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次の文章を読んで,後の問(1 ∼ 10)に答えなさい。解答は各問の選択肢

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次の文章を読んで,後の問(1 ∼ 10)に答えなさい。解答は各問の選択肢
次の文章を読んで,後の問(1 ∼ 10)に答えなさい。解答は各問の選択肢の中から正解と思うもの
を選びなさい。 (上智大・外国語)
1971 年のイギリスのスエズ以東からの撤退を受けて,権力の空白が生まれたペルシア湾の覇権に
関しては,最終的にイランが勝利を収め,
「ペルシア湾の憲兵」として覇権を掌握した。そして,国王
( 1 )はイギリスに代わってペルシア湾地方に進出してきたアメリカと連合して,ペルシア湾地
域を抑えることとなった。
この当時,イランと緊張関係にあったのが隣国のイラクであった。
( 2 )らが指揮した 1958 年
のイラク革命において, 王政を倒して共和政に移行したイラクであったが,その後も政情は収まら
(ア)
ず,政権は安定しなかったが, 1971 年,
( 3 )政権においてサダム=フセインが実権を掌握する
ことになった。イランとイラクとの緊張関係の要因は,直接的には国境問題の他に( 4 )などが
あったが,その根本においては,ペルシア湾の覇権をめぐる問題が存在していた。しかし, 1975 年に
妥協が成立し,問題は一時的に解決した。
1978 年初頭から,イラン国内で混乱が起こり,やがて反政府運動へと発展していった。運動には国
民各層が参加していたが,その中心的な存在はイスラーム勢力であった。翌 1979 年になると,反政府
運動は大きな広がりを見せ,国王はイランに留まれずに亡命するに至った。代わってイスラーム勢力
の指導者であるホメイニ師が帰国し,イラン革命が成立した。こうした混乱の中で石油労働者たちが
大規模なストライキを起こしたので,産油激減のため 第2次石油危機が生じた。
(イ)
新たにイランに成立したイスラーム政権は,イスラーム的規律の復活など宗教色の強い政策を強行
し,強烈な反米主義を掲げた。革命の起こった年の 11 月には, テヘランのアメリカ大使館をホメイ
(ウ)
ニ師を支持する学生たちが占拠するという事件が起こり,イランは国際的にも孤立するに至った。そ
れまで親米国家であったイランが反米国家に転換した機会を狙って, 1979 年 12 月には( 5 )共
産党第一書記の命でソ連軍がアフガニスタンに侵攻した。
問1 空欄(1∼ 16)に適切な語を選択肢(a∼e)から1つ選びなさい。
(1) a イブン=サウード
d ファイサル
b ムスタファ=ケマル c パフレヴィー2世
e レザー=シャー
(2) a カセム
b カダフィ
d ナギブ
e ルムンバ
(3) a 社会革命党
d 保守党
b 自由党
e ワフド党
102
c ゲバラ
c バース党
(4) a 関税問題
b グルジア問題
d 人種差別問題
c クルド問題
e 名称問題
(5) a アンドロポフ
b グロムイコ
d チェルネンコ
e ブレジネフ
c ゴルバチョフ
問2 下線部(ア)に関して, 1958 年のイラク革命によって倒された王国は何家によって支配され
ていたか。選択肢(a∼e)から1つ選びなさい。
a アッバース家
b ウマイヤ家
d ハーシム家
e ラシード家
c サウード家
問3 下線部(イ)の第2次石油危機はイラン革命に際して起こったが,第1次石油危機と関係の深
い事件は何か。選択肢(a∼e)から1つ選びなさい。
a イスラエル建国
b エジプト革命
d 第四次中東戦争
e 湾岸戦争
c 第三次中東戦争
問4 下線部(ウ)のようなイランへの対応の失敗が1つの要因になって, 1980 年のアメリカ大統
領選挙で落選したのは誰か。選択肢(a∼e)から1つ選びなさい。
a カーター
b ジョンソン
d フォード
e レーガン
問(1)
1
問
2
(2)
問
3
(3)
(4)
問
4
103
c ニクソン
(5)
1979 年に大統領に就任していたサダム=フセインは,イランが国際的に孤立し,国内が不安定な状
況が続いているのに乗じて, 1980 年9月にイラン領に侵攻し, イラン=イラク戦争が勃発した。戦
(エ)
争は,国連などの調停も実らず,9年間の消耗戦が続いた。 1988 年8月にこの戦争は停戦を迎えた
が,国内の経済再建に追われるイランに対して,イラクは戦争中に協力を得た湾岸諸国に対する債務
返済などで経済的に追い込まれていた。このため,イラクは 1990 年8月に( 6 )に侵攻し,湾岸
危機が生じた。
一方, 1973 年の第四次中東戦争を優位に終結したアラブ側ではあったが,その主要国であるエジ
プトでは多大の戦費負担などもあり, サダト大統領は新たな方針の転換を求められた。そこで,宿
(オ)
敵であったイスラエルとの関係改善に期待をかけ, 1977 年 11 月にはイスラエルへの電撃的訪問を
遂げ,さらにアメリカの大統領の仲介もあって, 1978 年9月にはサダト大統領はイスラエルの首相
との間で,両国間の国交正常化と( 7 )の返還を合意した( 8 )を発表した。これに基づい
て,翌 1979 年3月には両国間で平和条約が締結された。
宿敵イスラエルとエジプトの接近は他のアラブ諸国の大きな怒りを買い,エジプトはアラブ諸国の
中で孤立することとなった。そして, 1981 年 10 月にはサダト大統領は暗殺され,副大統領だった
( 9 )が大統領に昇格した。その後,イスラエルが戦争による占領地を併合する姿勢を見せたた
め,パレスチナ解放機構(PLO)とアラブ人の抵抗も強まった。また, 1982 年6月には, 内戦の続く
(カ)
レバノンにアメリカの支援を得たイスラエル軍が進攻し, PLO を( 10 )から追放した。こうした
中で, 1987 年末以降,イスラエル占領地で続けられてきた投石などによる抗議運動は( 11 )と呼
ばれている。 1988 年 11 月には, PLO は事実上イスラエルと共存することを示す独立国家構想であ
るパレスチナ国家樹立宣言を行った。
問1
(6) a アフガニスタン
d シリア
(7) a ガザ地区
d ヨルダン川西岸
b クウェート
c サウジアラビア
e トルコ
b ゴラン高原
c シナイ半島
e レバノン
(8) a ASEAN 地域フォーラム b キャンプ=デーヴィッド合意
c 自主管理労組「連帯」
d 中東和平会議
e 中東和平ロードマップ
(9) a ハイレ=セラシエ
d ホーク
(10) a アンマン
d ダマスカス
(11) a インティファーダ
d デタント
b ハヴェル
c フンセン
e ムバラク
b イスタンブル
c イェルサレム
e ベイルート
b クメール=ルージュ
e 白色革命
104
c 公民権運動
問5 下線部(エ)のイラン=イラク戦争について,正しい文はどれか。選択肢(a∼e)から1つ選
びなさい。
a アメリカは反米国家に転向したイランだけではなく,イラクとも対立していたので,中立の
立場を保った。
b イランはアメリカの支援を得られずに,深刻な軍事費不足に陥り,秘かに湾岸諸国から資金
の提供を受けていた。
c 戦争中から,イラン・イラク両国はペルシア湾航行船舶を無差別攻撃し,石油輸出に困難が
生じた。
d 短期で戦争が終結すると考えていたイランは,戦争の長期化で財政難に陥り,国連に停戦を
要請するようになった。
e ペルシア湾岸諸国は名目的には中立を宣言していたが,同じアラブのイラクが勝利を収めて
強大化するのを恐れ,秘かにイランを支援していた。
問6 下線部(オ)のサダト大統領について,誤っている文はどれか。選択肢(a∼e)から1つ選び
なさい。
a 軍人出身で,ナセルとともに自由将校団に加入していた。
b 1970 年のナセルの急死で副大統領から大統領に昇格した。
c 第四次中東戦争後,親米政策に外交路線を転換した。
d イスラエルとの平和条約締結の直後,アラブ連盟から資格停止された。
e イスラーム救国戦線のメンバーによって暗殺された。
問7 下線部(カ)のイスラエルのレバノン侵攻中に起こった事件として, PLO の追放以外に何が
あったか。選択肢(a∼e)から1つ選びなさい。
a イスラエル空軍によるダマスカス空襲
b イスラエル撤退の見返りによるシリアの駐留の承認
c イスラエルのゴラン高原併合決議
d イスラエル首相のモロッコ訪問
e 親イスラエル派キリスト教徒たちによるパレスチナ難民大虐殺
(6)
問
1
(9)
問
5
(7)
(8)
(10)
(11)
問
6
問
7
105
パレスチナで混乱状態が続いている中,イラクの( 6 )侵攻に対しては,国連安保理の対イラ
ク武力行使容認決議を受け,アメリカを中心とする( 12 )は 1991 年1月にイラクに対して攻撃を
加えた。
湾岸戦争である。イラク軍はイスラエルをミサイル攻撃するなどして,湾岸の問題とパレ
(キ)
スチナ問題を結びつけようとし,アラブの一般市民の支持はそれなりに受けたが,戦況にはほとんど
影響せず,ほどなくイラク側の敗戦で終結した。この戦争の結果,イラクは大きな損害を蒙ったが,
サダム=フセイン政権は存続が認められた。
1993 年9月には( 13 )が発表された。これはイスラエル占領地におけるパレスチナ人の暫定自
治を認める秘密協定であった。この結果,イスラエル占領地の自治が認められることになったが,イ
スラエル内の強硬派の反発は大きく,この政策を推進していた( 14 )首相は 1995 年 11 月に暗殺
され,その後も占領地の自治は形骸化したまま今日に至っている。
2001 年9月 11 日には,アメリカで 同時多発テロが発生した。テロの首謀者はビン=ラーディン
(ク)
と彼が率いる( 15 )という国際テロネットワークであるとされ,アフガニスタンの ターリバーン
(ケ)
政権が彼を庇護しているとして,アメリカは翌 10 月には空爆を断行してアフガニスタンを制圧した。
しかし,アメリカは反米ゲリラ活動に対して軍隊を増強しているが,戦死者の数は急増している。ア
フガニスタン情勢は混沌としている。
さらに, 2003 年3月には,アメリカはイラク政権が大量破壊兵器を隠し持っているとの理由で攻
撃を開始した。そして,同年5月までにサダム=フセイン政権を崩壊させたが,ついに大量破壊兵器
を見つけることはできなかった。イラクではスンニー派と( 16 )の人口が拮抗しており,戦争が
終わると宗派対立が鮮明になった。アメリカは軍隊をイラクから撤退させアフガニスタンに移動させ
るとしているが,イラクの安定はまだ遠いものと思われる。
このように,パレスチナにせよ,アフガニスタンやイラクにせよ,今後の状況は予断を許さないの
が現状である。
問1
(12) a 欧米軍
d 多国籍軍
(13) a アルジェ合意
d プラザ合意
(14) a シャロン
d メイア
b 国連軍
c 自由平和軍
e 同盟軍
b オスロ合意
c 新ベオグラード宣言
e ヘルシンキ宣言
b ベギン
e ラビン
106
c ヘルツル
(15) a アマル
d ハマス
(16) a イスマーイール派
d ハワーリジュ派
b アル=カーイダ
c ジハード団
e ヒズボッラー
b カーディリー教団
c 十二イマーム派
e メヴレヴィー教団
問8 下線部(キ)の湾岸戦争について,この当時のアメリカ大統領は誰か。選択肢(a∼e)から1
つ選びなさい。
a カーター
b クリントン
d ブッシュ(子)
e レーガン c ブッシュ(父)
問9 下線部(ク)の同時多発テロで破壊された建物は「世界貿易センタービル」ともう1つは何か。
選択肢(a∼e)から1つ選びなさい。
a 国防総省
b 国務省
c 国連本部ビル
d 農務省
e ホワイト=ハウス 問 10 下線部(ケ)のターリバーンについて,誤っている文はどれか。選択肢(a∼e)から1つ選び
なさい。
a この組織は,元来パキスタンの支援で結成された。
b 一時はアフガニスタンのほぼ全土を支配していた。
c バーミヤーンの大仏を破壊したことで知られている。
d 厳格なイスラーム主義を唱えて苛酷な支配を行った。
e アメリカ軍の攻撃により,完全に崩壊してしまった。
問
1(12)
問
8
(13)
問
9
(14)
(15)
問
10
107
(16)
問1 イラク革命を指導した人物を次の中から選べ。
(a) ホメイニ
(b) ナギブ
(c) アウン=サン
(d) カセム
問2 ソ連がアフガニスタンへ侵攻した時のソ連共産党第一書記を次の中から選べ。
(a) フルシチョフ
(b) ブレジネフ
(c) ゴルバチョフ
(d) チェルネンコ
問3 エジプト=イスラエル平和条約締結の結果,エジプトに返還されることになった場所を次の中
から選べ。
(a) ガザ地区
(b) シナイ半島
(c) ヨルダン川西岸
(d) ゴラン高原
問4 1987 年から始まった,パレスチナの民衆が投石などを行い蜂起する運動は何と呼ばれるか,次
の中から選べ。
(a) サティヤーグラハ
(b) アラブの春
(c) インティファーダ
(d) ディアスポラ
問5 ビン=ラーディンが率いたとされる国際テロネットワークを次の中から選べ。
(a) ムスリム同胞団
(b) IRA
(c) PLO
(d) アル=カーイダ
108
109
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