...

Chapter4. 捕食者対被食者:軍拡競争の進化

by user

on
Category: Documents
91

views

Report

Comments

Transcript

Chapter4. 捕食者対被食者:軍拡競争の進化
Chapter4.
捕食者対被食者:軍拡競争の進化
担当:岡地
恵介
三章では捕食者がどのようにして餌を探し、選択するのかを調べた。それにおいて様々な
パラメーター(操作時間)を多かれ少なかれ一定と見た。それは、進化の時間よりも、操作時
間は変化しているのかもしれない。例えば進化の間で、自然選択は捕食者が餌を発見し、
捕獲する効率を増やすと考えている。一方で、選択がまた被食者が発見されるのを避けた
り、捕食から逃れる能力も改善しているとも考える。((Table 4-1)(Fig41)(Fig4-1)
この章では捕食者と被食者の捕食競争について 3 つの問題から考えてみる。
-捕食者の
捕食者の適応と
適応と被食者の
被食者の適応-
適応-
1:適応か
適応か適応を
適応を欺く?
ある群集が提案された適応を行うことは、他の群集の中での軍拡競争の中での適応から与
えられる機能的な意識をつくるのだろうか?
ある生物学的な機能的原因が提示されたときの誘惑は、テストすることが難しい優れた欺
きを発見する。例えば茶色いガが木で休むときにその木の色に紛れているなどのことであ
る。私たちは機能的な仮説を実験する必要がある。
2:どのようにして軍拡競争
どのようにして軍拡競争は
まるのだろうか?
軍拡競争は始まるのだろうか?
被食者は、脊椎動物がすぐに完全で複雑な構造を発展させたように(例えば目など)完全な捕
食への適応をすることはできない。軍拡競争が始まったときの被食者のわずかの自然のま
まの捕食への適応は彼らに選択的な強みを与えるはずである。捕食者が進化するとき被食
者も進化し、その結果、捕食への適応が改良されていく。
したがって二つ目の問題は自然のままの粗野な捕食への適応は捕食からの圧力を減らすこ
とが出来るのか?進化的な軍拡競争の中で、適応能力はスタート地点から積み重ねること
ができるのか?
3:どのようにして軍拡競争
どのようにして軍拡競争は
わるのか?
軍拡競争は終わるのか?
なぜ捕食者は餌を絶滅へと追い込むほど捕食をしないのだろうか?あるいは、被食者はな
ぜうまく逃げることで被食を避けて捕食者を絶滅させえないのか?
-捕食者対擬態する
捕食者対擬態する被食者
する被食者-
被食者-
Pietrewicz と Kamil(1981)と Sargent(1981)の研究
シタバガとアオカケスについての実験
1981 年に北アメリカの落葉樹にいるシタバガの研究で、40 種が特定の位置にいて、シタバ
ガは広い範囲でアオカケスやヒタキ、タイランチョウなどの鳥に狩られる。
機能的な
機能的な適応についての
適応についての仮説
についての仮説
・ ガの前の羽は隠蔽色に見えてくる。それは木の樹皮に大変似ている。後ろの羽は、一方
で、際立って黄色や赤、オレンジやピンクを呈している(Fig4.2)。ガが木で休息してい
る時、彼らの前の羽は後ろの羽を覆っている。しかし後ろの羽は攻撃されると前の羽が
開くことで突然現れる。私たちの仮説は、したがって、前羽が色づくのは発見されるの
を減らすためであるのと、後ろ羽が捕食者を脅かせるのに効果があるのかどうかである。
前の羽が隠蔽色であることの仮説は種によって異なる背景を選び、それはそれぞれの反
射率を最大に見せる隠蔽色の効果があることを支持する。その上彼らの光沢は特有の方
法で、羽のパターンは樹皮の裂け目のパターンに溶け込む。
Pietrewicz と Kamil の実験
アオカケスに彼らの隠蔽がどれくらい重要かスライドショーでテストした(Fig4(Fig4-3a)。
スライドにはガがいるのといないのでためされた。もしもしそこにガがいたら、スライド
をつつかせてミールワームを与えた。次のスライドは少しインターバルをおいて見せられ
る。
もしそこにガがいなかったらカケスは小さなキーをつついて次のスライドに進む。そのと
きの次のスライドはすぐに見せられる。もしカケスが 2 回ミスをおかしたらカケスは罰せ
られる。
この実験の手順は 2 つの理由で工夫に富む。
・1 つ目は、捕食者は知覚的な問題のみに面していて、餌を捕獲するのに他に餌の味や行動や
逃避などの複雑な要因もない。
・2つ目は、捕食者は静止していて、餌もまたそうである。基本的にスライドを次に進ませ
るだけで、操作するのが簡単で、エンカウントに餌をみせることができる。
このときカケスは高い確率で間違いを犯す。このことは擬態についての仮説を指示するで
あろう。(Fig4(Fig4-3b)
シタバガの前羽は多形で、同じ集団で異なった色のものが共存する。捕食者が形作られた
探索像(Box4(Box4-1)で特有のカラーパターンのガや、それが集まっているときにガを発見するこ
との仮説で、もしガが同じ集団で同じ色であるのはリスクがあるが、遺伝的多形であるこ
とはよいことであるというものである。
Pietrewicz と Kamil は異なった順序でこの実験をカケスに試した。C.retecta の異形態か
C.relicta の異形態を続けて見せたとき、カケスはガを発見することが出来たが、これらを
ランダムに見せたとき、カケスはガを発見ができなかった。エンカウントな多形はたしか
に捕食者の探索像をおかしくさせる。(Fig4(Fig4-4)
Box4-1
探索像
Luc Tinbergen の研究(1960)
鳥の捕食行動についてオランダの松林でやったもので、鳥は春に最初に見つけた虫を食べ
ることができなかった。しかしある時から突然それらを食事のために取り込んだ。これは
虫を発見するための能力を向上させるためるものだと示唆した。このプロセスは鳥が明確
な探索像を身につけるためのものだとした。例えばそれは、鳥が最初から虫を発見してい
て、最初はそれを彼らの習性で食べずに、後からそれを突然食べ始めた。これは餌が大量
発生したときに餌を見つけるときに十分に利益をもたらす。(Royama1970)あるいは、鳥は
最初に見つけた餌を食べることをしぶっていたのか、えさを捕まえる能力を改善したのか
ということである。
Marian の実験(1971)
捕食者が擬態したえさをみることで、その能力を変えていることを明らかにした。
人に飼われたひよこでの実験
(a)オレンジ色の背景で緑色の穀物、オレンジ色の穀物
(b)緑色の背景でオレンジ色の穀物、緑色の穀物
この二つのテストは連続して行われ、2匹はわけられた。
・目立つ背景
どちらのケースでもひよこは餌をみつけることができた。
・目立たない時
主に石ころをつついていたが 3-4 分後には餌をみつけるようになり、実験の最後には見にく
い餌をたべるようになった。
輝く後ろ羽についてはどうだろう?
Debra の実験(1985)
色々な後ろ羽をダンボール製の前羽の後ろにかくしてカケスに試してみた。下から餌をも
らうために、カケスはこのガのモデルのダンボールのほうに攻撃し、取りのぞくトレーニ
ングをした。このモデルが取り除かれたとき本物のガを真似たように後ろ羽はすぐに前羽
の後ろから広がる。
灰色の羽でトレーニングされたカケスは、Catocala のようなあざやかな、後ろ羽に接する
とびっくりする。鮮やかな色のモデルでのトレーニングは灰色の後ろ羽では驚かない。こ
の現象を繰り返された後、鳥は Catocala のようなものになれてしまう。しかし同じ鮮やか
な色でも異なる鮮やかな色のものを見せるとまた驚く反応をみせる。この驚くことは仮説
によい証拠をもたらし、慣れは異なる同所いる種類にみられる後ろ羽の大きな多様性の適
応の意義があることを提示する。
他の実験で eyespot は他種を驚かせることに効果があることを示している(Fig4(Fig4-5)。
自然のままの
自然のままの擬態
のままの擬態は
擬態はアドバンテージがあ
アドバンテージがあるのか
があるのか
餌に対する捕食者の利益は認知の時間+操作時間にある。(第3章)
擬態の進化において、被食者は認知時間をふやすことで、捕食者の利益性を下げる。
認知時間を少しでも増やすことができれば、それは自然のままの擬態によるものといえ、
それは選択的なアドバンテージをもたらすのか?
シジュウカラが遠くのコンベアーの上に流れている餌をつかむ。(Fig3-6 のように)この実験
での賢い構想は観察者が正確に捕食者と餌のエンカウントとエンカウント率をコントロー
ルすることである。
Erichsen et al の実験(1980)
3つのアイテムがある。
1.食べられない幼虫
透明なストローの中に幼虫に似せた茶色い糸が入っている。それはエネルギーをもってい
ない。
操作時間 ht(それを食べられないとして、つついてから拒否するまで)、エンカウント率をλ
t(アイテムが投入されるまでの時間)とする。
2.大きな擬態した餌
不透明なストローにミールワームを入れて、エネルギー量を E1 とし、操作時間を h1、エ
ンカウント率をλ1 とする。
3.小さな目立つ餌
透明なストローに半分のミールワームを入れて、エネルギー量を E2 とし、操作時間を h2、
エンカウント率をλ2 とする。
大きい餌は小さい餌より E/h 値がある。(E1/h1>E2/h2)
しかし大きい餌を選ぶことの問題はそれらを食べられない幼虫か餌かを認知できるかにア
リ、したがってこの実験デザインは、擬態の問題は捕食者の探すことの利益ではなく、擬
態した餌のアイテムということに直面した。
もし捕食者が何でも食べるものならば、流れてきたものはすべてついばむだろう。そのと
きの時間を Ts としてエネルギーを
E=Ts(λ1E1+λ2E2)で、
総合時間は
T=Ts+Ts(λ1h1+λ2h2+λtht)
エネルギーの取り込み率は、
E/T=λ1E1+λ2E2/1+λ1h1+λ2h2+λtht
式 4-1
もし、捕食者が擬態した餌を完全に無視し、小さな目立つ餌ばかり食べたときその取り込
み率は
E/T=λ2E2/1+λ2h2
式 4-2
捕食者は従って少ない利益を専門にすべきである。しかし、目立つ餌において、式 4-2 は式
4-1 よりいい成績をあげている。
同じ推論で大きな擬態した餌を与えられたとしたら
λ1E1/1+λ1h1+λtht>λ1E1+λ2E2/1+λ1h1+λ2h2+λtht
式 4-3
となる。
1 つの鳥を扱うことで、小さな餌に適応するためと大きな擬態した餌を無視させるためにエ
ンカウント率はアレンジした。(したがって式 4-2 のレートは式 4-1 のレートより大きい)そ
して、他の鳥を扱うときは大きな擬態した餌に適応させるため式 4-3 で固定する。シジュウ
カラはおおよそ予想通りにうごいた。(Fig4(Fig4-6)
重要な
の実験で食べられない餌の識別時間は 3~4秒であり、したがってシ
重要なポイント:ht
ポイント
ジュウカラは与えられた時間で容易に食べられない幼虫を餌かどうか判断できる。それに
も関らず、目立つ餌を十分に頻繁に与えたとき、もしくは大きなアイテムで、食べられな
い幼虫よりもむしろ、本物の餌を多く与えたのに、シジュウカラは大きな餌を完全に無視
した。
結論は、わずかな擬態でさえも、ほんの 1~2 秒の特別な認識時間は選択的なアドバンテー
ジをもたらすには十分である。擬態は捕食者が他の餌アイテムをみつけるのに十分な利益
をもたらすことを減らすアドバンテージがある。この実験の結果は自然のままの擬態は確
かに軍拡競争の始まりであること表している。
-アドバンテージと
アドバンテージと警告色の
警告色の進化-
進化-
ある種は擬態というよりもとても鮮やかな色をしている。果物は熟して種をばら撒くため
(Fig4-7)。
に鮮やかな色になる。一方虫が鮮やかな色になるのは捕食を避けるためらしい(Fig4鮮やかな色合いはしばしば不快さを連想させる。そして Wallace は外見上の不快さのサイ
ンはその虫を食べると一口で実に嫌な思いをするという暗示をするために必要であると提
案した。この仮説はしたがって、派手な色は、捕食者に対して簡単にそれが有害であるこ
とをわからせるものかどうかというである。
鮮やかな色は本当に捕食者に認識されやすいのだろうか?
Gittleman と Harvey の実験(1980)
ひよこを用い、異なる色のパン粉でテストしてみた。ひよこたちは青や緑のものを好んで
食べた。この実験ではパン粉はキニン硫酸塩とカラシ粉につけてまずくしてある。
(a)青いパン粉と(b)緑のパン粉は青い背景に置かれている。(c)青いパン粉と(d)緑のパン粉は
緑色の背景に置かれている。どんな背景であろうとひよこは最初のうちは目立つ色のパン
粉をつまんでいた。しかし、実験全体として目立たない色の餌のほうが大きな捕食を受け
(Fig4-8)。
ていたことが明らかになった(Fig4これは目立つ餌の方が害があると認識されることを示している。ひよこは目立つ餌を避け
るように学習しているとゆうよりは、単に、鮮やかな色であるとゆう理由でそれらを簡単
に認識する。もしくは、長い時間をかけてたくさんのえさをたべることよりも短い時間で
たくさんの餌を食べたことが強い嫌な印象となった。
他の実験で、害のある鮮やかな虫を避けることは、一回経験することで、その後も捕食者
に経験として残ることを見せた。Miriam のムクドリでの実験で、1 度まずいイモムシを経
験したムクドリはそれ以後イモムシ類を食べなかった。
捕食者はしばしば鮮やかな色の餌を経験していないとその餌を避けることがある。例とし
ては、キバラタイランチョウは黄色と赤の縞模様のサンゴヘビを避ける。
警告色には他のアドバンテージがあるかもしれない。捕食者に鮮やかな色であることをわ
かりやすくするだけではなく、その警告色タイプであるのに間違えて攻撃されることを少
なくするたことだ。例えばある鳥がアイテムをそれが餌であると確信する前についばんだ
とき、その警告色であることついばまれることの時間を省き、餌が動きやすいときはつい
ばまれないアドバンテージになるかもしれない。捕食者の早まった決定は、不快な目立つ
餌を与えることによって、目立つ餌を認識するエラーを少なくすることができる。
警告色の
警告色の進化
どのように警告色は進化したのだろう?
1つの可能性としては、最初に目立つ色が進化して、続いて不快さがついて来たというも
のである。(Cott 1940)
例えばカワセミのような鳥は不味い。彼らの色は求婚と縄張りを守るのに優位である。そ
れに対して、鮮やかな色であることは捕食者から見つかりやすいことを意味し、そのこと
から不味さを進化させている。
2 つ目の可能性としては不味さが最初にきて、鮮やかな色があとから来たというものである。
それは、虫に適用される。イモムシやオオカバマダラのようなもので、それらは植物を食
べて毒を取り込んで、捕食者から身を守っている。その後鮮やかさを徐々に進化させた。
この 2 つのケースでは鮮やかな色は警告の工夫として特別な進化をとげている。
二番目の可能性は興味のある問題を提示している。不快な、しかし、目立つ色をしていな
い幼虫の数をイメージすると、成長して、変態が生じると、幼虫は目立つようになる。そ
れらの幼虫はたしかに、捕食者にとって明らかに目立つ。そしてそれはよりよく食べられ
そうである。捕食者は不味い味を味わったから、もう鮮やかな色のものには触れないよう
にしようと決める。しかし、捕食者はこのような変異体はサンプリングをされる中で、消
えていき、広がることも無いから、他の個体にまたあうことも無いだろう。。
しかしなぜ警告色はこうして進化をとげているのだろうか?
Fisher(1930)はこの解決法に着手し、不味くて鮮やかな虫は集団でファミリーを作ることを
発見した(Table4
Table4-2)。
グループを作る理由は捕食者が他の鮮やかな色の虫に遭遇したとき、同じ血縁の個体をサ
ンプリングして死なせることで、彼らの命は守られて、遺伝子を次の世代に引き継ぐこと
が出来る。このプロセスを血縁選択という。
数学モデルによると、鮮やかな色のファミリーは不味さを進化させ、鮮やかな色を作り、
少ないサンプルを捕食者に提供し、そのことが捕食者から、他の目立たない被食者と比べ
られ、その結果彼らは不味いのだと認識される。(Harvey et al 1982)
Fisher の方法は率直であるけれども、最近の研究は二つの仮定に挑戦している。
最初の仮定で、捕獲された個体はいつも死んでしまうとは限らない。鮮やかな虫は堅い外
皮を持っている。それはうぶな捕食者からの攻撃から身をまもり、彼らは無傷で開放され
る。このようなケースで人目につくことで孤立することが優越する。鮮やかな色は覚えら
れやすく、鮮やかで不味いイモムシは目立たないイモムシよりも防御力が高い(Sillen 1985)
二番目に Fisher は、ファミリーグループが段階を置いて設置されるのは、警告色の進化の
ためだと仮定した。チョウチョの系統学的な分析は、警告色は集団を作る前に発展してい
たと提示している。したがって警告色の発展は個々でいるときの攻撃の可能性を下げるア
ドバンテージと、時々集まっていることは、以後利己的な群れの効果を出す。
このような研究は個体でいることが、アドバンテージがあるのかテストする必要がある。
しかし、これまでの研究では、ファミリーグループの形成は、鮮やかな色の進化のことに
たいして重要ではないことを示している。さらに例として多くの鮮やかな色の種は孤立し
ている。(Table4(Table4-2)
-目立つことと
目立つことと目立
つことと目立たないことの
目立たないことの TradeTrade-Off-
Off-
動物のデザインはしばしば異なる選択圧を受けることを表す。目立たないものの犠牲によ
って捕食者から身を守る一方で、目立つ色であることで同種間の縄張り争いと交尾の争い
におけるアドバンテージともなる。この Trade-Off の例は、いろいろな種の鳥のオスは繁殖
期にあると鮮やかな色になり、繁殖期が終わるとメスのような鮮やでない色になる。
John のグッピーのイルミネーションの研究(1980 ,1983)
いくつかの孤立したグッピーをベネズエラとトリニダードの川で研究した。オスはメスよ
りカラフルで、3 つのタイプに分けられる。
(a) ピグメントカラー(カロチノイド由来
赤、オレンジ、黄)
食物に含まれるカロチノイドによるもので、もしカロチノイドを含まない餌を食べると数
週間で色あせる。(Kodric 1989)
(b) ストラクチャルカラー(玉虫色の青か青銅)
鱗の光の反射からなる。
(c) ブラックスポット(メラニン由来)
一部分の神経のコントロールによるもの。サイズを大きくしたり、増やしたり減らしたり
できる。(Houde 1988)
研究室の実験では鮮やかな色は交尾においてアドバンテージがあることがわかった。メス
は特にオレンジ色のスポットに惹かれる。
グッピーの鮮やかな色が捕食者に対してどう対抗するかどうかをテストした。John は川で
異なる捕食者をサンプリングした。綺麗な色のグッピーはそうでないものと比べて食べら
れやすいことがわかった(Fig4(Fig4-9)。
グッピーの色で捕食が激しくなるだけでなく、捕食者のタイプも重要となってくる。どの
川でもメインの捕食者は赤が見えないエビだ。そしてここはオスのグッピーが著しく赤色
である。最終的に John は色を変えることで選択圧を変えることが出来ると示した。実験室
で匹数をコントロールすると、捕食者と一緒にいるとオスは色を汚く保つ。捕食者とわけ
ると鮮やかになり、スポットも多く、大きくなる。
下記の条件で同じような効果が得られた。
200 匹の汚いオスを捕食者の多い川から、他の川に移した。そこには、グッピーも捕食者も
いない。そうすると 2 年間でカラフルなオスが増えた。John の実験は、自然選択がどのよ
うにして、カラーパターンが他の選択圧とバランスをシフトしている関係を変えることが
できるかの例を説明した。
-捕食者と
捕食者と餌の軍拡競争-
軍拡競争-
なぜ捕食者は餌を絶滅させるくらい効率よく食べないのだろうか、もしくは、なぜ餌は対
抗適応によって捕食者を絶滅させようとするのだろうか。なぜ双方はうまく共存するのだ
ろうか。適応とそれに対する抵抗適応のいろいろなケースの複雑さが彼らをうまく共存さ
せているのだろう。
1.倹約的な捕食
人は倹約的な捕食と取り過ぎないことで自分たちの食料を絶やさないようにできる。動物
も同じように倹約的な捕食ができるのだろうか?このアイデアは群淘汰に依存している。倹
約的な捕食者の集団での多くの個々は詐取と公平な分け前より多く食べることでやり過ご
し、多くの遺伝子を次世代に残す。打算的な捕食は資源を排他的に利用することで、縄張
りを守り、その集団が十分に食べることよりも自分のたくわえを多くとる。
2.グループの絶滅
グループの絶滅は安定した捕食関係があればおきないがそれが不安定だと起こりうる。
3.餌は軍拡競争で先を行く
捕食関係はいつも餌が先に軍拡競争を進めるため安定している。
ある仮説“生命の夕食の法則”
ウサギはキツネよりも速く走る。それは、ウサギは生命のために走り、キツネは夕食のた
めに走るのであるからだ。ウサギにとってつかまることのコストは明らかに大きい。
Dawkins と Krebs は“キツネはウサギに負けた後に繁殖できるが、ウサギは負けたら死ぬ
のでそれは出来ない。キツネがしばしば狩りをミスしたらそれは餓死につながるが、キツ
ネは交尾をすることはできる。”
したがって、選択圧はキツネの捕獲能力より、ウサギの逃避能力を上げるほうに強く働く。
いろいろなケースで餌のほうがいつも軍拡競争で先に進んでいる。なぜなら餌は世代交代
が速く、それにともなって速く発展することができる。しかし、あるケースにおいて、捕
食者のほうが速いときがある。(バラとアブラムシ)。餌は逃げることなく彼らの敵をどのよ
うにして滅ぼすのか。ある仮説で捕食者が希少になっていくことで、餌は効果的に増える。
捕食者は餌のさらなる改良のために餌に小さな選択を課す。
結局は、捕食者は餌を絶滅には追いやらないだろう。なぜなら、もし餌が希少になったら、
例えば、度を越した捕食をすることで、捕食者は他種を探すだろう。したがって、他種を
食べることの適応は、普通今までの餌のそれとは異なるもので、捕食者は他種を十分に絶
滅に追いやることは出来ないだろう。
-託卵寄生
託卵寄生とその
寄生とそのホスト
とそのホスト-
ホスト-
ある種の鳥、魚、虫は託卵寄生をする。他種の巣に自分の卵を産み、その利益をホストか
ら得る。つまり、寄生した雛はただで育ててもらい、ホストはそのコストを負い、なんの
利益も無い。明らかにそれは、好ましいホストの防御に抵抗する選択であると考えられる。
違う視点から見れば寄生者の対抗適応なのである。
例えば、寄生する虫は他の巣に移ったときに、ケミカルコミュニケーションでその巣のホ
(Fig4-10)。
ストに受け入れられる(Fig4最近の寄生者とホストの研究で鳥を使ったものがある。
カッコウ対
カッコウ対ホスト
カッコウはヨーロッパから北アジアにかけて生息している。ヨーロッパでは 10 種の好まし
いホストがいる。しかし、個々のメスのカッコウは特に1つのホストに対して 1 つの擬態
した卵を産む。それぞれの卵はホストの巣の卵にマッチするため、変化する。
例
ホスト:カッコウの卵
タヒバリ:茶色でスポットのある卵
ミズツグミ:白くスポットのある卵
ヨシキリ:緑がかったスポットのある卵
ジョウビタキ:青い卵
これはカッコウが同じ種族であるかはわからないがそれぞれホスト合った卵を産む。
1 つの可能性として、姉妹のカッコウが同じタイプの卵を彼女たちの母親と同じホストの巣
にうみつけたとすると、ホストは刷り込みによって寄生されたと気づくだろう。
メスのカッコウは寄生するとき特殊な手順を踏む。
・ ホストの巣を見つける。
・ ホストが卵を生む前に近くの木で静かにとどまっている。それは 1 時間かそれ以上に及
ぶ。
・ メスは突然ホストの巣に滑り込み、ホストの卵を1つどけてくちばしにくわえ、自分の
卵を産み付ける (Fig4
(Fig4-11a)。
・ どこかに飛んでいき、ホストの卵を飲み込む。
ホストの巣に入ってから出て行くまでの時間は実に 10 秒足らずである。自分の卵をホスト
の巣に置き去りにして後はすべてホストに任せる。ホストは時々カッコウの卵を拒絶する
ことがあるが、だいたいは受け入れる。カッコウの雛はたいてい最初に生まれる。抱卵の
時間は異常に短く、すぐに孵る。生まれて間もない裸で目の見えない雛はホストの卵を後
(Fig4-11b)。先に生まれたホストの雛もこのよう
ろに抱え、1つずつ巣の外へ落としていく(Fig4な恐ろしい目にあう。カッコウの雛はその巣の独占者になり、ホストは奴隷のように働く。
どの程度の範囲で、それぞれの集団が他の集団からの選択圧を受けながら発展できるのか。
これは実験調査することができる。色々な色の卵のモデルとホストとでテストした。
ホストからの選択にカッコウの反応は、
1.カッコウの卵を置く戦略は、特殊な筋書きによって、ホストの防御を出し抜く。ヨシ
キリの巣での実験で、カッコウの卵のモデルを作って置いたとき、ホストは卵を拒絶
した。それはもし、卵がホストの卵とあまり似ていなかったり、ホストの産卵よりも
早く卵をおいたときか、これから巣に卵を産みつけようとしているカッコウをホスト
が目撃して、用心深くなっているためだ。したがって、カッコウの擬態の卵は置くタ
イミングと非常にすばやく置き去ることが寄生の成功につながる。
2.ホストの卵とどの程度似ているかは、さまざまなカッコウの同類集団のホストによっ
てことなる。(拒絶されるか、されないかはホストの識別能力に依存している。)
例えば、ダンノックカッコウは、識別能力のよくないホストを選んでいるので、ホス
トに似せた卵を置かない。
今度はカッコウのからの選択に対するホストの反応ついて。
1.ホストに適していない種は、彼らはタネを食料としているか(若いカッコウは無脊椎動
物で育てられる必要がある。)、もしくは彼らの巣は穴である(メスのカッコウが近づき
にくい。)。このようなことを見せる個体は非常に少なく、彼らがカッコウの卵を拒絶
することはあまりない。良いホストと比較して、彼らは彼らの巣の近くの大人のカッ
コウにわずかだが攻撃をしている。このように、好ましいホストによる奇妙な卵の拒
絶と、彼らのカッコウへのはげしい攻撃はカッコウの寄生への特徴的な反応として発
展している。
2.好ましいホストがカッコウから離れる数は擬態していない卵を拒絶するよりも少ない。
例えば、アイスランドの草原のタヒバリで、そこにはカッコウはいなく、イギリスの
寄生されたタヒバリより卵を見分けることが出来ないことを示している。
この与えられた証拠はそれぞれの種が他からの選択をうけ、反応に順応に進化しているこ
とを示している。これは軍拡競争の成果だと考えられるのか?
進化の
進化の平衡か
平衡か、軍拡競争は
軍拡競争は続く?
図 4-12 はヨーロッパのカッコウの卵のホストと北アメリカのコウウチョウのそれの実験の
結果を要約した。カッコウと違ってコウウチョウはいろいろな種の巣に万能に卵を産みつ
ける。216 種類のホストが記録されている。コウウチョウの卵はそれらの宿主の卵のような
擬態を示さない。他に大切な違いは、コウウチョウの雛はホストの雛を追い出さない。
だからホストは生殖に成功するかもしれないが、コウウチョウの雛はホストの雛と食物で
争う。そのためホストが生殖に成功する確率とても少ない。その上、コウウチョウはカッ
コウよりも大量にいる。典型的にカッコウに寄生を受けるホストは5%より少なく、一方
で、同じ場合で、コウウチョウは 50%を超える。この大量の寄生はホストの絶滅さえ生む
かもしれない。
私たちはホストが彼らのでない卵を拒絶することの変化をどう説明できるだろう?私たち
は下に 2 つの仮説について議論した。
(a) 続いている軍拡競争
いている軍拡競争
1 つの可能性として、は、そのようなバリエーションは軍拡競争の途中の様々なステージを
映し出している。寄生に対する抵抗適応がまだ出来ていないホストはわずかな拒絶しかみ
せない。より強い拒絶を見せるのは、軍拡競争の前線にいる年を重ねた宿ホストかもしれ
ない。ひな鳥は年をおうごとにホストを変え、それが新しいホストに軍拡競争を進ませる。
日本でも最近カッコウは新しいホストに寄生し始めた。それはオナガである。
北アメリカのコウウチョウの生息域は中央の草原に限られていたが、異常増加をなした。
この 200 年以内に農業のために大草原を耕し、森が切り開かれたことによってだ。この大
増加が、コウウチョウが新しいホストとの接触を持つようになった原因に違いない。
軍拡競争が続いているという仮説は、図 4-12 の2つの特徴の謎を説明できる。まず、今の
カッコウの好ましいホストは、平均的に、他の適したホストより拒絶は少ない。でもその
ホストはめったに利用されない。あるいは後者はカッコウの古い好ましいホストで、カッ
コウに強い拒絶をもつように進化し、カッコウに新しいホストに変えることをさせたのだ
ろうか。
2つ目の可能性としては、コウウチョウのコストは「受け入れるもの」と「拒絶するもの」に
二分されることを示している。これはコウウチョウによって強い選択を受けているという
ことを反映することができ、寄生の非常に高い割合を示している。一度、あるホストが拒
絶を進化し始めたら、それは寄生者の集団を一掃することとなり、中間的な立場をとるホ
ストはほぼいなくなる。
対照的に、カッコウのホストへの寄生の割合は低くいので、拒絶がカッコウのホストに定
着することもあまりない。だからホストは中間的な立場となるだろう。
(b) 進化の
進化の平衡
図 4-12 のシステムの仮定の 1 つとしては、種は拒絶の程度によって、平衡を安定させてい
る。だけれども強く拒絶するホストは高い割合で寄生を受け、拒絶のコストに直面するだ
ろうという証拠はない。まずホストは実際に寄生した卵を拒絶するかという問題を持って
いる。
Rohwer と Spaw は小さいくちばしを持った種はおそらくコウウチョウの卵を受け入れるだ
ろうということをみつけた。それらの種は卵に穴を開けたり、摘んで卵を放り出せないか
らである。その卵の殻は厚くて堅い。それらの卵は見捨てるか受け入れるしかない。時に
は受け入れることもいいかもしれない。
ホストが卵の寄生を受け入れるという他の問題がある。
1982 年に Stephen は、コウウチョウのホストは「拒絶する卵の種類が少数である」というき
まりだけで適用しないということを示した。二つのホストのコマドリとネココマドリのそ
れらの卵は、少数のタイプだから、すべての卵をコウウチョウの卵のモデルを取り替える
と、それらはコウウチョウの卵をすべて拒絶する。これは彼らが自分の卵がどのようなも
のか知っているということを意味する。それらの 2 つのモデルの間でも耐性についての興
味のある違いがある。本当のコウウチョウの卵は白く、スポットがある。コマドリの卵は
大きく、きれいな青である。このように色や大きさ、スポットの有無と3つの差がある。
(Fig4(Fig4-13)コマドリを用いた様々な卵モデルの実験を示している。コマドリがある形で自分
のとは違う卵を我慢して受け入れるということを。(同じ大きさ、色だが、スポットがある。
それとも同じ色、スポットなしで、小さいだとか。) でも、このうちの二つの項目で異な
ると拒絶する。コマドリは自分の卵を追い出すという間違いの危険を避けるためにわずか
に異なる卵を我慢して受け入れるのかもしれない。よって、巣の中は黒いものがあったり、
スポットのあるものがあったりする。このようにミスすることなく寄生した卵を見つける
最も有効なことは区別の程度をしっかりすることだろう。ネココマドリもまた青い卵であ
る、しかし、サイズは小さくコウウチョウと同じサイズである。その結果、ネココマドリ
はコマドリのような耐性を示すことができない。Rothstein の実験は、1つの項目でも違う
と拒絶を示した。(例えば白い卵で同じ大きさなど)
これらの実験は、自分の卵と寄生の卵を見分けるための程度は種によって異なるというこ
とを示している。このことは図 4-12 のいくつかの特徴を説明できるかもしれない。それぞ
れの種で決まった拒絶の程度がある、あるいは軍拡競争が続いているのかもしれないホス
トが十分な区別の基準をもって、寄生による擬態に対する進化をしている。
最後に、ホストは自分の卵がどのようなものだと、どのように知るのだろう?それはいく
つかの証拠がある。ホストは親としての経験が間もないときに産んだ自分の卵の特徴を学
ぶ。だから若い鳥は違う卵をより受け入れるだろう。特に親個体にとっての子育ての経験
が浅い段階で、彼らは巣に置かれた卵を導入し、たぶんそれらは彼ら自身が産んだものだ
と学んでしまう。Rothstein のある実験でネココマドリの卵を次々とコウウチョウの卵と取
り替えていったが、それらの卵はすべて拒絶された。
~結論~
結論~
私たちは相互の進化の例について議論してきた、なぜならどのようにフィールドの実験で
自然への適応を明らかにすることができるか、どのように進化の間に変わったかを示す良
い例があったからである。その上、この研究はどのようにホストが卵を識別するかの仕組
みの理解の大切さを示している。いくつかの点で第3章の終わりでの議論についての反響
があった。(ある動物の行動の通貨を最大にするときに働く制約は予測といつも一致しな
い。)もし、動物が不適合に振舞う(この場合は自分の卵と異なるものを受け入れること)こ
とは、新しい選択圧からの進化の遅れ、それとも、単に動物の制約を誤解しているのだろ
うか?(寄生の卵の識別と拒絶の問題)この問題は簡単な答えはない。しかし未来の研究のた
めにそれぞれの種の卵の識別のシステムを比較するべきである。寄生によって反応の仕組
みを変え、学ぶかどうかを。
~要約~
要約~
複雑な捕食者の適応と彼らの餌の対抗適応は軍拡競争の進化の結果を反映している。捕食
者が鳥で、被食者が擬態する餌の実験では以下のことが示された。
擬態は確かに捕食を減らし、被食者の数の遺伝的多型は捕食者の探索像をおかしくさせる
効果がある。(アオカケス対シタバガ)
わずかな擬態は数秒の余分な区別にかかる時間を捕食者に負わせるのに十分である。それ
は被食者にアドバンテージをもたらし、このようにして軍拡競争が始まることを示してい
る。(シジュウカラとコンベアーベルトの実験)
有害である餌はしばしば明るい色をしている。実験で、捕食者は獲物が隠れているものよ
りも目立つものの方を拒絶することを学んだ(ひよこと色のついたパン粉)。
フィールドと実験室でのグッピーの実験ではオスの色合いで、綺麗な色のアドバンテージ
は交尾に有利で、汚い色のアドバンテージは捕食を避けられる。
卵のモデルでの実験はカッコウとコウウチョウの適応とそれに対する、それらのホストの
対抗適応が明らかになった。擬態していない卵を受け入れるいくらかのホストは進化の遅
れか、もしくは識別のコストを反映し、寄生した卵を拒絶した。
Fly UP