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2.7~5.5Vで100μA未満

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2.7~5.5Vで100μA未満
2.7∼5.5V、100μA未満、SC70パッケージ
SPI®インターフェース、14ビットnanoDACTM
AD5641
特長
機能ブロック図
6ピンSC70パッケージ採用
超低消費電流動作:100μA@5V(max)
パワーダウン時の消費電流:0.2μA@3V(typ)
14ビットDACを1個内蔵
Aバージョン:±16 LSB INL
電源電圧:2.7∼5.5V
設計により単調増加性を保証
電圧低下検出機能付きのパワーオン・リセット
(0V出力)
3つのパワーダウン機能
シュミット・トリガ内蔵の低消費電力シリアル・インターフェース
レールtoレール動作の出力バッファ・アンプを内蔵
SYNC 割込み機能
アプリケーション
VDD
AD5641
パワーオン・
リセット
DAC
レジスタ
REF(+)
14ビット
DAC
出力
バッファ
パワーダウン・
コントロール・ロジック
VOUT
抵抗
ネットワーク
04611-001
入力
コントロール・
ロジック
SYNC
電圧レベル設定
バッテリ駆動の携帯用計測器
ゲインとオフセットのデジタル調整
プログラマブルな電圧源と電流源
プログラマブルな減衰器
GND
SCLK SDIN
図1
表1.
関連デバイス
製品番号
説明
AD5601/AD5611/AD5621
2.7∼5.5V、100μA未満、8/10/12ビット
nanoDAC、SPIインターフェース、
SC70パッケージ
概要
nanoDACファミリーのAD5641は14ビット・バッファ付きの電圧出力シング
ルD/Aコンバータ
(DAC)
であり、2.7∼5.5V単電源で動作します。消費
電流は5Vで75μA(typ)
、超小型のSC70パッケージを採用しています。
内蔵の高精度出力アンプにより、レールtoレールの出力振幅を実現しま
す。AD5641の汎用3線式シリアル・インターフェースは、最大30MHzの
クロック・レートで動作し、SPI、QSPI、MICROWIRE、DSPの各イン
ターフェース規格と互換性があります。AD5641のリファレンス電圧は電
源入力を利用しているため、広範な出力ダイナミック・レンジが得られま
す。パワーオン・リセット回路を内蔵しているので、パワーアップ時にDAC
の出力が0Vにリセットされ、デバイスに有効な書込みが行われるまで0V
を維持します。
AD5641は消費電流を3V時に0.2μA(typ)
まで低減するパワーダウン機
能を内蔵しているため、パワーダウン・モード時に出力ピンが出力アンプ
から切り離され、既知の内蔵抵抗にソフトウェアで接続することができま
す。シリアル・インターフェースを介してパワーダウン・モードに移行しま
す。通常動作時の消費電力が小さいため、バッテリ駆動の携帯用機器
に最適です。小型パッケージで低消費電力のこのnanoDACデバイス
は、スペースに制約があり、消費電力の影響を受けやすいアプリケーシ
製品のハイライト
1. 省スペースの6ピンSC70パッケージ
2. 低消費電力、単電源動作。2.7∼5.5Vの単電源で動作し、最大消費
電流が100μAであるため、バッテリ駆動のアプリケーションに最適。
3. 内蔵の出力バッファ・アンプにより、0.5V/μsの標準スルーレートでレ
ールtoレールのDAC出力振幅が可能。
4. リファレンスは電源を利用。
5. クロック速度が最大30MHzの高速シリアル・インターフェースを内蔵。
超低消費電力用に設計。インターフェースは書込みサイクル中にの
みパワーアップ。
6. パワーダウン機能。パワーダウン時のDACの標準消費電流は3Vで
0.2μA。
7. 電圧低下検出機能付きのパワーオン・リセット
ョンでバイアス電圧または制御電圧を生成するレベル設定条件に適し
ています。
アナログ・デバイセズ社は、提供する情報が正確で信頼できるものであることを期していますが、その情報の利用
に関して、あるいはその利用によって生じる第三者の特許やその他の権利の侵害に関して一切の責任を負いませ
ん。また、アナログ・デバイセズ社の特許または特許の権利の使用を明示的または暗示的に許諾するものでもあ
りません。仕様は予告なく変更される場合があります。本紙記載の商標および登録商標は、各社の所有に属します。
日本語データシートは、REVISIONが古い場合があります。最新の内容については、英語版をご参照ください。
©2005 Analog Devices, Inc. All rights reserved.
REV.B
アナログ・デバイセズ株式会社
本 社/東京都港区海岸1-16-1
電話03
(5402)8200
〒105-6891
ニューピア竹芝サウスタワービル
(代)〒532-0003
大阪営業所/大阪府大阪市淀川区宮原3-5-36 電話06(6350)6868
新大阪MTビル2号
AD5641
目次
仕様 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3
入力シフト・レジスタ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥13
SYNC 割込み‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥13
タイミング特性 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4
絶対最大定格 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
パワーオン・リセット‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥14
ESDに関する注意 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
パワーダウン・モード‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥14
ピン配置および機能の説明 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥6
マイクロプロセッサとのインターフェース‥‥‥‥‥‥‥‥15
用語の説明 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7
アプリケーション‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥17
リファレンスをAD5641の電源として選択する方法 ‥‥‥‥17
代表的な性能特性 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8
動作原理‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥13
AD5641を使用したバイポーラ動作 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥17
DAC部 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥13
フォトカプラを用いた絶縁インターフェース‥‥‥‥‥‥‥18
抵抗ストリング‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥13
電源のバイパスとグラウンディング‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥18
出力アンプ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥13
外形寸法‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥19
オーダー・ガイド‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥19
シリアル・インターフェース‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥13
改訂履歴
7/05―Rev. A to Rev. B
Change to Galvanically Isolated Interface Section‥‥‥‥‥‥‥‥18
Changes to Figure 44 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥18
3/05―Rev. 0 to Rev. A
Changes to Timing Characteristics ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥4
Changes to Absolute Maximum Ratings ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥5
Changes to Full-Scale Error Section‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥7
Changes to Figures 28 and 30‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥12
Change to Resistor String Section ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥13
Changes to Power-Down Mode Section ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥14
1/05―Revision 0: Initial Version
2
REV.B
AD5641
仕様
VDD=2.7∼5.5V、RL=2kΩ(GNDに接続)
、CL=200pF(GNDに接続)
。特に指定のない限り、すべての仕様はTMIN∼TMAXで規定。
表2
パラメータ
Min
Aグレード1
Typ
Max
単位
テスト条件/コメント
静的性能
分解能
14
ビット
相対精度(INL)2
±16
LSB
Aグレード
微分非直線性(DNL)2
±1
LSB
設計により単調増加性を保証
DACレジスタに全ビット
「0」
をロード
ゼロコード誤差
0.5
10
mV
オフセット誤差
±0.063
±10
mV
フルスケール誤差
±0.5
ゲイン誤差
±0.0004
±0.037
FSRの%
ゼロコード誤差の温度ドリフト
5.0
μV/℃
ゲイン温度係数
2.0
FSRのppm/℃
mV
DACレジスタに全ビット
「1」
をロード
出力特性3
出力電圧範囲
0
出力電圧セトリング時間
6
VDD
V
10
μs
コード1/4スケール∼3/4スケール
(±1LSB以内)
スルーレート
0.5
V/μs
容量負荷安定性
470
pF
RL=∞
1000
pF
RL=2kΩ
出力ノイズ・スペクトル密度
120
nV/ Hz
DACコード=ミッドスケール、1kHz
ノイズ
2
μV
DACコード=ミッドスケール、
帯域幅0.1∼10Hz
デジタルからアナログへのグリッチ・インパルス
5
nV-s
デジタル・フィードスルー
0.2
nV-s
DC出力インピーダンス
0.5
Ω
短絡電流
15
mA
メジャー・キャリー周辺の1LSB変化
VDD=3V/5V
ロジック入力
入力電流4
±2
μA
入力ローレベル電圧(VINL)
0.8
V
VDD=4.5∼5.5V
0.6
V
VDD=2.7∼3.6V
1.8
V
VDD=4.5∼5.5V
1.4
V
VDD=2.7∼3.6V
入力ハイレベル電圧(VINH)
ピン容量
3
pF
電源条件
VDD
2.7
5.5
V
IDD(ノーマル・モード)
すべてのデジタル入力=0VまたはVDD
DAC動作時(負荷電流を除く)
VDD=4.5∼5.5V
75
100
μA
VIH=VDDおよびVIL=GND
VDD=2.7∼3.6V
60
90
μA
VIH=VDDおよびVIL=GND
IDD(すべてのパワーダウン・モード)
VDD=4.5∼5.5V
0.5
μA
VIH=VDDおよびVIL=GND
VDD=2.7∼3.6V
0.2
μA
VIH=VDDおよびVIL=GND
96
%
電力効率
IOUT/IDD
ILOAD=2mA、VDD=±5V、
フルスケール負荷
1
Aグレードの温度範囲:−40∼+125℃、+25℃で測定。
2
直線性はコード範囲を縮小して計算(コード256∼16128)
。
3
設計および特性評価により保証していますが、出荷テストは実施していません。
4
すべてのピンに流入する合計電流。
REV.B
3
AD5641
タイミング特性
VDD=2.7∼5.5V。特に指定のない限り、すべての仕様はTMIN∼TMAXで規定。図2参照。
表3
パラメータ
限界値1
単位
テスト・レベル 条件/コメント
t12
33
ns min
SCLKサイクル時間
t2
5
ns min
SCLKのハイレベル時間
t3
5
ns min
SCLKのローレベル時間
t4
10
ns min
SYNC からSCLKの立下がりエッジまでのセットアップ時間
t5
5
ns min
データのセットアップ時間
t6
4.5
ns min
データのホールド時間
t7
0
ns min
SCLKの立下がりエッジから SYNC の立上がりエッジまでの時間
t8
20
ns min
SYNC の最小ハイレベル時間
t9
13
ns min
SYNC の立上がりエッジから次のSCLKの立下がりエッジまで
1
すべての入力信号はtr=tf=1ns/V(VDDの10%から90%)
で規定し、
(VIL+VIH)/2の電圧レベルからの時間とします。
2
SCLKの最大周波数は30MHz。
t4
t2
t1
t9
SCLK
t8
t3
t7
SYNC
t5
SDIN
D15
D14
D2
D1
D0
D15
D14
04611-002
t6
図2. タイミング図
4
REV.B
AD5641
絶対最大定格
特に指定のない限り、TA=25℃。
表4
パラメータ
定格
GNDに対するVDD
−0.3∼+7.0V
GNDに対するデジタル入力電圧
−0.3∼VDD+0.3V
GNDに対するVOUT
−0.3∼VDD+0.3V
左記の絶対最大定格を超えるストレスを加えると、デバイスに恒久的な
損傷を与えることがあります。この規定はストレス定格のみを指定するも
のであり、この仕様の動作セクションに記載する規定値以上でのデバイ
ス動作を定めたものではありません。デバイスを長時間絶対最大定格状
態に置くと、デバイスの信頼性に影響を与えることがあります。
動作温度範囲
工業用(Aグレード)
−40∼+125℃
保存温度範囲
−65∼+160℃
最大ジャンクション温度
150℃
SC70パッケージ
θJA熱抵抗
433.34℃/W
θJC熱抵抗
149.47℃/W
ピン温度、ハンダ処理
ベーキング時間(60秒)
215℃
赤外線(15秒)
220℃
ESD
2.0kV
注意
ESD(静電放電)
の影響を受けやすいデバイスです。人体や試験機器には4,000Vもの高圧の静電気が容易に蓄積され、検
知されないまま放電されることがあります。本製品は当社独自のESD保護回路を内蔵してはいますが、デバイスが高エネルギ
ーの静電放電を被った場合、回復不能の損傷を生じる可能性があります。したがって、性能劣下や機能低下を防止するため、
ESDに対する適切な予防措置を講じることをお勧めします。
REV.B
5
AD5641
SYNC 1
SCLK 2
SDIN 3
AD5641
上面図
(実寸では
ありません)
6
VOUT
5
GND
4
VDD
04611-003
ピン配置および機能の説明
図3. 6ピンSC70のピン配置
表5. ピン機能の説明
ピン番号
記号
1
SYNC
機能
レベル・トリガの制御入力(アクティブ・ロー)
。これは、入力データに対するフレーム同期信号です。SYNC がローレ
ベルになると、入力シフト・レジスタがイネーブルになり、データは後続のクロックの立下がりエッジで入力されま
す。SYNC ラインはSCLKの少なくとも16個の立下がりエッジの間ローレベルに保持され、DACは16番目の立下がり
エッジで更新されます。ただし、16番目の立下がりエッジの前に SYNC をハイレベルにすると、これは書込みシーケ
ンスへの割込みとして機能し、シフト・レジスタがリセットされて書込みシーケンスは無効とみなされます。
2
SCLK
シリアル・クロック入力。シリアル・クロック入力の立下がりエッジで、データが入力シフト・レジスタに入力されます。デ
3
SDIN
4
VDD
電源入力。AD5641は2.7∼5.5Vの電源で動作し、VDDはGNDにデカップリングします。
5
GND
AD5641上の全回路に対するグラウンド基準ポイント。
6
VOUT
DACからのアナログ出力電圧。出力アンプはレールtoレール動作を行います。
ータは最大30MHzのレートで転送できます。
シリアル・データ入力。このデバイスには、16ビットのシフト・レジスタが内蔵されています。データは、シリアル・クロック
入力の立下がりエッジでシフト・レジスタに入力されます。
6
REV.B
AD5641
用語の説明
相対精度または積分非直線性(INL)
DACの場合、相対精度または積分非直線性とは、DAC伝達関数の2つ
総合未調整誤差(TUE)
総合未調整誤差とは、さまざまな誤差を考慮した出力誤差を表します。
のエンドポイントを結ぶ直線からの最大偏差(単位はLSB)
を表します。
代表的なコードとINLの関係については図4を参照。
代表的なコードとTUEの関係については図7を参照。
ゼロコード誤差ドリフト
微分非直線性(DNL)
微分非直線性とは、隣接する2つのコードの間における測定された変化
ゼロコード誤差ドリフトとは、温度変化にともなうゼロコード誤差の変化を
表し、μV/℃の単位で表します。
と理論的な1LSB変化との差を表します。微分非直線性の仕様が
±1LSB以内の場合、単調増加性が保証されています。このDACは設
ゲイン誤差ドリフト
計により単調増加性を保証しています。代表的なコードとDNLの関係に
ゲイン誤差ドリフトとは、温度変化にともなうゲイン誤差の変化を表し、
(フ
ついては図12を参照。
ルスケール・レンジのppm)/℃の単位で表します。
ゼロコード誤差
ゼロコード誤差とは、ゼロコード
(0x0000)
をDACレジスタにロードしたと
デジタルからアナログへのグリッチ・インパルス
デジタルからアナログへのグリッチ・インパルスとは、DACレジスタの入
きの出力誤差を表します。理論的には出力は0Vになるはずです。
AD5641ではDAC出力が0Vよりも低くなることはないため、ゼロコード誤
力コードが変化したときに、入力からアナログ出力に注入されるインパル
スを表します。通常、グリッチの面積として規定され、nV-sで表します。
差は常に正の値となります。この誤差は、DACのオフセット誤差と出力
メジャー・キャリーの遷移(0x2000から0x1FFF)時に、デジタル入力コー
アンプのオフセット誤差が原因で発生します。ゼロコード誤差はmVの単
位で表します。ゼロコード誤差の温度特性については図10を参照。
ドが1LSB変化したときの測定値です。図26参照。
フルスケール誤差
デジタル・フィードスルー
デジタル・フィードスルーとは、DAC出力の更新が行われていないとき
フルスケール誤差とは、フルスケール・コード
(0xFFFF)
をDACレジスタ
に、DACのデジタル入力からDACのアナログ出力に注入されるインパ
にロードしたときの出力誤差を表します。理論的には出力はVDD−1LSB
になるはずです。フルスケール誤差はmVで表します。フルスケール誤
ルスを表します。nV-sの単位で規定され、データ・バス上でのフルスケ
ール変化時、すなわち全ビット
「0」から全ビット
「1」
に変化したとき、また
差の温度特性については図10を参照。
は全ビット
「1」から全ビット
「0」
にコードが遷移するときに測定します。
ゲイン誤差
ゲイン誤差とは、DACのスパン誤差を表します。DAC伝達特性の理論
値からの実際の傾き偏差を示すもので、フルスケール・レンジの%値で
表します。
REV.B
7
AD5641
代表的な性能特性
16
VDD = 5V
14
TA = 25°C
12
10
16
14
TUE誤差(LSB)
4
2
8
6
4
2
0
–2
–4
–6
–8
2256
4256
6256
–14
–16
256
8256 10256 12256 14256
DACコード
図4. 代表的なINL
2256
4256
6256
8256 10256
DACコード
12256
04611-007
–10
–12
04611-004
INL誤差(LSB)
8
6
0
–2
–4
–6
–8
–10
–12
–14
–16
256
VDD = 5V
°c
TA = 25°C
12
10
14256
図7. 代表的な総合未調整誤差(TUE)
15
6
最大TUE誤差 @ V DD = 3V
4
10
最大INL @ VDD = 3V
最大INL @ VDD = 5V
0
INL誤差(LSB)
5
TUE誤差(LSB)
2
–2
–4
最大TUE誤差 @ V DD = 5V
0
最小TUE誤差 @ V DD = 5V
–5
–6
最小INL @ VDD = 5V
最小INL @ VDD = 3V
–10
–20
0
20
40
60
温度(℃)
80
100
120
140
–15
–40
04611-005
–10
–40
図5. INL誤差の温度特性(3V/5V電源)
0
20
40
60
温度(℃)
80
100
120
140
図8. 総合未調整誤差(TUE)の温度特性(3V/5V電源)
20
10
TA = 25°C
TA = 25°C
8
15
最大TUE誤差
6
10
最大INL誤差
4
TUE誤差(LSB)
5
0
–5
最小INL誤差
2
0
–2
–4
–10
–6
–15
最小TUE誤差
–20
2.7
3.2
3.7
4.2
電源電圧(V)
4.7
5.2
–10
2.7
図6. 電源電圧 対 INL誤差(25℃時)
3.2
3.7
4.2
電源(V)
4.7
5.2
04611-009
–8
04611-006
INL誤差(LSB)
–20
04611-008
最小TUE誤差 @ V DD = 3V
–8
図9. 電源電圧 対 総合未調整誤差(TUE)
(25℃時)
8
REV.B
AD5641
0.0025
0.6
0.0020
0.5
0.0015
0.4
ゼロスケール誤差@VDD=5V
最大DNL @ VDD = 3V
DNL誤差(LSB)
0.3
ゼロスケール誤差@VDD=3V
フルスケール誤差@VDD=5V
0
–0.0005
–0.0010
0.2
0
–0.1
フルスケール誤差@VDD=3V
–0.0015
–0.2
–0.0020
–0.3
–0.0025
–40
–20
0
20
40
60
温度(℃)
最大DNL @ VDD = 5V
0.1
80
100
120
140
最小DNL @ VDD = 3V
最小DNL @ VDD = 5V
–0.4
–40
–20
図10. ゼロコード/フルスケール誤差の温度特性(3V/5V)
0
20
40
60
温度(℃)
80
100
120
140
04611-013
0.0005
04611-010
誤差(LSB)
0.0010
図13. DNL誤差の温度特性(3V/5V)
1.0
0.0020
TA = 25°C
TA = 25°C
0.8
0.0015
0.6
ゼロコード誤差
0.4
DNL誤差(LSB)
誤差(LSB)
0.0010
0.0005
0
フルスケール誤差
–0.0005
最大DNL誤差
0.2
0
–0.2
最小DNL誤差
–0.4
–0.0010
–0.6
–0.0015
3.7
4.2
電源電圧(V)
4.7
5.2
–1.0
2.7
図11. 電源電圧 対 ゼロコード/フルスケール誤差(25℃時)
3.2
3.7
4.2
電源電圧(V)
4.7
5.2
04611-014
3.2
04611-011
–0.0020
2.7
–0.8
図14. 電源電圧 対 DNL誤差(25℃時)
12
0.5
VDD = 5V
0.4 TA = 25°C
10
VDD = 3V
VIH = DVDD
VIL = GND
TA = 25°C
VDD = 5V
VIH = DVDD
VIL = GND
TA = 25°C
0.3
0.1
個数
DNL誤差(LSB)
8
0.2
6
0
4
–0.1
–0.2
2
IDD (mA)
図12. 代表的なDNL
REV.B
図15. IDDヒストグラム(3V/5V)
9
04611-015
8256 10256 12256 14256
DACコード
0.05885
0.06648
0.06710
0.06773
0.06835
0.06897
0.06960
0.07022
0.07084
0.07147
0.07209
0.07271
0.07334
6256
0.05814
4256
0.05742
2256
0.05671
0
04611-012
–0.5
256
0.05599
–0.4
0.05456
0.05527
–0.3
AD5641
1.5
0.10
TA = 25°C
1.4
0.09
1.2
0.08
1.1
0.07
1.0
0.9
IDD (mA)
オフセット誤差(mV)
1.3
VDD = 5V
0.8
0.7
0.05
0.04
VDD = 3V
0.6
0.06
0.5
0.03
0.4
0.02
0.3
–20
0
20
40
60
80
100
120
140
温度(℃)
04611-016
0.1
–40
0
2.7
図16. オフセット誤差の温度特性(3V/5V)
3.2
3.7
4.2
電源電圧(V)
4.7
04611-019
0.01
0.2
5.2
図19. 電源電圧 対 電源電流(25℃時)
0.8
0
VDD = 5V
TA = 25 °C
0.6
–0.002
DACにゼロスケール・コードをロード
0.4
VDD = 5V
–0.006
∆VO (V)
ゲイン誤差(%FSR)
–0.004
–0.008
0.2
0.0
–0.010
–0.2
VDD = 3V
–0.012
DACにフルスケール・コードをロード
–0.4
–0.6
–20
0
20
40
60
温度(℃)
80
100
120
–15
04611-017
–0.016
–40
140
–10
–5
0
5
10
15
04611-020
–0.014
I (mA)
図17. ゲイン誤差の温度特性(3V/5V)
図20. シンク能力とソース能力
70
0.10
VDD = 5V
0.09
60
0.08
50
0.07
VDD = 3V
IDD (mA)
0.06
0.05
VDD = 3V
40
30
0.04
20
0.03
0.02
10
0
–40
0
–20
0
20
40
60
温度(℃)
80
100
120
140
0
図18. 電源電流の温度特性(3V/5V)
2000
4000
6000 8000 10000 12000 14000 16000
デジタル入力コード
04611-021
0.01
04611-018
IDD (mA)
VDD = 5V
図21. デジタル入力コード 対 電源電流
10
REV.B
AD5641
CH1
VDD
TA = 25°C
VDD = 5V
VDD = 5V
TA = 25°C
CH1 = SCLK
CH2
04611-022
CH1 = 5V/DIV CH2 = 1V/DIV 時間軸=2μs/DIV
04611-025
VOUT
CH2 = VOUT
CH1 1V, CH 2 5V, 時間軸=50μs/DIV
図22. フルスケール・セトリング時間
図25. VDD 対 VOUT
2.458
2.456
TA = 25°C
VDD = 5V
2.454
CH1 = SCLK
2.452
振幅(V)
2.450
2.448
2.446
2.444
2.442
TA = 25°C
VDD = 5V
負荷=2kΩおよび220pF
コード:0x2000∼0x1FFFの変化
10ns/サンプル数
2.440
2.438
04611-023
CH1 = 5V/DIV CH2 = 1V/DIV 時間軸=2μs/DIV
2.436
図23. ハーフスケール・セトリング時間
VDD = 5V
TA = 25°C
0
100
200
300
サンプル数
400
500
04611-026
CH2 = VOUT
図26. デジタルからアナログへのグリッチ・エネルギー
VDD = 5V
TA = 25°C
VDD
ミッドスケールをロード
CH1
CH1
CH1 1V, CH2 20mV, 時間軸=20μs/DIV
CH1 5μV/DIV
図24. パワーオン・リセット時の0V出力
REV.B
図27. 1/fノイズ(帯域幅0.1∼10Hz)
11
04611-027
CH2
04611-024
VOUT = 70mV
AD5641
700
CH1
出力ノイズ・スペクトル密度(nV/ Hz)
VDD = 5V
TA = 25°C
VOUT
VDD = 5V
TA = 25°C
出力無負荷
600
500
400
ゼロスケール
300
ミッドスケール
200
フルスケール
04783-028
CH1 5V, CH2 1V, 時間軸 = 2 µs/DIV
0
100
1000
図28. パワーダウン・モードの終了
140
450
3/4スケール
TA = 25°C
400
120
ミッドスケール
SCLK/SDIN
減少
VDD=5V
300
IDD (µA)
80
ゼロスケール
SCLK/SDIN
増加
VDD=3V
250
200
150
40
100
20
50
0
5
10
15
20
周波数(MHz)
25
0
SCLK/SDIN減少VDD=3V
0
1
2
3
4
5
VLOGIC (V)
図29. IDD 対 SCLK 対 コード
6
04611-044
0
04611-029
IDD (µA)
SCLK/SDIN
増加
VDD=5V
350
1/4スケール
60
100000
図30. ノイズ・スペクトル密度
フルスケール
100
10000
周波数(MHz)
04611-030
100
CH2
図31. ロジック電圧 対 SCLK/SDIN
12
REV.B
AD5641
動作原理
DAC部
出力アンプ
AD5641 DACは、CMOSプロセスを用いて製造されています。このア
ーキテクチャは、ストリングDACとその後段の出力バッファ・アンプから
出力バッファ・アンプは、出力でレールtoレールの電圧を発生することが
でき、0V∼VDDの範囲の電圧を出力します。GNDに接続された2kΩと、
構成されています。図32に、DACアーキテクチャのブロック図を示し
これに並列接続された1000pFの負荷を駆動できます。図20に、出力ア
ます。
ンプのソース能力とシンク能力を示します。出力負荷をつけた状態でス
ルーレートは0.5V/μsであり、ハーフスケールでのセトリング時間は8μs
VDD
です。
REF (+)
DACレジスタ
VOUT
抵抗ネットワーク
REF (–)
シリアル・インターフェース
出力アンプ
04611-031
AD5641は、SPI、QSPI、MICROWIREの各インターフェース規格、およ
び大半のDSPと互換性をもつ3線式シリアル・インターフェース
( SYNC 、
GND
SCLK、SDIN)
を備えています。図2に、代表的な書込みシーケンスのタ
イミング図を示します。
図32. DACアーキテクチャ
DACへの入力コーディングはストレート・バイナリを使っているため、理論
的な出力電圧は次式で得られます。
V OUT
=
V DD ×
SYNC ラインをローレベルにすることによって、書込みシーケンスが開
始されます。SDINラインのデータは、SCLKの立下がりエッジで16ビッ
トのシフト・レジスタに入力されます。シリアル・クロック周波数は最大
30MHzまで対応しているので、
AD5641は高速DSPと互換性があります。
D
16384
クロックの16番目の立下がりエッジで最後のデータビットが入力され、
プログラミングされた機能が実行されます(DACレジスタ値の変更や
動作モードの変更)
。この時点で、SYNC ラインをローレベルに保持す
ここで、D はDACレジスタにロードされるバイナリ・コードの10進値で、
0∼16,384の値です。
るか、ハイレベルにすることができます。いずれの場合でも、SYNC の
立下がりエッジで次の書込みシーケンスが開始できるようにするため、
次の書込みシーケンスの前に最小33nsの間 SYNC をハイレベルに保
持する必要があります。
抵抗ストリング
図33に、抵抗ストリングの構造を示します。各値がRのシンプルな抵抗
のストリングになっています。DACレジスタにロードされるコードにより、こ
のストリング上のどのノードから電圧が出力アンプに供給されるかが決
SYNC バッファを流れる電流はVINL=0.8Vの場合よりVINH=1.8Vの場
合の方が大きくなるため、さらにデバイスの消費電力を削減するには各
書込みシーケンスの間もSYNC をアイドル・ローレベルに維持してくだ
定されます。ストリングとアンプを接続しているスイッチの1つが閉じるこ
とで、電圧が出力アンプに供給されます。抵抗のストリングであるため、
必要があります。
さい。ただし、次の書込みシーケンスの開始前に1度ハイレベルに戻す
単調増加性が保証されます。
入力シフト・レジスタ
入力シフト・レジスタは16ビット幅です
(図34参照)
。最初の2ビットはコン
トロール・ビットで、デバイスの動作モードを決定します
(ノーマル・モー
R
ドまたは3種類のパワーダウン・モード)
。各モードの詳細については、
「パ
R
ワーダウン・モード」の項を参照してください。次の14ビットはデータビッ
トであり、SCLKの16番目の立下がりエッジでDACレジスタに転送され
R
出力アンプ
ます。
SYNC割込み
通常の書込みシーケンスでは、SYNC ラインはSCLKの少なくとも16個
の立下がりエッジの間ローレベルに保持され、DACは16番目の立下が
R
04611-032
R
りエッジで更 新されます。ただし、1 6 番 目の立 下 がりエッジの前
に SYNC をハイレベルにすると、これは書込みシーケンスへの割込みと
して機能します。シフト・レジスタがリセットされて書込みシーケンスは無
効とみなされ、DACレジスタ値の更新も動作モードの変更も行われませ
ん
(図35参照)
。
図33. 抵抗ストリングの構造
REV.B
13
AD5641
DB15 (MSB)
PD1
PD0
DB0 (LSB)
D13
D12
D11
D10
D9
D8
D7
D6
D5
D4
D3
D2
D1
D0
データビット
0
1
1
0
1
1
通常の動作
1kΩを介してGNDに接続
100kΩを介してGNDに接続
スリーステート
04611-033
0
0
パワーダウン・モード
図34. 入力レジスタ値
SCLK
SDIN
DB15
DB0
DB16
無効な書込みシーケンス:
16番目の立下がりエッジの前にSYNCをハイレベルに設定
04611-034
SYNC
DB0
有効な書込みシーケンス:
16番目の立下がりエッジで出力が更新
図35. SYNCの割込み機能
電源電流が低下するだけでなく、出力段も内部的にアンプ出力から切
パワーオン・リセット
り離されて既知の値をもつ抵抗ネットワークに接続されます。これは、デ
AD5641には、パワーアップ時に出力電圧を制御するパワーオン・リセッ
バイスの出力インピーダンスが既知であると同時にデバイスがパワーダ
ウン・モードになるという利点があります。出力が内部で1kΩの抵抗また
ト回路が内蔵されています。DACレジスタに0が設定され、出力電圧は
0Vになります。DACに有効な書込みシーケンスが実行されるまでこの状
態が保持されます。この機能は、デバイスのパワーアップ時にDACの出
は100kΩの抵抗を経由してGNDに接続されるか、または出力がオープ
ン
(スリーステート)
になるかの3種類のオプションがあります。
力状態を把握しておく必要のあるアプリケーションで特に有用です。
図36に出力段を示します。
パワーダウン・モード
抵抗
ストリングDAC
定可能です。表6に、この2ビットの設定と対応するデバイスの動作モー
ドを示します。
表6.
アンプ
パワーダウン
回路
AD5641の動作モード
DB15
DB14
動作モード
0
0
通常の動作
0
1
1kΩを介してGNDに接続
1
0
100kΩを介してGNDに接続
1
1
スリーステート
VOUT
抵抗
ネットワーク
04611-035
AD5641には4つの動作モードがあります。動作モードは、コントロール・
レジスタの2ビット
(DB15とDB14)
を設定することによりソフトウェアから設
図36. パワーダウン時の出力段
パワーダウン・モード:
パワーダウン・モードを起動すると、バイアス発生器、出力アンプ、抵抗
ストリング、その他の関係するリニア回路がすべてシャットダウンされま
す。ただし、パワーダウン・モード時であってもDACレジスタの値は影響
を受けることはありません。パワーダウン・モードを終了してパワーアップ
、V DD=3Vのときに
するまでの時間は、V DD=5Vのときに13μs( typ)
両ビットを
「0」
に設定すると、デバイスは5V時最大100μAの消費電流
で通常の動作を実行します。しかし、3つのパワーダウン・モード時には、
電源電流が3Vで0.2μA(typ)
まで低下します。
16μs(typ)
です
(図28を参照)
。
14
REV.B
AD5641
マイクロプロセッサとのインターフェース
AD5641とADSP-2101/ADSP-2103との
インターフェース
AD5641とBlackfin® ADSP-BF53Xとのインターフェース
図39に、AD5641とBlackfin ADSP-BF53xマイクロプロセッサとのシリア
図37に、AD5641とADSP-2101/ADSP-2103とのシリアル・インターフェー
ル・インターフェースを示します。ADSP-BF53xファミリーのプロセッサに
は、シリアル通信とマルチプロセッサ通信用に2つのデュアル・チャンネ
スを示します。ADSP-2101/ADSP-2103は、SPORTオルタネート・フレー
ムミング送信モードで動作するようにセットアップする必要があります。
ル同期シリアル・ポート
(SPORT1とSPORT0)が内蔵されています。
ADSP-2101/ADSP-2103のSPORTは、SPORTコントロール・レジスタで
設定し、内部クロック動作、アクティブ・ローレベル・フレーミング、16ビッ
SPORT0を用いたAD5641との接続では、次のようにインターフェースが
セットアップされます。DT0PRIがAD5641のSDINピンを駆動し、TSCLK0
がAD5641のSCLKを駆動します。SYNC はTFS0から駆動されます。
ト・ワード長に設定する必要があります。送信は、SPORTをイネーブル
にした後、Txレジスタにワードを書きこむことにより開始されます。
ADSP-BF53x*
SYNC
DT
SDIN
SCLK
DT0PRI
SDIN
TSCLK0
SCLK
TFS0
SYNC
04611-038
TFS
SCLK
AD5641*
AD5641*
04611-036
ADSP-2101/
ADSP-2103*
*わかりやすくするため他のピンは省略しています。
*わかりやすくするため他のピンは省略しています。
図39. AD5641とBlackfin ADSP-BF53xとのインターフェース
図37. AD5641とADSP-2101/ADSP-2103とのインターフェース
AD5641と68HC11/68L11とのインターフェース
AD5641と80C51/80L51とのインターフェース
図38に、AD5641と68HC11/68L11マイクロコントローラとのシリアル・イン
図40に、AD5641と80C51/80L51マイクロコントローラとのシリアル・インタ
ターフェースを示します。68HC11/68L11のSCKがAD5641のSCLKを駆
動し、MOSI出力がDACのシリアル・データ・ラインを駆動します。SYNC
ーフェースを示します。このインターフェースのセットアップでは、
80C51/80L51のTxDがAD5641のSCLKを駆動し、RxDがシリアル・デー
タ・ラインを駆動します。SYNC 信号はこの場合も、ポートのビット・プロ
信号は、ポート・ライン
(PC7)
から生成されます。このインターフェースの
正常動作のためには、68HC11/68L11でCPOLビット=
「0」かつCPHAビ
グラマブルなピンから生成されます。このケースでは、ポート・ラインP3.3
ット=
「1」
となるように設定する必要があります。データがDACに転送さ
れているときは 、SYNC ラインがローレベ ルになります( P C 7 )。
を使用します。データがAD5641に転送されるとき、P3.3はローレベルに
なります。
68HC11/68L11が上記のように設定された場合には、MOSIに出力され
るデータはSCKの立下がりエッジで有効になります。シリアル・データは
68HC11/68L11から8ビットのバイトで転送され、送信サイクル内には立
データは80C51/80L51から8ビットのバイトで転送されるため、送信サイ
クル内には立下がりクロック・エッジが8個しかありません。データをDAC
下がりクロック・エッジが8個しかありません。データはMSBファーストで
転送されます。データをAD5641にロードするときは、最初の8ビットが転
にロードするときは、最初の8ビットが転送された後もP3.3をローレベルの
ままにして、2番目の書込みサイクルを実行すると、データの2番目のバ
送された後にもPC7をローレベルのままにして、DACに対して2番目のシ
イトの転送が開始されます。このサイクルの完了後にP3.3をハイレベル
リアル書込み動作を実行します。この手順の終わりに、PC7をハイレベ
ルにします。
にします。80C51/80L51はシリアル・データをLSBファーストで出力します
が、AD5641はMSBファーストでデータを受け取る必要があります。
80C51/80L51の送信ルーチンは、これを考慮に入れてください。
AD5641*
SYNC
SCK
SCLK
MOSI
SDIN
04611-037
80C51/80L51*
PC7
AD5641*
P3.3
SYNC
TXD
SCLK
RXD
SDIN
*わかりやすくするため他のピンは省略しています。
図38. AD5641と68HC11/68L11とのインターフェース
*わかりやすくするため他のピンは省略しています。
図40. AD5641と80C51/80L51とのインターフェース
REV.B
15
04611-039
68HC11/
68L11*
AD5641
MICROWIRE*
図41に、AD5641とMICROWIRE互換デバイスとのインターフェースを示
します。シリアル・データはシリアル・クロック
(SK)
の立下がりエッジで出
力され、SKの立上がりエッジでAD5641に入力されます。
AD5641*
CS
SYNC
SK
SCLK
SO
SDIN
04611-040
AD5641とMICROWIREとのインターフェース
*わかりやすくするため他のピンは省略しています。
図41. AD5641とMICROWIREとのインターフェース
16
REV.B
AD5641
アプリケーション
リファレンスをAD5641の電源として選択した場合
AD5641を使用したバイポーラ動作
AD5641は超小型のSC70パッケージを採用し、100μA未満の電源電流
で動作します。このため、リファレンスの選択はアプリケーションで要求
AD5641は単電源動作用に設計されていますが、図43に示す回路を使
用すると、バイポーラ出力範囲も可能です。この回路では出力電圧範
される条件により異なります。省スペース・アプリケーションでは、9ppm/℃
囲が±5Vとなります。出力アンプとしてAD820またはOP295を使用する
の優れたドリフト性能を持つSC70パッケージのADR02が使用できます
(R-8パッケージは3ppm/℃)
。0.1∼10Hzの範囲で3.4μVp-pの非常に
と、アンプ出力でのレールtoレール動作が可能です。
R2 = 10k Ω
優れたノイズ性能も持っています。
+5V
+5V
AD5641は、要求する電源電流は極めて小さいため低消費電力アプリ
R1 = 10k Ω
AD820/
OP295
ケーションに最適です。この場合、電圧リファレンスADR395の使用を推
奨します。100μA未満の静止電流で済むため、必要に応じて1つのシ
10 µF
ステム内で複数のDACを駆動できます。またノイズ性能も、0.1∼10Hz
の範囲で8μVp-pと非常に優れています。
0.1 µF
+5V
VOUT
VDD
AD5641
–5V
04611-042
3線式
シリアル・
インターフェース
7V
図43. AD5641によるバイポーラ動作
5V
ADR395
任意の入力コードに対する出力電圧は次のように算出できます。
SYNC
SCLK
AD 5641
VOUT = 0∼5V
SDIN
04611-041
3線式
シリアル・
インターフェース
VO
=
V DD ×
D
16384
×
R1 + R2
R1
– V DD ×
R2
R1
図42. ADR395をAD5641の電源として使用した場合
ここで、D は入力コードに等価な10進値(0∼16384)
を表します。VDD=
表7に、AD5641の電源として推奨する高精度リファレンスを挙げます。
表7.
5V、R1=R2=10kΩのとき、
AD5641に使用する高精度リファレンス
製品番号
VO
0.1∼10Hz
初期精度
温度ドリフト
のノイズ
(mV max) (ppm/℃ max) (μVp-p typ)
=
10 × D
16384
–
5V
ADR435
±2
3(R-8)
8
出力電圧範囲は±5Vとなり、0x0000は−5Vの出力に、0x3FFFは+5V
ADR425
±2
3(R-8)
3.4
の出力に、それぞれ対応します。
ADR02
±3
3(R-8)
10
ADR02
±3
3(SC70)
10
ADR395
±5
9(TSOT-23)
8
REV.B
17
AD5641
デジタル・アイソレータ(i Coupler)を用いた
絶縁インターフェース
電源のバイパスとグラウンディング
工業環境のプロセス制御アプリケーションでは、絶縁インターフェースを
精度が重視される回路では、ボード上の電源とグラウンド・リターンのレ
イアウトに注意する必要があります。AD5641を実装するプリント回路ボ
必要とすることが多々あります。それは、DACが動作している環境下で
望ましくない同相電圧から制御回路を保護したり、絶縁したりする必要
ードは、アナログ部とデジタル部を分離し、ボード内でそれぞれまとめて
配置するように設計してください。複数のデバイスがAGNDとDGND間
があるからです。i Coupler®は2.5kVを超える絶縁が可能です。AD5641
の接続を必要とするシステムでAD5641を使用する場合は、必ず1ヵ所
は3線式のシリアル・ロジック・インターフェースを使用しているため、3チ
ャンネルのデジタル・アイソレータ
「ADuM1300」で必要な絶縁を行うこと
のみでこの接続を行ってください。グラウンド・ポイントはAD5641のでき
るかぎり近くに配置してください。
ができます
(図44参照)
。デバイスの電源も絶縁が必要ですが、これは
トランスを使用して行われます。トランスのDAC側では、5Vのレギュレ
AD5641の電源は、10μFと0.1μFのコンデンサを使用してバイパスしま
ータがAD5641に必要な5V電源を供給します。
す。コンデンサはデバイスのできるだけ近くに配置し、0.1μFのコンデン
サは理想的にはデバイスの真上に配置してください。10μFコンデンサ
はタンタルのビード型を使います。0.1μFコンデンサは、セラミック型の等
+5V
レギュレータ
10µF
電源
価直列抵抗(ESR)
が小さく、かつ等価直列インダクタンス
(ESL)
が小さ
いものを使うことが重要です。この0.1μFのコンデンサは、内部ロジック
0.1µF
のスイッチングによる過渡電流に起因して発生する高周波に対して、グ
ラウンドへの低インピーダンス・パスを提供します。
VDD
SCLK
V1A
V0A
ADMu1300
SDI
V1B
電源ラインはできるだけ太いパターンにしてインピーダンスを小さくし、電
源ライン上のグリッチによる影響を低減させるようにします。クロックとそ
SCLK
AD5641
V0B
の他の高速スイッチング・デジタル信号は、デジタル・グラウンドを用い
てボード上の他の部分からシールドします。デジタル信号とアナログ信
VOUT
SYNC
号は、できるだけ交差しないようにしてください。ボードの反対側のパタ
V1C
V0C
ーンは、互いに直角になるように配置し、ボードを通過するフィードスル
ーの影響を削減します。最適なボード・レイアウト技術は、ボードの部品
SDIN
GND
04611-043
データ
側をグラウンド・プレーン専用として使い、信号パターンをハンダ面に配
置するマイクロストリップ技術ですが、2層ボードでは必ずしも使用でき
るとは限りません。
図44. iCouplerを用いた絶縁インターフェース
18
REV.B
AD5641
外形寸法
1.35
1.25
1.15
6
5
4
1
2
3
TDS08/2005/PDF
2.20
2.00
1.80
2.40
2.10
1.80
ピン1
0.65 BSC
1.30 BSC
1.00
0.90
0.70
0.40
0.10
1.10
0.80
0.30
0.15
最大 0.10
実装面
0.22
0.08
0.30
0.10
0.10 平坦性
JEDEC規格MO-203-ABに準拠
図45. 6ピン薄型シュリンク・スモール・アウトライン・
トランジスタ・パッケージ[SC70]
(KS-6)
寸法単位:mm
オーダー・ガイド
1
モデル
温度範囲
説明
AD5641AKSZ-REEL71
−40∼+125℃
INL:±16 LSB
AD5641AKSZ-500RL71
−40∼+125℃
INL:±16 LSB
パッケージ・
オプション
マーキング
6ピン薄型シュリンク・スモール・
アウトライン・トランジスタ・パッケージ
(SC70)
KS-6
D3Q
6ピン薄型シュリンク・スモール・
アウトライン・トランジスタ・パッケージ
(SC70)
KS-6
D3Q
パッケージ説明
Zは鉛フリー製品
REV.B
19
D04611-0-7/05(B)-J
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