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湯梨浜町立東郷中学校

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湯梨浜町立東郷中学校
湯梨浜町立東郷中学校
校長
小 椋
勝 美
平成28年3月11日
卒業おめでとうございます!
平成23年3月11日、多くの尊い命を奪っ
た東日本大震災。今日でまる5年の月日が経ち
ました。ここにお集まりの皆さんとともに心か
ら哀悼の意を表したいと思います。生徒の皆さ
んと同じような年頃の、前途洋々たる未来を閉
ざされてしまった若者のことを考えると胸が痛
くてなりません。地震がもたらした津波と放射
能による打撃の影響は計り知れず、今なお避難
生活を余儀なくされている方がたくさんおられ
ます。被災された多くの方々の心の復興を願う
ばかりです。私も含め、この世に生かされてい
る自分が、家族や友だちのために、そして人のために何ができるのかということを考え、人と人との
心のつながりをより強くしていくよう努力し続けなければならないと考えています。
さて、三寒四温を繰り返し、春の温かさを運んでくるような陽ざしを感じる今日の佳き日、第69
回湯梨浜町立東郷中学校卒業証書授与式にあたり、宮脇正道町長様、前田三郎教育委員長様をはじめ、
多数のご来賓の皆さま方、そして、保護者・ご家族の皆さま、地域の皆さま方にご臨席を賜り、41
名の卒業生の門出を祝福していただきますことに、心から感謝を申し上げます。
保護者の皆さま、本日は誠におめでとうございます。今ここに中学校課程を全て修了し、なおかつ、
9年間の義務教育の全課程を修了いたしました。徐々に親離れし、自立の道を歩み始めた思春期のま
っただ中、保護者の皆さまには、ずいぶんご心配とご迷惑をおかけしたことと思います。それでも卒
業生たちは、素直な心でたくさんのことを吸収し、頼もしく成長してきました。ひとえに、保護者の
皆さまが日ごろから注いでこられた深い愛情の賜であり、心から敬意を表しますとともに、東郷中学
校教育に対する深いご理解とご支援のおかげであり、衷心より感謝いたしております。立派に成長さ
れた我が子の姿を目の当たりにされ、感慨もひとしおのことと思います。
卒業生の皆さん、卒業おめでとう。穏やかで落ち着いた学校生活を送ってきたあなたたちは「晴れ」
を呼び込む学年でした。3年間の学年行事は全て天候があなたたちを応援してくれました。特に、2
年時の大山登山では、雲の中を抜け、頭上に真っ青な青空が広がると同時に眼下に雲海を見渡すこと
ができました。私は一緒に登ることができずに残念でしたが、なかなかお目にかかることができない
貴重な体験なのです。
5月の梨の小袋かけも太陽の恵みをいっぱいに受けまし
た。昨年までは3年生だけが行っていましたが、今年は2年
生と2人ずつ4人のグループを作って地域に出かけていきま
した。先輩としての意地でしょうか、プライドなのでしょう
か、例年以上に黙々と作業に没頭しているあなたたちの姿が
ありました。頼もしくとてもうれしく感じた1日でした。
中学校生活最後の運動会も、もちろん絶好の天気に恵まれ
ました。1年生・2年生・3年生のそれぞれのメンバーが一
緒になって全てのムカデを編成したり、4人のチームを作っ
て大玉を運んだり、学級・学年を越え組団が一つにまとまっ
東郷の宝・二十世紀梨
て演技をするという試みを取り入れ、全校生徒の見事な一体
感を創り出しました。学年に関係なく応援する姿は実にすがすがしく、文字どおり生徒会スローガン
の「創造」を成し遂げたように感じました。
また、皆さんは男女分け隔てなく関わり合うことができ、本校が研究の柱として取り組んでいる「協
同学習」の推進を一層充実させることができました。互いに関わり合う中で新しい気づきがあり、自
分の考えをより深めていくことができます。大切なことは、一人ひとりが自分の役割を確実に果たす
ことによって、班や学級などそれぞれのグループの学習課題を達成するところにあります。毎日の授
業で積み上げてきた「みんなの力で、みんなが伸びる」という協同の理念は、社会に出てからも「豊
かに生きる」ために欠かすことができない学びの理念だと思っています。利益主義が目につく今の世
の中だからこそ、人と人との心のつながりを一層求めていかなければなりません。目先の利便性に目
を取られその流れに巻き込まれるのではなく、東郷中学校で身に付けてきた当たり前のことに自信を
持ち、あなたたちが創る流れが主流となるように願っています。
最後に、皆さんはこれまでにたくさんの地域の方々にお世話になってきました。東郷・花見・舎人
のそれぞれの梨農家の皆さんをはじめ、代々東郷に伝わる伝統芸能を学んだり、社会で働くことにつ
いてもたくさんのことを教わったりしてきました。また、水郷祭や燕趙園のイベント、あるいは各地
区の運動会などにも参加して貢献もしてきました。そんなあなたたちを地域の方はいつも温かく見守
り、応援してくださっています。地域の中で素直に優しく育ってきた皆さん、『ふるさと東郷』に自
信と誇りを持って歩みを進めていってください。これから先の人生、決して順風満帆とはいかないか
もしれません。悲しい時には東郷を思い出してみてください。辛くなった時には帰って来てみるのも
いいでしょう。それでも、皆さんが身に付けたたくさんのつぼみはきっと大きな花を咲かせるはずで
す。仲間に役立つ自分がいることを忘れず、そして、より多くの人に必要とされる人間を目指して、
卒業生の皆さんがさらにさらに大きく成長していくことを祈念しています。
たゆまない努力を心から讃えます!
【皆勤賞】
(無遅刻・無欠席・無早退)
A組 杉井 陽菜さん
前田 和真くん
山田 耕平くん
B組 相見 昌希くん
福田陽奈子さん
吉岡 夏海さん
【第3学年皆勤賞】
A組 土海 涼雅くん
名原 千晴さん
西尾
涼くん、前田
B組 加藤 綾佳さん、絹見
手嶋 和暉くん、森山
あなたは 雨にも負けず
風にも負けず 強い陽ざ
しにも降り積もった雪に
も負けず 東郷中学校の
学舎で3年間の活動を積
み重ねました
あなたのたゆまない努力
をここに讃え賞します
平成 28 年 3 月 11 日
東郷中学校長 小椋勝美
祐希さん、松嶋
翼さん、立木
智貴くん
秀幸くん
実くん
【精勤賞】
(遅刻・欠席・早退…1回)
A組 上橋
巧くん
B組 松本 佳祐くん
森
紗楓さん
※皆勤賞・精勤賞ともに、忌引
きやインフルエンザ等による出
席停止を除きます。
【第3学年精勤賞】
A組 橋本 真美さん
宮脇 海珠さん
B組 生田
唯さん
前田 朋哉くん
卒業証書授与式に先立ち、3年間の皆勤賞と精勤賞、9名を表彰しました。代表して受賞した山田
耕平くんは、2年時の夏休み、駅伝練習に行く途中に自転車のバランスを崩して転倒し、左足を大き
くすりむいてしまいました。しかし、休むどころか練習メニューをこなしていたのには驚かされまし
た。また、今年は駅伝部キャプテンとして後輩を引っ張っていましたが、県駅伝への出場を決めた後、
右足甲の部分に疲労骨折が見つかりました。それでも休むことなく練習に参加し、県駅伝では何と区
間3位の好走でした。授業以外の活動にも手を抜くことはなく、本当に頭が下がる思いです。
第3学年での皆勤賞と精勤賞は、上記の14名でした。ですから、この1年間に限っていえば、半
数以上の人がほぼ無遅刻・無欠席・無早退で毎日学校に通い続けたということです。この継続するこ
と、積み重ねていく姿勢を何よりうれしく思います。
また、欠席の数が2年時に比べて大幅に減る一方、遅刻が多い学年でもありました。そんな中、2
年時に 100 回を数えていた「遅刻の王者」の意識に変化がありました。「友だちと一緒の方が…。」
1学期 10 回、2学期 2 回、そして3学期は 0 回!になりました。見事な変容です。意識が変わって
態度・行動・習慣が次々に変わっていきました。生き方が変わり、人生が変わるのはこれからですね。
さて、卒業生はもちろん、在校生の皆さんも、あなたたちの成長を何より望んでいる家族の方々の
思いが皆さんを支えているということを忘れないでください。そして、あなたたちの成長を喜ぶ担任
の先生や学年団、教科担当の先生方へ感謝の気持ちを伝えることができる人であってください。
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