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資料 - 中東協力センター

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資料 - 中東協力センター
中東地域におけるインフラ輸出の取り組み
2013年8月26日:中東協力現地会議
独立行政法人国際協力機構
本日お伝えしたいこと
1. インフラ輸出戦略とJICA事業の可能性
2. 北アフリカ・中東への協力の重要性
3. 地域別取り組み
 北アフリカ(エジプト、モロッコ、チュニジア)
 イラク
 トルコ
4. コストシェア技術協力事業の紹介
2
インフラシステム輸出戦略の5本柱
①企業のグローバル競争力強化に向けた官民連携の推進
②インフラ海外展開の担い手となる企業・地方自治体や人材の発掘・育成支援
③先進的な技術・知見等を活かした国際標準の獲得
④新たなフロンティアとなるインフラ分野への進出支援
⑤安定的かつ安価な資源の確保の推進
• JICAは、マスタープラン策定、円借款・無償による事業ファイナンス、
技術協力を通じた運営・維持管理まで、上流から下流までインフラシ
ステム全体を通じた支援が可能。
• 上流段階ではプログラムローンや技術協力による途上国の政策制
度改善や法制度整備支援、下流段階では、タイド借款(STEP)の推
進に加え、円借款という譲許的なファイナンスを通じたプロジェクト実
現を通じて、本邦企業の受注「機会」を拡大することが可能。
3
北アフリカ・中東地域への協力の意義と重要性
①資源の安定確保
②中国・東南アジアの次に狙うべき海外進出フロンティア
③国際平和・安定
その背景として・・・
• 日本は同地域に対する歴史的負債を持たず、親日度も高い
• 石油資源の確保を中心に、日本とのビジネス上の関係が深く、また
潜在性も高い
• 「中東和平」、「アラブの春」後の安定化等、世界的に解決すべき課
題がある
4
JICAによる日本企業進出への後方支援
歴史的つながりが深くビジネスノウハウの蓄積がある東南アジアと比べ、北
アフリカ・中東では商慣習の違い、欧州基準の採用(トルコやモロッコ)といっ
たハードルがあり、JICA・政府による支援の必要性が高い
具体例として、
エジプト初のSTEP案件である「カイロ地下4号線鉄整備事業」を通じて、
仏企業が独占していた地下鉄案件への日本企業参画への突破口を
開いた
日本企業が入りにくいイラクにもJICAが常駐しており、先方政府と強
い関係を築き、複数案件で日本企業の大型案件受注を達成
トルコでは、「ボスポラス海峡横断地下鉄整備事業」などのランドマーク的大
型交通インフラの受注を支援し、この事業実績から日本企業への信頼が高
まっている
5
北アフリカ諸国の魅力
北アフリカ地域はインフラ整備需要への対応、更にはアフリカにおける拠点として
日本企業にとって重要な地域。
インフラ需要
エ
ジ
プ
ト
アフリカにおける本邦企業の進出状況
10
• 開通済みの地下鉄路線(1,2号線)は250万人/
日の利用があり、世界一と言われる。2027年に
は400万人/日、2050年には530万人/日の需要
が見込まれる。人口増加率が2%である当国にお
いて、貧困層を含め地下鉄の利用ニーズの増加
が見込まれる。
• 発電は主に天然ガス(86%)、水力(12%)、風力
(0.7%)によっているが、2020年までに再生可
能エネルギーによる発電を20%(うち風力12%)
とする計画がある。今後同分野のインフラ需要の
増加が見込まれる。
チュニジア
7
30
モロッコ
11 16
5
4
アルジェリア
エジプト
セネガル
16 15
3
• 中部の都市では慢性的に夏季に断水。海水淡水
化プラント建設や北部からの導水網整備の計画
あり。
• 電力供給は、95%以上を天然ガスに頼っており、
「ラデス・ガスコンバインドサイクル発電施設」の
建設計画あり。
2
コートジボワール
96
72
11
7
3
ケニア
タンザニア
3
ザンビア
3
• 電力分野に対し2008年~2020年に約1,200
億MAD(約1兆800億円)を投資し、
7,042MWの発電容量の増強を予定
• 欧米諸国とのFTA締結やフリーゾーン等の貿易
特区を建設しており、貿易量の増加に伴う港湾
や国内ロジスティクス面のインフラ需要は高い
6
モザンビーク
2007年 2012年
(参考:2013年12月の日・アラブ経済フォーラムに各国参加予定)
24
ナイジェリア
(数字は本邦企業数)
モ
ロ
ッ
コ
35
3
エチオピア
2
チ
ュ
ニ
ジ
ア
65
6
25
(国名)
南アフリカ
「まず、インフラや法律が整ったエジプトや南アフリカ、モロッコな
どに拠点を設け、そこから各地域に進出すべきだ。訴訟などリス
ク管理が容易になる。」(ベーカー&マッケンジー法律事務所 伊藤氏)
6
出典:JETRO、日経新聞
北アフリカの政治リスク


北アフリカにおける政治的リスクについては各国の個別の状況を踏まえ、
長期的な視野で見守ることが必要。
JICAは治安リスクを軽減するための支援の実施(テロ対策人材育成等)。
エジプト
2013年6月30日、モルシ前大統領に対して
不満を抱く反体制派が即時辞任を求めてエ
ジプト全土でデモを展開。7月3日、シシ国防
相は憲法を停止、モルシ氏を解任の上、最
高憲法裁判所長官のマンスール氏を暫定大
統領に指名。16日に暫定内閣が発足。
政治情勢は流動的であり、注視
が必要。国際社会との関係や
IMFとの財政支援に係る協議の
動向も要注視。
チュニジア
2011年1月に革命が発生、同年10月の制憲国
民議会選挙で、穏健派イスラム主義のエンナハ
ダが第一党となった。本年7月の新憲法承認を
目指したが、野党党首が暗殺されたことで、制
憲プロセスは停滞中。
新憲法制定プロセスについて検討
が行われている。新憲法が承認さ
れた後、大統領及び議会選挙が
実施される予定。
モロッコ
2011年11月に発足した公正発展党(PJD)
を第一党とする連立政権について、2013年
5月以降に不協和音が表面化し、7月末には
連立再編の動きに発展。
7月末以降、新連立政権樹立に
向けた政党間の協議が開始。
PJDを筆頭とする新連立政権の
発足が見込まれているが動向に
ついては要注視。
7
北アフリカにおけるJICA事業の全体像
技術協力、資金協力、民間連携事業、ボランティア事業を通じ、北アフリカ地域の
国づくりに貢献する。
JICA
ODA事業(従来型)
技術協力
有償・無償資金協力
民間連携事業
途上国
インフラ整備
道路、鉄道、上下水道、等
ソフト面の環境整備
貿易、投資制度改善支援や
セクターM/P作成支援
・(エジプト) 開発計画策定支援
・(チュニジア)汚職防止対策
・(モロッコ) ビジネス促進アドバイザー
人材育成
産業人材育成
・(エジプト) 日エジプト科学技術大学
・(チュニジア)ボルジュセドリアテクノパーク
品質/生産性向上プロジェクト
・現地の情報提供、ネットワーク作り
・投資制度等、政策面での支援
・(エジプト)
カイロ地下鉄4号線
配電システム高度化
ハルガダ太陽光発電
・(チュニジア)
地方都市水環境改善
ラデス・コンバインド・サイクル発電
・(モロッコ)
下水道整備事業Ⅲ
国鉄輸送能力増強事業Ⅳ
・周辺環境(インフラ)整備
・事業への参画機会の提供
・海外投融資
・PPP F/S
・BOP F/S
・中小企業連携促進基礎調査
・中小企業等の海外展開事業
・民間提案型普及・実証事業
・民間連携ボランティア
・民間提案型の協力機会の提供
・海外投融資を通じた資金面での支援
民間企業との連携
北アフリカ地域の国づくりに貢献
8
専門家派遣:ビジネス促進専門家の概要(モロッコ)
ビジネス促進専門家の派遣を通して、モロッコ投資促進庁における
本邦企業誘致を支援(2013年9月第二週目に派遣予定)。
投資誘致(情報提供、セミナー開催)
情報提供依頼、個別相談
モロッコ
投資促進庁
本邦企業
・本邦企業誘致に向けた課題整理
・本邦企業誘致に向けた戦略策定支援
(自動車・エレクトロニクス産業)
・実施機関の能力強化
・モロッコ投資セミナー(東京)の支援
ビジネス促進
アドバイザー
派遣
JICA
9
イラク:膨大なインフラニーズと日本への期待




人口3,000万人規模の大国(人口増加率2%強)
10%に迫る経済成長率
経済成長に伴う購買力の増加(中間層の伸び)
世界有数の原油確認埋蔵量
 長年にわたる戦争、経済制裁で疲弊したインフラの復
興需要
 人口増加・経済成長によるインフラ需要
 石油産業および石油関連産業のためのインフラ需要
インドネシア、ベトナムに匹敵するインフラ需要
日本の建設プロジェクトの海外受注相手国
(石油関連産業を含む)
年間250億ドル以上のインフラ投資が
エネルギー分野に対して必要
【電力】
夏場は50℃を超える環境下、多くの地域で1日10時間以上の停電
2035年見込み:70,000MW
原油生産関連を含めた2035年までの必要投資額:1,400億ドル
ベトナムの電力需要見込みは106,600MW
インドネシアの2008年~2027年の投資見込みは2,000億ドル
1位
2位
3位
1977年
イラン
イラク
サウジアラビア
1978年
インドネシア
イラク
香港
1979年
イラク
シンガポール
香港
1980年
イラク
シンガポール
香港
1981年
マレーシア
イラク
香港
出典:アジア経済研究所
【水】
人口の80%以上が未処理の水を飲料水として利用
人口増加に対する上水供給に加えて、原油生産、関連産業等に必要な水供給、
排水処理等の巨大なインフラニーズ
(南部の油田への水供給には淡水化処理プラントが必要)
【原油生産、輸出、精製等】


原油の増産に対応する輸出・精製、随伴ガス処理施設等が未整備

2035年原油生産量見込み:830万バレル
必要投資額:4,000億ドル


【その他】
石油化学関連、運輸(鉄道、道路、港湾等)、医療等、あらゆ
る分野において膨大なインフラ需要見込み
情報ソース: イラク政府、BP、IEA、UNDP、内閣官房
10
1970年代後半、イラクは日本企業にとって優良顧客。
1970年代に建設された日本製のプラントが制裁中の困難
を乗り越え、今も稼働。日本製品の高い品質に加え、日本企
業の工程管理能力への信頼感大
日本企業のイラクビジネス参画への期待を繰り返し表明
(’11年11月マーリキー首相訪日時ほか)
1970~80年代に日本との信頼関係を築いた人材が現場・
重要ポジションからリタイアしつつある。
中国、韓国が台頭する中、実務レベルでの日本ブランドへ
の信頼が薄れていく傾向にある。
イラク油田の高いポテンシャルと膨大なインフラ需要
2035年までの追加原油増産
原油需要・供給量、原油価格見通し
百万バレル/日
イラクは、2035年迄に
560万バレル/日の増
産が見込まれており、
2035年迄の世界増産
分の内、3割強を占める。
米ドル/バレル
その他
米国
サウジ
アラビア
原油
増産分
イラク
カザフスタン
カナダ
出所: U.S Energy Information Administration, Annual Energy outlook 2012,
OPEC, World Oil Outlook 2012
ブラジル
出所: IEA World Energy Outlook 2012
 今後も世界のエネルギー需要は新興国を中心に増加。
 イラクの原油増産余力は最大(2035年までの世界増産分の内、3割強)。
「追加需要への原油追加供給拠点としてイラクが最も重要な存在になる」(IEA)。
 国際的な原油市場の安定化に大きな貢献。特に日本のエネルギー安全保障にとって重要な存在。
 上流開発関連施設、パイプライン建設、石油精製施設、随伴ガス回収施設、LPG, LNG関連施設
、電力関連施設、水供給関連施設等の膨大なインフラ需要が存在し、日本企業参画へ強い期待。
イラク:外国企業活動の活発化
イラク:外国企業活動の活発化
出所:Dunia Frontier Consultant
(億米ドル) 2011年: 外国企業の商業活動の国別内訳
(人数)
34,500
556.7
韓国 22%
その他 20%
(日本1~2%)
426.7
イラン 4%
2011年
556.7億ドル
イタリア 5%
アメリカ 12%
UAE 5%
英国 7%
中国 6%
ドイツ 6%
トルコ 7%
50.5
オランダ 7%
2010年: 外国企業の商業活動の国別内訳
出所:Brookings Institute, Dunia Frontier Consultant
その他 15%
(日本0~1%)
オーストラリア 2%
・2008年より、将来の膨大なインフラニーズを見据え各国企業が積極的に事業展開。
・韓国、中国が台頭。 2010年~2011年に、韓国のシェアは8%から22%に増加。
・事業展開における主要なリスクは、キャッシュフロー(支払い)リスク、コンプライアンス
リスク、商慣行リスク。
・日本企業は、キャッシュフローリスク、コンプライアンスリスク、商慣行リスクがカバーされ
た円借款を中心にした事業展開。
(円借款事業の既締結契約における日本企業の受注率:30%以上)
英国 3%
カナダ 3%
UAE 3%
中国 4%
2010年
426.7億ドル
アメリカ 5%
韓国 8%
イタリア 12%
フランス 10%
12
トルコ 35%
イラク:円借款・技術協力のパッケージによる支援
民間セクター開発が重要な開発課題
⇒日本企業への大きな期待=日本企業の進出支援が開発課題の解決へ
円借款
案件形成
・19事業、4,316億円のコミット。順調に進捗
(調達手続きの進捗により貸付実行が本格化)
【年度別貸付実行実績】
2010年度:149億円
2011年度:286億円
2012年度:405億円
・既締結契約は3割以上を日本企業が受注
・港湾、エネルギー、電力、上下水分野等の
新規円借款案件を検討中。
・民間企業の提案を受けたF/S実施
例:肥料工場建設および物流ターミナル整備計画
・イラク国内拠点の設置による情報収集
2009年3月 エルビルに拠点開設
2011年8月 バグダッドに事務所開設
(現在、8名の日本人を配置)
現地情報・
ネットワークの
強化
・イラク政府関係者の来日機会を利用した個
別面談の設定、セミナーの実施
例1:2012年1月 イラク政府15省庁と日本企業
の個別面談を設定(のべ90社近くが参加)
(2013年1月にも同様に開催済。)
例2:2013年3月 イラク石油省・石油公社行政官
能力強化セミナー
例3:2013年6月イラク・バスラ県上下水セミナー
(横浜市と協力。日本企業20社ほど参加)
・ビジネス環境改善に向けた制度改善
ビジネス環境
の改善
2012年12月より情報収集。ビジネス環境の現状・
課題を明確化。本調査で得た情報は2013年4月・6
月にワークショップにて本邦企業(約70社参加)へ情
報提供し、技術協力に活用。
円借款事業一覧
クルド地域電力セクター復興事業 【147億円】
デラロック水力発電所
建設事業 【170億円】
クルド地域上水道整
備事業 【343億円】
灌漑セクターローン
【95億円】
中西部上水道セクタ
ーローン 【413億円】
ベイジ製油所改良事業(E/S)
【21億円】
バグダッド下水施設改善
事業(E/S) 【21億円】
アル・アッカーズ火力発電
所建設事業 【296億円】
電力セクター復興事
業【326億円】
主要都市通信網整備事業【117億円】
アルムサイブ火力
発電所改修事業
【368億円】
保健セクター復興事業【102億円】
サマーワ橋梁・道路
建設事業 【33億円】
バスラ上水道整備事業
【430億円】
バスラ製油所改良事業【424億円】
バスラ製油所改良事業(E/S) 【21億円】
コール・アルズベール肥料
工場改修事業 【181億円】
原油輸出施設復旧
事業【501億円】
港湾セクター復興事業
【302億円】
日本企業が本体受注
今後、本体入札を実施予定
日本企業が本体入札に参加中
他国企業が本体受注
新規4案件(2012年10月借款契約済)の概要
STEP案件
(日本企業タイド)
バスラ製油所
改良事業 (I)
ベイジ製油所
改良事業(E/S)
主要都市
通信網整備事業
保健セクター
復興事業
事業目的
既存バスラ製油所におい
て、FCCコンプレックスを
設置することにより、ガソ
リン等の石油製品の増産
および関連技術の移転を
図る。
対象地域
バスラ県バスラ市
サラハディーン県
ベイジ市
バグダッド市
ニナワ県モスル市
バスラ県バスラ市
ディカール県
アルシャットラ市ほか
実施機関
石油省、
南部石油精製会社
石油省
北部石油精製会社
通信省
保健省
80億円
(27億円)
128億円
(117億円)
106億円
(102億円)
• IP通信網の整備および
加入網の敷設
• 詳細設計、入札補助、施
工監理等
• 中核総合病院の建設・
医療機材供与
• 基本設計、入札補助、施
工監理等
• 現在、コンサルティング・
サービス契約同意済み。
• 本体調達予定(P/Q公
示):2014年度第1Q。
• 3パッケージ。
• 現在、コンサルタント選
定中。
• 本体調達(P/Q公示):
最速で2014年度第3Q。
総事業費
(借款額)
1,653億円
(424億円)
主要
スコープ
• FCCコンプレックス
の新設
• 入札補助、施工監理
等
現状と今
後の予定
• 現在、コンサルタン
ト選定準備中。
• 本体調達予定(P/Q公
示):2014年度第1Q
~2Q。
既存ベイジ製油所のおい
て、左記の目的を果たす。
本借款においてはE/Sを
実施する。
• FEED等
• ライセンサー設計業
務
• 現在、コンサルタン
ト(FEEDコントラク
ター)選定準備中。
主要都市において加入網
の整備を行うことにより、産
業基盤として不可欠である
通信環境の向上を図る。
1. E/N締結:2012年5月29日、L/A調印:2012年10月14日。
2. 各案件の開始はL/A発効が前提となるため、同発効時期により変化する。
14
地方部の中核総合病院を
整備することにより、医療
サービス体制の強化及び
保健サービスの地域格差
を是正する。
イラク:日本企業のニーズに対応した「呼び水」となる支援
膨大なインフラニーズ
日本ブランド(実績と信頼)
(戦後復興、需要増加)
過去に日本企業が関与したプラントのリハビリ、拡張
ニーズ、過去の実績・信頼に基づく日本企業への直接
引き合い等
石油・ガス、電力、運輸、
上下水道、通信、保健等
日本企業にとってのリスク
キャッシュフロー、コンプライアンス、商慣行
・基礎インフラ整備
・プラントのリハビリ、
スペア・パーツ等
ソフト面での支援
・円借款による支援
-通常型
-民間のスピード、柔軟性
等のニーズ重視型
技術協力
(ビジネス環境改善)
(約5,300人以上のイ
ラク人への研修)
より民間資金に近い資金へ
海外投融資の活用
PPPプロジェクトの形成
「イラクリスク」が緩和されるまでの間、日本企業の「呼び水」となる技術協力とのパッケージ支援
民間セクターの活性化
イラクの発展
日本企業のビジネスチャンスの獲得・拡大
15
短期集中的支援の必要性
・イラクのインフラニーズは膨大であり、イラク側からの日
本企業への期待も高い。
・外国勢のイラク進出が加速しているが、技術協力と組み
合わせた円借款支援はイラクの開発ニーズに合致するこ
とに加え、本邦企業が直面する各種リスクを緩和可能。
・イラクのインフラ需要と本邦企業のニーズに応えるため、
当面短期集中、緊急に公的ファイナンスによる支援が必
要。
・港湾、エネルギー、電力、上下水分野等での新規案件
形成を検討中。
※皆様からのご相談、ご提案に積極的に対応致します。
16
トルコ概観:新興国の中でも有望な海外進出先
17
政治的重要性
• 欧州・中東・中央アジア・コーカサス地域の結節点。
G20メンバー国。NATO加盟国。EU加盟候補国。
伝統的に親日。
経済的重要性
• 有望な市場(人口7千5百万人、若年層多く、購買
層厚い)。1人当たりGNI:US$10,410(2011年)。
• 安定的な経済成長(2012年:2.2%、2013年:
4%(予想)。
日本企業の進出
• 本邦企業進出数は中東で2番目(120社以上)。増
加基調。
旺盛な資金ニーズ
• インフラの拡充。格差是正。中小企業育成含め産
業人材育成。旺盛な開発資金ニーズ。
防災ニーズ
• 地震多発国であり、更なる発展のためにも、防災
対策が課題。
• トルコ国内大都市部のリスクが高まっている。
トルコ:防災促進事業(検討中)
背景
• アナトリア半島は、地震活動が非常に活発な地域であり、1999年イスタンブールにて2度の大地震(コジャエリ地震及びデュズジェ地震)
が相次いで発生し、また2011年10月23日トルコ東部のイラン国境に近いヴァン県においてマグニチュード7.1の大地震が発生。
• 日本は、過去から地震防災分野への協力を展開してきている。近年では「イスタンブール長大橋耐震強化計画(2002年L/A調印、円借
款)」 、 「ヴァン地震国際緊急援助(2011年)」、 「防災教育プロジェクト(2010~2013年、技術協力)」、 「リスク評価に基づく効果的な
災害リスク管理のための能力開発プロジェクト(2012~2015年、技術協力)」等を実施。
• トルコ政府は災害リスク軽減・予防を国のトップアジェンダとして、都市再整備法案の中で、脆弱な建物の建替プログラム(約40兆円規
模)を実施中であるところ、日本の高い地震防災技術及び資金協力への期待が示されている。
• 2012年7月に東北で行われた世界防災閣僚会議において、玄葉外務大臣(当時)より防災分野への「2013年からの3年間で30億ドル
の支援」が約束されている。
• 2013年5月下旬にジュネーブにて開催された第4回防災グローバル・プラットフォーム会合においても、日本政府は引き続き国際的な防
災の取組みを主導していく旨を表明。2015年3月に仙台市にて第3回国連防災会議を開催される予定。
• 2013年5月に発表された成長戦略において、防災や医療等の分野でのインフラ輸出が柱と位置付けられている。
• これらを背景に、国交省は防災インフラ輸出促進に向け、官民連携の新組織を立ち上げることを決定。
• なお、2013年5月3日の日ト首脳会談において、安倍首相より、「円借款の制度改善でトルコのような高所得国でも日本の知見を活用
できることになったため、防災分野でも協力したい」と表明されたとおり、今回の円借款に係る制度改善においても、防災は重点分野。
2005 2009
1997-
トルコへの
防災協力
18
地
震
防
災
研
究
セ
ン
タ
ー
プ
ロ
ジ
ェ
ク
ト
イ
ス
タ
ン
ブ
ー
ル
長
大
橋
耐
震
強
化
事
業
2010 - 2013
2014 -
防災促進事業(円借款)
防
災
研
究
能
力
強
化
研
修
防
災
教
育
プ
ロ
ジ
ェ
ク
ト
(
技
)
過去の協力の蓄積
災
害リ
リス
スク
プク評
ロ管価
ジ理に
ェの基
ク
トたづ
めく
(
技の効
)能果
力的
開な
発
災マ
おル
よマ
びラ
防地
災域
教に
育お
プけ
ロる
ジ地
ェ震
ク・
ト津
波
(
技防
)
<ソフト面の協力>
災害に強い街作り計画の
策定、各サブプロジェクト
のF/S・設計、日本の技術
の導入、運営・管理面の技
術協力、等
災害拠点病院
建設
学校耐震化
ハード面の協力
情報通信・
都市インフラ
インフラ整備
耐震化
トルコ:防災促進事業 プロジェクトイメージ
• ①災害に強い街づくり計画(Disaster Resilient Urban Plan)の策定、及び、同計画に基づいた
②災害拠点病院建設や学校耐震化等による都市強靭化を支援する。事業に上流部分( ① )を含
めることにより、本邦企業の参画可能性を高め、我が国の防災にかかる知見・技術の移転を行う。
概要
• 複数の技術協力をパイロット地域として実施中のブルサ県(人口約269万人)を対象とする。なお、
サブプロジェクト実施は、同県内で特に地震リスクが高いと認定されている地域に集中させる。
• 実施体制については、様々なセクターを横断するため、全体の調整を開発省(MOD)、首相府緊急
事態管理庁(AFAD)が中心となって行う方向。
• 本事業は、建築物やインフラ等の防災能力強化事業への膨大な需要を有するトルコの防災分野市
場へ本邦企業が参画していくための布石となることを目指す。
事業規模(案)
500億円程度
具体的なサブ・プロジェクトのイメージ(災害拠点病院建設)
計画策定
設計
 災害拠点病院に関する
基準、認定プロセス等
の整備に関する支援
19
 十分なアクセス確保が
可能な位置の選択、
高度免震建物の設計
を支援
緊急時に待合室での患者収容が可能な設計
調達
施工
 建築工事
 必要医療機材他
高度な免震設計・施工
供用
 運用マニュアルの整備、
訓練等、運用に関する
ソフト支援
緊急時の対応訓練
中東地域におけるコスト・シェア技術協力の活用
コスト・シェア技術協力(技協)とは?
• ODA卒業国に対し、先方経費負担で事業を実施
• 安倍総理中東(サウジアラビア、UAE、トルコ)訪問で表明
実施の意義は?
ODA卒業後間もない国との関係構築
• 豊富なインフラニーズと資金に比して、知見・技術が不足
• 先方政府との関係構築、資源の安定確保に寄与。
JICAブランドを活用
• 相手国政府とのネットワーク・信頼関係
• 湾岸地域にはJICAの研修生が約3,500人(うち、サウジアラビアに約2,000人)
Win-Winの交流
• 日本の知見・技術の売り込み
• 先方政府の能力向上
• 日本企業の進出先として、ビジネス環境の整備
制度・実施枠組み(制度設計中)
【協力形態】
 日本への現地関係者呼び寄せ研修/現地への日本人専門家の派遣/調査の実施(マスタープラン等を想定)
【対象地域】
 サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーン
※2013年8月からニーズ調査開始予定(カタール、クウェート、バーレーンでの対応は未定。)
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中東地域におけるコスト・シェア技術協力の活用
サウジアラビア、オマーンにおける実施事例
サ
ウ
ジ
ア
ラ
ビ
ア
 国の概況
• アラビア半島最大人口(約2,800万人)
• 労働力の自国民化政策を推進
 代表的なODAベースの協力事例
• 自動車技術高等研修所
• 海投によるサウジ石油化学、サウジアラビ
アメタノールの設立 ⇒ サウジ石化はプラ
スチック研修所の立ち上げ・運営に寄与
 コスト・シェア技協の協力事例
• 日本での研修への参加(水資源管理、省
エネ、新エネルギー、IT、教育等)実績:27
名(2013年5月現在)
• 研修の実施(救急災害医療)実績:14名
(2013年3月現在)
• 水分野の専門家派遣(検討中)
 競合の動き
• GIZは70年代より有償(全額先方政府もち)
での協力を実施
 代表的なODAベースの協力事例
 国の概況
• ホルムズ海峡に接し、インド洋・アデン湾入口 • マングローブ環境情報センター
• 電力省エネルギーマスタープラン
に位置するシーレーン上重要
オ • 労働力の自国民化政策を推進
• 産業振興マスタープラン
マ
ー
ン
 コスト・シェア技術協力の実施事例
• KAIZEN分野の専門家派遣
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コスト・シェア技術協力のニーズ
例:サウジアラビアに関するヒアリング結果
先方政府のニーズ
本邦企業のニーズ
【専門家派遣ニーズ】
 公務員の能力向上
 教育アドバイザー(女子教育支援、理
数科教育教授法等)
 中小企業育成
 消費者保護
 廃棄物処理
 エネルギー政策(省エネ教育、省エネ
 水ビジネス(淡水化、下水処理システ
ム運営管理)
 交通管理システムの運営管理
【マスタープラン作成ニーズ】
 南西部水資源開発
 省電力化
※これらのツールを通じた自国人材の育成
への関心が高い
【大規模社会インフラ整備プロジェクトへの参入】
 水分野(上下水、造水)
 大量輸送交通(巡礼者向け鉄道、都市渋滞
解消のための都市交通)
 再生可能・新エネルギー
 救急医療システム構築
 火力発電
【特殊技術の売込み】
 下水管のコーティング処理、管路更生技術
※日本企業の持つ潜在的ニーズとして、同地域
で事業展開する際に中核となり得る現地人材
の育成が挙げられる。
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JICA事業による途上国支援の取り組み
人材育成
制度構築
技術普及
研究開発
技術協力、ボランティア派遣
インフラ開発
有償/無償資金協力
*皆様からの積極的なご相談、ご提案をお待ちしています。
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お問い合わせ先
海外で:中東地域の在外事務所
イラン、イラク、エジプト、チュニジア、トルコ、パレ
スチナ、モロッコ、ヨルダン(シリア)
http://www.jica.go.jp/about/structure/overseas/index.html
国内で:中東・欧州部
中東第一課 (エジプト、リビア、イエメン、チュニジア、モロッコ、
アルジェリア)
中東第二課
欧州課
(イラク、ヨルダン、パレスチナ、イラン、シリア、レ
バノン、湾岸諸国)
(トルコ)
独立行政法人国際協力機構 中東・欧州部
〒102-8012 東京都千代田区二番町5-25 二番町センタービル
TEL:03-5226-6827
FAX:03-5226-6365
 電子メールアドレス:[email protected]
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