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Title 工作機械における位置決め精度の基礎研究 Author(s) 水本
Title Author(s) 工作機械における位置決め精度の基礎研究 水本, 洋 Citation Issue Date Text Version none URL http://hdl.handle.net/11094/31181 DOI Rights Osaka University { 1 4 } 海~ 氏名・(本籍) 水 本 学位の種類 工学博士 学位記番号 第 学位授与の日付 昭和 49 年 12 月 25 日 学位授与の要件 工学研究科精密工学専攻 324 6 号 学位規則第 5 条第 1 項該当 学位論文題目 工作機械における位置決め精度の基礎研究 論文審査委員 教(主査授) 津和 秀夫 教(副査授) 川辺 秀昭 教授山田朝治 教授井川直哉 教授築添正 教授牧之内コ郎 教授中川憲治 論文内容の要旨 工作機械の最も基本的な機能であるテーブルなどのしゅう動体の位置決め精度は,加工精度を決定 する重要な因子の一つである。しかし,ごの位置決め精度がどのような過程により決定されているか はこれまでほとんど解明されていない。 本研究は現在の技術水準において位置決め精度に対する影響の最も大きいと考えられる,工作機械 送り装置の機械的分解能を解明することにより,位置決め精度の物理的内容をさぐりだそうとするも のである。 第 1 章では,これまで行なわれてきた位置決め精度に関する研究の概要を述べ,次に本研究の目的 とその内容について述べた。 第 2 章では,送り装置を l 自由度ばね質量系でモデル化して, しゅう動体の停止挙動の振動論的解 析および実験をおこなしヘ位置決め精度が基本的には送り装置のスラスト剛性,テーブル重量および 送り速度により決定されることを明らかにした。 第 3 章では,停止位置のばらつき,すなわち位置決めの再現性が案内面摩擦力の空間的,時間的変 動特性の影響を大きく受けていることをディジタル・シミュレーション 実験により明らかにした。 第 4 章では,この摩擦力の時間的,空間的変動特性を実験的に検討することにより,第 3 章での解 析の正当性を示した。 第 5 章では,送り装置のスラスト剛性を決定する送りねじのうち,最近多用されているボールねじ の剛性や摩擦特性を理論的,実験的に解析することにより,第 2 章および第 6 章における解析結果を 実用する際の問題点を示した。 nδ Qd 第 6 章では,現実の送り装置をなるべく忠実にあらわす 5 自由度パネ質量系のモデルを提案し,そ れを用いて送り装置各機素の位置決め精度への影響を解析するとともに,従来からよく用いられてい る l 自由度モデルの不備な点および応用可能な条件などをも明らかにした。 第 7 章は総括であり,本論文で得た諸結果の概要を述べた。 論文の審査結果の要旨 本論文は,工作機械の機能のなかで最も重要なものの一つでありながら従来経験的,現象論的知識 が大部分であった位置決めの問題のうち,特に機械的側面を理論的,実験的にとりあつかったもので ある。 特にしゅう動体の停止挙動及びその変動の動力学的解析,実際的な位置決め機構における各機械要 素の位置決め精度への影響の解析などは これまでの経験的知識に理論的根拠を与えているばかりで なく,高精度位置決めへの基本指針を示しているといえる。 これらの成果は,近時工作機械やその他の高級機器において特にその要求の強い位置決め精度の向 上の手段として,従来の,高精度機械要素の採用や制御技術の併用に加えて動力学的設計原理を導入 する基礎を与えている。 以上のように,本研究は精密加工学の進歩に寄与するところが大きい。 よって,本論文は博士論文として価値あるものと認める。 ハU 円べu