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JICPAS - 学校法人 城西大学
No.21 2015.9.30 JOSAI INTERNATIONAL CENTER (JICPAS) for the Promotion of Art and Science 水田三喜男記念 「グローバル・レクチャー」 シリーズ 周年記念 水田三喜男記念「グローバル・レクチャー」 シリーズ 「マハティール マレーシア元首相 講演会」を開催 育成に資することを目的とする水田三喜男記 念「グローバル・レクチャー」シリーズを展 開することになり、マハティール氏の講演会 がそのスタートになりました。 マハティール氏はマレーシア第4代首相。 開 業 医 か ら 政 治 家 に 転 じ、 1 9 8 1 年 か ら 2003年までの 年間、マレーシアでは最 長の首相を務めました。アジアを代表する知 日 の リ ー ダ ー で、 欧 米 諸 国 で は な く 日 本 の 経 済 成 長 を 見 習 お う と い う「 ル ッ ク イ ー ス ト(東方)政策」を唱え、長期に及ぶ強力な リーダーシップにより、マレーシアの国力を 飛躍的に増大させました。 今回の講演会は水田理事長を団長とする学 校法人城西大学の一行が今年1月、マレーシ アを訪問した際にマハティール氏の自宅を表 敬 訪 問。「 グ ロ ー バ ル・ レ ク チ ャ ー」 シ リ ー ズへの登壇を依頼し、快諾を得たことから実 現しました。 22 50 日時:2015年5月 日 場所:学校法人城西大学東京紀尾井町キャンパス 井町キャンパスで開催しました。 また、本学はこの日、講演会を記念してマハ ティール氏に名誉博士号を授与するとともに、 50 (2015.9.30 発行) 03-6238-1300 http://www.josai.jp/ 学校法人城西大学創立 水田三喜男記念 2 0 1 5 年 5 月 日、 学 校 法 人 城 西 大 学 (水田宗子理事長)は創立 周年を記念して 元マレーシア首相のマハティール・ビン・モ 講演するマハティール氏 1 「グローバル・ レクチャー」 シリーズ 50 ハ ン マ ド( )氏を招 法人本部内に「アセアン研究センター( Josai Mahathir bin Mohamad い た 講 演 会「 平 和 へ の 知 恵 ―― 未 来 の リ ー ) 」を設立しました。 Center for ASEAN Studies ダー・国際市民へのメッセージ( Enhancing 本学は 周年記念事業の一環として、内外 Knowledge for Peace: A message to Future から世界的に影響力のある方、優れた研究業 績を残された方などを招いてグローバル人材 ) 」 を、 東 京 紀 尾 Leaders & Global Citizens 学生からマスコットを贈られたマハティール夫妻 21 21 マハティール氏に名誉博士号を授与いたしました No.21 Josai University Educational Corporation 3-26 Kioi-cho, Chiyoda-ku, Tokyo 〒 102-0094 東京都千代田区紀尾井町 3-26 03-6238-1300 http://www.josai.jp/ 国際学術文化振興センター マハティール氏ら一行は5月 日午前、城 西大学や城西国際大学 の 教 職 員 や 学 生 ・ 留 学 生が出迎える中、東京 紀 尾 井 町 キ ャ ン パ ス 3 号棟と1号棟を訪れま し た 。 1 号 棟 ホ ー ル で 行われた講演会で、水 田 理 事 長 は 「 ア ジ ア の 平和と繁栄、共存をも た ら し た 偉 大 な 指 導 者 のメッセージを聴くこ と が で き る の は 大 変 名 誉なこと」と挨拶。マ ハ テ ィ ー ル 氏 は 講 演 で 「マレーシアは五つの国と国境を接し領土問 題を抱えているが、国 際 司 法 裁 判 所 の 判 断 に 従って戦争を起こすことなく解決してきた」 と述べた うえで、「日本は他国と の争いに戦 争という手段を使って は な ら な い 。 戦 争 は 最 大の犯罪という価値観 を 世 界 に 広 め な け れ ば ならない」などと訴え ら れ ま し た 。 教 職 員 や 学 生・ 留 学 生 ら で 満 席。 両 大 学 の サテライトでも学生らが、アジアを代表する リーダーの貴重な話に熱心に聞き入りました。 講演会後はホテルに会場を移して午餐会が 行われました。来賓の前日本経団連会長の米 倉弘昌・住友化学相談役や乾杯の音頭を取っ ていただいた杉田亮毅・日本経済新聞社元会 長、 伊 藤 芳 明・ 毎 日 新 聞 社 専 務 取 締 主 筆 の 方々を交えて歓談の輪が広がりました。 この日開所したアセアン研究センターは東 京 紀 尾 井 町 キ ャ ン パ ス 2 号 棟 に 置 か れ、 杉 林堅次副学長と元マレーシア観光大臣のン・ イ ェ ン イ ェ ン( Ng Yen Yen )氏が所長に就 任。今後、アセアン地域と日本における学術 交流・共同研究を推進するとともに、広く国 際関係を支える人材の育成に努めていきます。 周年記念 水田三喜男記念 「グローバル・レクチャー」シリーズ ホー ルは アジ ア関 連団体 や政 府の 関係 者、 50 米生活が長かった水田理事長が、旧知のヴォー ゲル氏に依頼して講演会が実現しました。 ヴォーゲル氏はこの日午前、城西大学や城 西国際大学の教職員、学生・留学生らの出迎 えを受けて、坂戸キャンパスに到着。水田美 術館で収蔵の浮世絵を鑑賞した後、名誉博士 号授与式と講演会に臨みました。 清光ホールで行われた名誉博士号授与式の 後、水田理事長は挨拶で「日本研究だけでな く、この地域の平和と繁栄のために欠くこと のできない学術、研究上の貢献をされた」と ヴォーゲル氏の業績をたたえました。講演会 でヴォーゲル氏はベルリンの壁崩壊や天安門 事件のあった1989年の前後 年に分けて、 日本と中国、アメリカの政治、経済、社会の 変化をたどりました。そして今後の東アジア を 展 望 す る ポ イ ン ト と し て「 経 済 成 長 の 継 続」 「環境問題の悪化」 「国際交流の拡大」を 挙げました。そのうえで、アメリカは「中国 と環境問題で協力しなければならない」と指 摘。経済成長を遂げ近隣諸国と摩擦を起こし ている中国に対しては「低姿勢の外交政策を 取るべきだ」と提言しました。また、日本に ついては「もっと自然な英語を学ぶ必要があ る」と述べて会場の笑いを誘った後、韓国を 念頭に「隣の国と仲良くするためにもう少し我 慢する必要がある。国の代表は思いやりと責任 感を」と結びました。ヴォーゲル氏は、 「少子 高齢化時代に若い世代は何をすべきか」などと の学生の質問にも丁寧にお答えになりました。 行田邦子参院議員や清水勇人さいたま市長 など来賓の方々をはじめ、城西大学と城西国 際大学の教職員や学生、研究者や近隣の方々 などホールを埋めた約500人は、長い学究 生活に裏打ちされたヴォーゲル氏の話に熱心 に聞き入っていました。 講演会後はレセプションも行われ、ヴォー ゲル氏を囲んで歓談の輪が広がりました。 2 21 日時:2015年6月 日 場所:城西大学坂戸キャンパス 講演するヴォーゲル氏 学校法人城西大学創立 50 21 展開しています。ヴォーゲル氏は、5月 日 の元マレーシア首相のマハティール・ビン・ )氏に モハンマド( Mahathir bin Mohamad 次いで2人目の登壇となりました。 ヴォーゲル氏は、1958年にハーバード大 学で博士号(社会学)を取得後、日本語と日本 の家族関係の研究のために来日して2年間滞 在しました。1972年に同大の東アジア研 究所長に就任。日本でベストセラーとなった 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を 年に発 表しました。最近は 年以上を費やして執筆、 ヴォーゲル氏に名誉博士号を贈る水田理事長 50 「エズラ・F・ヴォーゲル氏による講演会」を開催 13 2015年6月 日、学校法人城西大学(水 田宗子理事長)は創立 周年を記念して米ハー バード大学名誉教授のエズラ・F・ヴォーゲル ( Ezra F. Vogel )氏を招いた講演会「東アジア: 水田三喜男記念 こ れ か ら の 年( East Asia in the Next Fifty ) 」を、埼玉県坂戸市の城西大学坂戸キャ Years ンパスで開催しました。本学は講演会を記念し て、ヴォーゲル氏に名誉博士号を授与しました。 本学は 周年記念事 業 の 一 環 と し て 、 内 外 から世界的に影響力の あ る 方 、 優 れ た 研 究 業 績を残された方などを 招 い て グ ロ ー バ ル 人 材 50 13 2013年に発表した「現代中国の父 鄧小平」 も話題となりました。比較文学研究者として滞 79 「グローバル・ レクチャー」 シリーズ の育成に資することを 目 的 と す る 水 田 三 喜 男 記念「グローバル・レ ク チ ャ ー 」 シ リ ー ズ を 10 No.21 2015.9.30 25 の育成に資することを目的とする水田三喜男 記念「グローバル・レクチャー」シリーズを 展開しています。鈴木氏は、5月 日の元マ ンマド( Mahathir bin Mohamad )氏、6月 日の米ハーバード大学名誉教授のエズラ・ レ ー シ ア 首 相 の マ ハ テ ィ ー ル・ ビ ン・ モ ハ 21 3 50 「ノーベル物理学賞 小林誠先生 講演会」を開催 対談する小林先生(左)と小野理事 未知の破れのメカニズムが存在するのではな いか」と今後の研究の方向性を示されました。 講演に引き続き、元文部科学省事務次官で本 学大学院センター長の小野元之理事とのミニ対 談も行われ、小林氏はノーベル賞授賞式でのエ ピソードも披露。日本の基礎研究の将来につい て「若い人の人口が減ってきている。その分、 頑張らないと高い日本の研究水準は維持できな いのではないか。目の前の自分のやっているこ とを信じてやってほしい」と結ばれました。 質疑応答では、学生や院生の質問に小林氏 は丁寧にお答えになり、藤縄善朗・鶴ヶ島市 長はじめ、企業や地域の方々、県内高校の教 員の方々、本学の教職員や学生ら約600人 が興味深いお話に聴き入りました。 経営学部棟メディアエリアに会場を移した レセプションでは、小林氏を囲んで歓談のひ と時を過ごしました。小林氏は、学生たちが 求めた記念撮影に笑顔で次々に応じていらっ しゃいました。 日時:2015年7月 日 場所:学校法人城西大学東京紀尾井町キャンパス 2 0 1 5 年 7 月 日、 学 校 法 人 城 西 大 学 ( 水 田 宗 子 理 事 長 ) は 創 立 周 年 を 記 念 し、 スタジオジブリ・代表取締役プロデューサー、 10 F・ ヴ ォ ー ゲ ル( Ezra F. Vogel ) 氏、 7 月 9日のノーベル物理学賞受賞者の小林誠氏に 次いで4人目の登壇となりました。 13 50 水田三喜男記念 鈴木敏夫氏を招いた講演会「日本から世界に 広がるアニメ:芸術、技術、プロダクション」 を、東京紀尾井町キャンパスで開催しました。 本学は 周年記念事業の一環として、内外 から世界的に影響力のある方、優れた研究業 績を残された方などを招いてグローバル人材 50 10 「グローバル・ レクチャー」 シリーズ 13 学名誉教授のエズラ・F・ヴォーゲル( Ezra F. )氏に次いで3人目の登壇となりました。 Vogel 小林氏は1944年、愛知県生まれ。素粒 子理論を専門とする理論物理学者で、高エネ ルギー物理学研究所(現・高エネルギー加速 器研究機構)教授や・高エネルギー加速器研 究機構素粒子原子核研究所所長などを歴任。素 粒子の世界に存在する「破れ」と呼ばれる非対 称性の理論化に取り組んだ功績で、2008 年、益川敏英・名古屋大学素粒子宇宙起源研究 周年記念 水田三喜男記念 「グローバル・レクチャー」シリーズ 50 「スタジオジブリ代表取締役プロデューサー 鈴木敏夫氏による講演会」を開催 学校法人城西大学創立 機構長や南部陽一郎・米国シカゴ大学名誉教授 学校法人城西大学創立 周年記念 水田三喜男記念 「グローバル・レクチャー」シリーズ とともにノーベル物理学賞を受賞されました。 清光ホールで開かれた講演会に先立ち、水田 理事長は「日本だけでなく、大きな業績が世界 日時:2015年7月9日 に認められた小林先生をお迎えするのは、誠に 場所:城西大学坂戸キャンパス 光栄なこと。今日のご講演は、私どもにとって 非常に大切なものであり、未来に向けて素晴ら しい示唆をいただける」と挨拶しました。 のマハティール・ビン・モハンマド( Mahathir (反物質は)なかなか実用に結び 小林氏は「 )氏、6月 日の米ハーバード大 つかないものではあるが、我々の存在そのもの bin Mohamad に関わる概念でもある」と前置きしたうえで、 粒子から出来る物質の構造の説明を手始めに 粒子に対する反粒子の概念とその発見の歴史 に触れ、ノーベル賞の対象となった「CP対称 性の破れ」を説明する理論を解説されました。 また宇宙の始まりのビッグバンにも言及。高 温、高密度の宇宙の始まりでは粒子と反粒子が 共存しているが、冷えるにしたがって反粒子が なくなって粒子だけの宇宙になるとして、「我々 のモデルでは(宇宙の進化は)説明できない。 「物質の構造」について説明する小林先生 「グローバル・ レクチャー」 シリーズ 水田三喜男記念 2 0 1 5 年 7 月 9 日、 学 校 法 人 城 西 大 学 (水田宗子理事長)はノーベル物理学賞受賞 者の小林誠・日本学術 振 興 会 学 術 シ ス テ ム 研 究センター所長を招い た 講 演 会 「 反 物 質 ― ― 素粒子から宇宙まで― ― 」 を 、 埼 玉 県 坂 戸 市 の坂戸キャンパスで開 催 し ま し た 。 本学は 周年記念事業の一環として、内外か ら世界的に影響力のある方、優れた研究業績を 残された方などを招いてグローバル人材の育成 に資することを目的とする水田三喜男記念「グ ローバル・レクチャー」シリーズを展開してい ます。小林氏は、5月 日の元マレーシア首相 No.21 2015.9.30 50 21 鈴 木 氏 は 1 9 4 8 年、 名 古 屋 市 生 ま れ。 挨拶しました。 1972年慶応義塾大 学 文 学 部 を 卒 業 後 、 徳 本学の日本・アジア映像研究センター長で 間書店に入社。「週刊アサヒ芸能」記者、「ア ある水田リピット堯・南カリフォルニア大学 ニメージュ」編集長を 経 て 、 ス タ ジ オ ジ ブ リ 映像学部教授がインタビュアーとなった講演 に入社しました。高畑 勲 、 宮 崎 駿 作 品 を は じ で、鈴木氏はプロデューサーの仕事について めとするジブリ作品をプロデューサーとして 「何でも屋だが、一番は監督の味方となって 支 え て き ま し た。 主 な 作 品 に 「 も の の け 姫 」 信じてやっていく、その環境を整えること」 「千と千尋 の神隠し」「崖の上 のポニョ」「風 と述べました。創作については「企画会議は 立ちぬ」「かぐや姫の物語」などがあります。 一度もやったことがなくて、日常の会話や雑 日活の佐藤直樹社長の お 力 添 え で 、 今 回 の 特 談の中から企画が生まれてくる」と語り、 「風 別講演会が実現しまし た 。 の 谷 の ナ ウ シ カ 」 や「 ハ ウ ル の 動 く 城 」 「崖 の上のポニョ」などの創作秘話を披露しまし キャンパス1号棟ホ ー ル で 行 わ れ た 講 演 に 先立ち、水田理事長は 「 留 学 生 に 聞 く と 、 多 た。 くがアニメを通じて日 本 に 興 味 を 持 ち 、 日 本 海外でのジブリアニメの反応の違いや好き に来たとの答えが返っ て き ま す 。 そ れ ぐ ら い な 映 画 に も 言 及。「 一 区 切 り が つ い た の で、 アニメは日本だけでな く 世 界 の 若 い 人 に 影 響 影響を受けたウディ・アレンのビデオを集め を与え、文化を変えて い る 。 講 演 会 が 有 意 義 ている」と述べました。今後の活動について で楽しい時間となるよ う 祈 念 し て い ま す 」 と は、長編アニメからの引退を表明した宮崎監 No.21 2015.9.30 講演する鈴木氏(右)とインタビュアーの水田リピット教授(左) 学生の質問に答える鈴木氏 督が、三鷹の森ジブリ美術館で上映する短編 ア ニ メ「 毛 虫 の ボ ロ 」 を 3 D C G で 制 作 し ていることを明らかにし、 「スピルバーグや ルーカスが新しい映画の潮流をつくったが、 新しい映画が期待されている。宮崎は3Dで それをやろうとしている。やはりすごいと思 う」と語りました。 「先生の原動力は何ですか」 質 疑 応 答 で、 という学生の質問に、鈴木氏は「一人では何 もできない。仲間を見つけて一緒にやる。仲 間の存在はすごく大きい」と 述べ、 「僕と宮 周年記念事業 崎の場合は、お互い負けず嫌いで、この人に 負けるかという気持ちがどっかにある。それ が原動力ですね」と付け加えて、会場の笑い を誘いました。 会 場 の ホ ー ル と 中 継 し た 大 教 室 で は、 メ ディア学部を持つ城西国際大学と城西大学の 教 職 員 や 学 生、 留 学 生 が、 ユ ー モ ア と エ ピ ソードに富んだ鈴木氏のお話に聴き入りまし た。 周年記念コンサートを開催 は、ハンガリーに関係の深い演奏家の方々を 招いて開かれました。 コ ン サ ー ト に 先 立 ち、 水 田 宗 子 理 事 長 は 50 20 ンガリーの音楽を皆さんに聴いていただける ことは本当にありがたいことです」と感謝の 言葉を述べられました。 4 学校法人城西大学創立 日時:2015年4月 日 場所:城西大学坂戸キャンパス 50 50 挨 拶 で「 本 日 は 創 立 周 年 の 最 初 の 幕 開 け 学校法人城西大学は創立記念日の2015 年4月 日、城西大学坂戸キャンパス(埼玉 の 行 事 で す 」 と 創 立 記 念 日 に 触 れ た 後、 「ハ 県坂戸市)の清光ホールで創立 周年を記念 ンガリーとの関係は私どもが国際教育を推 し た コ ン サ ー ト を 開 き ま し た。 本 学 は 国 際 進 す る う え で 大 き な 力 と な っ て い ま す。 ま 交流活動の強化を目的に世界各国の大学と た、ハンガリーはリストをはじめ著名な音楽 積極的な国際交流を進めており、近年は中欧 家を輩出。活躍中の演奏家の方々を招いた本 諸国やアセアン諸国の大学との交流を強化し 日のコンサートをお楽しみください」と述 ています。特にハンガリーとは、2007年 べました。続いて来賓の駐日ハンガリー大使 の ブ ダ ペ ス ト 商 科 大 学( 館のセルダヘイ・イシュトヴァーン( István Budapest Business )を皮切りに現在は9校と学術交流協 ) 大 使 は「 ハ ン ガ リ ー か ら 要 人 School Szerdahelyi 定を締結しており、多くの学生が行き来して が来る際は必ず城西大学を訪問して素晴らし 交 流 を 深 め て い ま す。 こ の 日 の コ ン サ ー ト い業績を直接見てもらっています。本日、ハ 周年記念事業 20 No.21 2015.9.30 日本人の父とハンガリー人の母を持つ金 子三勇士さんのピアノ演奏によるショパン 挨拶するセルダヘイ大使 金子さん(奥)とセルダヘイ玲子さんによる連弾 が期待されます。 本学は、大蔵大臣などを歴任した水田三喜 男が1965年4月、 「学問を通しての人間 形成」を建学の精神として坂戸市に創立しま した。1983年に城西大学女子短期大学部 (その後城西短期大学)、1992年には千葉 県東金市に城西国際大学を開設。2005年 には三つの大学を結ぶ中心点として東京都千 代田区紀尾井町に東京紀尾井町キャンパスを 開設して今日に至っています。 5 城西大学坂戸キャンパスにて、水田三喜男記念館 展示室がオープンしました て、その哲学と理念を共有し、本学のさらなる 発展の礎とすることを目的に、水田三喜男記念 館の建設を予定しています。このたび、記念館 竣工までの間、総合体育館の学生ホールを整備 して展示室をオープンする運びとなりました。 執務机と大礼服 日時:2015年7月1日 場所:城西大学坂戸キャンパス 2015年7月1日、学校法人城西大学(水 田宗子理事長)は埼玉県坂戸市の城西大学坂 戸 キ ャ ン パ ス に「 水 田 三 喜 男 記 念 館 展 示 室 」 を開設しました。本学は創立 周年を記念し、 創立者水田三喜男の足跡をたどることによっ 50 テープカットの様子 「 ポ ロ ネ ー ズ 第 6 番 変 イ 長 調『 英 雄 』 」から コ ン サ ー ト は ス タ ー ト。 ブ ダ ペ ス ト 生 ま れ のコハーン・イシュトヴァーンさん( István 、クラリネット) 、半田美和子さん(ソ Kohán プラノ) 、セルダヘイ大使の夫人で友情出演 左から、金子さん、半田さん、コハーンさん 周年記念事業 の セ ル ダ ヘ イ 玲 子 さ ん( Reiko Szerdahelyi 、 ピアノ)の方々によって、リスト( Liszt )の 「コンソレーション第3番」 、同じくハンガ リー出身のバルトーク( Bartok )の「ルーマ ニア民族舞曲」をはじめ、中田喜直作曲の日 本の歌曲やアンコールの滝廉太郎作曲「花」 など 曲が披露されました。日本ハンガリー 友好協会の猪谷晶子専務理事や協会の会員の 皆さまや地域の方々、教職員や学生・留学生 など約500人が、晴れやかで美しい演奏に 聴き入りました。 コンサートを機に、本学とハンガリー、そ してハンガリーの大学との一層の交流の推進 14 10 30 定礎式と竣工式を挙行 20 長谷川孝夫・鴨川市長をはじめ、観光学部 協 力 会、 ア パ ー ト オ ー ナ ー 会、 父 母 後 援 会、 同窓生や創立者生家の周辺などの地域の皆様 日時:2015年9月1日 場所:城西国際大学国際学生寮安房グローバル・ヴィレッジ 国際 2015年9月1日、「城西国際大学 学生寮 安房グローバル・ヴィレッジ」(以下 AGV)の定礎式と竣 工 式 を 行 い ま し た 。 周年記念事業 国際学生寮 安房グローバル・ヴィレッジの 「焼野原からの復興」「城西大学の創設」の3 総 合 体 育 館 前 で 行 わ れ た オ ー プ ニ ン グ・ コーナーに映像エリアが設けられ、パネル展 セ レ モ ニ ー に は、 ゲ オ ル ギ ・ ヴ ァ シ レ フ )駐日ブルガリア大使夫妻 示のほか、勲一等旭日大綬章や各国からの勲 ( Georgi Vassilev や石川清・坂戸市長、 石 橋 清 孝 ・ 千 葉 県 議 会 章、 銀 盃、 大 臣 名 札、 執 務 机 な ど か ら、 碁 議員をはじめ、城西大 学 と 城 西 国 際 大 学 ( 千 盤、すずり石、大礼服などゆかりの品々を含 葉県東金市)の地元の 自 治 体 関 係 者 や 地 域 の め約130点を展示しています。また、映像 方々、教職員や学生ら 約 6 0 0 人 が 参 加 し ま エリアでは創立者の生い立ちから業績、なら し た。 水 田 理 事 長 は 挨 拶 の 冒 頭 で 「 大 勢 の びに本学の発展の歴史が映像で見ることがで 方々においでいただき 、 今 日 、 創 立 者 記 念 館 きます。展示に際しては、創立者の出身地で の展示室を見ていただ け る こ と は 大 変 あ り が ゆかりの品々を収蔵・展示している鴨川郷土 たく思っております」 と 感 謝 の 言 葉 を 述 べ ま 資料館の協力を受けました。 した。 内覧後、ヴァシレフ大使夫妻は水田理事長 の案内で、短大 周年を記念して2013年 そのうえで「学生はじめ多くの同窓生、関 係者の方々に城西の歴 史 を 共 有 し て い た だ く 月 に オ ー プ ン し た「 水 田 清 子 記 念 ロ ー ズ との目的を持って、記 念 館 を 建 設 す る こ と に ガーデン 」を訪れ、バラを鑑賞されました。 なりました。創立者は 明 治 の 志 を 持 ち 、 教 育 開園時、ヴァシレフ大使から贈られた 本の を信じて、社会のため 国 の た め 、 さ ら に は 国 ブルガリ アン・ローズの苗木は大きく育ち、 際社会のために貢献し て い く 人 材 を 育 て る こ ご夫妻は赤い大輪を前に笑顔で記念撮影に応 とが自分の任務と考え 、 亡 く な る ま で 力 を 入 じていらっしゃいました。 れてきま した」と創立者の 業績に触れ、「仮 経営学部棟のメディアエリアで行われたレ の 展 示 で は あ り ま す が、 今 日 だ け で な く ま セプションでは、ヴァシレフ大使をはじめ石 た、坂戸のキャンパス に 足 を お 運 び い た だ き 橋 県 議、 古 川 浩 一・ 東 金 市 副 市 長、 庄 司 政 たい」と述べました。 夫・鴨川市副市長、佐藤秀樹・毛呂山町議会 水 田 理 事 長 や ヴ ァ シ レ フ 大 使、 石 川 市 長、 副議長、鈴木文雄・城西大学同窓会長の方々 石 橋 議 員、 学 生 代 表 ら が テ ー プ カ ッ ト し て から、展示室オープンへのお祝いの言葉をい オープニングを祝い、 内 覧 に 移 り ま し た 。 展 ただきました。 示 室 は 約 1 6 0 ㎡。「 水 田 三 喜 男 の 原 風 景 」 No.21 2015.9.30 6 に加えて、大連理工大学( Dalian University ) の 杜 鳳 剛( Du FengGang ) of Technology 先 生、 フ ラ ン ス・ パ リ 東 大 学 ク レ テ イ ユ 校 学生を対象とした収容人数101名の国際学 生寮となっています。 A G V は、 建 物 で 中 庭 を 囲 む よ う な 構 造 が 特 徴 と な っ て お り、 学 生 同 士 や 地 域 の 皆 様との交流などを深める空間となっていま す。 ハ ウ ス マ ス タ ー や 国 際 学 生 委 員 会( 仮 ) などが中心となって地域との連携を深めつ つ、 さ ま ざ ま な イ ベ ン ト を 企 画 し 実 施 し て いきます。 「生活の場」のみならず、 AGVにおいて、 語学、異文化理解やコミュケーションの「学 びの場」や「国際交流の場」を通じて「学内 留学」をさらに具現化し、アジアなどで活躍 できる「グローバル観光人材」を育成してい きます。 AGV 中庭 ( Université Paris-Est Créteil Val de Marne ) のエリック・ハーツラー( Eric Hertzler )先 生やイタリア・デルビアンコ財団( Fondazione )のコリンナ・デルビ Romualdo Del Bianco ア ン コ( Corinna Del Bianco )理事などの 海外からの来賓の方々にもご参列頂きまし た。 また、設計・建築にご尽力くださった大田 純穂・先生をはじめ「大田建築設計研究所」 ならび施工会社の清水建設、高砂熱学工業や ユアテックの関係者様も見守る中、竣工式は 厳かに行われました。 今回竣工したAGVは、学校法人創立 周 年事業の一環として、教育環境の充実をさら に目指して建設が行われたものです。主に留 50 テープカットの様子 国 際 交流活動 学校法人城西大学一行が大連・瀋陽を訪問 日時:2015年5月 日~6月4日 場所:大連外国語大学、大連理工大学、東北財経大学、 学友会 全員で記念写真 東北大学、中華人民共和国 50 2 0 1 5 年 5 月 日、 大 連 市 内 の ホ テ ル で学校法人城西大学創立 周年記念 城西大 連・東北学友会第4回 目 の 交 流 会 を 開 催 。 今 回は、昨年亡くなられ た 村 井 隆 先 生 を 偲 ぶ 会 30 50 第 一 部 と し て、 開 会 の 挨 拶 が 大 連 外 国 語 大 学・ 劉 宏( Liu Hong )副学長と学校法人 城 西 大 学・ 水 田 宗 子 理 事 長 か ら あ り ま し た。 引 き 続 き、 漢 俳 に つ い て の 講 演 が、 陳 岩 先 生( 大 連 外 国 語 大 学 ) よ り、 そ の 後、「 河 の 女 神 の 声 」 と 題 す る 深 い 詩 の 話 が、 吉 増 剛 造 先 生( 詩 人・ 城 西 国 際 大 学 ) よ り な さ れ ました。 )も務める大連 添えをいただきました。 Japan Alumni Association 理工大学の杜鳳剛( )先生や、 Du Fenggang 大 連 外 国 語 大 学 の 陳 岩( )先生な 大 連 外 国 語 大 学 において Chen Yan ど か ら 心 の こ も っ た ご 挨 拶 を い た だ き ま し 「現代詩と翻訳」 国際シンポジウムを開催 た。 今回集まった卒業生たちは、今後とも努力 2015年6月1日、大連外国語大学にお を惜しまず、一生懸命に学問に励み、日本語 いて、大連外国語大学・城西大学・城西国際 教育の発展、そして、中日の相互理解に自分 大学主催、日中短詩協会後援による国際合同 なりの力で貢献したい、そして、母校のさら シ ン ポ ジ ウ ム〝 日 中 現 代 詩 を め ぐ っ て ―― な る 発 展 の た め に 力 を 尽 く し て い き た い と 「現代詩と翻訳」 〟を開催しました。 口々にお礼を述べました。 でもありました。司会は、日中連携大学院の 学 生 で も あ る 由 志 慎( 大 連 理 工 大 学 外 国 語 ま た、 最 後 に 城 西 大 連・ 東 北 学 友 会 か ら、 母 校 の 創 立 周 年 に あ た り、 大 連 の シ ン ボ 学 院( School of Foreign Languages, Dalian ルであるアカシアの木の贈呈と水田三喜男 )副院長)さんが University of Technology 記念館に飾るための何かをプレゼントさせ 務めました。 て い た だ き た い と 発 表 が あ り、 大 変 感 激 し 城 西 大 学・ 城 西 国 際 大 学 で 学 ん だ 日 中 連 ました。 携 大 学 院 の 卒 業 生、 在 学 生 を は じ め、 J MBAスカラシップや共同教育プログラ ム の 卒 業 生、〝 向 坊 隆 記 念 〟 村 井 隆 奨 学 【大連外国語大学】 金、〝 水 田 三 喜 男 記 念 〟 水 田 宗 子 奨 学 金 の 大連外国語大学孫玉華学長表敬訪問 受 賞 生、 私 費 留 学 の 卒 業 生 等 な ど に 加 え、 50 大 連 市 人 民 対 外 友 好 協 会( Dalian Peaple 2015年6月2日、ロシア出張から帰ら れたばかりの大連外国語大学の孫玉華( Sun )、 大 連 理 工 Foreign Firendly Association 7 30 大 学、 大 連 外 国 語 大 学( )学長が、瀋陽へ移動する直前の我々 Yuhua Dalian University 一行をホテルにお訪ねいただき、親しく懇談 )、 中 国 東 北 大 学 of Foreign Languages を行いました。水田理事長と旧交を温める良 ( Northeastern University )から村井先生と い機会となったばかりではなく、城西大学・ ご 縁 の 深 い 方 々、 多 く の 来 賓 の 先 生 方 な ど 城西国際大学と大連外国語大学との今後の交 が出席しました。 流プログラムについてもさまざまな観点から 水田宗子理事長は、卒業生との再会を喜ぶ ディスカッションがなされました。特に高齢 とともに「村井先生のご遺志を継いで、日中 者福祉に関する新しい学科を本学との協力・ 両国の人材育成を今後も推進してまいりた 交流をもとに創っていきたいという希望を述 い。」と述べました。 べておられ、今後のますますの交流の発展が ま た、 城 西 大 学 名 誉 博 士・ 中 国 高 級 経 理 学院( China Business Executives Academy, 期待されます。 ) 元 顧 問・ 林 安 西( Lin Anxi )先 Dalian また、ロシア語がご専門の孫学長は、早速 生 と 大 連 理 工 大 学 元 書 記・ 張 徳 祥( Zhang に水田理事長の『書かれなかったラブレター ) 先 生、 お よ び 大 連 市 中 日 友 好 学 ( Unwritten Love Letter ) 』楽譜集にロシア Dexiang 友 会 会 長( President of the Dalian China- 語訳を寄せていただき、多言語教育へもお力 座談会の様子 【城西大連・東北学友会】 学校法人城西大学創立 周年記念 城西大連・東北学友会を開催 No.21 2015.9.30 )副学長をはじめ同大学の先生 Zhenyuan 方 の ご 出 席 の も と、〝 向 坊 隆 記 念 〟 村 井 隆 奨 学 金、〝 水 田 三 喜 男 記 念 〟 水 田 宗 子 奨 学 金 授 与 式 が 行 わ れ、 大 連 理 工 大 学 大 学 院 の 両奨学生計 名に水田理事長および村井隆 顧 問 か ら 奨 学 金 が 贈 呈 さ れ ま し た。 授 与 さ れ た 院 生 は、 い ず れ も 大 連 理 工 大 学 の 各 専 門分野の博士課程と修士課程から特に選ば れ た 皆 さ ん で あ り、 今 後 の 研 究 活 動、 そ し て社会での活躍を大いに期待したいと思い ます。 20 そ の 後 引 き 続 き、 水 田 三 喜 男 記 念 文 庫 の 贈 呈 式 が 行 わ れ、 城 西 大 学・ 福 島 和 伸 先 生 大きく貢献された軌跡を辿る図書から選書 を 始 め、 今 回 ま で 累 計 8 8 3 冊 を 寄 贈。 今 回 は、 第 回、 白 書 な ど 政 府 系 刊 行 物、 学 校 法 人 城 西 大 学 出 版 会 の 新 刊 図 書、 城 西 大 学・ 城 西 国 際 大 学 の 紀 要 に 加 え、 女 性 リ ー ダ ー 育 成 の 図 書 な ど、 計 冊 を 寄 贈 し ま し た。この記念文庫は、大連理工大学経済管理 学部MBAに設置され、日本の経済やビジネ スに関心のある研究者・院生、城西大学大学 院経営学研究科とのJMBAプログラムに留 学予定の院生に、とくに多く利用されている とのことです。 64 達( Zhang Xiangda )公共管理学院長と劉暁 梅( Liu Xiaomei )公共管理学院教授らが出席 されました。 東北財経大学は、1952年に設立された 中国の名門商科大学で、財政税務学院、金融 学院、経済学院、会計学院、法学院、旅游と ホ テ ル 管 理 学 院、 国 際 経 済 貿 易 学 院、 国 際 商 学 院 な ど 計 の 学 部 を 有 し、 学 生 数 が 約 1万9千人です。 夏学長は歓迎のあいさつで「東北財経大学 は学校法人城西大学と一緒にMBA教育、地 域医療福祉、医療ツーリズム、国際看護人材 育成などの分野において共同研究・共同教育 ン タ ー 所 長、 趙 建 国( Zhao Jianguo )大学院 長、張軍濤( Zhang Juntao )教務部長、張向 ( ) Dongbei University of Finance and Economics を訪問して、夏春玉( Xia Chunyu )学 長 ら と 会 見 し ま し た。 東 北 財 経 大 学 側 に は、 夏 学 長 の 他 に 張 語 辞( Zhang Yuci )国際交流セ 水田宗子理事長を団長とする一行は、20 15年6月2日に大連市にある東北財経大学 【東北財経大学】 東北財経大学と協定を締結しました 11 を進めていきたい」と述べられました。 8 第 二 部 は、 詩 人 に よ る 朗 読 会 で 、 吉 増 )、 寒 煙 剛 造、 水 田 宗 子、 簫 簫( Xiao Xiao ( Han Yan )、 田 原( Tian Yuan )、 カ リ ヨ ン 通りの会の仲間による 今 回 の た め に 作 ら れ た 四行連詩が読み上げら れ ま し た 。 詩 人 た ち が それぞれの母語作品を 読 み 終 わ り 、 次 に 大 連 外大の学生たちがそれ ぞ れ の 訳 さ れ た 日 本 語 の詩を読み上げたので す が 、 も っ と も 感 激 し たのは、学生たちの日 本 語 の 発 音 が 流 暢 だ っ ただけでなく、瞳を輝 か せ な が ら 、 そ の 詩 行 に潜むリズム感と詩人 の 隠 し た 感 情 ま で も 正 確に読んだことでした 。 こ れ は 両 大 学 に と っ て、 新 鮮 か つ 有 意 義 な 試 み だ っ た と 言 え ま す。 大連理工大学にて、 〝向坊隆記念〟村井隆奨学金、 〝水田三喜男記念〟 し て お ら れ、 奨 学 金 授 与、 日 中 連 携 大 学 院、 J M B A 制 度、 水 田 三 喜 男 記 念 文 庫、 本 学 へ の 研 修 訪 問 に つ い て、 一 つ 一 つ あ げ て 感 謝 を 述 べ ら れ ま し た。 今 回 が 初 め て の 会 見 と い う こ と も あ り、 長 い 時 間 を い た だ き、 今 後 の 交 流 に つ い て も 懇 談 が な さ れ、 こ れ までの交流を大切にしつつ、あらたに広がり をもった関係にしていくことを確認しまし た。 大連理工大学 魏党委書記と会見 水田奨学金の授与式 か ら 大 連 理 工 大 学 経 済 管 理 学 部( Faculty 水田宗子奨学金授与式および 水田三喜男記念文庫第 次贈呈式を挙行 of Management and Economics of Dalian )学部長の蘇敬勤 University of Technology ( Su Jingqing )先生に文庫の目録が贈られ 2 0 1 5 年 6 月 2 日、 水 田 理 事 長 と 魏 小 鵬 党 委 書 記 の 会 見 に 引 き 続 き、 賈 振 元( Jia ま し た。 水 田 三 喜 男 先 生 が 日 本 経 済 発 展 に 25 第三部は、「 詩と翻訳について 」をテーマ に、 水 田 宗 子、 陳 岩、 杜 鳳 剛、 劉 利 國( Liu )、 吉 増 剛 造、 田 原 諸 氏 に よ る「 カ リ Liguo ヨン通り」座談会が開 催 さ れ ま し た 。 詩 の 翻 訳の困難さについて、 そ れ ぞ れ の 立 場 か ら 話 があり、その解説もさ れ ま し た が 、 そ れ は ど うしてもなされなけれ ば な ら な い こ と だ と い うことで一致をみまし た 。 日 中 の 大 学 で 連 携 し て 多 く の 詩 人 を 招 き、 現代詩と翻訳について の シ ン ポ ジ ウ ム が 開 催 できたことは、非常に 多 く の 意 味 と 教 育 的 効 果がありました。今後 も 継 続 的 に 行 っ て ま い りたいと考えています 。 【大連理工大学】 大連理工大学 魏小鵬党委書記表敬訪問 2015年6月2日 、 水 田 宗 子 理 事 長 を 団 長とする学校法人城西 大 学 一 行 は 、 新 し く 就 任 さ れ た 魏 小 鵬( Wei Xiaopeng )党委書記 を表敬訪問いたしまし た 。 魏党委書記は、これ ま で の 大 連 理 工 大 学 と 本学の交流の経緯なら び に 実 績 を す べ て 理 解 11 No.21 2015.9.30 No.21 2015.9.30 されます。 具体的な共同プログラ ム の 推 進 が 大 い に 期 待 に、経営・福祉・メデ ィ ア ・ 観 光 ・ 人 文 ・ 環 境の領域における大学 院 生 ( 1 + 1 ) な ど の 引 き 続 き、 水 田 理 事 長 は、 城 西 大 学 と 城 西国際大学の教育内容及び最近の取り組み を紹介し、特に国際教 育 の 特 色 を 説 明 し ま し た。 さ ら に、 今 後 高 齢 社 会 の 進 展 に 応 じ て 、 東北財経大学との交流 を 繰 り 広 げ 、 経 営 管 理 や医療福祉分野を始め 、 環 境 分 野 、 介 護 分 野 などインターディシプ リ ナ リ ー な 共 同 教 育 と 共同研究を行っていきたいと述べられまし た。 会見後、両学の間で 包 括 協 定 を 締 結 し ま し た。今後、本協定に基 づ き 、 両 学 で 協 議 を し な が ら 日・ 中 間 の 共 同 研 究 を 進 め る と 同 時 協定締結 東北財経大学夏春玉学長と ちにとっても意義深い経験だったと思いま 【大連作家協会主催 日中詩人朗読会】 す。 大連市内の「大連万和祥茶楼」にて 詩の朗読会を開催 今回朗読された日本側の詩人たちの作品は 大連市政府が所属する 数年の歴史を持つ ) 』という文芸誌に掲載され 『 海 燕( Haiyan 6月2日、大連市内の美しい「漢風文化ビ ル」で行われた朗読会には、北京から中国現 る予定です。 代 詩 を 代 表 す る 詩 人 の 西 川( 会の冒頭、朗読会のために演奏された江城 )と Xi Chuan 簫 簫 両 氏 が、 そ し て、 大 連 市 の 詩 人 が 名、 ( Jiang Cheng )と関傑( Guan Jie )の琴の演 日本側からは水田宗子氏、吉増剛造氏、田原 奏もとても美しく、朗読会へ誘い、有名な書 氏とこちらも日本を代表する詩人が集いまし 道家である王奇( Wang Qi )氏が、書を日本 た。 の詩人たちにプレゼントしてくださいまし た。 一人一人、魂を込めての朗読は、心ふるえ るもので、一期一会の貴重な機会となりまし た。大連外国語大学の学生たちが、母語のあ 東北大学にて とに日本語、あるいは中国語で読み上げてく 水田理事長の特別講義と れ、どちらの詩人たちも母語にはない、別の 日中連携大学院講演会を開催 美しい調べを堪能し、懸命に読んでくれた学 生たちに感謝の意を表していました。学生た 四行連詩朗読 10 特別講義に続き、日中連携大学講演会が開 催 さ れ、 人 文 科 学 研 究 科 の 三 木 紀 人・ 客 員 教 授 と 岡 田 美 也 子・ 准 教 授 が 講 演 を 行 い ま の聴講生に対しても大いに刺激を与えるもの となりました。 2015年6月4日、瀋陽東北大学漢卿会 堂にて、東北大学特別客員教授として水田宗 子教授の特別講義が行われ、同大学で日本語 日本文化を学ぶ学部生・院生の約 名が聴講 しました。 同講義は、日中連携大学院の集中講義の第 二回として行われ、前回に続いて「文学批評 とは何か:文学批評の誕生と西欧近代化」が テ ー マ と な り ま し た。 批 評 家 の 誕 生 に つ い て、また、日本においては、明治期以降、西 欧文学とともに批評活動が導入され、その影 響下に発展してきたことが語られました。文 学や文化を知るための重要なテキストとして 位置付けた同講義は、文学研究を志す学生だ けでなく、言語や文化などに関心を持つ多く バル人材として育ててまいります。 育を実施しています。今後も、大学間の様々 なプログラムにより日中両国の学生をグロー と世界、日本と世界をつなぐ役割を果たすこ とが期待される人材です。瀋陽東北大学と本 (1970年前後)を読む」と題して、満蒙 開拓団の一員として吉林省に渡り、引き揚げ て後、作家となった宮尾登美子をとりあげま した。併せて、満洲文学を研究テーマとする 在学生の本学での学びを紹介しつつ、博士号 への道筋を説明しました。次に、岡田准教授 が「中世説話文学の語りと文体」と題して、 説話文学の概念規定を総括したうえで課題を 述べ、物語文学との関係性について話しまし た。 今回聴講した学生たちは、日本語という言 語を媒介として、日中両国だけでなく、中国 学は、学部・修士・博士課程において共同教 し た。 ま ず、 三 木 教 授 は、 「宮尾登美子日記 水田理事長 東北大学特別客員教授として講義 9 60 80 【瀋陽 東北大学】 東北大学趙継学長を表敬訪問 会場には、この日の午後、親善試合を行う 城西国際大学の男子サッカー部の学生や韓 南 大 学 校 関 係 者 が 多 く 詰 め か け ま し た。 最 後に、女性ソリストの鄭眞雅( Chong Sin-a ) さんが、美しい声でお祝いの歌を披露してく ださいました。 ●記念植樹式が行われました 授与式後、サッカーの親善試合が行われる 韓南大学校の大運動場前で両大学関係者によ る記念植樹式が行われました。植樹されたの は、 日 本 海 に 浮 か ぶ 鬱 陵 島( Ulleungdo )の 松。金総長は「花を見るには1年、木を育て 見るには 年みなければならない、とのこと わざがあります。この松は、雪が降っても青 色に輝きます。今後、両大学、両国も、この 青色のような関係を維持していきたいと思い ます」と挨拶しました。 10 韓 南 大 学 校 は、 1 9 5 6 年 4 月 に 創 立 さ れ、来年創立 周年を迎えます。韓国中部地 方の名門私立大学で、学生数は、約1万3千 人を数えます。 博士号の授与式は韓南大学のホールで行わ れました。金炯泰( Hyungtae Kim )総長か ら名誉博士号を授与された水田理事長は「韓 南大学校は親しい姉妹校であり、韓国の高等 教育の中心を占める、世界的に高名な大学で あります。そのような貴校より名誉教育学博 士号を授与され、みなさまのお仲間に加えて いただきましたことを、大変うれしく、また 誇りに思います。これからは貴校の信頼に応 えうる大学として、国際教育の更なる向上に 努め、二十一世紀の平和な世界と、韓国、日 本の友好的な協力関係を築くことに貢献でき る人材育成に全力を挙げて努力したいと思い ます」と述べられたあと、韓南大学校の学生 らに対し「ぜひJIU、日本を訪れ、アジア のあり方、世界のあり方について思索してく だ さ い。 世 界 を 背 負 う 人 材 に な っ て く だ さ い」と呼びかけられました。 授与式には、佐藤勝・駐韓日本大使館公報 文化院長、白春喜( Park Chun-gi )大田市副市 長らも出席しました。佐藤院長は「日韓国交 正常化 周年に当たります。このような両大 学の若い世代の教育・スポーツ交流を通して、 年後、100年後の明るい未来が築かれる ことを期待しています」と述べられました。 なお2014年4月には、高円宮妃殿下へ韓 南大学校より名誉博士号が授与されています。 金総長は「韓国と日本の関係は、冷え込ん でいても文化、教育などの分野では、交流は 進んでいます。韓日の友好を深めることにお いて、韓南大学校と城西・城西国際大学との き、水田理事長に名誉博士号を授与させてい ただき光栄です」と話していました。 名誉博士号を授与された水田理事長(右側は、金総長) 60 交 流 は、 良 い 見 本 で す。 高 円 宮 妃 殿 下 に 続 50 2015年6月4日 、 新 し く 就 任 さ れ た 趙 継( Zhao ) Ji学長と懇談いたしました。 趙 学長は、これまでの城 西 大 学 と 東 北 大 学 の 深 い連携についてよくご 存 じ で 、 ま ず 、 本 学 に 対し、日中連携大学院 に お け る 博 士 号 取 得 の 教育について、深い感 謝 を 寄 せ ら れ ま し た 。 ま た、 日 本 留 学 経 験 も お あ り の 趙 学 長 は 、 グローバルコミュニケ ー シ ョ ン 大 学 院 に お け る連携教育についても 大 き な 期 待 を し て お ら れ、両学でよりよい人 材 育 成 を し て い け る よ うに支援を約束されま し た 。 12 周 年 を 記 念 し て 設 立 し た「 Prince Takamado (高円宮殿下記念スポー Memorial Sports Park ツパーク) 」におきまして、日本サッカー協会 の名誉総裁を務められている高円宮妃殿下の ご臨席のもとで第一回サッカー国際親善試合 を行いました。こうした日本と韓国両国の友 好 の 推 進 に 努 め て こ ら れ、 ス ポ ー ツ、 教 育、 月には、城西国際大学の創立 東北大学 趙継学長と 20 )副学長、 また、その後、姜茂発( Jiang Maofa 孫雷( Sun Lei )副学長とも懇談し、東北大学の 広大で美しい新キャンパスも案内いただき、東 北大学が大きな飛躍の時期であることもよくわ かりました。数年来築いてきた信頼のもと、さ らなる交流の推進をしてまいりたいと思います。 24 2012年 21 若い人の人材育成に力を尽くしている水田理 事長に名誉博士号が授与されたものです。 50 学校法人城西大学一行が韓国の大田・釜山を訪問 日時:2015年8月 日~8月 日 場所:韓南大学校、東西大学校、大韓民国 【韓南大学校( Hannam University ) 】 水田宗子理事長に名誉教育学博士号が 授与されました 2 0 1 5 年 8 月 日、 水 田 宗 子 理 事 長 は、 韓国の大田にある韓南 大 学 校 か ら 教 育 学 名 誉 博士号を授与されまし た 。 21 本 学 は、 2 0 0 9 年 に 韓 南 大 学 校 と 学 術 交 流 協 定 を 締 結 し、 交 換 留 学 や 国 際 文 化 研 修 な ど を 中 心 に 活 発 に 交 流 し て き ま し た。 10 No.21 2015.9.30 No.21 2015.9.30 と、千葉県大学サッカーリーグ1部に所属、関 東大学サッカーリーグ昇格を目指しています。 開幕式では、倉林眞砂斗・城西国際大学副 学長が「高円宮妃殿下の臨席のもと行われま した前回の親善試合では、韓南大学校が花を 持たせてくれ、2対1で城西国際大学が勝利 しました。今回、妃殿下からのお祝いのメッ セ ー ジ を い た だ き、 金 総 長 に ご 披 露 し ま し た」と述べました。 1万人を収容出来るという大運動場には、 韓南大学校の学生、教職員や地元のサッカー ファンら多数、詰めかけました。炎天下、両 校選手たちは、汗びっしょりで駆け巡りまし た。前半 分、城西国際大がシュートを入れ リードしましたが、韓南大学校が奮起し、前 半終了直前に追いつきました。後半戦は、息 をのむ攻 防が繰り広げられましたが、結局、 今回は1対1の引き分けに終わりました。 試合後、大田市内のレストランで送別レセ プションが行われました。両校の選手、監督 や水田理事長、金総長ら関係者が出席しまし た。両校選手は、同じテーブルに着き、韓南 大学校の学生の通訳のもと、健闘を讃えあっ たり、互いの学生生活を紹介したりするなど なごやかに歓談しました。 小山監督や選手らは、韓南大学校関係者と ペナントなどを交換し、次回の親善試合での 再会を約束していました。 AUPF メンバーが一堂に会し、GAA が発足 合意されたオンライン教育システムで、その 発足式が韓国釜山の本学と姉妹校である東西 大学校で開催されました。 このオンライン教育システムのタスク フォースであった城西国際大学を初めとする 5大学を代表して発足式において水田理事長 が文化的多様性に基づくアジアからの発信の 意義の大きさに基づく祝辞を述べられました。 引き続きのラウンドテーブルディスカッ ションではこの9月からのスタートを踏ま え、 質 保 証 の 在 り 方、 G A A の さ ら な る 充 実、またGAAと組み合わせた様々な国際教 育プログラムの可能性等についての熱のこ もった討議がなされました。 2015年8月 日、 Global Access Asia (GAA)はこれからのアジアの時代に向 韓国東西大学校訪問 けての国際教育の重要性に鑑みた高等教 【東西大学校( Dongseo University )】 GAA発足式( Official Launching )開催 Ceremony 40 育 の 新 た な 方 策 と し て 2 0 1 4 年 に Asian GAA調印と共同映画製作へ合意 (AUPF)で University President Forum 24 ●城西国際大学、韓国・釜山、東西大学との 共同映画製作、第2弾の製作が開始! 2013年3月、城西国際大学開学 周年 記念として、城西国際大学メディア学部と韓 国の提携パートナーである東西大学の共同製 作による映画「冬の花火」が完成、上映され ました。この作品は、東日本大震災で妻と娘 を失い、千葉県鴨川で避難生活を送る男性と 韓国人の女子留学生の交流が、互いの孤独感 を癒すことでさわやかに描かれています。韓 国側によるオリジナル・ストーリーを、日本 側が、風土、習慣に合わせて修正するといっ た製作プロセスは、国際共同製作ならではの もので、映画製作を通じての交流は、両国の 学生に大きな体験となりました。 そ し て 2 0 1 5 年、 城 西 大 学 と 東 西 大 学 は、同時に 開学 周年を迎えることになり、 そこで、両校はその記念として、再び共同で 映 画 の 製 作 を 行 う こ と に な り ま し た。 今 回 の共同製作は、水田宗子城西国際大学理事長 が、 8 月 日 に 東 西 大 学 を 訪 問 し、 朴 東 順 20 共同製作のパートナーとなる東西大学 Film 学科は、プサン国際映画祭のメイン & Video 会場となるセンタム・シティ( Centum City ) のシネマ・センターに隣接した、映画を学ぶ には絶好のロケーションにあります。キャン パ ス に は、 1 1 4 0 席 の 大 ホ ー ル を は じ め、 100席の試写室が2スクリーン、ポスプロ 施設、最新鋭の撮影器材をそろえています。 また、キャンパス内には、韓国映画界の巨 人、 イ ム・ グ ォ ン テ ク( Im Kwon-taek )監 督のあらゆる資料をそろえたミュージアムも あります。 11 50 ( Park Dong-soon )理事長と協議し合意され たものです。水田宗子理事長、朴東順理事長 ともに、この共同製作によって提携大学とし ての絆を一層深め、前作を上回る作品が出来 るよう協力しあうことを話し合いました。 22 2012年の第一回 サ ッ カ ー 国 際 親 善 試 合 の際、「高円宮殿下記念スポーツパーク」に、 金総長の出席のもとで 松 の 木 が 記 念 植 樹 さ れ ましたことを念頭に、 水 田 理 事 長 は 「 若 い 学 生ら次世代の活躍と両 大 学 の 友 好 が 深 ま る こ とをここで植樹された こ の 木 が 証 人 に な っ て く れ る で し ょ う。 城 西 国 際 大 学 の ス ポ ー ツ パークの松を見るたび に 韓 南 大 学 校 の こ と を 思い出します」と述べ ら れ ま し た 。 ●サッカー交流で深ま る 友 好 名誉博士号授与式・植樹式のあと、城西国際 大学と韓南大学校による第二回サッカー国際親 善試合が行われました。韓南大学校は、韓国学 生サッカーリーグ2位の実力を持ち、Jリーグ にも多くの人材を輩出しているサッカーの強豪 校です。また、JIUサッカー部は、元日本代 表チームコーディネーターの小山哲司監督のも 心のこもった「親善試合歓迎」の文字を刻んでプレー 共同製作による第2 作 目 は 、 プ サ ン 国 際 映 画祭が終了する201 5 年 月 中 旬 か ら 準 備 に入り、年内にはシナ リ オ を 完 成 さ せ 、 来 春 には撮影に入る予定で す 。 企 画 の 前 提 は 、 鴨 川を背景として、韓国 、 日 本 の 交 流 を 描 く こ とで、両大学からシナ リ オ を 募 り 、 こ の プ ロ ジェクトを担当する両 校 の 映 画 教 員 が 優 秀 作 品を選出します。ここ か ら 、 こ の 企 画 に 参 加 する両校の学生は、シ ナ リ オ の 修 正 、 撮 影 の 準備、撮影、ポスト・ プ ロ ダ ク シ ョ ン と い っ た映画製作の過程を共同で行います。この異 なる文化、考え方を持つ人々との共同作業こ そ、国際共同製作の重要なテーマと考えてい ます。この体験を通じて、学生たちは、視野 を広げ、大きく成長するはずです。 映画の完成は、 来春から夏ころを予定し、 2016年プサン国際映画祭の開催に合わせ て東西大学のホールでのプレミア上映を計画 しています。 学校法人城西大学一行がフランスを訪問 日時:2015年9月 日~ 日 場所:パリ・エスト・クレテイユ大学、 フランス国立東洋言語文化研究所、 ギメ美術館、 ブルゴーニュ大学、 リール・カトリック大学、 フランス共和国 校( IÉSEG School of Management, Université ) 、リール・カトリック大 月 日午前 Catholique de Lille 学( Université Catholique de Lille )に続い パリ・エスト・クレテイユ大学訪問 て昨年 月、パリ・エスト・クレテイユ大学 関係から、さらに拡大して大学院の1+1や 他の学部との交流を推進することでも合意し ました。 面談後は、キャンパスツアーを経て、 Luc 学長とランチをご一緒して医学博 Hittinger 士でいらっしゃる学長と両学の理系分野での 交流の可能性について、幅広い議論がなされ ました。 9月 日午後 フランス国立東洋言語文化研究所 )訪問 ( INALCO て い る 国 際 シ ン ポ ジ ウ ム の 説 明 を 行 い、 今 後、フランス国立東洋言語文化研究所の日本 関係の先生方との交流を含め、本学との協力 関係を依頼して快諾を得ました。 月 日 リール・カトリック大学 ) 訪問 ( Université Catholique de Lille 23 本学から派遣するフランス語研修につい て、研修の担当である McGregor 先生ととも に日程や具体的なカリキュラムなどの協議を 持ちました。本学からは、欧州研究センター を 含 め 支 援 セ ン タ ー の 概 要 を 説 明。 大 学 院 9 の Sandri 教授が手掛ける政策科学(食文化、 サイバー・セキュリティーを含む)に関する 1+1等の調印を行うとともに、今後は幅広 い大学院交流を進めることで合意しました。 12 10 リック大学、パリ・エスト・クレテイユ大学 水田宗子理事長を団 長 と す る 学 校 法 人 城 西 大学一行(北村幸久・理事長室室長、久米五 、ギメ美術館等と Université de Bourgogne 郎太・欧州研究センター副所長、メディア学 新しい語学と文化についての研修プログラム 部 Romain Duchesnes について調整することが出来、本学とフラン 先生)は、2015年 スとの学術交流の促進に具体的成果を挙げる 9月 日から 日まで、フランスを訪問しま した。本学はリール・カトリック大学 IESEG ことができました。 27 ( Université Paris-Est Créteil Val-de-Marne ) と学術交流協定を締結。このほど、学内に欧 州研究センターを設立しました。 今回の訪問は、新し い 地 域 に あ る 大 学 と の 協定締結、既存大学と の 交 流 の 促 進 の た め 新 たな研修プログラムを 大 学 な ら び に 美 術 館 等 22 面談では両学から学校紹介があった後、本 学から欧州研究センターの設立の経緯と今後 の活動について説明を行いました。先方から は「国際教育の充実のため、ぜひもっと多く の学生を送りたい」との要望が出され、本学 としても受け入れ態勢の整備に前向きに取り 組むことを約束しました。 、 日に予定し リールにて大学院との交流のミーティング 27 9 パリ・エスト・クレテイユ Hittinger 学長と 教 日本現代政治・文化がご専門の Lucken 授 と 面 談 し ま し た。 教 授 か ら は INALCO の 特徴や日本との関係などの話があったあと、 本学から、 「世界の中の日本」プログラムの 取り組みや2016年1月 14 22 ま た、 共 同 教 育 と し て「 ダ ブ ル・ デ ィ グ リー1+1プログラム」の具体化の検討を進 めることで合意。現在の経済経営関係の協力 13 22 10 と 調 整 す る こ と を 目 的 と し た も の で、 リ ー ル・カトリック大学と 新 た に 1 + 1 の プ ロ グ ラ ム の 調 印、 Université de Bourgogne と学 術 交 流 協 定 を 締 結、 訪 問 し た リ ー ル ・ カ ト 22 No.21 2015.9.30 No.21 2015.9.30 キャンパスツアーで は 、 本 学 へ 留 学 し た の ち現在国際センターに 就 職 し た 学 生 が 案 内 を 務 め て く れ、 薬 草 園 や イ ノ ベ ー シ ョ ン セ ン タービルなど古さと新 し さ が 同 居 す る 大 学 の 魅力を体感しました。 国際大学で実施する講義「世界の中の日本」 というテーマに、このギメ美術館は本当にふ さわしいと思うと全面協力の申し出がありま した。バックヤードや倉庫なども特別にお見 せいただけるとのことでした。 日 両学の紹介・説明の後、本学の欧州研究セ ンターなど支援センターの説明を行いまし 25 訪問 Université de Bourgogne 月 学 長 と の 面 会 で は、 学 長 が 本 学 と Giorgini の交流をよくご存じで 、 グ ロ ー バ ル 化 時 代 に おける日本の重要性と日本におけるパート ナー大学として城西大 学 に 大 き な 期 待 を し て いること、さらに交流 を 発 展 さ せ て ほ し い と お話しされました。 月 日 ギメ美術館訪問 9 た。 そ の 後、 Bonnin 学長と学術交流協定を 締結し、フランスの大学では4番目の締結が 実現しました。 その後、短期、長期の教育交流について意 見交換。先方からは、本学に学生(3名を想 定)を早く送りたいとの要望が出され、本学 は歓迎の意向を伝えました。また、本学が希 ブルゴーニュ大学と調印 望する短期学生研修について、早期に先方の 受け入れの提案をいただくことになりました。 学長も医学博士でいらっしゃるこ Bonnin と か ら、 本 学 の 薬 学、 看 護、 福 祉、 理 学 療 法、など医療福祉関係の相互の関係性につい て話が弾み、大きな期待が寄せられました。 城西大学JMBAスカラシップ奨学生授与式を挙行 日時:2015年5月 日 場所:学校法人城西大学東京紀尾井町キャンパス 連携協定を結んでいる大連理工大学管理 学院( Faculty of Management and Econom )か ics of Dalian University of Technology らの大学院生(MBA)を対象にした「城西 大学JMBAスカラシップ奨学生」の今年度 の授与式が2015年5月 日、東京紀尾井 町キャンパス1号棟で行われました。 13 12 す。1年間の過程を修了した後は、城西大学 の卒業生として、将来、世界のどこにいても 自信を持って頑張れると確認しています」と 謝辞を述べました。 本学は2007年に大連理工大学と学術交 流協定を締結。2009年からJMBAプロ グラムを開設し、これまで 人の留学生が城 西大学の修士号を得ています。 留学生4人を囲んで授与式後の記念撮影 24 本学の学生のフラン ス に お い て の 研 修 に 際 し、ギメ美術館での受 け 入 れ に つ い て 依 頼 し ました。先方からは、 本 学 が 城 西 大 学 と 城 西 ) 今回授与されたのは、程丹燕( Cheng Danyan )さん▽武慧 さん▽鄭方鋭( Zheng Fangrui ( Wu Hui ) さ ん ▽ 劉 楠( Liu Nan ) さ ん ―― の 人。いずれも大学を卒業し、いったん企 業で働いた後、大学院に入学しました。賞状 授与の後、水田宗子理事長は挨拶で「多くの 方々のおかげで大連理工大学との連携大学院 であるJMBAが出来た。先人たちの交流、 連携の大切さを忘れずに、後輩のために色々 な道を開いていってほしい。そして素晴らし い職業人になって、世界に貢献できる人材に なっていただきたい」と呼びかけました。ま た森本雍憲学長は「来年3月までの時間を大 事に一生懸命勉強して、世界で活躍できる才 夫な懸け橋になってほしい」と激励しました。 4人を代表して鄭さんが「城西大学に来て 1月半。教職員の皆さまのきめ細かいご指導 をいただき、日本の友達と勉強したり、遊び に出かけたり、楽しい留学生活を送っていま 27 12 能を伸ばしてほしい。将来は、日本と中国の丈 4 9 ギメ美術館での打ち合わせ フィリピン日本語文化学院 ( ) PIJLC と学術交流協定を締結 日時:2015年5月 日 場 所 :学校法人城西大学東京紀尾井町キャンパス フ ィ リ ピ ン 元 留 学 生 連 盟 は、 駐 日 フ ィ リ ピ ン 大 使 で あ っ た ホ セ・ S・ ラ ウ レ ル Ⅲ 世 7月7日に千葉東金キャンパスで開会しまし た。 4回目となる今年は、城西大学(埼玉県坂 戸市) ・ 城 西 国 際 大 学( 千 葉 県 東 金 市、 鴨 川 市)合同で開催し、各キャンパスを舞台にア ジア圏の学生たちが7月 日まで3週間にわ たり生活を共にしながら一緒に学びます。参 加国は、日本、中国、韓国をはじめタイ、イ ン ド ネ シ ア、 バ ン グ ラ デ シ ュ、 リ ト ア ニ ア、 マレーシア、フィリピンの計9か国、 大学 から計約150名の学生が参加しています。 期間中は、アジアの経済、社会、文化など の講義のほか、友好・交流を深めるさまざま なアクティビティも催されます。講義・行事 はすべて英語でおこなわれるため、海外にい るような雰囲気が体験できるようになってい ます。これだけ多数の国々から多数の学生が 集い、長期間にわたり学ぶ、日本とアジア・ 世界を結ぶ「知の地平線」の広がりが期待さ れます。 周年記念特別講演会 講演会・シンポジウム 学校法人城西大学創立 天津外国語大学学長・修剛先生講演会を開催 学 長 に よ る 特 別 講 演 会「 大 学 の グ ロ ー バ ル 人材・高度職業人教育に関する取り組み」を 日時:2015年5月8日 場所:学校法人城西大学東京紀尾井町キャンパス 2 0 1 5 年 5 月 8 日、 学 校 法 人 城 西 大 学( 水 田 宗 子 理 事 長 ) は 創 立 周 年 を 記 14 ( JOSE S. LAUREL III )により1976年に 設 立 さ れ、 フ ィ リ ピ ン 日 本 語 文 化 学 院 も 同 氏が理事長を務める日比友好財団によって 1992年に設立されました。同学院は、日 本留学を支援するため日本語能力試験( JLPT ) に対 応す る教 育を 広範に実施していますが、 日本 の産 業界 の人 材ニーズの高まりに応じ、 IT、製造、サービス、建設、観光、福祉介 護等々の職業別日本語教育のためのフィリピ ン人教師の養成が喫緊の課題となってきてお り、この面での本学との提携に期待していま す。このほか本学からの教師・学生の派遣も 含めた交流を進めていくことも期待されます。 」 が開会 Asia Summer Program 2015 28 念 し て 天 津 外 国 語 大 学 ( Tianjin Foreign 東京紀尾井町キャンパス3号棟で開催しまし ) の 修 剛 ( Xiu Gang ) た。 Studies University 開会式の様子 氏 は、 学 校 法 人 城 西 大 学 は、 2 0 1 5 年 5 月 同 学 院 の 院 長 Philip B. Sanvictores 日 に フ ィ リ ピ ン 日 本 語 文 化 学 院( Philippine フィリピン元留学生連盟会長、本年はアセア Institute of Japanese Language and Culture ン元日本留学生評議会の議長も兼ねておられ )と学術交流協定を締結しました。 て、その打合せを兼ねての来日の機会に、ご Foundation 婦人とともに本学を訪問され、水田宗子理事 長と会談されました。 「 学術交流協定を締結 日時:2015年7月7日 場 所 :城西国際大学千葉東金キャンパス 人材を育成することを目的にスタートしたプ ロ グ ラ ム「 Asia Summer Program 2015 」が 14 15 15 2012年から学校 法 人 城 西 大 学 を 含 め ア ジア5大学が中心となり、未来をけん引する 50 50 No.21 2015.9.30 No.21 2015.9.30 修学長は日本語教育 が 専 門 で 、 現 在 の 中 国 の大学学長の中で唯一 日 本 を 専 門 と す る 学 者 です。中国の日本語教 育 の 学 会 で あ る 中 国 日 本語教育研究会の会長 を 務 め 、 現 在 は 中 国 教 育部の外国語教育指導 委 員 会 ・ 日 本 語 委 員 会 の主任、中国翻訳協会 副 会 長 の 要 職 に あ り ま す。 本学と天津外国語大 学 は 、 2 0 0 7 年 月 に学術交流協定を締結 し ま し た 。 大 学 院 、 学 部にこれまで300人 を 超 え る 学 生 が 学 び に き て お り、 ま た 教 員 の 交 流 も 行 わ れ て い ま す。 こ う し た こ と か ら 2 0 1 1 年 9 月 に は 、 修学長に城西国際大学 の 名 誉 博 士 号 を 授 与 い たしました。現在、天 津 外 国 語 大 学 大 学 院 の 人の学生が、半年間 の 短 期 留 学 で 城 西 国 際 大学メディア学部ビジ ネ ス デ ザ イ ン 研 究 科 に 学んでいます。 14 10 講演する修学長 講 演 に 先 立 ち、 水 田 理 事 長 は「 世 界 的 に 著 名 な 修 先 生 の お 話 は、 私 ど も に 大 き な 示 唆を与えてくれるものになります」と挨拶 し ま し た。 修 学 長 は、 副 題「 中 国 の 大 学 教 育改革の方向性と日中大学間の協働の可能 性 」 が 付 い た こ の 日 の 特 別 講 演 で「 グ ロ ー バル人材の育成はこれからの大学の大きな 方向性の一つ。また、中国では専門性を持っ た 高 度 職 業 人 の 育 成 に も 力 を 入 れ て い る。 グ ロ ー バ ル 人 材 と 高 度 職 業 人 の 育 成 は、 中 国 と 日 本 の 大 学 の 共 通 認 識 で 目 標 で も あ る。 交 流 の 歴 史 と 実 績、 文 化 的・ 距 離 的 に 近 い こ と な ど か ら、 中 日 大 学 間 の 協 働 に は 大 き な可能性がある」と指摘したうえで、「天津 外 国 語 大 学 と 城 西 大 学、 城 西 国 際 大 学 の 行 動がモデルの一つになればいい」と結ばれ ま し た。 ま た、 昨 今 の 日 中 関 係 に も 触 れ、 「隣人との付き合いを大事にしなければなら な い。 国 民 同 士 の 交 流 を 通 じ て、 中 日 関 係 を良くしないといけない」と述べられまし た。 講演会には城西国際大学と城西大学の教 職員や天津外国語大学はじめ中国からの留 学 生 ら 約 1 0 0 人 が 参 加 し、 長 い 経 験 に 裏 打ちされた修学長のお話に熱心に聞き入りま した。 歓談の輪が広がった講演会後のレセプショ ンでは、天津外国語大学出身で留学生の楊萌 萌( Yang Mengmeng )さんが、瓢箪(ひょ うたん)の笛による「月の下の竹」の演奏を 披露すると、修学長は笑顔で大きな拍手を送 られていました。 この日の特別講演会を機に、天津外国語大 学と本学との一層の交流の強化が期待されま す。 学校法人城西大学創立 周年記念 城西 日本・スロベニア シンポジウム「女性作家と 女性映画監督:その歴史的意義」を開催 日時:2015年6月 日 場所:学校法人城西大学東京紀尾井町キャンパス 22 挨拶するゾルゴ大使 とこんなに良い関係を結ぶことが出来て、と てもうれしく思います」と感謝の言葉を述べ 使は「私は7月末で離任しますが、城西大学 ニ ア の 女 性、 ア ン ゲ ラ・ ヴ ォ デ( Angela 、1892~1985年)についての Vode ド キ ュ メ ン タ リ ー 映 画「 隠 さ れ た 記 憶 」( 2 0 0 9 年 ) な ど を め ぐ っ て、 映 画 や 文 学、 フェミニズムの歴史的意義について討議しま した。 シンポジウムの開会にあたり、水田宗子理 事 長 は 挨 拶 で「 本 学 は 海 外 の 大 学、 特 に 中 欧、東欧諸国との協力関係づくりに励んでき ま し た。 我 々 に 世 界、 そ し て 日 本 に つ い て 考える場を与えていただき、感謝申し上げた い」と述べて、ゾルコ大使に名誉栄誉教授の 称号を授与しました。これに対し、ゾルコ大 流協定をノヴァ・ゴリツァ大学( University ) と 結 び ま し た。 女 性 で あ of Nova Gorica るゾルコ大使はジェンダー問題について も 関 心 が 高 く 、 女 性 学・ ジ ェ ン ダ ー 研 究 の 充 実 を は か る 本 学 と の 交 流 に よ っ て、 今 回 の シ ン ポ ジ ウ ム が 実 現 し ま し た。 大 戦 中 は ナ チ ス の 収 用 所、 戦 後 は ユ ー ゴ ス ラ ビ ア で 投獄されながら人権のために闘ったスロベ 本 学 は、 駐 日 ス ロ ベ ニ ア 大 使 館 の ヘ レ ナ・ ドルノウシェク・ゾルコ( Helena Drnovšek ) 大 使 の ご 支 援 に よ っ て、 こ の ほ ど 本 Zorko 学とスロベニアの大学では初となる学術交 22 ました。 15 50 2015年6月 日、学校法人城西大学は 東 京 紀 尾 井 町 キ ャ ン パ ス で「 城 西 日 本・ ス ロ ベ ニ ア シ ン ポ ジ ウ ム『 女 性 作 家 と 女 性 映 画監督:その歴史的意義』」を開催しました。 創立 周年を記念したシンポジウムで、駐日 スロベニア大使館とともに城西国際大学メ ディア学部、ジェンダー・女性学研究所が共 催いたしました。 50 ノヴァ・ゴリツァ大学との交流の促進が期待 されます。 ンター所長が講師をつとめ、学生、教職員の ほ か「 暁 斎 フ ァ ン 」 ら 約 1 6 0 人 が 聴 き 入 り ました。 河鍋暁斎(かわなべ・きょうさい、182 1 ~ 1 8 8 9 年 ) は、 幕 末 か ら 明 治 に か け て 活躍した異端の画家。1870(明治3)年 17 17 )日仏会館日本研究セ Christophe Marquet 50 には筆禍事件で捕えられたこともあるほどの の中で初めて紹介したことがきっかけで、フ 反骨精神の持ち主で、多くの戯画や風刺画を ランスで諷刺画家として高く評価されるよう 残 し て い ま す。 狩 野 派 の 流 れ を 受 け て い る になりました。ギメ美術館所蔵の絵本や、フ が、他の流派・画法も貪欲に取り入れ、自ら ランスの有名雑誌の表紙の挿絵なども紹介さ を「画鬼」と称し、その筆力・写生力は群を れました。マルケ氏は「筆禍事件では、暁斎 抜いていたが、近年まで日本の美術史の中で は 3 か 月 間、 投 獄 さ れ、『 反 骨 の 画 家 』 の イ は忘れられた存在でした。しかし、欧州では メ ー ジ が、 フ ラ ン ス で 定 着 し ま し た。 ヨ ー 世紀末に日本の代表的な画家として北斎に ロッパにかぶれず、日本的な美意識を全うし 次いで賞賛されておりました。 たことが高く評価された」と説明しながら )』 が 講演に先立ち、水田宗子・学校法人城西大 「 暁 斎 没 後 に『 フ ィ ガ ロ 紙( Le Figaro 学理事長は「マルケ先生は、日本とフランス 1面でその訃報記事を掲載したほどだ」とフ の文化交流の研究や人材育成に力を入れてき ランスでの暁斎への関心の高さを指摘されま た 方 で す。 本 学 で は『 世 界 の 中 の 日 本 』 を した。 テーマにした教育プログラムを持っており、 ) 会 場 に は、 ギ メ 美 術 館( Musée Guimet 先生の講演は、学生らに大きな示唆を与えて の学芸員、パリクラブ、フランス日本婦人会 くれると確信している」と挨拶しました。 の会員らも詰めかけました。また、 「曉齋展」 が 東 京・ 三 菱 一 号 館 美 術 館 に お い て 開 催 中 講師のクリストフ・マルケ氏は、1965 年、フランス生まれ。日本近世・近代美術史 で、その関係者の姿もありました。 と 出 版 文 化 史 が 専 門 で、 編 著 に「 日 本 の 文 字文化を探る――日仏の視点から」 「テキス ト と イ メ ー ジ を 編 む ―― 出 版 文 化 の 日 仏 交 流」などがある。フランスでは中村芳中、葛 飾 北 斎、 喜 多 川 歌 麿、 暁 斎 な ど 数 多 く の 江 戸・明治の画譜の翻訳と復刻を出版。暁斎の 遺 作『 暁 斎 百 鬼 画 談( Kyôsai hyakki gadan; )』 を 仏 L'histoire illustrée des cent démons 訳・復刻されております。 マルケ氏は、フランスを中心に美術館、博 物館などを現地調査、 「暁斎の足跡」を追い 求めてきました。その際に写しとったスライ ドを駆使しながら「暁斎はいつ、なぜフラン スで有名になったか」について言及されまし た。 暁 斎 は、 東 洋 の 宗 教 調 査 の た め に 来 日 し た フ ラ ン ス 人 実 業 家 エ ミ ー ル・ ギ メ( Émile )と画家フェリックス・レガ Étienne Guimet メ( Félix Régamey ) が、 1 8 8 0 年 に 彼 ら の著書『日本散歩( Promenades japonaises ) 』 19 16 続 い て「 隠 さ れ た 記 憶 」 の ダ イ ジ ェ ス ト 版 の 上 映 が 行 わ れ、 マ ヤ・ ヴ ァ イ ス( Maja ) 監 督 は「 ヴ ォ デ は 精 神 の 自 由 が 最 も Weiss 大 事 と 言 っ て い た。 精 神 の 自 由 を 主 張 し た ロールモデル」などと 、 ヴ ォ デ の 生 涯 と 映 画 を解説しました。 ノヴァ・ゴリツァ大 学 の カ テ ィ ア ・ ミ フ ル コ・ ポ ニ シ ュ( Katja Mihurko Poniž )スロ ベニア文学准教授・人 文 科 学 部 学 部 長 が 基 調 講演。休憩をはさんで 、 ゾ ル コ 大 使 、 ヴ ァ イ ス監督、ポニシュ准教 授 の 三 方 に 、 本 学 側 か ら映画評論家の村川英 ・ 城 西 国 際 大 学 客 員 教 授、 竹 藤 佳 世・ 准 教 授 、 林 千 章 ・ 講 師 が 加 わ っ て、 和 智 綏 子・ 教 授 の 司 会 で 、 人 権 や ジェンダー論、女性作 家 の 未 来 な ど を め ぐ っ てパネルセッションが 展 開 さ れ ま し た 。 城 西 国 際 大 学 や 城 西 大 学 の 教 職 員 や 学 生・ 留学生約160人が熱 心 に 耳 を 傾 け 、 シ ン ポ ジウムに引き続いて行 わ れ た レ セ プ シ ョ ン で は和やかな雰囲気のも と 、 歓 談 の 輪 が 広 が り ました。 周年記念特別講演会 シ ン ポ ジ ウ ム を 機 に、 本 学 と ス ロ ベ ニ ア、 学校 法 人 城 西 大 学 創 立 学 校 法 人 城 西 大 学 は、 2 0 1 5 年 7 月 日、 東 京 紀 尾 井 町 キ ャ ン パ ス で 特 別 講 演 会 日時:2015年7月 日 場所:東京紀尾井町キャンパス 「フランスで賞賛された 明治の風刺画家 河鍋暁斎」を開催 50 「フランスで賞賛された明治の風刺画家 河鍋 暁 斎 」 を 開 催 し ま し た。 創 立 周 年 を 記 念 し た 特 別 講 演 会 の 一 環。 ク リ ス ト フ ・ マ ル ケ ( 講演するマルケ氏 No.21 2015.9.30 パネルセッションの様子 さ れ、 「 将 来、 母 国 で ビ ジ ネ ス を す る と き の ヒントを数多く得ることができた」(中国人 留 学 生・ 男 子 ) 、 「研究対象として興味が出 た。修士論文は吉野家をテーマにする予定」 (同・女子)などがありました。また、「吉野 家で日本式サービスを学びたい」「グローバ ル社員として活躍したい」などの声もありま した。 日時:2015年7月 日 場所:学校法人城西大学東京紀尾井町キャンパス るのは難問だった。どのような絵になるかは、 しました。これに応えて森さんは「詩は言葉 によって完成された世界で、そこに絵を付け 『青い藻の海』の計4冊の挿絵を担当した森 さんの全作品、挿絵原画 点など計 点を展 示しています。鉛筆の素描と写真コラージュ によってさまざまな記憶が折り重なるような イ メ ー ジ の 作 品 で、 子 ど も の 空 想、 生 と 死、 時間、記憶といった詩と響き合う作品世界を 堪能することができます。 オープニングセレモニーで、水田理事長は 「詩集が出来て、森さんの挿絵が添えられる と世界が広がる。それが次作への構想、創作 に も つ な が っ て い く よ う に 思 え る。 本 日 は、 その挿絵の原画を味わってください」と挨拶 50 学 術 交流活動 事長は「学生にとって本当に満足度の高い講 座で、素晴らしい経験だったと思います。こ れからも色々な事業を進めていただければ大 変 う れ し く 思 い ま す 」 と 挨 拶。 河 村 社 長 は 「ぜひ学生の皆さまに飲食業の実態、本当の 姿を知ってもらい、それが、私どもが目指し ている飲食業の地位向上につながればと思い ます」と応えました。 この日の調印式では連携講座の感想も報告 2015年7月 日、詩人でもある学校法 人城西大学の水田宗子理事長の詩集『東京の サバス』 (思潮社)の出版を記 念して、詩に 寄せた造形作家・絵本作家の森洋子さんの挿 絵原画展が東京紀尾井町キャンパス3号棟の 水田美術館ギャラリーで始まりました。城西 大学創立 周年の記念事業の一環で、8月2 日まで開かれます。 『東京のサバス』は、 『サンタバーバラの夏 休み』 『アムステルダムの結婚式』に続く3 部作の完結編。幾世代にもわたって世界各地 で暮らすファミリーの物語をナラティブな手 45 やってみないとわからなかったが、最後まで 自由に描かせていただいた」と述べました。 17 美術活動 的に連携協力に関する包括協定を調印しまし た。包括協定調印の主な目的といたしまして は、フードサービス業界の企業人による実践 的な講義や企業人とのディスカッションに よ っ て、 フ ー ド サ ー ビ ス 業 界 へ の 理 解 を 深 め、進路選択の幅を広げることなどが狙いで す。今後は、インターンシップの実施、寄付 講座の開講、留学生を対象にした就職説明会 などを展開していきます。 こ の 日 の 協 定 調 印 に 先 行 す る 形 で、 城 西 国際大学の経営情報学研究科の院生と経営 情報学部の学生を対象にした吉野家HDに よる連携講座が5月から7月にかけて行わ れ ま し た。 中 国 や モ ン ゴ ル な ど か ら の 留 学 生 と 一 部 日 本 人 学 生 に 対 し、 河 村 社 長 や 吉 野家HDグループの社員の方々がフードサー ビ ス 業 界 の 展 望 を は じ め、 吉 野 家 の 人 材 育 成とマネジメント、グローバル展開、ブラン ドと広告戦略などをテーマに講義。埼玉県の 吉野家東京工場見学も行い、学生による意見 発表も行われました。今回、一層の連携強化 法でダイナミックに描いています。スウェー デン政府が、生命の尊厳を表現する東アジア 美術活動 の詩人に贈る「チカダ賞」の受賞(2013 50 水田美術館ギャラリーにて 『東京サバス』出版記念挿絵展を開催 を図るため、包括協定を結ぶことになりまし た。 年 月)後、新の詩集刊行となりました。今 回 の 原 画 展 で は、 こ の 3 部 作 に 加 え、 詩 集 14 14 吉野家ホールディングスと人材育成や 共同企画の推進などを目的とした 連携協力に関する包括協定を調印 協定書を交わした水田理事長(右)と河村社長 日時:2015年7月 日 場所:学校法人城西大学東京紀尾井町キャンパス 23 23 東京紀尾井町キャンパスで行われた調印式 には水田理事長や柳澤伯夫学長、河村社長ら が出席して、協定書を交わしました。水田理 12 学術交流活動 2 0 1 5 年 7 月 日、 学 校 法 人 城 西 大 学 (水田宗子理事長)は傘下に牛丼チェーン店 の吉野家やセルフうど ん チ ェ ー ン 店 の は な ま るなどを持つ株式会社 吉 野 家 ホ ー ル デ ィ ン グ ス(河村泰貴代表取締 役 社 長 、 以 下 吉 野 家 H D)と、人材育成や共 同 企 画 の 推 進 な ど を 目 No.21 2015.9.30 No.21 2015.9.30 そ の あ と、 城 西 国 際 大 学 メ デ ィ ア 学 部 の 学 生、 大 連 外 大( Dalian University of ) や 天 津 外 大( Tianjin Foreign Languages )などから留学、 Foreign Studies University 本学で学ぶ日中連携大学院の院生が、『青い 藻の海』『東京のサバス』の一部を朗読しま した。 また、同時期に出版された楽譜集『書かれ なかったラブレター』 の 披 露 も 行 わ れ 、 来 場 者は、作曲者吉岡しげ 美 さ ん に よ る 演 奏 、 翻 訳者による9か国語の 詩 の 朗 読 に 多 言 語 キ ャ ンパスを体感しました 。 ●周辺図 森さんの挿絵 城西国際大学メディア学部の学生や大連外大・天津外大などからの留学生、日中連携大 学院の院生らによる朗読 18