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平成27年度 - 和歌山県ホームページ
和歌山県中小企業振興条例第14条第2項の規定に基づき、平成27年度における中 小企業の振興に関する施策の実施状況について、次のとおり報告いたします。 1. 中小企業の振興に対する考え方 政府のアベノミクス「3本の矢」を通じた「成長戦略」施策等が奏功し、国内景気は 緩やかな回復基調が続いている。この景気動向を本県経済にも波及させるためには、県 内企業の大多数を占める中小企業の活性化なくしては実現不可能であり、中小企業の振 興は県政の重要課題である。 県としては、創業・第二創業、経営革新、技術開発、販路開拓等の、成長しようとす る企業のニーズに応じた支援に加え、制度融資による円滑な資金調達支援や経営人材・ ものづくり人材の育成・確保、企業誘致といった様々な支援策を用意する他、国・市町 村や政府系金融機関等を含めた公的施策をフル活用し、県内中小企業者の投資・経済活 動の促進に取り組むとともに、産業別担当者制度やメールマガジン「商工通信」等を通 じて適時の情報提供を行い、各種支援機関との連携を図りつつ、中小企業者自らが創意 工夫をもってそれら支援策を活用できるようなサポート体制を構築している。 また、デフレからの脱却を一層確実なものにするためには、好調な企業収益を投資拡 大、賃上げ、雇用環境の改善等に結びつけ、地方の中小企業へも賃上げ気運が波及し、 個人消費が活性化することが期待されるところである。しかしながら、中小企業が原材 料価格高騰等による営業費用上昇分を取引価格に適正に価格転嫁することができなけれ ば、中小企業の収支・業況は改善せず、賃上げは実現できない。そこで、県としては、 中小企業が取引先大手企業に対して求める価格転嫁の要求に応じるよう、採算が向上し ている企業に要請するとともに、政府や経済界に対しても強力に指導することを引き続 き求めていく。 2. 具体的な施策の実施状況 (1)経営革新の促進及び経営基盤の強化 ① 中小企業支援センター(55,280千円) 産学官の連携による総合的な中小企業支援体制を整備し、新事業創出 及び経営革新を支援。 ○専門家設置 企業の創業・経営を支援するインキュベーションマネージャーやプロジェクトマネー ジャーを配置 ○専門家派遣 経営革新、新商品開発、新分野進出等を目指す企業に対し、専門家を派遣 ○経営支援(補助金) 中小企業者等が実施する、知事が承認した経営革新計画に基づく事業や販路開拓事業 等に要する経費の一部を助成 ○受発注情報収集・提供 中小企業の経営安定と振興を図るため、受発注情報の収集や取引のあっせんを実施 ○商談会等開催 県内企業と県外企業との商談の場を提供することにより、中小企業者等の販路拡大を 支援 ② ものづくりカイゼン支援(14,094千円) 企業の経営基盤の安定・強化を図り、新事業へのチャレンジを後押し するため、企業の「カイゼン」すべきポイントを見いだす「ものづく りカイゼン支援アドバイザー」を育成し、企業に派遣。 <平成27年度実績> ○和歌山ものづくり経営改善スクールキックオフセミナーを開催(12月) ○県内企業への東京大学ものづくりインストラクター派遣による現場改善活動実施 (12月~3月) ○和歌山ものづくり経営改善スクール事例紹介セミナーを開催(3月) ③ 小規模事業経営支援(1,178,609千円) 小規模事業者の振興と経営の安定を図るため、商工会、商工会議所及 び県商工会連合会に経営指導員等を配置し、経営改善普及事業等を実 施。 ④ 中小企業団体支援(102,972千円) 和歌山県中小企業団体中央会に指導員等を配置し、協同組合等の組織 化促進指導、人材養成、情報化、販路開拓等を推進。 (2)製品開発及び販路開拓の支援 ① わかやま地場産業ブランド力強化支援(75,141千円) 賃加工・下請型のビジネスモデルから脱却し、企画・提案型のビジネ スモデルを目指す産地企業を支援。 ○新たなブランドづくりのための事業計画策定、試作品開発から販売促進までの取組を 最長3年で一貫支援 ○外部専門家(プロデューサー、デザイナー等)を活用した取組体制を構築 <平成27年度実績> 新規採択数 5企業 ② 和歌山産品販促支援(37,076千円) 県内中小企業が持つ商品力や技術力の積極的な売り出しのために行う 国内外の著名な展示会への集団出展をはじめとする販促活動などを支 援。 ○海外販売戦略 ・業界・出展地域を絞った著名な海外展示会への集団出展 ・海外の専門展示会への個別出展を支援 ○国内販売戦略 ・国内の専門展示会への集団出展 ・大企業との商談会の開催 <平成27年度実績> ○海外:個別出展 (NY NOW、プルミエールヴィジョン、インターテキスタイル上海等) ○国内:集団出展 (機械要素技術展、東京インターナショナル・ギフト・ショー 秋、IFFT/ インテリアライフスタイルリビング、インターネプコンジャパン) 大企業との商談会 (トヨタテクノクラフト(株) ) ③ 販売力強化支援(6,929千円) 首都圏での販路開拓を希望する企業に対し、営業拠点を提供。 ○施設概要 名 称:わかやまビジネスサポートセンター 所在地:東京都港区虎ノ門1-14-1 郵政福祉琴平ビル1F 面 積:約60㎡(6室のレンタルブースを提供) ○利用条件 利用料金 原則無料(個別契約は自己負担) 入居期間 原則1カ年 <平成27年度実績> 施設には、首都圏での販路開拓や既存販路の強化を目指す多種の企業が入居。 ABIC等の販路開拓アドバイスによる支援を行った。 ④ わかやま中小企業元気ファンド(105,973千円) 中小企業者等が地域資源を活用又は大学等と連携して行う新商品の開 発等を支援。 ○地域資源活用分野 「地域資源」を活用した新商品・サービスの開発・販路開拓など事業化を支援し、新 「わかやまブランド」の創出を図る。 補助率:2/3以内 補助額:600万円以内 ○新産業育成分野 5つの重点分野(素材・産業部材・食品加工・暮らし・観光)において、中小企業等 が大学・公設試と連携して行う商品開発・販路開拓などの事業化を支援し、地域経済 の牽引となる中核企業の育成・振興を図る。 補助率:2/3以内 補助額:1,000万円以内 ○産業支援機関 中小企業者等と外部のビジネスパートナーをつなぐ活動(研究会・勉強会)など、商 工会議所等の産業支援機関が行うコーディネート事業 補助率:4/5以内 補助額:100万円以内 <平成27年度実績> 支援実績 35件 105,973千円 ⑤ わかやま農商工連携ファンド(19,260千円) 農林漁業者・中小企業者等との連携を活かした新商品・新サービスの開発を支 援。 ○農商工連携分野 農林漁業者と中小企業者が連携(農商工連携)し、それぞれの経営資源(技術・知識 ・ノウハウ等)を有効活用して行う新商品・サービスの開発、販路開拓などを支援し、 「わ かやまブランド」 「新たな産業」の創出を図る。 補助率:2/3以内 補助額:500万円以内 <平成27年度実績> 支援実績 7件 19,260千円 ⑥ 先駆的産業技術研究開発支援(131,487千円) 県内企業等が有するシーズをもとに先端的産業分野で全国や海外に進出する意欲 的な研究開発を支援。 ○支援内容 対象:県内企業 ・対象事業費の一部を補助(補助率2/3以内) ・補助する額(最大2,000万円程度/件) ・補助対象期間(最長3年) <平成27年度実績> 採択実績 化学分野 1件 その他 2件 ⑦ 未来企業育成(13,981千円) 新事業創出を目指す中小企業者等が大学や公設試験研究機関等と連携して行う共 同研究を支援。 ○県内中小企業者・小規模事業者が中核となり、大学や公設試験研究機関等の技術シー ズを活用するため、産学官で連携体を組成して取り組む共同研究に対して支援を行う。 ○県内中小企業者・小規模事業者による新事業創出や異業種参入を支援することにより、 県内企業の育成、県の産業高度化につなげていく。 ○事業実施: (公財)わかやま産業振興財団 ○限度額:1件400万円(委託料) <平成27年度実績> 採択実績 4件 ⑧ 優良県産品振興事業(4,004千円) 県産品の販売促進を図るため、優良県産品の推奨を行うとともに、推奨制度及び 推奨品を広くPRする。 ⑨ 「プレミア和歌山」ブランド化推進(30,412千円) 首都圏メディア等を活用してプレミア和歌山の認知度を向上させ、販売促進活動 を推進。 ⑩ 中小企業団体支援(102,972千円)<再掲> (3) 創業及び新たな事業の創出の促進 ① 起業家創出支援(16,156千円) 県内の企業を促進するため、創業準備から起業、自立発展までの各段 階における支援としてインキュベーションオフィスを提供。 ○設置施設 わかやまビジネススクエア【和歌山市】 県立情報交流センターSOHOブース【田辺市】 ○入居企業例 施設には、木製建具製造業、梅加工食品製造販売業、ソフトウェア開発業等、事業化 に向けて意欲の高い企業が入居。退去後、首都圏での取引先が増加し、都内の事務所を 借り上げ、引き続き販路開拓を活動中。 ② 産学共同研究支援(1,790千円) 県内企業の開発ニーズに対し、課題解決が可能と思われる大学等研究 機 関 の 研 究 者 と マ ッ チ ン グ を 行 い 、産 学 共 同 研 究 の 機 会 の 提 供 を 行 う 。 ○技術移転機関「TLO」を活用し、県内企業の「開発ニーズ」と大学研究者の「シー ズ」をマッチングし、共同研究の開始・新事業の創出につなげる。 ○県内企業の開発ニーズ情報をTLOに提供し、TLOが企業と大学のマッチングを行 う。研究・開発課題を抱えている事業者の方に全国の大学の中から研究開発のベスト パートナーを探して紹介する。 <平成27年度実績> 7件 ③ 未来企業育成(13,981千円)<再掲> ④ 小規模事業経営支援(1,178,609千円)<再掲> (4) 事業活動を担う人材の育成及び確保 ① わかやま塾(4,304千円) 将来和歌山県を支え、世界にはばたくグローバル人材を育成するため の「わかやま塾」を開講。 ○対象者:県内企業の経営者や幹部、後継者、公務員等 ○定員:100名 ○受講料:2万円(年会費) ○講座内容: (知識編)世界経済情勢、金融政策、国の政治行政制度、国際経済制度等 (心がけ編)経営者として心構え等 ○開催回数:年9回 ② 産業を支える人づくりプロジェクト(31,049千円) 県内ものづくり企業と工業高校が連携し、次世代の和歌山の産業を支 える優秀な人材を育成する。この取組を全高校に拡大するとともに、 就職希望の高校生や保護者を対象にした企業説明会「応募前サマー企 業 ガ イ ダ ン ス 」を 開 催 し 、県 内 就 職 の よ り 一 層 の 促 進 を 図 る 。さ ら に 、 県外へ進学した大学生等のUIターン就職も促進。 ○高校生の県内就職を促進 ・企業と連携した人材育成 ・応募前サマー企業ガイダンスの開催 ○大学生のUIターン就職を促進 ・ホームページや企業ガイドブックにより学生へ県内企業の新卒採用情報等、就職情 報を提供 ・インターンシップの実施 ・和歌山で就職しよう!セミナーの開催 ・合同企業面談会の開催 ③ 人材Uターン等就職支援(2,212千円) Uターンフェアの開催等、県内就職を支援。 ④ 技能向上対策(18,835千円) 技能労働者の技能資質及び社会的経済的地位の向上を図るため、職業訓練の振興 と技能検定を実施。 ⑤ 産業技術専門学院運営(41,820千円) 職業能力開発促進法に基づく公共職業能力開発施設である県立産業技術専門学院 において職業に必要な技能や知識の習得を目的に職業訓練を実施。 ⑥ 伝統工芸品リバイバル支援(3,660千円) 伝統工芸品産業の振興を図るため、伝統技術・技能の継承や販路開拓及び総合的 な情報発信を支援。 ⑦ 中小企業団体支援(102,972千円)<再掲> (5)資金供給の円滑化 ① 中小企業融資制度実施(64,928,548千円) 県内中小企業者に対する経営の安定化と事業の活性化を図るため、事 業活動に必要な資金を金融機関と協調して融資。 ○平成27年度の主な改正点 ・中小企業の前向きな取組を応援する資金を大幅拡充 (設備投資など新たなチャレンジを応援する「成長サポート資金」の対象拡大、金 利・限度額等を見直し) ) ・創業を支援する資金を大幅拡充 (新規創業を活性化するため「新規開業資金」を拡充) ・依然として厳しい状況にある事業者の受け皿資金を拡充 (汎用資金の「振興対策資金(一般枠) 」の金利・限度額を見直し) ・借換資金を利用できる要件の緩和 ( 「資金繰り安定資金」の対象要件を緩和) <平成27年度実績> ○新規融資実績 3,867件、 427億1,700万円 ○過年度融資残高 15,657件、1,091億2,000万円 (H28.3末現在) ② 信用補完制度実施(362,856千円) 中小企業の金融の円滑化のため、信用保証料の軽減及び代位弁済に係 る損失補償を行った。 (6)知的財産の活用及び産学官連携 ① 知的財産戦略(16,974千円) 中小企業者等の知的財産戦略の意識高揚を図り、高付加価値商品を生 み出す技術、デザイン等の知的財産活用を支援。 ○専門人材配置による知財活用等支援 ・新事業支援コーディネーター ・特許流通アドバイザー ・科学技術コーディネーター ○知的財産経営戦略支援 知財の基礎から実務までをカバーするセミナーの実施、及び知財への関心を高めるた めの普及啓発活動の展開 ② 新技術育成のための情報活用支援(1,845千円) 研究開発により新事業の創出等を目指す中小企業者等の商用データベ ースを活用した先行技術調査を支援。 ○研究開発の基礎となる学術情報、先行特許情報等を商用データベースを活用すること で効率よく収集し、県内企業の開発課題ブラッシュアップや効果的な知財取得を支援 ○事業実施: (公財)わかやま産業振興財団 ③ 未来企業育成(13,981千円)<再掲> (7)国際的視点に立った事業展開の促進 ① 国際経済交流支援(10,382千円) 本県経済の国際化を推進するため、県内企業の貿易、投資相談等海外 市場進出を支援。 ○和歌山国際経済サポートデスク ・ (公財)わかやま産業振興財団に相談員を配置 ・日本貿易振興機構(ジェトロ)の有するデータベース・サービスを活用し、貿易ア ドバイス等を実施 ・貿易実務講座、海外ビジネスセミナー等の開催 ○海外ビジネス実現支援 海外進出希望の県内企業に、海外経験が豊富な商社OB等を派遣 ○上海活動拠点の設置 上海在住の中国人ビジネスコーディネーターを活用し、中国企業との商談アレンジ等 により現地での企業活動を支援 <平成27年度実績> セミナー開催回数 10回、相談件数 150件 (8)中小企業者の事業活動の振興に資する企業誘致の促進 ① 企業立地促進対策助成(410,000千円) 新規立地した誘致企業や増設した県内企業に対する優遇措置を実施。 ○本県産業の振興及び雇用の安定拡大に資するため、県内に立地する企業と協定を締結 し、操業1年後の実績に応じて奨励金を助成 <平成27年度実績> ○立地動向 平成18年12月~平成28年3月 157件 ○協定実績 平成27年度 11件 ② 企業誘致活動(16,000千円) 企業訪問等の情報収集活動及び県と市町村等で構成する企業立地連絡 協議会活動等を実施。 ③ 企業立地促進資金融資(33,501千円) 工場等を新増設して新規に県民を雇用する誘致企業等に対して用地取 得、工場建設等に必要な資金を融資。 ④ 企業誘致広報(6,000千円) 様々な広告媒体を活用して本県の企業立地環境の広報を実施。 ⑤ あやの台北部用地開発(20,000千円) ニ ー ズ の 高 い 内 陸 型 大 規 模 用 地 確 保 を 目 的 に 南 海 電 気 鉄 道 ( 株 )、 橋 本市及び県で共同開発するあやの台北部用地の環境影響評価について、 事業主体の橋本市を支援。 ⑥ ICT和歌山(2,000千円) 今後地方展開の可能性がある県外ICT企業に「和歌山を体験」して もらうとともに、県内ICT企業経営者との「ビジネスマッチング」 を実施することにより、ICT企業の誘致を促進。 (9)農商工連携及び6次産業化並びに医療福祉分野等との連携の促進 ① わかやま農商工連携ファンド(19,260千円)<再掲> (10)まちの賑わいにつながる商業振興の促進 ① 商店街のコミュニティ機能強化支援(1,500千円) 商店街におけるコミュニティ機能を強化する公益的な事業を支援。 ○子育て支援など、公益的な事業を新たに行おうとする事業者を支援することにより、 商店街に新たな機能と人の流れを呼び込み、賑わいを創出 ・補助対象者 商店街振興組合、事業協同組合、商工会議所、商工会、商店会、特定非営利活動法 人(NPO法人) 、社会福祉法人等 ・補助率及び限度額(市町村補助を前提とする) 事業者負担1/3 補助限度額3,000千円(県:1,500千円、市町村:1,500千円) <平成27年度実績> ○和歌山市(ぶらくり丁商店街) ・実施者 NPO法人 にこにこのうえん ・補助額 1,500千円 ・内 容 オーガニックに特化した農産物直売所と野菜スイーツの店を開業 (11)中小企業者の製品や技術等に関する情報の発信 ① 県広報紙(県民の友)や県広報番組(きのくに21)等を活用して情報発信を行 った。 (12)その他 ① 県産品の利活用に係る取組の実施 ○登録県産品の申請受付、和歌山県県産品物品優先調達登録台帳を整備。 ○主催行事で飲料を提供する場合は、県産品を使用する取組を徹底する等、県内 中小企業者の受注機会の増大に向けた取組を推進。また、市町村や関係団体等 にも可能な限り同様の取組を要請。 ② 中小企業の賃上げに向けた価格転嫁対策の強化に向けた取組の実施 ○県内企業に対して価格転嫁状況等を聴取するとともに、企業収益が改善してい る企業に対しては、発注に際しての、原材料費価格高騰等による仕入れ価格の 上昇等を踏まえた適正な価格転嫁実施への配慮等を要請。 ○政府、関係団体等に対する提言、提案等を通じて取組を要請。また、本県から の提案を受けて、関西広域連合としても政府に対する要望を実施。 ※事業費については、決算見込額であり、今後変更になる可能性があります。