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平成26年第3四半期 - 在パナマ日本国大使館

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平成26年第3四半期 - 在パナマ日本国大使館
在パナマ大
海外安全対策情報(平成26年第3四半期)
1.社会・治安情勢
(1)治安対策「Barrios seguros(地域安全)」
バレーラ大統領は新政権発足以降,治安対策「Barrios seguros」(パンディー
ジャスの若者を更生させ社会復帰させる一方,取締りを強化するプログラム)を全
国各地で始動させた。これは,武器を差し出し組織から脱退した若者には,その見
返りに,国が生活費の支援や就職の機会付与などを行う一方,脱退しない若者に対
しては,徹底的に取締りを行うことにより,約4,500人と言われるパンディー
ジャスの若者を全て街から一掃することを目的としたもので,これにより脱退した
若者は1,300人以上,回収された武器は100点以上に及ぶ。
(2)パンディージャス関係
8月中,パナマ市内の在留邦人集住地区(ベジャ・ビスタ地区,サン・フランシ
スコ地区)のレストラン・ホテルを狙った拳銃強盗・窃盗事件が10件以上連続発
生したことを受け,警察は,飲食店街を警戒する警察官を増員すると共に,鳴動し
ない非常通報装置を各店舗に設置するなどの対策を講じた。その後の捜査で犯人グ
ループであるパンディージャス Calor Calor の若者10人以上が逮捕された。
(3)コロンビア国境地域
本年に入り,国境警備隊がコロンビア国境地域で認知したコロンビアの BACRIM
(新興違法武装集団)による麻薬密輸等の事案は40件を超え,FARC 以上に治安上
の不安要素となっている。BACRIM の手口である「el hormiguero」(小口の麻薬を
背中に担いだ運び屋が複数で蟻のように徒歩で運搬する手口)も増加傾向にある。
(4)コスタリカ国境地域
コスタリカ国境地域には,少なくとも7つの犯罪集団が活動しており,国境の町
パソ・カノアスは,麻薬や銃器の密輸に関する会合を秘密裏に行う格好の場所であ
ると言われている。彼らはパソ・カノアス経由でパナマに入国後,最近は取締りの
厳しい陸路(国境)を回避し,海路で南米諸国に向かう傾向にあると見られる。
(5)パラミリタリー(極右非合法武装集団)関係
8月25日(月),コロンビアの元パラミリタリー幹部 Armando Alberto Perez
Bethancourt が,潜伏中のベラグアス県内で身柄を拘束され,コロンビア側に引き
渡された。同人は1990年代後半,5,200人以上の殺害に関与したなどとし
て国際指名手配されていた。
2.一般犯罪・凶悪犯罪の傾向
(1)殺人関係
2014年8月末現在のパナマにおける殺人件数は409件(暫定値),人口
10万人当たりの殺人被害者数(殺人率)は10.5人(2013年は17.3人)
であった。409件のうち60%以上はパナマ市で発生しており,24%は犯罪組
織及びパンディージャス(青少年凶悪犯罪集団)絡みである。ちなみに国連薬物犯
罪事務所(UNODC)の調査(2013)によると,パナマ市における殺人率は53.1
人で,都市単位で比較した場合,世界ワースト5位である(注)。
(注)ワースト1位はベネズエラのカラカス市(122人),2位はグアテマラのグ
アテマラ市(116.6人),3位はホンジュラスのテグシガルパ市(102.
2人)と,中南米諸国がワースト上位を占める。
(2)邦人被害事案
なし。
3.殺人・強盗等凶悪犯罪の事例
(1)四半期中の邦人集住地区等における犯罪事例(殺人)
ア
8月29日(金)午前10時過ぎ,パナマ市ベジャ・ビスタ地区オバリオの
Samuel Lewis 通り工事現場で,道路の掘削作業をしていた土木作業員がバイクに
乗った2人組に拳銃で頭部を2発撃たれ死亡した。
イ
9月17日(水)正午過ぎ,パナマ市サン・フランシスコ地区パイティージャ
のラモン・フラド通りのマンション駐車場で,顎に銃弾を受け死んでいるパナマ
人男性が発見された。その後の捜査で,マンション警備員が逮捕された。
(2)四半期中の邦人集住地区等における犯罪事例(強盗)
ア
6月30日(月)早朝,パナマ市サン・フランシスコ地区50番通り沿いのコ
ロンビアレストランに2人組が押し入り,オーナーを拳銃で脅し,レジスターか
ら約3,000ドルを強奪し逃走した(7月1日付報道)。
イ
6月30日(月)夕方,パナマ市サン・フランシスコ地区69番通り沿いのレ
ストラン駐車場で,銀行から戻ってきた従業員(44)のところにバイクに乗っ
た犯人が近づき,拳銃で脅し,約5,000ドルを強奪し逃走した(7月1日付
報道)。
ウ
6月30日(月)夜,パナマ市ベジャ・ビスタ地区スペイン通りの社会保険庁
コンコルディア広場支店に4人組が押し入り,店員や警備員を脅し,約9万ドル
を強奪し逃走した(7月1日付報道)。
エ
7月4日(金)午前9時頃,パナマ市ベタニア地区のミニスーパーで発生した
強盗事件の犯人グループが逃走中,ベジャ・ビスタ地区ブラジル通りで警察と銃
撃戦となり,若者3人が逮捕され,拳銃1丁が押収された。
オ
7月8日(火)午後1時30分頃,パナマ市ベタニア地区カルメンの商店に武
装した3人組が押し入り,店員を鋭利な刃物で負傷させ,約5,000ドルを強
奪し逃走した。
カ
7月10日(木)夜,パナマ市サン・フランシスコ地区被害者宅玄関で,被害
者が2人組に襲われ,自動車を強奪された。
キ
7月16日(水)夜,パナマ市サン・フランシスコ地区50番通りのKFCに
強盗が押し入り,複数の客から携帯電話,現金を強奪し逃走した。
ク
7月26日(土)午後5時50分頃,パナマ市ベジャ・ビスタ地区ベネト通り
のホテル1階ブティックに武装した4人組が押し入り,床に伏せるよう店員を脅
し,約5,000ドル相当の金品を強奪し逃走した。
ケ
8月2日(土)午前10時頃,パナマ市ベジャ・ビスタ地区75番通りの建設
会社に犯人グループが押し入り,従業員から6,900ドルを強奪し車で逃走し
た。
コ
8月14日(木),パナマ市ベジャ・ビスタ地区のホテル・マリオットのフロ
ントで,チェックインをしていたポルトガル航空乗務員7人が武装グループに襲
われ,所持品を強奪された。
サ
8月14日(木)夜,パナマ市サン・フランシスコ地区50番通りの薬局付近
を歩いていた被害者が,犯人に石で殴られ,頭部と顔面に怪我を負わされ,財布
と携帯電話を強奪された。
シ
8月15日(金)深夜,パナマ市サン・フランシスコ地区のレストランに武装
した3人組の若者が押し入り,店の客から1,100ドル,携帯電話,財布等を
強奪し逃走した。
ス
8月27日(水)午前2時頃,パナマ市ベジャ・ビスタ地区スペイン通りのレ
ストランで,3人組の若者が外国人女性を口説こうと接近し,衣類等を強奪した。
セ
9月18日(木)夜,パナマ市ベタニア地区エル・ドラドのスポーツジムに6
人組の若者が侵入し,刃物や拳銃で店員や客を脅し,店の売上金,財布,携帯電
話等を強奪し車で逃走した。客1名は頭部を拳銃で殴打され重傷を負った。
(3)その他
ア
8月7日(木)午前7時20分頃,パナマ市クルンドゥ地区のパナマ大学駐車
場で,土木作業員(29)が車から降りたところを待ち伏せしていた犯人グルー
プに襲われ,拳銃で6発撃たれ死亡した。被害者はパンディージャス Calor Calor
関係者の可能性がある。
イ
8月23日(土)午後5時30分頃,被害者がアライハン市ロマコバ地内をラ・
チョレーラ市に向け車で進行中,武装グループに呼び止められ,20発以上の銃
弾を浴びせられ死亡した。車に乗っていた子ども2人も怪我を負った。犯人グル
ープは被害者がエル・チョリージョ地区のレストランを出発するところから追跡
していた由。
ウ
8月23日(土)午後8時頃,サン・ミゲリート市ベリサリオ・フリアス地区
で,タクシーが犯人グループに呼び止められ,タクシー運転手(26)は後頭部
と右肩,乗客(23)は頭部をそれぞれ拳銃で撃たれ死亡した。
エ
9月12日(金)午後10時頃,パナマ西県ラ・チョレーラ市で,パンディー
ジャス Bagdad がカラシニコフ小銃(AK-47)や拳銃を乱射し,一家4人(9歳と
4歳の子どもを含む)を殺害した。その後の捜査で,被害者の成人男性は Bagdad
と敵対するパンディージャス Calor Calor のメンバーであることが判明した。
4.テロ・爆弾事件発生状況
なし。
5.誘拐・脅迫事件発生状況
日本人の被害は報告されていない。
なお,四半期中の犯罪事例は以下のとおり。
(1)誘拐
ア
7月29日(火),パナマ市ペドレガル地区で若者が行方不明となった。その
後犯人から被害者の叔母宛てに電話があり,「甥は大丈夫だ。金を準備しろ」な
どと身代金を要求された事案であり,現在捜査中である(8月1日付報道)。
イ
9月2日(火)正午頃,パナマ市リオ・アバホ地区の商店で店員のアジア系女
性(日本人ではない)が2人組に車で連れ去られた。数分後,犯人から家族宛て
に電話があり,5万ドルの身代金を要求された事案であるが,家族が5,000
ドルを渡したところ,被害者はパナマ市内で解放された。
(2)その他
報道によると,行方不明事案の発生件数は22件(暫定値)である。
6.日本企業の安全に関わる諸問題
なし。
(了)
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