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「横浜市スポーツ振興基本計画最終答申」(PDF形式:643KB)

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「横浜市スポーツ振興基本計画最終答申」(PDF形式:643KB)
横浜市スポーツ振興基本計画
の策定について(最終答申)
第20期横浜市スポーツ振興審議会
平成18年3月
はじめに
21世紀を迎えた今日、少子高齢化の一層の進展等様々な社会状況の変化に伴い、スポーツを取り巻く環境は大きく変化し
ている。一方、市民の健康意識の高まりや子供の体力低下傾向等からスポーツに対する関心や期待は一層高まってきている。
平成12年9月、スポーツ振興法第4条に基づき、国のスポーツ振興基本計画が策定された。
この計画では、主な課題として「生涯スポーツ社会の実現に向けた、地域におけるスポーツ環境の整備充実方策」等を掲げて
おり、政策目標として「できるかぎり早期に、成人の週1回以上のスポーツ実施率が50%となること」等を目指している。地方自
治体には、地方の実状に応じたスポーツ振興計画の策定が求められているが、この中で政策目標達成のための必要不可欠な
政策である「総合型地域スポーツクラブの育成」を位置付ける事とされている。
こうした事を背景として、平成16年3月、第20期スポーツ振興審議会は横浜市教育委員会から、以下の項目を中心として
「横浜市スポーツ振興基本計画(仮称)の策定」について諮問を受けた。
【諮問された項目】
(1)総合型地域スポーツクラブの育成・支援策
(2)スポーツ施設のあり方
(3)人材育成・活用システム
(4)スポーツ関連組織の強化・育成・連携・役割分担
(5)市民スポーツ活動実態の把握
(6)スポーツ関連情報システムの構築・整備
(7)運動部活動の活性化
(8)子供の体力の向上
(9)大規模スポーツイベントの誘致
本審議会では、平成17年度の指定管理者制度導入を見据え、平成17年1月に「スポーツ施設のあり方」「スポーツ関連組織
の強化・育成・連携・役割分担」「市民スポーツ活動実態の把握」の各項目について第1次答申をまとめた。
その後、「高齢者の健康づくり」「障害者のスポーツ活動」を検討項目に追加し、審議を進め今回最終答申を取り纏めた。
横浜市スポーツ振興基本計画の策定について(最終答申)全体構成
市民スポーツ振興の現状と課題
第 1 章
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
市民スポーツ活動実態
総合型地域スポーツクラブ
スポーツ施設のあり方
人材育成・活用システム
スポーツ関連組織の強化・育成・連携・役割分担
スポーツ関連情報システム
運動部の活性化
子どもの体力向上
高齢者の健康づくり
障害者のスポーツ活動
大規模スポーツイベントの誘致
第 3 章
生涯スポーツ社会を実現するための提言
生涯スポーツ社会を実現するための
5つの目標と共通目標、24の戦略プロジェクト
目標1 スポーツを全くしない成人を15%減らします
戦略プロジェクト1~4
目標2 元気高齢者の割合8割を維持
戦略プロジェクト5~9
市民スポーツ振興のビジョン
目標3 新体力テストで全国平均超え
戦略プロジェクト10~14
第 2 章
ビジョン 1
新たな生涯スポーツ振興のしくみづくり
目標4 競技力向上と全運動部への専門指導者配置
戦略プロジェクト15~19
目標5 総合型地域スポーツクラブの全区展開
ビジョン 2
生涯スポーツ社会を実現するための5つの目標
と共通目標
戦略プロジェクト20~24
共通目標 スポーツ施設の整備検討
第1章
市民スポーツ振興の現状と課題
1 市民スポーツ活動実態
2 総合型地域スポーツクラブ
3 スポーツ施設のあり方
4 人材育成・活用システム
5 スポーツ関連組織の強化・育成・連携・役割分担
6 スポーツ関連情報システム
7 運動部活動の活性化
8 子どもの体力向上
9 高齢者の健康づくり
10 障害者のスポーツ活動
11 大規模スポーツイベント誘致
第1章 市民スポーツ振興の現状と課題
1 市民スポーツ活動実態
この項目のまとめ
1 成人のスポーツ実施状況は?
○約4割の人が全く運動していない
・全くしない割合は、50歳代以降に割合が高くなり、70歳代から急激に高くなる。
○スポーツに対する潜在需要は多い
・現在あまりスポーツ・運動をしていない人の半数が現状には満足していない、つまり、潜在需要は多い。
2 しなかった理由、どこが変われば参加するのか?
○スポーツ・運動をしなかった理由は、「機会がない」45%で最も多く、次が「時間がない」40%である。
○どのような点が変われば参加するのかとの質問には、「一緒に行う仲間がいれば」「一人で気軽にできれ
ば」「気軽に参加できるイベントがあれば」との回答が多い。
3 実施したスポーツ、希望するスポーツは?
○実施したスポーツNO1は「ウオーキング」であり、「体操」「ゴルフ」「水泳」「ジョギング」等が続く。
○これから始めてみたいスポーツでは、「全くしない」人の50%が「ウオーキング」、25%の人が「水泳」を希
望している。
4 スポーツ実施頻度と健康意識、体力実感との関係は?
○スポーツをしない人の3割は「健康でない」と感じている。これに比べ、週2回以上ややきつい運動を30分
以上やる人は約8割が「健康である」と感じている。
○スポーツをしない人の半数近くが「体力に不安がある」と感じている。これに比べ、週2回以上ややきつい運
動を30分以上やる人は3割以上が「体力に自信がある」と感じている。
5 スポーツ実施頻度と地域活動等への参加経験・意思の関係は?
○スポーツをよくする人ほど、地域活動への参加経験も多く、参加意欲も高い。
成人のスポーツ実施状況は?
約4割の人が全く運動していない
DATA
過 去 1年 間 の ス ポーツ状 況
80歳以上
(1)過去1年間のスポーツ・運動への参加状況
・「過去1年間以内にスポーツ・運動を行ったか」聞いたところ、
全体では「全くしない」41%、「年1回以上、週2回未満」
35%、「週2回以上」が23%である。
・年齢別に見ると、20歳代の週2回以上の実施割合は、30
歳代で一旦減るものの、70歳代まではほぼ一定している。
・つまり、習慣的にスポーツ・運動している人は年齢に関わり
なく一定数いる。
・一方「全くしない」割合は、20歳代から40歳代までは、ほぼ
一定で、50歳代以降に割合が高くなり、70歳代から急激に
高くなることが特徴である。
スポーツに対する潜在需要は多い
(2)スポーツ実施状況と満足度
・「現在のスポーツ・運動活動に満足しているか」を運動実施
頻度毎に見ると、明らかに頻度と満足度は比例することが
解る。
72
7 0 ~ 7 9歳
14
14
60
23
17
6 0 ~ 6 9歳
41
27
22
5 0 ~ 5 9歳
44
32
24
35
4 0 ~ 4 9歳
3 0 ~ 3 9歳
37
2 0 ~ 2 9歳
35
20%
40%
全く しな い
DATA
24
42
42
0%
18
45
34
合計
20
45
23
60%
週2回未満
80%
100%
週2回以上
ス ポーツ 実 施 状 況と満 足 度
45
週 2 回 、 3 0 分 以 上や や き つい
29
週 2 回 以 上 、 1回 3 0 分 以 上
・つまり、現在あまりスポーツ・運動をしていない人でもニーズ
は多いと見ることができる。
週2 回未満
9
全 くしな い
34
0%
やや満足
20
25
42
16
20%
ど ち ら とも
40%
8
11
13
21
9
29
5
16
29
17
13
合計
満足
34
26
週2 回以上
・現在、「全くしない」「週2回未満」の実施状況である人の半
数が満足していない。
35
7
10
11
29
43
13
60%
やや不満
30
80%
不満
100%
しなかった理由、どこが変われば参加するのか?
しな か っ た 理 由 ( 複 数 回 答 )
DATA
スポーツ・運動をしなかった理由は「機会が
ない」「時間がない」が多い
場所がない
5%
その他
7%
興味がない
・1年間にスポーツ・運動をしなかったと回答した人
にその理由を聞くと、「機会がない」が45%で最も
多く、次に「時間がない」40%と続いている。
11%
や る気 が な い
12%
高齢のため
14%
他 の事 をす る
16%
体力がない
17%
病気のため
18%
時間がない
40%
機会がない
45%
0%
「一緒に行う仲間」、「一人で気軽に」が参
加促進のキーワード
・「どのような点が変わればスポーツ・運動を行うこと
ができるようになると思うか」と聞いたところ、「一緒
に行う仲間がいれば」が31%、「一人で気軽にでき
れば」が30%、「気軽に参加できるイベントがあれ
ば」が27%、「休暇時間が増えれば」が26%、「利
用料金、参加料金が安くなれば」が26%という順で
あった。
・年代別では、若い独身世代では休暇時間が増えた
ら最も多く、未就学児を持つ親の世代では「育児や
家事が軽減すれば」が最も多くなっている。高齢世
代では「気軽さ」と「健康に不安がなくなれば」が特
に多い。
DATA
10%
20%
30%
40%
50%
どこが変われば参加するのか(複数回答)
生活費にゆ とり
22%
健康不安無し
22%
安い料金
26%
休暇が増加
26%
27%
イ ベント あり
30%
一人で 気軽
31%
仲間がいる
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
実施したスポーツ、希望するスポーツは?
実施したスポーツNO1はウオーキング
DATA
週2回未満
ウオーキング
47%
ゴルフ
23
水泳
20
体操
16
週2回以上
ウオーキング
56
体操
26
ジョギング
20
ゴルフ
19
週2回以上
1回30分
ウオーキング
63
体操
24
ゴルフ
19
水泳
18
週2回以上
1回30分
ややきつい
ウオーキング
36
テニス
24
トレーニング
21
ジョギング
21
(1)過去1年間の実施したスポーツ・運動の種類
・どのようなスポーツ・運動を実施したかレベル毎に上位4種
目を見ると「ウオーキング」がどのレベルにおいても最も実施率
が高かった。
・「週2回以上」では体操(器具を使わないもの)が登場するが
運動強度が上がると「テニス」や「トレーニング」などが多く実
施されることは注目すべきである。
・また、「週2回以上、1回30分以上、ややきつい」スポーツ実
践者では、1種目だけでなく、多くの活動を実施することが
特徴と言える。
全くしない人はウオーキング、水泳を希望
(2)これから始めてみたい、また興味あるスポーツ・運動
・「全くしない」人は、ウオーキングを希望する割合が50%と圧倒的である。次
いで水泳25%となっている。
・「週2回未満」のようにスポーツの実施が定期的でない場合は、あまり現
在実施している種目と希望種目に差がない。
・「週2回以上」実施者では、現在実施している種目と希望種目に差が出
てくる。
・つまり、実際には「ウオーキング」を実施しているが、「登山など」が多く望ま
れ、「水泳」の希望も多くなる。
・「ダイビング」等のアウトドア活動や「太極拳」など癒し系の運動が望まれる
のも特徴である。
・全体に、ひたすら汗を流すのではなく、自然の中や野外で、ゆったり楽し
みながらのスポーツ・運動が希望されている。
実施頻度別 実施したスポーツ・運動(複数回答)
DATA
実施頻度別 希望するスポーツ・運動(複数回答)
全くしない
ウオーキング
49%
水泳
25
体操
19
登山など
19
週2回未満
水泳
23
登山など
20
ウオーキング
19
テニス
17
週2回以上
登山など
24
水泳
22
ウオーキング
19
太極拳
18
週2回以上
1回30分
登山など
27
水泳
26
太極拳
18
ウオーキング
18
週2回以上
1回30分
ややきつい
登山など
23
水泳
19
スキンダイ
ビングなど
16
太極拳
15
スポーツ実施頻度と健康意識、体力実感との関係は?
スポーツをしない人の3割は健康でないと感じている
健康状態Xスポーツ実施状況
DATA
5%
全く しない
・「あなたは最近健康だと思うか」についてスポー
ツ実施レベル別に見ると、明らかに実施レベル
が上がるにつれて健康であるとする割合が多く
なる。
・特に「全くしない」人の「健康ではない」「あまり健
康ではない」とする割合が31%を超えることは
注目すべきことである。
41%
週2回未満
7%
週2回以上
7%
23%
54%
0%
15%
58%
10%
20%
30%
非常に健康
健康
11%
5%
9%
5%
18%
60%
18%
週2回以上ややきつい30分
16%
22%
61%
9%
週2回以上30分
16%
40%
50%
どちらでもな い
9%
13%
60%
70%
あま り 健康で ない
7%
7%
80%
90%
5%
100%
健康で ない
体力Xスポーツ実施状況
スポーツをしない人の約5割は体力に不安がある
DATA
・「自分の体力についてどのように感じているか」
を見ると、「全くしない」人では半数近くが「不安
がある」としている。
・「週2回以上ややきつい運動を30分以上」の人
は3割以上が「自信がある」と変化している。
・実施レベルが上がるにつれて「不安感」が減少す
るというのが特徴である。
全くしない
週2回以上
12%
70%
週2回以上30分
12%
66%
週2回以上ややきつい30分
20%
18%
10%
20%
30%
自信がある
40%
50%
普通である
60%
不安がある
1%
4%
7% 1%
60%
33%
0%
2%
28%
62%
8%
週2回未満
6%
44%
47%
4%
70%
わからない
80%
90%
100%
スポーツ実施頻度と地域活動等への参加経験・意思の関係は?
スポーツをする人は地域活動への参加経験が多い
地域活動の参加経験あり
DATA
全く しな い
・「地域の行事や活動に参加したことがあるか」を
スポーツ実施頻度別に見ると。「全くしない」人で
は13%が参加したことがあるとの回答であった。
・「週2回以上」する人が18%から20%であること
と比べると、参加率は低くなっている。
13%
週2 回未満
16%
週2 回以上
18%
週2回以上30 分
21%
週2回以上ややきつい30分
19%
0%
スポーツをする人は地域活動への参加意欲も高い
・「これから地域活動に参加したいか」を見ると、
「全くしない」人は33%の希望である。
5%
10%
15%
20%
地域活動へ参加したい
DATA
全く しな い
33%
週2回未満
・「週2回未満」以上では40%を超える希望となっ
ており、スポーツ参加と地域への関わりとは関連
するものと考えられる。
25%
40%
週2回以上
39%
週2回以上30分
43%
週2回以上ややきつい30分
40%
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
40%
45%
50%
第1章 市民スポーツ振興の現状と課題
2 総合型地域スポーツクラブ
この項目のまとめ
1 総合型地域スポーツクラブの現状と課題は?
・クラブ数は急増しているが、自立へ向けた基盤は脆弱である。
・活動場所の確保、人材の確保、地域との連携が課題となっている。
2 総合型地域スポーツクラブの育成・支援の方向性は?
・行政の支援目的の明確化・成果の明確化が必要である
(作ること自体が目的ではない。具体的な支援目的や成果を明確にする)
・意欲と専門性のある人材(組織)の掘り起こし
(マネジメントできる人材、実働できる人材を発掘する)
・円滑な創設に向けた方策(拠点確保、民間事業者、既存団体、学校との調整)
(指定管理者制度を活用し活動拠点を確保)
・継続促進に向けた方策(中間支援組織、サポート体制の充実)
(柔軟で息の長い支援、サポート体制が期待される)
3 横浜市の総合型地域スポーツクラブ支援の基本的考え方
・総合型地域スポーツクラブを生涯スポーツ振興の新たな公共サービスの担い手として位置づけ、各種支援
を行う。
4 総合型地域スポーツクラブを推進する意義
・地域住民が主体となり「地域や家族との交流」「余暇活動の充実」「健康づくり」という視点で自らスポーツ活
動ができる仕組みを創ることが最重要課題であり、これが総合型地域スポーツクラブを推進する意義である。
5 どのようなタイプの総合型地域スポーツクラブを展開すべきか?
・総合型地域スポーツクラブを設立する上で、学校の協力は不可欠である。学校支援の目的とする総合型地
域スポーツクラブをつくるべきではないか。
6 学校と地域をスポーツで繋ぐ仕組みそれが横浜型の総合型地域スポーツクラブだ!
総合型地域スポーツクラブの現状と課題は?
*第20期横浜市スポーツ振興審議会第6回会議(平成17年7月6日) 松澤淳子講師作成資料より
総合型地域スポーツクラブの現状は?(クラブ数は急増だが、自立へ向けた基盤は脆弱)
•
•
•
•
•
•
•
総合型クラブ数は、創設準備中を含めて833クラブ(平成15年)、横浜市は12クラブ(平成17年)である。
会員・予算規模は、会員100人未満が27%、300人未満が30%、1000人未満が31%、1000人以上は12%である。
活動の拠点となる施設は9割が借用施設、施設の自己所有は4%、管理委託は5%である。
活動日数は、週に1~2日が30%、3~4日が17%、5~6日が20%、毎日が18%、その他である。
運営体制は、マネジャーを配置していないクラブが65%、事務局員を配置していないクラブが45%である。
総合型地域スポーツクラブの認知度は、全国調査で「知らない」と答えた人が70%、横浜市調査でも83%である。
育成・支援の現状は、クラブの育成支援機能を持つ広域スポーツセンターが38都道府県59カ所に設置済み。平成16年度より
文部科学省の委嘱を受け日本体育協会が育成推進事業を開始した。最高2年まで上限年300万円の委託金あり(横浜市では
平成17年度10クラブが対象となっている)
総合型地域スポーツクラブの抱える課題は?(活動場所、人材、地域との連携が必要)
• 既に設立されたクラブの課題は、「会員確保」「指導者確保」「財源確保」「学校との連携」「クラブハウス・マネジャーの確保」など
• 設立準備中クラブの課題は、【1年目】は、施設確保、既存団体との調整、スタッフの充実、中体連との問題など【2年目】は、運
営疲れ、机上論から実践への苦労、ボランティア不足、行政や体協との連携、拠点施設の確保など
• クラブへの加入率と加入意向は、全国的に見ると加入率は上がっておらず横ばいである。加入意向は低下傾向にある。
• クラブ退会・未加入の理由(東京都多摩地区調査)は、「定期的に参加できない」「時間がない」「クラブに加入しなくてもできる」
「拘束される」と続く
• クラブへの参加・継続を促す要件(所沢西地区CLUB2000調査)は、「クラブ内友好関係」「指導者の応対」「立地」「スキル向
上」など
総合型地域スポーツクラブに関して、行政としてどのような育成・支援を行うべきか?
総合型地域スポーツクラブの育成・支援の方向性は?
*第20期横浜市スポーツ振興審議会第6回会議(平成17年7月6日) 松澤淳子講師作成資料より
行政の支援目的・成果の
明確化
•作ること自体が目的ではない。具体的な支援目的や成果を明確にし、関係者のモチベーションを高める。
•総合型クラブを支援する目的は何か?
①運動部活動の受け皿(青少年のスポーツ環境づくり)
②スポーツ弱者支援(運動嫌いの子ども、部活未加入青少年、子育て中の女性、ストレス過多男性、健康不安高
齢者、障害者)
③コミュニティ意識の醸成 など
意欲と専門性のある人材
(組織)の掘り起こし
•マネジメント力で解決できる課題も多い。意欲と専門性のある人材(組織)を引き寄せて育てる。
•マネジメントができる人材、実働できる人材を発掘する。
•意欲ある組織を発掘するため企画コンペなどを実施する。
•専門的知識のある指導者を育成する。
•クラブ同士の交流・情報交換の場をつくる。
•クラブを対象に継続的に学習機会を提供する。
円滑な創設に向けた方策
(拠点確保、民間事業者、
既存団体・学校との調整)
指定管理者制度を活用し活動拠点を確保。
各関係者間での連携・役割分担・調整の主導、情報公開など
継続促進に向けた方策
(中間支援組織・サポート
体制の充実)
総合型地域スポーツクラブづくりは産官学民協働の実験的な地域事業である。
柔軟で息の長い支援・サポート体制が期待される。(人事異動の少ない専門スタッフが常駐する
相談窓口が必要)
横浜市の総合型地域スポーツクラブ支援の基本的考え方
1 総合型地域スポーツクラブを生涯スポーツ振興の新たな公共サービスの担い
手として位置づける。
2 横浜市(行政)は、総合型地域スポーツクラブの育成・運営に対して各種支援を行なう。
3 地域住民は、サービスの対価として会費等を納め、クラブ運営へ協力・参画する
ことにより、このシステムを維持するように努める。
横浜市(行 政)
各種の運営支援
生涯スポーツの振興
多種多様なニーズなど
協
働
公共サービスの担い手
地域住民
会費納入・運営協力など
スポーツの場・機会の提供
総合型地域
スポーツクラブ
総合型地域スポーツクラブを推進する意義
市民のスポーツ活動実態
zこれまで学校に加え企業が市民のスポーツ活動を支えてきたが、
長引く経済不況により企業のスポーツ活動も低迷しており、人口の
7割を占める生産年齢の市民のスポーツをする機会が減少している。
z多くの市民がスポーツ等余暇活動の充実を望んでいるが、現実に
は「時間が無い」「機会がない」「健康・体力に不安がある」等の理由
により活動へ充分に参加できていない。
z市民(20歳以上)の「過去1年間に全くスポーツをしなかった人」の
割合は40%であり、全国平均32%、神奈川県22%よりも高い。
z生涯スポーツの基礎を培う大切な時期である子ども時代にスポー
ツや外遊びをする機会が減っており、小学6年生では31%の児童
が「外遊びをほとんどしない」状況にある。
zスポーツをしない割合は70歳台から急速に高まるが、介護予防等
を目的とした高齢者の健康作りへの取り組みは益々重要となる。
本市のスポーツ振興施策の現状
zスポーツ大会の開催等定期的にスポーツを行う市民向けの施策は
多いが、スポーツ実施率を向上させるため重要な対象となる「スポーツ
をあまりしない市民」向けの施策が少ない。
zスポーツをしない(出来ない)人に対して、スポーツイベントや教室の
開催等「スポーツ活動のみへの参加」を促しても効果が薄い。
z地域や家族との交流を促進させる様々な余暇活動の一つとしてス
ポーツが提供されることによってのみ、スポーツをしない(出来ない)人
の参加意欲は高められる。
z地域に密着し多様性を持ったスポーツ振興策の展開は、行政主導で
は不可能である。
z高齢者の健康づくりには、スポーツだけでなく栄養指導・生活習慣の
改善等家庭・地域が一体となった取り組みが重要である。
z障害者は制約を克服するために健常者よりもスポーツ活動が重要と
の指摘もあるが、身近な施設等でスポーツができる環境にない。
従来の行政主導型のスポーツ振興施策ではスポーツをしない(出来ない)人にスポーツをさせることはできない、
つまりスポーツ実施率は向上しない
地域及び住民が主体となり、「地域や家族との交流」「余暇活動の充実」「健康づくり」という視点で自らスポーツ活動が
出来る仕組みをつくることが最重要課題であり、これが総合型地域スポーツクラブを推進する意義である。
どのようなタイプの総合型地域スポーツクラブを展開すべきか?
市内で設立準備中のクラブ(10クラブ)が抱えている課題
1 クラブハウスの確保
空き教室を利用したいが学校の理解を得るのが難しい。廃止された学校を利用したい。
2 活動場所の確保
学校開放も既存団体利用でほとんど一杯である。近隣に使える公共施設も少ない
3 運営方法の確立
地域への働きかけをどうするか。運営スタッフをどのように集めるか。
4 事業内容の検討
地域ニーズに対応した事業を行いたい。既存団体との調整が必要となる。
総合型地域スポーツクラブを設立する上で、小中学校の協力は不
可欠。しかし、現状の学校開放事業ですら学校側の負担感は大き
く、総合型への理解を得るのは難しい状況にある。
提 案
学校支援を目的の1つとする総合型地域スポーツクラブはできないか?
学校側の要望を地域が受け入れる事で、総合型クラブの活動場所として
学校を利用したい地域の要望について学校側の協力も得やすくなるので
はないか?(ウィン・ウィン・アプローチ)
学校と地域をスポーツで繋ぐ仕組みそれが
横浜型の総合型地域スポーツクラブだ!
高齢者の健康づくり
高齢者の健康づくり
簡易な筋力トレーニングなど身近な場
簡易な筋力トレーニングなど身近な場
所で継続的な運動機会を提供
所で継続的な運動機会を提供
子どもの体力向上
子どもの体力向上
学校・家庭・地域と連携して子どもの体力向上
学校・家庭・地域と連携して子どもの体力向上
の為の身体活動・生活習慣等の各種プログラ
の為の身体活動・生活習慣等の各種プログラ
ムの実施
ムの実施
総合型地域ス
ポーツクラブ
運動部活動の支援
運動部活動の支援
大学や地域スポーツ指導者と連携し、
大学や地域スポーツ指導者と連携し、
部活動に実技指導者派遣
部活動に実技指導者派遣
人材育成
人材育成
体育指導委員や地域スポーツ指導者
体育指導委員や地域スポーツ指導者
が活動を通じ能力を向上
が活動を通じ能力を向上
複数の種目があ
り、子どもから高
齢者まで誰もが
参加できる
住民の自主運営
によるクラブです。
小中学校を拠点
として活動します。
スポーツ実施率の向上
スポーツ実施率の向上
年齢や体力、障害の内容などに応じ
年齢や体力、障害の内容などに応じ
たスポーツプログラムの提供
たスポーツプログラムの提供
文化・交流事業
文化・交流事業
文化活動やクラブ員相互の交流を図
文化活動やクラブ員相互の交流を図
る事業の実施
る事業の実施
誰もが生涯にわたりスポーツを楽しめる社会を実現
第1章 市民スポーツ振興の現状と課題
3 スポーツ施設のあり方
この項目のまとめ
1 横浜市のスポーツ施設の現状は?
・公共スポーツ施設数
・民間スポーツ施設数
・学校体育施設数
2 公共スポーツ施設(社会体育施設)の利用状況は?
・スポーツセンターは年間延利用者数は全施設で合計約308万人だが、推定実利用者数は約5万人である。
・水泳プールは同じく年間延利用者数は全施設で合計約165万人だが、推定実利用者数は約2万人である。
3 利用者の公共スポーツ施設に対する満足度は?
・全体的に満足度は高いが、施設間でバラツキあり
4 公共スポーツ施設の運営状況は?
・委託料の割合は、スポーツセンター平均60.3%、水泳プール68%、体育館78.4%、野外活動施設
92.7%であった。
5 公共スポーツ施設運営上の課題は?
・実利用者数が少ないことと非利用者負担率=運営委託料比率が高いこと
6 指定管理者制度の導入
○公募・選定のスケジュール
○指定管理者に求められる条件
・市民のスポーツ活動を支援・促進するような運営ができる
・経営的に安定している企業や団体である
・独自のノウハウを持ち費用対効果を最大限発揮できる
7 指定管理者制度導入の効果
○市民サービスの向上
・開館時間の延長
・スポーツ教室の拡充
・情報提供の充実
・地域での出張指導
○コスト削減
横浜市のスポーツ施設の現状は?
公共スポーツ施設数(2002年10月現在)
・横浜市の公共スポーツ施設数は、陸上競技場4カ所、野球場・ソフトボール場25カ所、球技場3カ所、多目的運動広場21カ所、水
泳プール(屋内)15カ所、水泳プール(屋外)36カ所、レジャープール4カ所、体育館132カ所、庭球場(屋外)35カ所、庭球場(屋
内)3カ所、漕艇場1カ所である。
・人口10万人あたりの施設数を全国、神奈川県と比較すると、体育館、空手・合気道場、庭球場(屋内)、卓球場、ローラースケート
場(屋外)、ダンス場が神奈川県もしくは全国の平均を上回るものの、他はすべて下回る。
民間スポーツ施設数(2004年8月現在)
・横浜市の民間スポーツ施設は、カルチャーセンター11カ所、フィットネスクラブ・スイミングクラブ83カ所、ダンス・バレエ・体操スタ
ジオ67カ所、屋外庭球場60カ所、室内庭球場8カ所、武道・格技場63カ所,プール5カ所等で、合計468カ所である。
・人口10万人あたりでの施設数は、横浜市13.66カ所、神奈川県9.06カ所、全国13.25カ所である。(種別が異なるため合計
のみを比較)。
学校体育施設数
・横浜市の学校体育施設数については、既存統計が存在しないため、ほぼすべての学校に多目的運動広場と体育館があると仮定
して、神奈川県、全国と比較を行った。
・横浜市の小学校は355校であるため、人口10万人あたりの多目的運動広場数は、横浜市10.36カ所、神奈川県10.34カ所、
全国18.52カ所であり、全国と比較すると少ない。また、体育館数も、横浜市10.36カ所、神奈川県10.24カ所、全国18.18
カ所であり、全国と比較して少ない。
・横浜市の中学校は177校であるため、人口10万人あたりの多目的運動広場数は、横浜市5.17カ所、神奈川県4.99カ所、全国
8.10カ所であり、全国と比較すると少ない。また、体育館数も、横浜市5.17カ所、神奈川県5.01カ所、全国8.30カ所であり、
全国と比較して少ない。
公共スポーツ施設(社会体育施設)の利用状況は?
スポーツセンター
・平成15年度のスポーツセンターの年間延利用者数は全施設で合計約308万人であり、推定実利用者数(施設の利用者アンケー
ト調査から年間平均利用回数を算出し、年間延利用者数を除して算出)は約5万人であった。つまり、市民の1.4%が利用したこと
になる。また、仮に利用者全員が各センターの半径2km内に住んでいたと仮定すると、人口に対する獲得率は平均で2.66%であ
る。一般に民間フィットネスクラブの獲得率は2~3%を目標にしていると言われており、それと比較すると同程度、もしくは、利用者
は2km以内に住んでいるとは限らないので、それよりも低い獲得率であると考えられる。
水泳プール
・水泳プールの年間延利用者数は合計で約165万人であり、推定実利用者数は約2万人であった。つまり、市民の0.6%が利用し
たことになる。また、半径2km以内の人口に対する獲得率は3.88%である。
体育館
・平沼記念体育館、文化体育館の年間延利用者数は合計で約43万人であり、平沼記念体育館の推定実利用者数は約3千人で
あった。また、半径2km以内の人口に対する獲得率は2.16%である。
テニスコート
・テニスコートの年間延利用者数は合計で約10万人である。
野外活動施設
・野外活動施設の年間延利用者数は合計で約13万人である。
利用者の公共スポーツ施設に対する満足度は?
スポーツセンター
*2004年に利用者を対象としたアンケート調査の結果による。
回答は、1不満~3普通~5満足の5段階である。
・全施設の平均は、ホスピタリティの充実3.72、トレーニング器具の充実3.13、設備の充実3.64、教室の充実3.37、イベントの
充実3.15であった。すべての項目が3以上であり、全体的に満足度は高いと言える。ただし、相対的に見ると施設間に若干バラ
ツキがあり設備の充実などで低い値を示した施設もあった。
水泳プール
・全施設の平均は、ホスピタリティの充実3.54、設備の充実3.59、教室の充実3.16、イベントの充実2.82、水質管理3.48で
あった。イベントに対する値が3以下であり、満足度が低いといえる。また、スポーツセンター同様、施設間にバラツキがあり、ホス
ピタリティ、教室などの満足度が相対的に低い施設もあった
体育館
・平沼記念体育館で調査を実施したが、ホスピタリティの充実3.26、設備の充実3.38、イベントの充実3.21であった。
すべての項目で3以上であり、全体的に満足度は高いといえる。
公共スポーツ施設の運営状況は?
スポーツセンター
・スポーツセンターの年間運営費は、17施設で総額18.3億円、1施設平均1.1億円である。延利用者一人当たり606円、推定実
利用者一人当たり23,892円となる。また、総収入に占める委託料の割合は、平均60.3%であった。
水泳プール
・水泳プールの年間運営費は、9施設で総額16.6億円、1施設平均1.8億円である。延利用者一人当たり908円、推定実利用者
一人当たりでは35,695円となる。また、総収入に占める委託料の割合は、平均68%であった。
体育館
・平沼記念体育館、文化体育館の年間運営費は総額2.6億円、1施設平均1.3億円である。延利用者一人当たり666円、推定実
利用者一人当たりでは14,370円となる。また、総収入に占める委託料の割合は、平均78.4%であった。
テニスコート
・テニスコートの年間運営費は、3施設で総額1.8億円、1施設平均0.6億円である。延利用者一人当たり2,464円となる。
野外活動施設
・野外活動施設の年間運営費は、6施設で総額2.8億円、1施設平均0.5億円である。延利用者一人当たり2,721円なる。
また、総収入に占める委託料の割合は、平均92.7%であった。
公共スポーツ施設運営上の課題は?
実利用者数
・利用者調査より実利用者を推定できた25施設(スポーツセンター17カ所、水泳プール7カ所、
体育館1カ所)の総利用者数は年間で延464万人(前年度比108.2%)だが、利用頻度から
実利用者を推計すると約7.4万人で、市人口の2.08%に過ぎない。
・実利用一人当たり年額約2.5万円の税金の投入に対して市民のコンセンサスを得るためにも、
現行の実利用者数は課題として認識する必要がある。
非利用者負担率
・施設の主な収入は、事業収入、施設利用料、管理運営委託料であるが、このうち全施設平均で
66.9%を占める管理運営委託料は、横浜市から管理運営事業者に支払われるものであり、
施設利用料(率)を受益者負担(率)とすれば、管理運営委託料(率)は非利用者負担(率)と位置
づけることができる。施設の性格等により解釈は変わってくるが、利用者負担:非利用者負担=
3:7という比率は検討の余地がある。
指定管理者制度の導入
公募・選定のスケジュール
・平成16年11月に指定管理者に関するアンケート調査実施
・全27施設を、前期12施設、後期15施設に分けて公募
・前期分は、平成17年4月から公募を開始し、第1次審査、第2次審査を経て、
8月3日最終結果公表
・後期分は、7月から公募を開始し、10月24日最終結果公表
指定管理者に求められる条件
・市民のスポーツ活動を支援・促進するような運営ができること
→既存の活動への理解が基本
・経営的に安定している企業や団体であること
→実績と財務内容
・独自のノウハウを持ち費用対効果を最大限に発揮できること
→効率的で具体的な手法を持つ
今後の課題
・指定管理者の応募は82法人からあったが、市内業者は6法人であった。
・今後の地域に根ざした事業展開のため、市内業者の育成が課題となった。
指定管理者制度導入の効果
市民サービスの向上
1 開館時間の延長
例 スポーツセンターでは平日・土曜は23時まで営業,日曜・祝日は朝7時半から営業
2 スポーツ教室の拡充
例 スポーツセンターでは年間30教室を40教室に増大。高齢者、こども対象教室の増加、託児
サービス付教室の常設、障害者の利用の促進
3 情報提供の充実
例 スポーツセンターでは携帯電話を含むインターネットを利用した各種教室・イベント情
報の配信や、トレーニングルーム・駐車場の混雑状況等の提供
4 地域での出張指導など
例 スポーツセンターでは地域への出張運動指導や地域交流大会の企画運営、教室
指導者への地域人材の活用
コスト削減
・平成18年度の26施設の指定管理経費(合計)は、17年度予算額対比で475百万円(約24.3%)の削
減見込みである。
最大削減率(年間) 保土ヶ谷SC
△47.8%
最小削減率(年間) 赤城林間学園 △5.1%
・収支バランスの改善(金沢SCの例)
委託料比率
60%
53%
(H16決算ベース)
(H18提案額ベース)
第1章 市民スポーツ振興の現状と課題
4 人材育成・活用システム
この項目のまとめ
1 人材養成講座の見直し
○16年度までは
・各講座が独立し、受講生間の交流無し。
・受講場所が基本的に1カ所に限られている。
・受講時間が長く、受けにくい。
・マネジメント関係の科目がない。
・受講終了後の活動の場が得にくい。
○17年度からは
・各講座が体系化し、基礎講座で受講生間の交流機会がある。
・受講場所が身近な場所に複数ある。
・受講時間が受けやすい時間数である。
・マネジメント関係の科目がある。
・実際に活動している人を主な対象とした講座である。
2 人材活用の現状と課題(横浜市人材情報システムについて)
○現状は、登録者は約300名だが健康体力つくり系の運動指導者が60%を占めている。
○課題としては、「需要と供給のアンバランス」と「人材情報の分散化」がある。
3 使える人材情報サービスとは?
○情報ネットワークを活かした使える情報の提供
○ユーザーと指導者のマッチング機能
○人材情報サービスの一元化と相談機能
人材養成講座の見直し
16年度まで
市民健康体力つくり指導者養成講座
野外活動指導者養成講座
レクリエーション指導者養成講座
競技スポーツ指導者養成講座
障害者スポーツ指導員養成研修
・各講座が独立し、受講生間の交流無し。
・受講場所が基本的に1カ所に限られている。
・受講時間が長く、受けにくい。
・マネジメント関係の科目がない。
・受講終了後の活動の場が得にくい。
17年度から
スポーツ人材養成講座
基礎講座
専門講座
基礎知識
+
実践演習
健康体力系
野外活動系
レク系
マネジメント系
競技系
・各講座が体系化し、基礎講座で受講生間の交流
機会がある。
・受講場所が身近な場所に複数ある。
・受講時間が受けやすい時間数である。
・マネジメント関係の科目がある。
・実際に活動している人を主対象とした講座である。
※この他に、障害者スポーツ指導員養成研修がある。
人材活用の現状と課題(横浜市人材情報システムについて)
横浜市人材情報システムの現状
1 登録者について(平成16年度末)
・約300名が登録しているが、健康体力つくり系の運動指導者が60%占めている。
・ダンス系、武道系、水泳、陸上、球技などの登録者は少ない。
2 活用件数(平成16年度実績)
・電話問い合わせ 約50件
・インターネットアクセス 約28,000件
※しかし、電話の問い合わせの大部分は連絡先の照会であり、活用の実態は解らない。
課題 1
需要と供給のアンバランス
○ユーザー側は
「指導者の顔が見えない」
「条件にあった指導者がいない」
○登録者側は
「依頼がこない」
「活動の場がない」
課題 2
人材情報の分散化
○県、市、区が別々に類似事業を行って
いる。
○指導者は、別々に登録依頼が送られ煩
わしい。
○ユーザーも検索が手間で、使い勝手が
悪い。
使える人材情報サービスとは?
1 地域ネットワークを活かした使える情報の提供
地域の組織や団体とのネットワークを活かした情報収集によって量・質ともに充実し
た情報が提供できる。
2 ユーザーと指導者のマッチング機能
指導したい人の自発的な登録ばかりではなく、ユーザー(現場)の望む使える指導者
を集める。足りなければ育成し、さらに、派遣調整もできる。
3 人材情報サービスの一元化と相談機能
県、市、区の提供サービスの一元化と、人材情報以外のスポーツに関するあらゆる
相談に対応できる。
第1章 市民スポーツ振興の現状と課題
5 スポーツ関連組織の強化・育成・連携・役割分担
この項目のまとめ
1 スポーツ関係団体の今後のあり方は?
○第1次答申(平成17年1月)では、行政内部のスポーツ関連部署やスポーツ関連団体が従来の枠組みを
超えて、市民のスポーツ活動を支援する体制を整える必要性が提言された。
○市民スポーツ振興の観点からスポーツ関連団体に求められていることは
・総合型地域スポーツクラブ等への積極的な関与
・スポーツ振興の多面的な意義の理解と他分野の団体との連携
・地域に密着し自立的、自主的な活動のできる組織づくり
2 スポーツ関連団体の連携と役割分担を明確化する!
○現状は、各団体の業務にダブりがあり(市民から見て)役割が見えにくい。さらに、各団体間の連携も少な
い。特に、既存団体とNPO、ボランティア団体との連携推進は課題である。
○(NPO等を含めた)スポーツ関連団体が共通の目標を持ち、この実現に向けて特色を活かし連携する必要
がある。
3 市民との協働によるスポーツ振興を推進する組織づくり
○財団法人横浜市体育協会と財団法人横浜市スポーツ振興事業団について、体育協会の機能強化を図る
方向で、両団体の統合を早期に実施するよう関係機関、団体で、具体的検討をすすめる。
スポーツ関係団体の今後のあり方は?
第1次答申(平成17年1月)関連部分
提言2
○スポーツ活動への参加を促す「仕組み」を市民との協働作業によりつくりあげて行くには、行
政内部のスポーツ関連所管部署やスポーツ関連団体が従来の枠組みを超えて、市民活動を
支援する体制を整える必要がある。
○特に、区内で活動するスポーツ関連団体と区の所管課等が協働することにより、区民ニーズ
を反映した特色ある区のスポーツ振興事業を展開する体制を整える必要性は高い。
市民スポーツ振興の観点からスポーツ関連団体に求められていること
○総合型地域スポーツクラブに代表される市民協働を主体としたスポーツ振興システムへ積
極的に関与していくこと
○スポーツ振興の多面的な意義(健康づくり、青少年健全育成、生涯学習等)を理解し、子育
て支援、高齢者・障害者福祉、青少年育成などの多分野の団体との連携を推進し、共通の目
標を実現すること
○市民協働、地域活動推進の観点から、地域に密着し自立的・自主的な活動のできる組織づ
くりを進めること
スポーツ関連団体の連携と役割分担を明確化する!
共通目標
現状
改善後
・各団体の業務にダブりがあり役割が見えにくい。
・各団体は、行政との個別の協力関係により、短冊
状に繋がっており、団体間の連携は少ない。
・特に、既存団体とスポーツNPOやスポーツボラン
ティア団体との相互理解や連携推進は行政上の課
題となっている。
・スポーツ関連予算も既存団体への助成が主でス
ポーツNPOなどの活動に対する支援策はない。
・共通の目標を実現するために各団体が特色を活か
し連携している。
・市民主導によるスポーツ振興を推進するため、そ
の担い手となるプレーヤーの間にネットワークが構
築されている。
・このネットワークの構築により、地域でスポーツ活
動を行う諸団体が自主的に交流し新たな協力関係
を築く事が可能となる。
市民との協働によるスポーツ振興を推進する組織づくり
横浜市体育協会と横浜市スポーツ振興事業団の統合
○統合問題に関する基本的考え方
・スポーツ振興事業団は、指定管理者制度導入により組織体制の見直しが必要となる。
具体的には施設管理以外の分野の比重が高まり、体育協会の業務との競合が問題となる。
・体育協会は、総合型地域スポーツクラブ等新規分野への取り組み意欲はあるが、体制が充分でないため、統一したスポーツ振興
方針に基づいた活動が難しい。
・以上を踏まえ、体育協会の機能強化を図る方向で、両団体の統合を早期に実施するよう関係機関、団体で、具体的検討を進める。
○統合によるメリット
1 両団体の有する専門性やノウハウを有効に活用できる。
2 事務局体制の一本化により、一元的かつ総合的なスポーツ振興体制の整備が図れる。
3 区体育協会を再編し、体育指導委員、レクリエーション団体、NPO等も含めた、地域スポーツ支援組織が形成される。
○統合に伴う課題
1 社団法人横浜市レクリエーション協会の扱い
2 統合時期(準備期間をどの程度設けるか)
3 統合後の団体名称、役員構成
4 体育指導委員との連携及び役割分担
○新組織には、次の機能が期待される。
・スポーツ施設の運営機能
・地域スポーツを支える人材の育成・活用機能
・スポーツ関連情報の提供機能
・総合型地域スポーツクラブの設立支援・運営支援機能
・運動部活動への支援機能
・子ども体力向上への支援機能
・高齢者の健康づくり支援機能
第1章 市民スポーツ振興の現状と課題
6 スポーツ関連情報システム
この項目のまとめ
1 スポーツ関連情報サービスの現状と課題は?
○現在の情報サービスは、「施設情報」「イベント・教室の告知」情報に偏っている。さらに、提供方法の重複も
ある。
○指定管理者制度により施設間格差が生じる可能性がある。
○市民ニーズに対応した情報提供が必要である。
→市民(ユーザー)の視点から、使いやすい情報提供サービスを実施するために事業内容の見直しが必要
では?
2 これからのスポーツ関連情報サービス
○市内情報の一元的集約と横断的な整理が必要である。
○情報の収集、分析、提供するための体制整備が必要である。
○情報提供型サービスから活動支援型サービスへの転換が必要である。
○これからの情報サービスとしては、次の機能の強化が必要である。
・地域ネットワークを活かした情報提供
・指導者の派遣調整
・サークル等への参加斡旋
・スポーツ相談の受付
スポーツ関連情報サービスの現状と課題は?
現在実施されているスポーツ情報事業
1
2
3
4
5
スポーツ情報センターの活動
各区スポーツセンターの活動
各局区等の行政機関の活動
横浜スポーツ情報サイト「ハマスポどっとコム」
市民利用施設予約システム
現状と課題は?
・情報の偏りと重複がある。
情報の偏り
→ 「スポーツ施設情報」と「イベント、教室の開催告知」に関するものが多い。
提供方法の重複 → スポーツ施設の情報に関しては、横浜市のサイト内でも同じような内容のページが
存在している。
・指定管理者制度により施設間格差が生じる可能性がある。
・市民ニーズに対応した情報提供が必要である。
単に保有する範囲の情報を提供するだけでは、市民ニーズに対応できない。
市民(ユーザー)の視点から、使いやすい情報提供サービスを
実施するために事業内容の見直しが必要では?
これからのスポーツ関連情報サービス
情報システムのしくみづくり 1
情報システムのしくみづくり 2
市内情報の一元的集約と横断的な整理
情報の収集→分析→提供の体制整備
・スポーツ施設、指導者、サークル等の情
報は、生涯学習や市民活動支援など多
くの部署で情報を保有しているが、それ
ぞれが有効に共有されていない。
→情報の一元化
・ユーザーがいかに短時間でストレスなく
必要な情報を入手できるかが満足度向上
の鍵である。
→ワン・ストップ・チャンネル
・スポーツ情報にも多様化や即時性が求
められている。
・スポーツ関連情報サービスに関する体
制を整備し、より効率的、高付加価値型
の情報提供を行い、さらなる市民サービ
スの向上や効果的な市民スポーツ活動
支援へ結びつけていく。
情報提供型サービスから活動支援型サービスへの転換が必要
情報インフラの整備やライフスタイルの変化に伴い、スポーツに関する問い合わせも個性化・複雑化している。
このように、多様化するニーズに応え、スポーツ活動を実施しやすい環境を創るためには、単に施設やクラブ
の紹介等の情報提供型サービスだけでは不足である。
個人のライフスタイルや価値観にあったスポーツプランを提案する「スポーツライフ・プランニングサービス」、
指導者の派遣調整やサークル・クラブの加入調整などを行う「マッチングサービス」、直接スポーツ活動の実施
に結びつく新しいサービス【スポーツに関するあらゆる相談】など活動支援型サービスへの転換が必要である。
これからの情報サービス
○地域ネットワークを活かした情報提供
○指導者の派遣調整
○サークル等への参加斡旋
○スポーツ相談の受付
第1章 市民スポーツ振興の現状と課題
7 運動部活動の活性化
この項目のまとめ
1 運動部活動の現状は?(市立中学校の場合)
○運動部の加入者数・率は横ばいである。
・平成17年の運動部員数44,579人、加入率60%強で安定している。
○男子は野球、サッカー、バスケットボール、女子はバドミントン、バスケットボール、バレーボールが多い。
2 校長、顧問、生徒は部活動をどのように考えているのか?
○生徒・顧問はスポーツをする上では「楽しさ」「良い仲間」「技術上達」が重要なことと考えている。
○(部活動の実質的な管理者である)校長は「顧問の確保」が最大の課題と考えている。
3 運動部の出席状況と家族の関係は?
○運動部への出席状況は、約7割が「ほとんど出席している」が3割は「時々休む」~「ほとんど休む」と回答し
ており改善の余地あり。「ほとんど出席している」割合は女子の方がやや高い。
○運動部の活動状況は、家族のスポーツ状況に影響をうけている。
・ 「ほとんど出席している」と回答した生徒は 「時々休む」~「ほとんど休む」と回答した生徒に比べて「家族
はよくスポーツをする」「家族はよく一緒にスポーツをして遊んでくれた」との質問に肯定的な回答をしてい
る。つまり、活動状況は、家庭でのスポーツに関する状況に影響を受ける可能性がある。
4 生徒はこう考えている(こんな運動部・クラブなら入りたい、休まない!)
○運動部非加入者の7割は条件が整えば加入の可能性がある。
○(部活動を)休みがちな生徒は勝敗にこだわらないクラブを希望している。
5 運動部顧問教員はこう考えている!
○教員は(運動部活動を)教育の一環と考えている。
○問題点として上げられたのは、「技術指導できる教員不足」が最も多く36%、「異動上の考慮無し」が30%
であった。課題解決には、外部指導者の導入などの即効性のある対策と合同部活動、地域との連携等の
大きな枠組みでの改革が必要である。
○「地域との連携」が今後必要になると考えている顧問教員は約4割いる。
6 運動部活動の課題をまとめると?
○「負担の軽減・研修の充実により教員が顧問を引き受けやすくする」「地域と連携して教員以外の指導者を
積極的に確保する」ことが最重要課題である。
運動部活動の現状は?
運動部の加入者数・率は横ばい
・市立中学校の運動部数は、平成17年
度で1,900部であり、14年度から若
干増加している。
・17年度の運動部員数は44,579人で
ある。運動部加入率は60%強で安定
しているが、生徒総数の減少から部員
数は減少傾向にある。
・顧問数もほぼ一定である。
平成14年度
学校数
運動部数
(対前年度増減)
部員数
(加入率=部員数
÷生徒数)
顧問数
男子はサッカー・野球、女子はバドミントン・バスケ
・男子では軟式野球、サッカー、バスケッ
トボールの加入者数が多い。
・女子ではバドミントン、バスケットボール、
バレーボールが多い。
・男女合計では、バスケットボール、ソフト
テニス、軟式野球の順となる。
・表に掲げた種目以外にも14種目以上
の部活動がある。
市立中学校運動部活動状況
DATA
DATA
軟式野球
バレーボール
平成15年度
平成16年度
平成17年度
145校
145校
145校
146校
1,867
ーーー
1,876
9
1,865
△11
1,900
35
45,827
61.2%
43,749
60.0%
43,489
61.0%
44,579
62.4%
2,380
2,300
2,335
2,358
種目別運動部員の加入状況(平成17年度)
男子(27,650)【率】
女子(16,929)【率】
合計(44,579)【率】
①5,430
18
③5,448
(12%)
812
(20%)
(3%)
バスケットボール
③3,448
(12%)
サッカー
②5,047
(18%)
ソフトテニス
④3,015
(11%)
卓球
⑤2,678
(10%)
(0%)
③3,089
(18%)
3,901
(9%)
②3,151
(19%)
①6,599
(15%)
(0%)
④5,085
(11%)
(16%)
②5,708
(13%)
(2%)
3,011
(7%)
(11%)
38
④2,693
333
バドミントン
1,628
(6%)
①3,278
(19%)
⑤4,906
陸上競技
2,039
(7%)
⑤1,468
(9%)
3,507
(8%)
剣道
1,499
(5%)
680
(4%)
2,179
(5%)
2,181
(13%)
4,235
(9%)
その他
2,054
(7%)
校長、顧問、生徒は部活動をどのように考えているのか?
生徒・顧問はスポーツをする上では「楽しさ」「良い仲間」
「技術上達」が重要なことと考えている
校長は「顧問の確保」が最大の課題と考えている
スポーツを する上で重要だ と思うこ と(複数回答)
DATA
DATA
特に重要だ と思う課題(複数回答)
11%
自 分 に合 うレベル
17%
9%
練習場所の広さ
18%
15%
詳 しい指 導 者
10%
教員の高齢化
11%
顧問手当少ない
12%
16%
出場機会充分
9%
大会での好成績
9%
技術指導顧問不足
16%
顧問希望教員不足
16%
18%
38%
37%
技術の上達
59%
仲 間 との 良 い関 係
42%
21%
頻繁な顧問の異動
47%
49%
ス ポー ツが 楽 しい
0%
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
・生徒には「スポーツをする上で重要だと思うこと」、顧問教員には「生
徒はスポーツをする上で何を重視していると思うか」という質問をした。
・上位3項目の構成は、「スポーツが楽しい」「仲間との良い関係」「技術
の上達」で、生徒・顧問教員とも同じであった。
・ただし、「仲間との良い関係」については、顧問教員が59%と生徒より
20%近く高い出現率を示した。
・4番目以降は、顧問教員が「大会での好成績」「出場機会充分」「(そ
のスポーツに)詳しい指導者」など、競技・専門性に関する項目を上げ
ているの対し、生徒は「練習場所の広さ」「自分に合ったレベル」など、
活動条件に関する項目を上げている。
5%
10%
15%
20%
70%
・横浜市立中学校の校長を対象に調査した結果、課題と考えている件
数の多いものを上げると「異動制度の変更に伴う頻繁な顧問の異動」
「部活動顧問を希望する教員の不足」「技術指導できる顧問の不足」
が上位を占める。
・17年度から教員の人事異動の改正が行われ、原則6年(経過措置あ
り)で教員が異動することになったが、17年度は改正の初年度でもあ
り、制度の趣旨、内容が充分に周知されなかったことから、短期間で
顧問教員の異動が生じるものと危惧していることが推測される。
・「部活動を希望する教員の不足」「顧問の部活動手当の支給額が少な
い」については、学校における部活動の位置づけが明確でない事が
起因となっていると考えられる。
・「技術指導できる顧問の不足」については、「教員の高齢化」や「競技
経験のない種目を担当している」事により、実技を実践することが出
来ていない状況や少子化により体育教員の採用が減少していること
が原因と考えられる。
25%
運動部の出席状況と家族の関係は?
運動部への出席状況は、約7割が「ほとんど出席している」
運動部への出席状況
DATA
活動状況は、家庭のスポーツ状況に影響を受ける
家族はよく ス ポーツをする
DATA
高 コミ ッ ト群
24%
低 コミ ッ ト群
0%
20%
40%
ほ と んど出 席
時々行く
60%
時々休み
ほ と んど休 み
80%
33%
37%
29%
39%
14%
20%
5%
100%
0%
半分休み
無回答
20%
40%
あて は ま らな い
や や あて は ま る
・約7割は「ほとんど出席している」と回答しており、概ね良好な活動
状況である。ただし、残りの3割は「ときどき休む」~「ほとんど行って
いない」と回答しており、改善の余地はある。
DATA
60%
80%
100%
あま り あて は ま らな い
あて は ま る
家 族 は よく 一 緒 にス ポーツをし て 遊 んで く れ た
高 コミ ッ ト群
22%
34%
30%
15%
「ほとんど出席している」割合は女子の方がやや高い
低 コミ ッ ト群
34%
34%
26%
7%
80%
100%
運動部への出席状況( 男女別)
DATA
0%
男子( 311名)
70%
女子( 198名)
73%
0%
ほ と んど出 席
24%
20%
時々休み
40%
半分休み
19%
60%
時々行く
80%
22%3
%%
20%
あて は ま らな い
や や あて は ま る
40%
60%
あま り あて は ま らな い
あて は ま る
4%
22%%
100%
ほ と んど休 み
・「ほとんど出席している」と回答した生徒の割合は、女子の方が高
く、「時々休む」と回答した割合は男子の方が高い。
・「ほとんど出席している」と回答した生徒を高コミット群、「時々休み~ほと
んど休み」と回答した生徒を低コミット群 として、家族の状況を示した。
・「家族はスポーツをよくする」「家族は、よくスポーツをして遊んでくれた」と
の質問に対しては、高コミット群が「あてはまる」「ややあてはまる」と回答
した割合が高い。
・つまり、運動部の活動状況は、家庭でのスポーツに関する状況に影響を
受ける可能性が示された。
生徒はこう考えている(こんな運動部・クラブなら入りたい、休まない!)
運動部非加入者の7割は条件が整えば加入の可能性あり
休みがちな生徒は勝敗にこだわらないクラブを希望
運 動 部 に所 属 し て いな い生 徒 が 入 り た いクラブ
DATA
運動部を休みがちな 生徒が入りた いクラブ
DATA
ス ポー ツ 以 外 の 活 動 も ある
26%
勝 敗 にこ だ わ ら な い
勝 敗 にこ だ わ ら な い
26%
同年齢の人が集まる
24%
複 数 種 目 が で きる
22%
同年齢が集まる
17%
違 う 学 校 の 仲 間 が いる
33%
5%
10%
15%
39%
違 う 学 校 の 仲 間 が いる
32%
専 門 的 な 指 導 あり
32%
複 数 種 目 が で きる
入 り た くな い
0%
43%
20%
25%
30%
35%
30%
13%
入 りた くな い
0%
5%
10%
15%
20%
25%
30%
35%
40%
45%
・運動部に所属していない生徒が入りたいと思うクラブについて、回答
数の多い5項目を示した。
・部活動を休みがちな生徒(148名)が入りたいと思うクラブについて、
回答数の多い5項目を示した。
・現在、運動部や地域のスポーツクラブに所属していない生徒のうち
「入りたくない」は33%であり、残り7割弱は条件が整えば入る可能性
があると考えられる。
・「勝敗にこだわらない」が43%と非常に高い回答率であった。
・非加入者が入りたいと思うクラブは、音楽・芸術活動なども含む多種
目、同世代、楽しみ志向のクラブであり、総合型地域スポーツクラブ
が学校の運動部等に入っていない生徒を吸収できる可能性を示して
いる。
・また、「違う学校の仲間がいる」という回答も多いことから、複数の中
学校で運動部・クラブに入っていない生徒を集めた多種目の合同部
活動が総合型地域スポーツクラブに発展する可能性も考えられる。
・多種目、同世代、楽しみ志向のクラブで、「違う学校の友達と一緒に活
動できる」という回答も多く、非加入者と同様に、複数の中学校による
合同部活動・クラブ、総合型地域スポーツクラブの可能性を示唆して
いる。
・しかし、非加入者の「スポーツ以外の活動(音楽・芸術活動など)もで
きるクラブ」に変わって、「専門的な指導があるクラブ」が上位に入り、
非加入者と比べて、共通のニーズがあると共に、異なるニーズがある
ことも示された。
50%
運動部顧問教員はこう考えている!
教員は教育の一環と考えている
DATA
部活動の指導において重要なこと
・顧問教員の指導信条を示した。重要であるとの回答が最も多いのは、「集団
活動を行う上での規律を教える」であり、続いて「スポーツの楽しさを教える」
であった。
・「競技であるか教育であるか」という見方をすると、どちらかと言えば教育が
重視されている。
・しかし、全ての項目で「重要でない」とする回答が少ない事は、運動部に対す
る期待の大きさと共に、現場での指導を難しくする要因にもなる。
・競技力、教育、楽しさの全てを満たす活動は、現実的には非常に厳しいもの
であり、そこに生じる矛盾が、顧問教員にストレスとなる可能性もある。
課題解決には大きな枠組みでの改革が必要
重要で
ない
あまり重
要でない
やや重要
である
重要で
ある
技術や能力の向上
1%
3%
43%
53%
集団の規律を教え
る
1%
1%
17%
82%
スポーツの楽しさを
教える
1%
1%
23%
76%
指導上の問題点
DATA
・指導上の問題点を示した。「技術指導ができる教員不足」が最も多く36%、
技術教員不足
「異動上の考慮無し」が30%であった。
・「(学校において)部活動の位置づけが低い」という回答もあった。
・これらの問題点は、個別に原因があり、独立して生じている問題ではなく、運
動部活動の制度自体が慢性的に抱えている問題である。
・解決には、外部指導者の導入等の即効性ある対策と同時に合同部活動・地
域との連携等の大きな枠組みでの改革が必要である。
異動考慮無し
36%
30%
位置づ け低い
20%
活動費の確保
18%
生徒の意欲無し
12%
会場不足
10%
0%
「地域との連携」が今後必要となる
5%
DATA
10%
15%
20%
25%
30%
35%
40%
今後必要な取り組み
42%
地域 との 連携
・顧問教員が考える今後必要な取り組みを示した。
33%
教員全体の参加
・「地域との連携」が42%と最も多く、「教員全体の参加」33%、「技術指導の
向上」29%と続いた。
29%
技術指導の向上
17%
合同部活動
10%
安全対策講習
0%
10%
20%
30%
40%
50%
運動部活動の課題をまとめると?
部活動の定義・位置付け
部活動の課題(校長の立場から)
¾運動部活動は、スポーツに興味を持つ生徒によって、
学年・学級の枠を超えて組織され、教育課程外に行わ
れる自発的・自主的な活動である。また、その教育的
意義や成果を期待し、学校の方針に基づき実施される
活動であり、それぞれの学校の自主的判断に委ねられ
る活動である。
¾中学校における部活動は教育課程の枠外ではあるが、
学校教育における重要な教育活動であるので、現在で
は各校とも「教育課程外の学校教育活動の一環」とし
て位置付けている。
¾顧問教員はボランティア?!
「中学校運動部活動に関する校長へのアンケート調査」
(平成17年度実施)から抜粋
特に重要だと思う課題は何ですか?(複数回答)
1
2
3
4
5
6
7
異動制度の変更に伴う頻繁な顧問の異動(21%)
部活動顧問を希望する教員の不足(16%)
技術指導できる顧問の不足(16%)
顧問の部活動手当支給額が少ない(11%)
教員の高齢化(10%)
生徒や保護者のニーズに対する対応(7%)
用具購入や部員・顧問の交通費などの負担(7%)
生徒・保護者のニーズが多様化する中で、少子化により教員数も減少、採用減に伴う教員の
高齢化など、顧問教員の不足は深刻だ。
課
題
「負担の軽減・研修の充実により教員が顧問を引き受けやすくする」「地域と連携して教員以外
の指導者を積極的に確保する」 ことが最重要課題となる
第1章 市民スポーツ振興の現状と課題
8 子どもの体力向上
この項目のまとめ
1 子どもの体格はどうか?
○体格は全国平均とほぼ同じ。良好な発育、発達状況
・身長、座高では男子が若干全国平均を上回っており、体重では男女ともにわずかに全国平均を下回って
いる。
2 子どもの体力はどうか?
○全般的に全国平均を下回るが、シャトルラン、持久走、立ち幅跳びでは大きく下回る。
3 体力向上の目標をどう設定するか?
○平均値が最大数ではない。体力向上の目標設定は、個人の能力に応じた目標設定が必要である
4 子どもの体力とやる気の関係は?
○体力評価が高いほど「何でもやればできる」と思う子どもの割合が多くなる。
5 子どもの体力と家族のすすめの関係は?
○家族から運動を勧められる子どもは体力がある。
6 子どもの生活習慣は?
○学年が進むにつれ睡眠時間が短くなる。「6時間未満」の小学校時代は5%前後だが、中学校では16%ま
で増加する。
○小6以上では3割強が(1日)3時間以上テレビ(ゲームを含む)を視聴している。
7 子どもの体力向上のためには学校、家庭、地域の連携が必要だ!
○子どもの体力を向上させるには、成長段階に応じた運動実践を学校、地域及び家庭という生活全体の中で
行い、子どもが身体を動かすことを習慣としていくことが必要である。
子どもの体格はどうか?
体格は全国平均とほぼ同じ。良好な発育、発達状況
本市における、児童生徒の体格の平均値は、男女とも全国平均とほぼ同じ水準にあり、全般的に良好な発育・発達を示している。
身長・体重・座高それぞれの傾向としては、身長・座高では男子が若干ながら全国平均を上回っており、体重では男女ともにわず
かに全国平均を下回っている。
男子の平均
6 歳
(小 1)
10歳
(小 5)
女子の平均
14歳
(中 3)
身
長
cm
横浜市
116.5
139.1
165.8
全 国
116.9
139.1
165.6
体
重
kg
横浜市
21.6
34.5
53.9
全 国
21.7
34.5
54.4
座
高
cm
横浜市
64.6
75.3
87.8
全 国
65.1
75.2
87.6
6 歳
(小 1)
10歳
(小 5)
14歳
(中 3)
身
長
cm
横浜市
116.1
140.2
157.3
全 国
116.2
140.7
156.8
体
重
kg
横浜市
20.8
34.5
49.9
全 国
21.3
34.8
49.9
座
高
cm
横浜市
64.5
75.8
84.8
全 国
64.8
76.2
84.6
子どもの体力はどうか?
全般的に全国平均を下回るが、シャトルラン等では大きく下回る
新体力テストの平均値では,男女とも、長座体前屈のみが全国平均をやや上回るものの、全般的に全国平均
を下回っている。特に、シャトルラン・持久走・立ち幅跳びでは、男女とも全国平均を大きく下回っており、本市
の児童生徒の体力面での課題が垣間見える。
男子の平均
6 歳
(小 1)
12歳
(中 1)
女子の平均
14歳
(中 3)
シャ
トル
ラン
(回)
横浜市
13.5
52.7
82.2
全 国
15.4
67.7
89.7
持
久
走
〔秒)
横浜市
未実施
441.1
393.4
全 国
未実施
422.0
375.4
立ち
幅
跳び
cm
横浜市
110.9
175.6
201.0
全 国
114.6
182.4
212.6
6 歳
(小 1)
12歳
(中 1)
14歳
(中 3)
シャ
トル
ラン
(回)
横浜市
11.4
36.5
46.3
全 国
13.7
50.4
56.8
持
久
走
〔秒)
横浜市
未実施
312.9
313.4
全 国
未実施
299.8
291.4
立ち
幅
跳び
cm
横浜市
101.3
152.8
162.6
全 国
105.6
164.6
171.4
体力向上の目標をどう設定するか?
下記の表は、ある小学校の体力テストの数値分布である。赤線が平均値であるが、平均値が最大数でないこと
が解る。従って、体力向上の目標は設定する際は、個人の能力に応じた目標の設定が重要である。
50m走 平均9.1秒
12.1~
11.6-12.0
11.1-11.5
10.6-11.0
10.1-10.5
9.6-10.0
9.1-9.5
8.6-9.0
8.1-8.5
7.6-8.0
7.1-7.5
ソフトボール投げ 平均28.6m
1
1
2
4
6
18
30
43
34
6
2
0
10
20
30
40
50
立ち幅跳び 平均155cm
210~
200-209
190-199
180-189
170-179
160-169
150-159
140-149
130-139
120-129
110-119
100-109
90-99
80-89
~79
2
2
4
16
23
24
22
24
15
2
4
2
0
1
4
0
5
10
15
20
25
30
53m
52m
51m
50m
49m
48m
47m
46m
45m
44m
43m
42m
41m
40m
39m
38m
37m
36m
35m
34m
33m
32m
31m
30m
29m
28m
27m
26m
25m
24m
23m
22m
21m
20m
19m
18m
17m
16m
15m
14m
13m
12m
11m
10m
~9m
2
0
0
0
0
0
0
2
1
1
1
3
3
4
4
3
6
6
5
3
7
6
6
8
6
2
7
8
6
1
6
0
0
5
5
0
0
0
10
2
5
2
2
1
7
2
2
4
6
8
10
12
子どもの体力とやる気の関係は?
体力評価が高いほど「何で
もやればできる」と思う子ど
もの割合が多くなる。
・文部科学省委嘱事業「子ども
の体力向上実践事業」の中で新
体力テストの結果と生活実態を
リンクさせて分析した。
・新体力テストの結果により、上
位から5段階(A~E)に区分し
「何でもやればできると思うか」
という質問に回答してもらった。
・男女ともに体力評価が高いほ
ど「かなりそう思う」「そう思う」
の割合が高くなる。
・特に女子では体力評価Aの半
数以上が「かなりそう思う」と考
えているのが特徴的である。
子どもの体力と家族のすすめの関係は?
家族から運動をすすめられる(男子)
家族から運動を勧められる
子どもは体力がある
体力評価
A
B
・男女ともに体力評価が高いほ
ど「かなりそう思う」「そう思う」
の割合が高くなる傾向がある。
・特に男子では体力評価と「かな
りそう思う」の関係が顕著であ
る。
20%
40%
かなりそう思う
あまりそう思わない
10.3
6.8
14
13
17.3
10.5
21.4
60%
80%
そう思う
まったくそう思わない
100%
ややそう思う
家族から運動をすすめられる(女子)
A
体力評価
・新体力テストの結果により、上
位から5段階(A~E)に区分し
「家族から運動をすすめられる
か」という質問に回答しても
らった。
6.1
17.9
21.4
35.7
0%
の体力向上実践事業」の中で新
体力テストの結果と生活実態を
リンクさせて分析した。
20.3
27.8
21.1
E 3.6
・文部科学省委嘱事業「子ども
19.3
26.1
25.1
D
11
35.6
33.6
C
6.1
30.6
40.8
17.1
B
22.9
25.7
24.8
C
30.7
18.9
D
0%
25.2
27.3
20%
かなりそう思う
あまりそう思わない
40%
7.1
17.1
27.3
そう思う
まったくそう思わない
7.9
18.1
16.3
60%
8.6
19.8
27.2
22.8
22.7
E
15.8
27.6
14.6
22.9
18.2
80%
ややそう思う
2.3
100%
子どもの生活習慣は?
学年が進むにつれ睡眠時間が短くなる
・小学校では「8時間以上」睡眠を取る児
童の割合が80%強から加齢とともに減
少し、小学校6年生で「6~8時間未満」
の割合と逆転している。
1日の睡眠時間
DATA
83%
小1
43%
小6
・また、「6時間未満」の児童は5%前後
で推移しているが、中学校になるとその
割合は増え、16%まで増加する。
20%
30%
40%
8時間以上
DATA
小6以上では3割強が3時間以上テレビ視聴
26%
60%
6~8時間
70%
80%
90%
100%
6時間未満
10%
23%
26%
16%
0%
50%
40%
14%
中3
16%
1日のテレビ(ゲーム含む)の視聴時間
小1
小6
6%
70%
10%
5%
50%
15%
中3
0%
・小学校では加齢に伴いテレビの視聴時
間が長くなっていく傾向にある。
・「1時間未満」の割合は26%から高学
年になるにつれ15%まで減少し、「1~
2時間未満」の割合は40%から26%
まで減少している。「3時間以上」の割
合は11%から34%まで増加している。
・中学校では小学校高学年の割合がほ
ぼ横ばい状態である。
12%
25%
20%
30%
1時間未満
40%
26%
34%
24%
36%
50%
1~2時間
11%
60%
2~3時間
70%
3時間以上
80%
90%
100%
子どもの体力向上のためには学校、家庭、地域の連携が必要だ!
子どもの体力を向上させるには、成長段階に応じた運動実践を学校、地域及び家庭という生活全体の中で行
い、子どもが身体を動かすことを習慣としていくことが必要である
子どもの体力の向上
(明るく活力ある生活の基礎づくり)
運動をするための体力
生活をするための体力
学
校
(運動好きな子どもづくり)
スポーツや外遊びに必要な「時間」「空
間」「仲間」の3要素がそろった学校で運
動好きな子どもを育てる。
家
庭
(身体を動かす習慣づくり)
地
域
(スポーツ活動の場づくり)
子どもがスポーツや運動に親しむきっかけを作り、
自ら楽しんで身体を動かす習慣をつけさせる。
「よく動き、よく食べ、よく眠る」ために家族全体で
生活習慣を改善する。
地域で子どもが安心して運動や外遊びができる
ようにする。総合型地域スポーツクラブの設立な
ど、子どもがいろいろなスポーツ活動に参加でき
る仕組みをつくる。
第1章 市民スポーツ振興の現状と課題
9 高齢者の健康づくり
この項目のまとめ
1 高齢者健康づくり施策の現状は?
○横浜市の高齢者(65歳以上)約60万人(平成17年10月)のうち、約8割は元気高齢者である。
○元気高齢者を対象とした健康づくり事業も多いし、参加者も多い。
○しかし、スポーツ実施状況は、60歳代で4割、70歳代で6割、80歳代では7割強が全く運動をしていない。
→現行の健康づくり事業が、高齢者のスポーツ・運動に関するニーズ、特に現在「運動をしていない」人の
ニーズに対応できていない可能性がある。
2 高齢者の健康づくり施策の目指すべき方向は?
○横浜市は平成24年に「超高齢社会」(65歳以上の老齢人口が約5人に1人)へ突入
○健康に関する意識・関心は高まってきている。
○運動実施率を上げるには、
・ 「運動を行う環境の整備」として、「仲間の紹介」、「身近な場所・施設の確保」、「(専門性のある)指導者
の養成」が必要となる。
・ 特に「運動が苦手な高齢者への働きかけ」として、「医師・保健師・家族・仲間の勧め」や「一人でできる・
自宅でできる運動の紹介」が必要となる。
○高齢者の運動習慣を定着させるには、「高齢者健康づくり施策の拡充」とともに「地域での課題解決力の向
上」具体的な仕組みとしては総合型地域スポーツクラブづくり等を推進する必要がある。
高齢者健康づくり施策の現状は?
虚弱
5%
元気高齢者 79.4%
横浜市の高齢者(65歳以上)
約60万人の約8割は元気高齢
者。この層を対象とした事業も
多く、参加者も多いのだ
が・・・・・
○高齢者スポーツ・体操等振興事業
○まちぐるみ健康教室
○転倒予防教室
○ヨコハマさわやかスポーツ普及事業
○高齢者・中高年健康体操教室
○スポーツ医科学センター(SPS) 他
要介護認定者
15.6%
○筋力向上トレーニング
など
過 去 1 年 間 の ス ポ ーツ 状 況
80歳以上
72
70~ 79歳
60
60~ 69歳
過去1年間の運動・スポーツの
実施状況は、60歳代で4割、7
0歳代で6割、80歳代で7割強
が全く運動をしていない!
14
17
27
41
50~ 59歳
35
30~ 39歳
20%
全くしない
20
18
42
42
0%
24
45
34
合計
32
45
37
20~ 29歳
23
32
44
40~ 49歳
14
24
35
40%
60%
週2回未満
23
80%
週2回以上
100%
高齢者の健康づくり施策の目指すべき方向は?
横浜市は平成24年「超高齢社会」へ突入
健康に関する意識・関心は高い
平成17年に、65歳以上の老齢人口は16.3%
(約6人に1人)
平成24年には、65歳以上の老齢人口が21%超
(約5人に1人)
・健康情報ニーズは急増
(平成13年度34%→16年度57%)
・仲間がいれば運動する人は4割いる
・運動するときの仲間の希望人数は5~6人
・高齢化するほど「近くで」「ひとりで」
どうすれば運動実施率はあがる?
○運動を行う環境の整備
仲間の紹介、身近な場所・施設、指導者の養成
○運動が苦手な高齢者へのはたらきかけ
医師・保健師・家族・仲間の勧め,一人でできる・自宅でできる運動の紹介
高齢者の運動習慣を定着させるには?
行政施策の一層の充実
高齢者健康づくり施策の拡充
地域・団体の協力
地域での課題解決力の向上
(総合型地域スポーツクラブづくり)
第1章 市民スポーツ振興の現状と課題
10 障害者のスポーツ活動
この項目のまとめ
1 障害のある人にとってのスポーツの意義と役割
・「障害者のスポーツという文化が認知されて存在し」、かつ「一般のスポーツ環境の中に障害者のスポーツ
が存在」しているという、障害者のスポーツ活動のノーマライゼーションの実現を目指していく。
・障害者の生活の質の向上(健康で豊かな生活の実現)を図っていく。
2 障害者のスポーツの本市における実践と今後の展開
○本市・横浜ラポールの障害者のスポーツ振興の特色
・ビギナーや重度障害者に対する「リハビリテーションスポーツ」に重点を置いてきた。
・市域における普及のため地域資源と連携した出張指導を実施している。
・競技力向上については、各競技団体等との協力・連携によって、より高いレベルのサービスを展開してい
る。
○ラポールによる事業実績
・リハビリテーション・スポーツ事業
・スポーツ・レクリエーション事業
・スポーツ大会・交流イベント事業
・地域支援事業
○今後の展開の方向性
・横浜ラポールを単なる利用施設でなく、全市の中核拠点として地域展開していく
・高齢者との共通点(特に身体障害者)を整理し、事業を統合化
・指導者、ボランティアの育成
・学校との連携
・地域指導者への働きかけ
・地域の活動施設の積極的活用
障害者のスポーツ活動の意義など
障害のある人にとってのスポーツの意義と役割
障害者スポーツの理念、目標
「21世紀における障害のある人のためのスポーツ振興」
((財)日本障害者スポーツ協会H15.3による)
「スポーツにおけるノーマライゼーション推進調査」
(横浜市企画局・教育委員会H11.3による)
○ノーマライゼーションに向けた豊かな地域社会構築に
向けた役割
(身近な地域で自らの意志でスポーツを選択)
○スポーツを汎用的に発展させる役割
(実施する人に合わせたスポーツの工夫は身体能力の
低下した高齢者等へも有効)
○障害の理解を社会に浸透させ勇気を国民に付与する
役割(競技レベルが高い大会等で選手の姿を国民が視
聴する機会が社会に障害の理解と国民に勇気を付加)
○社会復帰に向けたリハビリテーション効果
(リハビリ医学分野に限らず身体的・精神的・社会的に
その後の社会復帰に有効)
○障害を克服するための健康増進と体力向上
(障害者は社会的活動における制限を克服するために
健常者よりもスポーツ活動が必要)
○積極的な社会参加と障害に応じた自立の支援
(スポーツの経験や実施は積極的な社会活動や障害に
応じた自立の支援への近道)
○国際化への推進
(ノーマライゼーション、エンパワーメントなどの理念が
国際的な競技大会等を通じて国内外に流布)
○障害者スポーツの理念は、「障害者の機能回復、健康
の維持・増進」と「社会的自立、社会参加の促進」という
側面があり、障害者の健康で豊かな生活の実現を図る
ことにある。
○障害者スポーツを「リハビリテーション」→「生涯スポー
ツ」→「競技スポーツ」と段階的に整理して考えていく必
要がある。
○それぞれの障害の種類や状況によって配慮すべき点
が異なることを留意する必要がある。
○障害者の機能回復、健康の維持・増進
(障害者スポーツは「医学的リハビリテーション」として
始まり、発展したものである。スポーツによる身体的機
能の回復については様々な場で実証されている。)
○障害者の社会的自立、社会参加の促進
(スポーツという活動を通じた交流が生まれ、スポーツ
を通じた達成感、自信、自己肯定を獲得することにより、
障害者自身が自らを取り巻いている環境(コミュニティ)
を再認識し、地域で生活している・社会参加していると
いう自信、安心感が生まれる。
「障害者スポーツという文化が認知されて存在すること」
「一般スポーツ環境の中に障害者スポーツが存在していること」という、
「障害者スポーツにおけるノーマライゼーションの実現」を目指していく。
健康で豊かな生活の実現
生活の質(QOL)の向上
障害者のスポーツ活動の本市における実践と今後の展開
本市における障害者のスポーツ活動振興の特色
○本市ではリハビリテーション、健康志向、趣味を中心として、
横浜ラポールを中心に、横浜市総合リハビリテーションセ
ンターとの連携のメリットを最大限に引き出し「リハビリテー
ションスポーツ」の展開に重点を置いてきた。
○特に、ラポールでは、障害程度が重度な、ビギナーをス
ポーツ活動に導き、フォローしている。
○また、地域支援事業として、スポーツセンター、地区セン
ター、ケアプラザ等へラポールの指導員が出向き、スポー
ツレクリエーション指導を実施している。
○競技力向上については、各種競技団体等との協力・連携
によって、より高いレベルのサービスを提供している。
横浜ラポールによる事業実績
○リハビリテーションスポーツ事業
・リハビリテーションスポーツ教室
・個別指導
○スポーツ・レクリエーション事業
・スポーツ・レクリエーション教室等
・各種リーグ戦や記録会
・障害者スポーツ指導員、ボランティア養成研修
○スポーツ大会・交流イベント事業
・ハマピック ・スポーツフェスタ
○地域支援事業
・スポーツ教室など
今後の展開の方向性
○横浜ラポールを単なる利用施設でなく、全市の中核拠点として地域展開
→ラポールに蓄積されたノウハウをマニュアル化し共有化
→現在の地域支援事業を組織的に強化し、既存施設活用により南部方面でも事業展開
○高齢者との共通点(特に身体障害者)を整理し事業を統合化
→積極的なリハビリテーションスポーツのノウハウが、高齢者の介護予防や生活の質(QOL)の向上に応用可能
→特別な器具を要しない、地域できる種目を中心に、指導体制を高齢者施策と連携し整備
○指導者・ボランティアの育成
→横浜市障害者スポーツ指導者協議会の活動の支援(講習後のフォローアップと区単位組織強化)
→横浜ラポール指導員から地域の指導員・ボランティアへのノウハウの移転と役割分担
○学校との連携
→横浜ラポールのノウハウを学校の体育指導者と共有化
→障害のある子もない子も一緒に楽しめるスポーツ・レクリエーションの指導
○地域指導者への働きかけ
→体育指導委員、青少年指導員、保健活動推進員等へ横浜ラポールが積極的にアプローチ
→スポーツへの様々な関わり方の普及啓発(する、みる、つたえる、つくる)
○地域の活動施設の積極的活用
→スポーツセンター管理者等とラポールが組織的な連携を強化
→小中学校の学校開放事業、総合型地域スポーツクラブへの障害児・者の受け入れのための諸条件整備
第1章 市民スポーツ振興の現状と課題
11 大規模スポーツイベント誘致
この項目のまとめ
1 横浜市のスポーツイベント誘致への取り組み
○国際都市横浜にふさわしいスポーツイベント誘致推進懇談会
平成8年から平成15年までスポーツイベント誘致推進の中心的な役割を果たした。
○国際競技大会の開催実績
2 大規模スポーツイベント開催が地域にもたらす効果
○スポーツイベントが地域にもたらす効果
・インフラ整備効果
・経済的効果
・社会的・文化的効果
○横浜は社会的・文化的効果を重視してきた。
3 2002FIFAワールドカップ開催により形成された資産
○開催により形成された資産
・決勝戦開催都市「横浜」の知名度アップ ・ 韓国を始めとする国際交流の促進
・ サッカーを始めとする市民スポーツの振興 ・ 青少年の健全育成 ・ わかりやすい案内表示の整備
○経済効果
観戦客、メディア関係者、イベント参加者合計約83万人の横浜市内での消費額は、総額133億円である。
企業調査では、外国人の来店数が増加した企業は38.5%、普段とあまり変わらないとする企業が58.2%で
あった。また、前年同月比の売り上げでは「減少した」50.5%が「増加した」15.0%を大きく上回る。
4 今後の大規模スポーツイベントの誘致に向けて
○イベント誘致を推進するための課題
・誘致体制の強化
・開催都市負担金の基本的考え方の整理 ・都市プロモーション部門等との連携
○開催により形成された資産の活用戦略
・スポーツ人口の拡大 ・スポーツ人材の育成 ・市民参加の継続
横浜市のスポーツイベント誘致への取り組み
国際都市横浜にふさわしいスポーツイベント誘致推進懇談会
・本市のスポーツイベント誘致の取り組みが本格化するのは、平成8年6月17日に「国際都市横浜にふさわしいスポーツイベ
ント誘致推進懇談会」が設置された以降である。
・この懇談会は、当時建設中であった「横浜国際総合競技場(現日産スタジアム)」「横浜国際プール」の活用を含め、横浜市に
おける今後のスポーツイベント誘致のあり方を検討するために設置された。
・設置当初は、2008夏季オリンピック横浜誘致に関する議論がなされ、招致賛成の決議もされた。
・この懇談会は、平成15年12月26日に廃止されるまでスポーツイベント誘致に一定の機能を果たしてきた。
・行政組織としては、教育委員会スポーツ課に大規模スポーツイベント誘致のための担当課長が平成15年度まで、担当係長
が平成16年度まで置かれていたが、機構改革に伴い廃止された。現在は、教育委員会スポーツ課がこの役割を担っている。
国際競技大会の開催実績(5年間)
平成13年(2001)
平成14年(2002)
平成15年(2003)
平成16年(2004)
平成17年(2005)
横浜国際室内陸上
スーパー陸上
国際ジュニア体操
横浜国際女子駅伝
横浜国際室内陸上
スーパー陸上
横浜国際女子駅伝
FIFAワールドカップ
パンパシフィック水泳
横浜国際室内陸上
スーパー陸上
国際ジュニア体操
横浜国際女子駅伝
スーパー陸上
横浜国際女子駅伝
スーパー陸上
国際ジュニア体操
横浜国際女子駅伝
シンクロナイズドスイミング
ワールドグランプリ
世界ベテラン卓球選手権
ジャパンオープン荻村杯
大規模スポーツイベント開催が地域にもたらす効果
スポーツイベントが地域にもたらす効果
横浜は社会的・文化的効果を重視
横浜市は、これまでの誘致活動や開催の理念の中
でインフラ整備効果、経済的効果を強調することは
少なく、もっぱら社会的・文化的効果を掲げてきた。
インフラ整備効果
都市開発プロジェクトの推進
道路、鉄道などの整備促進
スタジアム等施設の整備促進
経済的効果
観光客等よる消費支出の拡大
大会運営関連支出の増大
大会開催による消費意欲拡大
社会的・文化的効果
スポーツ人口の拡大
都市の知名度の向上
地域の文化水準の向上
【具体例】
2002FIFAワールドカップの横浜開催の理念
1 大会開催により、世界各国から素晴らしい選手が集い、直
接観戦する機会が生まれる。横浜で試合が行われること
で、サッカー、そしてスポーツ全般に対する市民の関心が
高まり、その結果、自分も何かスポーツをやろうという方が
増え、スポーツ振興という元気が生まれる。また、スポーツ
の振興は健康づくりに繋がる。
2 次世代の主人公となる子どもたちに夢と希望を与え、市民
の元気、市民の一体感を新たに生み出すチャンスであり、
ひいては、都市の活力に繋がる。
3 創造的コンベンション都市を目指している横浜市では、世
界最大規模のスポーツコンベンションであるFIFAワールド
カップを開催し、国内外の大勢の人に横浜を訪れてもらう
とともに、横浜の名前を全世界に発信する。
4 「THE CITY OF FINAL」としての横浜の名前が連日連
夜全世界に発信されることで、世界における横浜の知名
度が向上し、観光客やコンベンションの誘致、外国企業の
進出が更に進むなどの大きな効果が期待できる。
5 横浜を訪れる大勢のお客様の需要を満たすための生産増
大や付加価値の誘発による経済効果についても相当大き
なものになると想定されるほか、公園や道路など都市基盤
の整備、ボランティアへの参加を契機とした人的資源の発
掘やネットワークの構築も進む。
2002FIFAワールドカップ開催により形成された資産
大会を振り返って(開催時の諸現象、住民の反応等)
①ボランティアが積極的な活動を展開し、今回の大会の成功は、ボランティアを始めとした市民、企業といった、まさに「民の力」に支えられたものだった。
②子ども招待事業や各種イベントを通じて、横浜の次代を担う子どもたちに夢や感動を与え、また、様々な国の文化とふれあう機会を提供できた。
③各区に推進組織が設置され、各種イベントの開催などにより住民意識の一体化や連帯感の醸成に繋がった。
④横浜市ボランティアには、当初採用予定の500人を大幅に上回る、一般ボランティア1857名、通訳ボランティア6877名の多くの応募があり、大会への参加
に対する関心や意欲の高さが示された。
⑤神奈川県が実施した県政モニターアンケートの調査結果を見ても、共催国である韓国やボランティア活動等への関心の高まりが見られた。
⑥大会直前までフーリガンや住民生活への影響を危惧する声が競技場や繁華街を抱える地元から出ていたが、説明会の実施や事前PRにより大きな混乱もな
く大会を終了した。
⑦特に開催期間中に顕著であった諸現象を整理すると以下の通りである。
・市民、地域、企業、行政が一体となった大会成功への取り組み
・ボランティアの活躍
・国内外の来訪者などとの市民レベルの様々な交流
・パブリックビューイングの盛況
・横浜みなとみらい市民サッカーパークの開設
開催により形成された資産
1 決勝戦開催都市「横浜」の知名度アップ
2 韓国を始めとする国際交流の促進
3 サッカーを始めとする市民スポーツの振興
4 青少年の健全育成
5 わかりやすい案内表示の整備
開催時の観光消費、観光行動の検証(横浜市経済局調査)
国内外から横浜へ訪問した人(2,650人、外国人529人)がどのような観
光を行っているかを把握するため、立ち寄った観光地や消費した金額
等の調査を実施した。また、市内の観光関連企業(613社)を対象に、
外国からの来訪者への対応について調査を行った。
○調査結果
「横浜滞在中の満足度」は日本人51.9%、外国人82.4%が満足、
「インターターネットを利用した情報提供」は日本人23.5%、外国人
54%が満足、「市内のイベントや催し物案内」は日本人24.5%、外国人
54.1%が満足となっており、いずれも外国人における満足度が高い。
観戦客、メディア関係者、イベント参加者合計約83万人の横浜市内で
の消費額は、総額133億円である。
企業調査では、外国人の来店数が増加した企業は38.5%、普段とあま
り変わらないとする企業が58.2%であった。また、前年同月比の売り上
げでは「減少した」50.5%が「増加した」15.0%を大きく上回る。
今後の大規模スポーツイベントの誘致に向けて
イベント誘致を推進するため課題
1 誘致体制の強化
行政及び関係団体等がスポーツイベント誘致のための
推進プロジェクトを組織し、競技団体や広告代理店と連
携して、日産スタジアム、横浜国際プールなど市
内施設を会場として、開催可能な競技ごとに、情報収
集や大会誘致の為の諸調整を進める。
2 開催都市負担金の基本的考え方の整理
国際スポーツイベント開催には、開催都市負担金を求
められることが通例であることから、開催都市負担金の
基本的な考え方をまとめ、推進プロジェクトで開催都市
としての各種支援策を検討する。
3 都市プロモーション部門等との連携
スポーツイベント誘致の強化の一つとして、庁内で都市
プロモーションを担当する部門や経済界との連携を強
化し、スポーツによる交流・集客を政策として進める。
開催により形成された資産の活用戦略
・2002FIFAワールドカップで実証されたように、大規模ス
ポーツイベント開催は多くの資産を開催地にもたらす。課題
は、この形成された資産を今後のスポーツ振興にどのよう
に活かしていくのかという具体的な戦略である。
・誘致段階や開催前・期間中の盛り上がりを、開催後につな
げなければ、イベント開催の効果は一時的なものとなる。
・そして、この問題は開催後に対処するのでは遅く、誘致段階
から開催後を見据えてマネジメントされるべき問題である。
・具体的な活用戦略として、次の3点がある。
1 スポーツ人口の拡大
今までスポーツにあまり関心のなかった人も、開催に伴い大
量に流されるスポーツ情報により関心をもつ可能性が高ま
る。特に、「子ども」を対象としたイベントを継続することによ
り競技の普及に寄与する。
2 スポーツ人材の育成
イベントがもたらす資産のうち最も直接的で活用の可能性
が大きいのは、イベント運営に関わった人材の活用である。
特に、国際的大規模イベントではそれまでの経験からは想
像もできない業務の広がりと厳しさがあり、これに携わること
により、新たな視点を持ったスポーツ人が養成される。これ
ら人材を既存団体、行政の中で有効に活用すべきである。
3 市民参加の継続
行政とボランティアや企業・市民団体との間に形成された
ネットワークもイベント終了とともに消滅することが多い。常
設的な窓口は必要ないが、関係者、関係組織がイベントで
形成された資産を継承する意識を持つことが必要である。
第2章
市民スポーツ振興のビジョン
ビジョン1
新たな生涯スポーツ振興のしくみづくり
ビジョン2
生涯スポーツ社会を実現するための5つの目標
スポーツ振興のビジョン 1
新たな生涯スポーツ振興のしくみづくり
・スポーツをめぐる社会状況は大きく変化しています。そして、スポーツが持つ社会的意義はさらに大きく変化しています。
・少子高齢化の進展により日本社会全体が成熟期を迎えています。学校・企業・行政を中心とするこれまでのスポーツ振興システム
は、子どもや生産年齢世代が人口の多数を占め、行政による画一的なサービスが必要とされる時代では有効なシステムでした。
・しかし、これからは違います。学校や企業がカバーできない世代が急激に増加しています。しかも、この世代は行政の従来型の画
一的なサービスに満足することはないでしょう。
・地域社会も様々な問題を抱えています。治安、防災、高齢者介護、障害者の社会参加、青少年の非行、環境保全等で、地域の課
題解決力が試されています。核家族化、高齢者の単身世帯の増加、近隣とのつきあいが希薄になりがちな地域社会の中で、住民
の交流を促進しコミュニケーションを深める具体的な「手段」が必要とされています。
・スポーツは、その実践者に「楽しさ」「喜び」「達成感」等をもたらし、一緒にスポーツをすることにより「仲間意識」や「連帯意識」が醸
成されることはよく知られています。
・スポーツは、従来の身体的効果、教育的効果に加えて社会的効果つまり地域におけるコミュニティ形成効果まで期待されるように
なっているのです。
・このような状況を踏まえると、これからは、競技スポーツの振興に加えて、住民が主体となった、地域における新たな生涯スポーツ
振興のしくみづくりが求められます。
・横浜市体育協会を中心としたスポーツ団体は、これまでの競技スポーツの普及活動の中で培ってきたノウハウを活かし、地域の生
涯スポーツ活動を様々な面から支援することがより一層必要とされます。
・このため、横浜市体育協会と横浜市スポーツ振興事業団の統合を早期に実現し、生涯スポーツ振興のための「新しいしくみ」を実
現します。
・この「しくみづくり」に対し、横浜市レクリエーション協会、体育指導委員、学校関係者、NPO、企業などは協働して生涯スポーツを
振興します。
スポーツ振興のビジョン 2
生涯スポーツ社会を実現するための5つの目標と共通目標
目標 1
スポーツを全くしない成人を15%減らします
市民の1年間全くスポーツ・運動をしない割合は、約40%です。全国平均
の26%や神奈川県の22%と比べても高い割合です。非実施率を15%減
少させることにより、国の目標である週1回以上の実施率50%もほぼ達成
できます。
目標 2
元気高齢者(65歳以上)の割合を80%に維持します
高齢者(65歳以上)約60万人の79.4%が元気高齢者ですが、今後急激
に高齢者年代が増加します。介護予防事業とも連携し現在の水準を維持し
ます。
目標 3
小中学生の新体力テストで全種目全国平均を上回り
ます
現在は、全ての種目で全国平均を下回っていますが、新体力テストの実施
校を拡大しながら、全国平均値を目標に体力の向上を図ります。
目標 4
競技力向上のための取り組みと全ての市立中学校運
動部に専門的指導のできる指導者の配置を行います
競技スポーツ振興のために、ジュニア層の競技力向上に取り組みます。ま
た、顧問教員のスポーツ医科学研修や技術指導研修を充実する一方、競
技団体、大学等の協力を得て専門的指導のできる指導者を派遣します。
目標 5
総合型地域スポーツクラブを18区に最低1カ所以上
育成します
現在、2クラブが設立済み、10クラブが設立準備中です。
今後も、文部科学省の委嘱事業を活用して設立を進める一方、設立時やそ
の後の運営を支援するしくみをつくります。
5つの目標を進める上での共通目標
スポーツ施設の整備検討
よりよりスポーツ環境をつくるため、スポーツ振興上基本的な要素であるス
ポーツ施設(武道館・総合体育館等)の整備について検討します。
第3章
生涯スポーツ社会を実現するための提言
生涯スポーツ社会を実現するための5つの目標と共通目標、24の戦略プロジェクト
目標5
総合型地域スポー
ツクラブの全区展開
目標1
スポーツを全くしな
い成人を15%減少
目標2
元気高齢者の割合
8割維持
目標3
新体力テストで
全国平均超え
戦略プロジェクト1
総合型地域スポーツ
クラブの育成
戦略プロジェクト5
総合型地域スポーツ
クラブの活用
戦略プロジェクト10
新体力テスト全校実
施
戦略プロジェクト15
指導補助者の派遣
戦略プロジェクト20
総合型地域スポーツ
クラブ設立への支援
戦略プロジェクト2
各区スポーツセン
ターの利用促進
戦略プロジェクト6
ウオーキングコース
の選定
戦略プロジェクト11
小学校体育授業
の充実
戦略プロジェクト16
スポーツ医科学研修
の実施
戦略プロジェクト21
助成制度の確立
戦略プロジェクト3
スポーツに関する
PR活動等の強化
戦略プロジェクト7
高齢者・中高年の
健康づくり事業の拡
充
戦略プロジェクト12
小学校への中休み
ボランティア派遣
戦略プロジェクト17
技術指導講習会
の実施
戦略プロジェクト22
地域指導者の育成
戦略プロジェクト4
スポーツに関する
ノーマライゼーション
の促進
戦略プロジェクト8
虚弱高齢者に対する
介護予防
戦略プロジェクト13
体力に関する
意識改革
戦略プロジェクト18
学校向け人材情報
システムの確立
戦略プロジェクト23
地域指導者人材情
報システムの再整備
戦略プロジェクト9
スポーツ情報の提供
戦略プロジェクト14
身近な運動
遊び場づくり
戦略プロジェクト19
競技力向上事業の
実施
戦略プロジェクト24
学校開放事業との連
携
目標4
競技力向上と全運動部
への専門指導者の配置
5つの目標を進める上での共通目標 スポーツ振興上基礎的な要素であるスポーツ施設(武道館等)の整備について検討
目標1 スポーツを全くしない成人を15%減少
戦略プロジェクト1
総合型地域スポーツクラブ
の育成
スポーツ実施率を向上するための最重点施策として、これまでスポーツ・運動への参加機会が得ら
れなかった子どもから高齢者・障害者までが、いつでも、いつまでも身近な場所で運動ができる環
境づくりとして、総合型地域スポーツクラブを育成します。
戦略プロジェクト2
各区スポーツセンター
の利用促進
現行の利用時間を早朝及び深夜まで拡大することにより、これまで時間的にスポーツセンターの利
用ができなかった人へスポーツ・運動の場を提供し実利用者を増加します。また、未就学児やその
親などを対象とした教室を充実や、参加しやすい環境づくり(託児等対応)を行います。
戦略プロジェクト3
スポーツに関する
PR活動等の強化
マスメディア、インターネット等の媒体を効果的に組み合わせ、スポーツ実施に関する呼びかけや関
心を深めるためのPR活動を強化します。また、市内のスポーツ施設情報の一元化により、スポーツ
施設の空き状況を把握しやすくし、施設の効率的利用を促進します。
戦略プロジェクト4
スポーツに関するノーマライ
ゼーションの促進
障害者のスポーツ活動が、障害者関連団体と地域団体との交流・連携のもと、各区スポーツセン
ターなど身近な地域で行える体制づくりを支援します。指導者養成、競技ルールや器具の工夫によ
り、様々な競技を障害者と健常者が一緒に行える環境作りを促進します。
目標2 元気高齢者の割合8割を維持
戦略プロジェクト5
総合型地域スポーツクラブ
の活用
総合型地域スポーツクラブを利用し、身近な地域でのスポーツ実施機会の創出や、地域指導者の
育成活用を図ります。また、世代を超えて参加できるヨコハマさわやかスポーツ(ニュースポーツ)を、
総合型地域スポーツクラブと連携して普及し実施者を増加します。
戦略プロジェクト6
ウォーキングコースの選定
横浜開港150周年を契機に、市内の歴史を学ぶことができるウォーキングコースを、市内全域で
150コース程度を目標に選定します。また、マップの作成配布のほか、参加者のインターネット上で
の交流などを通して、ウオーキング人口の拡大を目指します。
戦略プロジェクト7
高齢者・中高年の
健康づくり事業の拡充
高齢者・中高年のスポーツ振興事業を拡充し、指導者の育成及び教室事業等を充実するほか、運
動遊具の設置された公園での運動プログラムの展開などを通して、新規参加者をはじめ、より多く
の参加者の受け皿を設定し、運動の習慣化を図ります。
戦略プロジェクト8
虚弱高齢者に対する
介護予防
介護予防体操教室や転倒骨折予防教室を実施し、要介護認定状態への進行防止、更には元気高
齢者への改善を目指します。また、より身近な地域で(中学校区程度から小学校区程度へ)で介護
予防事業が展開できるよう、指導者の育成を行います。
戦略プロジェクト9
スポーツ情報の提供
横浜市スポーツ振興事業団で管理するスポーツ情報(指導者、教室事業等)を活用し、保健活動推
進員等と連携した地域ぐるみでの健康づくりを支援します。更に、インターネット等を活用して、自宅
で一人で手軽にできる運動プログラムを提供します。
目標3 新体力テストで全国平均超え
戦略プロジェクト10
新体力テスト全校実施
戦略プロジェクト11
小学校体育授業の充実
新体力テストの全校全種目実施を通して、市内の全児童・生徒の体力・運動能力の現状を正確に
把握し、個人や各校の実状に基づき指導するとともに、児童・生徒自らの主体的な活動に繋げます。
また、本人、保護者、教職員(学校)が、体力の経年変化を確認し検証します。
体育専科教員の配置検討や、大学生を活用した実技補助指導者の派遣を拡大し、横浜市スポーツ
振興事業団の指導員等による体育実技に関する小学校教職員等への相談体制を確立します。
戦略プロジェクト12
小学校への中休み
ボランティア派遣
保護者や地域の高齢者、大学生などのボランティアを活用し、中休みに子どもと一緒に遊んだり、
体育館や屋上で子どもの遊びの見守りを行うことで、子どものスポーツ・運動に親しむ機会を拡大し、
子どもの外遊びへの関心を高めます。
戦略プロジェクト13
体力に関する
意識改革
学力に比べ軽視されがちな体力について、その重要性を広く保護者に知ってもらうため、様々な機
会を利用し意識改革を促すとともに、親子での運動機会を提供します。また、啓発資料の作成・配
布やメディアを通じた広報活動を展開します。
戦略プロジェクト14
身近な運動遊び場づくり
放課後、休日の活動の場としての総合型地域スポーツクラブの設立・育成や、気軽にボール遊び
ができる場所等の環境づくりを通して、児童・生徒の運動遊び頻度の向上と習慣化を目指します。
目標4 競技力向上と全運動部への専門指導者の配置
戦略プロジェクト15
指導補助者の派遣
戦略プロジェクト16
スポーツ医科学研修の実施
戦略プロジェクト17
技術指導講習会の実施
戦略プロジェクト18
学校向け人材情報システム
の確立
戦略プロジェクト19
競技力向上事業の実施
現行の外部指導者派遣制度の拡大、地元大学の大学生を活用した中学生の運動部活動等への指
導補助者派遣制度を拡大し運動部活動の活性化を図ります。また、横浜市体育協会加盟団体・横
浜市スポーツ振興事業団による運動部活動のサポート体制を確立します。
運動部活動の顧問教員等を対象とした、運動障害の予防、理学療法などの実技研修や、栄養学な
ど、成長期の子どもに適切な指導が行えるよう、医科学研修を実施します。
種目毎の技術指導を習得し競技経験のない種目を担当した場合にも指導を行えるよう、横浜市体
育協会加盟団体を中心に運動部活動の顧問教員等を対象とした技術指導講習会を実施します。
横浜市スポーツ振興事業団で管理する人材情報システムを再構築し、中学校の運動部活動指導
に適した人材情報を収集・提供します。また、各学校からの派遣依頼に応じて、適任者を紹介でき
るシステムを確立します。
発育・発達期にある運動部活動に加入する中学生に対して、横浜市スポーツ医科学センターの機
能を活用し、傷害の予防・パフォーマンスの向上を目的とした「ジュニアスポーツクリニック」を実施し
ます。また、各年代(小学生~高校生)の合同強化練習を通して一貫したジュニア選手の発掘・育
成・強化を実施します。
目標5 総合型地域スポーツクラブの全区展開
戦略プロジェクト20
総合型地域スポーツクラブ
設立への支援
総合型地域スポーツクラブの支援については、「理解(周知)」、「設立」、「運営」のそれぞれの段階
に応じて、地域に身近な区役所やスポーツ関連団体との協力のもと、様々なサポート制度を整備実
施します。地域の自立的な活動を促進し、早期に全区での設立を目指します。
戦略プロジェクト21
助成制度の確立
公共サービスの担い手と認められる総合型地域スポーツクラブに対する、横浜市独自の助成金交
付制度(設立支援、運営支援)を整備するほか、様々な助成金制度を紹介します。また、スポーツ備
品の貸出しや新種目の紹介などを実施します。
戦略プロジェクト22
地域指導者の育成
横浜市独自の人材養成講座を充実し、実技指導技能、クラブ運営能力に加え、ノーマライゼーショ
ンの理念を体得し、地域活動をコーディネートできる能力の取得を促進し、質の高い地域指導者の
育成を図ります。また、指導者間のネットワークづくりを支援します。
戦略プロジェクト23
地域指導者人材情報システム
の再整備
横浜市スポーツ振興事業団で管理するスポーツ人材情報を再構築し、総合型地域スポーツクラブ
の要望に応じた実技指導者を紹介できるシステムを整備します。また、広報や財務など運動技能以
外の人材情報の収集・提供に努めます。
戦略プロジェクト24
学校開放事業との連携
総合型地域スポーツクラブの活動場所として、市民の身近な場所にある学校施設(校庭・体育館な
ど)は有望です。地域の多くの方が気軽に参加できるスポーツや文化活動の場である学校開放事
業と連携し、これまで以上に運動機会の少ない市民の参加を促進します。
第20期横浜市スポーツ振興審議会委員名簿
(敬称略、五十音順)
氏名
選出区分
役職名
奥寺 康彦
学識経験者
(株)横浜フリエスポーツクラブ代表取締役ゼネラルマネージャー
唐牛 伸泰
学校教育関係団体
横浜市立小学校体育研究会 会長
河野 理愛
学識経験者
NPO法人スポーツインキュベーションシステム代表理事
及能 茂道
学識経験者
横浜市医師会横浜スポーツ医会 会長
小坂 恵美子
体育関係団体
横浜市婦人スポーツ団体連絡協議会 会長
佐々木 憲二
学校教育関係団体
横浜市立中学校体育連盟 会長
柴田 武志
体育関係団体
横浜市体育指導委員連絡協議会 会長
芝山 研文
学識経験者
横浜乗馬スポーツ少年団 代表指導者
須藤 照彦
体育関係団体
(財)横浜市体育協会 会長
大後 栄治
学識経験者
神奈川大学 教授
高梨 昌芳
体育関係団体
(社)横浜市レクリエーション協会 会長
野村 一路
学識経験者
日本体育大学 助教授
間野 義之
学識経験者
早稲田大学 助教授
宮嶋 泰子
学識経験者
テレビ朝日編成制作局アナウンス部部長待遇
会 長:須藤照彦 副会長:野村一路
任 期:平成16年3月22日から平成18年3月21日まで
※辞任 パーキンソン れい委員(H17.3.31)、川端 重義委員(H17.3.31)、松本 由明委員(H17.4.24)、川田 忠良委員
(H17.5.19) ※就任 佐々木 憲二委員(H17.4.1)、柴田 武志委員(H17.4.25)、及能 茂道委員(H17.5.20)
スポーツ施設運営のあり方検討専門部会専門調査員名簿
(敬称略:五十音順)
氏
名
選出区分
役
牛込 照雄
関係行政機関
教育委員会事務局生涯学習部スポーツ課ス
ポーツ施設整備担当係長
菅野 孝義
関係行政機関
教育委員会事務局生涯学習部スポーツ課企画
係長
澤井 和彦
学識経験者
東京大学大学院教育研究科身体教育学コース
助手
間野 義之
学識経験者
早稲田大学スポーツ科学部 助教授
横田 匡俊
学識経験者
早稲田大学スポーツ科学部 助手
任 期:平成16年7月26日から平成16年12月28日まで
職
名
第20期横浜市スポーツ振興審議会審議日程
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第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
平成16年 3月22日(月)
平成16年 6月28日(月)
平成16年10月 8日(金)
平成16年12月22日(水)
平成17年 4月14日(木)
平成17年 7月 6日(水)
平成17年10月 7日(金)
平成17年12月16日(金)
平成18年 3月14日(火)
第20期横浜市スポーツ振興審議会専門部会日程
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第1回
第2回
第3回
平成16年 7月26日(月)
平成16年 8月26日(木)
平成16年 9月15日(水)
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