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温暖化防止・エネルギー削減
world Sustainability Report 2015 GRI Report world 温暖化防止・エネルギー削減 基本的な考え方 コカ・コーラシステムでは、環境負荷の削減と事業の を目指して、製造部門、物流・輸送部門、販売部門、 成長を両立させることが企業における持続的成長の オフィス部門までを網羅した事業全体での CO 2 排出 基本要件であるとの考えのもと、取り組みを推進して 量削減の施策に取り組んでいます。 います。現在、2015 年を目標年とする中期目標達成 製造部門での取り組み コカ・コーラシステムでは、製造部門において 2015 た。2015 年も引き続き目標の達成を目指してシステ 年までに 2004 年比で CO2 排出総量を 10%削減す ム全体で取り組みを推進していきます。 るという中期目標を掲げています。主に工場のエネ ルギーの重油から都市ガス・天然ガスへの転換やコー ジェネレーションシステムの導入、蒸気や圧縮空気使 用量の最適化および漏れ防止、熱のカスケード利用お よび断熱・熱交換の徹底などの生産性向上の施策強化 を中心に、目標達成を目指して取り組んでいます。 2014 年末時点で全国 18 工場で都市ガス・天然ガス への転換を、7 工場でコージェネレーションシステム を導入しています。CO2 排出削減総量は 2014 年末 時点で 37 万トンで、2004 年比で -8.1%となりまし コカ・コーラウエスト株式会社 えびの工場 39 world Sustainability Report 2015 GRI Report world 温暖化防止・エネルギー削減 物流・輸送部門の取り組み コカ・コーラシステムでは、物流・輸送部門において でオペレーションと使用車両の両面から CO2 削減の 2015 年までに 2004 年比で CO2 排出総量を 5% 削 取り組みを進めていきます。 減するという中期目標を掲げています。物流拠点の集 ※ 1 ハ イ ブ リ ッ ド ト ラ ッ ク 等 620 台、 ハ イ ブ リ ッ ド 車・EV 等 673 台 約および物流ルートの見直しによる納品物流と販売 物流の効率化やモーダルシフト、デジタルタコグラフ やドライブレコーダーの活用や運転講習を通じたエ コドライブの推進、車両の小型化やハイブリッド車を 中心とする省エネ車両の導入を進めています。省エネ 車両については 2014 年末時点でコカ・コーラシステム 全体で 1,293 台※ 1 導入しています。 これらの取り組みにより、CO2 排出総量は 2014 年 末時点で 22 万トンで、2004 年比で -30.9% となり ました。今後も引き続き、コカ・コーラシステム全体 ハイブリッドトラックのルートカー 40 world Sustainability Report 2015 GRI Report world 温暖化防止・エネルギー削減 販売部門の取り組み 環境に配慮した自動販売機の機器開発と設置計画 全事業プロセスの 50% 以上のエネルギー消費を占め また、東日本大震災以降必要とされている、ピーク時 る販売部門においては、2015 年までに 2004 年比で 間の消費電力削減を実現するために、富士電機株式 CO2 排出総量を 45.5%削減するという中期目標に加え、 会社と共同で開発された「ピークシフト自販機」は、 2020 年までに市場のすべての自動販売機に 100%自 2013 年 1 月 よ り 設 置 を 開 始 し、2015 年 5 月 に 全 然冷媒ノンフロン(CO2)を採用することを、日本の 国の設置台数が 10 万台を突破しました。「ピークシ コカ・コーラシステムの目標として掲げています。取り フト自販機」は、日中に冷却用の電力を使わず夜間に 組みの一環として、2011 年より一部の特殊機材を除 シフトすることで、消費電力を最大 95% 削減しなが く缶・PET の新規購入の自動販売機全台をノンフロン・ ら最長 16 時間にわたり冷たい製品を提供できる、最 ヒートポンプ型自動販売機※ 1 としており、2012 年以 新の省エネ自動販売機です。平成 25 年度省エネ事例 降はカップ自動販売機についても新規購入分の全台を 部門において、最高賞である「経済産業大臣賞」を受 ノンフロン化するほか、新規購入の自動販売機すべて 賞しました。 に LED 照明を標準装備しています。 ※ 1 地球温暖化係数の低いノンフロン冷媒を使用し、効率的な加 温・冷却を可能にするヒートポンプ廃熱利用システムを搭載 した自動販売機 ※ 2 発電にともなう排出量 ※ 3 ソーラー発電による点灯可能な夜間照明の条件(理論値):6 日間で 20 時間(目安)以上の直射日光が当たることが照明 点灯の条件(夜間 30 本販売の場合)。設置環境等の条件によ り異なる CO2 排出総量は、2014 年末時点で 59 万トン ※ 2 で、 2004 年比で -49.3% となり、2013 年に 2015 年目 標値に到達した後も「ピークシフト自販機」の設置台 数の増加を中心とする省エネの推進により、CO2 排 出量を継続して削減しています。 自動販売機の機材については、過去 15 年以上にわ たってエネルギー効率に優れた自動販売機の開発に 注力してきた結果、最新型の自動販売機の年間消費電 力量は 15 年前の機材と比較して 6 分の 1 程度にま で削減されています。そのほか、ソーラーパネルの搭 載により夜間照明に使用する消費電力ゼロ ※ 3 を実現 した「eco る / ソーラー」自動販売機や、自動販売 機のルーフ部分を緑化シートで加工することにより 断熱し表面温度上昇を抑える「ルーフ緑化自動販売 機」など、環境に配慮した自動販売機もあります。 「ピークシフト自販機」 41 world Sustainability Report 2015 GRI Report world 温暖化防止・エネルギー削減 稼動中の自動販売機の使用電力削減策 コカ・コーラシステムでは、東日本大震災の影響によ と同等の実施内容で 15%※ 1 の電力削減を実施し、国 る電力供給不足への対応として 2011 年夏季より継 内の安定した電力消費に協力していきます。 続して自動販売機の節電施策に取り組んでいます。 ※ 1 2010 年夏季の最大使用電力との比較による。 2014 年夏季には政府による節電数値目標は設定され なかったものの、節電協力が必要な地域、期間 ・ 時間 帯において自主対応を求める清涼飲料自販機協議会 の方針に従い、コカ・コーラシステムでは全国のお取 引先のご理解 ・ ご協力を得て 7 月 1 日より 9 月 30 日まで、沖縄電力を除く全電力会社管内において自動 販売機の冷却運転輪番停止を実施しました。電力使 用ピーク時間帯(9 時~ 20 時)において、6 つのグ ループに分けた自動販売機の冷却運転を輪番で停止 し、15% の削減を達成しました。 冬 季 は 2014 年 12 月 か ら 2015 年 3 月 ま で の 間、 政府の数値目標を伴わない節電要請に対応し、沖縄を 除く全電力管内において冷却運転輪番停止を通じ、自 主的な節電対策を実施しました。 2015 年夏季も引き続き政府の節電要請に応える業界 の方針と整合し、7 月 1 日より 9 月 30 日まで、昨年 夏季の冷却運転輪番停止を知らせる告知 オフィスの取り組み コ カ・コ ー ラ シ ス テ ム で は、 オ フ ィ ス 部 門 に お い て ルへ移転し、設備を有効活用した省エネに努めてい 2015 年までに 2004 年比で CO 2 排出総量を 3%削 ます。 減するという中期目標を掲げています。2013 年 12 CO2 排 出 総 量 は 2014 年 末 時 点 で 4.5 万 ト ン で、 月の新社屋建替に伴い、省エネ設備を備えた賃貸ビ 2004 年比で -22%となりました 42 world Sustainability Report 2015 GRI Report world 温暖化防止・エネルギー削減 廃棄物管理 基本的な考え方 コカ・コーラシステムでは、資源循環型の社会構築に の要求事項を満たすことに努め、事業活動で排出され 貢献すべく、事業活動全体にわたり使用する資源をで る廃棄物を適正に管理・処理しています。 きるだけ少なくしています。可能な限り資源を再利用 廃棄物は主に、工場から排出されるコーヒーかす・茶 するとともに、使用後はできるだけ付加価値の高い資 かす、汚泥、営業所から排出される空容器、自動販売 源として再生させていくことを、廃棄物管理の方針と 機などがあります。これらは、原則的にすべて再資源 しています。 化しています。 また、法令遵守と独自のマネジメントシステム「KORE」 工場廃棄物の有効活用 日本のコカ・コーラシステムでは、工場におけるゼロ 造過程で出る乳清を混ぜた、環境への負荷が小さい飼 エミッションを達成するため、工場から排出される廃 料を開発しました。廃棄物の有効活用になるとともに、 棄物の再資源化に継続して取り組んでいます。特に 廃棄物の約 77.8%を占めるコーヒーかす・茶かすに 「蔵王爽清牛」は地元密着型ブランド牛としても注目 されており、地域に貢献する活動になっています。 ついては、家畜の飼料や農産物の肥料などの用途で 100%再資源化されており、さらに資源として有効活 用する取り組みを推進していきます。 一例として、コカ・コーライーストジャパンプロダクツ 東海工場では、コーヒーかす・茶かす・排水処理汚泥 を発酵させ、エネルギー源に変換するメタン発酵処理 システムの稼働により、廃棄物重量を 10 分の 1 に削 減し環境負荷低減につなげています。 また、蔵王工場では、「爽健美茶」の茶かすを地元特 産「蔵王爽清牛」の飼料として提供しています。蔵王 酪農センターは、「爽健美茶」の茶かすとチーズの製 廃棄物処理の様子 メタン発酵処理システム(東海工場) ガス 発酵 残さ コーヒーかす、茶かす 排水処理汚泥 メタン発酵槽 バイオガス バイオガス発電機 電力 バイオガスボイラ 蒸気熱 堆肥 発酵残さ 脱水 乾燥 43 world Sustainability Report 2015 GRI Report world 温暖化防止・エネルギー削減 原液包装資材の有効活用 日本コカ・コーラの守山工場では、「コカ・コーラ」な た、製品を入れた段ボールに貼る製品名や原材料を示 どの原液を製造し、ボトラー各社の工場へ出荷してい すラベルにも工夫をしています。簡単にはがしやす ます。守山工場では原液の出荷時に使用される包装資 く、はがした後は再度貼ることができない特殊な素材 材などを工夫することで、ボトラー各社の工場での廃 を使用した「ユポ製ラベル」を優先的に使用していま 棄物削減につなげています。 す。また、ラベルをはがした段ボールは再利用してい 原液を輸送する時に原液が入ったケースを固定する ます。このように、日常的に工場で使用する資材にお のに使用される荷崩れ防止用のバンドには、何度でも いても、有効活用を通じて資源を大切に使う取り組み 再利用可能な「エコバンド」を採用しています。ま につなげています。 オフィスでの取り組み 日本コカ・コーラのオフィスでは、紙のリサイクルポ オフィス内に設置して、資源の分別・リサイクルを徹 スト、新聞・雑誌専用ボックス、ビン、缶・PET ボ 底しています。 トル・紙コップを回収するリサイクルステーションを コカ・コーラシステム、グループ会社による自動販売機リサイクル 日本のコカ・コーラシステムでは、清涼飲料メー もとになるフロンガスも適正に回収しています。 カーの責任として循環型社会の構築に貢献するた めに、資源の有効活用と適正リサイクルの強化に 取り組んでいます。 関 西、 中 国、 九 州 エ リ ア で 製 造・ 販 売 を 行 う コカ・コーラウエストグループが運営する「北九州 さ わ や か リ サ イ ク ル セ ン タ ー」 では、中国・九 州エリアから回収される廃棄自動販売機を自社で 解体・分別処理し、鉄鋼原料等の用途に再資源化 しています。また、オゾン層破壊や地球温暖化の 北九州さわやかリサイクルセンター 廃棄自動販売機のリサイクルの流れ 廃棄 自動販売機 フロンガス 蛍光灯 電池 自動販売機本体 回収・破壊 リサイクル リサイクル 解体・分別 素材別にリサイクル 鉄 鋼 アルミニウム ガラス プラスチック 油 ステンレス 44