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第5章 詳細調査成果

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第5章 詳細調査成果
第5章 詳細調査成果
28 屋敷家土蔵(氷見市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・126
1 折谷家土蔵(朝日町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64
29 浜野家土蔵(氷見市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・128
2 前田家土蔵(入善町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66
30 木和田家土蔵(氷見市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・130
3 中山家土蔵(入善町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・68
31 大西家土蔵(氷見市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・132
4 漆間家土蔵(黒部市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・70
32 神田家土蔵(砺波市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・134
調査票記載説明
5 森田家土蔵(黒部市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・72
33 名越家土蔵(砺波市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・138
所有者名
6 中山家土蔵(滑川市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74
34 千光寺土蔵(砺波市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・140
7 藤樫家土蔵(上市町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・76
35 林家土蔵(砺波市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・142
8 北村家土蔵(立山町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・78
36 中嶋家土蔵(庄川町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・144
9 寶樹寺土蔵(大沢野町)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・80
37 森田家土蔵(福野町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・146
10 旧森家土蔵(富山市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・82
38 河原家土蔵(井波町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・148
11 石金家土蔵(富山市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・85
39 菊野家土蔵(井波町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・150
12 旧密田家土蔵(富山市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・88
41 小林家土蔵(井口村) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・154
14 加藤邸土蔵(八尾町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・94
42 城端町史館土蔵(城端町) ・・・・・・・・・・・・・・・・156
15 城石家土蔵(小杉町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・96
43 木村家土蔵(城端町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・158
16 永森酒店土蔵(小杉町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・98
44 堀川家土蔵(城端町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・160
17 正橋家土蔵(大門町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・100
45 細川家土蔵(城端町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・162
18 遠藤家土蔵(大島町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・102
46 大西家土蔵(城端町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・164
19 宮林家土蔵(新湊市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・104
47 増山家土蔵(城端町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・166
20 山崎家土蔵(新湊市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・108
番
項 目
0
規 模
内 容
細 項 目
大きさ
番
土扉のある面を正面とし、幅×奥行 7
細 項 目
項 目
外壁 腰壁
仕上げ
(㎜)、階数、連棟の場合は棟数 床面積
1
屋 根
数のタイプが存在する場合は、す
土蔵部分の1階床面積(㎡)
材質
土蔵の屋根または複数棟の場合
形態
は大屋根を記載
べてを記載
装飾
上部
2
戸 前
形式
3
戸前土扉
位置・数量
複数ある場合は、最も代表的な例
仕上げ
を記載
形状
形状は、土扉1枚に対する計測値
装飾
全体
8
ハチマキ
養生
眉
複数ある場合は、最も代表的な例
仕上げ
を記載
装飾
9
室内側建具
窓枠
数量
土扉
錠前
鞘
仕上げ
蔵印
装飾
4
数量以外、複数ある場合は、最も代
仕上げ 表的な例を記載
装飾
煙返し
を記載
49 前川家土蔵(平村)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・172
石段
枠形式
ねずみ返し
窓枠装飾
51 大橋家土蔵(福光町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・176
24 青野農業倉庫(氷見市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・118
52 奥原家土蔵(福岡町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・178
5
第6章 現地調査データ一覧
窓形式
形状
複数ある場合は、最も代表的な例
仕上げ
を記載
室内側建具
10 内部
装飾
6
25 荒井家土蔵(氷見市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・120
出入口枠
戸前腰壁
内 容
戸前面を除く、三面を対象とし、複
48 城端別院土蔵(城端町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・168
23 山田家土蔵(高岡市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・116
第6章の調査番号
と一致
調査概要
複数ある場合は、最も代表的な例
50 波多家土蔵(福光町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・174
調査番号
建築年代
土扉
22 喜多家土蔵(高岡市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・112
26 橋本家土蔵(氷見市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・122
所在地
台帳もしくは所有者等か
らの聞き取り
による
40 杉野家土蔵(井口村) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・152
13 浅野家土蔵(婦中町) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・90
21 光覚寺土蔵(新湊市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・110
第5章 詳細調査成果
軸部材質
調査可能であったもののみ記載
内部仕上げ
仕上げ
戸前がない場合は、土扉がついて 11 基礎
装飾
いる側の壁を記載
12 利用形態
形態
所有者聞き取りによる
27 浜野家土蔵(氷見市) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・124
5
8
9
1
3
6
7
2
6
5
11
4
63
折谷家土蔵(朝日町)
色鮮やかな群青のなまこ壁(基準3−4)
所有者名
折谷 賢二
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
出入口枠
戸前腰壁
内 容
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
内 容
5,460×4,550㎜ 2階建て
床面積
24.8㎡
材質
瓦
形態
置屋根
蔵印
家紋(抱き茗荷)・その他(鷹)
形式
土蔵一体型
装飾
なし
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
なし
仕上げ
白漆喰(普通)
眉
1段青色とする
装飾
鞘
下新川郡朝日町笹川4553
調査概要
細 項 目
調査番号
5
建築年代
明治27∼38年
大きさ
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
仕上げ
ねずみ色と青色漆喰
装飾
意匠的ななまこ壁
仕上げ
白漆喰
蛇腹(4段)、厚さ
(18㎝)
仕上げ
白漆喰
高さ
(210㎝)、幅(80㎝)
装飾
なし
数量
背面2階に1カ所
鏝絵(大黒・恵比寿・馬)
9
窓枠
土扉
格子戸(漆)
錠前
カラクリ
(落とし錠)
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
鏝絵(上部に竜)
ねずみ返し
なし(以前はあった)
室内側建具
裏白戸と板戸
軸部材質
けやき
内部仕上げ
貫塗込め
形態
切石布基礎(笹川産)
装飾
10 内部
鳥居型枠
仕上げ
白漆喰
装飾
眉のみ黒漆喰
11 基礎
仕上げ
ねずみ漆喰
12 利用形態
装飾
平壁
外壁
仕上げ 黒漆喰
室内側建具
形状
土扉
鏝絵(鯉)
蔵印
窓枠
米蔵(現在は倉庫として利用)
コテ絵
コテ絵
特徴説明
コテ絵(鷹)
4550
家紋(ミョウガ)
4550
建物は梁間二間半、桁行三間の二階建て平入りで、屋根は置屋根形式とする。正面の戸前は一般的な下屋形式では
なく、土蔵と共に一体化した吹き抜け二階建になる。戸前正面の柱を二尺間隔と密に立て、一階の腰は下見板張りで
二階は白漆喰で密に入る柱を強調している。両側面と背面の腰は県内でも大変珍しい変則的な亀甲模様の群青色のな
まこ壁で、腰上は白漆喰とし、鉢巻の下端は群青色とする。背面の二階中央には窓を開き、窓は鳥居枠付きの両開き
土扉で、扉には「鯉の滝登り」、冠木の両端は黒の八双金物型、中央には「見返り龍」の鏝絵を描く。蔵印は右手に「松
に鷹」左手に家紋の「茗荷」の鏝絵。
室内入口の土扉には正面向かって右手は上を「大黒」下は「白馬」、左手は上を「恵比寿」下は「黒馬」の鏝絵と
する。飾金具を施した鉄板張りの格子戸も見事である。
土蔵
DN
土蔵
恵比須様
馬
戸前
大黒様
馬
5460
1階平面図
正面
64
背面
1820
1820
UP
吹抜
5460
2階平面図
(縮尺 1:100)
(縮尺 1:100)
65
前田家土蔵(入善町)
すべてを白漆喰とした白亜の土蔵(基準1−4)
所有者名
前田 秀男
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
所在地
下新川郡入善町入膳5437-2
調査概要
内 容
細 項 目
大きさ
9,100×5,460㎜ 2階建て
床面積
49.7㎡
材質
瓦
形態
置屋根
番
項 目
7
外壁 腰壁
上部
2
戸 前
形式
後補の鉄骨製、吹き放し
3
戸前土扉
位置・数量
平入り
(2カ所)
仕上げ
白漆喰(磨き)
形状
蛇腹(3段)、厚さ
(21㎝)
装飾
なし
室内側建具
裏白戸、格子戸、格子戸(白木)
錠前
普通
全体
8
ハチマキ
高さ
(20㎝)、幅(72㎝)
4
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
9
調査番号
6
建築年代
明治20年
窓枠
細 項 目
仕上げ
内 容
白漆喰
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
蔵印
―
装飾
―
養生
下見板、金属板
眉
なし
仕上げ
―
装飾
―
数量
正面1階1カ所、
2階2カ所
土扉
装飾
なし(かつてはあった)
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
形状
鳥居枠
白漆喰
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
白漆喰
12 利用形態
装飾
平壁
内部
内部(墨書)
なし
土扉
仕上げ
窓枠
仕上げ 白漆喰(磨き)
窓形式
10 内部
窓枠(内側)
単独窓
室内側建具
鉄格子・裏白戸
軸部材質
ひのき・けやき
内部仕上げ
化粧貫
形態
切石布基礎
米蔵
9100
特徴説明
5460
建物は梁間三間、桁行五間の二階建て平入りで、屋根は置屋根形式になる。正面には近年変更して付けられた鉄骨
造の吹放しの戸前が付く。外壁は全て白漆喰だが、現在は背面が軒支柱を立てて軒下まで下見板張りとする以外、正
側面はカラー鉄板張りになる。基礎は凝灰石の壁止布石を廻している。戸前正面は右手に出入口、左手に窓を開ける。
全てが白漆喰になり、出入口は中帯付きの木瓜型の土扉を両開きに、窓は木瓜型の土扉を片開きとする。二階正面に
開けられた窓も片開の土扉とするが、向かって右手は右側に開け左手は左側に開ける形式で、左右対称を意識した設
計になる。戸前には裏白戸、狭間格子戸、障子戸の3枚の戸が入り、室内は二尺間隔に立つ柱に貫を化粧に見せて白
漆喰壁とする。二階の棟束には「明治二十年十月新築」「棟梁松倉林作」の銘が残る。
DN
2階平面図
5460
9100
1階平面図
正面
66
土扉
UP
(縮尺 1:150)
(縮尺 1:150)
67
中山家土蔵(入善町)
豪華な扉、松竹梅に鶴亀の鏝彫刻(基準1−5)
所有者名
中山 佐平
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
10,010×4,550㎜ 2階建て2連
調査番号
10
建築年代
明治元年
下新川郡入善町墓ノ木180
調査概要
細 項 目
大きさ
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
モルタル(洗出)
床面積
45.5㎡
材質
カラー鉄板(元石置)
形態
置屋根
蔵印
その他(島)
形式
下屋型(間仕切付)
装飾
なし
位置・数量
平入り
(2カ所)
養生
金属板(一部)
仕上げ
白漆喰(磨き)、黒漆喰
眉
―
蛇腹(3段)、厚さ
(19㎝)
仕上げ
―
高さ
(210㎝)、幅(61㎝)
装飾
―
数量
2階各1カ所+2階前面1カ所
形状
4
所在地
上部
全体
8
9
ハチマキ
装飾
―
仕上げ
白漆喰
装飾
家紋型・鏝絵(鶴・亀) 室内側建具
裏白戸、格子戸(白木)
錠前
飾金具、
巾着型
土扉
格子(漆)
窓形式
単独窓
煙返し
格子(漆)
枠形式
鳥居枠
石段
なし 窓枠装飾
なし
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子、裏白戸
軸部材質
すぎ
内部仕上げ
板貼(横板)
形態
切石布基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居枠
仕上げ
白漆喰、内枠石貼
装飾
雲型
11 基礎
仕上げ
モルタル(洗出)
12 利用形態
装飾
布石積型
土扉
建具
仕上げ ―
装飾
形状
土扉
―
戸前
内部
道具・米蔵
コテ絵
DN
DN
2階平面図
910
4550
UP
4550
4550
建物は梁間と桁行二間半の正方形平面の土蔵2棟をあいだ半間空けて建てた二戸前で、共に二階建て平入りの置屋
根形式になり、正面には一間幅の真壁構造の戸前を付ける。外壁は腰を布石積み型の洗出しとし、上部は白漆喰で鉢
巻きは無く、拝み下に蔵印が付く。
戸前出入口は鳥居枠に両開きの土扉とし、扉は中帯付きの木瓜型で上は家紋の「抱き茗荷」、下には「松と鶴」「梅
と亀」「竹に雀」などの鏝絵が描かれ、引手は松皮菱型とする。扉は弁殻塗りの狭間格子の鞘で保護され、出入口の
周囲には青色の凝灰石が貼られ、鉄製の菊座金具で取り付けられている。また、冠木の両端には独特な渦に若葉が施
されている。室内の狭間格子戸は腰を格子状の帯鉄張りとし、中央に巾着型の飾り錠を付け、周囲の框に飾金具を施し、
上部の竪格子も一本置きに帯鉄を張った重厚な戸になる。
4550
特徴説明
UP
1階平面図
戸前
コテ絵
松、家紋
コテ絵
鶴、家紋
コテ絵
亀、家紋
1820
廊下
コテ絵
竹、家紋
おもや
正面
68
妻面
(縮尺 1:150)
(縮尺 1:150)
69
漆間家土蔵(黒部市)
中庭を中心に環状に建ち並ぶ酒蔵(基準2−4)
所有者名
漆間 唯一
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
22,040×12,920㎜ 2階建て
床面積
284.7㎡
材質
瓦
形態
形式
調査番号
14
建築年代
文政8年
黒部市山新917
調査概要
大きさ
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
白漆喰
装飾
平壁
仕上げ
その他(モルタル)
置屋根
蔵印
なし
作業小屋を接続
装飾
なし
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
壁から離れて縦板張り
仕上げ
白漆喰に黒漆喰
眉
1段
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
蛇腹(1段)、厚さ
(25㎝)
仕上げ
白漆喰
高さ
(2,200㎝)、幅(1,900㎝)
装飾
なし
数量
2階裏面に2カ所
9
装飾
家紋型
室内側建具
格子戸(白木) 錠前
普通
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
窓枠
土扉
仕上げ 白漆喰(普通)
装飾
なし
石段
なし 窓枠装飾
なし
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子、裏白戸
形状
鳥居枠
軸部材質
けやき・まつ
仕上げ
石貼、黒漆喰
内部仕上げ
貫塗込め
装飾
鏝絵(龍)
11 基礎
形態
自然石玉石・その他(上大谷石積み)
仕上げ
黒漆喰
12 利用形態
装飾
平壁
10 内部
出入口枠(鏝絵)
土扉
内部
酒蔵
22040
12920
5420
3750
建物は大きな松の生えた中庭を中心に、屋敷を取り囲む形で建ち、酒蔵、米蔵、東蔵、北蔵の4棟から成る。酒蔵
は梁間七間、桁行十二間で最も大きく、屋根は置屋根形式で、棟方向を変えて土蔵前の作業場を兼ねた吹放しの戸前
が付く。米蔵は荷の出し入れを考えて屋敷入口脇に建ち、梁間六間、桁行九間、屋根は軒蛇腹付きの塗籠形式になる。
東蔵は梁間四間、桁行四間、北蔵は梁間四間、桁行五間で、共に屋根は置屋根形式になる。建物は全て二階建て平入
りで、酒蔵を除き正面には一間幅の戸前が付き、庭側正面の二階には二箇所に窓を開ける。窓は鳥居枠に両開きの土
扉で、扉は白漆喰木瓜型になり、外壁は現在、壁の外側に柱を立てて軒下まで縦板張りで保護され、窓位置だけ庇を
付けて格子やガラス窓を立て込む。酒蔵の戸前出入口は鳥居枠に両開きの土扉で、扉は中帯無しの木瓜型だが、上部
を黒漆喰木瓜型にして家紋の「丸に三つ星」を付ける。冠木は周囲の縁を出してすべて黒漆喰とし、中央に隅面取り
の白額縁に白漆喰で「雲に一疋龍」の鏝絵を施し、入口周囲は凝灰石の石貼りになる。尚、扉金具には「文政八年」
(1825)
の年号が刻まれている。室内は柱を三尺間隔に立て白漆喰で。中央に六本の独立柱が三間四方間隔で立つ。
3750
特徴説明
2階平面図
5470
5470
5550
1階平面図
12920
3750
酒 蔵
5420
3750
5550
(縮尺 1:300)
(縮尺 1:300)
妻面
70
妻面
71
森田家土蔵(黒部市)
奇抜な意匠と白黒対比の妙(基準1−1)
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
黒部市中新123
調査概要
内 容
細 項 目
調査番号
18
建築年代
明治中期に黒部市牧野地内から移築
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
内 容
大きさ
7,280×5,460㎜ 2階建て2連
床面積
39.7㎡
材質
瓦
形態
置屋根
蔵印
家紋・龍字
形式
下屋型(間仕切付)
装飾
コーナーストーン
位置・数量
平入り
(2カ所)
養生
なし
仕上げ
―
眉
1段白漆喰
仕上げ
黒漆喰
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
―
9
仕上げ
白漆喰・モルタル(洗出)
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
装飾
懸魚風
数量
2階正面2カ所、妻1カ所
装飾
―
室内側建具
裏白戸、格子戸(白木) 錠前
飾金具、
巾着型
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし 窓枠装飾
黒漆喰、鏝絵(龍)
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子、裏白戸
軸部材質
松
内部仕上げ
貫塗込め
形態
切石布基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居枠
仕上げ
白漆喰、黒漆喰、擬木、石貼
装飾
鏝絵(浦島太郎、雲形)
11 基礎
仕上げ
擬石、布石積型
12 利用形態
装飾
黒漆喰鏝絵(大黒、恵比寿)
出入口枠
仕上げ 白漆喰
装飾
形状
出入口枠
なし
出入口枠(鏝絵)
戸前腰壁
道具・米蔵
7280
特徴説明
5460
3640
1820
建物は梁間三間、桁行四間の二階建て平入りで、屋根は置屋根形式とし、正面に一間幅の戸前を付ける。外壁は腰
を洗出しにして上を白漆喰とするが、隅は洋風のコーナーストーン(算木積み)型を付け、鉢巻は黒漆喰にして眉決
りだけを白漆喰とした意匠的なもので、拝みには家紋の「抱き茗荷」下には懸魚を付ける。窓の鳥居枠は冠木だけを
黒漆喰、妻の窓は両開きの土扉を付け、冠木には「龍に宝珠」の鏝絵を描く。
室内は中央で間仕切り二室とするため戸前出入口は左右二箇所に付く、鳥居枠は冠木だけを黒漆喰にして中央を横
長楕円の白漆喰とし、「老松に亀と老夫婦」の鏝彫刻、もう一方の鳥居枠は冠木の両端に黒漆喰の渦に若葉を彫る。
戸前の腰は疑石布石積み上部を木瓜型にして枠を白漆喰にして、中は黒漆喰にして白漆喰の丸に左に「恵比寿」と右
は「大黒」の鏝彫刻を配している。出入口周囲には凝灰岩の石を張り養生としている。
3640
土蔵
鳥居枠
コテ絵
7280
土蔵
3640
5460
所有者名
森田 悦雄
3640
コテ絵
コテ絵
コテ絵 鳥居枠
恵比須様 大黒様 コテ絵
戸前
1階平面図
2階平面図
(縮尺 1:150)
正面
72
妻面
(縮尺 1:150)
73
中山家土蔵(滑川市)
二重の鳥居枠の出入口と窓(基準1−7)
所有者名
中山 久美子
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
番
内 容
細 項 目
14,500×5,800㎜ 一部2階建て2連 7
床面積
80㎡
材質
瓦
形態
形式
調査番号
34
建築年代
明治中期頃
滑川市神明町1203
調査概要
大きさ
細 項 目
項 目
外壁 腰壁
仕上げ
内 容
モルタル(洗出)
装飾
平壁
仕上げ
その他(不明)
トタンでおおわれている
塗籠(蛇腹)
蔵印
その他(不明)
下屋型(間仕切付)
装飾
―
位置・数量
平入り
(2カ所)
養生
金属板
仕上げ
白漆喰(普通)、黒漆喰
眉
―
蛇腹(3段)、厚さ
(20㎝)
仕上げ
―
高さ
(160㎝)、幅(100㎝)
装飾
―
数量
3カ所(妻1階1カ所、
2階2カ所)
形状
4
所在地
上部
全体
8
9
ハチマキ
装飾
家紋型
室内側建具
裏白戸、格子戸、金網戸(白木) 錠前
普通
土扉
彫刻付(白木)
窓形式
単独窓
煙返し
彫刻付(白木)
枠形式
鳥居枠
石段
彫刻付(白木) 窓枠装飾
なし
ねずみ返し
なし
室内側建具
ガラス戸・網戸
軸部材質
不明
内部仕上げ
板貼(横板)
形態
コンクリート基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居枠
仕上げ
白漆喰
装飾
二重枠
11 基礎
仕上げ
モルタル(洗出)
12 利用形態
装飾
平壁
戸前腰壁
仕上げ 白漆喰(普通)
装飾
形状
土扉
二重枠
窓枠
外壁
道具
DN
2階平面図
7800
5800
建物は梁間三間、桁行四間の二階建て平入りの土蔵と、梁間二間半、桁行三間半の平屋建て平入りの土蔵を一列に
並べ、正面に八尺幅の戸前を付けた形式で、屋根は塗籠とする。外壁は現在カラー鉄板が張られているが、腰は二尺
間隔ほどに縦長の長方形目地を入れた洗出しで、腰下の各所には片開き戸形式の床下換気口を開ける。腰上は白漆喰
で軒は直線的な蛇腹型の塗籠とし、二階妻側面には二つの窓を開けて出窓型の鞘庇を付け、土扉は意匠を考慮して左
右対称に外側に開く。戸前出入口は白漆喰の二重鳥居枠に両開き土扉で、中帯付きの黒漆喰木瓜型で上には白漆喰で
家紋の「菱に木瓜」を配す。土扉には見事な繰抜き彫刻板を施した狭間格子の鞘で保護されている。室内側には裏白戸・
格子戸・中抜きの大格子で銅網貼りとし、室内は柱間を横板を落とし込みとしている。
5800
特徴説明
6700
土蔵
1階平面図
妻面
74
鞘と建具
2550
UP
戸前
(縮尺 1:150)
(縮尺 1:15
75
藤樫家土蔵(上市町)
鮮やかな青色の懸魚に家紋の「木瓜」(基準3−1)
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
7,280×6,370㎜ 2階建て2連
床面積
46.4㎡
材質
瓦
調査番号
43
建築年代
明治11年
中新川郡上市町湯上野27
調査概要
大きさ
番
項 目
7
外壁 腰壁
上部
細 項 目
仕上げ
内 容
黒漆喰
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
形態
置屋根
蔵印
家紋・水字
形式
なし ※近年増築
装飾
鏝絵(波)
位置・数量
平入り
(2カ所)
養生
金属板
仕上げ
―
眉
なし
仕上げ
―
形状
4
所在地
全体
8
ハチマキ
―
9
装飾
―
数量
3カ所(2階正面2カ所、妻1カ所)
装飾
―
室内側建具
土戸・格子戸(白木)・障子戸
錠前
飾金具・カラクリ
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし 窓枠装飾
―
ねずみ返し
あり
室内側建具
鉄格子・板子・ガラス戸
軸部材質
けやき
内部仕上げ
貫塗込め・板貼(縦板)
形態
自然石玉石に上石貼り
窓枠
土扉
10 内部
鳥居枠
仕上げ
白漆喰、石貼り
装飾
鏝絵(梅・松)
11 基礎
仕上げ
黒漆喰
12 利用形態
装飾
平壁
建具
仕上げ ―
装飾
形状
出入口枠
―
出入口枠(鏝絵)
カラクリ錠
道具・衣装・文庫・米蔵・味噌蔵
7280
特徴説明
3640
3640
3640
3640
DN
6370
建物は梁間三間半、桁行四間の二階建て平入りで、屋根は置屋根形式になり、正面には一間幅の戸前を付ける。外
壁には現在、腰が茶色で腰上は白色のカラー鉄板が張られているが、軒下に自然石玉石の雨落石を廻し、壁止めに凝
灰岩の石を貼って菱金具で止め、腰は黒漆喰にして、上を白漆喰とする。拝み部の蔵印には青色の地とした懸魚形中
央に家紋の「木瓜」を配し、一方を丸に崩し字の「水」とする。窓は鳥居枠のみで壁と同様にカラー鉄板で包んでいる。
戸前出入口は白漆喰の鳥居枠で、入口の周囲は凝灰岩の石張り菱金具止め、冠木の中央には黒漆喰の木瓜型に青色の
着色を施した「老松」と青地の木瓜型に「老梅」の鏝絵が描かれる。入口下には鼠返しが付き、室内の狭間格子戸の
腰板には帯鉄や化粧鋲釘を打ち、中央に巾着型の鍵と円形のからくり錠を付ける。
7280
UP
道具蔵
6370
所有者名
藤樫 紹
コテ絵
家紋
波形
道具蔵
DN
道具蔵
米蔵
2133
UP
鳥居枠
鳥居枠
コテ絵
(松)コテ絵(梅)
戸前
物置
1階平面図
妻面
76
戸前
2階平面図
(縮尺 1:1
(縮尺 1:150)
77
北村家土蔵(立山町)
鹿の角を持ち跨がる琴高仙人の蔵印(基準1−2)
所有者名
北村 直之
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
内 容
番
項 目
4,880×3,660㎜(南土蔵のみ) 2階建て2連
7
外壁 腰壁
床面積
17.9㎡
材質
瓦
形態
形式
5
6
出入口枠
戸前腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
白漆喰
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
人物・動物
下屋型(吹放し)
装飾
―
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
金属板
仕上げ
白漆喰(普通)・黒漆喰(磨き)
眉
1段
装飾
鞘
中新川郡立山町蔵本新347
調査概要
細 項 目
調査番号
52
建築年代
明治末期
大きさ
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
蛇腹(3段)、厚さ(22.5㎝)高さ(216㎝)、幅(131㎝)
仕上げ
白漆喰
全開口枠内法
装飾
なし
数量
2階正面に1カ所
9
木瓜型
窓枠
土扉
裏白戸・格子戸(漆)・金網戸
錠前
カラクリ
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
板(漆)
枠形式
鳥居枠
石段
板(漆) 窓枠装飾
鏝絵(家紋)
ねずみ返し
あり
室内側建具
鉄格子・鉄網戸
軸部材質
不明
内部仕上げ
貫塗込め
形態
自然石玉石・その他(上部 切石)
装飾
10 内部
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
竺付
11 基礎
仕上げ
白黒漆喰枠に黒漆喰
12 利用形態
装飾
鏝絵付(隅部 桃)
土扉
仕上げ 白漆喰(普通)・黒漆喰(磨き)
室内側建具
形状
土扉、建具
木瓜型
蔵印
カラクリ錠
道具・衣装
4880
建物は梁間二間、桁行二間半の土蔵2棟を横並び一列に建てた二戸前形式で、正面に一間幅の戸前を付ける。土蔵
は共に二階建て平入りで屋根は置屋根形式になる。壁面は現在、戸前が茶色で土蔵は白色のカラー鉄板が張られてい
るが、腰壁に水切を付け上は白漆喰になり、頂部には鉢巻を付ける。拝み下の蔵印は丸の中に「鹿の角を持ち跨がる
琴高仙人、後ろには鶴」の鏝絵が描かれ、彩色が施されている。戸前出入口は白漆喰の鳥居枠に両開きの土扉、扉は
中帯無しの黒漆喰の木瓜形で、引手中心は白にして硝子を嵌め込む。両脇の腰は額縁が白漆喰の木瓜形で引き起こし
仕上げで、中を黒漆喰とし、腰隅の釘隠し位置には「桃」の鏝彫刻がさり気なく付けられる。室内の狭間格子戸は吹
寄せの帯鉄格子とし、中央に円形のからくり錠を付ける。室内柱は一尺間隔と非常に狭く立ち白漆喰とする。
コテ絵
(松、鶴、鹿、人物)
土蔵
DN
土蔵
(北棟)
3660
特徴説明
土蔵
土蔵
(北棟)
3660
2階平面図
UP
1階平面図
コテ絵(桃)
戸前
正面
78
妻面
(縮尺 1:10
(縮尺 1:100)
79
寶樹寺土蔵(大沢野町)
四周の腰に象や虎などの大胆な鏝絵(基準4−1)
所有者名
黒川 顕雄
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
5,130×4,560㎜ 2階建て
床面積
23.4㎡
材質
瓦
形態
形式
調査番号
65
建築年代
大正8年
上新川郡大沢野町東猪谷
調査概要
大きさ
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
―
装飾
鏝絵付(象・馬)
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
亀・竜
下屋型(間仕切付)
装飾
―
位置・数量
平入り1カ所
養生
金属板
仕上げ
白漆喰(普通)
眉
2段
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
蛇腹(2段)
9
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
数量
正面2階に1カ所
装飾
鏝絵(大黒・恵比寿・家紋)
室内側建具
土戸・格子戸・網戸
錠前
普通
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
黒漆喰で渦に若葉
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子・土戸・ガラス戸
軸部材質
けやき・まつ
内部仕上げ
板貼(横板)
形態
切石布基礎・コンクリート基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居枠
仕上げ
白漆喰
装飾
鏝絵(渦に若葉)
11 基礎
仕上げ
白黒漆喰
12 利用形態
装飾
木爪型・鏝絵付(鶴)
戸前腰壁
仕上げ 白漆喰(普通)
装飾
形状
土扉、出入口枠
鏝絵(松と鷹)
土扉
土扉
内部
道具・衣装・文庫
特徴説明
コテ絵(亀)
土蔵
4560
コテ絵(馬)
コテ絵(象)
4560
建物は梁間二間半、桁行三間の二階建て平入りで、屋根は置屋根形式とし、正面に一間幅の戸前を付ける。外壁は
現在はカラー鉄板で覆われており見ることができないが、腰には「象」「竹に虎」「馬」の鏝絵が大胆に施されている。
正面二階中央の窓は鳥居枠に型開き土扉で、扉には「松に鷹」の鏝絵が描かれ、冠木の両端には渦に若葉を彫る。両
妻の蔵印は枠から大きく張り出した見事な「二疋龍」と「波に亀」になる。
戸前出入口は鳥居枠に両開き土扉で、扉は中帯付きの木瓜型とし、上は水色の地に黒漆喰で家紋の「丸に違い鷹の羽」
を描き、下には彩色された「恵比寿」と「大黒」の鏝絵とする。冠木の両端には渦に若葉を浮き出しに付ける。戸前
の腰は全体を木瓜型の鼠漆喰とし、等身大の「鶴三羽」が鏝彫刻されている。室内は一階が横板壁で二階は白漆喰と
する。
コテ絵(龍)
DN
土蔵
1710
UP
コテ絵(鶴:3羽)
家紋
家紋
恵比須様 大黒様 戸前
コテ絵(松、鷹)
5130
5130
1階平面図
2階平面図
(縮尺 1:100
妻面
80
正面
(縮尺 1:100)
81
旧森家土蔵(富山市)
二列二段の四ツ窓と「松に鷹」の鏝絵(基準1−6)
所有者名
富 山 市
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
出入口枠
戸前腰壁
内 容
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
内 容
5,350×5,920㎜ 2階建て 床面積
31.7㎡
材質
瓦
形態
置屋根
蔵印
―
形式
下屋型、
2棟の土蔵入口を一体化
装飾
1・2階の窓間に鏝絵(松に鳥)
位置・数量
妻入り
(1カ所)
養生
なし
仕上げ
白漆喰、黒漆喰(磨き)
眉
なし
蛇腹(3段)、厚さ
(18.5㎝)
仕上げ
―
高さ
(218㎝)、幅(71㎝)
装飾
―
数量
4カ所(1・2階庭側各2カ所)
装飾
鞘
富山市岩瀬大町108
調査概要〔北土蔵〕
細 項 目
調査番号
66
建築年代
明治11年
大きさ
形状
4
所在地
上部
全体
8
9
家紋型・鏝絵(龍)
ハチマキ
窓枠
仕上げ
白漆喰
装飾
なまこ屋(松葉菱型)
仕上げ
白漆喰
土扉
土戸・板戸(漆)・格子戸(漆)
錠前
カラクリ
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
土戸
軸部材質
ひのき
内部仕上げ
化粧貫
形態
切石布基礎
装飾
10 内部
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
木瓜型
11 基礎
仕上げ
黒漆喰
12 利用形態
装飾
平壁
建物は棟方向を変えてL字形に配した2棟の土蔵から成り、北に梁間三間、桁行三間半の二階建て妻入りの北蔵を
南を向けて立て、南に梁間二間、桁行三間の二階建て平入りの南蔵を東を向けて立て、各土蔵前を一間半幅に空けて
戸前とする。外壁は北蔵の背面腰を疑石芋目地積みに上部は白漆喰とし、座敷から眺める内庭側は腰を松皮菱模様の
洗出しにして、上には一二階の上下二段に二つずつの窓とし、両開きの土扉を開ける。一二階の窓の間には全体を錫
杖型の額縁にして彩色された「松に鷹」の鏝絵を描く。戸前出入口は白漆喰の鳥居枠で、扉は中帯付きの黒漆喰木瓜
型とし、上は家紋の「蔓片喰」、下は「竹に虎」と「波に龍」の鏝絵を描く。室内の狭間格子戸は飾金具や帯鉄格子
を付け、腰の中央には「巾着」や「波に亀」の錠を配しており、内側の大格子戸も装飾的なものになる。
(国指定重要文化財)
仕上げ 白漆喰・黒漆喰
室内側建具
形状
特徴説明
木瓜型
道具
調査概要〔南土蔵〕
番
項 目
0
規 模
内 容
細 項 目
大きさ
334×545㎜ 2階建て 床面積
18.2㎡
材質
カラー鉄板(当初石置板葺)
形態
平壁
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
なし
装飾
なし
2
形式
下屋型(吹放し)
3
戸前土扉
位置・数量
平入り
(1カ所)
仕上げ
白漆喰、黒漆喰(磨き)
形状
6
出入口枠
戸前腰壁
外壁 腰壁
内 容
装飾
戸 前
5
7
細 項 目
白漆喰
屋根形態
鞘
項 目
仕上げ
1
4
番
上部
養生
下見板
眉
なし
蛇腹(3段)、厚さ
(18.5㎝)
仕上げ
―
高さ
(218㎝)、幅(71㎝)
装飾
―
装飾
家紋型・鏝絵(虎)
室内側建具
土戸・板戸(漆)・格子戸(漆)
全体
8
9
ハチマキ
窓枠
数量
土扉
土扉、出入口枠(南土蔵)
2階正面に1カ所
仕上げ 白漆喰(普通)
装飾
錠前
飾金具
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
形状
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
木瓜型
11 基礎
仕上げ
黒漆喰
12 利用形態
装飾
平壁
10 内部
背面
木瓜型
室内側建具
土戸
軸部材質
ひのき
内部仕上げ
化粧貫
形態
切石布基礎
衣装
建具(南土蔵)
82
土扉、出入口枠(北土蔵)
83
石金家土蔵(富山市)
「松皮菱」に「亀甲」のなまこ壁(基準1−5)
所有者名
石金 長四郎
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
窓枠・外壁(北土蔵)
外壁腰壁(北土蔵)
4
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
5924
3340
所在地
富山市水橋西大町515
調査概要〔良蔵いいくら〕
内 容
細 項 目
大きさ
6,360×4,540㎜ 2階建て 床面積
28.9㎡
材質
瓦
形態
形式
番
項 目
7
外壁 腰壁
調査番号
76
建築年代
大正元年
細 項 目
仕上げ
内 容
白漆喰
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
なし
土蔵全覆型
装飾
なし
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
一体型、下屋は下見板
仕上げ
白漆喰、黒漆喰(普通)
眉
3段
形状
蛇腹(2段)
仕上げ
白漆喰
上部
全体
8
9
ハチマキ
装飾
―
数量
2階正面1カ所
装飾
家紋型
室内側建具
土戸・格子戸(漆)・格子戸(漆)
錠前
飾金具
土扉
彫刻付(漆)
窓形式
単独窓
煙返し
彫刻付(漆)
枠形式
鳥居枠
窓枠
土扉
仕上げ なし
装飾
なし
石段
彫刻付(漆)
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
―
形状
鳥居型
軸部材質
―
仕上げ
黒漆喰
内部仕上げ
化粧貫
装飾
―
11 基礎
形態
切石布基礎
仕上げ
黒漆喰
12 利用形態
装飾
なまこ壁(松葉菱型)
・卍崩しの額縁
10 内部
道具・衣装
5454
調査概要〔三番蔵〕
番
項 目
0
規 模
1
2階平面図
5352
D
D
U
北土蔵
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
なし
装飾
なし
養生
一体型、下屋は下見板
眉
―
仕上げ
―
装飾
―
位置・数量
平入り
(1カ所)
仕上げ
白漆喰、黒漆喰(普通)
形状
蛇腹(2段)
6
84
瓦
形態
戸前土扉
U
(縮尺 1:200)
(縮尺 1:200)
材質
3
出入口枠
戸前腰壁
外壁 腰壁
内 容
24.9㎡
土蔵全覆型
5
7
細 項 目
545×456㎜ 2階建て 形式
鞘
項 目
床面積
戸 前
4
5352
5454
南土蔵
番
大きさ
2
5924
3340
1階平面図
屋根形態
内 容
細 項 目
上部
全体
8
9
ハチマキ
仕上げ
白漆喰
装飾
平壁
数量
2階正面に1カ所
土扉
仕上げ 黒漆喰(普通)
装飾
家紋型
室内側建具
土戸・格子戸(漆)・格子戸(漆)
錠前
飾金具
土扉
彫刻付(漆)
窓形式
単独窓
煙返し
彫刻付(漆)
枠形式
鳥居枠
石段
彫刻付(漆)
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
障子戸・鉄格子
形状
鳥居型
軸部材質
―
仕上げ
白漆喰
内部仕上げ
化粧貫
装飾
―
11 基礎
形態
切石布基礎
仕上げ
黒漆喰
12 利用形態
装飾
なまこ壁(亀甲型)
窓枠
装飾
10 内部
木瓜型
道具・衣装
85
特徴説明
建物は梁間が二間半で、桁行が三間半と三間の2棟の建物を、あいだ四尺空けた二戸前形式で、屋根は置屋根形式
になり、正面に一間幅の戸前を付ける。外壁は背面側が壁から離れて軒下に柱を建て板壁とし、妻壁も鉢巻下まで全
面下見板張りとする。戸前は一般的な下屋形式でなく、二階の窓や外壁も保護するために軒下に立上り壁を設けた特
異な形式になる。戸前出入口は鳥居枠に両開き土扉で、扉は中帯無しの黒漆喰木瓜型で、上部に白漆喰で家紋の「丸
に三つ鱗」配す。扉を覆う狭間格子の鞘や養生板には「波に兎や亀」「竹に雀」「松竹梅」などを繰抜き彫刻している。
戸前の腰は基礎部が縦長の面取り長方形を連続した意匠的な洗出しで、上は額縁を卍崩しに腰を「松皮菱格子」とし
たものと、額縁を黒漆喰に「亀甲積格子」のなまこ壁になり、釘隠しに鶴を鏝絵を配している。
(国登録有形文化財)
戸前腰壁(良蔵)
戸前腰壁(三番蔵)
正面
妻面
2階平面図
1階平面図
土扉・鞘(良蔵)
86
戸前腰壁(良蔵)
(縮尺 1:450)
87
旧密田家土蔵(富山市)
度重なる災害、残った江戸期の土蔵(基準5−2)
所有者名
富 山 市
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
10,000×8,000㎜ 2階建て 床面積
80㎡
材質
瓦
形態
形式
調査番号
88
建築年代
安永2年以前
富山市安養坊972
調査概要
大きさ
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
白漆喰
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
竜、家紋(復元)
下屋型(吹放し)復旧整備
装飾
―
位置・数量
平入り1カ所
養生
下見板
仕上げ
白漆喰(普通)
眉
1段
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
蛇腹(3段)、厚さ
(19㎝)
仕上げ
白漆喰
高さ
(205㎝)、幅(73㎝)
装飾
なし
数量
8カ所(1・2階4カ所)
9
装飾
―
室内側建具
土戸・板戸(漆)・格子戸(漆)
錠前
飾金具
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
洋風庇、飾り
ねずみ返し
なし
室内側建具
土戸・ガラス戸
軸部材質
ヒバ
内部仕上げ
貫塗込め
形態
布石基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
―
11 基礎
仕上げ
黒漆喰
12 利用形態
装飾
平壁
戸前腰壁
仕上げ 白漆喰(普通)
装飾
形状
土扉・戸前腰壁
木瓜型
窓枠
内部
博物館展示・収蔵倉
9999
特徴説明
8000
建物は梁間四間半、桁行五間半の二階建て平入りで、屋根は置屋根形式になり、正面には一間幅の戸前を付ける。
外壁は背面が軒下3尺までの高い下見板張りで、両側面は腰高とする。腰上は白漆喰で頂部に鉢巻を付け、拝み下に
は蔵印の「波に龍」と家紋の「蔓柏」の鏝絵を施す。両妻の一二階に計三箇所ずつ窓を開け、明治期に作られた鍛鉄
製の庇が付けられる。庇は家紋の「蔓柏」や、屋号の能登屋の「のの字」をモチーフとした意匠に唐草状の曲げ加工
を施した見事なものである。戸前出入口は鳥居枠に両開きの土扉で、扉は一般的な木瓜型ではなく反転曲線の蛇腹額
縁としている。これは出入口横の窓も同様である。この建物は、もと富山市内で売薬業を営んでいた密田家より市へ
寄贈され、現在地の売薬資料館の後ろへ3年の歳月を掛けて移築されたものである。
DN
8000
2階平面図
UP
1階平面図
正面・妻面
88
妻面
(縮尺 1:200
(縮尺 1:200)
89
浅野家土蔵(婦中町)
見事な基壇上に建つ長大な2棟の土蔵(基準2−2)
所有者名
浅野 興太郎
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
4
5
6
戸前土扉
鞘
出入口枠
戸前腰壁
所在地
婦負郡婦中町笹倉465-1
調査概要〔土蔵1〕
内 容
番
項 目
大きさ
22,750×8,190㎜ 2階建て2連 7
外壁 腰壁
床面積
186.3㎡
材質
瓦
形態
形式
細 項 目
調査番号
91
建築年代
明治中期
細 項 目
仕上げ
内 容
モルタル(洗出)
装飾
―
仕上げ
白漆喰
塗籠(平形)
蔵印
家紋
下屋型(吹放し)、鉄製
装飾
―
位置・数量
平入り
(1カ所)・妻入り
(1カ所)
養生
―
仕上げ
白漆喰(普通)、黒漆喰(普通)
眉
1段
形状
蛇腹(3段)、厚さ
(21㎝)
仕上げ
白漆喰
高さ
(6㎝)、幅(3㎝)
装飾
なし
数量
13カ所(1階5カ所、
2階8カ所)
上部
全体
8
9
ハチマキ
装飾
木瓜型・家紋
室内側建具
裏白戸、格子戸(漆)
錠前
飾金具
土扉
格子(漆)
窓形式
単独窓
煙返し
格子(漆)
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
洋風庇・飾り
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子、裏白戸
軸部材質
ひのき・あて・けやき
内部仕上げ
貫塗込め
形態
切石布基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
モルタル(洗出)
12 利用形態
装飾
―
建物は東蔵と北蔵の長大な2棟の土蔵から成り、東蔵は梁間四間半、桁行三間半の二階建て平入りの土蔵2棟を、
あいだ一間空けて一列横並びとした二戸前形式で、北蔵は梁間三間、桁行八間半の二階建て平入りで、共に屋根は円
弧蛇腹付き平型の塗籠形式になり、正面には一間半幅の鉄骨造の吹放しの戸前を付ける。土蔵は水害から守るため約
三尺高の基壇上に建ち、基壇は自然石玉石の表面を削って、合い端を光付けに積上げて反りを付けた手間を要するも
のである。外壁は腰を鼠色のモルタル洗出しとし、各所に銅製の両開き戸を付けた床下換気口が設けられ、腰上の壁
は全て白漆喰とする。正面以外の三面の窓は一二階を揃えた二段重ねの窓とし、鳥居枠に両開きの土扉とする。妻側
の窓には鍛鉄製持送りの付いた鉄製庇を付ける。戸前出入口は、白漆喰の鳥居枠に両開きの土扉で、扉は中帯無しの
黒漆喰の木瓜型とし、引手には家紋を施す。扉はあっさりとした吹き寄せ格子に繰抜き彫刻板を配した鞘で覆われ、
室内の狭間格子戸は帯鉄を張り、弁殻塗りとする。
仕上げ 白漆喰(普通)・黒漆喰(普通)
装飾
形状
特徴説明
木瓜型
正面・妻面(土蔵1)
道具・衣装・文庫
調査概要〔土蔵2〕
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
内 容
細 項 目
大きさ
1,547×546㎜ 2階建て 床面積
84.5㎡
材質
瓦
形態
塗籠(平形)
番
項 目
7
外壁 腰壁
上部
細 項 目
内 容
仕上げ
モルタル(洗出)
装飾
―
仕上げ
白漆喰
蔵印
―
装飾
なし
2
戸 前
形式
下屋型(吹放し)、鉄製
3
戸前土扉
位置・数量
平入り
(1カ所)
仕上げ
白漆喰(普通)・黒漆喰(普通)
形状
蛇腹(3段)、厚さ
(21㎝)
仕上げ
白漆喰
高さ
(6㎝)、幅(3㎝)
装飾
なし
4
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
全体
8
9
ハチマキ
養生
なし
眉
1段
木瓜型・家紋
室内側建具
格子戸(漆)
錠前
飾金具
土扉
彫刻付(漆)
窓形式
単独窓
煙返し
彫刻付(漆)
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
洋風庇・飾り
ねずみ返し
あり
室内側建具
鉄格子
形状
鳥居型
軸部材質
―
仕上げ
白漆喰
内部仕上げ
―
装飾
なし
11 基礎
形態
切石布基礎
仕上げ
モルタル(洗出)
12 利用形態
装飾
―
土扉
仕上げ 白漆喰(普通)・黒漆喰(普通)
装飾
10 内部
背面(土蔵1)
13カ所(1階5カ所、
2階8カ所)
数量
装飾
窓枠
建具(土蔵1)
木瓜型
道具・衣装・文庫
土扉・鞘(土蔵1)
90
内部(土蔵1)
91
〔土蔵1〕
正面(土蔵2)
窓枠(土蔵2)
(縮尺 1:200)
土蔵
土扉・鞘・建具(土蔵2)
2階平面図
15470
土蔵
5460
窓枠(土蔵2)
5460
〔土蔵2〕
1階平面図
戸前
換気口(土蔵2)
92
(縮尺 1:150
(縮尺 1:150)
93
加藤家土蔵(八尾町)
戸前に意匠的な七連の格子窓(基準1−1)
所有者名
加藤 勘二
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
婦負郡八尾町青根1000
調査概要
内 容
細 項 目
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
内 容
11,370×5,600㎜ 2階建て 床面積
63.7㎡
材質
瓦
形態
塗籠(垂木形)
蔵印
鶴
形式
下屋型(間仕切付)、塗籠
装飾
なし
位置・数量
平入り
(2カ所)・妻入り1カ所
養生
なし
仕上げ
白漆喰・黒漆喰
眉
1段
上部
全体
8
調査番号
144
建築年代
大正3年
大きさ
形状
4
所在地
ハチマキ
仕上げ
石貼
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
蛇腹(4段)、厚さ(20㎝)
仕上げ
黒漆喰
高さ(215㎝)、幅(118㎝)
(59㎝×2枚)
装飾
なし
数量
2カ所(両妻面各1カ所)
土扉
仕上げ 白漆喰(普通)・黒漆喰
9
装飾
木瓜型
室内側建具
格子戸(漆)
錠前
普通
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
窓枠
装飾
土扉・建具
なし
石段
なし
窓枠装飾
鏝絵(波絵)
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子・板戸
形状
鳥居枠
軸部材質
あて・けやき・くり・まつ・すぎ
仕上げ
白漆喰・土壁
内部仕上げ
板貼(縦板)
装飾
―
11 基礎
形態
切石布基礎
仕上げ
石貼
12 利用形態
装飾
平壁
10 内部
妻面
戸前腰壁
窓枠
道具・衣装・味噌蔵・倉庫
コテ絵
鶴
土蔵
コテ絵
鶴
2階平面図
11375
1階平面図
戸前
11375
妻面
94
2880
8480
土蔵
5600
建物は梁間三間、桁行五間半の二階建て平入りで、屋根は垂木形塗籠形式になり、正面には一間半幅の垂木形塗籠
形式の戸前を付ける。外壁の腰は全て石貼りで腰上を白漆喰として頂部に鉢巻きを付けるが、妻側の鉢巻きの眉だけ
を黒漆喰とする。蔵印には黒漆喰の丸を下地に、丸からはみ出した立体的に「羽ばたく鶴」の鏝絵を描く。妻側二階
中央には窓を付け、窓は鳥居枠に両開きの土扉で黒漆喰の木瓜型とし、窓台下端を火頭曲線にして波を彫刻する。また、
戸前正面の外部には意匠的な七連続の格子窓を設けている。戸前弐箇所に設けられた出入口は、鳥居枠に両開き土扉で、
扉は中帯無しの黒漆喰木瓜型とする。室内の狭間格子戸は意匠的で、内側の大格子戸も一枚板の腰板の中央に家紋の「抱
き茗荷」が描かれる。また、戸前妻面に開けられた出入口にも珍しい両開きの土扉が付く。
5600
特徴説明
(縮尺 1:150
(縮尺 1:150)
正面
95
城石家土蔵(小杉町)
1・2階にそれぞれ戸前が付く(基準3−2)
所有者名
城石 大樹
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
射水郡小杉町中老田新106
調査概要
内 容
番
項 目
10,010×3,640㎜ 2階建て2連 7
外壁 腰壁
床面積
36.4㎡
材質
瓦
形態
形式
細 項 目
調査番号
159
建築年代
明 治
大きさ
細 項 目
内 容
仕上げ
下見板
装飾
―
仕上げ
黒漆喰(戸前)
置屋根
蔵印
トタンで包み込む
土蔵一体型
装飾
なし
位置・数量
平入り
(4カ所)
1・2階各2カ所
養生
下見板
仕上げ
―
眉
―
仕上げ
―
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
―
9
装飾
―
数量
3カ所(背面1階1カ所、
2階2カ所)
装飾
―
室内側建具
土戸・板戸(漆)・格子戸(漆)
錠前
普通
土扉
―
窓形式
単独窓
煙返し
板(白木)
枠形式
箱枠
窓枠
土扉
正面(1階)
出入口枠
出入口枠・鞘
仕上げ ―
装飾
―
石段
板(白木)
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子
形状
鳥居枠
軸部材質
すぎ
仕上げ
黒漆喰
内部仕上げ
板貼(縦板)
装飾
なし
11 基礎
形態
モルタル
仕上げ
―
12 利用形態
装飾
―
10 内部
正面(1階)
道具
10010
4550
特徴説明
土蔵
土蔵
6370
3640
建物は梁間二間、桁行五間半の二階建て平入りで、室内は一二階とも中央で間仕切り2室とし、一二階ともに正面
に出入口を設ける。正面には一間半幅の戸前が付くが、戸前は土蔵と一体化した特異な二階建構造になり、屋根は置
屋根形式とする。主屋へと繋がる右手には二階の戸前へ上がるための方二間の階段室が付く。戸前の外部一二階には
ガラス窓を開き、窓外に張出しの手摺を付ける。正面の外壁は一階は洋風南京下見板で二階は黒漆喰壁で、その他の
外壁は全て軒下までの簓子下見板とする。戸前出入口は黒漆喰の鳥居枠で冠木の眉のみ白漆喰とし、入口周囲には木
瓜型を繰抜き彫刻した養生板を張る。煙返の前にはモザイクタイル貼りと赤青交互の洗出しとする。室内には裏白戸、
漆塗りの狭間格子戸、吹寄せの大格子戸の3枚の建具を建て込み、室内の壁は縦板張りとする。
5460
5460
2730
DN
戸前
戸前
2階平面図
土蔵
手摺
3640
土蔵
6370
3640
手摺
2730
UP
戸前
戸前
1階平面図
手摺
正面・妻面
96
正面(2階)
手摺
(縮尺 1:150
(縮尺 1:150)
97
森永酒店土蔵(小杉町)
複数棟で構成される酒造業の蔵(基準6−1)
所在地
建築年代
射水郡小杉町戸破6357 明治34年(一部大正時代)
調査概要
1
屋根形態
材質
瓦
形態
塗籠(平形)
番
内 容
細 項 目
項 目
外壁 腰壁
上部
仕上げ
内 容
白漆喰
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
2
戸 前
形式
下屋型(間仕切付)
蔵印
なし
3
戸前土扉
位置・数量
平入り
(各1カ所)
装飾
なし
仕上げ
白漆喰(普通)・黒漆喰(普通)
養生
一部金属板
形状
蛇腹(3段)、厚さ
(30㎝)
眉
なし
(土 蔵)
4
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
全体
8
ハチマキ
高さ
(200㎝)、幅(60㎝)
仕上げ
装飾
木瓜型
装飾
なし
室内側建具
土戸・板戸(漆)・格子戸(漆)
数量
1カ所
9
窓枠
土扉
白漆喰
普通
土扉
なし
煙返し
なし
窓形式
単独窓
石段
なし
枠形式
箱枠
ねずみ返し
なし
窓枠装飾
―
形状
鳥居枠
室内側建具
鉄格子
軸部材質
すぎ
内部仕上げ
貫塗込め
形態
切石布基礎
装飾
10 内部
白漆喰
装飾
なし
仕上げ
白漆喰
11 基礎
装飾
―
12 利用形態
土扉
仕上げ 白漆喰(普通)・黒漆喰
錠前
仕上げ
出入口枠
なし
土扉
窓枠
道具
特徴説明
2階平面図
40750
9100 1010 6370
中2階
土蔵
吹抜(物置)
4680
吹抜
吹抜
5460
2270 5460 2930 4550910
土蔵 酒蔵 酒蔵
UP
屋根
43020
1010
6370
9100
4680
5740
酒蔵
酒蔵
酒蔵
酒蔵
戸前
1820
土蔵
UP
U
8390
8430
2060 5990
9440
5460
1140
2270
1階平面図
外壁
98
外壁
5740
吹抜
吹抜
土蔵
2270
1080
2970 4750 4750
建物は道路に面した主屋の背後に中庭を介して戸前付きの土蔵2棟を横並びに配し、奥に棟方向を変えて縦並びに
四棟の戸前付きの酒蔵を配し、総長43mにもなる。また、酒蔵戸前延長に鍵折れした作業棟を介して大きな酒蔵もあ
り、複数棟の土蔵と酒蔵から成る。中庭に面する土蔵を住宅用とする以外は酒蔵であり、二階建てや一部吹抜け、吹
抜け、平屋建てと構造形式も様々になる。但し全て平入りで屋根は平型の塗籠形式とする。外壁は竪板張りと横板張
りがあり、妻壁と軒下二尺程を白漆喰としている。土蔵の出入口や二階窓は白漆喰の鳥居枠に両開きの土扉で、扉は
中帯無しの黒漆喰の木瓜型とし、室内の建具は裏白戸に腰を鉄板貼りとした狭間格子戸、弁殻塗りの大格子戸と3枚
建てとする。酒蔵の出入口や窓は白漆喰の額縁枠だけで、裏白戸と板戸の2枚建てになる。
1080
2970 4750 4750
2270 5460 29304550910
30440
土蔵2棟 酒蔵6棟(一部2階建) 7
細 項 目
7280
大きさ
7280
規 模
13720
項 目
0
5300
番
調査番号
162
5460
所有者名
森永 醸治
15470
(縮尺 1:500)
(縮尺 1:500)
99
正橋家土蔵(大門町)
良質材の下見板に意匠的な鉢巻(基準1−3)
所有者名
正橋 寛
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
5,460×4,550㎜ 2階建て 床面積
24.8㎡
材質
瓦
形態
形式
5
6
出入口枠
戸前腰壁
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
内 容
仕上げ
下見板
装飾
―
仕上げ
―
置屋根
蔵印
なし
下屋型(間仕切付)
装飾
なし
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
下見板
仕上げ
白漆喰・黒漆喰
眉
3段
装飾
鞘
内 容
細 項 目
上部
全体
8
調査番号
164
建築年代
昭和初期
射水郡大門町二口1991
調査概要
大きさ
形状
4
所在地
ハチマキ
蛇腹(3段)、厚さ
(20㎝)
仕上げ
白漆喰に黒漆喰
高さ
(210㎝)、幅(60㎝)
装飾
その他( 型)
数量
2カ所
家紋型
9
窓枠
土扉
格子戸(白木)
錠前
カラクリ
土扉
格子(漆)
窓形式
単独窓
煙返し
板(漆)
枠形式
鳥居枠
石段
板(漆)
窓枠装飾
―
ねずみ返し
あり
室内側建具
鉄格子・板戸
軸部材質
不明
内部仕上げ
板貼(横板)
形態
コンクリート基礎
装飾
10 内部
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
黒漆喰・モルタル(洗出)
12 利用形態
装飾
木瓜型
土扉・鞘
鞘
ハチマキ
仕上げ 白漆喰・黒漆喰
室内側建具
形状
戸前
木瓜型
道具・倉庫
5460
4550
建物は梁間二間半、桁行三間の二階建て平入りで、屋根は置屋根形式になり、正面には十尺幅の戸前を付ける。外
壁は鉢巻下まで下見板張りで、良質の材を使用して蔵印下端の円弧を受ける仕事になる。鉢巻は下端に三段の水切を
付け、妻面には意匠的な黒漆喰の木瓜型を施す。戸前出入口は白漆喰の鳥居枠に両開きの土扉で、中帯無しの黒漆喰
の木瓜型とし、上部に家紋の「丸に木瓜」を配す。出入口前の石段は養生板で覆われ、土扉は家紋部だけを木瓜型に
開けた狭間格子の鞘で覆っている。両脇の腰は全体を黒漆喰の木瓜型とし、腰上の水切端部隅にはアクセントに渦唐
草を配している。室内の狭間格子戸は腰板の中央に巻物型のからくり錠を付け、内側の狭間格子戸は格子の中央を中
抜きの青海波格子としている。尚、戸前は登り梁構造とし、土蔵の室内は横板張りになる。
4550
特徴説明
土蔵
DN
土蔵
UP
3200
唐草模様
家紋
家紋
戸前
1階平面図
妻面
100
正面
5460
2階平面図
(縮尺 1:1
(縮尺 1:100)
101
遠藤家土蔵(大島町)
蔵印下の大胆な「大黒」の鏝絵(基準4−1)
所有者名
遠藤 彰
所在地
調査番号
175
建築年代
大正末∼昭和初頃
射水郡大島町鳥取33
調査概要
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
5,150×4,550㎜ 2階建て 床面積
23.4㎡
材質
瓦
形態
形式
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
モルタル(洗出)
装飾
洋風石積風
仕上げ
モルタル(洗出)
置屋根
蔵印
寿の字
下屋型(間仕切型)
装飾
鏝絵(大黒)
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
金属板(1面)
仕上げ
なし
眉
1段
仕上げ
―
形状
4
内 容
細 項 目
大きさ
上部
全体
8
ハチマキ
―
9
装飾
―
数量
1カ所
装飾
―
室内側建具
裏白戸、格子戸
錠前
―
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
あり
室内側建具
鉄格子
軸部材質
―
内部仕上げ
板貼(横板)
形態
コンクリート基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居型
仕上げ
モルタル洗出
装飾
―
11 基礎
仕上げ
モルタル(洗出)
12 利用形態
装飾
幾何学文様(色壁)
戸前腰壁
仕上げ モルタル(洗出)
装飾
形状
出入口枠
―
妻面
蔵印
―
UP
土蔵
4550
建物は梁間二間半、桁行二間五尺の二階建て平入りで、屋根は置屋根形式になり、正面には一間幅の戸前が付く。
外壁は全体を鼠色の布積石型のモルタル洗出しとし、土台基礎と一二階境の中段には茶色の水切を入れて区画し、隅
にも一階は濃い鼠色で二階は茶色の洋風のコーナーストーンを入れて意匠的に扱っている。二階正面中央には鼠色の
鳥居枠とした窓を開け、道路側妻の蔵印には「丸に赤字で寿」とし、その下には彩色を施した大胆な「大黒」の鏝絵
が描かれている。戸前出入口は洗出しの鳥居枠で、両脇の腰は鼠色の地に茶色・緑色を巧みに用いて額縁を作り、中
央には幾何学的な六角星形を描いた洗出しとしている。煙返石上には鼠返しを付け、室内側には裏白戸、板戸、狭間
格子戸の3枚の建具を建て込む。一階の室内は横板張りとし、二階は白漆喰とする。
4550
特徴説明
土蔵
DN
戸前
5150
1階平面図
5150
2階平面図
(縮尺 1:100
正面・妻面
102
正面
(縮尺 1:100)
103
宮林家土蔵(新湊市)
屋敷の濠に舟を横付けした米蔵(基準2−1)
所有者名
宮林彦九郎
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
4
5
6
戸前土扉
鞘
出入口枠
戸前腰壁
所在地
新湊市本町3-12-5
調査概要〔米蔵〕
内 容
細 項 目
大きさ
7,272×9,121㎜ 2階建て 床面積
65.7㎡
材質
瓦
形態
形式
調査番号
179
建築年代
文久年間
調査概要〔味噌蔵〕
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
その他(ねずみ漆喰)
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
戸 前
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
塗籠(垂木形)
蔵印
なし
下屋型(間仕切付)
装飾
なし
2
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
下見板(竪板張り)
3
仕上げ
白漆喰(普通)
眉
なし
形状
蛇腹2段
仕上げ
―
装飾
―
数量
5カ所
土扉
上部
全体
8
9
ハチマキ
位置・数量
妻入り
(1カ所)
下見板(竪板張り)
仕上げ
―
眉
なし
形状
蛇腹2段、厚さ9㎝
仕上げ
―
全体
8
9
項 目
0
規 模
1
屋根形態
石段
なし
窓枠装飾
なし
鉄格子・土戸
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子・土戸
形状
鳥居枠
軸部材質
あて
仕上げ
黒漆喰
内部仕上げ
貫塗込め・腰モルタル
装飾
なし
11 基礎
形態
切石布基礎
仕上げ
その他(中塗仕上げ)
12 利用形態
装飾
なし
室内側建具
軸部材質
あて・けやき・まつ
内部仕上げ
貫塗込め・板貼(横板)
1階のみ
形態
切石布基礎
4
5
6
米蔵
鞘
出入口枠
戸前腰壁
材質
瓦
仕上げ
白漆喰
形態
塗籠(平形)
蔵印
なし
装飾
なし
養生
なし
眉
なし
3
戸前土扉
位置・数量
平入り
(1カ所)
仕上げ
白漆喰(普通)
・黒漆喰(磨き)
形状
蛇腹3段、厚さ22㎝
5
6
出入口枠
戸前腰壁
外壁 腰壁
内 容
33.1㎡
下屋型(間仕切付)
鞘
7
細 項 目
床面積
形式
4
項 目
4,545×7,272㎜ 2階建て 戸 前
装飾
木瓜型
室内側建具
土戸(漆)
・格子戸(白木)
上部
全体
8
9
ハチマキ
窓枠
仕上げ
モルタル(洗出)
土扉
仕上げ ―
装飾
10 内部
なし
味噌蔵
装飾
布石積
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
数量
土扉
2カ所
仕上げ ―
装飾
錠前
飾金具
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
形状
鳥居枠
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
モルタル
12 利用形態
装飾
平壁
10 内部
建物は主屋前の米蔵、後ろの衣装蔵と味噌蔵などから成る。米蔵は梁間五間、桁行四間の二階建て平入りで、正面
には下屋形式の戸前でなく2棟並列した土蔵の間に棟方向を変えて入り込んだ特異な形式の戸前になる。妻側外壁の
腰は布石積みに鼠漆喰とし、中央に鳥居枠に両開きの土扉とした窓を開け、その上には梁間全幅に庇を付け上を二尺
幅の下見板とした他に例を見ない形式になる。戸前出入口は二重の鳥居枠型で、内庭側には塗籠の格子窓を連続した
意匠とする。衣装蔵は梁間二間半、桁行四間の二階建て妻入りで、屋根は平型の塗籠形式とし、正面に二間幅の戸前
を付ける。外壁は腰が布石積み型の洗出しで上を白漆喰とし、窓は洋風的な細めの鳥居枠で格子の外に硝子窓を建て
込む。戸前出入口は米蔵と同じ二重鳥居枠型に両開きの土扉で、扉は黒漆喰木瓜型とする。室内側には裏白戸、狭間
格子戸、大格子戸の3枚の戸を建て込む。味噌蔵は梁間三間、桁行四間の二階建て妻入りで、屋根は平型の塗籠になり、
正面には一間幅の吹放しの戸前を付ける。外壁は腰に舟板を張って上部は軒下二尺までを下見板とし、軒を含め白漆
喰とする。戸前出入口は黒漆喰の鳥居枠で、壁は味噌蔵であるため戸前と室内は全面中塗仕上げとしている。
―
室内側建具
鉄格子・土戸・ガラス戸
軸部材質
ひのき・けやき
内部仕上げ
貫塗込め・板貼(横板)
形態
切石布基礎
道具・衣装
妻面
104
窓枠
特徴説明
番
大きさ
2
2カ所
―
窓枠装飾
内 容
―
数量
箱枠
なし
細 項 目
装飾
単独窓
木瓜型
調査概要〔南蔵〕
番
ハチマキ
枠形式
なし
平壁
―
養生
窓形式
石段
装飾
なし
装飾
なし
ねずみ返し
12 利用形態
蔵印
下屋型(吹放し)
なし
鳥居枠
11 基礎
塗籠(平形)
煙返し
1、
2階一連窓・単独窓
枠形式
その他(ねずみ漆喰)
白漆喰
土扉
窓形式
なし
なし
平壁
仕上げ
普通
なし
仕上げ
装飾
上部
土戸・格子戸
煙返し
装飾
形式
内 容
モルタル・その他(舟板)
錠前
土扉
10 内部
形態
細 項 目
仕上げ
室内側建具
飾金具
鳥居枠
瓦
外壁 腰壁
装飾
土戸(漆)
・白木・網戸
錠前
白漆喰
39.7㎡
材質
項 目
7
仕上げ 白漆喰(普通)
室内側建具
仕上げ
床面積
番
―
―
形状
5,454×7,272㎜ 2階建て 装飾
装飾
窓枠
戸前土扉
内 容
細 項 目
大きさ
妻面
出入口枠
105
〔南蔵〕
内部
窓枠
土扉
1階平面図
内部
出入口枠
2階平面図
(縮尺 1:200)
内部
〔味噌蔵〕
〔米蔵〕
2階平面図
1階平面図
1階平面図
(縮尺 1:260)
106
2階平面図
(縮尺 1:200)
107
山崎家土蔵(新湊市)
入口両脇に配された大胆な鏝(基準1−4)
所有者名
山崎 忠男
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
出入口枠
戸前腰壁
内 容
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
内 容
5,460×4,550㎜ 2階建て 床面積
24.8㎡
材質
瓦
形態
塗籠(平形)
蔵印
鶴・亀
形式
下屋型(吹放し)
装飾
なし
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
なし
仕上げ
―
眉
1段
装飾
鞘
新湊市片口106
調査概要
細 項 目
上部
全体
8
ハチマキ
―
9
―
調査番号
180
建築年代
昭和9年
大きさ
形状
4
所在地
窓枠
仕上げ
モルタル(洗出)
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
数量
2カ所(1・2階妻に各1カ所)
土扉
裏白戸、格子戸(漆)
錠前
カラクリ
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
鏝絵(波形)
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子
軸部材質
すぎ
内部仕上げ
板貼
形態
コンクリート基礎
装飾
10 内部
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
―
11 基礎
仕上げ
石貼
12 利用形態
装飾
平壁・鏝絵付(大黒・恵比寿)
土扉(鏝絵)
仕上げ ―
室内側建具
形状
土扉
―
土扉(鏝絵)
蔵印
道具・倉庫
特徴説明
4550
コテ絵(鶴)
4550
建物は梁間二間半、桁行三間の二階建て平入りで、屋根は平型の塗籠形式になり、正面には一間幅の吹放しの戸前
が付く。外壁は腰が鼠色の布石積み型のモルタル洗出しで、水切は濃い鼠色とし、上部を白漆喰とする。軒は平板の
塗籠にして軒先下端に二段の蛇腹を付け、軒桁と棟木型だけを見せている。階段が取りつく妻側の窓は一階が額縁型で、
二階は鳥居枠の意匠的なものとし、窓台下端には複輪を付けた花頭型にして冠木には全体に渦に若葉を浮き出しに施
している。また、蔵印は青色の丸に枠からはみ出した立体的な「波に亀」の鏝絵が描かれる。戸前出入口は白漆喰の
鳥居枠で、左右の壁は黒漆喰木瓜型の画面とし、右手に小槌を振る「大黒」、左手には日の丸を振る「恵比寿」の鏝
絵を大胆に描いており、大黒の頭上には赤字で「寿」と書かれている。
土蔵
コテ絵(亀)
土蔵
DN
UP
コテ絵
大黒様
コテ絵
恵比須様
5460
1階平面図
5460
2階平面図
(縮尺 1:
妻面
108
背面
(縮尺 1:100)
109
光覚寺土蔵(新湊市)
大理石風擬石仕上げの戸前出入口(基準3−3)
所有者名
光 覚 寺
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
4,550×3,640㎜ 2階建て 床面積
16.6㎡
材質
瓦
形態
形式
5
6
出入口枠
戸前腰壁
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
石貼
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
市松模様
下屋型(間仕切付)
装飾
―
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
金属板
仕上げ
―
眉
1段
仕上げ
白漆喰
装飾
鞘
内 容
細 項 目
上部
全体
8
ハチマキ
―
―
9
調査番号
181
建築年代
明治20年
新湊市本江1802
調査概要
大きさ
形状
4
所在地
窓枠
装飾
―
数量
1カ所
土扉
仕上げ 白漆喰(普通)
室内側建具
土戸・格子戸(漆)
錠前
カラクリ
土扉
−
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
装飾
出入口枠
なし
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
土戸
形状
鳥居型
軸部材質
すぎ
仕上げ
擬石(大理石仕上)
内部仕上げ
貫塗込め
装飾
―
11 基礎
形態
切石布基礎
仕上げ
モルタル
12 利用形態
装飾
平壁
10 内部
出入口枠・建具
カラクリ錠
内部
道具
3640
建物は梁間二間、桁行二間半の二階建て平入りで、屋根は置屋根形式になり、正面には一間幅の戸前が付く。外壁
は現在、腰が茶色で上は鉢巻や窓を含めて白色のカラー鉄板張りの養生が施され不明だが、壁の頂部には二段の鉢巻
きが付き、蔵印として「丸に市松模様」が施してある。階段が取り付く面となる二階正面中央には窓が開けられ、鳥
居枠に両開き土扉とし、外部は養生の出窓で囲われている。戸前出入口は鳥居枠だが、見事な大理石風擬石仕上げに
なる。室内側には裏白戸、狭間格子戸、軽狭間格子戸の3枚の戸を建て込む。狭間格子戸は格子や腰板に帯鉄を貼り、
腰板の中央には円形のからくり錠を付けた立派なものである。室内の柱は一階が一尺五寸、二階は三尺間隔に立ち、
共に貫塗込めの白漆喰壁としている。
3640
特徴説明
土蔵
土蔵
DN
UP
4550
1階平面図
4550
2階平面図
(縮尺 1:10
妻面
110
妻面
(縮尺 1:100)
111
喜多家土蔵(高岡市)
二階窓をも含めた意匠的な戸前(基準1−1)
所有者名
喜多 弘江外1名
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
4
5
6
戸前土扉
鞘
出入口枠
戸前腰壁
所在地
高岡市金屋本町1-14
調査概要〔衣裳蔵〕
内 容
細 項 目
大きさ
5,460×7,830㎜ 2階建て 床面積
42.8㎡
材質
瓦
形態
形式
番
項 目
7
外壁 腰壁
調査番号
185
建築年代
明治7年以前
調査概要〔味噌蔵〕
細 項 目
仕上げ
内 容
モルタル(洗出)
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
内 容
細 項 目
大きさ
4,200×3,200㎜ 2階建て 床面積
13.4㎡
材質
瓦
形態
形式
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
―
下屋型(吹放し)
装飾
―
2
戸 前
位置・数量
妻入り
(1カ所)
養生
―
3
戸前土扉
位置・数量
平入り
(1カ所)
仕上げ
白漆喰(普通)・黒漆喰
眉
なし
仕上げ
―
形状
蛇腹(3段)、厚さ
(20㎝)
仕上げ
―
形状
―
高さ
(190㎝)、幅(75㎝)
装飾
―
数量
2カ所
上部
全体
8
9
ハチマキ
装飾
家紋型
室内側建具
土戸・板戸(漆)・格子戸(漆)
錠前
飾金具
土扉
彫刻付(漆)
窓形式
単独窓(横2連)
煙返し
板(漆)
枠形式
鳥居枠
石段
板(白木)
窓枠装飾
ねずみ返し
あり
室内側建具
軸部材質
ひのき・その他(梁けやき)
内部仕上げ
貫塗込め
形態
切石布基礎
窓枠
土扉
10 内部
形状
鳥居枠
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
擬石、
モルタル洗出
12 利用形態
装飾
木瓜型
項 目
0
規 模
1
屋根形態
内 容
細 項 目
大きさ
4,850×5,450㎜ 3階建て 床面積
26.4㎡
材質
瓦
形態
置屋根
2
戸 前
形式
下屋型(吹放し)
3
戸前土扉
位置・数量
平入り
(1カ所)
4
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
番
項 目
7
外壁 腰壁
上部
全体
8
置屋根
蔵印
―
下屋型(吹放し)
装飾
―
室内側建具
裏白戸、格子戸
装飾
錠前
―
全体
8
9
なし
仕上げ
―
装飾
―
数量
1カ所
土扉
仕上げ 白漆喰(普通)
装飾
―
―
窓形式
単独窓
枠形式
箱枠
黒漆喰(木瓜型)
石段
なし
窓枠装飾
―
鉄格子・土戸・ガラス戸・障子戸
ねずみ返し
なし
室内側建具
裏白戸、板戸
形状
鳥居枠
軸部材質
ひのき・けやき
仕上げ
黒漆喰
内部仕上げ
化粧貫
装飾
なし
11 基礎
形態
切石布基礎
仕上げ
擬石
12 利用形態
装飾
平壁
4
5
6
衣装
出入口枠
戸前腰壁
10 内部
味噌蔵
特徴説明
細 項 目
内 容
仕上げ
石貼
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
蔵印
―
装飾
―
養生
―
眉
なし
仕上げ
―
高さ
(183㎝)、幅(63㎝)
装飾
―
数量
1カ所
装飾
木瓜型
室内側建具
板戸(漆)・格子戸(漆)
錠前
普通
土扉
格子(漆)
窓形式
単独窓
煙返し
板(漆)
枠形式
箱枠
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
裏白戸、板戸
形状
鳥居枠
軸部材質
―
仕上げ
白漆喰
内部仕上げ
1階…板貼(横板) 2、
3階…化粧貫
装飾
―
11 基礎
形態
切石布基礎
仕上げ
石貼
12 利用形態
装飾
平壁(目地あり)
土扉
建物は梁間三間、桁行四間の二階建て妻入りの衣装蔵、梁間三間、桁行二間半の三階建て妻入りの道具蔵、梁間十
尺五分、桁行二間半の二階建て平入りの味噌蔵の3棟から成る。衣装蔵と道具蔵はあいだを一間程空けて縦に並行し
て建て、味噌蔵を衣装蔵の前に建て三棟の出入口前に一つにした戸前下屋を付ける。外壁の腰は石貼りまたはモルタ
ル洗出しで、上は白漆喰とし、軒下まで下見板で覆っている。戸前出入口は白漆喰の鳥居枠に両開きの土扉で、扉は
中帯入りの黒漆喰木瓜型とし、衣装蔵の扉には上に白漆喰で家紋を施す。扉には家紋が見えやすいように松皮菱大格
子を用いた漆塗りの狭間格子の鞘を付け、衣装蔵の出入口の上には間に柱の入る二連の二階窓を開き、それぞれ外側
に開く片開きの土扉を付け、窓台には黒漆喰の錫杖型を意匠的に配している。室内側の狭間格子戸も各土蔵とも意匠
的で、1枚板の腰板に帯鉄を貼り、中央には家紋型の錠を配し、内側戸も中央のの狭間格子を抜いたり大格子とする
など、中抜の狭間格子戸になる。衣装蔵の出入口両脇の腰は竪木瓜型を連続した擬石洗出しとし、道具蔵とのあいだ
の入口上には洋風意匠の柱頭飾りや石積みアーチ型の同様意匠的な洗出しになる。
仕上げ 白漆喰(普通)・黒漆喰
装飾
なし
道具
正面
112
―
眉
なし
蛇腹(3段)、厚さ
(25㎝)
10 内部
窓枠
養生
煙返し
白漆喰(普通)・黒漆喰
窓枠
ハチマキ
土扉
形状
9
内 容
石貼
平壁
仕上げ 白漆喰(普通)・黒漆喰
仕上げ
ハチマキ
細 項 目
仕上げ
白漆喰
上部
調査概要〔道具蔵〕
番
外壁 腰壁
仕上げ
―
鞘
項 目
7
装飾
装飾
木瓜型
番
窓枠
建具(衣装蔵)
113
道具蔵
出入口枠(味噌蔵)
道具蔵
DN
5450
土扉・鞘(道具蔵)
4850
5450
土扉・鞘(衣装蔵)
4850
5450
4850
道具蔵
DN
UP
UP
1階平面図
2階平面図
3階平面図
(縮尺 1:150)
窓部(衣装蔵)
戸前腰壁(道具蔵)
(縮尺 1:150)
7830
7830
4850
衣装蔵
1600
5460
7830
戸前腰壁(衣装蔵)
衣装蔵
衣装蔵
2階建
5450
DN
道具蔵
3階建
UP
1100
UP
1200
UP
家紋
味噌蔵
家紋
5460
1階平面図
2階建
5460
2階平面図
3700
(縮尺 1:100)
114
4200
UP
3200
(縮尺 1:150)
(縮尺 1:150)
115
山田家土蔵(高岡市)
伝統的町並みの主屋内に造られた土蔵(基準1−4)
所有者名
山田 博康
番
項 目
0
規 模
1
屋根形態
2
戸 前
3
戸前土扉
4
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
所在地
高岡市金屋5-6
調査概要
内 容
細 項 目
大きさ
4,550×7,280㎜ 2階建て 床面積
33.1㎡
材質
瓦
形態
形式
位置・数量
妻入り
(2カ所)
仕上げ
白漆喰・黒漆喰
形状
―
調査番号
194
建築年代
明治後期
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
モルタル(洗出)・黒漆喰
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰・黒漆喰
塗籠「ミセ」
と一体化
蔵印
なし
土蔵全覆型
装飾
なし
養生
なし
眉
なし
仕上げ
―
装飾
―
上部
全体
8
9
ハチマキ
数量
装飾
家紋型・鏝絵(文字)
室内側建具
格子戸(漆)・障子戸
錠前
―
土扉
格子戸(漆)・彫刻付(漆)
窓形式
―
煙返し
板(漆)
枠形式
―
石段
板(漆)
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
―
軸部材質
ひのき
内部仕上げ
板貼(横板)
形態
布基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居枠
仕上げ
白漆喰・黒漆喰
装飾
―
11 基礎
仕上げ
モルタル(洗出)・黒漆喰
12 利用形態
装飾
平壁
出入口枠
なし
仕上げ ―
装飾
形状
土扉・鞘
―
土扉・鞘
戸前腰壁
道具・倉庫
7280
建物は伝統的な町並みの道路に面した主屋と一体化して建てられた土蔵で、梁間二間半桁行四間の二階建ての妻入
りだが、入口はミセ側と住宅側の両妻面に付く。表のミセ側の出入口は黒漆喰の鳥居枠に中帯入りの黒漆喰木瓜型で、
上には「山に□」の屋号を白漆喰で描き、引手も同様の屋号入りになる。扉は繰抜き彫刻板を用いた狭間格子で、石
段や入口も養生板で覆っている。背面の住宅側も同様の出入口構えとするが、扉上には「壽」の字を白漆喰で描き、
引手は家紋の「丸に木瓜」とする。扉は「壽」の周囲や裾に彫刻を配した見事な狭間格子で、ミセ側と同様に漆塗り
の養生板で覆われている。室内側の狭間格子戸や障子戸も意匠的に優れ飴色の漆塗りが施されている。腰壁は擬灰岩
の布石積みで隅には角が欠けないように飾り金具が取り付けられている。上は黒漆喰としている。
7280
特徴説明
DN
UP
家紋
正面・妻面
116
出入口枠
4550
4550
1階平面図
2階平面図
(縮尺 1:100)
(縮尺 1:100)
117
青野農業倉庫(氷見市)
米穀類を保存する巨大な農業倉庫(基準6−1)
所有者名
青野 全作
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
32,760×10,920㎜ 1階建て6連
床面積
357.7㎡
材質
瓦
形態
形式
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
その他(土壁)
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
なし
下屋型(間仕切付)
装飾
なし
位置・数量
平入り
(6カ所)
養生
下見板
仕上げ
―
眉
1段
上部
全体
8
ハチマキ
―
9
調査番号
195
建築年代
昭和初期
氷見市朝日本町
調査概要
大きさ
形状
4
所在地
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
数量
6カ所
土扉
仕上げ その他(鉄扉)
装飾
―
室内側建具
裏白戸、板戸(白木)
錠前
普通
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
箱枠
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
土戸
軸部材質
―
内部仕上げ
化粧貫・貫塗込め
形態
切石布基礎
窓枠
装飾
10 内部
形状
箱枠
仕上げ
その他(モルタル)
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
モルタル
12 利用形態
装飾
平壁
出入口枠
戸前腰壁
―
内部
内部
米蔵・倉庫
特徴説明
32,760
5,460
10,920
5,460
5,460
5,460
5,460
5,460
(高窓)
(高窓)
(高窓)
(高窓)
(高窓)
(高窓)
土蔵
土蔵
土蔵
土蔵
土蔵
土蔵
3,640
300
14,860
建物は梁間六間、桁行十八間の平屋建てで、屋根は置屋根形式になり、正面には二間幅の戸前を付ける。室内は三
間間隔で計六室に間仕切られ、それぞれに出入口を設ける。外壁は下見板張りで八巻とその下三尺程は白漆喰とし、
妻側は八巻も含め全て下見板張りとしている。各室の背面側には高窓が付けられ、窓は額縁型で鉄板の片開き扉を付
ける。戸前出入口は上角面取りの黒漆喰額縁型で、室内側には防火用の裏白戸と日常開閉の腰高狭間格子戸を建て込む。
入口脇の腰は鼠色のモルタル仕上げで、上部壁は白漆喰としている。室内の床はコンクリート土間で、柱は布基礎石
上の土台に主柱を三尺間隔に立て間に小柱を立て、貫を化粧にして中塗り仕上げの壁としている。
戸前
1階平面図
(縮尺 1:300)
正面・妻面
118
背面
(縮尺 1:300)
119
荒井家土蔵(氷見市)
せいろ
特異な蒸籠造り構造の土蔵(基準3−2)
所有者名
荒井 俊夫
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
氷見市仏生寺(大窪)6431
調査概要
内 容
細 項 目
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
内 容
3,840×5,750㎜ 2階建て 床面積
22.1㎡
材質
瓦
形態
置屋根
蔵印
家紋
形式
土蔵一体型
装飾
なし
位置・数量
妻入り
(1カ所)
養生
下見板
仕上げ
白漆喰(普通)
眉
1段
上部
全体
8
ハチマキ
―
9
調査番号
196
建築年代
明治後期
大きさ
形状
4
所在地
仕上げ
石貼
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
数量
2階平に1カ所
装飾
―
室内側建具
板戸(白木)・格子戸(白木)
錠前
普通
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
鏝陰(波形)
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子、金網戸
軸部材質
―
内部仕上げ
せいろ組
形態
切石布基礎
窓枠
土扉
10 内部
箱枠
仕上げ
白漆喰・黒漆喰
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
白漆喰・黒漆喰
12 利用形態
装飾
平壁
戸前腰壁
出入口石段
内部
仕上げ ―
装飾
形状
ハチマキ・蔵印
―
衣装
家紋
特徴説明
建物は梁間二間二尺、桁行三間、二階建ての妻入りで、屋根は置屋根形式になり、正面には一間半幅の二階建ての
戸前を付けるが、戸前も一連の土蔵として取り込んだ特異な形式になる。外壁の腰は表面ビシャン仕上げの擬灰岩布
石貼りで、各所に櫛形の床下換気口を開け、上部の腰は黒漆喰でその上は白漆喰とする。鉢巻は下端に曲線状の水切
と眉决りを付け、蔵印は家紋の「丸に橘」とし、下には懸魚状の装飾を付ける。窓は鳥居枠で窓台には木瓜形、冠木
の両端には渦に若葉を施す。戸前出入口は鳥居枠で柱の腰高までを鼠漆喰にして八双型を施し、両脇の腰も鼠漆喰と
する。室内側の狭間格子戸は腰を格子組の桟にして嵌め板には鉄板を貼り、中央は家紋の「丸に橘」を筋彫りする。
戸前の階段耳石には彫刻を施しており、室内は蔵の構造が特異な蒸籠造りのため柱の無い横板張りとなる。
5,570
5,570
3,840
蔵(蒸篭造)
蔵(蒸篭造)
DN
1階平面図
正面・側面
120
窓枠
4,100
畳間
床
2階平面図
DN
4,100
910
940
戸前
2,760
2,760
物入
725 910
UP
300
8,630
300
8,630
UP
(縮尺 1:1
(縮尺 1:100)
121
橋本家土蔵(氷見市)
小壁に描かれたモルタルの「雲に二疋龍」(基準4−1)
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
6,470×4,570㎜ 2階建て
床面積
29.6㎡
材質
瓦
形態
形式
調査番号
198
建築年代
不 詳
氷見市小久保644
調査概要
大きさ
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
モルタル(洗出)
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
家紋・福禄寿
下屋型(間仕切付)
装飾
鏝絵(竜)
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
なし
仕上げ
―
眉
1段
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
―
9
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
数量
1カ所
装飾
―
室内側建具
土戸
錠前
普通
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
箱枠
石段
なし
窓枠装飾
モルタル(洗出)
ねずみ返し
なし
室内側建具
格子戸
軸部材質
―
内部仕上げ
貫塗込め
形態
切石布基礎
窓枠
土扉
10 内部
箱枠
仕上げ
モルタル洗出
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
白漆喰・モルタル(洗出)
12 利用形態
装飾
平壁
蔵印
窓枠
内部
仕上げ ―
装飾
形状
出入口枠
―
道具・米蔵
6,470
特徴説明
6,470
925
龍
2,160
122
土蔵
戸前
930
930
1,180
1階平面図
妻面
福禄寿
土蔵
930
正面
4,570
4,570
1,140
925
建物は梁間二間半、桁行三間半の二階建て平入りで、屋根は置屋根形式になり、正面には七尺幅の戸前を付ける。
外壁は一尺間隔に竪目地を入れた鼠色の腰に黒色の水切を付けた洗出しとし、四隅に隅柱型を付ける。上部は鉢巻を
含め白漆喰とし、鉢巻の下端には二段の眉决りを施す。背面中央の窓は額縁型で黒色の洗出しになる。蔵印は向かっ
て右手に家紋の「丸に橘」、左手に円形の地に「福禄寿と壽字」の鏝絵を描く。正面の戸前屋根の取り付き部から上
の小壁には、建物幅いっぱいにモルタルで描かれた「雲に二疋龍」の鏝絵が施されている。戸前出入口は鼠色の洗出
しになる鳥居枠で、両脇の腰は黒色の布石積み型洗出しとしている。室内側には裏白戸と狭間格子戸の2枚の戸を建
て込み、室内は主柱を三尺間隔に立て間に小柱を入れて貫を塗り込めた白漆喰壁とする。
家紋
所有者名
橋本 清子
830
830
830
2階平面図
(縮尺 1:120)
123
浜野家土蔵(氷見市)
妻壁の向かい合う竜虎と1、
2階一連の窓(基準1−5)
所有者名
浜野 美毅
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
5,460×4,650㎜ 2階建て
床面積
25.4㎡
材質
瓦
形態
形式
調査番号
199
建築年代
昭和初期
氷見市阿尾618
調査概要
大きさ
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
モルタル(洗出)
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
家紋
下屋型(間仕切付)
装飾
鏝絵(竜・虎)
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
―
仕上げ
白漆喰(普通)・黒漆喰(普通)
眉
1段、水もの付き
蛇腹(4段)、厚さ
(21㎝)
仕上げ
白漆喰
高さ
(180㎝)、幅(120㎝)
装飾
―
数量
1カ所
形状
4
所在地
上部
全体
8
9
ハチマキ
装飾
カガミ付
室内側建具
土戸・板戸(白木)・格子戸(漆)
錠前
飾金具
土扉
なし
窓形式
1、
2階一連窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
鏝絵(内部上下の間に浦島太郎)
ねずみ返し
なし
室内側建具
土戸・板戸
軸部材質
―
内部仕上げ
化粧貫・2階は板貼(縦板)
形態
コンクリート基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居枠
仕上げ
白漆喰
装飾
木瓜型(黒漆喰)
11 基礎
仕上げ
白漆喰・黒漆喰
12 利用形態
装飾
平壁
土扉
仕上げ 白漆喰(普通)破損著しい
装飾
形状
ハチマキ・蔵印
―
飾金具錠
窓枠
道具・衣装
5,460
特徴説明
910
910
910
910
5,460
910
910
910
建物は梁間二間半、桁行三間、二階建て平入りの土蔵で、屋根は置屋根形式になる。正面には一間半幅の真壁構造
の戸前を付ける。外壁の腰は布石積み型のモルタル洗出しで、妻壁側は更にドイツ壁の腰を付け、その上の妻壁には
下に「岩場の虎」、上の拝み下に「雲に龍」を、それぞれ向かい合って描かれいている。蔵印には家紋を付ける。背
面の壁には一二階とも同位置に窓を付け、一二階一連とした鳥居枠に両開きの土扉を付け、窓間には浦島太郎の鏝絵
を施す。また、隅や八巻下及び窓脇などには特異な黒漆喰の縁取りが行われている。戸前の出入口は白漆喰の鳥居枠で、
冠木に黒漆喰の錫杖彫を施し、両開きの土扉は中帯無しの黒漆喰の木瓜型とする。狭間格子の腰は中央に円形のから
くり錠を設けて周囲を格子枡目とし艶のある弁殻漆としている。室内は貫を見せた白漆喰になる。
910
910
910
910
910
浦島太郎
虎
土蔵
4,650
4,650
家紋
家紋
土蔵
地下部分
(コンクリート造)
2,645
龍
2階平面図
戸前
1階平面図
背面
124
ハチマキ・蔵印
(縮尺 1:100)
(縮尺 1:100)
125
屋敷家土蔵(氷見市)
出入口の扉に鏝絵された守護獣達(基準1−2)
所有者名
屋敷 泰次郎
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
8,640×3,640㎜ 2階建て2連
床面積
31.4㎡
材質
瓦
形態
形式
調査番号
200
建築年代
氷見市藪田975
調査概要
大きさ
江戸末期∼明治初期
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
洋風下見板
装飾
―
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
家紋・竜
下屋型(間仕切付)
装飾
―
位置・数量
平入り
(2カ所)
養生
洋風下見板
仕上げ
白漆喰(普通)
眉
なし
蛇腹(3段)、厚さ
(18㎝)
仕上げ
―
高さ
(180㎝)、幅(120㎝)
装飾
―
数量
2カ所
土扉
仕上げ 白漆喰(普通)
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
装飾
鏝絵(獅子・牡丹・亀・象・松・虎・竹) 9
室内側建具
板戸(白木)・格子戸(白木)
錠前
普通
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
鏝絵(唐草)
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子・土戸・板戸
軸部材質
―
内部仕上げ
貫塗込め・衣装蔵部分は板貼(横板)
形態
コンクリート基礎
窓枠
装飾
10 内部
形状
鳥居枠
仕上げ
白漆喰
装飾
鏝絵(唐草)
11 基礎
仕上げ
白漆喰・化粧石(洗出)
12 利用形態
装飾
平壁
土扉
土扉
出入口枠(下部)
なし
出入口枠(上部)
窓枠
道具・衣装
8,640
特徴説明
3,640
建物は梁間が二間で、桁行が二間半と二間の2棟をあいだ一尺程空けて横並びに建てる。共に二階建て平入りで屋
根は置屋根形式になる。正面には一間の真壁の戸前を付ける。
現在、外壁には後世の養生の南京下見板が張られており、壁面は見ることができないが、階段側が付く二階両妻に
は窓が付き、白漆喰の鳥居枠に片開きの土扉を設け、冠木は両端を急激に反り増した独特な意匠で、端には渦に若葉
を付ける。蔵印は向かって右手に家紋の「丸に桔梗」、左手は「雲に龍」の鏝絵とする。
戸前の出入口は白漆喰の鳥居枠に両開きの土扉を設け、扉の下部には「牡丹に唐獅子」と「波に亀」、「松に象」と
「竹に虎」の守護獣の鏝絵を描く。冠木の両端には渦に若葉を付け、扉の中央には菱形に盛り上げた引手を付ける。
戸前の腰は鼠色の洗出しとする。
4550
龍
DN
370
土蔵
土蔵
3,640
8,640
370
土蔵
1,800
1階平面図
126
家紋
波
獅子、
牡丹 亀、
3720
土蔵
UP
UP
妻面
DN
2階平面図
4550
正面
3720
戸前
象、
松 虎、
竹
(縮尺 (縮尺 1:150)
127
浜野家土蔵(氷見市)
リブ付きの蛇腹軒と浦島太郎の鏝絵(基準1−6)
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
大きさ
5,700×4,600㎜ 2階建て
床面積
26.2㎡
材質
瓦
形態
形式
明 治
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
縦板貼り
装飾
―
仕上げ
白漆喰
塗籠(蛇腹円孤型)
蔵印
お多福
下屋型(間仕切付)
装飾
鏝絵(浦島太郎・獅子・牡丹)
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
下見板
仕上げ
白漆喰(普通)・黒漆喰(普通)
眉
1段
蛇腹(3段)、厚さ
(18㎝)
仕上げ
白漆喰
高さ
(180㎝)、幅(100㎝)
装飾
―
数量
1カ所
形状
4
氷見市小杉219
調査概要
上部
全体
8
ハチマキ
9
装飾
木瓜型
室内側建具
土戸・板戸(白木)
・格子戸(白木)
錠前
普通
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
黒漆喰
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子・土戸・板戸
軸部材質
―
内部仕上げ
貫塗込め・板貼(縦板)
形態
切石布基礎・コンクリート基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居枠
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
白漆喰・黒漆喰
12 利用形態
装飾
なまこ壁
土扉
戸前腰壁
外壁
仕上げ 白漆喰・黒漆喰
装飾
形状
蔵印・鏝絵
なし
道具・衣装
5,700
5,700
特徴説明
950
1,150
4,600
土蔵
1,075
2,435
建物は梁間二間半、桁行三間の二階建て平入りで、屋根は塗籠形式とする。正面には真壁構造で八尺幅の戸前を付
ける。外壁は蛇腹下まで竪板張りの目板打ちで、戸前屋根と軒蛇腹下の小壁には中央に柱を入れた二連の窓を開け、
その右小壁には「亀に浦島太郎」、左手には「鯉に琴高仙人」の鏝絵が描かれ、台輪隅には細密な飾金具型を鏝細工
している。妻壁の蔵印は珍しい「扇面にお多福面」で、その下には「牡丹に唐獅子」の鏝絵を描く。塗籠軒は反転曲
線の円弧型蛇腹で、二尺五寸間隔程に支輪状のリブを入れた特異な形式になり、軒先は手間を掛けた四段の段刻みと
する。戸前出入口は白漆喰の鳥居枠で両開きの土扉を開き、扉は中帯付きの黒漆喰の木瓜型とする。両脇の腰は地を
黒漆喰とし、白漆喰で蒲鉾形目地とした横菱形なまこ壁になる。
950
1,150
項 目
0
調査番号
201
建築年代
ナマコ壁
ナマコ壁
戸前
1,200
1,200
1,820
お多福、獅子
番
所在地
4,600
所有者名
浜野 一雄
土蔵
浦島太郎、亀
翁、鯛
2階平面図
910
910
1階平面図
正面
128
妻面
(縮尺 1:100
(縮尺 1:100)
129
木和田家土蔵(氷見市)
正面外壁に大胆な霊獣霊鳥の鏝絵(基準1−6)
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
鞘
出入口枠
(戸前)
6
戸前腰壁
(戸前)
内 容
細 項 目
5,400×3,600㎜ 2階建て
床面積
19.4㎡
材質
瓦
形態
形式
調査番号
202
建築年代
氷見市長坂1509
調査概要
大きさ
不 詳
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
モルタル(洗出)
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
なし
土蔵一体型、塗籠
装飾
戸前蛇腹型
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
金属板
仕上げ
―
眉
―
仕上げ
―
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
―
9
装飾
―
数量
1カ所
装飾
―
室内側建具
土戸・板戸(白木)
・格子戸(白木)
錠前
普通
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
箱枠
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
板戸
軸部材質
くり・その他(床板くるみ)
内部仕上げ
板貼(縦板)
形態
切石布基礎
窓枠
土扉
10 内部
箱枠
仕上げ
白漆喰
装飾
家紋型・鏝絵(獅子)
11 基礎
仕上げ
白漆喰
12 利用形態
装飾
鏝絵(虎・猪・象・鶴)
戸前出入口枠
戸前外壁(鏝絵)
戸前外壁
仕上げ 白漆喰(普通)
装飾
形状
戸前外壁
なし
道具
5,400
特徴説明
土蔵
土蔵
2,800
6,400
3,600
建物は梁間二間、桁行三間の二階建て平入りで、正面には一間半幅の戸前を付けた形式で、戸前も土蔵造りになり、
共に屋根は置屋根形式とする。
外壁は現在、正面以外はカラートタンで養生しているため明らかではないが、戸前正面の外壁は中央右手に額縁型
の出入口を開け、冠木上には「唐獅子」の鏝絵を描く。両脇の腰は亀甲積崩しの擬石仕上げとし、腰上に幾何学的な
花菱模様の擬石台輪を入れ、小壁を白漆喰とする。小壁には木瓜型の額縁を廻し、向かって左手に「竹に虎」「松に猪」、
右手には「松に象と鶴」の鏝絵を大胆に描いており、軒は塗籠の円弧型蛇腹としている。出入口の室内側には裏白戸、
狭間格子戸、大格子戸3枚の建具を建て込み、窓は向かって右手の階段側となる二階妻面に一か所に開けるだけである。
5,400
3,600
所有者名
木和田 勝
虎、竹、猪、松
獅子
1階平面図
妻面
130
妻面
2階平面図
戸前
松、象、鶴
(縮尺 1:10
(縮尺 1:100)
131
大西家土蔵(氷見市)
網・米・味噌・衣装の各蔵を一つに(基準3−1)
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
氷見市中波452
調査概要
内 容
細 項 目
大きさ
11,830×11,690㎜ 2階建て
床面積
138.3㎡
材質
瓦
明 治
番
項 目
7
外壁 腰壁
上部
細 項 目
石貼
装飾
平壁
仕上げ
黒漆喰
置屋根
蔵印
なし
形式
なし
装飾
なし
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
―
仕上げ
―
眉
なし
仕上げ
―
全体
8
ハチマキ
―
9
装飾
―
数量
9カ所(正面5カ所、両側面各2カ所)
装飾
―
室内側建具
板戸(両開き)
錠前
普通
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
箱枠
窓枠
調査番号
203
内 容
仕上げ
形態
形状
4
建築年代
土扉
窓枠
仕上げ ―
装飾
―
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
ガラス戸
形状
なし
軸部材質
―
仕上げ
―
内部仕上げ
化粧貫・板貼(縦板)
装飾
―
11 基礎
形態
切石布基礎・コンクリート基礎
仕上げ
石貼
12 利用形態
装飾
平壁
10 内部
腰壁
内部
米蔵・味噌蔵・網蔵
特徴説明
8,290
3640
3640
11,830
2730
5460
3640
網蔵
(高窓)
(高窓)
(高窓)
4650
建物は梁間六間半、桁行六間半の二階建て平入りの土蔵だが、一階の背面側は十一尺幅が石垣上に乗るかたちとなる。
屋根は珍しい入母屋造りで一二階境に特異な小庇を付ける。正面は腰を鼠色、上部内法までを白色の凝灰石の石貼り
とし、隅は鼠色の洗出し柱型を付ける。壁面は妻壁を白漆喰とする以外はすべて黒漆喰としている。
外壁は正面の一階中央右寄りに出入口を一か所開けて、道路に接しているため内開きの両開き戸になる。二階は5
か所に等間隔で連続した意匠的な窓を開け、両妻には棟通りを中心に左右に2つの窓を開ける。窓は箱枠の額縁形式
で蒲鉾型の枠に内側に段刻みを施しており、壁と同じ黒漆喰とする。窓内には裏白戸とガラス戸を建て込む。入母屋
の妻側三角面の壁は白漆喰にして拝み下に正方形の換気口を開ける。室内は貫に縦板張りとする。
(高窓)
UP
(高窓)
網蔵
11,830
2730
5460
3,640
番
所在地
8,420
4,780
所有者名
大西 彦一
衣装蔵
衣装蔵
3階部分
(蚕棚)
を示す
(高窓)
DN
石垣
3,270
石垣
1階平面図
石垣
米蔵
味噌蔵
石垣
2階平面図
(縮尺 1:200)
正面・妻面
132
正面
(縮尺 1:200)
133
神田家土蔵(砺波市)
延長30m、3棟連続の土蔵(基準2−2)
所有者名
神田 嘉雄
番
項 目
0
規 模
1
2
3
屋 根
戸 前
戸前土扉
所在地
砺波市本町3-30
調査概要〔壱番蔵・弐番蔵〕
内 容
細 項 目
大きさ
11,100×4,980㎜ 2階建て2連
床面積
55.3㎡
材質
瓦
番
項 目
7
外壁 腰壁
上部
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
調査概要〔四番蔵〕
細 項 目
内 容
仕上げ
モルタル(洗出)
装飾
なし
仕上げ
白漆喰
項 目
0
規 模
1
屋 根
瓦
形態
置屋根
―
2
戸 前
形式
下屋型
位置・数量
平入り
(2カ所)
養生
下見板(背面)
3
戸前土扉
位置・数量
平入り
(1カ所)
仕上げ
黒漆喰(磨き)
眉
2段
仕上げ
黒漆喰(磨き)
白漆喰
形状
蛇腹(3段)、厚さ
(19㎝)
装飾
なし
仕上げ 白漆喰・黒漆黒
室内側建具
格子戸(漆)
装飾
錠前
普通
全体
8
形状
壱番蔵 蛇腹(3段)、厚さ(20㎝)高さ(210㎝)、幅(90㎝)
装飾
なし
室内側建具
格子戸(漆)
錠前
普通
ハチマキ
仕上げ
9
窓枠
項 目
7
外壁 腰壁
上部
全体
8
ハチマキ
高さ
(244㎝)、幅(102㎝)
装飾
なし
数量
2カ所(2階正面と裏面)
土扉
番
なし
鞘
9
窓枠
細 項 目
内 容
仕上げ
白漆喰・黒漆喰
装飾
なし
仕上げ
白漆喰
蔵印
なし
装飾
なし
養生
下見板(背面)
眉
なし
仕上げ
―
装飾
―
数量
2階正面に1カ所
土扉
仕上げ 黒漆喰(磨き)
装飾
なし
土扉
なし
窓形式
単独窓
土扉
なし
窓形式
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
板
窓枠装飾
黒漆喰
ねずみ返し
なし
室内側建具
ガラス戸
形状
鳥居型
軸部材質
―
内部仕上げ
―
形態
切石布基礎・コンクリート基礎
4
石段
なし
窓枠装飾
黒漆喰・庇付(壱番蔵)
ねずみ返し
なし
室内側建具
ガラス戸・鉄格子
形状
鳥居型
仕上げ
黒漆喰
10 内部
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
石貼・モルタル(洗出)
12 利用形態
装飾
―
内 容
細 項 目
大きさ
8,700×5,180㎜ 2階建て
床面積
45.1㎡
材質
瓦
形態
塗籠
下屋型・土蔵一体型
平入り
(1カ所)
134
材質
―
位置・数量
戸前腰壁
40.0㎡
装飾
形式
6
床面積
蔵印
戸前土扉
出入口枠
7,700×5,200㎜ 2階建て
下屋型(間仕切付)
戸 前
5
屋 根
内 容
細 項 目
大きさ
置屋根
3
鞘
規 模
形式
2
4
項 目
0
1
5
項 目
7
外壁 腰壁
上部
全体
8
内部仕上げ
化粧貫・板貼(横板)
仕上げ
黒漆喰
切石布基礎
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
黒漆喰
12 利用形態
装飾
なし
道具・衣装・文庫
内 容
仕上げ
白漆喰
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
蔵印
―
装飾
―
養生
下見板(背面)
眉
なし
黒漆喰
形状
蛇腹(3段)、厚さ
(20㎝)
仕上げ
―
高さ
(250㎝)、幅(97㎝)
装飾
―
9
数量
なし
室内側建具
格子戸(漆)
錠前
カラクリ
土扉
なし
窓形式
煙返し
なし
枠形式
箱枠
石段
なし
窓枠装飾
なし
ねずみ返し
なし
室内側建具
ガラス戸
形状
鳥居型
軸部材質
―
内部仕上げ
化粧貫
形態
切石布基礎
土扉
仕上げ
黒漆喰
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
石貼・モルタル(洗出)
12 利用形態
装飾
なし
道具・衣装・文庫
建物は壱・弐番蔵から四番蔵まで3棟連続になる。壱・弐番蔵は梁間五間、桁行六間を中央で二分し正面に幅十尺
の戸前を付け、参番蔵は梁間三間、桁行五間で、四番蔵は梁間三間、桁行四間になり、共に幅二間の戸前を付ける。
全て二階建の平入りになり屋根は参番蔵を塗籠形式とする以外はすべて置屋根形式になる。外壁は道路側背面を軒下
まで下見板張りとし、妻側壁は腰を洗出にして上部は白漆喰とする。妻側中央の二階窓は白漆喰の鳥居枠に両開き土
扉で、扉は木瓜型を黒漆喰とし、窓には塗籠の持送りを付けた屋根庇を設ける。戸前出入口は全て建物正面中央に開け、
鳥居枠の両開き土扉とし、全て黒漆喰とする。二階の窓も壱番蔵の妻窓以外は、出入口の真上中央に鳥居枠に両開き
の土扉で、全て黒漆喰とする。戸前の腰は四番蔵を黒漆喰とし、他は基礎石貼りか洗出しとする。
仕上げ 白漆喰
装飾
10 内部
戸前腰壁
2階正面に1カ所
装飾
窓枠
6
単独窓
特徴説明
細 項 目
仕上げ
ハチマキ
10 内部
―
形態
番
出入口枠
軸部材質
調査概要〔参番蔵〕
番
番
形態
弐番蔵 蛇腹(3段)、厚さ(20㎝)高さ(210㎝)、幅(90㎝)
4
調査番号
206
建築年代
大正初期
なし
単独窓
道具・衣装・文庫
135
8700
5200
600
四番蔵
850
参番蔵
1階平面図
戸前
930
戸前
5550
5550
壱番蔵
U
U
1050
4980
11100
弐番蔵
U
3910
3750
U
壱番蔵
弐番蔵
1050
8700
D
D
D
4980
930
5550
5550
戸前
3065
参番蔵
5180
四番蔵
7700
戸前
850
D
2階平面図
背面
11100
600
5180
5200
7700
(縮尺 1:200)
(縮尺 1:200)
戸前
出入口枠・窓枠(四番蔵)
出入口枠(弐番蔵)
136
窓枠(壱番蔵)
137
名越家土蔵〔基蔵、農機具蔵、味噌蔵、箪笥蔵〕(砺波市)
壁面にうねる巨大な鏝彫刻「波に二疋龍」(基準4−1)
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
内 容
細 項 目
大きさ
17,250×5,100㎜ 2階建て4連
床面積
78.7㎡
材質
瓦
形態
形式
天保7年以前 番
項 目
7
外壁 腰壁
―
仕上げ
白漆喰・黒漆喰
塗籠(半波形)
蔵印
亀・鶴
下屋型(間仕切付)
装飾
鏝絵(龍)
位置・数量
平入り
(4カ所)
養生
下見板
仕上げ
白漆喰(普通)
眉
なし
仕上げ
白漆喰・黒漆喰
上部
全体
8
ハチマキ
[基礎]蛇腹(3段)、厚さ
(22㎝)
高さ
(224㎝)、幅(75㎝)
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
白漆喰
装飾
形状
4
細 項 目
仕上げ
9
装飾
唐草
数量
4カ所(正面3カ所、妻面1カ所)
装飾
家紋型
室内側建具
土戸・格子戸(漆)・格子戸
錠前
飾金具
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
唐破風
石段
なし
窓枠装飾
鏝絵(アカンサス様)
[箪笥蔵]
ねずみ返し
なし
室内側建具
板戸
軸部材質
あて・けやき・くり・まつ
内部仕上げ
板貼(横板)
形態
切石布基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居枠
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
仕上げ
白漆喰・白漆喰掻きおとし目地切り・白漆喰疑石掻きおとし 12 利用形態
装飾
平壁
11 基礎
蔵印
窓枠
妻面(戸前)
仕上げ 白漆喰
装飾
形状
外壁上部(鏝絵)
鏝絵(松・鷹)
道具・米蔵・衣裳・味噌・倉庫
17250
特徴説明
建物は3棟横一列になり、中央の基蔵が梁間三間、桁行四間半で、左手の箪笥蔵が梁間二間、桁行二間半、基蔵と
のあいだの一間を味噌蔵とする。右手には梁間三間、桁行十尺の農機具蔵とする。各建物は全て二階建て平入りで、
屋根は半波型の塗籠とし、正面には一間幅の戸前を付ける。外壁は腰が下見板張りで上壁は白漆喰とし、箪笥蔵側の
妻壁は意匠的で、中央に開けられた窓は枠全体を黒漆喰の油煙形とし、花弁が室内から開いた形になる。隅の桁下に
もアカンサス葉飾が付き、蔵印には「鶴に乗る天狗」で下に懸魚型を付ける。正面の戸前屋根の取り付き際上の小壁
には「波に二疋龍」の鏝彫刻が、大きく張り出して画面いっぱいに描かれている。間に配された二階の窓も鳥居枠に
両開きの土扉が付き、扉には「三階松」「磯千鳥」が鏝絵され、冠木上には唐破風の庇屋根を付ける。
4800
1500
7900
3050
あま
D
あま
箪笥蔵
吹抜
2階平面図
コテ絵
基 蔵
吹抜
5100
規 模
砺波市宮森新66
調査概要
調査番号
229
1000
項 目
0
建築年代
4100
番
所在地
D
コテ絵
6300
4800
1500
コテ絵
コテ絵
10950
7900
3050
1000
所有者名
名越 亮三
基 蔵
U
U
戸前
10200
外壁上部(鏝絵)
138
外壁上部(鏝絵)
2500
1階平面図
4100
箪笥蔵
5100
農機具蔵
味
噌
蔵
1700
2900
1400
(縮尺 1:200)
(縮尺 1:200)
139
千光寺土蔵(砺波市)
和洋折衷の斬新な意匠に大胆な鏝絵(基準4−2)
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
14,300×4,850㎜ 2階建て2連
床面積
69.4㎡
材質
瓦
形態
形式
明治29年 番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
白漆喰
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
竜
下屋型(吹放し)
装飾
鏝絵(擬洋風柱型)
位置・数量
平入り
(2カ所)
養生
なし
仕上げ
黒漆喰(普通)
眉
1段
形状
4
砺波市芹谷1111
調査概要
大きさ
調査番号
230
建築年代
上部
全体
8
ハチマキ
蛇腹(3段)、厚さ
(21㎝)
仕上げ
白黒漆喰
高さ
(207㎝)、幅(69㎝)
装飾
その他(家紋・梅鉢紋)
数量
2カ所(2階両妻面)
9
装飾
鏝絵(恵比寿・大黒・亀)
室内側建具
土戸・格子戸(漆)
錠前
飾金具・カラクリ
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
唐破風
窓枠
土扉
土扉
仕上げ 白漆喰(普通)
装飾
家紋型・鏝絵(松・鷹)
石段
なし
窓枠装飾
鏝絵(擬洋風柱型龍)
ねずみ返し
なし
室内側建具
障子戸
形状
鳥居枠
軸部材質
―
仕上げ
黒漆喰
内部仕上げ
板貼(縦板)
装飾
なし
11 基礎
形態
切石布基礎
仕上げ
白漆喰・黒漆喰
12 利用形態
装飾
鏝絵付(鶴)
10 内部
土扉
戸前腰壁(鏝絵)
窓枠
外壁(隅)
道具・衣装・文庫
特徴説明
14300
810
5840
建物は梁間が二間半、桁行が三間と四間の二階建て平入りの土蔵2棟をあいだ半間空けて建てた二戸前形式で、屋
根は置屋根形式になり、正面には一間幅の吹放しの戸前を付ける。外壁は腰を布石積み型の擬石仕上げとし、水切を
付け上は白漆喰とするが、鉢巻や隅柱及び左手の妻窓には黒漆喰を巧みに扱い、家紋や洋風の柱型とするなど西洋風
意匠を取り入れている。妻側の二階窓も鳥居枠に両開きの土扉で、扉には「松に鷹」の鏝絵が描かれ、窓上には唐破
風の庇が付けられ「波に龍」の鏝絵が描かれている。戸前出入口は黒漆喰の鳥居枠に両開きの黒漆喰土扉で、扉には
彩色された「恵比寿」と「大黒」や「波に亀」が鏝絵され、両脇の腰壁には黒漆喰で縁取りされた壁面いっぱいに、様々
な姿の9羽の鶴がほぼ等身大で鏝彫刻されている。戸前正面は鏝絵を見せるための繊細な格子になる。
7650
D
D
コテ絵
土蔵
コテ絵
土蔵
4850
番
所在地
コテ絵
2階平面図
810
5840
7650
土蔵
土蔵
4850
所有者名
千 光 寺
U
コテ絵
1階平面図
妻面・窓枠
140
戸前
コテ絵 コテ絵
戸前
コテ絵 コテ絵
コテ絵
1700
U
(縮尺 1:200)
(縮尺 1:200)
141
林家土蔵(砺波市)
七宝繋のなまこ壁に唐破風屋根の窓(基準1−5)
所有者名
林 博
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
砺波市頼成338
調査概要
内 容
細 項 目
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
内 容
5,850×4,950㎜ 2階建て
床面積
29.0㎡
材質
瓦
形態
置屋根
蔵印
亀
形式
下屋型(間仕切付)
装飾
なし
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
金属板
仕上げ
白漆喰・黒漆喰
眉
1段
上部
全体
8
調査番号
231
建築年代
明治26年
大きさ
形状
4
所在地
ハチマキ
仕上げ
白漆喰
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
蛇腹(4段)、厚さ
(24㎝)
仕上げ
白漆喰
高さ
(214㎝)、幅(75㎝)
装飾
なし
数量
2階妻面に1カ所
装飾
家紋型
室内側建具
土戸・格子戸(漆)
錠前
普通
9
窓枠
土扉
仕上げ 白漆喰(普通)
装飾
なし
土扉
格子
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
唐破風
石段
なし
窓枠装飾
鏝絵(獅子)・白漆喰
ねずみ返し
なし
室内側建具
裏白戸
軸部材質
―
内部仕上げ
板貼(横板)
形態
自然石玉石
10 内部
形状
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
白漆喰
12 利用形態
装飾
なまこ壁
窓枠
戸前腰壁
土扉
道具・衣装・米蔵
5850
5850
特徴説明
建物は梁間二間半、桁行三間の二階建て平入りで、屋根は置屋根形式とし、正面には九尺幅の真壁構造で中二階建
ての戸前を付ける。現在、建物の外壁には波トタンが張られ養生されているが、鉢巻は上端に笠と下端に二段の水切
を付けた手の込んだもので、蔵印は「丸に亀」の鏝絵とする。また、左側妻の二階中央に開かれた窓は、鳥居枠に唐
破風の屋根を張り出して付けて両開きの土扉で、窓台の下端に眉と両端には特異な丸渦を付け、唐破風の懸魚は「鶴」
鬼は「唐獅子」の鏝絵とした豪華な窓になる。正面中央の戸前出入口は白漆喰の鳥居枠に両開きの土扉で、扉は中帯
付きの黒漆喰木瓜型とし、上には白漆喰で家紋を付ける。扉と出入口周囲には狭間格子の鞘を付け保護している。戸
前の腰壁は基礎を煉瓦積み風とし、上は黒漆喰地に七宝繋型なまこ壁とし、交点には菊花を配している。
4950
土蔵
7800
4950
DN
土蔵
UP
ナマコ壁
2850
吹抜
戸前
あま
1階平面図
2階平面図
(縮尺 1:10
妻面
142
(縮尺 1:100)
143
中嶋家土蔵(庄川町)
戸前脇の腰には「鯉の滝登り」(基準1−1)
所有者名
中嶋 武夫
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
建築年代
東砺波郡庄川町天正315
調査概要
昭和11年 内 容
細 項 目
大きさ
5,460×4,550㎜ 2階建て
床面積
24.8㎡
材質
瓦
形態
形式
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
石貼
装飾
木瓜型
仕上げ
―
置屋根
蔵印
鶴・亀
下屋型(吹放し)
装飾
―
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
金属板
仕上げ
―
眉
1段
上部
全体
8
ハチマキ
―
9
調査番号
239
内 容
仕上げ
形状
4
所在地
仕上げ
金属板
装飾
なし
数量
1カ所
装飾
―
室内側建具
土戸・板戸(漆)・格子戸(漆)
錠前
飾金具
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
あり
室内側建具
鉄格子・ガラス戸
軸部材質
ひのき
内部仕上げ
板貼(横板)
形態
切石布基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
白漆喰
12 利用形態
装飾
鏝絵付(登り鯉)
蔵印
仕上げ ―
装飾
形状
出入口枠
―
窓枠
内部
倉庫
4550
建物は梁間二間半、桁行三間の二階建て平入りで、屋根は置屋根形式とし、正面には土蔵幅より狭い吹放しの下屋
庇を付ける。基礎は庄川町の金屋石を使用した布石積みで、表面に木瓜型を彫り込んだ立派なものである。現在、外
壁は鉢巻も含めカラー鉄板張りになり、腰の仕様は不明だが、腰高に水切を付けて鉢巻の下は黒漆喰とする。背面中
央には窓を開け、白漆喰の鳥居枠としている。蔵印は右手に丸に「鶴」、左手に丸に「波に亀」の鏝絵を描く。一階
正面中央に出入口を設け、白漆喰の鳥居枠とし、左右の壁には木瓜型の額縁の中に「鯉の滝登り」の鏝絵が描かれて
いる。室内側には裏白戸、狭間格子戸、大格子戸の3枚の戸が建てられ、飾金具や帯鉄、及び腰板中央の円形飾り錠
などを付け、大格子戸は腰付の菱格子戸とするなど意匠的である。室内は落とし込みの横板壁になる。
4550
特徴説明
土蔵
コテ絵
(亀)
DN
土蔵
コテ絵
(鶴)
UP
コテ絵
(登鯉)
コテ絵
(登鯉)
5460
5460
1階平面図
2階平面図
(縮尺 1:100)
正面
144
妻面
(縮尺 1:100)
145
森田家土蔵(福野町)
ギャラリーとして再生活用(基準1−1)
所有者名
森田 繁三
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
5,460×4,550㎜ 2階建て
床面積
24.8㎡
材質
瓦
形態
形式
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
白漆喰
装飾
―
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
なし
下屋型(間仕切付)
装飾
なし
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
下見板
仕上げ
白漆喰・黒漆喰(普通)
眉
3段
上部
全体
8
調査番号
241
建築年代
昭和6年
東砺波郡福野町横町
調査概要
大きさ
形状
4
所在地
ハチマキ
蛇腹(4段)、厚さ
(20㎝)
仕上げ
白漆喰
高さ
(220㎝)、幅(80㎝)
装飾
なし
数量
2カ所(1・2階背面)
9
装飾
木瓜型
室内側建具
板戸(漆)
錠前
普通
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
縦抜き目側板(漆)
枠形式
鳥居枠
石段
板(漆)
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
ガラス戸
軸部材質
すぎ
内部仕上げ
―
形態
―
窓枠
土扉
10 内部
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
―
11 基礎
仕上げ
白漆喰
12 利用形態
装飾
平壁
内部
仕上げ 白漆喰(普通)
装飾
形状
出入口枠
なし
妻面
窓枠
現在、町のギャラリーとして利用
4550
建物は梁間二間半、桁行三間の二階建て平入りの土蔵を2棟横並びした二戸前形式で、屋根は置屋根形式になり、
正面には一間幅程の登り梁構造になる戸前を付ける。外壁は腰が下見板張りで、水切を付け、上部は白漆喰にして鉢
巻は下端に二段の段刻みを入れる。窓は一方が一二階一連の縦長窓で、両開き土扉を付けた意匠とし、もう一方は一
階が箱型額縁で二階を鳥居枠とした意匠としている。正面中央に戸前出入口を設け、白漆喰の鳥居枠に冠木の眉だけ
を黒漆喰とし、両開きの土扉は黒漆喰の木瓜型になる。出入口廻りや石段は巾着や蔵鍵を繰抜き彫刻の養生板が取り
付く。室内側の建具は裏白戸、狭間格子戸、中抜き障子の板戸の3枚建てとし、室内は柱だけを見せた白漆喰塗りに
なる。現在はギャラリー市の里6号館として再生活用されている。
4550
特徴説明
土蔵
DN
土蔵
UP
5460
5460
1階平面図
2階平面図
(縮尺 1:10
背面
146
出入口枠
(縮尺 1:100)
147
河原家土蔵(井波町)
見事な腰の鏝絵と菱組子の障子戸(基準1−4)
所有者名
河原 雅治
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
5,460×4,550㎜ 2階建て
床面積
24.8㎡
材質
瓦
形態
形式
調査番号
243
建築年代
東砺波郡井波町安室東中302
調査概要
大きさ
大正後期
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
モルタル(洗出)
装飾
―
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
鶴
下屋型(吹放し)
装飾
水平水切り
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
金属板
仕上げ
―
眉
2段
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
―
9
仕上げ
黒漆喰
装飾
なし
数量
2階背面に1カ所
土扉
仕上げ 白漆喰(普通)・黒漆喰
装飾
―
室内側建具
土戸・板戸(白木)
・格子戸(白木)
錠前
普通
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子・板戸・網戸
軸部材質
すぎ
内部仕上げ
板貼(縦板)
形態
切石布基礎・自然石玉石
窓枠
装飾
10 内部
形状
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
―
11 基礎
仕上げ
白漆喰
12 利用形態
装飾
鏝絵付(松と鯉の滝登り)
出入口枠・建具
戸前腰壁
―
ハチマキ・蔵印
窓枠
倉庫
4550
コテ絵
土蔵
コテ絵
コテ絵
(鶴)
土蔵
UP
2123
建物は梁間二間半、桁行三間の二階建て平入りで、屋根は置屋根形式になり、正面には九尺幅の吹放しの戸前が付き、
右手端には一坪程の小部屋を造る。外部の腰は右側面だけ布石積み型の茶色の洗出しで、他は後世のカラー鉄板張り
になり、上部に水切を付け白漆喰とし、鉢巻きは一段の段刻みを黒漆喰とする。蔵印は左手を「波に亀」、右手は「鶴」
の鏝絵を描く。背面の二階中央に窓を開け、白漆喰の鳥居枠に両開きの土扉で、扉は黒漆喰木瓜型とする。戸前出入
口は白漆喰の鳥居枠になり、両脇の腰壁には壁受けの金屋石を貼り付け、木瓜型の額縁に無彩色の「松に滝の鯉登り」
の鏝絵を描く。額縁上隅には釘隠しの小さな「鶴」を配している。室内の狭間格子戸は飾金具を多用し、腰は一面鉄
板張りとし飾り錠を付ける。障子戸も素晴らしい意匠の菱組子で上を胡麻殼組としている。
4550
特徴説明
DN
コテ絵
戸前
5460
5460
1階平面図
2階平面図
(縮尺 1:100)
正面・妻面
148
正面
(縮尺 1:100)
149
菊野家土蔵(井波町)
西欧風意匠の特異な鏝絵(基準1−5)
所有者名
菊野 隆浩
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
東砺波郡井波町松原上野与右衛門島174
調査概要
内 容
番
項 目
5,460×4,550㎜ 6,370×4,550㎜ 2階建て2連
7
外壁 腰壁
床面積
24.8㎡ 29.0㎡
材質
瓦
形態
形式
細 項 目
調査番号
253
建築年代
大きさ
明治初期
細 項 目
仕上げ
内 容
石貼
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
大黒
下屋型(間仕切付)
装飾
―
位置・数量
平入り
(各1カ所)
養生
―
仕上げ
―
眉
なし
仕上げ
―
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
―
9
装飾
―
数量
2階背面に各1カ所
装飾
―
室内側建具
土戸
錠前
普通
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
―
軸部材質
ひのき・けやき
内部仕上げ
―
形態
切石布基礎・自然石玉石
窓枠
土扉
10 内部
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
―
11 基礎
仕上げ
白漆喰
12 利用形態
装飾
鏝絵付
戸前腰壁
仕上げ ―
装飾
形状
出入口枠
―
外壁
倉庫
妻面
5460
6370
特徴説明
DN
土蔵
2階平面図
5460
土蔵
UP
1階平面図
戸前
UP
コテ絵
戸前
4220
150
背面
4550
6370
土蔵
正面
コテ絵
大黒様
土蔵
4550
DN
2123
建物は梁間が二間半で、桁行は三間と三間半の2棟の土蔵を間九尺ほど開けて建てる。屋根は置屋根形式で2棟を
一つの屋根で覆っており、正面には七尺幅の戸前を付ける。
外部は自然石玉石の割り石積み基礎に、腰を意匠的な枡目地切りしたモルタル洗出しになる。上部は白漆喰で、鉢
巻は付けずスッキリしたラインをだし、蔵印には丸に「大黒」としている。二階の背面中央に窓を開け、白漆喰の鳥
居枠にして出窓型の木製鞘で覆う。
戸前の外部は真壁構造で柱を見せ、腰は下見板張りにして上部壁を白漆喰としている。
戸前の出入口は白漆喰の鳥居枠とし、腰には洋風意匠の額縁に「親鳥と巣中の三羽の雛鳥、イタチ科の動物を配し、
西欧では家を守る幸福のシンボルとされるアイビーの蔓で周囲を取り囲む」珍しい題材の鏝絵が描かれ、地は色鮮や
かな水色としている。
2150
(縮尺 1:150)
(縮尺 1:150)
151
杉野家土蔵(井口村)
伝統を伝え、造り続けられる土蔵(基準1−5)
所有者名
杉野 義光
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
東砺波郡井口村池田145
調査概要
内 容
細 項 目
調査番号
259
建築年代
昭和45年
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
内 容
大きさ
5,460×4,550㎜ 2階建て 床面積
24.8㎡
材質
瓦
形態
置屋根
蔵印
家紋・龍字
形式
下屋型(間仕切付)
装飾
なし
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
なし
仕上げ
その他(鉄扉)
眉
3段
仕上げ
黒漆喰
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
―
9
仕上げ
石貼
装飾
平壁・木瓜型
仕上げ
白漆喰
装飾
唐草付
数量
2カ所(1・2階妻面)
装飾
―
室内側建具
鉄引戸
錠前
普通
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
箱枠
石段
なし
窓枠装飾
黒漆喰・鏝絵付
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子・ガラス戸
軸部材質
ひのき・けやき
内部仕上げ
板貼(横板)
形態
切石布基礎・コンクリート基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居型
仕上げ
白漆喰・黒漆喰
装飾
鏝絵(鶴と亀)
11 基礎
仕上げ
モルタル(研出)
12 利用形態
装飾
平壁
出入口枠・建具
仕上げ ―
装飾
形状
出入口枠
―
妻面・窓枠
内部
倉庫
特徴説明
DN
龍の文字
4550
4550
家紋
土蔵
土蔵
UP
2123
建物は梁間二間半、桁行三間の二階建て平入りの土蔵で、屋根は置屋根形式になり、正面には七尺幅の戸前を付ける。
外部は布石積み基礎に、腰壁は下に木瓜型を配して上は長方形枡目に目地切りし、隅柱や台輪・水切の色を変えた
色砂洗出しとする。腰上は白漆喰で、鉢巻の下端には二段の黒漆喰の水切を付け、平と妻の両端には黒漆喰で「渦に
若葉」の装飾を施し、蔵印には右手に丸に「龍」の字、左手は家紋を付ける。右妻面には一・二階に窓を開け、共に
額縁型とするが、二階の窓は特に意匠的で窓台に「牡丹に唐獅子」の鏝絵を施す。
戸前の出入口は鳥居枠に両開きの鉄製扉とし、鳥居枠の冠木には黒漆喰の木瓜型にして「波に亀、雲に鶴」の鏝絵
を施す。室内は落し込みの横板壁になる。
戸前
鳥居枠
コテ絵(鶴、亀)
5460
5460
1階平面図
2階平面図
(縮尺 1:100)
正面
152
背面
(縮尺 1:100)
153
小林家土蔵(井口村)
木造石張りの蔵(基準3−4)
所有者名
小林 秀雄
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
5,460×4,550㎜ 2階建て
床面積
24.8㎡
材質
瓦
形態
形式
調査番号
260
建築年代
東砺波郡井口村井口33
調査概要
大きさ
昭和45年
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
内 容
仕上げ
石貼
装飾
平壁
仕上げ
石貼
置屋根
蔵印
なし
下屋型(間仕切付)
装飾
石彫刻
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
―
仕上げ
鉄扉
眉
2段
仕上げ
―
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
―
9
装飾
―
数量
1、
2階妻面に各1カ所
装飾
―
室内側建具
板戸(漆)・板戸(白木)
錠前
普通
土扉
なし
窓形式
1、
2階一連窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
石段
なし
窓枠装飾
石彫刻(ウサギ)
ねずみ返し
なし
室内側建具
―
軸部材質
―
内部仕上げ
板貼(横板)
形態
切石布基礎・コンクリート基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
鏝絵(龍)
11 基礎
仕上げ
石貼
12 利用形態
装飾
平壁
出入口枠・建具
仕上げ ―
装飾
形状
出入口枠
―
戸前腰壁
窓枠
倉庫
特徴説明
4550
4550
DN
土蔵
土蔵
UP
2123
建物は梁間二間半、桁行三間の二階建て平入りの石張りの蔵で、屋根は置屋根形式になる。正面には出入口前の部
分的な七尺幅の戸前を付ける。
戸前は一般的な土蔵と同じ柱を見せた真壁構造で、腰は下見板張りで小壁は漆喰塗りとしている。石蔵の基礎は鼠
色の長尺布石積みにして木瓜型を彫り、外壁は黄身掛かった凝灰石の布石積みとし、土台、腰水切、鉢巻などを張り
出して作る。右手妻側の中央には一二階に窓を開け両開きの鉄製扉を開く。窓は一二階一連の石製鳥居枠とし、窓間
には「波に兎」の彫刻を施し、冠木下には垂木型を付けた石製庇を付ける。
戸前出入口は石製鳥居枠で両開きの鉄製扉を開き、冠木には「雲に一疋龍」を彫刻している。室内も土蔵と同じで
柱を三尺間隔に建てて落し込みの横板壁としている。
戸前 鳥居枠
コテ絵(鶴、亀)
5460
5460
1階平面図
2階平面図
(縮尺 1:100
正面
154
妻面
(縮尺 1:100)
155
城端町史館土蔵(城端町)
石垣上に連続して立ち並ぶ土蔵(基準1−5)
所有者名
城 端 町
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
東砺波郡城端町579-4
調査概要
内 容
番
項 目
19,392×7,272㎜ 2階建て2連 7
外壁 腰壁
床面積
125.6㎡
材質
瓦
形態
形式
細 項 目
調査番号
262
建築年代
明治36年
大きさ
細 項 目
仕上げ
内 容
白漆喰
装飾
―
仕上げ
白漆喰
塗籠(平形)
蔵印
なし
―
装飾
なし
位置・数量
平入り
(2カ所)
養生
下見板
仕上げ
白漆喰(普通)
眉
なし
蛇腹(3段)、厚さ
(21㎝)
仕上げ
―
高さ
(220㎝)、幅(85㎝)
×2
装飾
―
数量
7カ所(背面1階3カ所、
2階4カ所)
形状
4
所在地
上部
全体
8
9
ハチマキ
装飾
家紋型
室内側建具
土戸・格子戸(白木)・障子戸
錠前
飾金具
土扉
格子(白木)、取り外し別場所に
窓形式
単独窓
煙返し
―
枠形式
―
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子・板戸
軸部材質
ひのき
内部仕上げ
化粧貫・板貼(横板)
形態
切石布基礎・自然石玉石
窓枠
土扉
10 内部
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
白黒漆喰
12 利用形態
装飾
なまこ壁
戸前腰壁
出入口枠
内部
仕上げ 白漆喰
装飾
形状
戸前
なし
資料館
8484
10908
8484
10908
7272
5454
2階平面図
7272
5454
1818
建物は2棟接続になり、梁間四間、桁行六間と梁間三間、桁行四間半の土蔵が正面を揃えて立つ。共に二階建て平
入りで、屋根は平型の塗籠形式になる。戸前はかつて付いてただろうが、町史館に改築した際に現在の姿としている。
外壁は背面を高い石垣にして、軒下二尺程までの高い下見板張りとし、一二階揃えて白漆喰の鳥居枠に片開き土戸を
備えた窓を開き、外部には出窓状の霧徐が付けられ保護されている。この背面からの景観が素晴らしい。戸前出入口は、
白漆喰の鳥居枠と両開き土扉を開き、両脇の腰は基礎を桃色の洗出しとし、上は意匠的な菱型のなまこ壁としている。
室内の狭間格子戸も腰板の中央に腰と同じ菱型の錠とし、内障子戸の和紙も同様の模様とこだわった作りになる。室
内には土扉を保護していた細部に彫刻を施した見事な鞘が保管されている。
1818
特徴説明
1階平面図
19392
背面
156
妻面
(縮尺 1:200
(縮尺 1:200)
157
木村家土蔵(城端町)
大理石の擬石と七宝繋のなまこ壁(基準3−3)
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
30,030×7,280㎜ 2階建て4連
床面積
約140㎡
材質
瓦
形態
形式
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
白漆喰
装飾
―
仕上げ
白漆喰
塗籠(平形)
蔵印
―
土蔵一体型
装飾
―
位置・数量
平入り
(2カ所) 妻入り
(2カ所)
養生
下見板
仕上げ
鉄扉・白漆喰
眉
なし
仕上げ
―
装飾
―
数量
―
土扉
仕上げ ―
形状
4
東砺波郡城端町770
調査概要
大きさ
上部
全体
8
ハチマキ
―
9
調査番号
263
建築年代
明治∼大正
装飾
―
室内側建具
格子戸(漆)
錠前
飾金具
土扉
格子(白木)
窓形式
―
煙返し
彫刻付(白木)
枠形式
―
石段
板(白木)
窓枠装飾
―
ねずみ返し
あり
室内側建具
―
軸部材質
あて
内部仕上げ
板貼(横板)
形態
切石布基礎
窓枠
装飾
10 内部
形状
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
―
11 基礎
仕上げ
白黒漆喰・疑石
12 利用形態
装飾
なまこ壁
戸前
出入口枠
土扉・鞘
戸前腰壁
―
道具
特徴説明
DD
D
4550
D
1820
建物は4棟の土蔵で構成される。梁間が共に二間半で、桁行が二間半と五間の二階建ての土蔵をあいだ半間空けて
建て、正面に一間幅の戸前を付ける。小さな土蔵は平入りだが大きな土蔵は妻入りとなる。この土蔵とのあいだ一間
半を戸前とし、梁間三間、桁行七間半の一間半角で左手奥隅の欠けた二階建ての土蔵が立ち、室内は行三間、一間、
二間半と間仕切り、正面には一間半幅の戸前を付ける。戸前は全て化粧屋根裏も塗籠とした立派なものになる。外壁
は軒下二尺程までの下見板張りとする。戸前出入口は白漆喰の鳥居枠で扉無し、または黒漆喰の鉄製扉か白漆喰の土
扉の両開きとする。扉や出入口周囲、及び柱型には養生の鞘が付けられ、木瓜型の繰り抜きや端部を鰐口型とするな
ど意匠を凝らし、戸前の腰は基礎を擬石大理石仕上げとし、上は黒漆喰の地に七宝繋のなまこ壁とする。
D
2階平面図
4550 1820
6370
7280
番
所在地
910
所有者名
木村 智子
5460
2730
8190
9100
5460
910
U U
土蔵
土蔵
U
2730
U
戸前
1階平面図
4550
1820
5460
2730
9100
5460
910
正面
158
戸前
7280
土蔵
U
1820
土蔵
4550
910
30030
2275 (縮尺 1:300
(縮尺 1:300)
159
堀川家土蔵(城端町)
鏡のように輝く漆塗りの鞘と格子戸(基準1−5)
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
7,280×5,460㎜ 2階建て
床面積
39.8㎡
材質
瓦
昭和2∼3年 番
項 目
7
外壁 腰壁
上部
細 項 目
仕上げ
内 容
石貼(小タタキ)
装飾
―
仕上げ
白漆喰
形態
塗籠(平形)
蔵印
なし
形式
なし (解体された)
装飾
なし
位置・数量
妻入り
(1カ所)
養生
金属板
仕上げ
白漆喰(普通)・黒漆喰
眉
1段
形状
4
東砺波郡城端町167
調査概要
大きさ
調査番号
264
建築年代
全体
8
ハチマキ
蛇腹(3段)、厚さ
(18㎝)
仕上げ
黒漆喰
高さ
(220㎝)、幅(70㎝)
×2
装飾
なし
数量
2階妻面に1カ所
9
装飾
家紋型・鏝絵
室内側建具
板戸(漆)・障子戸
錠前
飾金具
土扉
彫刻付(漆)
窓形式
単独窓
煙返し
彫刻付(漆)
枠形式
箱枠
石段
板(漆)
窓枠装飾
―
ねずみ返し
あり
室内側建具
鉄格子・土戸・障子戸
軸部材質
ひのき
内部仕上げ
化粧貫
形態
切石布基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
鏝絵
11 基礎
仕上げ
石貼(タタキ)
12 利用形態
装飾
―
建具
仕上げ 白漆喰(普通)
装飾
形状
土扉・鞘
―
飾金具錠
道具
特徴説明
7280
建物は梁間四間、桁行三間の二階建て妻入りで、屋根は平形の塗籠形式になる。戸前は現在無く母屋と接続するが、
かつては付いていた。外壁は腰が石張りで上を白漆喰とし、右手の一二階に両開きの土扉とした窓を開ける。現在は
外部をカラー鉄板で覆われている
戸前の出入口は白漆喰の鳥居枠とし、両開きの土扉を開く、扉は帯桟入りで黒漆喰の意匠的な額縁で上には家紋を
入れる。扉を覆う狭間格子の鞘には意匠的な組子と彫刻を施し、石段や出入口周囲の鞘も木瓜型の繰り抜きや丸彫り
彫刻を施して漆が掛けられている。
狭間格子戸の格子は一枚板から木取りして、木目を一連に通し、明きを狭く密に組んだ大変手の込んだもので、腰
板も一枚板で中央には円形の飾り錠を付け、全体を上級の漆塗りとする。
土蔵
7280
土蔵
UP
1階平面図
5460
番
所在地
5460
所有者名
堀川 みち
DN
2階平面図
(縮尺 1:150)
正面
160
側面
(縮尺 1:150)
161
細川家土蔵(城端町)
擬木仕上げの腰壁と扉の細密な鏝絵(基準3−3)
所有者名
細川 健太郎
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
10,010×3,640㎜ 2階建て2連
床面積
36.4㎡
材質
瓦
形態
形式
調査番号
265
建築年代
東砺波郡城端町637
調査概要
大きさ
明治17年頃 番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
モルタル(研出)
装飾
―
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
―
下屋型(吹放し)塗籠
装飾
―
位置・数量
平入り
(2カ所)
養生
金属板
仕上げ
白漆喰(普通)・黒漆喰(螺金用) 8
眉
なし
蛇腹(3段)、厚さ
(21㎝)
仕上げ
―
高さ
(220㎝)、幅(75㎝)
装飾
―
数量
2カ所(2階背面)
形状
4
所在地
上部
全体
ハチマキ
装飾
家紋型・鏝絵(波・大黒・恵比寿) 9
室内側建具
板戸(漆)
・格子戸(漆)
・障子戸
錠前
普通
土扉
外して別の場所に保存
窓形式
単独窓
煙返し
同
枠形式
鳥居枠
石段
同
窓枠装飾
―
ねずみ返し
同
室内側建具
鉄格子・板戸
軸部材質
ひのき
内部仕上げ
化粧貫・板貼(縦板)
形態
切石布基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居型
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
擬石・擬木
12 利用形態
装飾
―
土扉・建具
戸前腰壁
内部
仕上げ その他(鉄板)
装飾
形状
戸前腰壁
―
道具
5460
4550
土蔵
土蔵
5460
4550
土蔵
土蔵
土蔵
1階平面図
戸前
162
土扉・建具
コテ絵
家紋、波
コテ絵
家紋、波
戸前
コテ絵
家紋、波
コテ絵
家紋、波
3640
2階平面図
2730
建物は3棟の土蔵から構成され、梁間は共に二間で桁行が二間半と三間の二階建て平入りの土蔵を半間あけて横並
びに建て、正面に一間半幅の化粧屋根裏を塗籠とした吹放しの戸前を付ける。戸前の左手端には梁間一間半、桁行二
間の平屋の味噌蔵を配している。外壁は腰をモルタル研出しとし、上部は白漆喰になるが現在はカラー鉄板で覆って
いる。
戸前の出入口は白漆喰の鳥居枠とし、両開きの土扉を開く。扉は黒漆喰の木瓜型とし、上に家紋の「桐」、下に「波」
または、波の上に小さな「恵比寿」と「大黒」の鏝絵を描く。扉両脇の腰は青色の擬石布基礎に上は枠の桟を含め一
枚板の精巧な擬木とする。室内の引き戸も意匠的で、細・太交互の格子に腰板に家紋の錠を付けた狭間格子戸、波に
龍の絵と家紋を描いた障子戸など優れている。また、段石も左手は青石、右手は赤石になる。
3640
特徴説明
(縮尺 1:150)
(縮尺 1:150)
163
大西家土蔵(城端町)
繊細な七宝繋格子と波彫刻の鞘(基準1−7)
所有者名
大西 正隆
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
7,280×7,280㎜ 2階建て
床面積
53.0㎡
材質
瓦
形態
形式
調査番号
267
建築年代
明治頃
東砺波郡城端町414
調査概要
大きさ
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
白漆喰
装飾
―
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
なし
土蔵一体型、塗籠
装飾
―
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
下見板
仕上げ
白漆喰・黒漆喰
眉
なし
蛇腹(3段)、厚さ
(20㎝)
仕上げ
―
高さ
(215㎝)、幅(75㎝)
装飾
―
数量
3カ所(背面1階1カ所、
2階2カ所)
形状
4
所在地
装飾
家紋型・鏝絵
室内側建具
土戸・格子戸(漆)
錠前
普通
上部
全体
8
9
ハチマキ
窓枠
土扉
木瓜型
土扉
格子(白木)・彫刻付(白木)
窓形式
単独窓
煙返し
板(白木)
枠形式
鳥居枠
石段
彫刻付(白木)
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
―
軸部材質
―
内部仕上げ
―
形態
切石布基礎
10 内部
鳥居枠
仕上げ
白漆喰
装飾
―
11 基礎
仕上げ
白黒漆喰
12 利用形態
装飾
木瓜型
土扉・鞘
仕上げ 白漆喰
装飾
形状
出入口枠
出入口枠
―
特徴説明
7280
7280
7280
7280
建物は梁間四間、桁行四間の二階建て平入りで、屋根は置屋根形式とする。正面には幅八尺幅の化粧屋根裏を塗籠
とし吹放しとした戸前を付ける。柱は鋳物製の円柱になる。
外壁は基礎を比較的小粒の自然石の面割り石を乱積みし、天端に切石を布積して壁受とする。平は一階高まで、妻
側は軒下までを下見板張りとし、上部は白漆喰とする。背面には一階に一箇所、二階は二箇所に窓を開け、外部には
養生の出窓型の霧除を付ける。
戸前の出入口は白漆喰の鳥居枠で、両開きの土扉を開く。扉は帯桟付きの黒漆喰木瓜型で、下に波、上に家紋の鏝
絵を描く。扉を保護する鞘は花狭間の菱格子や波彫刻を施した意匠的なもので、煙返石の養生板も波彫刻を施している。
両脇の腰は白漆喰の額縁に黒漆喰本磨きの腰壁とする。室内には裏白戸、狭間格子戸、大格子戸の3枚の建具が入る。
DN
UP
コテ絵
家紋、波
コテ絵
家紋、波
戸前
1階平面図
2階平面図
(縮尺 1:150)
背面
164
背面
(縮尺 1:150)
165
増山家土蔵(城端町)
意匠的な戸前出入口の障子戸(基準1−4)
所有者名
増山 順子
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
5,460×5,460㎜ 2階建て
床面積
29.8㎡
材質
瓦
形態
形式
調査番号
268
建築年代
東砺波郡城端町61
調査概要
大きさ
昭和2∼3年 番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
白漆喰
装飾
―
仕上げ
白漆喰
塗籠(平形)
蔵印
なし
土蔵一体型
装飾
―
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
下見板
仕上げ
白漆喰(普通)・黒漆喰
眉
なし
蛇腹(3段)、厚さ
(18㎝)
仕上げ
―
高さ
(220㎝)、幅( ㎝)
装飾
―
数量
1・2階妻面に各1カ所
形状
4
所在地
上部
全体
8
9
ハチマキ
装飾
家紋型
室内側建具
土戸・格子戸(漆)・障子戸
錠前
飾金具
土扉
格子(白木)
窓形式
単独窓
煙返し
板(白木)
枠形式
―
石段
板(白木)
窓枠装飾
―
ねずみ返し
あり
室内側建具
鉄格子・土戸
軸部材質
2階はひのき
内部仕上げ
2階は化粧貫・板貼(横板)
形態
切石布基礎
窓枠
土扉
10 内部
鳥居枠
仕上げ
白漆喰
装飾
―
11 基礎
仕上げ
白黒漆喰
12 利用形態
装飾
木瓜型
戸前
仕上げ 白漆喰(普通)
装飾
形状
土扉
木瓜型
戸前腰壁
道具
5460
建物は梁間三間、桁行三間の二階建て平入りで、屋根は平型の塗籠形式になる。正面には化粧屋根裏を塗籠とした
吹放しの戸前を付ける。
外壁は軒下二尺程までの下見板張りとし、上は塗籠を含めてすべて白漆喰になる。窓は階段が付く右手妻側の一二
階に付き、鳥居枠の外には一二階一連とした霧除を付ける。
戸前の出入口は白漆喰の鳥居枠で、両開きの土扉を開き、扉は帯桟付きの黒漆喰木瓜型とし、上に家紋の鏝絵を描く。
両脇の腰は白漆喰の木瓜型額縁に黒漆喰の腰壁とする。鞘は狭間格子に彫刻を配したもので、入口周囲や煙返にも波
彫刻を配し、鼠返しも付く。室内の狭間格子戸は漆塗りに腰に家紋型の錠を付け、内側の障子戸は上段を障子で松皮
菱の模様紙、中段を大格子にして枡目に「増善要□」と書かれた大変意匠的なものである。
5460
特徴説明
土蔵
DN
土蔵
UP
戸前
5460
1階平面図
妻面
166
出入口枠
5460
2階平面図
(縮尺 1:100)
(縮尺 1:100)
167
城端別院土蔵(城端町)
寺院ならではの唐破風付きの鳥居枠(基準1−4)
所有者名
城端別院
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
10,920×5,460㎜ 2階建て
床面積
59.6㎡
材質
瓦
形態
形式
位置・数量
平入り
(1カ所)
仕上げ
白漆喰(普通)
形状
調査番号
270
建築年代
明 治
東砺波郡城端町405
調査概要[土蔵1]
大きさ
装飾
4
所在地
調査概要[土蔵3]
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
白漆喰
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
項 目
0
規 模
1
屋 根
―
仕上げ
白漆喰
なし
形態
置屋根
蔵印
その他
装飾
―
2
戸 前
形式
下屋型
装飾
なし
養生
金属板
3
戸前土扉
位置・数量
平入り
(1カ所)
眉
―
仕上げ
鉄扉
蛇腹(3段)、厚さ
(20㎝)
仕上げ
―
形状
―
高さ
(210㎝)、幅(80㎝)
装飾
―
数量
1・2階妻面に2カ所
全体
8
9
木瓜型
ハチマキ
窓枠
土扉
上部
全体
8
ハチマキ
9
養生
下見板
眉
なし
仕上げ
―
装飾
―
数量
2階側面に1カ所
装飾
―
仕上げ 白漆喰(普通)
室内側建具
土戸・板戸(白木)
・格子戸(漆)
装飾
錠前
普通
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
―
窓枠
土扉
仕上げ 白漆喰(普通)
室内側建具
板戸(白木)
・格子戸(白木)
・障子戸
錠前
カラクリ
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
―
石段
なし
窓枠装飾
―
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子・ガラス戸
ねずみ返し
なし
室内側建具
―
軸部材質
あて
軸部材質
すぎ
内部仕上げ
化粧貫
内部仕上げ
板貼(横板)
形態
―
形状
唐破風
仕上げ
白漆喰
10 内部
装飾
鏝絵
11 基礎
仕上げ
白漆喰
12 利用形態
装飾
平壁
内 容
細 項 目
大きさ
8,190×4,550㎜ 2階建て
床面積
37.3㎡
材質
瓦
形態
置屋根
下屋型
平入り
(1カ所)
木瓜型
4
5
6
道具
項 目
7
外壁 腰壁
上部
全体
8
細 項 目
内 容
仕上げ
白漆喰
装飾
平壁
仕上げ
白漆喰
蔵印
その他(丸)
装飾
なし
養生
―
眉
―
仕上げ
白漆喰(普通)
形状
蛇腹(3段)、厚さ
(20㎝)
仕上げ
―
高さ
(210㎝)
装飾
―
装飾
木瓜型
室内側建具
板戸(白木)
・格子戸(白木)
・障子戸
9
鞘
出入口枠
戸前腰壁
装飾
10 内部
形状
鳥居枠
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
擬木
12 利用形態
装飾
―
形態
―
―
衣装
特徴説明
番
ハチマキ
窓枠
数量
土扉
4カ所(背面1・2階に各2カ所)
仕上げ 白漆喰(普通)
装飾
錠前
飾金具
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
―
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
形状
鳥居枠
10 内部
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
白漆喰
12 利用形態
装飾
平壁
建物はそれぞれ独立した3棟の土蔵で、梁間三間、桁行六間と梁間二間半、桁行四間半に一間半幅の戸前を付けた「道
具蔵」、梁間二間半、桁行三間で正面を廊下とした「衣装蔵」がある。共に二階建てで、衣装蔵のみ妻入りとし、屋
根はすべて置屋根形式になる。
外壁は軒下二尺程までの腰下見板とし、頂部に鉢巻無しの白漆喰壁とする。窓は白漆喰の鳥居枠とし、外部には出
窓状の霧除が付く。蔵印は鏝絵を施さず丸だけとする。
戸前出入口は全て白漆喰で、鳥居枠の冠木の両端に渦唐草を彫り、さらに唐破風の庇を付け、両開きの土扉を開く。
狭間格子戸の腰板中央には四角型と円型のからくり錠が付き、内側には障子戸を建て込む。戸前の腰壁は「衣装蔵」
を額縁を廻さずに1枚板の擬木仕上げの腰壁とし、他は水切を付けて薄鼠色の腰壁としている。
なし
室内側建具
―
軸部材質
あて
内部仕上げ
化粧貫
形態
切石布基礎
道具
妻面
168
装飾
蔵印
位置・数量
戸前腰壁
内 容
―
下屋型(間仕切付)
形式
6
細 項 目
仕上げ
置屋根
戸前土扉
出入口枠
瓦
外壁 腰壁
平壁
戸 前
5
24.8㎡
材質
項 目
7
白漆喰
3
鞘
床面積
番
仕上げ
2
4
4,550×5,460㎜ 2階建て
装飾
上部
調査概要[土蔵2]
番
内 容
細 項 目
大きさ
背面
169
出入口枠(土蔵2)
出入口枠(土蔵1)
8190
8190
〔土蔵2〕
土蔵
UP
土蔵
建具(土蔵1)
DN
4550
4550
1階平面図
2階平面図
(縮尺 1:
(縮尺 1:100)
出入口枠(土蔵3)
戸前腰壁(土蔵3)
〔土蔵3〕
〔土蔵1〕
DN
土蔵
5460
2階平面図
5460
土蔵
5460
10920
DN
土蔵
10920
土蔵
5460
UP
4550
4550
1階平面図
2階平面図
1階平面図
戸前
2730
UP
(縮尺 1:100)
(縮尺 1:150)
(縮尺 1:150)
170
(縮尺 1:100)
171
前川家土蔵(平村)
昭和初期のコンクリート造の蔵(基準3−2)
所有者名
前川 民行
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
建築年代
東砺波郡平村大崩島343
調査概要
昭和5∼7年
内 容
細 項 目
大きさ
5,650×4,850㎜ 2階建て
床面積
27.4㎡
材質
瓦
形態
形式
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
調査番号
276
内 容
モルタル(洗出)・石貼
装飾
―
仕上げ
モルタル(吹き付け)
置屋根
蔵印
なし
下屋型(間仕切付)
装飾
なし
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
なし
仕上げ
鉄扉
眉
なし
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
―
9
仕上げ
―
装飾
なし
数量
1・2階妻面に2カ所
装飾
―
室内側建具
格子戸(白木)
錠前
飾金具
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
箱枠
石段
なし
窓枠装飾
擬石
ねずみ返し
なし
室内側建具
鉄格子
軸部材質
―
内部仕上げ
―
形態
―
窓枠
土扉
10 内部
箱枠
仕上げ
白漆喰・擬石
装飾
なし
11 基礎
仕上げ
擬石
12 利用形態
装飾
―
建具
仕上げ 鉄扉
装飾
形状
出入口枠
―
戸前腰壁
窓枠
道具
特徴説明
土蔵
戸前
5650
1階平面図
UP
4850
4850
DN
1760
建物は梁間二間半、桁行三間の二階建て平入りで、正面には一間幅の平屋の戸前が付き共にコンクリート造になる。
鉢巻の上端は共に緩い勾配をもつコンクリート屋根とし、その上に木造の切妻屋根や戸前の場合は片流れ屋根を乗せ
た小屋構造とする。
外壁はモルタル仕上げの基礎上に腰を茶系の布石一段、白系布石四段に擬石洗出し仕上げとし、上部は鼠色のドイ
ツ壁とする。頂部には大きく張り出した特異な鉢巻を廻し、妻側も水平に廻し、平側二箇所に換気口を開ける。階段
側となる右手妻の中央には一二階に窓を開ける。窓は角面取りの白漆喰の箱枠で、片開きの内側漆喰塗りの鉄製扉を
付ける。
戸前の出入口は白漆喰の箱枠で両開きの鉄製扉を開く、扉は窓と同じく内側を白漆喰とする。室内の狭間格子戸の
腰には円形の飾り錠を付ける。腰は鼠色の擬石仕上げになる
土蔵
5650
2階平面図
(縮尺 1:10
正面
172
妻面
(縮尺 1:100)
173
波多家土蔵(福光町)
見事な一連窓を硝子張りの霧除で保護(基準2−3)
所有者名
波多 外茂子
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
10,920×4,550㎜ 2階建て
床面積
49.7㎡
材質
瓦
形態
形式
調査番号
293
建築年代
西砺波郡福光町栄町
調査概要
大きさ
明治21年
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
白漆喰・石貼
装飾
平壁・木瓜型
仕上げ
白漆喰
塗籠(蛇腹形)
蔵印
なし
下屋型(間仕切付)
装飾
なし
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
下見板(1階部分のみ)
仕上げ
白漆喰(磨き)・黒漆喰
眉
2段
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
蛇腹(3段)、厚さ
(22㎝)
9
仕上げ
白漆喰
装飾
なし
数量
1・2階妻面に各2カ所
装飾
家紋型・木瓜型
室内側建具
土戸・格子戸(漆)・障子戸
錠前
飾金具
土扉
なし
窓形式
1、
2階一連窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
窓枠
土扉
外壁腰壁
内部(床下貯水漕)
窓枠
仕上げ 黒漆喰(磨き)
装飾
木瓜型
石段
なし
窓枠装飾
黒漆喰・鏝陰(唐草)
ねずみ返し
なし
室内側建具
ガラス戸
形状
鳥居枠
軸部材質
あて
仕上げ
黒漆喰
内部仕上げ
貫塗込め・白漆喰仕上げ
装飾
木瓜型
11 基礎
形態
切石布基礎
仕上げ
黒漆喰
12 利用形態
装飾
木瓜型
10 内部
建具
道具
10920
特徴説明
DN
4550
建物は梁間二間半、桁行六間の二階建て平入りの土蔵で、屋根は蛇腹付きの塗籠形式になる。正面には一間半幅の
平屋の戸前が付き、正面全面を引違いの硝子窓としている。
外壁は基礎を布石積みとし、腰に上質な材の下見板を張り、水切の上は白漆喰にして円弧状に湾曲した蛇腹に軒先
に三段の段刻みを入れる。両妻中央には一二階一連の窓を開き、共に両開きの土扉を備え、硝子戸を立て込んだ出窓
形式の霧除で覆われている。
戸前の出入口は白漆喰の鳥居枠とし、冠木には黒漆喰の木瓜型を入れる。扉は中帯無しの木瓜型の上部に家紋の「五
三の桐」を配す。室内の狭間格子戸も帯鉄や飾金具を使用し腰板の中央に巾着型の錠を付け、中の大格子戸は障子紙
の中央に家紋を描き、共に上質の漆塗りになる。入口両脇の腰は木瓜型の額縁にして黒漆喰とする。二階の手摺は洋
風意匠。
土蔵
2階平面図
4550
10920
土蔵
1階平面図
妻面
174
出入口枠・土扉
戸前
コテ絵
家紋
コテ絵
家紋
2730
UP
(縮尺 1:150
(縮尺 1:150)
175
大橋家土蔵(福光町)
裏白戸に洋風唐草意匠の大胆な鏝絵(基準1−3)
所有者名
大橋 他喜男
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
所在地
西砺波郡福光町高宮
調査概要
内 容
細 項 目
大きさ
10,920×5,460㎜ 2階建て2連
床面積
59.6㎡
材質
瓦
形態
形式
位置・数量
明治27年
番
項 目
7
外壁 腰壁
―
白漆喰
置屋根
蔵印
水字
土蔵一体型
装飾
―
平入り
(2カ所)
養生
下見板
眉
なし
仕上げ
―
装飾( 〃 ) 家紋型・鏝絵
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
白漆喰
仕上げ
上部
全体
8
ハチマキ
形状( 〃 ) ―
4
細 項 目
仕上げ
装飾
(引き戸)
仕上げ(戸前扉) 白漆喰(普通)
調査番号
304
建築年代
9
窓枠
装飾
―
数量
6カ所(1階3、
2階3)
土扉
ガラス戸・網戸
錠前
なし(内鍵のみ)
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
―
石段
なし
窓枠装飾
―
ねずみ返し
なし
室内側建具
ガラス戸・土戸
軸部材質
ひのき
内部仕上げ
化粧貫
形態
自然石玉石
装飾
10 内部
箱枠
仕上げ
白漆喰、
モルタル洗出
装飾
―
11 基礎
仕上げ
白漆喰
12 利用形態
装飾
平壁
出入口枠
建具
基礎
仕上げ なし
室内側建具
形状
戸前出入口枠・扉
なし
道具・文庫
10920
DN
土蔵
2階平面図
910
10920
土蔵2
土蔵1
5460
建物は梁間三間、桁行六間の二階建て平入りの土蔵で、屋根は置屋根形式になる。正面には一間半幅の戸前を付け
るが、戸前も大壁の土蔵造りで屋根を置屋根とする。
外壁は腰を下見板とし水切を付け、上は白漆喰にして鉢巻は付けない。窓は張り出さずに中へ段刻みを窪ませた特
異な形式とし、蔵印は「丸に水の字」になる。背面と左妻面は縦板張りの目板打ちとしている。戸前も土蔵造りであ
るため、外部から戸前に入る出入口も額縁を廻して裏白戸と格子戸を入れ、裏白戸には木瓜型の額縁にして中央の引
手金具を中心に家紋を描き、扉下部一面に洋風唐草意匠の鏝絵を施している。
戸前の出入口は窓と同じく中へ段刻みを窪ませた箱枠で、室内には裏白戸と狭間格子戸を立て込む。
5460
特徴説明
1階平面図
妻面
176
妻面
味噌部屋
戸前
2730
UP
(縮尺 1:15
(縮尺 1:150)
177
奥原家土蔵(福岡町)
洗練された意匠で白と黒の妙(基準1−3)
所有者名
奥原 三郎
番
項 目
0
規 模
1
屋 根
2
戸 前
3
戸前土扉
5
6
鞘
出入口枠
戸前腰壁
内 容
細 項 目
5,484×3,848㎜ 2階建て
床面積
21.1㎡
材質
瓦
形態
形式
調査番号
310
建築年代
西砺波郡福岡町島倉155
調査概要
大きさ
大正5年
番
項 目
7
外壁 腰壁
細 項 目
仕上げ
内 容
その他(下見板残付)
装飾
―
仕上げ
白漆喰
置屋根
蔵印
なし
下屋型(間仕切付)
装飾
なし
位置・数量
平入り
(1カ所)
養生
下見板
仕上げ
黒漆喰(普通)・白漆喰
眉
2段
形状
4
所在地
上部
全体
8
ハチマキ
蛇腹(1段)、厚さ
(35㎝)
仕上げ
白漆喰
高さ
(201.5㎝)、幅(112㎝)
装飾
なし
数量
2階背面に1カ所
9
装飾
家紋型・木瓜型
室内側建具
格子戸(漆)
錠前
普通
土扉
なし
窓形式
単独窓
煙返し
なし
枠形式
鳥居枠
窓枠
土扉
出入口枠
戸前腰壁(鏝絵)
窓枠
仕上げ 黒漆喰
装飾
家紋型
石段
なし
窓枠装飾
黒漆喰・鏝絵
ねずみ返し
なし
室内側建具
ガラス戸
形状
鳥居枠
軸部材質
けやき
仕上げ
黒漆喰
内部仕上げ
板貼(縦板)
装飾
―
11 基礎
形態
切石布基礎
仕上げ
白黒漆喰・石貼
12 利用形態
装飾
鏝絵(波)
10 内部
出入口枠
道具・衣装
5969
3848
土蔵
DN
土蔵
UP
2121
建物は梁間二間、桁行三間の二階建て平入りの土蔵で、屋根は置屋根形式とする。正面には七尺幅の吹放しの戸前
を付ける。
外壁は布基礎石上に腰下見板張りだが、妻壁は鉢巻下まで下見板張りとする。水切り上は白漆喰で頂部には一段の
段刻みの鉢巻を付ける。背面中央には鳥居枠に両開きの土扉を開く。扉は黒漆喰の木瓜型とし、窓台には黒漆喰の錫
杖型を付け、両端の下には遊び心のある車輪を付ける。窓には出窓状の硝子格子とした霧除を付ける。
戸前の出入口は鳥居枠に両開きの土扉とし、冠木は黒漆喰で下端だけ白漆喰、扉も帯桟入りで黒漆喰の木瓜型だが、
見込み面を黒漆喰とし、最下部に白黒で稲妻型とする。
扉両脇の腰壁は地・腰・内法の各長押型を入れ腰下は木瓜型に白漆喰で波の鏝絵を描く。
3848
特徴説明
コテ絵
(波形)
コテ絵
(波形)
戸前
5484
5484
1階平面図
2階平面図
(縮尺 1:100
正面
178
妻面
(縮尺 1:100)
179
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