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講義資料
みんなで考え よう! 高レベル放射 性廃棄物の 最終処分問題 小野有五 (北大名誉教授・ 北星学園大教授) 別冊 日経 サイエンス 183号 (2012) 諸外国の地層処分の進捗状況 許可 申請 準備段階 文献調査 概要調査 スイス *4 (3地点より検討) 精密調査 *2 フランス (ビュール近 傍) 安全審査 フィンランド (オルキルオ ト) H24.12月末 申 請 建設/操業 スウェーデン (エストハンマル) 英国(公募中) *3 ドイツ (ゴアレーベン) カナダ *5 日本(公募中) *1 *2 *3 *4 *5 米国 *1 (ユッカマウンテン) 政権交代によりユッカマウンテン計画の中止の方針が示され今後の方策を検討中 ムーズ県とオート・マルヌ県の県境の候補区域において詳細調査実施中 ゴアレーベンでの探査と並行し、新たなサイト選定手続の工程を進める NAGRAが提案した3つの地域が承認されサイト選定手続きの第2段階を実施中 8地域において第3段階のフィージビリティ調査を実施中 10万年 とは、どんな時間? 出典:「わが国における高レベル放射性廃棄地層処分の技術的 信頼性」—地層処分研究開発第2次取りまとめ— 総論を編集 10万年周期でくる 氷期(氷河期) 南極氷床 グリーンランド 氷床 氷河期繰り返す原因解明 10万年 周期、氷床の重さで地盤が上下 氷床が大きくなると、下の地盤は重 みによって数千年遅れて沈み始める 一方、融解した後には隆起する性質 があり、上下動は約1000メートルに も達する。地盤が沈めば、氷床表面 の高度が気温の温かい位置に下 がって解けやすくなるなど、上下動は 氷床の形成に影響を及ぼす。 約2万年前の スカンジナビア氷床 最大厚さ: 3800m 氷がとけると →250m以上 の隆起 現在の変動帯 プレートの新しい運動 安定大陸になる スカンジナビア カナダ~シベリアなどの 楯状地の岩盤ができる プレート運動と活断層 - 地球表面の大規模な水平移動 日本 プ レ 熱的に活きている地球 (図:Newton) 世界の地震 と プレート境界 日本 (図:Newton) 日本以外の原発は、ほとんどすべて、安定大陸の上にある! 日本の原発は、世界でもっとも活動的な変動帯の上にある! 石橋克彦(2012)『原発震災』 訴状p.30では、石橋(2011)から引用。 北米プレート ユーラシアプレート 海溝 フィリピン海 プレート 太 平 洋 プ レ ー ト 日 本 列 島 周 辺 の 大 地 形 太平洋側の地震 -プレートの沈み込みと巨大地震 - 直下地震 北米プレート マグマ 巨大地震 太平洋プレート マントル (図:Newton) 地球上で最も活発な 北米プレート 変動帯にある 日本列島! 4つのプレート境界 にある浜岡原発は 世界で最も危険な 原発!! 1980年代まで、 日本海側には、 プレート境界がない と考えられていた! 東 日 本 火 山 帯 の フ ロ ン ト 20年前に 初めてわかった 日本海側の プレート境界 北米プレート 東西圧縮による逆断層・ しゅう曲 帯 としての プレート境界 寿都海底谷 後 志 ト ラ フ 奥尻海嶺 北海道 南西沖地震 鯨瞰図 奥尻島へ30m の巨大津波 松前海台 前縁の活断層 泊原発 鳥瞰図 深さ 1500m 松前海台 変動地形学: 海底の 地形から、断層が くりかえし起きたこと、 将来も起きることを推 定できる プレート境界の大断層崖 最近の断層活動 で、新たにできた 低い断層崖 深さ3500m 日本海 海盆 日本海側の 想定震源域と ひずみ集中帯 ○秋田県 歪み集中帯の最大の 範囲を設定したものと して、断層長さ350km、 断層幅135km、最大 地震規模M8.7の津波 の数値シミュレーショ ンを実施 (A+B+Cの連動) *泊原発沖の地震 *幌延周辺の地震 地震調査研究推進本部 www.jishin.go.jp/main/yosokuchizu/hokkaido/ hokkaido.htm 1: 標津断層帯 2: 十勝平野断層帯 4: 増毛山地東縁断層帯・沼田-砂川の断層帯 6: 石狩低地東縁断 層帯 9: サロベツ断層帯 7: 黒松内低地断層 帯 10: 幌延断層帯 3: 富良野断層帯 5: 当別断層 8: 函館平野西縁断 層帯 サロベツ断層帯は、北海道北部の宗 谷丘陵西縁に分布する活断層帯です。 サロベツ断層帯は、北海道天塩郡豊 富町(とよとみちょう)から同郡幌延町 (ほろのべちょう)を経て、同郡天塩町 (てしおちょう)に至る断層帯です。全 体の長さは約44kmで、概ね北北西 -南南東方向に延びています。 本断層帯に認められる地表の変位地 形は、地下に伏在する東傾斜の断層 のずれによる褶曲の成長の結果, 生じたものと考えられることから、本評 価においては、個々の変位地形につ いてではなく、推定される地下の伏在 断層を評価することとしました。 本断層帯は、 東側が西側に対して相対的に隆起す る逆断層と推定されます。 変動地形学とは? 地下で起きている変動を、地形の変化から とらえる科学: 地下に逆断層があっても、地上(海底)では・・・・・ ふとんのような地層が上に載っていたら・・・・ 地層の変形 逆断層 サロベツ断層帯 我が国の主な活断層の中では今後30年の間に地震 が発生する可能性が、高いグループに属する。 将来の地震発生の可能性 地震の規模 : M7.6程度 地震発生確率: 30年以内に4%以下 平均的な上下方向のずれの速度 0.7m/千年以上 平均活動間隔: 約4000年~8000年 最新活動時期: 約5100年前以後~約4500年前 以前 (最新活動とは特定できない) 震度7直下型地震における被害事例 地盤が固いほど揺れは小さい (土木学会(第1次)・地盤工学会合同調査団 調査速報より) 新潟県山古志村の木沢トンネル 内の被害 地表の被害 (2004年10月中越地震 M6.9) 地表の壊滅的な被害に対し、トンネルの空洞が保たれている 2004年 中越地震 (M6.9)による木沢 トンネルの被害状況 東側側壁の圧壊:東側の壁は地山側 に40cmほど押し出している。 木沢トンネル内床版の亀裂開口(北側坑口より 230m) この地域は、ユーラシアプレートと北米プレート が衝突する日本海東縁変動帯の陸域の新潟-神 戸歪集中帯の中でも強い褶曲を受け複雑な応 力場を生じている地域である。 従来知られていた活断層)の活動ではなく、厚い 堆積層下の未知の断層の活動による地震と考 えられている。メカニズムとしては、北西 - 南東 圧縮の逆断層型の地震である。