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(4)ゴルフによるインバウンド誘客(福島県)

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(4)ゴルフによるインバウンド誘客(福島県)
Ⅱ-3-(4)ゴルフによるインバウンド誘客(福島県)
Ⅱ.実証実験・調査報告書
3.国内成功事例調査
<するスポーツ>
(4)ゴルフによるインバウンド誘客(福島県)
Ⅱ-3-(4)ゴルフによるインバウンド誘客(福島県)
Ⅱ-3-(4)ゴルフによるインバウンド誘客(福島県)
1.調査概要
調査手法
訪問ヒアリング調査
調査対象者
・福島県 商工労働部観光交流局観光交流課
・福島県内ゴルフクラブ(韓国人ゴルファーを誘客している施設)
・福島空港
調査実施日
平成23年2月28日(月)
2.調査結果
<県(商工労働部観光交流課/空港)へのヒアリング結果>
1)県によるインバウンド施策
1999年に福島空港-仁川空港間のアシアナ航空定期便就航後に、県として韓国への
PRを始め、自然、温泉、食、文化などの幅広い観光資源のPRをKTOFAへの出展等
により行ってきた。現在は、具体的にターゲットを絞った施策を展開しており、ゴルフ、
スキー、温泉をキーワードに、観光PR,商談会開催、旅行商品造成支援等が行われてい
る他、民間の関係者(受入施設、旅行会社、ゴルフ場、スキー場等)との連携強化等が行
われている。
韓国インバウンド事業
分類
宣伝PR
プロモーション活動
商談機会
情報整備
窓口整備
主な事業等
韓国国際観光展(KOTFA)出展
カラーコルトン設置
メディア広告
マスコミ・エージェント招待事業
テレビ局招聘事業
ゴルフ練習場・スキーショップでのPR
知事トップセールス
韓国旅行エージェント訪問
商談会
パンフレット作成
HP整備
観光関連DB整備
韓国相談窓口整備
受入体制整備事業
「i」案内所整備事業
※これまでに実施した主な事業を掲載(福島県観光交流課)
Ⅱ-3-(4)ゴルフによるインバウンド誘客(福島県)
韓国からの宿泊旅行者数は世界的不況や円高により2009年度は落ち込みが見られ
るが、2008年までは順調に伸びており、2008年には約4.6万人に達し、ゴルフ
利用者数は述べ人数で約5.8万人となっている。また、ほとんどのゴルフ客がリピータ
ー化しており、多くが2~3ヶ月に1回ペースで訪れている。
受け入れ対策としては、県で空港に多言語対応スタッフを置き、韓国人、中国人のサポ
ート・観光案内等を行っている他、パンフレットやホームページの整備、相談窓口や案内
書の整備等が行われている。
県による上記PRの他、韓国資本によるゴルフ場の買収や、空港間の送迎、韓国人スタ
ッフの採用等受入れ側の整備も韓国人ゴルファー増加の要因となっている。
2)韓国人受け入れのプロセス
ゴルフ市場においては、価格破壊が進み、ゴルフ場の経営が苦しくなっていたことが、
韓国からの誘客を始める要因となった。
しかし、周辺地域として受け入れ経験はなく、受け入れ当初は文化の違いから、飲食店
や店舗などからの苦情が役所にたくさん上がってきたようであり(ex.焼き鳥なぜ2本、
ウーロン茶がなぜ有料か、お店で試食のため缶詰を開けてしまう etc…)
、消費額は大き
かったが、受け入れに拒否反応を示す地元の方も多かったようである。
3)現状における課題
ゴルフ客の増加にともない、対応できるゴルフ場を増やしていかなければならないが、
受け入れ体制のあるゴルフ場が固定化しており、数が増えないこと、ゴルフ場と提携して
いる宿泊施設が少ないこと、文化の相互理解の不足等の問題がある他、客単価の低さなど
も問題となっている。
また、韓国からのゴルファーの大半は、現状ではゴルフのみを目的に来訪しており、滞
在中に周辺での観光を楽しむケースは少なく、ゴルフと観光やショッピングが連携してい
ないことが課題として挙げられた。しかし、ゴルフ客の大半はリピーターであり、露天風
呂、会津旅行など、周辺観光の要望は強いものと思われる。実際に、滞在中に郡山、新白
川駅から新幹線を使い東京を観光している客も見られるようである。
ただし、ゴルフ場を拠点とした観光においてはゴルフ場と観光地間の二次交通の確保な
どが大きな課題となる。
韓国人向けの着地型ツアーの受容性を地元のⅡ種・Ⅲ種の旅行会社によるモニターツア
ー等もテストしてみる価値はあると考えている。集客やオペレーションをどこが担うかで
あるが、国による実証実験のモデルケースとして福島を取り上げてほしいという意見も挙
げられた。
その他、ウォンを両替できる場所がないこと、買い物の際にクレジットカードを使える
店舗が少ないことなどのインフラ面も、地方における韓国人受入れの問題点となっている
ようである。
Ⅱ-3-(4)ゴルフによるインバウンド誘客(福島県)
4)ゴルフ以外の取組み
磐梯山などのフィールドで、スキーや現在韓国でブームのトレッキング等も訴求しオ
ールシーズンでの受け入れや、団体客だけではなく、教育旅行やFITによる誘客も促
進していきたいとしている。
<空港でのインフォメーション>
<韓国人受け入れゴルフ場へのヒアリング結果>
1)ゴルフ場 A(韓国資本)
全来場者の9割は日本人(周辺エリアからの来場者が中心)で韓国人は1割程度。
韓国語スタッフは5名。バスでの送迎やトラブル対応として2名が専属でついている。
韓国人客のピークは平成19年で、仙台から送迎を行っていたこともある。当時は仙
台から交通費3万円かけても利用したいという客も見られたようである。
韓国人ゴルフ客に対し、会員権を販売しており、会員か会員が紹介したメンバーのみ
を受け入れている。ソウル事務所で予約をとっている。紹介がないと会員権は販売して
おらず、現在の会員券は永久会員券のみ(日本は年会員も受けている)
。客層のレベルは
高く、社長クラスの方が中心となっているようである。
5泊6日のパッケージツアーが中心。6割が夫婦客。ソウル事務所がエアー等をエー
ジェントに依頼している。パッケージに含まれないのは昼食代とショッピング代など。
6日間の内1日はグループが経営する他のゴルフ場に行ってもらっている。
家族で訪れて、観光に行くケースも見られ、その場合はタクシーをチャーターして周
っている。雨の日は郡山ジャスコなどへ買い物に連れて行くなどのサービスも行われて
いる。
Ⅱ-3-(4)ゴルフによるインバウンド誘客(福島県)
<韓国ゴルフ市場>
韓国ではあまりゴルフ場を造っておらず、東南アジアやタイなどへ行く人も多い。
<ゴルフ以外の観光ニーズ>
ゴルフ客における着地型パッケージのニーズはあるかもしれないが、独自でツアーを組
むのは難しい。
2)ゴルフ場 B (韓国資本⇒地元資本/準備中)
現在4月リニューアル・地元で立ち上げる新会社として準備中。
インバウンドは韓国中心。前の経営者が独自に募集をしていた。
チャーター便を利用し、一般が1万のところ韓国からのツアーは7千という割合だった。
客層は夫婦が中心で、1部屋2名で利用。年配客が中心で、安さを求めてくる客が多く、
文化の違いによるトラブルも多かったようである。(客室で床に座って飲食をするなど)
<課題>
今後は一般の旅行会社とツアーを作り、未収金・支払いのトラブルを防ぎたいとし
ている。
日本とのプレイスタイルの違いから日本人のお客さんが嫌がる。
(1日数ラウンド、
朝から晩までやっているので、日曜日などはずっと詰まってしまうなど、苦情が多い)
福島のゴルフ場で韓国人を受け入れているところは多いものの、マナーの悪さ、文
化の違いなどから7割のゴルフ場は受け入れていない。
<今後の方向性>
受け入れるが、日本人客とトラブルにならないように、常識があり、同程度の料金
を支払える客のみ受け入れたいとしている。
<ゴルフ以外の観光ニーズ>
夏場などは、朝早く周ってもらい、滞在中1日は観光にバスを出し無料で観光に連
れて行くなどのサービスを行っていた。
観光については、上流の人はできるが、中流以下の人では難しい。日本の旅行会社
がオプショナルツアー(ex.4千円程度)を出しても、賛同するかどうかは分からない。
また、県と同様、観光においては二次交通が大きな課題と考えられている。
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