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欧州中央銀行(ECB)による金融政策の現状
欧州中央銀行(ECB)による金融政策の現状 平成28年6月3日 経済局欧州連合経済室 ECB政策理事会の声明文 ●6月2日,欧州中央銀行(ECB)は,理事会において主要政策金利の据置きを決定。 □金利 (1) 預金ファシリティ金利*1 ▲0.40%(据置き) (2) 主要リファイナンス・オペ金利*2 0.00%(据置き) (3) 限界貸付ファシリティ金利*3 0.25%(据置き) □量的緩和 (1)資産購入プログラム(毎月800億ユーロ)に前回追加された企業セクター購入プログラム(CSPP)に関して,さらなる実施要領を公表。 • 購入適格社債:非銀行企業による発行のものに限る。以下に該当する企業は対象外。①SSM(単一監督制度)下にある金融機関及びその子 会社 ②親会社がユーロ圏外の銀行監督に服する企業 ③銀行と同等の業務を行う企業(第三者への投資サービスの提供や投資業務) • 電力会社等の準公的な性格を有する発行体について,公的セクター又は企業セクターへの分類を再整理。 (2)期間4年の貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)(民間金融機関が国債等の担保を差し出し,ECBが資金を供給)を2016年6月から 17年3月までに,四半期ごとに1回ずつ,計4回実施。 経済指標の推移 ユーロ圏では低インフレが続いている。 実質GDP成長率(前期比(%)) (出典)Eurostat (%) 3.0 2.0 1.0 0.0 -1.0 15.3Q 15.4Q 16.1Q ゼロ近傍で推移。 (出典)Eurostat ユーロ圏 0.3 0.3 0.5 ドイツ 0.3 0.3 0.7 フランス 0.4 0.4 0.6 イタリア 0.2 0.2 0.3 スペイン 0.8 0.8 0.8 【脚注】 *1 預金ファシリティ金利 金融機関が,手元資金をオーバーナイトでECBに預け入れる際 の金利。 *2 主要リファイナンス・オペ金利 ユーロシステム(ECB及びユーロ圏内の中央銀行)が定期的に 行う公開市場操作において金融機関が入札可能な下限金利 となるもので,ECBの主要政策金利。 *3 限界貸付ファシリティ金利 金融機関が,急な資金需要が生じた際に,オーバーナイト資金 をECBから借り入れる際の金利。 為替相場の動向 ユーロの対ドル相場は,本年2月中旬から,約1か月の間,下落 を続けていたが,FRBの金融政策の影響も受けその後上昇傾向 に転じた。足下では再び下落傾向にある。 1.2 (日時は日本時間) (ドル/ユーロ) 2016/6/1 2016/5/1 2016/4/1 2016/3/1 2016/2/1 2016/1/1 2015/12/1 2015/11/1 2015/10/1 2015/9/1 2015/8/1 2015/7/1 2015/6/1 2015/5/1 2015/4/1 2015/3/1 2015/2/1 2015/1/1 1.1 1.0 ECBによる主要政策金利の据置き発表後,ドラギ総裁が景気 刺激措置の効果はまだ完全に実感されていないと示唆したこ とに反応し,ユーロは下落。 2日17:00時点 3日8:30時点 ドル/ユーロ 1ユーロ=1.1209~12ドル 1ユーロ=1.1151~54ドル 円/ユーロ 1ユーロ=122円14~18銭 1ユーロ=121円36~39銭 円/ドル 1ドル=108円95~98銭 1ドル=108円81~84銭