガス削
減+原発廃止+再生エネルギー増加)において、ミシガンとニューヨークで選択確率に差が
見られる。
25
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