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USBメモリー完全活用 USB メモリー 完全活用 高速&大容量で
USBメモリー完全活用 特集1 USB メモリー 完全活用 高速&大容量でより便利に 10g 前後の小さな本体に、数 G 〜数十 GB ものデータ を保存できる USB メモリー。最近は USB 3.0 対応製 品が登場し、ハードディスクに匹敵するほどスピードア ップしている。大容量化も進み、16GB 以上の製品も 当たり前だ。これだけ高速・大容量になれば、活用はフ ァイルの持ち運びにとどまらない。USB メモリー用の さまざまな便利ソフトや、Ubuntu、Windows などの OS を入れて、外出先で利用することも可能だ。基本的 な活用や、ビジネス利用に不可欠なセキュリティの知識 も含め、使い方を徹底的に解説しよう。(大橋 源一郎) 40 日経パソコン 2011.9.12 日経パソコン 2011.9.12 41 USBメモリー完全活用 総論 高速・大容量! 用途が広がる“3.0時代” ●USB 3.0対応の高速な製品が増加 USB 2.0よりも 2倍以上速い! 図 1 USB 3.0 規格の USB メモリ ーは、2010 年第 1 四半期から登場 している。2011 年に入って国内外 のメーカーがラインアップを充実さ せてきた ●大容量化が進み、将来は8GB以上が主流に (%) 100 ■ 2GB 以下 ■ 4GB ■ 8GB ■ 16GB 以上 80 60 40 20 0 08 年 07 月 09 年 07 月 10 年 07 月 11 年 07 月 図 2 BCN の調べによる、容量別 USB メモリーの販売本数比率。USB 3.0 対応製品は 4GB 以 下の製品がないことが多い。2011 年後半からは 8G 〜 16GB が売れ筋になりそうだ ●法人向けではウイルス対策機能が広まる 図 3 主に法人向けに販売されている、“ セキュリティ強化型 ” の USB メモリー。暗号化機能に加えて、トレンドマイクロのウイル ス対策ソフトが組み込まれた製品が増えている ●「データ」 「ソフト」 「OS」の持ち運びが、USBメモリーの3大活用法 自宅 職場 1 2 作業中のファイルを 持ち運べる さまざまなソフトを 外出先で使える 3 Linux や Windows を USB メモリーから 起動できる 図 4 USB メモリーといえば、パソコン間でファイルの受け渡しをしたり、職場で作成したファ イルを自宅に持ち帰ったりするために使うことが多かった。容量が増えて転送速度も上がった昨今、 アプリケーションソフトや OS を入れて使うことも容易になっている 42 日経パソコン 2011.9.12 てはもったいない(図 4) 。 ●USBメモリー用ソフトは、パソコンにインストールせずに使える お勧めなのが、USB メモリーにソ USB メモリーが初めて日本で発売 フトを入れて持ち歩くこと。例えば、 されてから10 年以上たった。フロッ 出張先でパソコンを借りて使うとき ピーディスクや CD/DVD に代わり、 に、Word や Excel が入っていなか 今ではデータ交換の主要な手段にな ったら仕事にならない。こんなとき、 っている。もはや成熟したといえる USB メモリーに互換オフィスソフト USB メモリーだが、ここ 2 〜 3 年で の「LibreOffice Portable」を入れて 大きな変化が 3 つあった。 持ち運んでいれば、作業中のファイ その筆頭は、USB 3.0 対応の USB ルを開いて、簡単な編集ができる。 メモリーが 2010 年に登場したこと。 本特集では、USB メモリーに入れて 2011 年に入り、各社が USB 3.0 対応 外出先でも使える便利なソフトを厳 製品を次々に発売している(図 1) 。 選して紹介する。さらに、USB メモ 実際に測ってみると、USB 2.0 対応 リーに Linux(Ubuntu)や Windows 製品より読み出しで 2 〜 4 倍も速い。 などの OS を入れて、そこから起動 USB 3.0 対応の USB メモリ ー は、 して使う方法も紹介しよう。 USB 2.0 端子に接続した場合も既存 USB メモリー用のソフトは、USB の USB 2.0 対応製品より高速なので、 メモリー内に入れたファイルを使っ 自分のパソコンに USB 3.0 端子がな て 動 作 するように 作られ て おり、 くても購入する価値はある。これか Windows のシステムにインストール ら買うなら、将来に備える意味でも せずに起動できる(図 5) 。基本的に、 USB 3.0 製品を検討しよう。 ハードディスクにファイルを置いた 2 つめの傾向は、大容量の USB メ り、レジストリを書き換えたりはし モリ ー が増えたこと( 図 2) 。 今や ない。 1GB の製品はほとんどなく、主流は 導入方法はソフトによって異なり、 4GB と 8GB。今後は 16GB 以上が主 大きく分けて 2 通りある。 一つは、 流になるとみられる。1GB 以下の ダウンロードしたファイルを展開(解 USB メモリーを使っている人は、そ 凍)し、そのフォルダーを USB メモ ろそろ買い替えてもよさそうだ。 リーにコピーする方法(図 6) 。もう 3 つめは、セキュリティを強化し 一つは、ダウンロードしたファイル た法人向けの製品が増えてきたこと。 をダブルクリックしてインストーラ データの暗号化だけでなく、保存し ーを起動し、インストール先に USB たファイルを自動的にウイルスチェ メモリーを指定する方法だ(図 7) 。 ックできるUSB メモリーも増え、売 USB メモリー用のソフトは、ほぼ れ行き好調だ(図 3) 。 全てがオンラインソフト。 多くは、 ソフトを入れて持ち運ぶ 著名なオンラインソフトを USB メモ リーで動くようにしたものだ。年々 USB メモリーは、データの持ち運 増えており、例えば「PortableApps. びや受け渡しに使っている人が多い com」という Web サイトだけでも、 だろう。だが、それだけで終わらせ 200 本以上が公開されている。 図 5 通常のソフトは、インストー ルすると「Program Files」フォル ダーに保存され、レジストリに設定 情報などを書き込み、 「スタート」メ ニューなどに登録される。USB メ モ リ ー 用 ソ フ ト は、 原 則 と し て USB メモリー内のファイルを利用 して動くので、パソコンのシステム にほとんど影響を与えない ソフトを構成するファイル 実行ファイル 設定ファイルや DLL ファイルなど パソコンの C ドライブ スタート メニュー Program Files USB メモリー Windows の システムには インスト ー ル せずに使える 実行 ファイル 設定フ ァ イ ル や DLL フ ァイルなど レジストリ ●ソフトのインストール方法は大きく2通り 右クリック 展開したフォルダーを USB メモリーにコピー 図 6 多くの USB メモリー用ソフトは、ダウンロードした圧縮ファイルを展開(解凍)して、そのフォ ルダーを USB メモリー内にコピーすれば使える。起動するには、コピーしたフォルダー内にある実行 ファイルをダブルクリックする インストーラーをダブルクリック 図 7 インスト ー ラ ー にな っ ている場合は、 ダブルクリ ッ クして実行し、 インスト ー ル 先を選ぶ画面で USB メモリー 内のフ ォ ルダ ー を指定する。 インストールといっても、フ ァ イルをコピ ー するだけで Windows のシステムには登録 されない USB メモリー内のフォルダーを指定 クリック 日経パソコン 2011.9.12 43