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馬の話(PDF:28KB)

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馬の話(PDF:28KB)
馬
の
話
◎馬の品種
現在、わが国では馬の品種を軽種、重種、中間種、そして在来種の4つに分類し
ています。
軽種は、駈足の得意な速度の速い馬で、競馬や乗馬に使用されており、体重がだ
いたい400㎏∼550㎏位までの馬です。
自動車にたとえればスポーツカーです。
重種は、畑を耕したり、荷馬車を引くような力仕事に多く使用されている馬で、
速度は遅いが力が強く、体重も800㎏∼1トンを越えるものまでいます。
自動車でいえば、トラックやトラクターにあたります。
また、競馬でいえば北海道で行われている、ばんえい競馬に使用されている品種
です。
中間種は、乗馬や軽い馬車を引くのに適していると共に、オリンピックなどの競
技馬術でも活躍しており、自動車でたとえれば乗用車といったところです。
最後に在来種は、古くから日本に生息していた馬のことで、北海道和種(道産子)
、
木曾馬、都井岬にいる岬馬、トカラ馬などがいます。
それぞれの代表的な品種には、軽種のサラブレッド、アラブ、アングロアラブ、
重種のぺルシュロン、ブルトン、クライズデール、中間種のトロッター、ハンター、
セルフランス、クオーターホース、ハノーバーなどがいます。
そして、競馬で使用されるのが、サラブレッド、アングロアラブ、競技馬術でよ
く用いられるのがセルフランス、クオーターホースです。
この他に大人になっても、体高が147cm以下の馬をポニーと言い、代表的な
ものにウェルシュマウンテンポニー、シェトランドポニー、ハクニーポニーなどが
います。
◎サラブレッドの三大始祖
現在のサラブレッドの血統をさかのぼれば3頭のアラブ馬に辿り着くのです。
今日、世界中に存在するサラブレッドはいったいどのくらいの数になるのか、そ
れがたった3頭のうまから、それもアラブ馬から始まったのです。
サラブレッドは、最初から存在していた品種ではなく、アラブ馬とイギリスの在
来種を掛け合わせて生まれた馬だということです。
正確には3頭のアラブ馬の牡馬と、数頭のイギリス在来種の牝馬から生まれまし
た。
3頭のアラブ馬(アラビア馬)はそれぞれ、アラビア半島のアラブ馬(ダーレイ
アラビアン)
、トルコ地方のターク馬(バイアリー・ターク)
、さらに北アフリカ・
バーバリ地方のバーブ馬(ゴドルフィン・アラビアン)の3頭で、サラブレッドの
血統を血統表(家系図のようなもの)で表すときは、種牡馬(牡馬)のみを示すの
で、この3頭がサラブレッドの3大始祖ということになり、この3頭のうちで現在
もっとも繁栄しているのが、ダーレイアラビアン系で、20世紀に存在するサラブ
レッドの90%以上がダーレイアラビアン系で、この中でもノーザンダンサー系が
特に有名です。
ではなぜ、ダーレイアラビアン系だけがこんなに繁栄しているのかというと、そ
れはサラブレッドを生み出した理由に、根本的な理由があり、そもそもサラブレッ
ドはイギリスの貴族階級の人々が自分の馬をレースに勝たせること(競馬)から生
み出されたもので、当然いつも早さを追求していくことになり速い馬だけが必要と
されたのです。
そして、その生存競争に勝ち残っていったのがダーレイアラビアン系の馬ばかり
だったのです。
このようにサラブレッドは約300年も昔から、現在にいたってもなお、速さを
追求され続け、その生存競争に勝ったものだけが、次世代に子孫を残すことができ
るのです。
◎三大始祖
・ダーレイアラビアン(Darley・Arabian)
現在の血統の大部分を占めるダーレイアラビアンは、父親、母親共にアラ
ブの中で高い評価を得たことから、純血の中でも最も純粋なものと認められ
た。
1700年、今のシリアで生まれ、代表的な後継馬は4代目のエクリプス
に始まり、ポテイトーズ、キングファーガスの両頭が引き継ぎ、現在のダー
レイアラビアンの血統の90%、サラブレッドの80%を占める。
ダーレイアラビアンのながれには、ビワハヤヒデ、トニービン、ブライア
ンズタイム、サンデーサイレンス、マルゼンスキー、ノーザンテーストなど
多くの馬たちが名を連ね、上記の馬を見ただけでも、ダーレイアラビアンが
どれだけの勢力を誇っているのが伺える。
・バイアリー・ターク(Byerley・Turk)
1680年のトルコ生まれ、この馬は1690年のボインの戦いにおいて
所有主であるバイアリー大佐を背に敵から逃れたと言われている。
血統的には、4代目のヘドロの活躍で栄えたが、その後は落ち込み、一時
は滅亡寸前にまでなったという。
しかし、それを救ったのがザ・テトラーク、トウルビヨンであり、ザ・テ
トラークの流れではトキノミノル、トウルビヨンの流れではシンボリルドル
フ、メジロマックイーンがいる。
血統の流れを示すサークル系図では、全体の7∼8%程の割合しかないの
が現実である。
・ゴドルフィン・アラビアン(Godolphian・Arabian)
1724年のエジプト生まれで、優れた種牡馬であったと言われたが、本
格的に栄え出したのは、孫にあたるマッチェムからだそうだ。
この血統の流れには、イギリス競馬史上初の三冠馬ウエスト・オーストラ
リアンがおり、後にこの血統はアメリカに渡り、マンノウォーに続く。
この流れには、古い話になるがオートキツ、ミハルオー、新しいところで
はトーヨーリファールなどがいる系統で、サークル系図での割合は僅か2∼
3%程である。
◎サラブレッドの距離適性
陸上選手に長距離選手、中距離選手と短距離選手がいるように、サラブレッドに
も長距離が得意な馬、中距離が得意な馬、短距離が得意な馬がいます。
また、その他に芝が得意な馬とダート(砂地)が得意な馬がいます。
距離の区分
競馬は、何メートル以上が長距離というはっきりした区分はないが、一応
1600m未満が短距離、2000m位までが中距離、それ以上が長距離と
いわれている。
1マイル(1600m)を走る馬はよく2マイルもこなすといわれるが、
馬の成長によって、短距離しか走らなかった馬が長距離をこなすようになる
こともある。
・ステイヤー
スタミナ豊富で長距離レースの得意な馬のこと。
普通、2400m以上の距離に強い馬を呼ぶ。
・ミドルディスタンスホース
中距離(2000m前後)の距離を得意とする馬の
こと。
距離に対する融通性は、マイラー、ステイヤーに比
べると高い。
・マイラー
1マイル(1600m)前後の距離を得意とする馬
のこと。
距離が延びれば延びるほど、能力が低下する場合が
多い。
・スプリンター
スピードを身上とし、短距離レースの得意な馬のこ
と。
ふつう1600m未満の距離に強い馬を呼ぶ。
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