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一般輸入の現状と問題点

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一般輸入の現状と問題点
資料2
一般輸入の現状と問題点
平成19年11月
装備政策課
- 目
•
次 -
最近の一般輸入に係る事案
–
–
–
–
参考資料
参考資料
参考資料
参考資料
一般輸入の現状1(輸入調達の推移)
一般輸入の現状2(主な輸入先)
一般輸入の現状3(契約業者別輸入品調達額)
一般輸入の現状4(一般輸入案件のチェック・価格調査)
•
事案から導かれる問題点(1)
•
事案から導かれる問題点(2)
•
事案から導かれる問題点(3)-商社の介在についてー
–
–
–
–
•
参考資料
参考資料
参考資料
参考資料
海外メーカーの代理店契約の考え方
主要国における商社等の利用状況
輸入調達の仕組み
輸入品の計算価格の計算項目及び計算要素
今後行うべき現状調査等
最近の一般輸入に係る事案
○
山田洋行過大請求問題
㈱山田洋行は、当省が納入した輸入装備品(海上自衛隊救難飛行艇US-2で使
用するプロペラ整備用器材等)について、見積書を偽造する等の方法により過
大請求を行っていたことが判明した。これを受け、当省としては、今後、同社
とのすべての契約を対象に徹底した調査を実施し、過大請求の全容解明を進め
ていくとともに、当面の措置として、同社を調査完了までの間、取引停止の処
分としたところ。
○
C-Xエンジン選定問題
航空自衛隊次期輸送機(C-X)のエンジンについては、官報公告により提
案希望企業を募り、寄せられた提案を評価した結果、㈱山田洋行が代理店であ
る米国ゼネラル・エレクトリック(GE)社のエンジンが選定され、これを受
けて平成16年度、平成17年度に合計5台のエンジンを調達したほか、本年
度予算にも1台の予算が計上されているところ、こうした選定・調達過程にお
いて、前事務次官の関与等について、様々な指摘がなされているところ。
○
暗視装置問題
航空自衛隊基地警備用の暗視装置を一般競争により輸入調達したところ、契
約した暗視装置とは異なる製品が納入されたことが判明。本件契約の解除手続
等を進めるとともに、契約相手方に対する最終的な措置を決定するまでの間の
当面の措置として、取引停止処分としたところ。
1
参考資料
一般輸入の現状1(輸入調達の推移)
装備品等調達契約額(国内調達・輸入調達別)
(単位:百万円)
国内調達
比率(%)
調達
年度
一般輸入
比率(%)
輸入調達
有償援助
比率(%)
計
比率(%)
合 計
9
1,847,868
92.3
117,277
5.9
37,569
1.9
154,846
7.7
2,002,713
10
1,734,408
92.2
112,747
6.0
34,750
1.8
147,497
7.8
1,881,905
11
1,770,443
91.8
118,517
6.1
38,924
2.0
157,441
8.2
1,927,884
12
1,768,492
91.3
124,877
6.4
43,851
2.3
168,728
8.7
1,937,221
13
1,797,135
91.6
115,604
5.9
48,946
2.5
164,550
8.4
1,961,685
14
1,721,819
87.6
132,573
6.7
110,145
5.6
242,718
12.4
1,964,536
15
1,759,786
88.4
129,226
6.5
100,640
5.1
229,866
11.6
1,989,652
16
1,823,275
88.7
133,411
6.5
97,896
4.8
231,307
11.3
2,054,582
17
1,891,666
88.5
152,500
7.1
93,735
4.4
246,235
11.5
2,137,901
18
1,881,770
89.5
115,801
5.5
104,659
5.0
220,460
10.5
2,102,230
注:装備品等調達契約額は、装備品等の統計調査に関する訓令(昭和34年防衛庁訓令第69号)に基づき報告を受けた額であり、当該調達年度における
変更契約額を含む。
平成14年度以降、国内調達の割合が減少し、有償援助の割合が増加した。
【主な要因】 14年度・15年度 … イージス艦の建造によるもの。
16年度・17年度 … BMDの導入によるもの。
調達区分の定義
有償援助…
日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基づき、アメリカ合衆国政府から装備品等及び役務を購入する調達をいう。
一般輸入…
防衛省が直接(有償援助以外のもの)又は輸入業者を通じて外国から調達する装備品等及び役務をいう。
国内調達…
防衛省が調達する装備品等及び役務のうち、一般輸入及び有償援助以外のものをいう。
2
参考資料
一般輸入の現状2(主な輸入先)
防衛省中央調達における装備品等及び役務の調達の国内・輸入別調達状況
(金額単位:百万円)
14年度
15年度
金 額
区分
順位
製造元国名
(一般輸入)
金 額
製造元国名
(有償援助)
1,279,232
中央調達
輸入調達
2
アメリカ合衆国
イギリス
ドイツ
カナダ
フランス
その他の国
金 額
製造元国名
(有償援助)
1,373,825
(一般輸入)
(有償援助)
1,322,591
(65,242)
(76,452)
(37,034)
(89,917)
(99,815)
1,104,597
1,147,064
1,207,456
1,185,741
(-)
(-)
(-)
(-)
(-)
(-)
(-)
(-)
(-)
(-)
171,986
168,566
159,107
166,369
136,849
(67,231)
(72,403)
(65,242)
(76,452)
(37,034)
(104,755)
(96,163)
(93,865)
(89,917)
(99,815)
163,229
150,485
150,723
132,081
(63,975) アメリカ合衆国
(67,066) アメリカ合衆国
(56,620) アメリカ合衆国
(60,806) アメリカ合衆国
(32,266)
(104,755)
(96,163)
(93,865)
(89,917)
(99,815)
1,975
1,809
3,392
7,692
1,625
(1,975) イギリス
538
(538) イスラエル
398
(398) ドイツ
242
(242) カナダ
(-)
他
(有償援助)
1,306,170
(一般輸入)
(93,865)
(-)
5
金 額
製造元国名
(72,403)
(-)
4
(有償援助)
1,273,163
(一般輸入)
(96,163)
(-)
3
金 額
製造元国名
(67,231)
168,730
1
(一般輸入)
18年度
17年度
(104,755)
1,107,246
国内調達
16年度
102
(102) その他の国
(-)
(1,809) フランス
(-)
1,684
(1,684) イギリス
(-)
1,429
(1,429) イスラエル
(-)
186
(186) ドイツ
(-)
228
(228) その他の国
(-)
(3,392) フランス
(-)
2,155
(2,155) イギリス
(-)
1,647
(1,647) ドイツ
(-)
1,218
(1,218) イスラエル
(-)
209
(209) その他の国
(-)
(7,692) イスラエル
(-)
3,015
(3,015) イギリス
(-)
2,055
(2,055) フランス
(-)
1,766
(1,766) ドイツ
(-)
1,119
(1,119) その他の国
(-)
注:1 輸入調達は、防衛省(防衛庁)が直接、又は、輸入業者等を通じて輸入調達した額(有償援助を含む。)であり、国内製造業者が調達した額は含まない。
2 金額は、四捨五入した数値であり、不整合の場合がある。
(1,625)
(-)
1,155
(1,155)
(-)
844
(844)
(-)
546
(546)
(-)
598
(598)
(-)
3
参考資料
一般輸入の現状3(契約業者別輸入品調達額)
平成18年度中央調達における契約業者別輸入品調達額
順位
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
契約業者名
三菱商事株式会社
伊藤忠アビエーション株式会社
兼松株式会社
株式会社山田洋行
双日エアロスペース株式会社
住商エアロシステム株式会社
三井物産エアロスペース株式会社
株式会社理経
住友商事株式会社
極東貿易株式会社
日本エアロスペース株式会社
新東亜交易株式会社
双日株式会社
富士重工業株式会社
株式会社日本ユ・アイ・シ
丸文株式会社
地崎道路株式会社
ユーロヘリ株式会社
日本ポール株式会社
伊藤忠商事株式会社
件数
21
46
7
14
12
34
12
8
5
28
15
4
4
3
21
21
1
4
3
1
契約金額
7,829,337,600
4,962,846,315
4,949,310,773
3,337,244,850
2,311,237,750
1,906,032,450
1,216,780,950
892,248,000
739,042,500
738,590,575
662,334,750
645,697,500
575,688,750
552,659,100
527,960,580
506,832,270
460,845,000
399,654,150
387,444,750
285,337,500
順位
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
合計
契約業者名
東京エレクトロンデバイス株式会社
緑屋電気株式会社
株式会社サイエンステクノロジートレーディング
株式会社エーティーエー
株式会社銀座銃砲店
富士通株式会社
丸紅エアロスペース株式会社
サンノウ商事株式会社
丸紅株式会社
エヌ・ティー・ケー・インターナショナル株式会社
五洋商事株式会社
株式会社JALUX
第一実業株式会社
株式会社鶴見精機
株式会社島津製作所
株式会社エアロパートナーズ
株式会社ジュピターコーポレーション
リチャードソンエレクトロニクス株式会社
イヨンインターナショナル株式会社
ほか30社
件数
1
5
23
4
8
2
13
2
6
9
9
3
3
2
1
4
13
6
11
50
439
契約金額
275,934,750
239,576,400
239,013,600
193,179,000
177,000,600
157,466,400
157,403,250
137,203,500
136,731,000
116,534,250
112,152,600
102,033,750
101,662,050
92,909,250
80,451,000
79,495,500
78,421,665
74,639,250
71,326,657
524,169,550
37,034,430,135
4
参考資料 一般輸入の現状4(一般輸入案件のチェック・価格調査)
一般輸入の価格調査については、装備施設本部物別課等にお
いて、クォーテーション(海外メーカーの製品価格見積もり)の確認
(書類審査)を行うほか、
新規購入装備品、高額案件、継続案件であるが価格上昇幅が
大きいもの等を抽出し、在米連絡官に価格調査を指示(年間概ね
20~30件程度)。
① 米軍調達実績等との比較が可能なものはこれによりチェック。
② 在米連絡官が海外メーカーを訪問し、価格調査を実施
(クォーテーションの真正性の確認、価格変化の理由等について
聴取)。
5
事案から導かれる問題点(1)
一般輸入
売買契約
製品価格の内訳の開示性に制約
商社介在
海外メーカーと防衛省は契約当
事者の関係にならない。
現状では、価格の妥当性の検証、クォーテーション、品質証明書等の真正性の
確認に制約あり(防衛省の海外メーカーに対する直接照会は先方の任意の協力
による)。
また、在米連絡官による現地価格調査においては、契約当事者である商社が同
伴するケースが多い。
価格の確認、製品の真贋等に不透明感が生じる余地がある
6
事案から導かれる問題点(2)
1.
チェック体制の問題
‡
‡
‡
‡
‡
2.
コンプライアンス問題
‡
‡
3.
現地価格調査の対象数が現状では不十分(概ね20~30件程度
/450件程度(中央調達))
輸入調達を統括する実施部門が存在せず。
海外メーカーと直接交渉する上でのマンパワー、語学を含む専門
的知識が現状では十分とは言えない。
装備品等の本体価格構成の在り方が現状では不明確。
輸入製品の受領検査が現状では不十分。
部外コンプライアンスの問題
部内コンプライアンスの問題
いわゆる「天下り問題」
7
事案から導かれる問題点(3)
ー商社の介在についてー
1 装備品等を海外より調達する場合、FMSのほか、いわゆる一般輸入を
行っている。
2 当省においては、平成18年8月に定められた、政府全体としての公共
調達の適正化の方針に基づき、契約の相手方を当初から特定の者に決
めることなく、広く参加者を募る競争入札等の方法を基本として行っており、
契約の適切な履行が見込めれば、商社に限らず契約を行うこととしている。
3 しかしながら、実際には、海外メーカーは商社等に独占的販売権を付
与し、代理店として利用しているケースが圧倒的に多いのが実情。
【参考】「装備品等及び役務の調達実施に関する訓令」第2条(5)
輸入品等 防衛省が直接又は輸入業者を通じて外国から調達する装備品等及び役務(日本国と
アメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定に基づく有償援助により調達する装備品等及び役務 を
含む)をいう。
8
参考資料 海外メーカーの代理店契約の考え方-商社からのヒアリングによるー
海外メーカーが機種選定の中で価
格も重要なファクターであることを承
知した上で、自らの判断で、商社と
代理店契約を結んでいることから、
販売コスト等を考慮しても、代理店
を使う方が最もコスト的に効率的で
あると判断しているものと考えられる。
海外メーカーA
【販売ルート】
日本法人
・営業活動を行う場合は、諸活動経費は製品価格に転嫁
・売買活動は行わず、連絡事務所機能のみの場合が多い
・自ら多数の日本人スタッフ、専門家等をそろえるコストが省ける
・一般的に、法令・商慣習が大きく異なり、防衛需要のような市場
が狭い場合、商社を競わせ、有利な条件で販売権を与えた方が
合理的との考えとされる
総代理店
複数代理店
一般的に、代理店契約では、代理店サービス(販売国での情
報、販売活動支援など)を行い、代理店は競合品を取り扱わな
いことを条件に、地域において独占的な販売権を付与(独占代
理店/総代理店)
・複数の会社に販売権を与えるのは市場開拓が可能で需要の増
大が見込まれるようなケースが一般的。海外メーカーは、通常、価
格低減を招く複数代理店制度は採用しないとされる
競 争
日本法人
商社A
海外メーカーB
総代理店
商社B
商社C
複数代理店
代理店契約の獲得競
争はかなり激しく、代
理店契約の継続には
実績、法令順守姿勢
などがかなり重視され
る。
9
参考資料 主要国における商社等の利用状況
国
利
用
状
況
英
調達する物品の特性によっては、国内のエージェントを積極的に利用している傾
向にある。英国のエージェントを活用するメリットとして、COTS(Commercial of
the Shelf)の迅速な入手が可能なこと、国内での技術アドバイスが得られること、
アフターサービスが得られること、英国のニーズ(例:電気系統)に合致した製品
が得られること、英国の契約条項に精通していること等が挙げられる。
独
エージェントは市販品については通す場合があるが、防衛に関わる製品について
は直接メーカーから調達している。
エージェント活用の例としては、日本製のパソコンが優れており製品の性能や輸
入について精通したエージェントが有り、エージェントを活用した方が安価になる
場合のみ利用している。エージェントを活用する場合でも、必ず市場調査を実施し
ており不当な利益をエージェントが得る可能性は殆どない。
海外の企業から調達を実施する場合、海外企業に対して、韓国内にエージェント
(支社または連絡所等の場合もある。)を置くようにさせ、ここを通じて契約を
韓国 行っている。この場合、エージェントが持つ機能としては、コンサルティングや事
務連絡等だけである。
豪
商社は利用していない。輸入品の場合でも、直接海外企業から購入している。
出典:「FOB価格の妥当性検証に係る調査委託 調査報告書」(平成12年12月 ㈱三菱総合研究所)
10
参考資料
輸入調達の仕組み
米国
日本
契約の流れ
代理店契約
製品の流れ
発注
海外メーカー
買付指示
A商社
米国A商社
FOBドル建
輸出者
売買契約
C&Fドル建
米国輸出許可取得
輸入者
防衛省
指定先持込渡
円建
商社介在の発注者から見た場合のメリット
(注:商社と代理店契約を締結しているのは海外メー
カーであり、防衛省が意図的に商社を介在させている
わけではない)
11
(1)商社等の組織・ノウハウ・ネットワークの利用。
(2)外国の法令、商習慣に精通し、語学に堪能な人材
の利用。
(3)日本と外国の制度、商慣習の相違を商社が仲介。
そのため、契約履行やアフターサービスにおけるトラ
ブルの回避につながる。
参考資料 輸入品の計算価格の計算項目及び計算要素
(調達物品等の予定価格の算定基準に関する訓令)
品 代
CIF価格(C&F価格、FOB価格)
※FOB:売り主が貨物を本船に積み込むまでの製品代価、
運賃・通関費等の諸経費などの一切の費用、危険負
担をも含めたもので積込地での価格。
※C&F:FOB+積込地から指定仕向港(又は空港)までの
運賃。
※CIF:C&F+海上(航空)保険料
輸入手数料
(一般管理及び販売費、利子及び利益の総額に相当)
販売直接費
計算価格
(予定価格)
(銀行諸掛、陸揚通関及び国内輸送諸掛、組立、検査費そ
の他の直接費、関税その他の税金)
海上保険料
(CIF価格の場合は除く)
梱包費
(再梱包を必要とする場合)
12
今後行うべき現状調査等
一般輸入において、当省が商社以外の企業を排除しているということはな
いが、公募を行っても商社等の契約実績が多いという実態を踏まえ、
1.
一般輸入について、商社(コンサルティング企業等を含む)の利用状況、
契約方式等について海外主要国の動向を調査する(既存調査のフォ
ローアップを行う)。
2.
海外メーカー日本法人等から防衛省の調達に関して直接応札しない理
由及び代理店方式を選択するメリットをヒアリングし、直接購入(契約)の
障害となっている事項を明確にする。参入上の障害について改善可能な
点があれば、その解消に努め、参入を容易にする方法について検討を
行う。
3.
商社に対しては代理店契約に関する事項や活動実態についてヒアリン
グを行う。
4.
なお、商社機能の全部又は一部を官が代替する方法については、上
記参入障害の事項改善と整合性をもって、必要な機能や強化すべき機
能を確定していく。
13
Fly UP