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スピーカークラフトは オーディオの楽しみを広げる!

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スピーカークラフトは オーディオの楽しみを広げる!
スピーカークラフトは
オーディオの楽しみを広げる!
胸を躍らせながら組み上げるスピー
カー工作。カタログを眺めながら、
想像力を膨らますことは大変楽し
いことです。
“今度はどんなスピーカーを作ろ
うか?”
“2wayにしようかフルレンジ?”
でも、ちょっとカタログに書いて
いることが・・・・・・・
少しだけおさらい気分で、簡単に
その意味を覗いてみることにしま
しょう。
スピーカーを作る際の詳しい技術
解説は、“クラフトハンドブック”
を是非ご利用下さい。
スピーカーユニットの種類は?
スピーカーユニットは、振動板(ダ
イヤフラム)の形状等によっていく
つかのタイプに分類されます。それ
ぞれ異なるタイプのユニットは“こ
の構造が一番良い”と言うより、そ
れぞれの目的に応じて、その特長を
生かして発展したと言えるでしょう。
その代表的なタイプを見てみましょ
う。
●コーン型スピーカー
振動板の形状が円錐形で、最も多く見ら
れるタイプです。振動板はコーン紙と称
されるように、主として紙パルプを中心
に発展してきました。現在は様々な素材
が開発されています。紙パルプのほか代
表的な素材に、PP(ポリプロピレン)材
や、カーボンファイバーなどが挙げられ
るでしょう。また、この構造は用途が広
く、全体域を再生するフルレンジから、
低音再生を目的としたウーハーや中音用
スコーカーや高音用のツィーターまで幅
広く採用されています。
■コーン型/外磁型
●ドーム型スピーカー
●内磁型磁気回路
ドーム状の振動板を持ったスピーカーで
す。このドームから直接音を出す方式で
す。特長として指向性が良いことが挙げ
られます。主に中音用や高音用に用いら
ます。また、ツィーターなどでは、ホー
ン型に比べて低い周波数から使える物が
多く、2wayなどを組むときに手軽に組
み合わせることが出来ます。振動板にシ
ルクや綿、ポリエステルフィルム等、柔
らかい素材を使うソフトドームと、アル
ミやチタン等、硬質な素材を使うハード
ドームと、素材によって分けることも出
来ます。
壺ヨークなどと呼ばれる、壺状のヨーク
の内部に永久磁石を入れた構造です。ア
ルニコ・マグネットを磁石として使われ
ています。このマグネットはフェライト
マグネットと比較して同体積で強い磁場
を得ることが出来ます。
また、磁気
図2.内磁型
の流れが外
センターポール
マグネット
側に漏れな
い構造とな
N
り、このま
S
までAV機
ヨーク
器との使用
も可能です。多方面に長所を持つアルニ
コ・マグネットですが、レアメタルであ
るコバルトなどを含む合金の為、非常に
高価な点が唯一の欠点かもしれません。
●ホーン型スピーカー
振動板の前面にホーン(ラッパ)を取り
付けて音を出す方式です。主に中音用や
高音用に用いられます。
特長として、ホーンロードがかかるため、
能率が高く、トランジェント特性が良い
ことが上げられます。
上記の分類は音の放射方式から見る
代表的な種類ですが、スピーカーを
構成するもう一つの重要な部品に磁
気回路があります。この磁気回路も
特殊な物を除いて大まかに2つのタ
イプに分類されます。
●外磁型磁気回路
ほとんどのスピーカーはダイナミック型
と呼ばれるフレミングの左手の法則の原
理を応用した方式でその磁気回路を構成
しています。現在、最も多く使われてい
る構造が、主にフェライトマグネットを
利用した外磁型と呼ばれる磁気回路構成
です。図1のような構造になり、外部に
対して磁気
図1.外磁型
漏れが発生
センターポール
マグネット
する為、モ
プレート
ニター・
S
S
ディスプ
N
N
レーなどに
ヨーク
近づける
と、色ズレなどを発生させます。現在は、
AV対応として外部に漏れる磁気をキャ
ンセルする対策を施されたタイプもあり
ます。
■コーン型/内磁型
カタログの規格の意味は?
カタログを見ると“規格”として色々
な単位で数字が表されています。そ
れぞれがどんな意味があるか見てみ
ることにします。
●最低共振周波数(fo)
通常エフゼロと呼ばれ、その単位はHz(ヘ
ルツ)で表示されます。低音再生の限界を
決める要素とし
て見ることの出
来る数値です
が、少し詳しく
見てみましょ
う。音叉を軽く
叩くと一定の周
波数の音が発生
します。これは
■ドライバーユニット
■ドーム型
■ホーン型/ツィーター
10
音叉が持つ共振周波数で振動して音を出
しているためです。
音叉だけではなく、すべての物に共振周
波数があります。
foは最低共振周波数と呼ばれるように、
その物が、最も低く共振する周波数と言
うことになります。
スピーカーのfoは、振動板そのものの共
振とは異なり、振動する部分の等価質量
(Mo)や、それを支えるエッジやダンパー
などの要素が含まれた振動系が、前後に
自由振動している周波数と見なすことが
出来ます。
注意点は、foはスピーカーを実際にエン
クロージャーなどに取り付けた数値では
なく、裸の状態での数値であることです。
スピーカーをエンクロージャーに取り付
けると、内部の空気は、空気バネの役割
を持ち、foよりも上昇する事になります。
エンクロージャー設計の際、このfoの上
昇をどの辺りに設定するのかが、ポイン
トになります。
る口径と異なり、そのスピーカーユニッ
トが実際に音を出すために動いている主
な部分(コーン紙)などの半径を示して
います。エッジの部分も一部含まれて表
記される場合もあります。
●インピーダンス
スピーカーの入力端子インピーダンスを
代表する値です。インピーダンスは一部
のものを
除 い て 110 インピーダンス特性
(例えば 10090
80
Ω
RP方式
70
64
32
60
16
ツ ィ ー
8
50
4
(db)
タ ー な
20 Hz 50 100 200
500 1000 2000 5000 10000 20000
ど)入力
周波数に
8Ω
よって変
インピーダンス
最低共振周波数
再生周波数帯域
出力音圧レベル
入力
mo
Qo
実効振動半径(a)
マグネット重量
●Qo
キューゼロと呼ばれるこの値は、スピー
カーのエンクロージャーを設計する時の
重要な要素の一つです。この値はfoにお
ける共振の鋭さ(共振鋭度)を示してい
る数値です。この数値が大きいほど共振
鋭度が鋭くなります。通常、Qoは1ぐら
いまでが良いスピーカーとされています。
FF Series
12cmコーン形フルレンジ(8Ω)
FF125K
180
単位:mm
180
φ
10
4
105
¥4,200
周波数特性
100
295
110
φ50
90
60
インピーダンス特性
20 Hz 50
100 200
500 1000 2000
300
Ω
600
64
32
16
8
4
5000 10000 20000
位相反転形
10l
単位:mm
240
120
¥6,500
100
420
φ
14
6
周波数特性
110
φ50
80
600
70
60
インピーダンス特性
50
(db)
20 Hz 50
100 200
500 1000 2000
300
Ω
64
32
16
8
4
5000 10000 20000
20cmコーン形フルレンジ(8Ω)
20
140
90
● 標準エンクロージャー方式
● 標準エンクロージャー内容積
単位:mm
300
280
150
¥10,000
位相反転形
25l
110
100
80
600
70
60
20 Hz 50
φ80
300
90
インピーダンス特性
50
(db)
100 200
500 1000 2000
550
φ
18
5
周波数特性
Ω
64
32
16
8
4
5000 10000 20000
110
85
FF225K
● 標準エンクロージャー方式
● 標準エンクロージャー内容積
250
16cmコーン形フルレンジ(8Ω)
FF165K
80
60
80
70
50
(db)
● 標準エンクロージャー方式
● 標準エンクロージャー内容積
位相反転形
45l
●等価質量(mo)
振動系の質量とその振動板にかかる前後
の空気の抵抗(付加質量)を加えたもの
です。つまりス
ピーカーが実際、
前後に動いて音
を出すときに発
生する実質的な
質量です。空気
の質量も加味さ
れているわけで
すが、質量の大
半は振動系の質量です。
単位はg(グラム)で表示され、エムゼ
ロと呼びます。
規格
インピーダンス
最低共振周波数
再生周波数帯域
出力音圧レベル
入力
m0
Q0
実効振動半径(a)
マグネット重量
総重量
8Ω
70Hz
f0∼18kHz
92dB/w(1m)
50W(Mus.)
4.0g
0.25
4.6cm
420g
0.93Kg
規格
インピーダンス
最低共振周波数
再生周波数帯域
出力音圧レベル
入力
m0
Q0
実効振動半径(a)
マグネット重量
総重量
8Ω
40Hz
f0∼17kHz
94dB/w(1m)
70W(Mus.)
7.8g
0.2
6.5cm
600g
1.6Kg
8Ω
70Hz
fo∼18kHz
92dB/w(1m)
50W(Mus.)
4.0g
0.25
4.6cm
420g
0.93K
化します。スピーカーのイ
ンピーダンスはfo以上の周
波数で一番低下したところ
の値を公称インピーダンス
として表します。単位はΩ
(オーム)で表されます。
●出力音圧レベル(S.P.L)
スピーカーの能率を示しま
す。1wの入力を加えてどれ
くらいの音圧が(音の大き
さ)得られるかを示してい
ます。数値が大きいほど、
同じ入力を加えたときに効
率良く音に変えていると考えることが出
来ます。
たとえば、90dBと93dBのスピーカーを
ユニットを比較した場合、90dBのスピー
カーに10wの入力を加えたとき、93dB
のスピーカーでは、5wの入力で同じ音
量を得ることが出来ます。フルレンジ1
本で使う場合には、特に問題がありませ
んが、フルレンジのプラス・ツィーター
やウーハーとの2way、3wayを考えると
き、組み合わせるツィーターは基本とし
てウーハーより数字の大きい(高能率)
な物を選びましょう。単位はdB(デシ
ベルで表されます。
規格
インピーダンス
最低共振周波数
再生周波数帯域
出力音圧レベル
入力
m0
Q0
実効振動半径(a)
マグネット重量
総重量
8Ω
40Hz
f0∼14kHz
96dB/w(1m)
100W(Mus.)
17.3g
0.2
8.4cm
1,067g
3.7Kg
●推奨クロスオーバー周波数
●実効振動半径(a)
実効振動半径とは、一般的に呼ばれてい
マルチウェイ用のスピーカーユニットに
記載されている推奨クロスオーバー周波
11
数は、中高域用のユニットと低域用のユ
ニットでは、注意点が異なります。
特に注意すべき点は、ツィーターやドラ
イバーの場合です。中高域用のユニット
では、再生能力を超えた低域の信号が入
力された時、ユニットは破壊(ボイスコ
イルの焼失等)されます。この破壊を避
けるためにも、推奨クロスオーバー周波
数は非常に重要な値になります。推奨ク
ロスオーバー周波数は、中高音用であれ
ば、「この周波数以上でお使いください」
また、低音用であれば「この周波数以下
でお使いください」という意味が含まれ
ます。
ウーハーなどの低音用の場合は、推奨ク
ロスオーバー周波数を超えた信号が入力
されても、中高音用のようなユニットの
破壊は起きません。低音用、中高音用い
づれの場合も、再生される音の事を考え
て、推奨値以上や以下で使用する事が望
ましいでしょう。
●入力
入力は、“最大許容入力”、“定格入力
“等分けて表示されたり、どちらか一方
のみ表示する場合があります。それぞれ
に入力の定義が異なりますので、目的に
応じてその値を確認しましょう。
(1)最大許容入力
この入力は、瞬間に与えられる事の出来
る最大の入力を示しています。ただし特
定の周波数で測られた値で、決してその
入力まではすべての周波数で入力が可能
と言うことではありません。カタログに
表記されている“Mus.”は一般的な音楽
ソースを加えたときピーク時に可能な入
力を示していると考えて下さい。
入力の数値は、「その数値でなければ音
が出ない」、「スピーカー許容入以下の
アンプでなければスピーカーが壊れる」
と言う数値を示している事ではありませ
ん。
一般的に家庭内などで聴かれる音量では、
たとえ数百W出るアンプであっても、特
別な場合を除いて過大な入力が加わるこ
とは、極めてまれかもしれません。PA
や特別な実験等でスピーカーを使用する
場合を除いて、家庭内でHiFiサウンドを
楽しむ場合、入力の数値は「一定の目安」
として考えることも出来るでしょう。
(2)定格入力
この値は連続して与えられる入力の限界
を示しています。ただし最大許容入力と
同様に特定の周波数で測定される値で、
全ての周波数において可能な入力ではあ
りません。測定や実験等で一定の周波数
のみを連続して入力する場合、示されて
いる入力までが、必ずしも可能とは言え
ません。単一の周波数を連続して入力す
る事は、スピーカーにとって非常に負担
の大きい動作になるでしょう。
エンクロージャーは?
スピーカーは、振動板が前後に動いて疎
密波を起こして音を出します。前後に出
る音は、位相が逆の同じ音が出てきます。
このスピーカーを、バッフル板に取り付
けないで裸で鳴らすとどうなるか?
図の様に、前後の音が相互に打ち消し合
い、特に低音が出てこない現象が起きま
す。
そこで、バッフル板で前後に出てくる音
を遮断し、低音も出るようにします。
さらに、こ
のバッフル
板を発展さ
せた様々な
エンクロー
ジャーがあ
ります。代
表的なもの
をいくつか
見てみるこ
とにします。
●平面バッフル型
バッフル板のみで、前後の音を遮断する
方式です。ある程度の大きさの板にスピー
カーを取り付けて音を再生ます。背面か
ら出てくる音は、遠回りをして前に出て
くるため、バッフル板が大きいほど低音
再生に有利です。
ユニットの取
付位置は、必
ずバッフル板
の中心をずら
して取り付け
て下さい。
JIS箱
バッフル大
バッフル中
う。セッティングは、後方にも音が出て
いるので、壁との干渉を避けるために、
壁との距離を大きめにとり、壁と平行に
ならないようにして下さい。
●後面開放型
後面開放型は、この平面バッフルの周辺
を折り曲げた方式です。低音を出すため
には、どうしても大きくなりやすい平面
バッフルに対して、周辺を折り曲げる事
で小型化をはかります。注意しなけれな
らない事は、後ろに折り曲げた部分が、
大きなパイ
プとして働
く事があり
ま す 。 ス
ピーカーの
後ろにパイ
プを取り付
けると、そ
の大きさに
応じた共振
が 起 き ま
す。
このため、あまり箱を深くすると、この
共振が強いピークとなって再生音に現れ
る事があります。後面開放の奥行きは、
あまり深く取らないようにします。
密性を保つように
しましょう。
エンクロージャー
の設計方法は、弊
社発行のクラフト
ハンドブックvol.1
等を参考にして下
さい。
●位相反転(バスレフ)型
位相反転型は、バスレフ型とも呼びます。
この方式は密閉型と並んで、最も標準的
なエンクロージャー方式の一つです。
密閉型では、後方から出てくる音をエン
クロージャー内部に閉じこめました。位
相反転型では、内部に閉じこめた音をポー
ト(ダクト)を利用して、背面の音を特
定の周波数で共振させて低音の位相を反
転し、スピーカーの前面の音と合わせて
低音拡大します。位相反転型は、同容量
の密閉型エンクロージャーに対して、低
音再生帯域を
広げる事が出
来ます。ポー
ト、エンク
ロージャー等
の設計方法
は、クラフト
ハンドブック
vol.1等を参考
にして下さ
い。
バッフル小
●密閉型
100
90
80
70
60
50
(db)
20 Hz 50
100 200
500
平面バッフルは、低域の再生能力は他の
方式より劣る反面、手軽に作れ、開放感
のある再生を楽しむことが出来るでしょ
■平面バッフル型
スピーカーの後面を、適当な大きさの容
積の箱で完全に囲って、後ろから出てく
る音を外に出ないようにする形式です。
スピーカーからは、前面から出てくる音
だけが、リスナーに届くことになります。
密閉型エンクロージャーは、低音特性が
素直で、低域の過渡特性が良いことが特
長です。
エンクロージャーの製作の際は、板との
接合に注意して、接着剤等を利用して気
■後面開放型
■密閉型
12
■バックロード型 ■ダブルバスレフ型
■位相反転(バスレフ)型
●ダブルバスレフ型
ダブルバスレフは、バスレフ動作をエン
クロージャーの中でもう一度、バスレフ
動作をさせ、低域を拡大させるエンクロー
ジャー方式です。
ダブルバスレフの計算は、複雑に動作す
るため経験と
勘が必要とな
る場合が多
く、初めて製
作する場合、
いろいろな製
作例を基本に
経験を積み重
ねる方が良い
でしょう。
設計方法は、
クラフトハン
ドブックvol.3
等を参考にし
て下さい。
●バックロードホーン型
バスレフ型やダブルバスレフ型も、スピー
カーから出てくる後面の音を利用して、
低域の拡大をはかる方式ですが、最も積
極的に後面からの音を利用しているのが、
バックロードホーン型と言えます。
バ ッ ク
ロ ー ド
ホーン型
は 、 ス
ピーカー
の後面に
ホーンを
取り付け
て、その
ホーンン
から低音
を出し、
それより
高い中高
音をスピーカーから直接出しています。
スピーカーから出てくる音を積極的に利
用した、非常に効率高いエンクロージャー
方式で微少な音楽信号に対しても反応良
く再生します。
も優れた材料の一つでしょう。使用の際
は、出来ればJIS規格の一級の物を選んで、
中身の詰まった合板を選ぶと良いでしょ
う。
で、天然木の持つ美しい響きを楽しむこ
とが出来ます。
反面、天然木のため反り易く、完成のエ
ンクロージャーでも反りや、ヒビが入る
ことがあります。
(2)シナ合板
一般的にシナ合板と呼ぶものは、ラワン
合板の表面に、シナ材が仕上げに貼られ
ている合板を指します。表面がラワン合
板に比べ平滑であり、また外観上も美し
い音響用に適した材料です。
シナ材のみの合板では、柔らかすぎて、
音響用にはあまり適さないでしょう。
シナ材
ラワン材
エンクロージャーの組立は?
エンクロージャーを組み立てるためには、
寸法通りに切り出した板を組み立てれば
出来るわけですが、板の接合にはさまざ
まな方法があります。最も一般的な接合
方法が“イモつぎ”と呼ばれる方法です。
“ほぞ・みぞ”などの加工をして接合す
る方法もありますが、この“イモつぎ”
もエンクロージャーを組み立てる際の、
最も有効な接合方法の一つです。
イモつぎ
(3)米松合板
北米系の合板です。柔らかい合板で、響
きが美しいのが特長です。北米からの輸
入のため、やや入手が難しい点がありま
す。積極的に箱鳴りを利用するエンクロー
ジャーなどに最適です。一般的に入手出
来る板厚は19mmのものが多いでしょう。
(4)ランバーコア材
合板の芯材に角材を寄せて、表面材でサ
ンドした合板です。表面材にシナ材を使っ
たものが多く見られますが、この合板は
芯材が柔らかく、また芯材間に空洞があっ
たりして、音響的にはあまり適しません。
使用する際は、材料を良く吟味して、芯
材の密度の高いものを選びましょう。
(5)パーチクルボード
木のチップを固めて板にしたものです。
接着剤により固められたチップは、非常
に堅く、重い板になります。内部は大き
めのチップが使われ、木ねじ/釘の使用
は適しません。板同士の接着が難しく、
一般の工作には他の合板に比べるとやや
不向きです。
組立には、木工ボンドを使用します。本
棚や椅子などの木工では、釘や木ねじが
主役ですが、エンクロージャーの組立で
は、木工ボンドが主役になります。
木工ボンドは、接合面の気密性を維持す
るためにも有効で、接合面には多めに木
工ボンドをつけて、はみ出た部分を乾く
前にふき取ると綺麗に仕上がります。
木工ボンドが乾くまでの補強として、釘
や木ねじ、ハタ金などを利用して組み立
てると、接合面がより強固になります。
裏板などを、取り外しが出来るようにす
る時は、パッキン(すきまテープ等)で
気密性を維持して下さい。
エンクロージャーの材料は?
(6)MDF、スターウッド
最近は、さまざまな材料が一般でも入手し
易くなっていますが、価格、加工性、音響
特性等からも、合板が一般的でしょう。合
板にも色々な種類がありまが、入手可能な
代表的合板を上げてみます。
パーチクルボードと同様に、接着剤を用
いて加熱圧縮されたものです。パーチク
ルボードと大きく異なる点は、非常に細
かい木の粉によって出来ているところで
す。このため、木ねじ等が使用でるので
工作し易い材料でしょう。
(1)ラワン合板
最も入手し易い合板です。南洋系の合板
で、3mmピッチで合板の厚さが用意され
ています。適度な剛性もあり、音響的に
(7)集成材
角材を寄せて、一枚の板にしたものです。
現在は、色々な銘木の集成材が入手可能
13
ハタ金
釘
最近はホームセンターなどで合板のカッ
トをしてくれる所も増えてきています。
昔に比べてエンクロージャー工作がよ
り簡便になって、スピーカークラフト
がより身近なものになっています。
“どんなスピーカーを作ろうか?”想
像しながら、カタログを眺めて見て下
さい。
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