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公開 - 高知工科大学
卒業研究報告書 題目 エネルギー教育で用いる自転車発電機用 低コストインバータ回路の製作 指導教員 八田章光 教授 報告者 学籍番号 氏名 林 高知工科大学 1080294 晃平 電子・光システム工学科 平成 20 年 2 月 19 日 目次 第 1 章 序論 1.1 背景と目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4 第 2 章 原理 2.1 MOS FET の特性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 2.2 インバータ回路の原理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 2.3 制御用定電圧電源回路の原理・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9 第 3 章 MOSFET 制御用定電圧電源回路 3.1 MOSFET 制御用定電圧電源回路・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 3.2 FSD210B について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 3.3 MOSFET 制御用定電圧電源回路の作製・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 3.4 MOSFET 制御用定電圧電源回路の動作確認・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 3.5 考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 3.6 まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 第4章 インバータ回路の作製 4.1 作製するインバータ回路・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15 4.2 MOSFET の静特性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 4.3 制御用発振回路の作製 4.3-1 タイマ IC555 を用いた発振回・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 4.3-2 無安定マルチバイブレータ回路・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 4.3-3 単安定マルチバイブレータ回路・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 4.4 比較回路・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・21 4.5 Duty 制御・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 4.6 発振回路の動作確認・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22 4.7 インバータ回路の動作確認・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25 4.8 考察(コストの比較)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 4.9 まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27 第 5 章 まとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30 -2- 謝辞 参考文献 付録 ・小学校でのエネルギー環境教育 ・イベントへの出展 -3- 第1章 背景と目的 近年、世界規模でエネルギーと地球環境問題が重要視されている。これは毎日の生 活の中で使われるエネルギーを石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料で賄っているた めである。世界中が今のペースでエネルギーを消費し続けると、化石燃料の可採年数 は、石油が後 41 年、天然ガス 67 年、石炭 164 年で枯渇してしまうと予測されてい る。にもかかわらず、アジア諸国の経済成長・人口増加に伴って世界のエネルギー消 費量は増加の一途をたどっている。エネルギー消費量の増加と共に地球温暖化問題も 深刻化している。2100 年までに、地球の平均気温が 1.4∼5.8℃上昇し、海面が 9∼ 88cm 上昇すると予測されている。温度が上昇することにより、今まで生活をしてい た地域を追われる人々・食糧不足・絶滅種の増加などが懸念される。 また、2008 年からは京都議定書目標達成計画に従い、温室効果ガスの排出量の測 定が始まる。わが国は 2008 年∼2012 年の平均排出量を 1990 年実績比で 6%削減し なければならないが、現状は 8%増加している。1990 年比から考えると日本は 14% も温室効果ガスを削減しなければならない。1970 年代のオイルショック時に比べ、2 倍ものエネルギーを消費している民生・運輸部門の対策が急を要する。これは人々が より快適な暮らしを求め、多くの電化製品を使用するためである。確かに多くの電化 製品を使うことで私たちの生活は便利になる。だが、それが本当に豊かな生活なのだ ろうか。地球を守り、地球に住むすべての生命体と共存・共栄する社会を作ることが 先進国のこれからの責務である。 温室効果ガスの排出量を削減するためには、省エネに取り組む必要があるのだが、 なかなか難しい。人々は、科学技術の進歩により電気があって当たり前のように感じ、 電気を作るためにはとても大きな仕事が必要であることをあまり実感していないか らだ。むしろ電気はコンセントにプラグを挿し込めば良いものだとさえ感じることが ある。理科の定義からエネルギーのことを定量的に理解するには小学校の学習だけで は難しい。 平成 14 年、経済産業省資源エネルギー庁の受託で(財)社会経済生産性本部が実 施した地域エネルギー拠点大学の一つとして高知工科大学が選定された。本学では、 科学教育の立場からエネルギーについて理解する教育プログラムを提案し、地域の学 校教育と地域教育に役立てることを目的として地域の小中高・高専及び高知大学、四 国電力などと共にエネルギー科学教育研究会を発足し、学校教育の場を通じてエネル ギーと地球環境に関する諸問題を科学的に正しく理解する能力を身につけた次世代 を育てるためのエネルギー環境教育を行ってきた。本プログラムは 考える 体験 する 楽しむ ということをキーワードに、学生を中心とした実験サポーターが学 校の授業やエネルギー教育のイベントを支援する出前授業として活用している。 これまで用いてきた教材は手回し発電機や水素燃料電池自動車、自転車型発電機な どである。自転車型発電機を使用することで、日頃消費いている電力と同程度(∼ 100W)の発電を体感できる。しかし、これでは頭で理解できても実際には家電製品 -4- を動かすことができず、エネルギーを作ることの大変さを理解できるものではなかっ た。そこで昨年卒業された岡林拓哉氏(平成 19 年 卒業)の卒業研究を引き継ぎ、 定電圧インバータ回路を試作した。これにより、身近な家電製品である TV を動かす ことができるようになり、定量的に発電の大変さを実感できるようになった。エネル ギーの授業をする際の教育教材として、定電圧インバータ回路を商品化することがで きれば、全国の小中高でよりよいエネルギー環境教育が実施できると考える。 以上のような背景に基づいて本研究の目的を次に示す。 1.自転車発電機用インバータ回路の低コスト化・普及 現在試作したインバータ回路は約 15,000 円のコストがかかっている。そのうちの 6,000 円を DC/DC コンバータ(1 個 2,000 円×3 個)が占めている。また、回路を収 納している箱は 2,000 円で市販されている物を使っている。これらを使用しないこと でインバータ回路を約 10,000 円以内で製作する。 2.エネルギー環境教育での活用 自転車発電機などのエネルギー環境教育教材を用いた出前実験を実施することによ り、日頃消費している電力と同程度の電力を作ることの大変さやエネルギーの大切さ を学生や一般の方々に体感してもらい、省エネルギーの重要性を理解してもらう。 -5- 第2章 原理 2.1 MOS FET の特性 MOSFET とは、Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor(金属− 酸化−半導体−電界−効果−トランジスタ)の略で、入力電流が流れず、加えた電圧 で電流特性を制御する素子である。また、電流を制御するソース S(source)、電子 を吸い込む陽極に相当するドレーン D(drain)、電流を制御するゲート G(ゲート)を もつ 3 端子の素子であり、原理的には 3 層構造となっている。MOSFET にはディプ レション形(depletion = 減少)とエンハンスメント形(enhancement = 増大)の 2 種類があり、それぞれ NMOS(N チャネル MOS)と PMOS(P チャネル MOS)とが ある。多くの MOSFET ではエンハンスメント形が使われている。ディプレション形 はゲート・ソース間電圧が 0 でもドレーン電流が流れるため特殊な場合に用いること が多い。MOSFET のゲートは酸化膜で絶縁されているため、ゲートにはほとんど電 流が流れないが、ゲート端子を素手で触ったりすると、人体からの静電気などでゲー ト部の絶縁膜を壊してしまう可能性がある。また、MOSFET を長時間保存する場合 には、ゲート端子とソース端子間は必ず短絡させておく必要がある。 2.1-1 エンハンスメント形 MOSFET(NMOS) 図 2.1-1 にエンハンスメント形 MOSFET の構造を示す。図のように n 層で P 形半 導体を挟みこむように MOSFET を形成して電極をつける。まず、ゲート部に電圧を かけてない場合を考えると、ドレーン・ソース間は n−p−n のままとなっているの で電流は流れない。ゲート部に正の電圧をかけると、ゲート電極には正の電荷が集ま る。ゲート電極が正に帯電すると正の電荷を持つホールは下方へ追いやられ、p ウェ ルの表面には負の電荷であるアクセプタイオンだけになる。ゲート電圧を増加させて いくとますます多くの正の電荷がゲート部に集まる。これと同量の負電荷が p ウェル に集まる必要があるが、p ウェルの不純物濃度が限られているため p ウェル表面の負 電荷が不足する。不足分を補うためにソースより電子を投入すると、p ウェル表面に 可動の電子が存在するようになる。結果ドレーン・ソース間が n−p−n から n−n− n と変わり、MOSFET に電流が流れるようになる。この層のように p 形から n 形へ 反転したのを反転層(inversion layer)という。チャネルの厚さはゲートに印加され る電圧 Vgs によって制御される。 -6- 2.1-2 ディプレション形 MOSFET エンハンスメント形とディプレション形との大きな違いは、エンハンスメント形が Vgs=0 のときドレーンに電流が流れないのに対して、ディプレション形は、Vgs=0 のとき電流が流れることである。図 2.1-2 にディプレション形 MOSFET の構造を示 す。Vgs=0 のとき電流を流すためには、あらかじめドレーン・ソース間に n チャネ ルを作っておく必要がある。ゲートに負の電圧を印加すると、ゲートの下にあらかじ め形成されたチャネル内に、正電荷が集まり n 形のチャネル幅が狭くなり、ドレーン 電流 Id が変化を受け、減少する。ディプレション形 MOSFET の特徴は Vgs の正負 いずれの領域でも Id を Vgs で制御できることである。 図 2.1-1 エンハンスメント形 MOSFET -7- 図 2.1-2 ディプレション形 MOSFET 2.2 インバータ回路の動作原理 インバータ回路は直流を交流に変換する回路である。S1 と S4、S2 と S3 を組み合 わせと考えた場合、S1 と S4 のスイッチが ON、S2 と S3 のスイッチが OFF のとき、 S1→負荷→S4(負荷の左から右へ)の順に電流が流れる。出力電圧を e、起電圧を E とすると e = E が得られる。一方、S1 と S4 のスイッチが OFF、S2 と S3 のスイッ チが ON のときは S2→負荷→S3(負荷の右側から左側へ)の順に電流が流れ、e = − E が得られる。これを繰り返すことによって正と負の電流が得られ、交流を得ること ができる。 図 2-2 インバータ回路の原理図 -8- 2.3 制御用定電圧電源回路の原理 直流安定化電源にはドロッパ・レギュレータとスイッチング・レギュレータの二つ の種類がある。ドロッパ方式には、シリーズレギュレータやシャント・レギュレータ が属している。電圧精度(安定度)を要求されるものや、小さな電力を扱うものに用 いられる。直流出力電圧に含まれるリプルも小さく、電気的なノイズの発生量が非常 に少ないため、安定度の高い電源を構成できる。ただし、ドロッパ・レギュレータは、 入力電源である整流電圧と出力電圧の差分を、制御用トランジスタが背負い、出力電 流がそのまま制御トランジスタのコレクタ電流として流れる。出力電圧の大きいもの を作ろうとすると、大きな電力損失が発生するため、発熱により使用許容温度を超え ないように、大きな面積の放熱器が必要になる。 スイッチング・レギュレータ方式では、70%以上の変換効率が得られるため、放熱 に要する面積が少なくてすむ。また、電源トランスは動作周波数が低いものほど大き くする必要がある。商用電源 50/60Hz を変換する場合、ドロッパ・レギュレータ方 式では、重い大きな物となる。スイッチング・レギュレータは、動作周波数を数十 kHz 以上にすることが容易にできるためトランスは軽くて小型のものですむ。また、 ドロッパ・レギュレータでは、商用電源のトランスによって、いったん電圧を下げて から整流する必要があるため整流ダイオードの損失も多く、平滑コンデンサも大型に なる。スイッチング・レギュレータは動作周波数が大きいため平滑コンデンサも小型 のものでよい。それに加え、AC100V を直接整流した直流を入力源とするため整流ダ イオードの損失を低減することができる。しかし、回路構成や動作が複雑な上に、大 きなノイズが発生するが、近年 IC による回路の集積化が進み、複雑な機能を必要と する回路が容易にできるようになった。 以上のことより本研究では、スイッチング・レギュレータ方式を採用することにし た。スイッチング・レギュレータには、チョッパ方式とコンバータ方式、DC-DC コ ンバータ方式がある。本研究では DC131V を DC12V に変換し、各素子に供給するこ とを目的としているため DC-DC コンバータ方式を用いる。 -9- 第3章 3.1 MOSFET 駆動用電源回路 MOSFET 駆動用電源回路の比較 本研究は、インバータ回路の低コスト化を目的としている。インバータ回路は動作 原理上、高圧側の GND を浮かす必要がある。図 3.1-1 に岡林氏が作製した MOSFET 駆動用電源回路と本研究で作製した MOSFET 駆動用電源回路の比較を示す。岡林氏 の作製したインバータ回路では、アダプターを使用し、直流電圧 131V を直流 12V 一 定に変換し、市販されている DC-DC コンバータ(OEJ-05SC-0512)で入力と出力電 圧を絶縁し各駆動回路に供給している。本研究では、トランスレス電源 IC FSD210B (フェアチャイルド社製)を用い、AC アダプター、DC-DC コンバータを使用せずに、 直流電圧 131V を直流 12V に変換する回路を作製した。FSD210B を用いた MOSFET 駆動用電源回路の GND は、インバータ回路の高圧側の GND と共通であるため絶縁 の必要がない。また、回路は自励発電をする電源である。インバータ回路の S1 が ON のとき S1 にかかる電圧は 0V となるが、S1 が OFF のときにコンデンサに蓄えた電 荷によって MOSFET 駆動用電源回路は動作し、ダイオードを用いて電流が逆流する のを防いでいる。 図 3.1-1 MOSFET 駆動回路の比較 - 10 - 3.2 FSD210B について FSD210B は、統合された Pulse Width Modulator(PWM:パルス幅変調器)及び Sense FET で構成されており、特に最小限の外部部品を用いた高性能オフライン Switch Mode Power Supplies(SMPS:スイッチモード電源)のために設計されている。 両方のデバイスは統合された高電圧電源スイッチレギュレータであり、このレギュレ ータは avalanche rugged Sense FET と電流モード PWM 制御ブロックを結合してい る。統合された PWM 制御器は、次のような特徴をもっている。 ・削減された EMI のための、周波数変調を用いた固定された発信器 ・Under Voltage Lock Out(UVLO)保護 ・Leading Edge Blanking(LEB) ・最適化されたゲート ON/OFF ドライバー ・Thermal Shut Down(TSD)保護 ・ループ補正と欠点保護回路のための、温度補正済みの精密な電流源という特徴を 持っている。 個々の MOSFET およびコントローラー、または RCD スイッチングコンバータソリ ューションと比較したとき、FSD210B デバイスはトータルの部品数や設計サイズ、 重さが削減され、一方で効率性や生産性、システムの信頼性が増える。両方のデバイ スは、コスト効率の良いフライバックコンバータの設計によく適している基本的なプ ラットフォームを提供している。FSD210B の内部ブロック図を 3.2-1 に示し、各々 のピンの機能説明を図 3.2-2 に示す。 図 3.2-1 内部ブロック図 - 11 - ピンの番号 ピンの名前 ピン機能説明 1 ,2 ,3 GND 内部のグランドと一次側にある Sense FET のソー ス端子。 4 Vfb Feedback voltage pin は、PWM comparator への 反転入力であり、この入力電圧値は普通 0.5V から 2.5V の間である。これは、0.25mA の電流源を内部 に接続するが、一方でコンデンサーとオプトカプラ ーは通常外部に接続されている。4.5V の feedback 電圧は over load protection(OLP:過負荷保護)を引 き起こす。内部の 5μA 電流源を使って外部のキャ パシタ Cfb を 3V から 4.5V まで充電する間の遅延 時間がある。この時間遅れは、過渡条件において誤 ってトリガすることを防ぎますが、保護メカニズム が正しい過負荷条件において動作することを可能 にする。 5 Vcc ポジティブな供給電圧入力である。補助変圧巻き線 に接続されているが、電流はスタートアップ中に内 部スイッチによってピン 8(Vstr)から供給される。 (Internal Block Diagram 参照)Vcc が UVLO 上のし きい値(8.7V)に達すると、内部のセットアップスイ ッチは開き、デバイス電源は補助変圧器巻き線を使 って供給する。 7 Drain ドレインピンは主な変圧器の主なリードに直接接 続されるように設計されており、7DIP では最大で 700V まで、7LSOP では 670V までスイッチングす ることができる。変圧器にこれらのピンを接続して いるトレースの長さを最小化すると、漏れインダク タンスを減少させることができる。 8 Vstr 8 ピンは、FSD200B と FSD210B のために修正さ れた AC ライン電圧源に直接接続する。FSD210B はでは、スタートアップで内部のスイッチは内部バ イアスを供給し、Vcc ピンとグランドの間にある外 部ストレージキャパシタを充電する。一度 Vcc が 8.7V に到達すると、内部スイッチは開く。 図 3.2-2 FSD210B の各ピンの機能説明 - 12 - 3.3 MOSFET 駆動用電源回路の作製 図 3.3-2 に FSD210B を用いた MOSFET 駆動用電源回路の回路図を示し、図 3.3-3 に FSD210B を用いた MOSFET 駆動用電源回路の出力表を示す。本研究で作製する 回路構成図を図 3.3-1 に示す。自転車発電機→整流回路→定電圧回路→インバータ回 路→負荷というように構成されている。MOSFET 駆動用電源回路は、定電圧回路に 2 つ、インバータ回路に 2 つ使用されている。定電圧回路は、自転車発電機から得た 電圧を整流した電圧を直接入力として使用している。小学生が自転車をこいだときの 平均電力は 100W、大人の男性の平均が 250W である。図 3.3-3 から、MOSFET 駆 動用電源回路の入力は直流 120V から 375V である。小学生がこいだ時に正常に定電 圧インバータ回路が動作するのか危惧される。 図 3.3-1 本研究で作製する回路構成図 図 3.3-2 FSD210B を用いた MOSFET 駆動用電源回路の回路図 - 13 - 表 3.3-3 FSD210B を用いた MOSFET 駆動用電源回路の入出力表 用途 出力 入力電圧 出力電圧 1.2W DC120~375V 12V(100mA) 3.4 MOSFET 駆動用電源回路の動作確認 FSD210B を用いた MOSFET 駆動用電源回路の入力部に電源(TPO360-022D)を つなぎ、出力部にデジタルマルチメーター(PC20)をつなぎ測定した。データシー トを参照し入力電圧を 0~360V とした。図 3.3-1 に入力電圧と出力電圧の変化を示す。 入力電圧が 18V 付近で動作が始まり、45V 付近で電圧が 12.5V で一定になった。図 3.3-1 からわかるように 45V∼360V で電圧が一定になっている。出力電圧が 12V で はなく、12.5V で一定になった。 20 Vout(V) 15 10 5 0 100 図 3.4-1 200 Vin(V) 300 400 入力電圧と出力電圧の変化 3.5 考察 出力電圧が 12V ではなく、12.5V で一定になったのはツェナーダイオードの特性及 び抵抗の表示値と実際の値とに誤差があるためだと考えられる。 3.6 まとめ MOSFET 駆動用電源回路を作製し、直流入力電圧 45V から 360V において、出力 電圧が直流 12.5V 一定で得られることができた。 - 14 - 第4章 インバータ回路の作製 4.1 作製するインバータ 本研究で作製するインバータ回路図を図 4.1 に示す。動作原理は 2.2 節で説明した とおりである。スイッチング素子には MOSFET(ルネサンステクノロジ社 2SK3234) を用いる。S1 と S4、S2 と S3 を組として、これらをスイッチングするための発振回 路を作製する。S3 と S4 の MOSFET のソースはインバータ回路の GND に接続され ているが、S1 と S2 の GND は浮いた状態である。このため岡林氏が作製した電源で は、電源・ゲート入力パルス共に入出力間を絶縁する必要がある。電源は第 3 章で述 べた MOSFET 駆動用電源回路を作製することにより絶縁が必要なくなった。ゲート 入力パルスの絶縁には発光素子と受光素子を結合し、一つのパッケージ化した光複合 素子のフォトカプラ(NEC 社 PS2501-1)を使用する。市販されている自動車用イン バータ回路を参考にし、電圧 131[V]・周波数 60[Hz]・Duty30%の擬似正弦波の交流 波形を発生させることを目標にする。電圧は定電圧回路で一定にし、周波数と Duty はゲート入力パルスによって制御する。 図 4.1 作製するインバータ回路の回路図 - 15 - 4.2 MOSFET の静特性 MOSFET の動作原理は 2.1 節で述べたとおりである。本研究で用いる MOSFET はルネサンステクノロジ社 2SK3234 を使用した。最大定格と特徴、パルススイッチ 測定回路をそれぞれ表 4.2-1、図 4.2-2 に示す。表 4.2-1 に示すとおり MOSFET は耐 圧が高いのが特徴である。MOSFET のゲート部にパルスが入力され、駆動電圧に達 すると MOSFET が駆動しドレイン・ソース間に電流が流れる。MOSFET が駆動し た際に、電源電圧が一時下がるため、実験では電源と並列にコンデンサを接続した。 電源電圧が下がるのは MOSFET の駆動時にドレイン・ソース間に大電流が流れるた めである。ゲート部への入力パルスは、2SK3234 のデータシートを参考にし、周波 数 100[Hz]、Duty0.1%、電圧 4∼6[V]とした。ドレイン側から電圧を変化させたと きの Vgs-Ids 特性(ゲート・ソース間電圧対ドレイン・ソース間電流特性)、Vds-Ids(ド レイン・ソース間電圧対ドレイン・ソース間電流特性)の測定を行った。測定にはオ シロスコープ(IWATSU DS-5102)を使用し、電源部の電圧を CH1、ドレイン・ソ ース間電圧を CH2 とし、モニターからの波形を読み取り電圧・電流を計算した。実 験機器の詳細を表 4.2-3 に、測定結果をそれぞれ図 4.2-4、4.2-5 に示す。図 4.2-4 よ り MOSFET はゲートパルス電圧が 4[V]付近から駆動することがわかった。ドレイ ン・ソース間電圧を 10V・30V で一定にし、測定を行った。ドレイン電圧を 10V 一 定にしたとき、ゲート電圧が 3.5V 程度からドレイン電流が流れ始め、5.5V からは定 格を超える電流が流れるため測定が出来なくなった。30V 一定にした場合は、ドレイ ン電流が流れ始めたときは 10Vの時とあまり変わらなかったが、立ち上がっていく ときには、10V のときに比べて電流が多く流れる。 図 4.2-5 は、ゲート電圧を一定にして電源の電圧を増加させたときのドレイン・ソー ス間にかかる電圧・電流の関係を示している。このグラフはゲート入力するパルスの 電圧を 4.5V・5V の 2 通り測定したものである。グラフの下の点はゲート電圧を 4.5V 一定にし、ドレイン電圧をかけたグラフで、7V 辺りから電圧を高くかけていっても ドレイン電流が 1.3A で一定になるというデータである。もう一つのデータはゲート 電圧を 5V で一定にしたグラフである。 表 4.2-1 MOSFET 2SK3234 の最大定格 Vds(ドレイン・ソース間電圧) 500[V] Id(ドレイン電流) Tc = 25℃ Vgs(ゲート・ソース間電圧) 8[A] ±30[V] Pd(全損失) 35[W] - 16 - V2 V1 1Ω 1000μF D G S (ソース接地型) 図 4.2-2 MOSFET 測定回路 表 4.2-3 実験機器詳細 電源 KX-100H 0~160[V] / 0~2.5[A] / 100[W] 発信器 nF DIGITAL FUNCTION GENERATOR DF1905 0.1[mHz]~500[kHz] オシロスコープ IWATSU MOSFET ルネサンステクノロジ社 DIGITAL OSCILLDSCOPP DS-5102 2SK3234 10[W]・1[Ω] 抵抗 1000[μF] / 200[V] コンデンサ 図 4.2-4 Vgs-Ids 特性 図 4.2-5 Vds-Ids 特性 - 17 - 4.3 制御用発振回路の作製 4.3-1 タイマ IC555 を用いた発振回路 タイマ IC555 はコンパレータ 2 つと抵抗分圧回路、RS(セット・リセット)保持 回路、容量放電用トランジスタ、インバータ論理回路を 1 つずつ内蔵した IC であり、 これらを利用して発振回路・タイマー・パルス発生回路などの多種多様な機能を構成 する。4 ピン・リセット入力がゼロのときは他の条件と無関係に 3 ピン・出力電圧は”L”、 7 ピン・トランジスタは ON(導通状態)となるので 4 ピン入力は常時 Vc にしてお く。6 ピン・Threshold 電圧が 2/3Vc(本研究では 8V)以上になるとコンパレータ A は反転して R-S-FF をリセットし、トランジスタが ON、3 ピン出力は”L”となる。2 ピン・トリガ入力が 1/3Vc(4V)以下になればコンパレータ B が反転して R-S-FF は セットされ、トランジスタは OFF、3 ピン出力は”H”(Vc)となる。また、5 ピンに外 部から制御電圧を加えれば A・B コンパレータの反転する電圧を可変することも可能 である。 タイマ IC555 の機能として、無安定マルチバイブレータ回路と単安定(ワンショッ ト)マルチバイブレータ回路があり、本研究では MOS トランジスタのゲート部へ入 力するパルスを発生させるための発振回路として利用した。タイマ IC555 は NE555 を使用した。 図 4.3-1 ブロック図およびピン配置図 - 18 - 4.3-2 無安定マルチバイブレータ回路 無安定マルチバイブレータ回路を図 4.3-2-2 に示す。タイマ IC555 と外付けの抵抗 2 つ、コンデンサ 1 つを用いる。コンデンサ C は抵抗 Ra、Rb 経由で充電されコンデ ンサ間電圧を Ec としたとき、Ec は Rb 経由で放電する。Ec<1/3Vc(本研究では 4V 以下)で再びコンデンサ C は充電され、この繰り返しとなり回路は発振する。 無安定マルチバイブレータ回路における周波数・Duty 等の算出式を表 4.3-2-1 に示す。 当初は発振回路 1 つで周波数 60[Hz]・Duty50%の MOS ゲート部入力パルスを発生 させる予定であったが表 4.3-2-1 に示すように無安定マルチバイブレータ回路では Duty は理論的に 50%以下にならない。そのため従来は無安定マルチバイブレータ回 路で発生させたパルスを単安定(ワンショット)マルチバイブレータ回路のトリガ入 力パルスとして使用していた。本研究では 5 ピン・制御用電圧端末(control)に信号 をかけることにより出力パルス幅を変調させる。4.6 節で詳しく述べる。 周波数 60[Hz]・Duty90%を発生させ、制御用電圧端末(control)に信号をかけて Duty50%にする。算出式から抵抗 Ra は 20[kΩ]、Rb は 2[kΩ]、コンデンサ C は 1[μ F]とした。 電源電圧の値を 10[V]として発振させ、無安定マルチバイブレータ回路の出力端子を オシロスコープ(IWATSU DS-5102)で測定した。多少の誤差が生じたのは抵抗値及び コンデンサの表示値と実際の値との誤差であるためだと考えられる。 表 4.3-2-1 無安定マルチバイブレータ回路の各値の算出式 充電時間 T1=0.693(Ra + 放電時間 T2=0.693RbC 発振周期 T=T1 + T2=0.693(Ra+2Rb)C 発振周波数 f = 1 / T = 1.443 / {(Ra+2Rb)C} Duty Rb)C D=T2 / (T1+T2)=(Ra+Rb) / (Ra+2Rb) - 19 - 図 4.3-2-2 無安定マルチバイブレータ回路 4.3-3 単安定(ワンショット)マルチバイブレータ回路 単安定マルチバイブレータ回路を図 4.3-3 に示す。単安定マルチバイブレータ回路 には外付けの抵抗とコンデンサをそれぞれ 1 つ使用し、2 ピン・トリガ端子にパルス を入力して動作させる。トリガ端子・2 ピンに 1/3Vc(4V)以下の負方向のトリガ・ パルスが加えられると、3 ピン出力は Vc に反転、7 ピンのトランジスタが OFF にな るので C は Ra 経由で充電され始める。やがて Th 時間が経過してコンデンサ間電圧 Ec(6 ピン電圧)が 2/3Vc(8V)に達すると 3 ピン出力は”L”に戻り、同時に 7 ピン のトランジスタが ON になって C は完全に放電される。単安定マルチバイブレータ 回路の出力パルス幅は負のトリガ・パルスが入力されてから Th 時間の間であり、Th =1.1RaC で算出することができる。 図 4.3-3 単安定マルチバイブレータ回路 - 20 - 4.4 比較回路 比較回路は、コンパレータとも呼ばれている。基準電圧に対して入力信号が(アナ ログ)の電圧が高いか低いかを比較して、結果を”H”か”L”でのデジタル値で出力する 回路である。 本研究では、MOSFET のソース部からの電圧値をコンパレータ回路にフィードバ ックし、基準電圧と比較、ソース部からの電圧が一定値に達していない場合に”H”を 出力するように動作させる。コンパレータの−端子は GND に接続する。コンパレー タは National Semiconductor 社の LM339 を使用した。コンパレータの回路図を図 4.4-1 に示す。電源 V1 はコンパレータへの電源供給のため 10[V]一定とし、V2 の電 圧を MOSFET のソース部からのフィードバック電圧と仮定して、V2 の電圧を変化 させたときのコンパレータの出力をオシロスコープ(IWATSU DS-5102)で測定した。 R1:R2=1:10 として電圧を分圧し、V2 の電圧が 100[V]でコンパレータ output がトラ ンジスタのコレクタ部分であるため電流を流す必要がある。電源と出力端子間に抵抗 R3 を接続している。100[V]付近でコンパレータの出力が”L”になることを確認した。 図 4.4-1 コンパレータの回路図 - 21 - 4.5 Duty 制御 NE555 をタイマ無安定動作モードに接続し、制御電圧端子(control)に変調信号 をかけることにより、Duty を制御する。制御電圧端子に変調信号をかけることによ りスレッショルド電圧、遅延時間が変動することによりパルス幅が変動する。図 4.5-1 は制御用電圧端子に入力した信号電圧によって Duty が制御できる様子を示したもの である。 図 4.5-1 電圧による Duty 制御 図 4.5-1 からわかるように制御電圧端子に入力する信号を変化させてやることで Duty が変化していることが確認できた。Duty を 50%にするためには図 4.5-1 から、 約 5V を制御電圧端子に入力する必要であることがわかった。 4.6 発振回路の動作確認 発振回路の配線図を図 4.6-1 に示す。タイマ IC555 を用いた無安定マルチバイブレ ータ回路を Duty 制御し、周波数 60Hz・Duty50%のパルスを発生させ二つのコンパ レータの+・−端子にそれぞれパルスを入力し、非反転・反転したパルスを出力させ る。 非反転・反転したパルスを単安定マルチバイブレータ回路に入力し、周波数 60[H z] ・Duty30%のパルスを発生させ、プッシュプル回路で電流を増幅させる。それぞ れのパルスを S3・S4、フォトカプラに入力する。フォトカプラに入力するのは、パ ルスを絶縁する必要があるためである。S1・S2 に入力するパルス波形を図 4.6-2 に - 22 - 示す。図 4.6-2 より、無安定マルチバイブレータ回路で周波数 60[Hz]・Duty50%の パルスを発生させ、コンパレータで非反転・反転していることを確認できた。S3、 S4 に入力するパルス波形を図 4.6-3 に示す。無安定マルチバイブレータ回路で周波数 60[Hz]・Duty50%のパルスを発生させ、コンパレータで非反転・反転したパルスを 単安定マルチバイブレータ回路 2 つ用いてパルス幅を 5[ms]に変化させる。図より 5[ms]に変化していることを確認できた。また、図 5.6-4 より S1:S4、S2:S3 と対 応したパルスが出力されていることを確認できた。 12V 20kΩ 10kΩ 22kΩ 1 8 2 7 3 6 4 5 0.1μ F 10kΩ 0.1μF 1kΩ 8.2kΩ 12V 12V 20kΩ 3.3kΩ 12V 12V − 1nF 10kΩ BZX 85C 10kΩ 12V 12V 1 8 13.2kΩ 2 7 1kΩ 3 6 1kΩ + 20kΩ 0.1μF 4 12V 12V 1kΩ BZX 85C 5 0.1μF 1 8 2 7 3 6 4 5 38.1kΩ 1kΩ 0.1μF 0.1μF 1nF 12V 12V 12V 12V 出力 12V 12V 12V 12V 0.1μΩ 20kΩ − + 10kΩ 20kΩ 10kΩ 3.3k Ω 1kΩ 10nF BZX 85C 1 8 2 7 3 6 4 5 0.1μF 1kΩ 13.2kΩ 1kΩ BZX 85C 1 8 2 7 3 6 4 5 0.1μF 3.3μF 10nF 出力 図 4.6-1 発振回路の配線図 - 23 - 13.9kΩ 1kΩ 図 4.6-2 非反転・反転パルス(S1 と S2 側) 図 4.6-3 5[ms]パルス(S3 と S4 側) 図 4.6-4 S1:S3 に入力するパルス - 24 - 4.7 インバータ回路の動作確認 インバータの駆動回路を図 4.7-1 に示す。上側が高圧側(S1・S2)、下側が GND 側 (S3・S4)の駆動回路である。今回の目的である低コスト化及び外見を重視したた め、S1 と S3、S2 と S4 を一枚の基板上に組むこととした。4.6 節で述べた発振回路 とインバータ駆動回路を接続し、インバータ回路の動作確認をおこなった。 電源(KX-100H)を発振回路とインバータ駆動回路に接続し、オシロスコープ (IWATSU DS-5102)で高圧側(S1・S2)のフォトカプラ、GND 側のゲート部(S3・ S4)のパルス波形を測定した。測定の結果、高圧側に入力されるパルスが正常に入力 されていなかった。順々に回路を測定していくと、発振回路が正常に動作していない ことがわかった。これは、電流が足りないのが原因であると考えられた。そこで図 4.7-2 のように回路を変更した。図 4.7-1 では、入力パルスと GND を直接フォトカプ ラに入力していたが、電流を補うために図 4.7-2 のようにトランジスタの電流増幅作 用を用い、電流を補うことにした。再度、電源(KX-100H)を発振回路とインバー タ駆動回路に接続し、オシロスコープで確認すると 4.6 節で確認したパルスがインバ ータ駆動回路に入力されているのを確認できた。 イ ン バ ー タ が 正 常 に 動 作 し て い る こ と を 確 認 で き た た め 、 負 荷 部 分 に TV (Panasonic TH-14R1)を接続し動作確認をしたところ、電圧を 100[V]かけた辺り で図 4.7-3 のように TV が正常に動作した。 図 4.7-1 インバータ駆動回路 1 - 25 - 図 4.7-2 インバータ駆動回路の配線図 2 図 4.7-3 TV がついた際の写真 - 26 - 4.8 考察 岡林拓哉氏が試作したインバータ回路が約 15000 円だったのに対し、本研究で試作 した定電圧インバータ回路は 13474 円だった。図 4.8 に本研究で試作した定電圧イン バータ回路のコストを示している。定電圧インバータ回路のコストを削減することは できた。しかし、当初の予定では、DC-DC コンバータ(2000 円×3)・AC アダプタ ー(600 円) ・箱(2000 円)を使用しないので 1 万円以内に抑える計画であった。本 研究で試作した定電圧回路が岡林氏が試作した定電圧回路に比べ複雑になり、コスト が膨らむ結果となった。 素子名 価格(円) 個数(個) 合計(円) 箱 2000 1 2000 スペンサー 3 24 72 基板(大)ICB-93W 600 3 1800 300 3 900 (中)ICB-93S 2605 円 電源(5 セット) FSD210B 50 5 250 IC ソケット(8P) 10 5 50 セラミックコンデンサ(47μF/50V)KMG 20 5 100 (10μF/400V)SMG 132 5 660 (47μF/50V)SMG 57 5 285 (1000μF/16V)SME 147 5 735 電界コンデンサ 炭素皮膜抵抗 1/4W 1 25 25 トランジスタ 2SC1815 3 5 15 32 5 160 ダイオード (UF4004) 30 10 300 ツェナーダイオード(BZX85C) 5 5 25 コイル 1mH 100mA 1266 円 インバータ駆動回路(2 セット) MOSFET 2SK3234 200 4 800 1 16 16 積層セラミックコンデンサ (1μ/50V) 20 4 80 2SC1815 10 4 40 2SA1015 10 6 60 炭素皮膜抵抗 トランジスタ 1/4W - 27 - ダイオード SM-1A-04 6 4 24 整流ダイオード RL2Z 32 4 128 基板対基板接続コネクタ(5PS) 2 4 8 55 2 110 価格(円) 個数(個) 合計(円) フォトカプラ PS2501-1 素子名 発振回路 IC555 682 円 LMC555CN 20 4 80 NE555N 20 1 20 LM339N 17 1 17 IC ソケット(8P・16P) 10 6 60 1/4W 1 25 25 ツェナーダイオード (BZX85C) 5 4 20 可変抵抗 30 6 180 セラミックコンデンサ 0.1μF/50V 20 9 180 1nF/50V 20 2 40 10nF/50V 20 2 40 0.33μF/50V 20 1 20 コンパレータ 炭素皮膜抵抗 3717 円 降圧・昇圧チョッパー ☆フィルムコンデンサ(指月製作所) 800 3 2400 コイル SUMITO VW-1 800T 200 3 600 ダイオード RZ2Z 32 3 96 1 2 2 MOSFET 2SK3234 200 1 200 ヒートシンク 100 1 100 2SC1815 3 2 6 2SA1015 3 1 3 ダイオード SM-1A-04 6 2 12 IC555 LMC555CM 20 1 20 IC ソケット(8P) 10 1 10 20 1 20 10nF/50V 20 1 20 1nF/50V 20 1 20 0.1μF/50V 20 2 40 炭素皮膜抵抗 トランジスタ 1/4W 積層セラミックコンデンサ セラミックコンデンサ 1μF/50V - 28 - 1/4W 1 28 28 ダイオード UF4004 23 1 23 可変抵抗 30 1 30 ☆コンデンサ(KC103P) 100 1 100 10 1 10 炭素皮膜抵抗 トランジスタ TL431 432 円 昇圧チョッパー MOSFET 2SK3192 200 1 200 ヒートシンク 100 1 100 IC555 LMC555CN 20 1 20 ダイオード SM-1A-04 6 2 12 IC ソケット(8P) 10 1 10 20 1 20 2SC1815 3 1 3 2SA1015 3 1 3 1/4W 1 4 4 0.1μF/50V 20 2 40 1nF/50V 20 1 20 積層セラミックコンデンサ トランジスタ 炭素皮膜抵抗 セラミックコンデンサ 1μF/50V 13474 円 合計 図 4.8 定電圧インバータ回路のコスト 4.9 まとめ インバータ回路の作製を行い、電源(KX-100H)→定電圧回路→インバータ回路 →負荷(TV)の順で接続して TV をつけることに成功した。 - 29 - 第6章 まとめ ・制御用定電圧電源回路が 12.5V 一定で動作することを確認できた。 ・周波数 60[Hz] Duty30%に制御するインバータを作成し、動作を確認した。 ・電源(KX-100H)、定電圧回路、インバータ回路を用いて負荷に TV を接続し、TV をつけることに成功した。 ・小中高生・一般の方々に、エネルギーを作ることの大変さ、省エネルギーの大切さ を伝えることができた。 - 30 - 謝辞 本研究を進めるにあたり、丁寧なご指導をご教示いただきました高知工科大学 電 子・光システム工学科 八田章光教授に感謝の意を表します。 高知工科大学 電子・光システム工学科在学中にご指導いただきました成沢忠学科 長をはじめ電子・光システム工学科教員に心から感謝の意を表します。 本研究を進めるにあたり、研究に協力いただきました電子・光システム工学科 学 部 3 年生 鍵山氏、宇野氏、上甲氏、左海氏、溝渕氏、村上氏に感謝の意を表します。 最後になりましたが、研究を続けるにあたり陰ながら支えてくださった家族・友人 に、この場をお借りし心からお礼申し上げます。 - 31 - 参考文献 (1)資源エネルギー庁のエネルギー白書 2007 (2) 「パワーエレクトロニクス」 江間敏・高橋勲 (3)「アナログ IC の基礎」 白土義男 (4)「実用電源回路 著 設計ハンドブック」 - 32 - 著 コロナ社 東京電機大学出版社 戸川治朗 著 CQ 出版社 付録 エネルギー環境教育実施報告書 報告者 学籍番号 1080294 氏名 林 晃平 高知工科大学 電子・光システム工学科 平成 20 年 2 月 19 日 エネルギー環境教育での活用 私たちは学校教育の場を通じてエネルギーと地球環境に関する諸問題を科学的に正 しく理解する能力を身につけた次世代を育てるためのエネルギー科学教育を行って きた。理科の定義からエネルギーのことを定量的に理解するには高校物理程度の知識 が必要になり、小学校の理科の学習だけではエネルギーのことを定量的に理解するの は難しい。そこで、私たちが行う出前授業では 考える 体験する 楽しむ とい うことをキーワードに、学生を中心とした実験サポーターが学校の授業やエネルギー 教育のイベントを支援する出前授業として活用してきた。付録では自転車発電機など のエネルギー科学教育教材を用いて行ったエネルギー環境教育の内容と成果につい て述べる。2007 年 1 月∼2008 年 2 月までに行った出前授業・イベントなどを以下に 示す。 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2007 年1月 21 日(日)大篠小学校 ☆エネルギーフェスティバル(自転車発電機) 2007 年 1 月 31 日(水)大篠小学校 ☆出前授業(暗闇体験、鉄道模型、燃料電池) 2007 年 2 月 3 日(土) ・4 日(日)イオン高知 子供サミット 2006(自転車発電機) 2007 年 2 月 23 日(日)エネ博 2007 in 四国(サンメッセ香川) 2007 年 2 月 26 日(月)岸本小学校 ☆出前授業 (暗闇体験、鉄道模型、燃料電池自動車、自転車発電機) 2007 年 3 月 24(土)・25 日(日) 「エネルギー教育フェア 2007(東京)」 ・自転車発電機展示 2007 年 5 月 21 日(月) 「津野町立中央小学校」 ☆出前授業 3・4 年生対象 約 30 人 ・暗闇体験・携帯充電器で発電・鉄道模型・自転車発電機 2007 年 6 月 24 日(日) 「香南市立野市小学校」 ☆エネルギー教育フェスティバル 3∼6 年生対象 約 20 人 ・携帯充電器で発電・鉄道模型・自転車発電機 2007 年 6 月 28 日(木) 「高知県立小津高等学校」 ☆出前授業 ・高校 2 年生対象 約 40 人 ・携帯発電機・自転車発電機 2007 年 7 月 7 日(土) 「サイエンスカフェ」 ・エネルギー環境に関する講演(八田) 高知県在住の方対象 約 30 人 ・自転車発電機展示 2007 年 7 月 30 日(月) 「高松市内中学校理科教員研修会」 ・エネルギー環境に関する講演(八田) 中学校理科教員対象 ・携帯発電機・鉄道模型・自転車発電機 2 ○ 2007 年 8 月 7(火)・8(水)・9 日(木) 「日本エネルギー環境教育学会」 ○ 2007 年 8 月 28 日(火) 「平成 19 年度 地域拠点大学・エネルギー教育実践校交流会」 ○ 2007 年 9 月 7 日(金) 「香南市立野市小学校」 ☆出前授業 ・小学 6 年生対象 3 クラス 104 人 ・暗闇体験・携帯発電機・鉄道模型・自転車発電機 ○ 2007 年 9 月 25 日(火) 「八幡浜市立青石中学校」☆出前授業 ・中学 3 年生対象 2 クラス約 50 人 ・携帯発電機・鉄道模型・自転車発電機 ○ 2007 年 9 月 29 日(土) 「イオン チアーズクラブ」 ・高知県市内親子対象 25 人 ・携帯発電機・鉄道模型・自転車発電機 ○ 2007 年 7 月 22 日(日)/8 月 25 日(土) ・26 日(日) 「オープンキャンパス」 ・自転車発電機展示 ○ 2007 年 10 月 25 日(木) 「金沢工業高等専門学校教授来校」 ○ 2007 年 11 月 2 日(金) 「南国市立大篠小学校」 ☆出前授業 ・小学 4 年生対象 4 クラス約 120 人 ・地球温暖化(ヒーローは誰だ:八田)・ろうそく(暗室)・携帯発電機 ・鉄道模型・自転車発電機・燃料電池模型 ○ 2007 年 11 月 7 日(水) 「香南市立岸本小学校」 ☆出前授業 ・携帯発電機・鉄道模型・自転車発電機・燃料電池模型 ○ 2007 年 11 月 16 日(金) 「香南市立夜須小学校」 ☆エネルギー環境フェスティバル 18 人 ・携帯発電機・鉄道模型・自転車発電機・燃料電池模型 ○ 2007 年 11 月 20 日(火) 「香美市立舟入小学校」 ☆エネルギー環境フェスティバル 15 人 ・携帯発電機・鉄道模型・自転車発電機・燃料電池模型 ○ 2007 年 11 月 27 日(火) 「津野町立中央小学校」 ☆エネルギーフェスティバル ・ろうそく(暗室)・携帯発電機・鉄道模型・自転車発電機・燃料電池模型 ○ 2007 年 12 月 1(土) ・2 日(日) 「高知東海岸 海・山なんでも新鮮市 07」 ・携帯発電機・鉄道模型・自転車発電機 ○ 2007 年 12 月 15 日(土) 「子供サミット 2007」 ・カルポート ・自転車発電機展示 ○ 2008 年 1 月 20 日(日) 「安芸市 エネルギー環境に関するイベント」 ○ 2008 年 2 月 2 日(土)・3 日(日) エネ博 2008 in 徳島 3 表 1.1 小学校でのエネルギー出前授業 テーマ ・定量的に電気エネルギーを体感してもらう。 ・エネルギーの大切さ、作ることの大変さを理解してもらう。 ・省エネに取り組んでもらう。 授業内容 (1)暗闇体験 ・部屋の電気をすべて消し、各机のロウソクに火を点ける。点けた 後、ロウソクを一本ずつ消していき電気のなかった次代の暗闇を体 験してもらう。 (2) 携 帯 発 電 機 (ドルフィンパ ワー)で発電・ 鉄道模型 ・暗闇の中で携帯発電機を用いて LED を光らせる。LED を光らせ るにはどれだけの力が必要であるのかを体験してもらい、そのとき の発電量も理解してもらう。携帯発電機の電力は 0.5W。それを人 数分かけて何ワットになるかを小学生に計算してもらう(例、0.5W ×40 人=20W) ・その後、携帯発電機を用いて 4 人 1 組で鉄道模型を 2 周走らせて もらい、2 周の時間を測定する。走らせ終えてから合計の時間×発 電量(1 台 0.5W)を計算し、蛍光灯の消費電力(1 本約 40W)と 比較して日頃消費している電力の大きさを理解してもらう。苦労し て携帯発電機で作った電気ではテレビを動かすことができないこ とを理解してもらう(TV =約 100W) (3)電化製品の消 身近な家電製品がどれだけの消費電力が必要であるかをクイズ形 費電力 式で理解してもらう。 (4)自転車発電機 自転車発電機を使って日頃消費している電力量(100W 程度)を発 電してもらう。測定時間を 30 秒(限界)と設定した。CM 一本 15 秒なので CM2 本分であることを伝える。発電量測定表示ソフトを 用いて発電量を表示する。小学生の平均が約 100W であり、発電し た電力と TV の消費電力(100W)を比較して 100W×発電時間し か TV が見ることができないことを説明し、発電の大変さや電気の 大切さを理解してもらう。 (5)TV をつける 自転車発電機に定電圧インバータ回路を接続して、TV を動かす。 実際に身近な家電製品を動かすことができるようになり、電気を定 量的に理解しやすくなった。 (6)水素燃料電池 水素燃料電池の原理を簡単に説明し、携帯発電機を用いて手動発電 の模型 で 10 人 1 組に分かれて電気分解してもらう。電気分解には多くの 労力が必要であるため、交代しながら約 10 分近く発電してもらう。 電気分解で水素を作ってもらった後、実際に模型を動かす。 (7) 節 電 や 省 エ ・地球温暖化などの社会的問題をクイズ形式で説明していき、今自 ネ・まとめにつ 分たちができることをみんなで話し合ってもらい、省エネに取り組 いて む必要があることを自分たちで気がつくように話をもっていく。 ・授業の内容と実験とが一連の流れで結びつくように話をする。 4 2007 年 1 月∼2007 年 12 月までの約一年間で私たちは 8 校計 13 回のエネルギー科学 教育を出前授業という形で実施してきた。授業内容については基本的に、表 1.1 に沿 って行った。しかし、時間や人数の関係、小学校からの要望などを取り入れ、毎回ベ ストの授業内容になるように試行錯誤した。また、授業内容(6)については、定電圧イ ンバータ回路が 3 月の末に完成したものの、7 月上旬に故障し、2008 年 2 月上旬ま で直らなかったため、授業で使用したのは 5 月 21 日に津野町立津野中央小学校で行 われた出前授業一回のみである。 私たちは出前授業をするに当たって、以下の 3 点に心がけながら出前授業行ってきた。 ①自分で発電した電力と、蛍光灯や TV の消費電力とを比較して、発電することは大 変であることを理解してもらった上で、実験での体験とエネルギー環境問題や省エネ ルギーの必要性を関連付けて説明するようにした。実験は実験、知識は知識というよ うにばらばらにするのではなく、実験と知識がイコールでつながるように授業を組み 立てた。 ➁授業の前には必ず小学校の担当教員と連絡を取り合い、授業内容の確認や双方の要 望、小学生が今どんなことに興味を持っているのかを事前に把握するようにした。そ うすることで、小学生がより授業に積極的に参加してくれる。 ③基本的に授業の進行は各学校の教員にお願いするということをこころがけた。理由 は 2 点。1 点目は、授業をプロである教員が行うことで、小学生によりわかりやすく 伝わるのではないかという点。もう 1 点は、私たちもできるだけ要望があれば出前授 業に出向くようにしている。しかし、私たちができることには限りがあり、教員の方 に授業をしていっていただかないとエネルギー科学教育が広まっていかないと考え たからだ。 以上のようなことに気をつけながら出前授業を行ってきた。私たちの出前授業が多く の方に認知していただき、好評を得た。その結果として、昨年は 3 回だった出前授業 が本年は 13 回にも及んだ。 5 表 1.2 子供サミット 2006・2007 テーマ エネルギーと地球環境∼人類の未来のために∼ 実施内容 ・小学生によるポスター発表 ・エネルギー環境科学実験・工作教室 ・幼稚園・小学生による劇(ミュージカル) 出前授業以外にも子供サミットを 2 回開催した。内容は表 1.2 に示す。多くの保護者 が参加してくれ、家族単位でエネルギーと地球環境に関する問題を考える時間が持て たと考えている。私たちが行ってきた出前授業の成果が形となった瞬間である。 6 表 1.3 イベント テーマ 子供や一般の方々にエネルギーを作ることの大変さを楽しく実感 してもらう 実施内容 ・鉄道模型 ・自転車発電機 イベントに計 8 回参加した。多くのイベントで自転車発電機、鉄道模型を出展してき た。20 世紀人類は目覚しい科学技術の進歩を遂げた。家庭だけのことを考えても、 今まで手洗いだった洗濯はスイッチ一つ押すだけの全自動洗濯機に代わり、冷蔵庫や エアコン、テレビが普及したことにより私たちの生活は豊かで便利になった。手作業 で手間隙をかけて行っていたものが、機械(電化製品)を使い簡単に行うことが可能 になり、時間も手作業に比べ短縮できるようになった。 しかし、電気を使うことが当たり前のようになった現代、電気があって当たり前のよ うに感じ、電気はプラグをコンセントに挿し込めば永遠に使えるものだとさえ感じる ことがある。電気を作るためには大きな仕事が必要であることを忘れている。イベン トを通じ、電気を作るためには大きな仕事が必要であることを幅広い年齢層の方に実 感してもらえたと考えている。実際に体験してもらったことで、省エネルギーへの関 心が高まったと思う。 イベントには他の大学や企業の方々もいろいろな物を展示している。私たちは、時 間が許す限りできるだけ多くの方や展示物と触れ、新しい知識を身につけてきた。多 くのことを見て聞いて触れることで、私たちの知識も少しずつ豊富になり、出前授業 の内容が豊かになった。 7 (考察・課題) 授業の進行は原則として、学校の教員にお願いをしている。しかし、実際は授業の大 半を学生が行っている。これは、エネルギー科学教育に取り組みだしたのが近年であ り、教員の知識がまだ十分でないからだと考える。今後学校の教員を交えたエネルギ ー科学教育に関する勉強会を定期的に実施し、教員を含めたエネルギー科学教育に携 わる者のスキルアップに努めていく必要がある。 (まとめ) 小学校で計 13 回の授業とイベントに計 7 回出展し、子供サミットを 2 回開催した。 このうち 6 校の小学生計 234 人から感想文を受け取ることができた。この授業を受け て小学生からは、①「毎日当たり前のように使っている電気を作ることは大変(苦労 した・疲れた)だと思った」116 人、②「省エネに取り組んでいきたい」48 人、③「毎 日当たり前のように使っている電気の大切さがわかった」21 人、というよう感想が 得られた。授業を受けた約 5 分の 1 の小学生が省エネに取り組んでいくと答えた。ま た約半数の小学生が電気を作ることの大変さを実感した。このことから、これまで行 ってきたエネルギー科学教育は、小学生がエネルギーを作ることの大変さ、省エネル ギーの必要性を理解するうえで有効である。 8