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投資環境マンスリー|2016年7月号

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投資環境マンスリー|2016年7月号
M
情報提供資料
投資環境マンスリー 2016年7月号
投資環境マンスリー
2016年7月号
経 済 調 査 部
M
Ⅰ. 主要国の投資環境見通し
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
①米国
景気に悪影響が及ぶ前に市場の混乱が収束するか
②欧州
③日本
④オーストラリア
⑤中国
⑥為替
英国はEU離脱へ。動揺する金融市場を下支えするのは米金融政策か
急速な円高が景気回復の重し、構造改革の進展に焦点
輸出や個人消費の増加で経済環境は良好
景気の底割れ懸念後退で金融市場は小康状態となるも先行き不安は依然根強い
世界経済不安と米国のドル安志向で、ドル円相場は再度100円割れを試す可能性も
Ⅱ. 国際金融市場の動向
Contents
①株式
・・・ 13
②金利
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・ 14
③為替
p.1-12
1-2
3-4
5-6
7-8
9-10
11-12
p.13-15
・・・ 15
Ⅲ. 金融・商品市場のパフォーマンス
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.16
Ⅳ. 2016年7月の主要な政治・経済日程
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
p.17
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
0
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
Ⅰ. 主要国の投資環境見通し ①米国: 景気に悪影響が及ぶ前に市場の混乱が収束するか
 英国のEU離脱で先行き不透明感が広がった金融市場
M
英国のEU離脱の決定を受けて、直後には米国でも株安や米ドル高が進みま
した。離脱の影響は、長期的には貿易減少や企業移転などで英国の景気失速
が懸念されるものの、当面は英ポンドの急落が懸念材料となりそうです。影
響としては、インフレ加速による英国の景気悪化、米ドル流通量の低下によ
る銀行の資金調達難、米ドル高加速による米製造業への影響(図1右)などが
考えられます。主要国の政府・中央銀行による政策への期待から、早期に英
ポンドが安定すれば、銀行間取引の混乱も発生せずにS&P500・VIX指数にみ
られる市場の不安が沈静化する可能性があります(図1左)。
【図1】 英EU離脱で市場が混乱、米ドル高が続けば景気を下押し
90
60
(%)
大きい
↑
株価の不透明感
↓
小さい
大きい
↑
銀行間取引の混乱
↓
小さい
S&P500・VIX指数
(左軸)
米Libor3ヵ月金利 -
米国債3ヵ月金利
(右軸)
 ストレステストは米銀の高い健全性を示唆
FRB(米連邦準備銀行)は、6月23日に米銀に対するストレステストの結果
を公表しました。リーマン・ショック級の景気悪化が生じた場合でも、主要
銀行が健全性を保てるかの確認を年一回実施しています。今回の結果は、主
要33行全てが一定水準の資本を維持できた模様です(図5)。厳格なストレス
テストが、足元の銀行間取引安定の一助になった可能性があります。
今年11月の大統領選挙は、9月26日から始まる討論会が焦点です(図6)。
最近の世論調査では、再び民主党クリントン氏が優勢です。討論会では、ト
ランプ氏が各種減税策の財源を示し、政策実現性の高さを示すことができる
かがひとつの焦点となりそうです。(石井)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
5
(2010年=100)
80
110
4
上昇
↑
米ドル
↓
下落
70
3
100
60
90
2
80
50
1
0
2000
2004
2008
2012
2016
70
ISM製造業景気指数
(左軸)
企業活動
縮小
0.37%
0
120
米ドル実質実効為替
(右軸)
企業活動
拡大
2016年
6月24日
25.76
30
足元の米国景気は堅調です。2016年1-3月期の実質GDPは鈍化したものの
(図2)、4月以降の小売売上高や住宅販売は好調であり(図3)、成長率の回
復が期待されます。こうした経済環境でも、FF金利先物市場に織り込まれる
利上げ確率は9月0%、12月が8.6%と低位です(6月28日時点)。米国での利上
げ観測の後退は、為替市場で円高ドル安を助長している可能性があります。
米国景気に悪影響が及ぶ前に金融市場の混乱が収束すれば、円高ドル安が一
服するとみています。また、米国株の原動力である企業利益の見通しは、今
のところ一般消費財やヘルスケアなどで上昇傾向です(図4)。今後、7月に
実施される企業決算の発表で、市場の利益見通しが下方修正されないかが注
目材料となりそうです。
米国 実質実効為替レートと
ISM製造業景気指数
米国 S&P500・VIX指数とLibor金利
40
(年)
(年)
2010
2012
2014
60
2016
注)右図の直近値は2016年5月。
出所)ISM、OECD、Bloombergより当社経済調査部作成
【図2】 2016年1-3月期の実質GDPは前期から鈍化
10
米国 実質GDP (前期比年率)
(%)
2016年
1-3月期
+1.1%
8
設備投資
6
在庫投資
(確報値)
4
2
0
-2
-4
個人消費
政府支出
住宅投資
-6
純輸出
(輸出-輸入)
実質GDP
-8
-10
(年)
2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
2014
2015
2016
出所)米商務省
1
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
【図3】 今年4月以降の小売売上高や住宅販売は好調
米国 家計景況感と小売売上高
M
(%)
100
改善
↑
家計 90
景況感
↓ 80
悪化
ミシガン大学
消費者信頼感指数
(左軸)
【図4】 7月以降の決算発表による利益予想の変化に注目
米国 S&P500業種別予想EPS(一株当り利益)
米国 新築住宅販売件数と価格
7
45
(万件)
(万ドル)
160
6
2016年6月
93.5
35
120
25
80
200
70
小売売上高・除くガソリン
3ヵ月平均の3ヵ月前比
(右軸、直近のみ4-5月平均)
15
2010
2011
2012
2013
2014
2015
40
50
50
1
20
全体
(左軸)
100
2
30
(年)
150
100
3
50
40
一般消費財・サービス(左軸)
150
4
2016年
4-5月平均
+1.2%
200
ヘルスケア
(左軸)
5
60
(2006年12月=100)
(2006年12月=100)
250
販売価格
(左軸、平均値)
5
1985
0
2016
1990
1995
エネルギー
(右軸)
住宅販売件数
(右軸)
2000
2005
2010
2015
(年)
0
0
2007
2010
2013
(年)
2016
0
注)各時点の当年度予想の集計値。市場予想は各社アナリストでBloombergが集計。
直近値は2016年6月28日。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
注)右図の直近値は2016年5月。
出所)米商務省、ミシガン大学より当社経済調査部作成
【図5】 米銀33行は厳しい環境下でも健全性を維持できる模様 【図6】 クリントン氏の支持率上昇、討論会が今後の焦点に
米銀 ストレステストのシナリオ
10
(%)
(% )
実質GDP
(左軸、前期比年率)
20
点線はストレステスト
の最も厳しいシナリオ
35
米銀 ストレステストの結果
(普通株等Tier1比率)
(%)
ストレステスト前
(2015年第4四半期時点)
ストレステスト後
30
5
16
25
0
最低基準4.5%
20
-5
最小5%:
ハンチントン・バンクシェアーズ
↓
12
15
❏ 主な政策争点
法
人
税
移
民
-10
8
ドナルド・トランプ
金融規制強化(ドッド・フランク法の拡大)
ドッド・フランク法の撤廃・縮小
必要に応じて、金融機関を縮小
銀行分割反対
FRBから金融業界関係者排除
議会によるFRB監査を支持
年収500万ドル超の所得税率引上げ
最高所得税率引下げ
金
融
個
人
税
制
❏ 支持率の推移 (2015/7/1~2016/6/27)
ヒラリー・クリントン
代替ミニマム税継続
代替ミニマム税廃止
投資純利益上乗せ課税を廃止
遺産税の最高税率引上げ
遺産税廃止
最高税率の引下げ
米国企業の国外利益への課税
外国税控除を維持
55
ヒラリー・クリントン
中期のキャピタルゲイン税率を引上げ
本社移転による租税回避への規制強化
(%)
50
46.4
45
40
39.6
ドナルド・トランプ
35
市民権付与包括移民法案の推進
不法移民は全員強制送還
若年不法移民の国外退去処分の延期
メキシコとの国境に壁を建設
30
2015/7
2015/10
2016/1
2016/4
2016/7
(年/月)
10
注)代替ミニマム税は、租税優遇措置を過度に活用した節税対策を抑制するための課税措置。
-15
5
❏ 今後のスケジュール
失業率(右軸)
-20
2005
2008
2011
2014
2017
(年)
4
7月
0
(金融機関)
1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33
注)Tier1比率は中核的自己資本比率。右図はシナリオ期間中で最も低い値。
出所)FRBより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
9月
10月
11月
18-21日
25-28日
26日
9日
19日
8日
共和党
全国大会
民主党
全国大会
第1回大統領
候補者討論会
第2回大統領
候補者討論会
第3回大統領
候補者討論会
大統領選挙
議会選挙
出所)RCP、各種報道資料より当社経済調査部作成
2
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
②欧州 : 英国はEU離脱へ。動揺する金融市場を下支えするのは米金融政策か
 英国ブレグジット(BREXIT)が現実に
M
6月23日に実施された英国国民投票は、大方の予想を覆しEU(欧州連合)離脱
が多数となりました。当面は、EU連合の基本条約であるリスボン条約第50条に
基づく離脱申請時期、次にEU内での貿易、資本、ヒトの自由な行き来を認める
単一市場構造を巡る英国とEUの交渉が焦点です。特に後者は英景気への影響が
大きく異なるとみられるため重要です(図1左)。英国は単一市場へのアクセス
維持のみの獲得を目指しましょうが、「次の英国」出現を阻止したいEU側の態
度は厳しいとみられ、交渉は難航しましょう。英国のEU離脱を申請後、離脱す
るまでの2年(原則)で、英国、EUはこの交渉をまとめる必要があります。
【図1】 高ボラティリティ相場には価値源泉がブレない投資商品を
英国の貿易面での選択肢と英GDP見通し(試算)
セクター相対パフォーマンス
15
英 国
ベストケース
欧州連合
(2015年12月末=0)
公益
ワーストケース
10
-3.8% -7.5%
家計消費財
5
【欧州 【欧州自由
【ユーロ19ヵ国】
【財政
【ユーロ参加国】
貿易協定】
経済圏】
協定国】
フランス イタリア
(予定国) ドイツ
(EFTA)
(EEA)
ブルガリア スペイン
オランダ ベルギー
デン アイスランド
ハンガリー
スイス
オーストリア アイルランド ポルトガル マーク ノルウェー
ポーランド
他
チェコ ギリシャ キプロス マルタ フィンランド
ルーマニア
リトアニア エストニア ラトビア
スウェーデン
スロバキア
スロベニア
クロアチア
ルクセンブルグ
0
情報
テクノロジー
-5
総合
目下、英国民投票の結果は金融市場の変動率(ボラティリティ)を高めていま
-10
す。長期的視点をもつ投資家が底値と見極め買い向うには相応のリスク許容度が
求められます。株式でいえば企業利益、社債なら企業の資産の質が価値源泉です。
-15 (2016年)
12/31
3/31
6/30 (月/日)
今次局面では、価値源泉の見通しがブレにくい資産への投資が奏功しましょう。
注)上左図のユーロ参加国(予定国)は通貨ユーロを採用する義務を負うがデンマークと英国は恒久的除外特権を持つ。
株式市場でのディフェンシブ銘柄の堅調さがこれを物語っています(図1右)。
EEAは貿易、資本、人の自由移動を保障(1994年)。EFTAは品目別自由貿易協定で、スイスは約100品目で締結。ベスト、
 英国とEUの離脱交渉は難航必至
さて、再び英国の今後のEU離脱の手続きに目を向けると、まずは9月9日を目
処に英保守党党首の選定がなされ、10月2日英バーミンガムで開催の保守党大会
で新党首、すなわち新首相が正式に選出される模様です。この新首相の下で、リ
スボン条約第50条、EU離脱の申請がEU理事会に対し行われ、同理事会における
離脱協定に関するガイドラインを策定、合意を経て、英国、EU委員会(EUの行
政執行機関)との間で離脱協定合意に向けた交渉が始まります(図2)。
離脱交渉では上述のとおり、英国にEU各国との貿易、資本、ヒトの自由な行
き来、アクセス権を継続して認めるかが焦点です(図1左のEEAを締結するケー
ス)。EEAで合意できれば、英国はEU離脱の経済的影響を相対的に軽微にでき
ましょうが、一方でEEAはEU予算の拠出、EU側の移民政策受け入れ等を原則伴
います。EU離脱派のいうメリットが奪われますので、離脱派はアクセス権のみ
の獲得を目指すとみられます。一方のEU側も「次の英国」を生む恐れから、ア
クセス権のみの提供を安易に認めるとは思えません。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
ワーストケースの数字は、英GDPが2015年GDP対比下押しされる度合い(15年後)。上右図のセクター別相対パフォーマン
スは世界の各業種株価騰落率 - 総合株価騰落率。直近値は2016年6月27日。
出所)英財務省、Thomson Reuters Datastreamより当社経済調査部作成
【図2】 英政府のEU離脱通告から2年の砂時計は落ち始める
英BREXIT今後の離脱への交渉プロセス
2年
~9月9日
英保守党
党首選定
10月2日
英保守党大会
新党首選出
※
201?年?月
英政府
EU離脱通告
201?年?月
EU理事会
ガイドライン
策定
EU理事会
(EU委員会)
英政府
離脱協定
交渉
EU理事会
離脱協定
合意
EU議会
離脱協定
承認
※英国新離脱派政権は、離脱通告を意図的に遅らせる可能性も指摘されたが、ドイツ、フランス、イタリア首脳
は共同で英国との早期離脱交渉開始を求めるとの声明を発表した(6月27日)。
出所)各種報道、英保守党HPより当社経済調査部作成
3
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
【図3】 ユーロ圏景気の下押しはECBの予想範囲内か
 混乱する英国内政治、ユーロ圏景気の影響は相対的に軽微か
また、離脱交渉の旗振り役(≒保守党党首=首相)は誰になるかも注目されま
す。目下の報道によれば、保守党新党首候補には元ロンドン市長ボリス・ジョン
ソン氏、テレーザ・メイ内務相が有力の模様です。一部では議会の総選挙の可能
性も指摘されますが、保守党の党首選挙管理委員長はEUとの離脱交渉が先決と
早期解散の可能性を否定しています。また、野党労働党はコービン党首の不信任
動議を可決するも同氏は辞任を拒否、両党とも党内一枚岩ではなく解散のインセ
ンティブが薄いことから、近々の解散総選挙の可能性は低いといえるでしょう。
M
一方、英国のEU離脱に伴うユーロ圏経済への影響は、英経済が受ける下押し
圧力に比べれば軽微なようです。目下のところ、ECB(欧州中銀)も英国のEU
離脱に伴うユーロ圏景気への影響は、自らの予想の範囲内に収まるとみている模
様です(図3右)。英国と欧州連合の貿易関係は英国の貿易赤字(ユーロ圏への輸
出<ユーロ圏からの輸入)、一方ユーロ圏ではGDP比3%に達する貿易収支を抱
えるベルギーやオランダが比較的大きな影響を受けるとみています(図3左)。
英
昨年末、米FOMC(連邦公開市場委員会)は2016年に政策金利を1.375%(中心
値)まで年4回引き上げる見通しと、市場参加者と異なる見方(図4左)を示しま
したが、足元はFOMCが景気見通しの2度に亘る下方修正(図4右)と共に、市場
の見方に収斂する格好で寄り添いつつあります。米FOMCのこれまでの強気の見
通しは、米国内の労働生産性の低迷を背景とした賃金の伸び悩みといった国内要
因、英国民投票の結果等を背景にした金融市場の混乱、そして世界経済の脆弱性
の高まりを受け従来以上に慎重な利上げ姿勢、つまり年内利上げとの御旗を降ろ
す可能性すらありましょう。米金融政策の転換は、世界の金融市場のみならず、
世界経済の下支え役として大きな効果を発揮すると期待されます。(徳岡)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
国 2015年
対EU計▲1,101(▲3.7%)
+70
(+0.2%)
(%:前年比)
2017年
予想レンジ
+0.7%~2.7%
ECBによる
予想レンジ
2
アイルランド
オランダ
スペイン
6
4
+103
(+0.3%)
他EU諸国
ドイツ
ベルギー +269 +545
(+1.4%)
フランス
(+3.0%)
+166
+113 (+3.0%)
(+0.4%)
+55
(+0.4%)
ドラギ総裁
予想
0
2016年
1-3月期
+1.7%
-2
-4
+132
(+0.6%)
イタリア
実質GDP成長率
(前年比)
-6
-8
(年)
2005
2008
2011
2014
2017
2020
注)左図は2015年貿易収支。カッコ内は矢印元の国の貿易収支GDP比。矢印の方向に貿易黒字額が幾らあるか示す。
右図、ドラギ総裁予想は6月28日報道ベースで、総裁の個人的見解の模様、ECBの公式見解ではない。
出所)IMF(国際通貨基金)、ECB、各種報道より当社経済調査部作成
【図4】 米FOMCは市場の見方に寄り添うか
 今次局面のゲームチェンジャーは米金融政策か
今回の英国民投票の結果は、世界の金融市場に大きな影響を及ぼしました。欧
米株式市場は、6月28日にようやく反発しましたがこれでおしまいと判断するの
は時期尚早といえましょう。では、リスク資産反発の機会はいつ何処であるので
しょうか。やはり重視すべきは米国金融政策、これが今回の金融市場のムードを
一変させる、まさしくゲームチェンジャーになる可能性があるとみています。
ユーロ圏実質GDP
ECB予想レンジとドラギ総裁予想
英とユーロ圏主要国貿易収支(2015年)
(単位:億ドル)
世界と米国の実質GDP
IMF、FOMC見通しと実績
米FOMCと市場の金利見通し
1.500
1.375
1.250
1.125
(%:米政策金利レンジの中心値)
1.375 FOMC
2015年12月17日時点利上げ見通し
(市場予測)
2015年12月末時点
2016年3月17日
年2回利上げ
見通し
0.750
0.625
6月16日
0.500
0.375
6月28日
現在の政策金利
4.0
IMF予測
3.5
3.2
3.5
3.0
2.5
FOMC景気見通し
米国
実質GDP成長率
2.4
2015年12月
2.2
2.0
2016年3月
2016年6月
2.0
米FOMCの景気見通しは
2度に亘り下方修正
1.0
(2016年)
1月
世界
実質GDP成長率
1.5
0.250
0.125
5.5
4.5
FOMC
0.875 2016年3月17日以降
利上げ見通し
0.875
(% : 前年比)
5.0
年4回利上げ
見通し
1.000
6.0
4月
7月
10月
(月)
1月
2010
2012
2014
2016
2018 (年末)
注)左図市場予想は米OIS(Overnight Index Swap)。米政策金利は本来レンジで示されるが、ここではそのレン
ジの中心値を使用。
出所)米FRB(連邦準備理事会)、IMF、Bloombergより当社経済調査部作成
4
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
③日本: 急速な円高が景気回復の重し、構造改革の進展に焦点
M消費マインドの悪化が響き、景気は足踏み状態

【図1】 年度後半は政策効果で緩やかな景気拡大へ
日本 実質GDP(需要項目別寄与度、前期比年率)
(%)
15
1-3月期の実質GDP2次速報は、前期比年率+1.9%に上方修正されましたが、
月次の主要統計は回復感に乏しく、景気の停滞感は強まっています。4-6月
期成長率は、1-3月期のうるう年効果の反動減でほぼゼロに、年度後半は消
費増税が延期されたため駆け込み需要がなくなった代わりに、補正予算によ
る経済対策が見込まれ、緩やかな回復基調が予想されます(図1)。
10
6月23日の英国民投票で英国のEU離脱が決まると、世界経済への不安によ
る安全資産への資金シフトで円独歩高となり、ドル円相場は一時100円を割
りました。日本株は円高急進をうけ大幅に下落、欧州景気失速による影響に
加え、円高による企業収益の悪化懸念が相場の重石となっています(図3)。
現在の日本経済は為替相場の変動が企業収益を左右しGDPに波及するため、
円高に歯止めがかからなければ景気不安は解消しません。株価はPER、PBR
からみて割安な水準にあり、反発の可能性はあります(図4)。ただ、反転
上昇は経済改革による成長期待の向上にかかっていると言えます。
今回、消費増税を延期したことで、景気不安は和らぎましたが将来の不透
明感が増えたのも事実です。財政赤字の拡大で、日本国債の格下げが金融市
場の波乱要因となる可能性があります(図5)。現在、日銀が日本国債の大
部分を購入しているため長期金利は低位で推移していますが、過去にも需給
要因で急騰したケースはあるため注意が必要でしょう(図6)。(向吉)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
(予想)
純輸出
公的需要
在庫投資
5
0
足元、景気ウォッチャー調査や消費者態度指数が悪化しており、消費マイ
ンドは冷え込みつつあります(図2)。有効求人倍率が24年半ぶりの高水準
に上昇し、雇用者所得が前年比で増加しているため、雇用環境は改善してい
ます。しかし消費支出が落ち込んでいる背景には、消費性向の低迷がありま
す。将来不安や物価の下落予測、資産価格の下落等が要因としてあげられ、
所得が増えても消費に結びつかないという状況は、現在の経済・金融政策の
有効性に疑問が生じます。今回、消費増税を2年半延期したことが、消費性
向の押し上げにつながるのか見定める必要があります。
 円高進行が景気回復の重し、政府は経済改革に舵きりを
実質GDP
(前期比年率)
-5
2016年1-3月期
実質GDP+1.9%
(2次速報値)
個人消費
-10
民間住宅投資
-15
民間設備投資
-20
(年)
2012
2013
2014
2015
2016
2017
注) 2016年4-6月期から2017年4-6月期までが当社経済調査部の予想値。
出所)内閣府より当社経済調査部作成
【図2】 消費マインドの悪化が個人消費低迷の要因
日本 消費者マインドと景況感
60
消費者態度指数
(右軸)
55
(%)
48
4
46
3
44
日本 雇用者所得と要因分解
常用雇用者数要因
雇用者所得(前年比)
2
1
改善
42
0
50
40
悪化
-2
36
-3
34
-4
45
40
耐久財の
買い時判断
(右軸)
景気ウォッチャー調査
景気の現状判断DI
(左軸)
(年)
2014
32
2015
2016
注)直近値は2016年5月。
出所)内閣府
30
名目賃金要因
-5
-6
35
2013
-1
38
(年)
2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016
注)直近値は2016年4月。第1四半期を3-5月、第2四
半期を6-8月、第3四半期を9-11月、第4四半期を12-2
月とおいて伸び率を算出。
出所)厚生労働省
5
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
【図4】 株価はバリュエーション指標からみると割安な水準
【図3】 円高による企業収益悪化懸念が株価の重し
(
日本 株価と為替相場
(円)
22,000
M
21,000
20,000
19,000
日経平均株価
20,952円
回帰分析による結果:
1円の円高(円安)で (2015年6月24日) (左軸)
日経平均は222円下
落(上昇)【推計期間:
2014年以降】
ドル円相場
(右軸)
18,000
135
125
ドル円相場が1円動いたとき、大企業の
経常利益前年比に何%影響を及ぼす
か?(円安→増益、円高→減益の関係)
1.3
1.2
16,000
110
105
15,000
100
14,864円
(2016年6月24日)
2016
(年)
90
0.8
日本 基礎的財政収支の見通し
財政公約:
2020年度までに
黒字化
2
1
0
▲ 1.1(2007)
-1
-2
経済再生ケース
2020年度
▲ 1.1
-4
-5
-6
▲ 5.9
(1999)
-7
-8
▲ 7.6
(2009)
-9
試算の前提(内閣府)
・ベースライン
実質1.0%、名目1.9%
・経済再生ケース
実質1.7%、名目3.2%
※2017年4月より消費税率
10%への引き上げを想定
-10
1990
1995
2000
2005
2010
2015
2020
2025
500
-80
10,000
-100
0.0
(ムーディーズ)
製造業
ムーディーズ
(左軸)
(S&P)
11
2011年8月
ムーディーズ
Aa2→Aa3に格下げ
2011年1月
S&P
AA→AA-に格下げ
AAA
10
(%)
9
9AA+
8AA
日本 10年国債利回り
7AA2002年5月
ムーディーズ
Aa3→A2に格下げ
70
大蔵省資金運用部による
国債買入れ停止【資金運用部ショック】
(1998年12月)
A1
A+
6A+
2
1
2014年12月
ムーディーズ
Aa3→A1に格下げ
(年度)
5A
(年)
1994
1998
2002
2006
2010
2014
4
2018
注) 直近の格付けは2016年6月28日時点。
出所) Bloomberg
一部の機関投資家の売りが多くの
投資家の売りに連鎖【VaRショック】
(2003年6月)
3
0
2016年3月末
その他1.0%
海外5.3%
家計1.4%
80
6
5
日本 国債の保有主体
90
大蔵省(現財務省)資金運用部
による国債売りオペ再開
(1994年1月)
4
Aa3
(構成比、%)
100
8
7
2015年9月
S&P
AA-→A+に
格下げ
Aa2
A2
日経平均
18,704
16,786
14,734
【図6】 長期金利は需給悪化懸念で急騰するケースも
日本 円建て長期債務格付け
S&P(右軸)
株価指標
① PER 15.6
② PER 14.0
③ PBR 1.0
0
8,000
(年度)
(年)
2000
2004
2008
2012
2016
2013
2014
2015
2016
注)一株当り利益は2016年度予想まで日本経済新聞社の集計、
注)直近値は2016年6月28日。PERは予想ベース。
2017年度予想はBloomberg集計より作成(2016年6月28日時点)。
PER15.6倍は2013-2015年度平均。出所)Bloomberg
想定為替レートは日銀短観。出所)日本経済新聞社、日本銀行
素材業種 加工業種 非製造業
Aaa
1990
PER14倍
PBR1.0倍
12,000
予
想
注)経常利益予想修正率を業況判断DIと想定為替レートの変化
で推計し算出(期間:2006年3月-2016年3月) 出所)日本銀行
注)2016年1月21日の中長期の経済財政に関する試算。
復旧・復興対策の経費及び財源の金額を除く。経済成長
率の想定は2015年度~2020年度平均値。出所)内閣府
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
③
14,000
1,000
-60
0.3
A1
16,000
1,199
-40
0.5
Aa1
▲ 3.3
(2015推) 2020年度
▲ 2.3
ベースライン
-3
PER15.6倍
②
1,500
1,309
一株当り利益(右軸)
0.7
【図5】 財政悪化懸念から日本国債格下げの可能性
3
15,323
(6月28日)
日経平均株価
①
18,000
-20
全産業
注)直近値は2016年6月28日。値表示はザラ場の高安。
出所)Bloomberg
(名目GDP比、%)
20,000
日本 日経平均株価
1.0
0.1
12,000
2015
期初の想定為替レートと
期中平均為替レートとの差(左軸)
2,000
0.2
95
22,000
0
0.4
14,865円
(2016年2月12日)
(円)
(円)
2,500
0.6
16,017円
(2016年1月21日)
14,529円
(2014年10月17日)
13,885円
(2014年4月11日)
日本 日経平均の一株当り利益
20
0.9
16,901円
(2015年9月29日)
2014
40
1.1
120
17,000
13,000
(円/ドル)
1.5
1.4
130
115
14,000
日本 大企業・経常利益の為替感応度
(円/ドル)
5
60
その他
金融機関
28.9%
預金取扱
機関
24.3%
50
40
政府 5.8%
30
タテホ化学工業の国債
先物取引の失敗によ
る巨額損失の発覚
【タテホ・ショック】
(1987年9月)
-1
1985 1989 1993 1997 2001 2005 2009 2013
20
日銀
33.2%
10
(年)
注)直近値は2016年6月28日。VaRは金融機関のリスク
管理手法。
出所)Bloomberg
0
(年)
1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016
注)国債の主体別保有比率は短期債を除くベース。
出所)日本銀行
6
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
④オーストラリア: 輸出や個人消費の増加で経済環境は良好
 英EU離脱による混乱で円高が加速、追加利下げ観測台頭
M
英国のEU離脱の決定を受けて市場は不安定化、為替市場では円や米ドルが
選好されオーストラリア(豪)ドルが下落、短期金融市場では利回りが低下
し追加利下げを織り込んでいます(図1)。しかし、豪州の景気が好調である
ことを考えると、金融市場の動揺が収束するにつれて為替や利回りは反転す
る可能性があります。2016年1-3月期実質GDPは前期比年率+4.3%と、米国の
同+1.1%や日本の同+1.9%に比べて高水準でした(図2左)。エネルギー企業
の設備投資が下押し圧力となる一方、個人消費は底堅く、輸出が大幅に増加
しています。主要輸出品の鉄鉱石が堅調な上、観光収入等のサービス輸出の
増加が寄与しました(図2右)。足元では、中国の財政政策等の効果で世界的
に資源価格が上昇しており、価格面でも輸出は持ち直しています(図3)。
今後の景気動向は、中国景気や資源価格の動向には注意が必要ですが、個
人消費や住宅投資を中心に景気回復が続きそうです。雇用環境は、労働力人
口が前年比+1.7%と増加する中でも雇用者数の増加で失業率は低下傾向です。
資源や製造業の雇用が減少する反面、医療や小売業などの雇用がけん引して
います(図4左)。良好な雇用環境のもと、景況感を示す消費者信頼感指数は
高水準で、今後も底堅い個人消費が続きそうです(図4右)。また住宅市場も
住宅建設が高水準であるなど好調です(図5左)。住宅価格は、投資目的の住
宅融資を抑制する当局の窓口規制で上昇率が鈍化しているものの、メルボル
ンでは価格が高止まりするなど地域毎に上昇度合いが異なるようです(図5
右)。金融政策の面では、断続的な利下げを難しくする一因となりそうです。
 総選挙は与党の議席が上下院で過半数を超えるかが焦点
7月2日の解散総選挙は、上下院ともに全ての議席が改選対象です。現在は、
下院の過半数を占める保守連合が政権を握り同党のターンブル氏が首相です。
上院では与党が過半数割れの状態で法案策定が難しい状況です(図6)。今回
の焦点は、保守連合か労働党が上下院の両方で過半数の議席を確保できるか
という点です。両党の争点は減税や財政支出になりそうですが、大きな政策
の違いがみられないこともあり、世論調査の支持率は拮抗しています。首相
交代の頻発などによる二大政党への不信感から第三極の緑の党が台頭する場
合がリスク要因で、市場の不安定材料となりそうです。(石井)
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
【図1】 英EU離脱で円が急騰、オーストラリアで利下げ観測台頭
オーストラリアドル相場
120
(円/
オーストラリアドル)
オーストラリア 政策金利と国債利回り
(米ドル/
オーストラリアドル)
1.0
↑オーストラリアドル高
↓米ドル高↓円高
110
対米ドル(右軸)
(%)
8
10年国債利回り
0.9
6
6月28日
0.7386
0.8
100
0.7
2016年
6月28日
1.99%
4
90
0.6
2
80
75.896
70
2014
政策金利
1.75%
0.5
対円(左軸)
2015
0.4
(年)
2016
政策金利の市場予想
2016年12月 1.57%
0
2006
2008
2010
2012
2014
(年)
2016
注)右図の政策金利の市場予想は90日物銀行手形先物市場より当社経済調査部が算出した値。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
【図2】 足元の景気は輸出主導で高めの成長率
15
(%)
オーストラリア 実質GDP
(前期比年率)
2016年1-3月期
実質GDP
+4.3%
民間設備投資
10
オーストラリア 実質輸出
350
公的需要
純輸出
実質GDP
(億豪ドル)
(億豪ドル)
鉄鉱石(左軸)
300
900
250
実質輸出(右軸)
5
1,200
サービス
(左軸)
200
600
150
0
100
民間住宅投資
-10
300
その他の資源(左軸)
-5
在庫投資
個人消費
(年)
石炭(左軸)
50
0
2000
(年)
2004
2008
2012
0
2016
2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
注)右図の直近値は2016年1-3月期。
出所)オーストラリア統計局、オーストラリア中銀より当社経済調査部作成
7
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
【図4】 人口増加の中でも失業率が低下傾向、家計景況感は良好
【図3】 中国の景気回復で商品価格上昇、輸出金額が回復
国際的な商品価格と中国の粗鋼生産
M
50
(1991年1月2日
=100)
(% )
80
8
(%)
(%)
7
2016年5月
5.7%
失業率(左軸)
6
ブルームバーグ商品指数
(右軸)
40
180
(%)
オーストラリア 労働力人口と失業率
オーストラリア 輸出金額
(前年比)
150
5
60
労働力人口
(右軸、前年比)
4
30
120
輸出金額
うち中国向け
40
3
2
2001
20
90
20
30
0
0
20
30
中国の粗鋼生産
(左軸、前年比)
-10
(年)
2012
2014
0
輸出金額
-40
2014
2015
2016
(年)
オーストラリア 住宅価格と建設許可件数
(万件)
20
2016年
1-3月期
+7.4%
15
4.0
25
3.5
20
3.0
15
10
5
2.5
10
0
2.0
5
1.5
0
-5
-10
1.0
-15
民間住宅・建設許可件数(右軸)
-20
1990
(年)
1995
2000
2005
2010
2015
0.5
消費者信頼感指数
(左軸)
2
0
120
18
15
12
2016
100
9
(%)
21.9
2016年1-3月期
過去3年最大値
11.4
10.3
7.4
11.5
11.5
7.8
6.1
8
大
都
市
平
均
シ
ド
ニ
ー
メ
ル
ボ
ル
ン
キ
ャ
ン
ベ
ラ
出所)オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
+4
+5
+5
+9
3
小売売上高(右軸、前年比)
製
造
業
60
2001
▲0
鉱
業
輸
送
金
融
建
設
小
売
2004
2007
2010
2013
(年)
0
2016
医
療
注)左下図は2016年5月。右図の直近値は消費者信頼感指数が同年6月、小売売上高が同年4月。
出所)Bloomberg、Westpac銀行、オーストラリア中銀、オーストラリア統計局より当社経済調査部作成
【図6】 7月2日総選挙の焦点は与党が上下院で過半数となるか
オーストラリア 住宅価格
(前年比)
注)直近値は左図の建設許可件数は同年4月。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
改善
↑
家計の景況感
↓
悪化
6
▲2
全
体
【図5】 住宅建設が高水準、住宅価格の上昇率は依然高位
住宅価格・8大都市平均
(左軸、前年比)
(%)
140
0
-10
出所)オーストラリア統計局、Bloombergより当社経済調査部作成
(%)
(年)
4
オーストラリア 家計景況感と小売売上高
+21
10
注)直近値は左図の商品価格が2016年6月27日、粗鋼生産が同年5月。右図は商品輸出で直近値は同年4月。
25
2013
6
80
-20
2013
2016
2010
(万人)
+1
-20
2010
2007
オーストラリア 業種別雇用者数前年差
10
60
2004
8
与党
保守連合
(33)
オーストラリア 改選前の議席数
野党
労働党
与党
(25)
保守連合
(90)
緑の党
(10)
上院(76)
野党
労働党
(55)
緑の党
(1)
その他
下院(150)
(8)
オーストラリア 二大政党の政策方針
与党 保守連合
政策方針: 法人税減税で雇用拡大
(中道右派)
党首: マルコム・ターンブル首相
その他
(4)
野党 労働党
政策方針: 教育・福祉への支出拡大で
格差是正 (中道左派)
党首: ビル・ショーテン
注)( )は2016年5月9日時点の議席数。保守連合は、自由党(Liberal Party of Australia)、国民党(The Nationals)、
地方自由党(Country Liberal Party)の合計。政策方針は各種報道から当社経済調査部。
出所)Parliamentary Education Officeや各種報道より当社経済調査部作成
8
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
⑤中国: 景気の底割れ懸念後退で金融市場は小康状態となるも先行き不安は依然根強い
M
 かろうじて景気回復を保つも、政策頼みの構図は変わらず
5月の中国景気指標を見ると、国家統計局PMIは製造業が50.1と4月比横ば
いも、非製造業(53.1)とともに業況拡大・縮小の節目50を超過、鉱工業生
産は前年比+6.0%で横ばい(図1左)、小売売上高も同+10.0%となるなど、
景気加速、までに至らないものの、底固めはしていると見て良い内容です。
鉱工業生産では建材関連の回復が目立つように(図1右)、やはり政府主
導のインフラ・不動産関連投資が景気持ち直しの原動力という状況に変わり
はないようです(図2)。ただし、都市部固定資産投資(年初来累計、前年
比)でも見られるように、民間部門、特に鉱業・製造業の減速に歯止めがか
からず全体の足かせとなっている様子がうかがえます。石炭など一部鉱業や
鉄鋼など素材関連産業では循環的な在庫調整が進み(図3)、製品価格の下
落圧力が後退(図4)、生産回復の兆しが見られるとはいえ、過剰設備削減
という中長期的な課題を抱えるなか、先行きは楽観出来ない状況と考えます。
【図1】 鉱工業生産は建材関連などで回復基調が鮮明化
中国 鉱工業生産
(業種別、前年比)
(%)
20
うち製造業
15
10
+7.2%
全体
5
+6.0%
0
うち鉱業
▲2.3%
-5
2010
2012
2014
中国 鉱工業生産
(品目別、前年比)
(%)
2016
(年)
35
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
-15
-20
-25
+2.9%
+1.8%
セメント
粗鋼
▲1.2%
平板ガラス
2010
2012
2014
2016
(年)
注)左図の鉱業・製造業のデータは2013年6月以降。直近値はすべて2016年5月時点。
出所) 中国国家統計局より当社経済調査部作成
 小康状態の中国金融市場、資本流出懸念は収まったのか?
5月の貿易統計では、輸出入とも安定化の兆しが確認されます。特に輸入
は前年比▲0.4%までマイナス幅が縮小しましたが、香港分の急増には違和
感も覚えます(図5)。2013年にも中国側と香港側統計のズレ(当時は中国
側の香港向け輸出と香港側の輸入が大幅かい離)が疑問視されましたが、今
回の結果を受け、香港からの輸入を水増しし中国からの資金逃避の抜け穴と
なった可能性も指摘されました。検証は困難ですが、元をただせばこうした
疑念が生じやすいのも、中国経済への先行き不安が拭えないためと考えます。
3・4月に外貨準備高が増加に転じ、資本流出懸念は一時に比べ弱まった感
もあります。ただし、貿易黒字拡大の一方で外貨準備の減少傾向が続くなど、
足元も証券投資・その他投資面で資本流出圧力にさらされている可能性は否
定できません(図6)。今後も、当局が小刻みな財政・金融緩和で景気軟着陸
を目指す以外、金融市場の小康状態を保つ方法はないと考えます。(瀧澤)
【図2】 インフラ・不動産部門が国内投資を下支える構図は不変
(%)
中国 都市部固定資産投資
(属性別、年初来累計、前年比)
30
うち国有企業
25
+23.3%
20
15
+9.6%
全体
10
5
民間部門
+3.9%
0
2012
2013
2014
2015
2016
(年)
(%)
中国 都市部固定資産投資
(業種別、年初来累計、前年比)
35
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
インフラ関連
+20.0%
+7.7%
不動産業
+4.6%
製造業
2012
2013
2014
2015
2016
(年)
注)左図の民間部門のデータは2012年3月以降。右図のインフラ関連は電力除く。直近値はすべて2016年5月時点。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
9
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
【図3】 過剰設備を抱える素材産業だが循環的な在庫調整は進展 【図4】 素材関連中心に製品価格の下落圧力はやや緩和
M
石炭
(%)
70
60
50
40
30
20
10
0
-10
-20
-30
-40
製品在庫
売上高
2007
2010
▲9.0%
▲14.8%
2013
中国 生産者物価(業種別、前年比)
中国 工業売上高・製品在庫(年初来累計、前年比)
(%)
(%)
鉄鋼
非金属鉱物製品
(年)
70
60
50
40
30
20
10
0
-10
-20
-30
-40
2016
売上高
製品在庫
▲12.6%
▲16.4%
2007
2010
2013
(年)
40
35
30
25
20
15
10
5
0
-5
-10
2016
(%)
50
売上高
鉄鋼
40
30
鉄鋼 +1.7%
全体 ▲2.8%
非金属
鉱物製品 ▲2.8%
非鉄金属 ▲7.7%
石炭 ▲10.2%
全体
20
10
0
-10
+5.4%
+3.9%
-20
製品在庫
2007
2010
-30
(年)
2013
非金属
鉱物製品
非鉄金属
石炭
2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016
2016
注)直近値は2016年4月時点。
注)直近値は2016年5月時点。
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
出所)中国国家統計局より当社経済調査部作成
【図5】 中国貿易面に安定化の兆し、ただし統計への疑惑も
(%)
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
-10
-20
-30
-40
-50
中国 輸出入額
(米ドル建て、前年比)
中国・香港間の貿易取引額
(米ドル建て、前年比)
(%)
300
中国 貿易収支と外貨準備高
(億米ドル)
800
600
1,200
2,000
400
800
100
200
400
50
0
中国:香港からの輸入
0
2010
2013
2016
(年)
+0.7%
香港側統計)
-100
香港:中国向け輸出
-150
2007
2010
2013
2016
(年)
注)左図:直近値は2016年5月時点。
右図:香港の中国向け輸出は当社経済調査部が米ドル換算した値。直近値は2016年5月時点。
出所)中国海関総署、香港統計局より当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
貿易収支(左軸)
0
-200
-50
▲4.1%
(億米ドル)
2,500
150
輸出
中国 国際収支
(億米ドル)
1,600
200
▲0.4%
【図6】 5月は貿易黒字増・外貨準備減、資本流出圧力残存か
+242.6%
中国側統計)
250
輸入
2007
(年)
-400
外貨準備高
(前月差、右軸)
-400
-600
2004
2007
2010
-800
1,500
2016 (年)
直接投資
資金流入
1,000
500
0
-500
-1,000
-1,500
-1,200 -2,000
2013
経常収支
資金流出
※金融派生商品、
外貨準備、誤差脱漏
は簡略化のため省略
2004
2007
証券投資
2010
その他投資
2013
(年)
2016
注)左図:直近値は2016年5月時点。
右図:直近値は2016年1-3月期(証券投資・その他投資は2015年10-12月期)時点。
出所)中国国家外為管理局、中国海関総署より当社経済調査部作成
10
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
⑥為替: 世界経済不安と米国のドル安志向で、ドル円相場は再度100円割れを試す可能性も
M
 英国の国民投票結果を受け、ドル円相場は一時99円台に
ドル円相場は年初来、米国利上げ・原油安・中国景気減速への懸念から円高
ドル安が進みましたが、足元それらの懸念が幾分後退したなかでも、円高に
歯止めがかからずにいます(図1・2)。6月24日の一時的な円高ドル安急進
(一時1米ドル=99円02銭、前日比7円程度の円高)こそ、英国のEU(欧州連
合)離脱を問う国民投票への不透明感が直接的な要因でしたが、やはり長い
目で見たドル円相場の方向性を決めるのは、米国の金融政策動向と考えます。
6月14・15日のFOMC(連邦公開市場委員会)は利上げを見送り、FF金利見
通しを引き下げました(図3左)。また2016年末の見通しも中央値は0.875%
(今年内2回利上げ)で前回と同じですが、FOMC参加者票が全体的に下方
シフトしており(0.625%票は前回1→今回6)、利上げへの慎重姿勢は一段
と増しています。利上げ期待の変化がドル円相場を左右するとみられるなか、
米国金利の先高感後退が円高ドル安材料になったと考えられます(図3右)。
【図1】 ドル円相場との相関: 市場のリスク選好度と原油動向
米国株式とドル円相場
(米ドル)
原油価格とドル円相場
(円/米ドル)
19,000
145
米国NYダウ(左軸)
140
18,000
135
17,000
130
16,000
円安
15,000
円高
125
120
115
110
14,000
105
ドル円相場(右軸)
13,000
2015
2016
(年)
100
(米ドル/バレル)
65
60
55
50
45
40
35
30
25
20
15
10
5
(円/米ドル)
145
原油先物価格
(WTI期近物、左軸)
140
135
130
125
円安
120
115
円高
110
105
ドル円相場(右軸)
2015
(年)
2016
100
注)直近値は2016年6月28日時点。
出所) Bloombergより当社経済調査部作成
 米国当局は米ドル安を志向?円安ドル高への反転は困難か
米国政府が米ドル高を甘受しない姿勢を見せ始めた点も、円高ドル安要因
と考えます。2014年半ば以降の米ドル高で、米国の輸出が頭打ちとなり製造
業減速が鮮明化しました(図4左)。足元は、米ドル安(高)→製造業心理
改善(悪化)という関係が顕著となっています(図4右)。製造業の低迷は
幅広い業種に波及、雇用環境全体に悪影響を及ぼす懸念もあり(図5)、米
国当局は、以前ほど米ドル高に寛容でいられない状況にあると推察されます。
直近の日米購買力平価(99円、図6)、日本の介入警戒水準(100円程度
か?)、近年の円安(2011年10月:75円32銭→2015年6月:125円86銭)からの
戻り高値節目(半値戻し:100円59銭、61.8%戻し:94円62銭)などを考慮する
と、円高値の目処は目先95~100円程度と考えます。一方で、米国の利上げ
慎重化に加え、新興国景気低迷や英国内政の不透明感といったリスク回避材
料が散在する間、円安ドル高への戻りも鈍い展開が続きそうです。(瀧澤)
【図2】 ドル円相場との相関: 中国・英国動向
中国株式とドル円相場
(ポイント)
英ポンドとドル円相場
(円/米ドル)
5,500
中国
上海総合指数(左軸)
5,000
(米ドル/ポンド)
145
1.65
(円/米ドル)
英ポンド相場
(対米ドル、左軸)
140
1.60
4,500
135
1.55
ポンド高
4,000
130
1.50
ポンド安
3,500
125
3,000
120
2,500
115
円安
2,000
円高
1,500
ドル円相場(右軸)
1,000
2015
2016
(年)
130
125
120
1.40
115
円安
110
105
1.30
100
1.25
140
135
1.45
1.35
145
110
円高
105
ドル円相場(右軸)
2015
2016
(年)
100
注)直近値は2016年6月28日時点。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
11
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
【図3】 円高ドル安の主因は米国利上げ観測の後退
市場のFF金利見通しとドル円相場
米国FOMC FF金利見通しの変化
M
(%)
4.00
3.75
3.50
3.25
3.00
2.75
2.50
2.25
2.00
1.75
1.50
1.25
1.00
0.75
【図4】 輸出への影響もあり、米ドル相場に一喜一憂する製造業
(%)
2.0
長期
ドル円相場(右軸)
1.8
3.0%
130
125
円安
1.6
2018年末
米ドルと米国製造業景況感
(円/米ドル)
120
円高
2017年末
2.375%
1.4
115
1.2
110
1.0
2016年末
2015
2016
2年先の
FF金利見通し(左軸)
0.6
0.875%
0.4
(年)
2015
2016
(年)
米ドル相場(右軸)
30
20
100
95
-20
90
-30
ニューヨーク連銀
製造業景気指数(左軸)
2014
2015
米ドル高
125
120
115
110
105
100
95
90
85
80
75
70
65
60
米ドル相場
(右軸)
米ドル安
110
100
-10
(年)
2016
90
95
80
90
70
実質輸出(左軸)
2006 2008 2010 2012 2014 2016
(年)
注)左図:米ドルはBloomberg公表の対主要10通貨ベース。指数化は当社経済調査部。直近値は2016年6月時点。
右図:米ドルは左図に同じ。指数化は当社経済調査部。実質輸出の直近値は2016年4月時点。
【図5】 時間差はあれど雇用環境の方向感は収れんする傾向
出所)ニューヨーク連銀、米商務省、Bloombergより当社経済調査部作成
【図6】 日米購買力平価(1973年2月基準)は1米ドル=99円
米国 ISM製造・非製造業景気指数(雇用指数)
日米購買力平価とドル円相場
(%)
(円/米ドル)
65
製造業
60
55
50
45
40
35
非製造業
30
25
1998
120
(2014年1月=100)
110
米ドル安
出所)FRB、Bloombergより当社経済調査部作成
悪化
120
100
注)左図:FOMC参加者の中央値。直近値は2016年6月14・15日FOMC時点の見通し。
右図:2年先のFF金利先物の値に基づく。直近値は2016年6月28日時点。
改善
130
115
米ドル高
10
125
105
105
0.8
40
0
金利先高感後退
1.625%
米ドルと米国実質輸出
(2014年1月=100) (2014年1月=100)
2001
2004
2007
2010
2013
2016
(年)
注)直近値は2016年5月時点。
円安
米ドル高
日米の購買力平価
(生産者物価基準)
円高
米ドル安
購買力平価
2016年5月
1ドル=99円
ドル円相場
1979
1985
1991
1997
2003
2009
2015
(年)
注)日米購買力平価は日本が変動相場制に移行した1973年2月の為替レートを基準とし、日米物価上昇率格差で
調整した為替相場に基づく(日本は国内企業物価、米国は生産者最終財物価)。直近値は2016年5月時点。
出所)米ISMより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
320
300
280
260
240
220
200
180
160
140
120
100
80
60
1973
出所)日本銀行、米労働省、Bloombergより当社経済調査部作成
12
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
Ⅱ.国際金融市場の動向
M
(すべて2005年初=100)
先
進
国
180
日本
140
120
100
80
60
40
20
0
2008
2014
2017 (年)
中国
450
新
興
国
2011
米国
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
160
2005
①株式: 英国国民投票結果(EU離脱に賛成)を受け世界的に急落
150
100
50
0
2008
400
350
300
300
250
250
200
200
150
150
100
100
50
50
0
2014
2017 (年)
インド
450
350
2011
2008
2011
2014
2017 (年)
メキシコ
350
250
200
150
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
2011
2014
2017 (年)
2008
2011
2014
2017 (年)
2014
2017 (年)
2014
2017 (年)
トルコ
300
250
400
200
300
150
200
100
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
ブラジル
2005
2008
2011
0
2005
2008
2017 (年)
2014
2017 (年)
ポーランド
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
2014
2011
2005
2008
2011
南アフリカ
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
2005
2008
2011
2014
2017 (年)
注1)2005年初=100として当社経済調査部が指数化。直近値は2016年6月28日、注2)先進国はMSCI WORLD、新興国はMSCI EMの国別指数に基づく(現地通貨ベース、配当後)。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
2005
350
500
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
300
2008
インドネシア
600
0
2005
2005
オーストラリア
200
180
160
140
120
100
80
60
40
20
0
200
2005
400
ドイツ
250
2005
2008
2011
出所) MSCI、Bloombergより当社経済調査部作成
13
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
②金利: 米国では一部で年内利下げ観測も浮上、金利は急低下
M
(単位はすべて%)
先
進
国
8
日本
ユーロ圏
8
6
6
6
4
4
4
4
2
2
2
0
0
0
利回り(10年物国債)
2
0
政策金利
-2
2006
2008
2010
2012
2014
2016
中国
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
2006
2008
2010
2012
2008
2014
2016
2006
(年)
2008
2012
2014
2016
2010
2012
2014
2016
8
4
3
0
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2008
2012
2014
2016
2010
2012
2014
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2008
2016
2006
(年)
2008
15
12
12
9
9
6
6
3
3
2012
2014
2016
(年)
2010
2012
2014
2016
(年)
2016
(年)
南アフリカ
18
15
2010
トルコ
27
24
21
18
15
12
9
6
3
0
0
2006
2006
(年)
ポーランド
18
9
2010
インドネシア
2006
(年)
12
6
2008
27
24
21
18
15
12
9
6
3
0
16
12
-2
2006
(年)
ブラジル
20
15
2010
インド
18
16
14
12
10
8
6
4
2
0
メキシコ
18
-2
2006
(年)
オーストラリア
8
6
-2
新
興
国
米国
8
0
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(年)
2006
2008
2010
2012
2014
注1) 政策金利は、日本:無担保コールレート(翌日物)、米国:FFターゲットレート、ユーロ圏:リファイナンス・レート、オーストラリア:キャッシュレートを使用。中国: 1年もの最優遇銀行貸付金利、インド:RBIレポ金利、
インドネシア:BI金利、トルコ:2010年5月18日まで翌日物借入金利、以降は1週間レポ金利、メキシコ:翌日物金利、ブラジル:SELIC金利誘導目標、ポーランド:2週間物レポ金利、南アフリカ:レポ金利を使用。
注2)国債利回りは、ユーロ圏:ドイツの10年国債利回り、トルコ:2年国債利回り、ブラジル:2年国債利回り、南アフリカ:10年国債利回り(2011年10月5日~2012年6月26日は9年国債で代用)を使用。
注3)直近の米国の政策金利(FF金利誘導目標)は0.25~0.50%だがグラフ上は0.50%で表示、なお、日本では政策目標を無担保コールレート(翌日物)とする措置を2013年4月4日で終了。
注4)直近値は2016年6月28日。注5)一部データの欠損あり。
出所)Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
14
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
③為替: 6月に入り資源・新興国通貨上昇も、英国国民投票後は一転して円全面高に
(円/米ドル)
M
70
各国・地域通貨高
米ドル(日本円)安
先
進
国
日本・円
(米ドル/ユーロ)
1.8
80
100
円高
110
各国・地域通貨安
米ドル(日本円)高
中国・人民元
(円/元)
22
6.0
20
18
7.0
16
7.5
14
8.0
12
円安
8.5
(INR/米ドル)
30
インド・ルピー
0.9
1.2
120
0.8
10
(MXN/米ドル)
8
メキシコ・ペソ
3.2
3.0
2.8
2.6
2.4
2.2
2.0
1.8
1.6
1.4
1.2
45
50
55
65
70
10
12
14
16
18
20
(BRL/米ドル)
12
1.0
11
1.5
10
2.0
9
2.5
8
3.0
7
3.5
6
4.0
5
4.5
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
ブラジル・レアル
80
(IDR/米ドル)
6000
インドネシア・ルピア
120
100
80
1.5
1.3
10000
40
(TRY/米ドル)
1.0
トルコ・リラ
(年)
(円/TRY)
120
1.5
100
2.0
80
2.5
60
3.0
40
1.1
12000
0.9
14000
16000
0.7
3.5
(PLN/米ドル)
80
1.5
70
2.0
ポーランド・ズロチ
60
2.5
50
3.0
40
3.5
30
4.0
20
4.5
(円/PLN)
60
40
30
20
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
20
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
50
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
0.5
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/BRL)
60
0.6
2006 2008 2010 2012 2014 2016
(円/IDR)
8000
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/MXN)
100
対日本円
(右軸)
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/INR)
35
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(円/豪ドル)
1.0
0.8
60
新
興
国
オーストラリア・ドル
1.1
140
1.0
40
6.5
160
(米ドル/豪ドル)
1.2
1.4
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
(元/米ドル)
180
0.7
120
130
5.5
(円/ユーロ)
対米ドル
(左軸)
1.6
90
ユーロ
(ZAR/米ドル)
4
南アフリカ・ランド
(円/ZAR)
20
6
18
8
16
10
14
12
12
14
10
16
8
18
6
2006 2008 2010 2012 2014 2016 (年)
注)上段右図:豪ドル=オーストラリアドル。直近値は2016年6月28日。
出所) Bloombergより当社経済調査部作成
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
15
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
Ⅲ.金融・商品市場のパフォーマンス
期間別 各資産の投資収益率(%)
M
基準日: 2016年6月28日
現地通貨ベース
1ヵ 月
地域別
株式
業種別
国債
▲ 9.4
▲ 10.9
▲ 26.6
海外先進国
▲ 3.8
0.1
▲ 5.3
新興国
▲ 0.6
▲ 0.3
素材(景気敏感)
▲ 4.0
1.7
1.0
IT(情報技術)
ヘルスケア
転換社債
3ヵ 月
円換算ベース
1ヵ 月
1年
3ヵ 月
1年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
▲ 9.4
▲ 10.9
▲ 26.6
▲ 18.6
21.8
54.8
9.8
10.3
▲ 20.8
▲ 11.4
▲ 10.1
▲ 24.2
▲ 9.2
30.2
48.8
20.1
▲ 0.8
▲ 16.3
▲ 4.5
▲ 0.7
▲ 7.2
▲ 10.3
0.3
0.0
▲ 15.5
▲ 6.6
▲ 9.4
▲ 32.5
▲ 23.4
31.4
19.1
11.9
▲ 14.2
▲ 11.8
▲ 13.6
▲ 4.2
1.5
▲ 14.3
▲ 11.0
▲ 8.0
▲ 31.4
▲ 24.8
24.6
25.3
9.1
▲ 14.5
▲ 9.9
8.7
▲ 7.5
▲ 0.4
7.6
▲ 10.2
▲ 7.2
▲ 1.8
▲ 27.2
▲ 4.5
15.3
40.2
2.7
▲ 21.8
▲ 2.3
▲ 5.4
▲ 3.5
▲ 3.8
▲ 5.2
▲ 3.1
▲ 2.9
▲ 12.0
▲ 12.5
▲ 19.9
▲ 7.4
26.6
50.7
30.4
5.6
▲ 18.6
▲ 2.1
3.7
▲ 8.3
▲ 2.2
3.6
▲ 9.0
▲ 9.1
▲ 5.9
▲ 26.0
5.0
31.2
58.5
32.4
7.5
▲ 18.8
日本
1.7
2.7
9.7
1.7
2.7
9.7
2.2
1.8
2.1
4.5
1.2
7.4
海外先進国
2.6
3.0
8.7
1.4
1.7
5.8
▲ 5.5
▲ 7.7
▲ 10.3
1.2
19.8
21.7
17.1
▲ 3.4
▲ 8.7
新興国(現地通貨建て)
1.4
2.5
8.5
2.0
1.7
▲ 0.6
▲ 4.9
▲ 7.7
▲ 17.6
▲ 5.2
24.1
15.0
13.9
▲ 9.0
▲ 7.7
2.3
4.6
8.5
▲ 4.6
▲ 4.8
▲ 8.6
0.8
30.2
16.1
21.2
1.6
▲ 5.4
2.2
2.6
7.8
6.8
4.9
▲ 1.5
9.4
0.6
5.5
エネルギー
海外先進国
2.1
4.1
7.5
6.9
17.2
▲ 5.7
7.0
0.8
8.3
1.2
2.8
5.4
▲ 5.7
▲ 6.7
▲ 10.7
▲ 0.7
23.9
21.4
17.0
▲ 3.4
▲ 7.9
ハイイールド
▲ 0.2
4.1
1.1
▲ 7.0
▲ 5.3
▲ 15.0
▲ 2.6
32.1
29.3
13.7
▲ 3.8
▲ 7.1
投資適格
新興国
(米ドル建て) ハイイールド
1.5
3.4
3.7
▲ 5.4
▲ 6.0
▲ 13.3
0.5
26.0
19.5
19.3
0.2
▲ 8.2
1.4
5.7
6.2
▲ 5.5
▲ 3.7
▲ 10.8
▲ 8.7
33.9
21.9
12.9
3.8
▲ 4.0
1.6
▲ 13.6
新興国(米ドル建て)
世界
社債
その他
1ヵ 月
1年
日本
新興国(米ドル建て)
ヘッジ有
その他
債券
3ヵ 月
米ドルベース
投資適格
先進国
▲ 1.5
1.6
▲ 2.8
▲ 1.3
1.9
▲ 0.7
▲ 8.1
▲ 7.5
▲ 16.9
▲ 10.4
25.1
38.5
17.6
新興国
▲ 1.3
▲ 0.2
▲ 1.9
▲ 2.2
▲ 0.9
▲ 2.5
▲ 9.0
▲ 10.4
▲ 18.7
▲ 17.0
28.6
33.8
15.6
4.3
▲ 14.9
物価連動 先進国
国債
新興国
1.1
2.5
3.1
▲ 5.8
▲ 6.9
▲ 13.9
5.5
19.7
16.6
17.8
▲ 4.3
▲ 8.7
6.7
7.6
2.9
▲ 0.2
▲ 1.8
▲ 14.1
▲ 8.1
30.6
6.3
15.6
▲ 18.8
5.5
先進国
2.0
4.9
13.8
▲ 4.8
▲ 4.5
▲ 3.2
▲ 3.4
36.3
24.6
37.1
1.6
▲ 5.1
新興国
0.1
▲ 1.1
▲ 6.1
▲ 6.8
▲ 10.6
▲ 23.1
▲ 13.1
49.5
9.4
22.8
▲ 17.2
▲ 6.7
3.3
11.2
▲ 12.5
▲ 3.5
1.7
▲ 29.6
▲ 18.5
11.7
11.9
▲ 3.3
▲ 24.3
▲ 2.0
リート
商品
注)株式は、日本、海外先進国、業種別がMSCI WORLDにおける当該地域・業種別の各指数、新興国がMSCI EM、
債券は、国債(日本、海外先進国、海外先進国ヘッジ有り)、社債(世界)、転換社債がBofA メリルリンチ債券インデックスにおける当該市場の各指数、国債(新興国《現地通貨建て》は
J.P. Morgan GBI - EM Broad、国債(新興国《米ドル建て》、新興国《米ドル建て》ヘッジ有)はJ.P. Morgan EMBI Global Diversified、社債(新興国《米ドル建て、投資適格》) は
J.P. Morgan CEMBI High Grade、社債(新興国《米ドル建て、ハイイールド》) はJ.P. Morgan CEMBI High Yield、物価連動国債(先進国)がバークレイズ世界物価連動国債インデックス、物価連動債(新興国)が
バークレイズ新興市場物価連動国債インデックス、リート(先進国)はS&P先進国REIT指数、 リート(新興国)はS&P新興国REIT指数、商品はブルームバーグ商品指数に基づく。
2016年は2015年末から基準日までの数字。
上記分析は作成時点のものであり、将来の市場環境等を示唆・保証するものではありません。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)J.P. Morgan、Bloomberg、S&P、MSCI、バークレイズ、BofA メリルリンチより当社経済調査部作成
16
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
Ⅳ.2016年7月の主要な政治・経済日程
月
火
M
6/27
(米)
(米)
(米)
4
(米)
独立記念日(祝日)
(伊)
5月 鉱工業生産
18
(米)
7月 全米住宅建築業協会
(NAHB)住宅市場指数
(独)
5月 商業販売統計
(米)
(米)
5月 個人所得・消費
5月 中古住宅販売仮契約指数
(独)
7月 GfK消費者信頼感指数
(他)
ブラジル 5月 失業率
5月 製造業新規受注
5月 耐久財新規受注
(米)
(米)
(豪)
金融政策決定会合
(米)
(日)
(日)
5月 第3次産業活動指数
6月 企業物価指数
(日)
(米)
5月 卸売売上高
(豪)
(他)
6月 NAB企業景況感指数
ブラジル 5月 小売売上高
6月 住宅着工・許可件数
(独)
(英)
(英)
7月 ZEW景況感指数
6月 消費者物価指数
6月 生産者物価指数
(豪)
金融政策決定会合議事録
(7月5日分)
(日)
6月 企業向けサービス価格
(米)
(米)
(米)
5月 S&P/ケース・シラー住宅価格指数
6月 新築住宅販売件数
7月 消費者信頼感指数
(カンファレンス・ボード)
連邦公開市場委員会(FOMC)
(~27日)
7月 ifo景況感指数
(米)
5月 貿易収支
6月 ISM(米供給管理協会)
非製造業景気指数
FOMC議事録
(6月14-15日開催分)
5月 鉱工業生産
6月 シカゴ購買部協会景気指数
6月 消費者物価(速報)
1-3月期 実質GDP(確報)
ブラジル 5月 鉱工業生産
6月 製造業PMI(国家統計局)
6月 製造業PMI(マークイット)
5月 建設支出
6月 新車販売台数
(日)
(日)
(日)
(日)
5月 景気動向指数
(米)
6月 ADP雇用統計
(日)
(日)
(日)
(日)
5月 毎月勤労統計
5月 経常収支
6月 銀行貸出
6月 景気ウォッチャー
(独)
(英)
5月 鉱工業生産
5月 鉱工業生産
(米)
(米)
(仏)
(他)
5月 消費者信用残高
6月 雇用統計
5月 鉱工業生産
ブラジル 6月消費者物価(IPCA)
14
(米)
(米)
(米)
6月 輸出入物価指数
6月 月次財政収支
ベージュブック
(地区連銀経済報告)
(欧)
(豪)
5月 鉱工業生産
7月 消費者信頼感指数
15
(米)
6月 生産者物価
(仏)
革命記念日(祝日)
(豪)
6月 雇用統計
21
6月 中古住宅販売件数
7月 フィラデルフィア連銀景気指数
(欧)
欧州中央銀行(ECB)理事会
28
(米)
(米)
6月 耐久財新規受注
6月 中古住宅販売仮契約指数
(独)
(英)
8月 GfK消費者信頼感指数
4-6月期 実質GDP(1次速報)
(日)
(他)
(仏)
(欧)
(欧)
(米)
(米)
(米)
(米)
(米)
(米)
(米)
(米)
(米)
(中)
(中)
5月 企業売上高・在庫
6月 小売売上高
6月 消費者物価
6月 鉱工業生産
6月 ニューヨーク連銀景気指数
7月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(速報)
4-6月期 実質GDP
6月 鉱工業生産
22
(米)
(米)
27
(日)
(日)
(日)
(米)
5月 家計調査
5月 労働関連統計
5月 消費者物価指数(総務省)
5月 消費者物価指数(日銀)
日銀短観(6月調査)
6月 消費者態度指数
6月 新車登録台数
6月 ISM(米供給管理協会)
製造業景気指数
8
5月 製造工業 稼働率指数
20
(米)
(日)
(米)
(欧)
(英)
(他)
(中)
(中)
(米)
(米)
発表日未定経済指標など
7/1
7
13
26
6月 貿易統計
(日)
(米)
(米)
金
30
6
19
25
(日)
1-3月期 実質GDP(確報)
4月 S&P/ケース・シラー住宅価格指数
6月 消費者信頼感指数
(カンファレンス・ボード)
12
5月 機械受注統計
6月 マネーストック
木
29
5
11
(日)
(日)
水
28
29
日銀金融政策決定会合(~29日)
ブラジル 6月 失業率
4-6月期 実質GDP(1次速報)
7月 消費者物価(速報)
4-6月期 実質GDP(1次速報)
4-6月期 実質GDP(1次速報)
7月 シカゴ購買部協会景気指数
7月 ミシガン大学
消費者信頼感指数(確報)
(日)
(日)
(日)
(日)
(日)
(日)
(日)
黒田日銀総裁定例記者会見
経済・物価情勢の展望
(基本的見解)
6月 鉱工業生産
6月 商業販売統計
6月 家計調査
6月 労働関連統計
6月 消費者物価指数(総務省)
6月 消費者物価指数(日銀)
注)(日)は日本、(米)は米国、(欧)はユーロ圏、(英)は英国、(独)はドイツ、(仏)はフランス、(伊)はイタリア、(豪)はオーストラリア、(中)は中国、を指します。
日程は変更になる可能性があります。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
出所)Bloomberg等より当社経済調査部作成
17
M
投資環境マンスリー 2016年7月号
留意事項
◎投資信託に係るリスクについて
投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としているため、当該資産の市場における取引価格の変動や
為替の変動等により基準価額が変動します。したがって、投資者のみなさまの投資元金が保証されているものではなく、基準価額の下落
により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。運用により信託財産に生じた損益はすべて投資者のみなさまに帰属します。
投資信託は預貯金と異なります。また、投資信託は、個別の投資信託毎に投資対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国等が
異なることから、リスクの内容や性質が異なりますので、ご投資にあたっては投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完書面等を
よくご覧ください。
M
◎投資信託に係る費用について
ご投資いただくお客さまには以下の費用をご負担いただきます。
■購入時(ファンドによっては換金時)に直接ご負担いただく費用
・購入時(換金時)手数料 … 上限 3.24%(税込)
※一部のファンドについては、
購入時(換金時)手数料額(上限 37,800円(税込))を定めているものがあります。
■購入時・換金時に直接ご負担いただく費用
・信託財産留保額 … ファンドにより変動するものがあるため、事前に金額もしくはその上限額またはこれらの計算
方法を表示することができません。
■投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用
・運用管理費用(信託報酬) … 上限 年3.348%(税込)
※一部のファンドについては、運用実績に応じて成功報酬をご負担いただく場合があります。
■その他の費用・手数料
上記以外に保有期間等に応じてご負担いただく費用があります。投資信託説明書(交付目論見書)、目論見書補完
書面等でご確認ください。
※その他の費用・手数料については、運用状況等により変動するものであり、事前に金額もしくはその上限額ま
たはこれらの計算方法を表示することができません。
お客さまにご負担いただく費用の合計額もしくはその上限額またはこれらの計算方法は、購入金額や保有期間等に
応じて異なりますので、表示することができません。
《ご注意》
上記に記載しているリスクや費用項目につきましては、一般的な投資信託を想定しております。費用の料率につきましては、三菱UFJ
国際投信が運用するすべての公募投資信託のうち、ご負担いただくそれぞれの費用における最高の料率を記載しております。投資信託に
係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、ご投資をされる際には、事前によく投資信託説明書(交付目論見書)、
目論見書補完書面等をご覧ください。
各資産のリスク
◎株式の投資に係る価格変動リスク
:株式への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、株式の価格は個々の企業の
活動や業績、市場・経済の状況等を反映して変動するため、株式の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎公社債の投資に係る価格変動リスク
:公社債への投資には価格変動リスクを伴います。一般に、公社債の価格は市場金
利の変動等を受けて変動するため、公社債の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎REIT(不動産投資信託証券、以下REIT)の投資に係る価格変動リスク
:REITへの投資には価
格変動リスクを伴います。一般にREITの価格は保有不動産等の価値やそこから得られる収益の増減等により変動するため、REIT
の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
◎オルタナティブ(代替投資手段、以下オルタナティブ)の投資に係る価格変動リスク
:オルタナティブ
への投資には価格変動リスクを伴います。オルタナティブは各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)等に投資
するため、各種有価証券、商品、ならびに関連する派生商品(デリバティブ)の価格の変動により損失を被り、投資元金を割り込むこと
があります。
◎信用リスク
:信用リスクとは、有価証券等の発行者や取引先等の経営・財務状況が悪化した場合またはそれが予想された場合も
しくはこれらに関する外部評価の悪化があった場合等に、当該有価証券等の価格が下落することやその価値がなくなること、または利払
いや償還金の支払いが滞る等の債務が不履行となること等をいいます。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金
を割り込むことがあります。
◎カントリーリスク
:新興国への投資は、先進国への投資を行う場合に比べ、投資対象国におけるクーデターや重大な政治体制
の変更、資産凍結を含む重大な規制の導入、政府のデフォルト等の発生による影響を受けることにより、市場・信用・流動性の各リスク
が大きくなる可能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込む可能性が高まることがあり
ます。
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■本資料は、投資環境等に関する情報提供のために三菱UFJ国際投信が作成した資料であり、金融商品取引法に基づく開示資料ではあり
ません。本資料は投資勧誘を目的とするものではありません。
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■投資信託は、販売会社がお申込みの取扱いを行い委託会社が運用を行います。
■本資料の内容は作成時点のものであり、将来予告なく変更されることがあります。(作成基準日:2016年6月29日)
■本資料は信頼できると判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性等を保証するものではありません。
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UFJ国際投信による一定の目的での利用のためにライセンスされています。ブルームバーグ商品指数(Bloomberg Commodity IndexSM)は、
ブルームバーグとUBSセキュリティーズ・エル・エル・シー(UBS Securities LLC)の間の契約に従ってブルームバーグが算出し、配信し、
販売するものです。ブルームバーグ、ならびにUBSセキュリティーズ・エル・エル・シーおよびその関係会社(以下「UBS」と総称しま
す。)のいずれも、三菱UFJ国際投信の関係会社ではなく、ブルームバーグおよびUBSは、当ファンドを承認し、是認し、レビューしま
たは推奨するものではありません。ブルームバーグおよびUBSのいずれも、ブルームバーグ商品指数(Bloomberg Commodity IndexSM)に
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S&P先進国REIT指数の所有権及びその他一切の権利は、スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーが有してい
ます。三菱UFJ国際投信株式会社は、スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーとの間で同指数の算出・管理
に関する契約を締結しています。スタンダード&プアーズ フィナンシャル サービシーズ エル エル シーは、同指数の算出にかかる誤謬等
に関し、いかなる者に対しても責任を負うものではありません。
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◎流動性リスク
:有価証券等を売却あるいは取得しようとする際に、市場に十分な需要や供給がない場合や取引規制等により十
分な流動性の下での取引を行えない場合または取引が不可能となる場合、市場実勢から期待される価格より不利な価格での取引となる可
能性があります。この場合、有価証券等の価格の下落により損失を被り、投資元金を割り込むことがあります。
国内株式・国内債券への投資は上記のリスクを伴います。海外株式・海外債券への投資は上記リスクに加えて以下の為替変動リスクを伴
います。
◎為替変動リスク
:海外の株式や公社債、REIT、オルタナティブ資産は外貨建資産ですので、為替変動の影響を受けます。
そのため、為替相場が円高方向に進んだ場合には、投資元金を割り込むことがあります。
新興国への投資は上記リスクに加えて以下のカントリーリスクを伴います。
巻末の留意事項等を必ずご覧ください。
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