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PBL23班 よくある高齢女性への処方例
課題23 22 金子 46 志谷 70 中村 94 孟 課題23 処方01:メバロチン 処方02:オルメテック 処方03:バイアスピリン+パリエット 処方04:イブロノール 処方05:ゼチーア 処方06:ボナロン 各薬剤の適応を確認 処方01:メバロチン →高脂血症、家族性高コレステロール血症 処方02:オルメテック →高血圧症 処方03:バイアスピリン+パリエット →狭心症、心筋梗塞、虚血性脳血管障害など 処方04:イブロノール →脳梗塞/脳出血後遺症に伴うめまいの改善 処方05:ゼチーア →高コレステロール血症 処方06:ボナロン →骨粗鬆症 病態の推測 処方04:イブロノール →脳梗塞(詰まる) or 脳出血(破れる)既往 処方03:バイアスピリン+パリエット →抗血小板治療 二つの処方を合わせると脳梗塞の再発予防か 脳梗塞慢性期の患者さん 処方例からの病状推測 脳卒中 急性期治療 慢性期治療 脳梗塞の後遺症 脳梗塞 脳の器質的障害 or 血流障害 うつ、めまい、麻痺、言語障害...etc 処方04:イブロノール錠 20 mg 一般名:イフェンプロジル 処方量:20 mg/毎食後 薬理作用:脳血管拡張 →脳血流を増加させて脳梗塞、脳出血後のめまい症状 を改善する 脳卒中後の骨折 脳卒中後の骨折リスクは1.39倍! *日本骨粗鬆症学会ガイドライン 片麻痺が転倒リスクを上げる 脳卒中直後に骨密度が低下する 特に高齢女性ではエストロゲン分泌低下による 骨粗鬆症の合併でリスクが高まる 処方06:ボナロン錠 35mg 一般名:アレンドロネート ビスホスホネート製剤 処方量:35 mg/week 薬理作用:破骨細胞の活性を抑制 →骨粗鬆症による骨折リスクを下げる 副作用:顎骨壊死・顎骨骨髄炎 骨粗鬆症に用いられる薬 カルシウム製剤 活性型ビタミンD3製剤 ビタミンK2製剤 カルシトニン製剤 ビスホスホネート製剤 エストロゲン製剤 選択的エストロゲン受容体モジュレーター 脳梗塞の患者さんでの注意点 ボナロンの禁忌 食道狭窄またはアカラシア(食道弛緩不能症)など、 食道通過を遅延させる障害 30分以上上体を起こしていることや、立っているこ とのできない患者 脳梗塞再発予防のための 危険因子管理 • 血液凝固 • 高血圧 • 糖尿病 • 脂質異常症 • 飲酒・喫煙 • メタボリックシンドローム ・・・以下略 日本脳卒中学会ガイドライン2009 血液凝固系のコントロール 1. 非心原性脳梗塞の再発予防には、抗血小板薬の投与 が推奨される[A] 日本脳卒中学会ガイドライン2009 バイアスピリン+パリエット 一般名:アスピリン、ラベプラゾール 処方量:100 mg, 10 mg/day 薬理作用: →血小板のCOXを阻害してTXA2合成を抑制し 血小板凝集を抑える、アスピリンの副作用の 消化管出血を抑える 脳梗塞再発予防のための 危険因子管理 1. 血液凝固 2. 高血圧 3. 糖尿病 4. 脂質異常症 5. 飲酒・喫煙 6. メタボリックシンドローム ・・・以下略 日本脳卒中学会ガイドライン2009 高血圧のコントロール 1. 脳梗塞の再発予防では、降圧療法が推奨される。 目標とする血圧レベルは少なくとも140/90mmHg未 満とする 日本脳卒中学会ガイドライン2009 オルメテック錠 (オルメサルタン・メドキソミル) 20㎎ 1.0錠 1日1回朝食後に服用 オルメテック • 高血圧治療薬 • アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB) Angiotensin Receptor Blockers (ARB) 1、アンジオテンシンII(AII)受容体に競合的に 拮抗し、 AIIの作用を抑制することで、降圧作用 を発揮する。 2、血管収縮や心筋細胞の肥大をもたらすAT1 受容体に選択的に作用するため、臓器保護作 用に優れる。 アンジオテンシノーゲン ↓ ←レニン分泌 アンジオテンシンⅠ ↓ ←ACE アンジオテンシンⅡ ARB アンジオテンシンⅡ受容体(AT1) ↓ アルドステロン分泌、血管収縮など こうした点が評価され、ARBは、高血圧症治療の中心的薬剤と して近年、使用頻度や使用量が多くなってきている。現在、日 本で使用されているARBは7種類あります。 特徴 • 持続性があるので1日1回の服用で済む • 高齢者でもよく使われる • 大きな副作用も少なく、長期維持療法に適す る 薬価 費用(一日分) ニューロタン(ARB) アジルバ(ARB) ミカルディス(ARB) オルメテック(ARB) ニフェジピン(Ca拮抗薬) サワタール(β遮断薬) カプトプリル(ACE阻害薬) 143.4円 136.9円 142.4円 130.4円 12.2円 36.4円 64.5円 副作用&禁忌 主な副作用 • そう痒、発疹 稀に • 過度の血圧低下 • ショック、アナフィラキシー様症状 • 高カリウム血症 • 横紋筋融解症 ,etc. その他 • ほんのりヨーグルトのような香りがする。それ ほど嫌な匂いではないが、以前この匂いが我 慢できずに薬を変更した患者がいた。 脳梗塞再発予防のための 危険因子管理 1. 血液凝固 2. 高血圧 3. 糖尿病 4. 脂質異常症 5. 飲酒・喫煙 6. メタボリックシンドローム ・・・以下略 日本脳卒中学会ガイドライン2009 脂質異常症のコントロール 1. 脳梗塞の再発予防に脂質異常症のコントロール が推奨される[C1] 2. 高用量のスタチン系薬剤は脳梗塞の再発予防に 有効である[B] 日本脳卒中学会ガイドライン2009 処方01:メバロチン10 一般名:プラバスタチン 処方量:10 mg/day (低用量) 薬理作用:HMG-CoA reductase阻害 →正常LDL-Cレベル(<100 mg/dL)の達成により 脳梗塞再発リスクを低下させる 副作用:横紋筋融解 処方05:ゼチーア錠 10mg 高リスクの高LDL-C血症においては スタチンに加えてエゼチミブの投与を考慮する[IIaB] *日本動脈硬化学会ガイドライン2012 一般名:エゼチミブ 処方量:10 mg/day 薬理作用:小腸コレステロール輸送体NPC1L1の阻害 →正常LDL-Cレベル(<100 mg/dL)の達成により 脳梗塞再発リスクを低下させる 処方例からの病状推測まとめ 脳卒中 急性期治療 慢性期治療 後遺症予防 めまい イブロノール 骨折予防 骨粗鬆症 ボナロン 脳梗塞再発予防 血小板凝集 バイアスピリン 高血圧 オルメテック(ARB) 脂質異常症 ゼチーア+プラバスタチン LDL-Cが下がらない! 高用量のスタチン系薬剤は脳梗塞の再発予防に有効である[B] →ただ現実には通常10 mg/dayを投与 • 日本で高用量は使えない 欧米では80 mg/dayのアトロバスタチン/プラバスタ チンが用いられるが、日本での上限は20 mg/day • 日本では世界的なLDL-Cの目標値を達成 できていない 欧米の目標値LDL-C<70 mg/dLを達成できず、日本の 目標値はLDL-C<100 mg/dL [2012 日本動脈硬化学会ガイド ライン] エゼチミブを追加すべきか? • 肯定派 LDL-C低下と脳心血管系障害の減少には強い相関 スタチンを使えないからLDL-Cが下がらない エゼチミブとスタチン併用は有効 代わりにエゼチミブでLDL-Cを下げるべき LDL-Cを下げる必要はない! • スタチン系薬剤でLDL-Cを下げたときでのみ血管系疾患リスク が低下する [meta-analysis Ann Int Med 1998] • エゼチミブ追加が有効であるかどうかは討議中 SHARP trial プラセボに比べ低用量スタチン+エゼチミブが血管系障害 のリスクを13%→11%に低下させた[Lancet 2011] SEAS trial 高用量スタチン+エゼチミブがガン発生率を増加させた [NEJM 2008] エゼチミブを追加すべきか? • 肯定派 LDL-C低下と脳心血管系障害の減少には強い相関 スタチンを使えないからLDL-Cが下がらない エゼチミブとスタチン併用は有効 代わりにエゼチミブでLDL-Cを下げるべき • 否定派 スタチン使用と脳心血管系障害の減少に相関 エゼチミブ追加の有効性は不透明 エゼチミブには発がん性があるかも エゼチミブは追加すべきでない Aspirin v.s. Warfarin • 脳梗塞の再発防止効果はアスピリンとワルファリンで差がない • ワルファリンは脳出血などのリスクを2-4倍に増加させる • ワルファリンはTDMが必要でアスピリンより処方が複雑 Cochrane Database systema0c review 2012 脳梗塞の慢性期にはアスピリンが選択される