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神経櫛起源性組織の体外培養

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神経櫛起源性組織の体外培養
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昭和39年1月20日
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神経櫛起源性組織の体外培養
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第1編 末梢神経組織の培養
田 嶋 公 子*
studies on Tissues of Neural
Part l : studies on Peripheral
Kimiko
Crest Origin In Vitro
Nervous
Tissue In
Vitro
Tajima
目 次
つて増殖する腫瘍細胞が,自由にその本来の形態的特徴
I.緒言
を発揮するという性質を応用したものであって,これに
1.文献的考察
1,
よって腫瘍細胞の母組織を推理することかできる.また
Trichromique
de Massonその他の線維染色
ある腫瘍組織か培養において示す形態的特徴を見て,腫
におけるSchwann細胞の特徴
2. 脂質及び類脂質の所見,
瘍を診断することもできるとされている.
Feyrter封入染色及
組織培養とよく似た方法にStearnS(1940)5)の兎の
ぴLiang染色
耳に透明窓円板を挿入して観察する方法,或はVan
3. 7r穎粒その他の細胞内小体
Dooremaal
4.
織を培養する試みがあり,
Golgi装置
5. 組織培養における所見
(1873)
"に始まる眼球前房を用いて異種組
Towbin
(1951",
万ふ後者によって悪性腫瘍の悪性度の比較を行なって
Ⅲ.実験動物末梢神経における研究
いる.
1.材料
Murray,
2.方法
によってneurilemomaの起源をSchwanri細胞であ
stout
&
Bradley
(1940)
"が組織培養所見
8.組織培養所見
るとした研究はRecklinghausen病(以下B病と略称)
W.総括並びに考按
の徴候がないと断かつてあるものについて行なわれた右
V.結論
のであるに毛拘らず,レよし江R病の病理発生の考察に
 ̄VI.文献
引用されている.彼らは正常神経と神経鞘腫との組織培
養所見を比較して,神経鞘腫がSchwann細胞の形態学
I● 緒 言
Harrison (1907)
的特徴を有することによって,その起源をSchwann細
"の蛙の神経の培養に始まる組織培
㈲に求めている.
養法は,血清,血漿,胎仔浸出液,各種塩類溶液,合成
これに先だち,
培地の使用,器具の工夫等によって発達し,組織培養に
関係のある業蹟は,
“Bibliography
Murray
1957")久
&
Kopech
Masson
(1932)
'" iよ実験的神経鞘腫
と神経鞘腫の病理組織とに共通する諸所見から,これを
(1953) "の
Schwann細胞に由来するものと考えた.因みに本邦で
of the Research in Tissue Culture ”
はMatsumoto
からも判るように当時既に膨大なものとなり,その後も
(1985)
"'は兎の迷走神経の部分切除に
激増の一途を辿っている.特に最近では,ヴイルス,生
よるノイロームの形成及びその組織培養を試み,近年近
化学,免疫学,アイソトープ及び電子顕微鏡関係のもの
ら(昭37)
'"は兎の坐骨神経についてMassonの実験
が目立ってきている.組織培養を応用する腫瘍の研究
L包追試し,50例中工旅Uに成功したとい5.
は, Murrayら3)1)によって開拓されたものである.そ
更にCausey
れは,腫瘍組織を培養に移したとき,組織から自由にな
*東京大学医学部皮膚科教室(主任 川村太郎教授)
昭和38年9月27日受付
−
(1969)
1 ・ 2 benzanthracene
1−
"'^よcarcinogen
9 ・ 10 dimethyl
(DMBA)をC↑系マウスの坐
2
日本皮膚科学会雑誌 第74巷 第1号
骨神経に注射しこ,植羅腫瘍の形成に成功し,それを
1. Trichromique
de Masson
その他の線維染色に
更に電子顕微鏡的に観察した. この場合,腫瘍は神経
おけるSchwann細胞の特徴
線維を含んでいないから,軸索の検出によってこれを同
電子顕微鏡的開拓以前の,又Geren
定することは不可能であったが,モブ)所見刀内皮細砲腫
brane
theory以前のSchwann細胞の概念に基づく
及ヅ線維肉腫と異なる等刀間接的証跡によって,これを
場合,
Schwann細胞は,有髄神経においてRanvier
Schwann細胞に由来するものと考えた. 一般にSch・
絞輪間部を円筒状に包み,その内に髄鞘をいれ,外側は
wann細胞が腫瘍化した場合,モワ)巾に軸晨よこいもの
Schwann膜たるクチクラで境され,原形質内に核を容
と考えられているから,電子顕微鏡による軸索の検出は,
れて,その部分で外方へ隆起している.かかるSchwann
この場合の同定には役立たない.
細胞が絞輪部で隣接するsegmentのSchwann細胞と
中井(1958)
"'及びShimizu
(1959)ふによると,7r
(1954)'"のmen-
連続して合胞体を作っているものと考えられていた.モ
穎粒(Reich)はSchwann細胞と同定することの根拠
の周囲にendoneuriumかおるがendoneuriumは樹
となるが,後に文献として引用するようにSchwann
枝状細胞と膠原綿維及び嗜銀線維の集まりたる結合組織
細胞でπ穎粒を認めない場合か沢山あるから,これを欠
であって,すべて間葉性起源であると考えられていた.
くことはSchwann細胞を否定する根拠とはならない.
endoneuriumの線維系は嗜銀性のPlenk-Laidlaw
又Fujita
とKey-Retzius及びCaialのnetworkに分けられて
(1958)
"'によるとGolgi装置がSchwann
細胞の唯一の同定根拠になると言われている.
M
いる.前者はSchwann細胞のすぐ外側を被い,後者は
この研究は,R病患者の皮膚腫瘍につき組織培養を行
3本の有髄紳経線維閣にできる三角形の空隙を充たし,
ない,その所見によって,その起源を探る目的で行な
その問にendoneural
ったものである・なお,比較考察のため,本編におい
しの網状構造はtrichromique
て,実験動物の末梢神経につき組織培養所見を観察し,
胃の青色をとり,鍍銀染色で強染し,燐タングステン酸
第U編においては,R病患者の皮膚腫瘍の組織培養を行
ヘマトキシリンで青染する.
ない,本編において得られた結果と比較し,また培養に
状,斜走或は縦走する繊細な嗜銀線維網でSchwana
用いた組織を同時に組織学的にも観察した.
細胞に密接しており,その外面はKey-Retzius網の縦
cells があるとされていた.これ
走線維と連続している.
H● 文献的考察
で隣接細胞と吻合している.
2. 脂質及び類脂質の所見.
にする必要かない.正常神経で一番問題の多い点は,
perineuriumよりも内方にある細胞である・近時Causey(1960)17≒よ詳細な電子顕微鏡的研究によりその細
胞を分析した結果,
perineuriumよりも中にある細胞は
主としてSchwann細胞であって,それ以外には少数乃
血管内皮細胞及び血管に属するfibroblastかおるに過ぎ
たい. 従ってendoneural
fibroblastと呼ばれてきた
もこ)はSchwann細胞に他ならないとしている.著者も
この説に従って神経の培養によって出てくる細胞は,
Plenk-Laidlaw鞘は,環
endoneural
組織及び血管等の問葉性組織より成りSchwann細胞
神経の一部を切って組織培養する場合には,軸索は問題
でアユリン
cellsは神経線維の
方向に細長く,原形質は海綿状を呈し,その樹枝状突起
正常神経鞘は,神経櫛起源性のSchwann細胞と結合
内には神経細胞の突起である軸索が走っているが,末梢
de Masson
Feyrter封入染色及び
Liang染色
Feyrter (1936)
"'は人の消化管の“神経性穎粒細胞
腫”を研究する際に,
Schwann細胞の所謂7r穎粒(Rei-
ch)の染色法を計爰的に追求して,単純な封入染色法を
案出した・彼によると神経組織におけるメタクロマジー
(193619),198820りは特に顕著なものであって,髄鞘は
leuchtend
rot,無髄神経組織はrosafarben,
Schwann
細胞のπ穎粒(Reich)及びEndo-Perineuriumの細胞
はcarmoisinrot.
Meissner
触覚小休はrosafarben,
Vater-Paccini眉板小体は必ずしも規則的には染まらな
いか, zart rosarot
その内悍はkraftig
rot である・
Schwann細胞でなければ,結合織もしくは血管の細胞
と考えた.因みにCauseyの研究でSchwann細胞と
判定することの基準とされたものは,細胞内に有髄もし
副腎髄質暇胞,腸上皮の所謂黄色細胞の一部及び脳下垂
体後葉はzart
rosarot乃至p-urpura
rotに染まる.
くは無髄の神経線維が通っでいるという所見である. こ
普通の結合組織は染まら・ないか,
EndoaeuriumとPe-
の同定基準は勿論,この研究の場合には応用できない.
rineuriumは繰り返し繊細なバラ色に染まると言ってい
3
昭和39年1月20日
る・ しかし,かかるメタクロマジーは必ずしも神経組織
り,リポイド類がその構成に与っていると考えられてい
とは限らず.軟骨基質,粘液,肥吽細胞穎粒及びアミロ
る.即ち,古くから知られているものにはErzholz小
イドにも見られる.平滑筋及び横紋前線維は空色乃至青
体,7r穎粒(Reich),
緑色を呈する,しかるに神経組織のメタクロマジーは特
粒にっいては後述するか,他の2つはオスミウム好性で
f・穎粒(Reich)等かおる.7r穎
定の種類の細胞,神経節細胞やグリア細胞に結びつくも
から.μ顎粒は酸フクシン,オスミウム酸に親和性であ
のではないが, Schwann細胞の種々の変形体と関係がろ
ってlecithin様物質から成りDoinikowによると,
る.そしてメタクロマジーは少なくとも神経組織の領域
ズグン
においては,それが特別の脂質即ち糖脂質を含有してい
小体に一致するが,一様の産物ではないという, そし
,シャールラッハ赤で染まり,一部はErzholz
ることに基づくと述べ,染色前に脂溶性溶媒で凍結切片
て,いずれもSchwaiin細胞の核の周囲に存在する,更
を処理すると,そのメタクロマジーの失われることに注
にVon
Stoeckenius
目している.更にFeyrterによれば,変染性物質を追求
(1951)及びVon
するためにニワトコの木髄にSphingomyelin,
の観察,
Lecithin,
&
Zeiger
Stoeckenius
Schiimmelfeder
(1956)
の蛙の生きた有髄神経
察丿及びTonutti
結切片にして封入染色を行なったところ,
を引用してSchwann細胞の核の両極にアクリジン・
Sphingomy-
(1946)のモルモットの無髄線維の観察
オレンジで生体染色すると銅赤色の螢光を発する頴粒が
したのにLecithin及びKephalinは紫色に染まったと
存在することを示し,これはErzholz穎粒及び少なく
述ぺている.即ち3者のうちSphingomyelinがFeyr-
とも一部はモれ七同一のμ頌粒七からうと述べている.
terの変染性類脂質であることの公算が最七大きい.
7r穎粒
更にFeyrter
Schwann細胞にはReich(1903)25)26)によって発見
(1951) '"は植物捺径終郷の封入染色所
見を観察し,均等なバラ色に染まる無髄線維が終網に移
され研究された7r穎粒と呼ばれる塩基性アユリン色素で
行すると染色性が不均等になって,微かなバラ色を基調
メタクロマジーを呈する狐粒かおる.その後もDoinikow
として,その中に繊細な濃色の網目が現われるのを見て
いる.そして.かかる網状構造は,フォルマリンによる
C1911)"',
Noback
Ukai
(1923)"",
(1953'",
1954''>),
Robson
Shimizu
(1950'",
(1959)
人工産物ではあるか,繊細な神経線維の表面にリポプロ
細な研究かおりSchwann細胞同定の唯一の手掛かり
テイドが沈着した屯のであると述べている.
とさえいわれている.上記諸家の研究結果は,細かい点
一方,
では多少の食レ違いはあるが,その特徴は次の如くであ
Liang (I94r) "'はこれまでの多くの神経染色
法につき検討,それらの原理はいずれも還元された金属
Zeiger
(1950)の超生線維の同種観
Kephalinを浸透させて,10%ンオルマリンで固定後,凍
elinのみ神経線維と同様の緋赤色のメタクロマジーを示
"''は,
1951'°'),
"'等の詳
る.
を神経成分に附着させるものであるから,神経成分は或
1)染色性
種の還元物質を含むものであると考えた.モレこ更仁新
a)7r順粒かメタクロマジーを示す各種塩基性アユリ
ン色素及びその誘導体
鮮神経線維か,アルデヒド試薬たるTollen氏酸化銀溶
液を金属銀に還元することから,神経成分の還元性物質
チオエン,トルイジン青,多染性メチレン青,クレジ
の1つはアルデヒドであり,従ってSchiff反応を呈す
ール紫,タンジール青及びサフクニンレ
るであろうと考え,新鮮な神経並びに神経終末2)
b)脂質及び類脂質の検出法に対するπ穎粒の態度
Schiff
亜硫酸フクシンによる染色法を案出した.和泉(1957)23)
ズダンⅢ及びシャールラッハ赤で染まらず,ヘマトキ
は,これを皮膚に応用した際,有髄神経線維の髄鞘lま
シリンで淡青色を呈する.ズグン黒B:陰性,ただし,
濃く染まり,無髄線維(自律神経)は淡く染まるが,
重タリム酸処理後陽性.オスミウム酸:陰性.中性紅:
Haarscheibeにおいては,その主線維は庭皮直下迄詣
黄染. ナイル青:深青色.
鞘を伴っているが,ここで速かに2分岐を反覆しつつ髄
ロール及びコレステロール・エステルに対するSchulz
鞘を失い,それから先の神経小枝は逐に確認できなかっ
テスト:陰性.
たと述べている.
弱陽性,ただし重クロム酸処理後陽性cerebrosldesに
PAS
3・ π穎粒その他の細胞内小体
対する岡本法:不定.
Schwann細胞には幾つかの細胞内小体が知られてお
c)その他の反応
Baker法:陽性. コレステ
: 陽性.燐原賢に対する岡本法:微
Weigert氏髄鞘染色法:陰性.
4
日本皮膚科学会雑誌 第74巻 第1号
i鍍銀法:硝酸銀を還元レ尨い. リボクローム反応,グ
ウス,ラッテ,モルモット,ハムスター等)には存在し
リコーゲン反応(Best),アミロイド反応,SH基に対す
ブヽ・ヽことが知られ二いる.またヒトづは胎児,幼児に存
るChevremont
在昔ず12才以上のすべてに存在し,かっ年令と共に増量
& Fr6d6ricq 法及ブ燐酸に対するLi-
lienfeld-Monti氏反応はすべて陰性である他,オキシダ
するという.しかし,これらは有髄神経であり無髄神経
ーゼ反応,鉄反応刳陰性づある.
に関しては未だ異論かおる.
2)酵素類に対する反応
イジン青の濃度とpHに注意すれば少量のπ願粒が証明
リボヌクレアーゼ,ヒアルロニダー七,ペプシン又太
されるとして,ヒトの大・小内臓神経の大多数に1箇乃
Shimizu
(1959)
パンクレアチンを作用させても,メタクロマジー顧粒こ)
石数箇の7r願粒が存在するどjヽう.
目立つ減少はこい.
7)7r願粒の本態
3)化学薬剤及び脂溶性溶媒に対する性淀
最初本穎粒がprotagon
アルカリ(苛性カリ)及び酸(塩酸,硫酸,酷酸レに
のものと考えて命名)に類似していることから,
対して非常に抵抗性が強い.
gonahnliche
脂溶性溶媒に対し,
が,未だ不明の点が多い.
Ukai (1923) "'はアルコール,メ
'"はトル
(中指神経系のlipidsを単一
prota-
Granula即ち7r穎粒と呼ばれたのである
Noback
(1953"', 1954=")
タノール,申シロール,エーテル,ベンゼン,クロロホ
は,本穎粒がlipidsを含み,恐らくはphosphatides
ルム,アセトンビOで及び381Cm峙間以上浸漬しても溶
又はcerebrosides であり,メタクuマジーを起こす
解しないが,高温では5分間で完全に消失すると言い,
chromotropic lipids はphosphatide又はsulfatideで
Shimizu
(1959) '"iよピリジン,ギシロール,クロロホ
ごろうと考えている.
ルム,エチルアルコール,トルエン,ベンゼン,エーテ
4. Golgi装置
ル.アセトンに20時間浸漬して研究したところ,
Golgi装置は,
4°Cでは
Golgi substance, Golgi complex, in-
いずれの溶媒にも溶けず,25cCではピリジン,午シロー
ternal reticular apparatus
などと呼ばれ,網状,穎粒
ル及びクロロホルムに溶解したのに対し,50°Cではアセ
状或は不規則な構造のものを意味し,殆ど常に限局性ま
トンを除くすべての溶媒に溶け去つたと言いNoback
たは局在しリポイド固定剤で優先的に固定される.最初
(1954)32)は70%アルコールに4乃至6時間浸漬しても
Golgi (1898)により神経細胞中に鍍銀法によって発見
メタクロマジーは維持されるが,18乃至24時間では失わ
されたものであるが,以後脊椎動物の殆どすべての分化
れる.しかし再染色すれば再び染まることを示し,ミェ
した細胞中に同様の網状構造が発見されている(De
リン鞘は数秒間でメタクロマジーが失われると述べてい
Robertis, Nowinski
る.
Schwann細胞のGolgi装置は,
4)光学的性質(偏光性)
(1912)"'が特別の鍍銀染色によって初めて証明したもの
7r穎粒はplain
birefringence を示すのに対し,ミェ
で,すべての有髄及び無髄神経のSchwann細胞に見ら
リン鞘はmaltose
cross birefringenceであり,切片
& Saez (1961) "') .
Ramon
y Cajal
れ,核の周囲,正確には核周囲原形質肥厚部にある.詳
の脱水,透徹,バルサム封入により前者は鮮明な複屈折
細な記載はCajal次いでFujita
性が維持されるのに対し,後者は減弱乃至消失する.
Nageotte (1932) =■万≒Maximo万w
& Bloom
(1959)"'のもののみで,
5)肥詐細胞との鑑別点
Sharpey-Schafer
(1929) "'及びStoeckenius
(1957) ^万6),
& Zeiger
肥詐細胞も前記色素によりメタタロマジーを呈するこ
(1956)"'が,その存在を簡単に紹介している程度であり,
とか知られている.π瓢粒が大小不同で低PH
電子顕微鏡的にも記載されていないようである.
( 2.4)に
Cajal
おいてメタクロマジーを呈し偏光性を有するのに対し,
はその特徴を次の如く建べている.
肥評細胞穎粒は微細均一穎粒で高PH
物によく発達していて比較的太い糸状物で,互に吻合し
C 4.0,
r.o)に
おいてメタクロマジーを呈し,偏光性がないなどのこと
Golgi装置は幼若動
て網状を呈し,その方向は長軸の方向を向いている.
から,容易に区別がつく.
糸状物の端は多少共丸くなった游離端として終ることか
6)π穎粒の分布
多い.成熟動物でぱ網状構造はもっと細かくなり,むし
7r穎粒は必ずしもすべての動物に見られるものではた
ろ穎粒状を呈する. 無髄神経のSchwann細胞の場合
く特定の動物(たとえば山羊,馬,インドゾウ,ニホン
は,核の一側又は極部に接して存在するか量は少ない.
ザル等)に存在し,又一般実験小動物(例えばネコ,マ
Fujita (1959) "'によると,その特徴的な形と分布は
5
昭和39年1月20日
Schwann細胞の同定に際して役立ち,大体Reich氏7『
12週人胎児の材料では2日以内に線維芽細胞が出てきた
順粒の見られる部位と一致すると言っているが,他の細
のに対し,4∼5日目にSchwann細胞が出て,きた.成
胞との鑑別点には触れていない.二般に7r穎粒の証明さ
人交感神経O厄唯神経節,内臓神経節,腰部神経節及び
れたい胎児,幼児,幼若動物,小実験勁物にもよく発ぶ
そ四神経幹)か≒よ,3∼5日でSchwann細胞の刷子
レミこGolgi装置が証明されるといわれているCaialの
回申に"
connective
cellular apparatus
interstitial
状突起が現われ,8∼9日で線維芽細咆に似た形の細胞
cell with
polar endo-
の出現を見た・線維芽細胞は,次第に旺盛になるが,継
代培養すると一層圧倒的になる.
” が記績されているが,有髄神羅
線椎に直接している紡錘型細胞であり,無髄神経のGolgi
嗜銀線維の形成:胎児でも成人でもSchwann細胞は
装置との相違点は,はっきり記していないから,前進
2週間以上はかかるがレチクリンが形成され,その出来l
Causeyの見解もあり図だけでは,果してそれか真の線
方ンま線維芽細胞とは異なる. 即ち, Schwann細胞の嗜
維芽細胞であったか否か判らない.
銀線維の形成は非常に緩徐であり,最初は1本の線維が,
5. 組織培養に於ける所見
Schwann細胞の長軸に沿って発生し,時には核の膨ら
Harrison"の蛙の神経原基の培養以来,神経系の培養
みに応じて迂廻するが,結合組織細胞では最初から繊細
に際しSchwann細胞の記載は散見される3)4)9)U)3B)
穴相交叉する線維が趨状を呈して発生してくるという・
73)
lngebrigtSen(1916)3≒よ兎坐骨神経を培養している
しかし早期にはSchwann合胞体の輪廓を描く様に長軸
が,予め神経を横断し生体内でWaller変性を起こし
方向に発生してくる線椎屯,線組形成か進むと束を作る
たものでないとSchwann細胞は出てこないと述べてい
ようになり,培養組織片に近い嗜銀線維は太くこり趨状万
る,組織培養における標準的底Schwann細胞の形態学
は,
Murray,
stout
(1942)
stout
&
Bradley
(1940)
を呈するに至るか,周辺部ではなお単一に存在し,むし
",
Murray
"'により一応確立された.彼らは,5ヵ
月人胎児及び20日ラッテ胎仔の脊髄神経,
2 72力月ラッ
&
ろ繊細である.
Schwann細胞の細胞増殖:21ん力月ラッテの坐骨植
経の材料においてMurray,
Stout & BradleyはSch^
テ坐骨神経,16才女子内臓神経(1940)及び12週人胎児
wann細胞紐状合胞体における無糸分裂の可能性を除外
腕神経と坐骨神経,40乃至50才成人交感神経節及びその
できないか,培養条件下では普通有糸分裂か行なわれる
末梢神経(1942)をダブルカバーグラス法で培養した結
としている.分裂の結果は核部縦裂したようにみえるこ
果,
とかしばしばあるけれど,縦裂が実際に行なわれるのを
Schwann細胞の特徴として次の点を挙げている,
個々の細胞は糸状を呈し,一点以上の点で互に吻合して
観察したのは唯一度だけで,その他はすべて横裂した
合胞体を形成し,リボン状或は紐状を呈するか,孤立し
という. しかし成人交感神経における観察で,核及び原
ているものをある. 1個の細胞は,線維芽細胞に比し,
形質の縦裂を認めているが,12週胎児脊髄神経ではSeh一一
小型で細長く,細胞質が緻密であり一般には2極性を呈
wann細胞の増殖は無糸分裂であろうと述べている.
するが,時には糸状を呈し特に前方が2叉状である.こ
Schwann細胞の貪喰性:有髄神経のSchwann細胞,
れに対し線維芽細胞は不定型の突起を出しにいる.核は
がミェリン球を含み,又しばしば胞体が瘤状を呈した
前者では細胞形質部よりも幅が広いため,核の部分が膨
り,分岐したりしているのもそうした破片を体内に容れ
れ出ているが,線維芽細胞では常に核に比して細胞直
ていることに関係かおる.培養か進かとそれが消化され
経の方がかなり大きい.
Schwann細胞の核は,クロマチ
リボン様構造を生ずると述べている.
ン量が少なく通常1∼2個の著明な核小体を有するが,
Weiss
稀には8∼4個のこともある.それに反し線維芽細胞や
養に際してmacrophageが非常に高率に現われること
内皮細胞は2乃至7個,通例4個の核小体を有する.
に注目し,鶏胚神経節及び末梢神経を培養した結果,そ
染色性:Schwa
nB細胞は一般に核,原形質共強く色
(1944"')及び,
Weissら(1945)"'は神経の培
れはSchwann細胞に由来するものであると考えた.更
素をとり,燐タングステン酸ヘマトキシリン(Mallory)
に,成熟ラッテの末梢神経におげる観察から,成熟神経の
で帯青紫色Masson三色染色法で鮮紅色に染まるのに
Schwann細胞も同様の性質を有するとしている. カバ
対し,線維芽細胞は前者によりビンク色を帯び,比較的
穎粒状又は線維性である.
Schwann細胞と線維芽細胞の游出時期及び成長度:
ーグラス面上に直接組織片を載せ,血清及びTyrode液
(1:5)から成る液性培地を用いる方法は,
macrophage
化を高めるのに対し,血漿塊培養七は.線維芽細胞と鞘細
日本皮膚科学会雑誌 第74巻 第1号
略
胞は殆どあいまいな点がなく区別がっく,線維芽朧胞は,
直径はO.luimに及んだ,かかる多核細胞の形成機序とし
胞体が肥っていて核が細胞表面に達することの稀である
て,イ)隣接細胞間の細胞境界の破壊,帥核分裂の今
のに対し, Schwann細胞は細く円柱状で核の直径が細胞
が行なわれて細胞分裂が伴わない場合,ハ)レつ以上の
の巾に一致し,その部分で膨出していることさえしばし
細胞が最初から円盤状のmacrophage形成に与かる場合
ばで,列を作って末梢神経再生時に観察されるのと似た
とが考えられるが,核分裂が有糸分裂か或は無糸分裂;)
長い糸状物を作る,液体培地に培養した場合,両者の差
を示す確か恋証拠は見られなかった・核周囲の脂肪球つ
かはっきりしよくなり,多数の疑いもなく線艦芽細胞性
圧迫による核の絞捉は,むしろしばしづ観察当社,七言
細胞が細長くたってSchwann細胞に似てくるという,
か培養早期の観察であることから,長期間培養を応すれ
そこに現われたmacrophageの特徴として,胞体及び
ば無糸分裂に至ったか屯しれたいと辿べている.
核の大きさ,核数,脂肪含量は種々であるか,拡がった細
また線維芽細胞(endoneural
胞では3つの部分が区別され,イ)穎粒状の中心領域,
に変わるが,この変化は容易に行な才⊃れない.
ロ)大きな空泡を容れている網状帯,ハ)構造の一様な
細胞由来のphagocyteと線維芽細胞由来のphagocyte
周縁部(普通のmacrophageの波状膜に相当)│かおる,
とは.それぞれの種族を区別する特徴を維持するという.
cells)もmacrophage
Schwann
脂肪含量の少ない時,核は中心部に位するか,それが増
Schwan万n細胞と神経線維とか特別の親和性を有する
量すると核は偏在するようになる.細胞境界は,かなり
ことは,中井(1956"',
滑かでカバーグラスと密着し,放射状方向に張力が働い
1959"')のニューロトロピスムの実験に実証されている.
ていて一部がぱずれると牽縮する.かかる大型の円形細
即ち線維芽細胞,
胞の他に,不規則多角形の小さい細胞も見られる.後者
ス,澱粉,ポリエチレン,流動パラフィン,コレステロ
は,細胞縁の大部分がカバーグラスとぴったり附着せず
張力の強い方へ細胞体が牽縮されたものである.
macro-
1959"'),
Nakai
(1956"',
macrophage・死細胞,金属粒子,ガラ
ール等に神経線維が接触してもそれぱ一時的であるが,
Schwann細胞は一旦神経線維に接触すると,後者の上
phagリヒは,ガラス・雲母面の界面張力によるもので,
に乗って決して離れない.
Peterson
線状の伸展を呼び起こす因子の欠如による.更に,変形
terson
"'は,鶏胚脊髄神経節を培養
&
Murray
(1955)
(1950)S1162',
を起こした細胞のカルミン貪喰作用を調べた結果,その
して,神経線維に附着したSchwann細胞が更に髄鞘を
能力は局所的なものであって,1つの細胞でも紡錘形を
形成するのを観察しているか,その後先多数の人達によ
呈している部分では行なわれず,扇状を呈している部分
り追試されている.米沢(1962)
に限られている・そして成熟ラッテ末梢神経の培養にお
節を培養して,
いて,紡錘形細胞からmacrophage型細胞に至る各型
その周囲を螺旋状に廻転しつつ髄鞘を形成してゆく状況
"'">はマウス脊髄神経
Schwann細胞が神経軸索をとり込み,
(A,Bi,B。C,A>D,E,F,G,,G・,H,11,10 を図示し,それ
を電子顕微鏡で克明に追跡しRanvier結節の形成機序
らは組織片,雲母性カバーグラス,血漿塊の3者によっ
を説明している..
て作りだされる環境のいずれに細胞が游出するかによっ
Schwann細胞の運動に関しては,オタマジャクシの
て種々の形態が生ずると説明されている.即ち,組織片
尾にっいての観察(Speidel)"',鶏胚後根神経節にっい
からは蛋白質に富んだ漆出液が出て,雲母製のカバーグ
てのNakai
ラスに沿って拡がるため,組織片に近い所では,血漿塊
映画を用いての記録分析Pomerat
とカバーグラス間に液層が形成される.従ってイ)雲母
ッテの後根神経節Roseチェンバー培養にっいての顕微
べ夜層界面,ロ)液層内,ノヽ)液層・血漿塊界面,ニ)
Pe.
(1956)
"',中井(1956)
"'の位相差顕微鏡
(:1959)
'≫'の新生ラ
鏡映画によ・る記録観察かある.因みにSchwann細胞
血漿塊内,ホ)血漿塊外面,へ)血漿塊・雲母界面の6
に対応するものと看倣されるところのクリア細胞にっ
層が生じ,それぞれ物理化学的性質及び超微細構造を異
いても,髄鞘形成(Bornstein
&
Murray
(1958)"',
にする.すべての細胞は,A,B1(双極性紡錘形,Aは
Yonezawaらa9≪2)'",米沢(1962)
原形質の巾が多少広い)又はF(紡錘形であるが突起か
(Lumsden
多い)の形で神経から出るか,次第に諸型に変ずる.そ
(1951)
の際上記6層の各々につき,それぞれに異なる細胞が優
観察されている.
励な細胞型である旨を記載している.
細胞同定の唯一の頼りとなる方法は,正常の組織におい
また観察されたmacrophageの最大核数は15個で最大
てさえも細胞の運動の仕方を研究することであり,他の
& Pomerat
"', Pomerat
Berg
"')や溥動運動
(1951)
(1952)
&
"', Pomerat
&
"',中沢(1962)
Kalian
(1959)
Lefeber
"')が
'°)の如きは,
7
昭和39年1月20日
り!砲特庶よ極度こ変化があると主張レにいる.
Kallfo (1959バ牛及;"; Hugosson
に,
Berg
&
& Kalian C1960) ""'
glioma と正常グリアの培養峙江見られる両者の細
m,実験動物末梢神経における研究
1.材料
1)成熟モルモット
他聞には,運動に何ら本質的痙差がないことを見て,却│
田 正常神経,
胞同定に対する連動様式の意義を強調している.同様こ)
I神経の中枢側及び末梢側
事皆友Schwann細胞乃至はSchwann細胞起源性腫瘍
2)生後40日モルモット正常坐骨神経
について生成り立つように思われる.
3)成熟ラッテ
Waller変性を起こした神経及び実験的神経鞘腫の培
田 正常神経,
養
中枢側及び末梢側
Nageotte(1910)8≒ま,末梢神経片をin
観察, Waller変性の第1段階を見た.
vitro で
Ingebrigtsen
(2)切断後12口,14日及び48日の坐骨
(2)切断後12ロ及び28日の坐骨神経の
4)10日ないし15日孵化鶏胚坐骨神経,肋間神経及び
脊髄後根神経節
(1916)39)は兎坐骨神経片につき,正常神経及び切断後1
2.方法
∼4日の末梢神経片からは,
上記正常神経及び切断後神経の中枢側並びに末梢側’
Schwann細胞の游出は見ら
れなかったが,切断後5日の神経片では,3∼4日後に
(1)∼3))を無菌的に眼科用弩剪で切り取り培養までの期
断端からやや頌粒状の光屈折性の原形質を有し,先端が
間は短期間であっても,ペニシリソ.ストレプトマイシ
アメーバー様運動をする,細長い糸状突起が出てくるこ
ソ加塩類溶液(“D”液∼東京大学伝染病研究所組織培
とを見,切断後19日迄の神経では切断後の日数が経つた
養研究室Tyrode氏液変法処方)を惨ませたガーゼを
その程成長率が上昇することを見た.
Johnsonら(1942"',
Abercrombie
&
1950'°')はSchwann細胞の同定に
シャーレの底に敷き,その中に材料を入れて4°Cに保存,
した.ただし,組織標本作製用神経は別の動物から得
関しては次の如く述べている:大多数のSchwann細胞
た.培養に際し周囲の脂肪組織及び筋組織を出来るだけ
は,これを線維芽細胞と鑑別することは容易であって,
除去した.4)の材料は立体顕微鏡下で採取した.なお.
非常に延長した線維芽細胞との鑑別に困難はあっても,
本研究は,組織培養を主とするものであるから,組織学
かかる疑わレーヽ細胞は,はっきり同定出来る細胞に比し
的方法及び培養標本の染色法の詳述を省略する.
て非常に少でこい.ところが,切断後の変性期間の長い神経
1)廻転組織培養法
片を培養しづ易合は,典型的なSchwann細胞と典型的
カバーグラス(10×35iiiiii)面上に血漿塊(雄若鶏ヘ
な線維芽細胞のほか,多数のSchwann細胞と線維芽細
パリン加血漿と10日孵化鶏胚浸出液(EEI)を各1滴宛,
胞との両者の性質を有する細胞が見られる.そしてそれ
混和),又はコラーゲソ(白色成熟ラッテの尾の腱より
をSchwann細胞と看倣したが,もし違っているとする
Bornstein
と,切断後139日のもののSchwann細胞数は,約50%
膜を作り基質とした.組織片は片刃安全カミソリで約
過大評価されていることになる.
1皿3の大きさに細切し,各カバーグラスに3個宛載せ
Marchant
(1949) ^"
(1958) "'の方法に倣い抽出したもの)の薄
は,切断後15日及び25日の兎の坐骨神経を懸滴法で培養
て,平型又は円型試験管に入れ,組織片の定着を待って
し,アルカリフォスファターゼがSchwann細胞内にある
液体培地を各1.2CC宛入れ,ダブル栓でロを閉じて,廻.
こと及び,その線維形成との関係を見ている.
Stout & Bradley
Q㈲0)
Murray,
転培養のドラムに挿入した.培養温度は37cC,廻転数ぽ
"は,成熟クッテの坐骨神経
10 c・p.h. である.液体培地の組成は,馬血清,人臍帯
を約1Cmにわたり切│除し,7週間後に培養した.その場合
血清,癌性腹膜炎患者腹水(以下腹水と略称)又は人血
出てくるSchwann細胞は紐状合胞体を形成し,しばし
ば叉状を呈するが,横の吻合は少ない.すべてのSch-
清(40%),塩類溶液“D”液(50%)及びEE
wann細胞は,核・原形質共燐タングステン酸ヘマトキ
間隔で交換した.
シリン(Mallory)に濃染する.原形質か豊富で有髄神経
2)ダブルカバーグラス法(Maximow法)
から由来したと思われる鞘細胞形では,核はしばしば分
葉性である・幾分太っていて,それに応じてクロマチン
I
(10%)を混和したもので,これは,5日乃至7日間の
一部の材料は,カバーグラス(20×20iim)上に血漿塊
(人臍帯血清,限外濾過牛血清(Difco製),鶏胚浸出
も多く,核小体もしぱしば3個有する.原形質屯必ずし
液(EEI)
も滑らかで透明な感じかないと述べている.
で混じたもの),又・エコラーゲソ’を基質として培養し,.
,ヘパリン加鶏血漿を5:2:2:1の比奉
8
日本皮膚科学会雑誌 第74巻 第1号
後者では更に限外濾過牛血清,人臍帯血清,鶏胚浸出液
浸出液(EEI)iを1=1:1の比率で混じた液で細胞浮游
(EEl)を1:1:1の比率で混じたもの1滴を液体培
液を作製した.コラーゲンを敷いたカバーダラス(20×
地として加えた.培地の交換は巡2回行なった.
20皿)上に上記細胞浮游液を各々1滴宛広げ,
Maximow
3)静置培養法
法で培養した.
前項Maximow法の培地交換時の繁雑さを除くため
以上にっき.時々顕徴鏡で観察して培校を続行し.或
ら前項と同様の培地を川いて,カバーダラス(10×35
は,カバーグラス(10×35ロ又は20×20皿)を取り出し
m)上に培養したものを小角瓶に入れて静置した.かか
て位相差顕微鏡で観察,更に固定染色した.
る方法は,洗滑・培地の追加或は交換共非常に簡単であ
固定法:メタノール,:-,チルアルコール,カルノア,
る.機械的刺戟の少ない点は,
10%中性フォルマリン,10%フォzレモール・ロツク液,
Maximow法と同様で,
精度は劣るが顕徴鏡的観察も可能である.ただしMaxi-
フォル゛−ルブ゜フイド,プアソ,ツェソケル,蟻酸及
mow法に比し酸素の供給量が多い.
びシヤソピー等,それぞれの染色目的に応じて選んだ.
4)細胞浮游液培養法
染色法:(1Dfレソ寄超生体染色(訓固定後染色法−
鶏胚の材料では,脊髄後根神経節と坐骨神経及び肋間
Jacobson染色84)燐タソダステソ酸へマトキシリソ染色
神経を細切し,混和したまま,
(Mallory法85)及びAnderson変法86)
0.3%トリプシソRinal-
dini液(Ca, Mgを含まない塩類溶液)を37°C,
20分間作
月させて細胞を分離し,限外濾過牛血清,人血清及び鶏胚
\ヘマトキシ
リソ単染色(Mayer)及びエオジソ重染色,
Spielmyer
鉄ヘマトキシリソ染色'",
de Masson
trichromique
表1.実験動物における坐骨神経の種類,培養法及び初発期.
材 料
苧
岳号
動物の
種類
神経の状態
初発期
焙 養 法
廻転培養 船医培養
及び
使用した部分 ぶ) 2)
辰
3)
邸
4諮
C£
盛繕
Maximovrik
7
PfBuCE
忿
ミ 1 万
「)
@
/ 萌モルEット 正 常
漣海鹿[圃僕
⑩
疆前屈末擦
@
e
●(日)
4
田
(B)
4
2 成前汪ット
正 常
J 効佃五ット
正 常
⑩
○
3
3
切粉釦珀特例
@
○
Z
2
切昌崩刹隋
@
○
4
万
成班悟ト
拙鄙融
ぶ 成熟ラジテ
7
成獅ッテ
○
/
/
Z
正 常
励C
○
⑥
○
健康扇中枢側
&(こ
○
の
○
/
○
/
Z
/
切紐荊未侑
訳)
正 帛
⑩
2
J
Z
疋 常
○
Z
J
Z
切断後屈4場側
(こ)
2
Z
2
切脈耀昧櫛り
⑥
正 常
○
J
5
]
談
○
2
2
2
勝浦窟未樹s
の
O
⑥
/
/
/
/
/
/
/
註 As:腹水,Hu:人血清, HoS:馬血清,Ph鶏血漿,
CE:鶏胚浸出液,
Bu :限外濾過牛血清,@:基質
として血漿塊を使用,回s基質としてコラーゲシを使用,0:培地か固形のため基質を兼ねている.
註 1), 2), 3):液体培地中に40%腹水人血清又は馬血清を含む.4),
5):各々当量宛含む.
6)=8)PC
: Bu :
PI:CE=5
: 2:2:1.7)z各々当量宛含む.
9
昭和39年1月20日
(Goldner変法)88),0.05%トルイジソ青(PH
7.0)15).クレジール青PAS≫=',
4.2, 5.0,
Liang染色22),ズダソ
型,主として線維芽細胞型細胞であり,それより2∼6
日遅れてSchwann細胞の出現を見,その数も少ないこ
Ⅲ87)ナイル青90)ズダゾ黒B63),鍍銀染色(Bodian染
とである.
色91)又はFOot-M&nard変法92))及びKolatschev法9馬
4)培養細胞の特徴
3. 組織培養所見
a)一般的特徴:培養初期には,表1に示した如き潜
1)培養方法の細胞形態に及ぼす影響
伏期をおいて,培養組織片周辺から細い糸状の突起が現
表1に示した如く,各種培養方法はモルモット坐骨神
われるか,突起のみの場合Schwann細胞と線維芽細
経にっいてのみ行なったが,基質に血漿塊を用いた場
胞との区別は殆どっかない.次第に核の部分か周囲に現
合,廻転培養法では組織片の落下を来たしやすい.これ
われ,一両日中に細胞体の全貌が現われるに及ぶと,各
は主として細胞の蛋白分解酵素による血漿塊の液化によ
.々の特微かっかめる(写真1∼3,
るものである.
Schwann細胞
Maximow法及び静置培養の場合は,機
10, 14∼10.
械的な影響が少ないため,時々血漿を補えば容易に培養
1箇の標準型Schwann細胞よ,線維芽細胞(endo-
を推持できる,後2者を比較した場合,酸素供給量は異
perineural fibroblast)と比較する時,比較的小型の紡錘
なるが,栄養液の供給量に注意を彿えば,発育速度及び
形細胞で,核・原形質比が小さく,ほぼ原形質巾を充たす
形態における両者の差は殆ど見られなかった.次に,限
長楕円形(ソーセージ型)の核は,円形の1乃至3個主と
外濾過牛血清,人臍帯血清,鶏胚浸出液,鶏血漿(2:
して2個の核小体を有し,原形質は比較的光屈折性か強
6:1:2)から成る培地は,モルモットの材料におい
く,位相差顕微鏡で観察すると光彙にとり囲まれて見え
てSchwann細胞の特徴的発育に特に優れているという
る場合が多い・時に核の両極に糸状物(mitochondria)
証拠け得られなかった.更に,コラーゲンは神経の培養
又は微細穎粒(lysosome)が集積しているのか観察され
に用いて髄鞘形成に成功している(Bornstein
る(写真5).また,核の1側面にやや明るく微細網状構
Bornstein &
Murray(i968)"',
(1958)"',
Yonezawaら(1962)"')
造か見られることもあるが,一般に微細構造は観察しに
という報告があるので,血漿塊との培養成績を比較した
くい・ また,培養日数が進むにっれ,核の両極に,大小
ところ,廻転培養に屯容易に堪えること,血漿塊に比し
脂肪滴の蓄積か見られるが,そのような場合,リソソー
て発育速度は遅れるが,形態的に著変を来たさず,観察
ム,網状構造及び糸状物は殆ど見られなくなる・胞体の
の上でも優れていることを知った,
形は,核を容れている部分で最も幅が広く,両側へとな
2)動物の種類による相違
がらかに細くなり,先端部で剣状に細くなっているもの
コラーゲン基質の上に,人血清(40%)を蛋白源とす
もあるが,2叉状に分れたり,時には急に扇状に広かつ
る液体培地を使用して廻転培養した際,ラッテとモルモ
て波状膜を呈するものもある.
ットを比較すると,ラッテの神経においてはSchwann
ば縦にリボン状に配列して所謂合胞体を形成し,光学顕
細胞と所謂線維芽細胞問の区別がはっきりしている細胞
微鏡の限界では相前後する細胞問に間隙を認め得ない.
Schwann細胞はしばし
が比較的多いのに対して,モルモットの神経では,成熟
しかし,時には少数の側方突起を有し隣接Biingner
・幼若を問わず前者程鮮明でない様に思われた.従って
帯と吻合して網目状を呈するものもある,そして,これ
次に述べる形態的特徴は,ラッテ神経から得られたもの
が比較的肥った細胞に見られる場合,線維芽細胞との鑑
が主である.
別か,しばしば困難である.かかる傾向は,モルモット
3)正常神経並びに切断後神経の培養
表1からも明らかな如く,正常神経培養時と切断神経
の材料において強いように思われる(写真14).
核分裂像はしばしば観察されたか,細長い紡錘形の細
培養時の細胞突起が組織片周辺に現われる時期は約2日
胞には見られず,むしろ肥った細胞に多い・分裂期の細
の差かあり,切断神経において中植側と末梢側では約1
胞は,円形を呈するものか多いが,時に突起を出して隣
日の差かおるに過ぎない・ しかし最も著しいことは,切
接細胞と連なっているものかあり,一般に横裂するのか
断末梢紳経片ではSchwann細胞型の細胞が殆ど細胞
観察される(写真16).しかし,時に核か横に平行に並ん
游出開始と同時に,しかも多数現われるのに対して,中
でいて,縦裂したかの如く見えるものもある(写真lr).
福側では梢こ遅れて,数も少ないこと及び正常神経片に
線維芽細胞
おいては,游出初期の細胞はすべて非Schwann細胞
線維芽細胞と看敞される細胞ぱ,核・原形質比か大き
10
日本皮膚科学会雑誌 第74巻 第1号
模式図1 . Schwann細胞のmacrophage化における諸形態と線維芽細胞との関係
典二二竺竺咀と弘.宣_坦→①→①→漆二(ソ)
各種移行形態
/・
垂千
一一
典型的線維芽細胞
く,核も卵円形で大きく,核小体は円形,楕円形,悍状
μである.多核細胞も見られ,最大核数8個,最大直径
或は鈎状等,形も種々である.核小体数は1個乃至8個
100μに及ぶものがあった.
と変異の幅が広いが,一般に核小体数が少ない場合,大
紡錘形細胞から喰細胞型迄の核の状態を観察すると,
きさか大きく,7乃至8個の場合,小円形のほぼ同じ大
紡錘形細胞の場合は核も細長く大きさは約10∼20×
きさのものを有し,その形か梶棒状或は鈎状の場合も数
2.5∼5μ,細胞の長さか短くなるにっれ,核長の短縮と巾
の少ない傾向かある.一般に細胞形質は豊富で,輪廓は
の増加か見られる.
不定型である,個々の細胞は,所謂合胞体を作らず孤立
穴り,核が一側へ押しやられた形の場合,そら豆型又は甚
pericaryonが膨れてコルペン状に
性である.原形質中には,主として細胞の長軸方向に向
しい場合は三日月状を呈することもある.更に進んで小
う長短様々の糸状物乃至は網状構造物及び微細穎粒が見
円形細胞化した時期には,核は依然として一側に偏し,
られる他に,培養日数と共に増加する強く光線を屈折す
そら豆状の場合もあるか,多くの核は円形化しており,
る大小脂肪滴が観察される(写真10,
15).
その場合の直径は約5μであり,
macrophage化が進ん
喰細胞様細胞
で膜様に広かった際でか核はむしろ小型で精々10μ迄
以上Schwann細胞及び線維芽細胞について,それ
である.しかし,細胞の形だけからはSchwann細胞
ぞれの典型的と思われるものを記載したか,更に極めて
であるか線維芽細胞であるかの判定に迷う場合がある.
頻繁に喰細胞を思わせる形の細胞が見られた(写真2∼
b)染色性
4,6,
i)メチレン青超生体染色(写真7∼9)
11∼13).かかる細胞を順に追跡して行くと,大
型の典型的なダmacrophage型細胞から,小円形細胞を
時々刻タに細胞内に色素か取り入れられ,核の周辺部
経て,紡錘形の典型的なSchwann細胞に至る一連の中
から微細穎粒状(
間的形態か観察される(模式図1).細胞の大きさ,形,
片の培養細胞では,
核の形,核数及び脂肪含量等,かなり異なっているが,
細胞型細胞が速かに強染された.即ち色素添加後5分で
よく広かった細胞では,核周囲の微細頴粒の集まってい
既に核周囲の微細穎粒状に染まるのか観察され,15∼20
る中心領域と,脂肪滴を容れている中間帯及び穎粒の少
分後には細胞質のみならず核小体も青染し,核質も淡染
0.3μ以下)に青染する.ラッテ神経
0.05%,
PH
6.5, 20°CでSchwann
ない辺縁帯の3層が区別され,辺録は滑らかな波状を呈
する.その時期に至っても,なお,殆ど色素を取らたい
しているか,時には辣状を呈したり分葉状を呈したり,
細胞か多数存在し,それは概して前述の線維芽細胞の形
偽足状を呈するものもある.核は円形で,紡錘形細胞の
態に一致する.
ものと大差なく,核小体も1乃至2個である.一般に核
ii)固定染色標本:一般にSchwann
数1個のものが多いが,その場合の細胞の最大直径は50
核・原形質共色素を強くとる傾向かあるJacobson染
│J5胞型細胞は,
昭和39年1月20日
11
ヅ真1.成熟ラッテ.正常坐廿神経.培養17山典型的な 写真2
成熟ラッテ.切断後28ロ中枢側坐骨神経.培養15
Schwann合胞休と線維芽綱胞.×360DLL八
ロSchwann細胞の諸型.×360
D L L.
写真3.成熟ラ ツテ.切断後281:1中枢側坐骨神経.培養15 写真4.写真2.と同じ.細胞体の分葉状を呈するマクロフ
目. ヽクljファージ型細胞.×360
写真5
40日モルモット.正常坐骨神経.
周│川のlysosomeの集積を示す
DL
U. アーク型細胞.×360DLL。
培養5日Schwann細胞.核
×2700 D L L.
註=ニ 位相差顕微鏡の対物レソズの伍類を示す.以下この記廿のある
ものは総て生きた細胞を位相差顕微鏡で観察したものである.
写真6
写真5と同じ.-・クロフアージ
型細胞.
X2700D
L L.
12
日本皮膚科学会雑誌 第74巻 第1号
写真7.成熟ラッテ.正
常坐骨神経.培養23
日. Scliwann合胞体.
×92DLL.
写真8.写真7と同一標
本の同一部位.
0.005
%タやレソ青(PH
6.5)
超生体染色づO分後.
×92.
写真9.同上20分後.×
360.ノチレソ青に濃
染したSchwann細胞
と共に未だ殆ど色素を
とっていない細胞がみ
られる.
昭和39年1月20日
13
写真10.成熟ラッテ.切断後28 p.末梢側坐骨神経.培養32日.
Schwann合胞体(S)とendoperineural侃broblast
写真11.同上. Schwann細胞の諸型.×360
Masson-Goldner染色.所謂
(F) .×184.
写真13.成熟ラツテ.切断後28日.中枢側坐骨
神経.培養15日.喰細胞型.燐タングス
テソ酸へートキシリソ染色.×184.
写真12.同上.
Schwann細胞の諸型.×360
禰
14
日本皮膚科学会雑誌 第74巻 第1号
写真14(左).成熟モルモット.切断後12日.末相側坐骨神経.
培養11H.
Jacobson染色.×92.
Schwann
細胞と線維芽細胞の移行形態を示す.
写真15.同士..×1060.
Schwann細胞(S)と線維芽細胞(F)
写真16.同上.〉く1060.
Schwann細胞の2個の核が丁度横
裂したかの如く並ぶ.
写真17.同上.×1060.
Schwann細胞の2個の核が丁度縦裂
したかの如く並ぶ.
昭和39年1月20ロ
15
写真18.成熟モルモット.正常坐骨神経.培養
9日. Feyrter封入染色.ピソタ色及
び深紅色のタタクロー・ジー物質を含
写真19.同左.深紅色のタタクロマジーを示す
2個の細咆.
写真20.成熟ラッテ.切断後12口.末梢側坐骨
神経.培養Hロ. Liang染色.×550.紡
錘型のSchwann細胞におけるSchlff
陽性顕粒(↑).
写真21.同前.円形化したSchwann細胞にお
けるSchiff陽性穎粒(↑).
16
日本皮膚科学会雑誌 第74巻 第1号
写真22.成熟ラッテ.切断後12丿.中枢側坐骨神経.培養
12「にKolatschev法.
Masson-Goldner後染
色.×1060.
写真23.同上.
Schwann細胞のGolgi装置(S).
Schwann細胞のGolgi装置,オスミウム好性
. 物資が非常に少ない.
写真25.同上.
Schwa nn細胞(S)と線却芽細胞(F)の
Golgi装置.
写真24.同上・クロファージ型細胞
に見られるオスミウム好性物質,
写真26.同上.線維芽細胞.
Golgi装置
と共にミトコンドリアが染出
されている,
耳
-・−
昭和39年1月20日
17
写真27. 14日孵化鶏胚脊髄後根神経節
と坐骨神経の混合細胞浮游液
培養.培養2日.×360.神
経線維(N)上に乗っている
Schwann細胞(S).
写真28.
10日孵化鶏胚脊髄後根神経節
と坐骨神経の混合培養.培養
7日.×360神経細胞(G
C),神経線維(N),神経
線維上のSchwann細胞(S)
及び線維芽細胞(F).
写真29. Ganglioneuroma(
9才男児)・
培養18日.×890DLL.典
型的なSchwann細胞(S)
と線維芽細胞(F).
18
ロ本皮膚科学会雑誌 ぶ74巻 第1号
色及びヘマトキシリン(Mayer)で青染し,鉄ヘマトキ
シリンに黒染しMasson-Goldner染色ではフクシンに
れ特徴的と思われる排列は見られなかった.
Bodian染色標本では,小型楕円形のSchwann細胞
強く染まり,燐タングステン酸ヘマIヽ十シリンダ帯紫青
型の細胞の核が濃染し,大型核は一般に淡染レにいる,
色を呈し,原形質は哨子回を呈するが,後者の場計,時
原形質も前者においては全体が濃染している七のがし
にミトコンドリアに一致して強く染まる場合もある.
ばし計あるが,その中でも肥った円形化細胞にその傾[句
線維芽細胞型細胞では,一般に前記色素に淡染し,原
形質は糸状或は線維状構造が見られ,大体張力の働く方
向に向かっている.糸状構造は,
Masson-Goldner染色づ
赤染し,燐タングステン酸ヘマト申シリンダ青染する.
がある.モレC,モの場合,嗜鏝i今物質は,むしろKolatschev法でオスミウム好性物質のある部分を避けて細
胞の周縁帯に存在する傾向かおる.
嗜銀線維四形成は,培養12日でSchwann細胞の辺縁
に沿って少量見られるに迦ぎず,25日後=もごお,
7i’参
考ては,メタクリマジー憚粒は見られたかった.
Feyrter
封入染色標体では,培養早期の標本で,原形質がやや帯紅
色を肌するのみならず,円形化レこ二細胞内に髄部のメタ
ク1jマジーにほぼ匹敵する穎粒状心よ無構造物質が見ら
Sch-
wann細胞の辺縁を占気しているに過,yなかっこ.
c)ニューロトロピズム(神経及び脊髄後根神経節の
混合細胞浮游液培養)
培養直後によいこンよ,すベニ2の細咆凛円形を≒レ,神
れる.かかるメタクロマジー物質含有部は,一般に胞体
経細胞は大型Schwann 糾│密及ブ線椎片糾咆ま小型で
が箸しく膨れじj,核は反対側へ押しやらオレ(いる(写
ある.押経細胞の揚合,侍に短ルし突起が残っているこ
真18及ぴ19).写真18は,原形質がビンク色を呈し,その
七右ある.御経細胞かじ土,数特間づ突起が延長し,24
中に深紅色の髄和様メタクコマジーを示す小滴が見られ
時間後には既に樹枝状を呈する.この峙則には,未だ典
る.写真19では,深紅色無構造物質が殆ど細胞体令体を
型的かSchwann細胞の形をレヅ門限よ少ない.培養2
占ど)ている.Liang染色(写真20,
日乃全3日ブ,多数のSchwann
21)では核の両側に
M胞か,神経線側の上
種々のほのバラ色の猫粒状物質が見られるが,非常に細
にびっこり附着レニいるのが観察さ札と(写真27,
ト細胞では,殆ど存在せず,一般に肥った細胞に多い.
そにて,かかるSchwann細胞乃形態的特徴は,前辿ふ
PAS陽性物質は,一般にSchwann糾│胞型細胞に多い
Schwann
がその巾です:,紡鍔形のものには少なく,肥った細胞,円
る.
形に近い細胞の膨れた部分に多く存在する.ズダン黒
Bでは,凡ての細胞が微細猫粒状に黒染して核周囲の
Golgi野に集中する傾向かおる.ナイル青では,猫粒状
構造はむしろはっきりしごい.細胞体が一様に古染し,
少数の大型の脂助滴がピンク色を帯びているのが観察さ
れた.ズダンⅢでは,大小猫粒が赤染するが,むしろ
Golgi野をド避するように見える.
Golgi装置に対するKolatschev法でブはSchwann
細胞型細胞内に種々の分布状態を示すオスミウム好性物
質が見られる(写真22∼26).それは,顧粒状,糸状或は
網状を呈し,核の一極又は側面に接して密集し,峙には
核の全周を継って存在するもの右ある.その他雲罰状を
呈するものぐおり,その量は一般に肥った細胞に多く,
細い細胞に少ごく,殆ど存在しこいものもある.円形化
した細胞においては,雲梨状を呈するオスミウム好性物
質か充満レごいる場合が多く,網状構造は殆ど見しれ言
ト.時に,ミトコンドリアと思われる糸状構造が細胞令
28").
│││胞と粧祈レニ・ヽた細胞の七のと全く一致す
IV.総括並びに考按
以ト.先ず文献的考察によって,諸家の云う組織培養条
件’ドにおけるSchwann細胞の性状今皿解したト.そ八
に特異な発育様式を示す培養法を選4肌紳径鞘腫の培養
に適する方法を決定,矩にづしを用して,従来云われて
いるSchwann細胞が,│トにくSchwann細咆でふる.こ
とを証明レ七.
1)培養方法の選択:廻転培養法,飾置培養法及ご
Maximow
り訪各個培養液及び基質の組合せ(表1)に
より,諸家の云うSchwann細胞の特異的=発言傑式を充
分発抑し,し方丸手数が省け,培養液の入手が容易一従
って培養の継続が容易か方法夕して,廻転培養よーコラ
ーゲン基質一人血清・鶏胚浸出液・¨D¨液こ)組み合佐
ブよいことを知った.
Murray
(1951) '大二Maximow法四利点壮トて機械
的刺幟が少なく,少量の栄養液ブ培で彦するこリム細咆
体にかたづ二観察これる場合右ある(写真26T).し①し,
の介化の,曇・すぐ払顕微鏡的㈹察ブバ容隨て不乙ヒいう
Schwann細胞型細胞及づ線維芽細胞型細胞に,そ拒ど
利点を挙げており,更にMurray
& Stout (1942ト9
昭和39年1月20日
19
は,神経鞘瞳の培養に鶏血漿,人臍帯血清,鴉胚浸出
記した如きWeiss(i944)"≒Weiss
液,限外濾過牛血清(2:5:1:2)ふヽら或る培地
&
Wang(1945)"リ)
説明かそのまま当てはめる訳には行かたい.培養組織片
が,液化を来たしにくいため適レごいると云い,
Sch-
土及び周囲に喰細胞が多いこと,初期における喰細胞に
■wann細胞の特徴的発育様式を見でいるが,モルモット
ミェリン滴が見られること,及.びSchwann却│胞の游出
こ材料では,それが特に優れているとは考えられこい.
ぐ)こい組織片に何時までも髄鞘が残っていること,トリ
2)培養材料の選択:本研究に用いた材料はモルモッ
プシン処理を行なった鶏胚神経の培養に,喰細胞が殆ど
ト,タッテ及び鶏胚のみである.鶏胚は特殊の目的で,
肘われないことは,
が2者刈ま異ごった培養条件であるから,ここでは簡題
役を演ずるものではないかと考えられる.更に,正常神
Schwann細胞がWaller変性の主
にしない,前2者では,同一培養条件下で多少形態的変
経と切断神経末梢側の培養における游出日数及び細胞数
異乙)巾に差があると思われる結果を得た,この点に関し
の相違も,
て,中沢(1962)
づ乱
"",よ稀突起膠細胞型において犬よりは
Waller変性との関係を示唆するものであ
たものの方が猫のものより球型に近く,型も一定してい
5)
ると述べておりMurrayらの実験ではラッテを用い,
験!ますべて末梢神経組織片かそのまま培養し,游出細胞
Weiss(1944)5‰よ鶏胚次いでWeiss& Wang
は?ツテをAbercrombie
Abercrombie,
rombie,
Johnson
&
Johnson
& Thomas
C1945)°'"
(1942") "',
(1949) '"', Aberc-
Evans & Murray (1959ミ)69),Chlopin
(1943)'°',M atsumoto(i933)"nよ兎を用いている点興味
Schwann細胞の同定:モルモット,ラッデの実
を観察したに過ぎない.そして游出が,かなり進行した
培養組織片の切片標太の検討を行なっていないから,真
のSchwann細胞の游出であるということを更に確認す
る必要があると考えた.即ち,運動性の少底い.従って組
織片から容易に游出土ないような細胞の詳細を観察する
深いものかおる.更に以上のことから,人の神経はいず
のに細胞分離培養法が適しているというNakai(i956)"'
れに属するかという問題が当然起きてくるかMurray
及び三宅(1962)
らは人の神経においてラッテと同様の結果を得て居り,
著者もganglioneuromaの培養(未発表)(写真2㈲
脊前後根神経節をトリプシンで分離して,混合培養する
ことにより.神経線維の上にぴったり乗り移った細胞を
において同様の方法でSchwann細胞型と線維芽細胞型
細胞問にラッテ神経に見られると同様の特徴が,はっき
り見られたので,入の正常材料か追T加するには及ぱない
と考えた.
観察し,それが前述のSchwann細胞に相違ないこと,
Lかも神経線維に附着するSchwann細胞の数は,脊髄
後根神経節単独培養に比し遥かに多いことから,前記特
徴を有する細胞は Schwann 細胞と考えてよいと信ず
3)培養結果に関して:位相差顕微鏡による生細胞及
び固定標太の瞬間像において,確かに諸家の述べている
Schwann細胞及び線維芽細胞の特徴を,それぞれ満
Abercrombie
&
る.
V●結論
1・ 成熟モルモット正常坐骨神経及び切断後坐骨神
たす細胞か多数観,察される.しかしいずれyも判断し難
い細胞も多数存在することは,
""の見解に従い,著者は鶏胚神経及び
Johnson
C1942) "'の観察と一致する.そしてこの様怠Schwann
細胞に特有の運勁性が存在することが見られた.従って
今後運動性こ)記録分析か捉えれば,これらの細胞を更に
Schwann細胞と線維芽細胞とに分類することか可能づ
あるかに思われる.
経,生後40日モルモット正常坐骨神経並びに成熟ラッテ
正常坐骨神経及び切断後坐骨神経の組織培養において:
1)形態並びに染色性によってSchwann細胞と思
われるものと,線維芽細胞と思われるものとの2群の細
胞を識別することかできる.前者は,2に述べる所見と
比咬しでも,
Schwann細胞とすることが妥当であると
思七れる・
4)喰細胞への移行:ラッテの材料では模式図1に示
しかしながら,両者の閲の中間的形態を示し,そのい
しt如く一連の移行形態を追跡できる.ただ,大型の喰
細胞にまで移行するか否かにっいでは,線維芽細胞から
移行するものとの間になお疑間が残る.また,この場合基
質としでコラーゲンを使用しており,
Bornstein (1958)
ずれとも判定し難いものも少なくなかった・後者に対L
でま,組織学的にSchwann細胞の同定手段として知ら
れて居る所の鴫
゛3)及びPaul(l960)"'によると,細胞の成長はコラーゲ
手掛りとはなし難かった.
ンの表面に限られている訳であり,文献的考察において
2)
Schwann細胞のmacrophage化はWeissの
日本皮膚科学会館誌 第74巻 第1号
20
辿べた如き単むる細胞と基質ごの関係によるか四万は言
合細胞浮游液培養において,組織培養ブ従来:Schwann
く,その糾胞の機能状態,特にWaller変性亡門係ント
細胞とニ考えこノレこいた形の細胞よ,ニューロトロピズム
る・
言肯するニニごら,
i\ミしくSchwann初咆と言える.
2・ 前胚肋間神経,坐骨神経及び脊髄後根神谷節万言
VI,文
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