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静岡市下水道ビジョン

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静岡市下水道ビジョン
2010 年3月
静岡市上下水道局下水道部
私たちは、毎日の暮らしの中で、トイレ、洗面所、お風呂などで水を使い、汚れ
お すい
た水(汚水)を流しています。
下水道は、汚水を下水道管(管きょ)で集めて、浄化センターできれいな水にし
て川や海へ戻すことにより、水の循環の面から地球を守るという大切な役目を果た
しています。
う すい
また、まちに降った雨(雨水)をすみやかに川や海へ運び、浸水の被害から守る
という役割も持っています。
このビジョンでは、このような重要な働きをする下水道の今後について、様々な
角度から検討しています。
「次世代へ 守ろう残そう しずおかの水」
21 世紀が始まり 10 年が過ぎ、特に「環境」と「資源」に対する市民意識の高まり
を感じます。
「エコ」という言葉が市民権を得て、日常的に街中にあふれるようになり、
水も有限の資源であると考える方が増えてきていることは、特筆すべきことだと思いま
す。以前はそれこそ「湯水のように使う」という言葉のとおり、「水」は使い放題と考
える風潮があったと思います。
このような中で、「水資源の循環」に大きな役割を果たす下水道事業を、より効果的
に進めるために、「静岡市下水道ビジョン」を策定することといたしました。
そして、この策定に当たって、昨年(2009 年)8月開催の「上下水道フェア」な
どで、下水道ビジョンのキャッチフレーズについて意見を募集したところ、最もふさわ
しいとされたのは、「次世代へ 守ろう残そう しずおかの水」でした。
これこそは、市民の皆様が「水」を大切な限りある資源と考え、次の世代へこの貴重
な資源をきちんと引き継ぐために、都市の静脈機能を果たす下水道事業をしっかりと進
めてもらいたいという期待のあらわれだと思います。
また、ビジョン策定に向け設置した公募市民を含む研究協議会からも、幅広い視点か
ら検討された意見書を提出いただきました。
今後は、ビジョンに沿ったアクションプログラムを着実に推進し、市民の皆様の期待
に応え、「次世代へ 守ろう残そう しずおかの水」の実現に努めてまいります。
2010 年3月
静岡市公営企業管理者 河野 正也
1
目
Ⅰ
次
下水道事業における基本方針と中期ビジョン
第1章 策定の趣旨
1
2
社会的背景
静岡市下水道ビジョン策定の経緯
・・・・・・・
・・・・・・・
6
8
3
静岡市下水道ビジョンの構成
・・・・・・・
10
・・・・・・・
12
第2章 下水道のあゆみ
第 3 章 下水道の現状と課題
(1) 汚水処理の推進
(2) 合流式下水道の改善
(3) 環境・エネルギー対応
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
浸水対策
地震対策
施設の老朽化対策
経営改善
市民参画の推進
課題の整理
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
14
15
16
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
17
18
20
22
23
25
第4章 今後の基本方針と中期ビジョン
1
今後の基本方針
・・・・・・・
26
2
3
4
中期ビジョンの整理と位置付け
中期ビジョンの期間
今後の基本方針と中期ビジョン
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
26
26
28
2
Ⅱ
第2次静岡市下水道事業中期経営計画(アクションプログラム)
1
2
3
4
5
計画の整理と位置付け
計画期間
事業運営の目標
事業計画
(1)
中期財政収支計画
(2)
定員管理に関する計画
(3)
給不の適正化に関する計画
(4)
将来需要予測
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
36
36
36
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
56
58
59
59
(5)
・・・・・・・
59
・・・・・・・
・・・・・・・
60
62
主要設備投資計画
経営基盤強化への取り組み
(1)
経営改革への取り組み
(2)
人材育成のための取り組み
6
環境保全等への取り組み
・・・・・・・
64
7
計画達成状況の公表
・・・・・・・
64
参考資料
1
2
3
4
5
6
7
8
主要計画の概要
・・・・・・・ 66
静岡市の人口推計
・・・・・・・ 74
静岡市下水道ビジョン策定における市民参画の状況・・・ 75
静岡市下水道ビジョンに関する意見書
・・・・・・・ 76
市民意見の提出状況
・・・・・・・ 83
用語解説
・・・・・・・ 87
策定関係職員名簿(平成 21 年度分)
・・・・・・・ 89
下水道事業の組織・問い合わせ先
・・・・・・・ 90
※ 本ビジョンでは、
「下水道」という用語は特別に記載のない限り下水道法第2条第3号で定
める「公共下水道」を意味するものとして使用し、コミュニティ・プラントや農業集落排水
事業等のように、排水施設や処理施設を持つ公共下水道に類似した事業は含めていません。
※ 本文中、下線のついている用語は、参考資料の「6用語解説」で説明しています。
3
4
Ⅰ
下水道事業における
基本方針と中期ビジョン
5
第1章 策定の趣旨
1 社会的背景
本市は、平成 15 年4月に静岡市と清水市の合併により生まれ、平成 17 年4月に
は全国 14 番目の政令指定都市となり、また、その後蒲原町、由比町との合併を行い
ました。
これまで、下水道事業においては、
・衛生的なまちづくりに向けた汚水処理の普及
・市民の財産を守るための雤水排除
・産業発展による経済成長に伴う水質汚濁の解消
など、時代の移り変わりに応じて求められる役割に沿った整備を進めてきました。
しかし、わが国においては、地域的に偏りのある人口減尐や急速な尐子高齢化が進
み、それに伴って市民の生活様式や都市のあり方が変化してきています。このことは、
下水道計画における人口や汚水量などの前提条件の見直しや、財政基盤を支える使用
料収入の減尐を示しており、新たな局面を迎えていると言えます。
また、地球温暖化および気候変動の増大による集中豪雤と干ばつの頻発や資源の枯
渇など、環境・エネルギー面の課題が深刻化しており、下水道の果たす役割について
も、これまでの「排除・処理」から「活用・再生」へ方向を変え、人間中心の視点か
ら生態系全体の保全への移行、下水道資源の活用など循環型社会を創り上げることが
求められています。
6
さらに、整備に伴い増えていく下水道施設の老朽化に対する適切な維持管理を行わ
なければ、施設の機能が十分に果たせなくなったり、管きょの破損が原因で道路陥没
事敀がおきるなど、市民生活や社会活動に大きな影響を及ぼすおそれがあります。
このような社会的状況の変化は、全国的に共通なものであり、国は、地域の持続的
な発展を支える 21 世紀型下水道の実現を目標とした「下水道ビジョン 2100」を
策定し、ここで示す下水道施策の基本的な方針である「循環のみち」の実現に向けた
10 年間の取り組みとして、
「下水道中期ビジョン」を公表し、中部地方における「中
部地方下水道中期ビジョン」が示されました。これらのビジョンにより、下水道事業
の抱える課題を解決する道筋や、今後の取り組み方針が明らかにされました。
7
2 静岡市下水道ビジョン策定の経緯
これらの社会的背景と財政的な制約の中で、本市はこれまで以上に効率的、効果的
な整備と適正な管理を行い、より安定した下水道事業経営を実現していく必要があり
ます。
そして、本市では平成 16 年に合併後の静岡市のまちづくりのよりどころとなる
「静岡市基本構想」の議決を受け、さらには地方分権社会の進展の流れを汲み、政令
指定都市移行に合わせて「静岡市自治基本条例」を定め、これまでの行政中心から市
民と協働した行政運営を進める考えを示しました。
一方、これまでの本市の下水道事業の進め方は、汚水処理については「静岡市公共
下水道全体計画(汚水)(66 ページ参照)」、雤水対策については「静岡市浸水対策
推進プラン(68 ページ参照)」など、それぞれの課題に合わせて個別に計画を策定
し、対応してきました。
また、公的サービスのあり方の見直しや規制緩和の流れを汲み、平成 17 年度には
新たに「第1次静岡市下水道事業中期経営計画(73 ページ参照)」を策定し、
「経営」
という視点から事業運営を図ってきたところです。
しかし、急速な社会状況の変化や高度成長が望めない経済状況などに対応していく
ためには、従来の行政手法を変え、中長期的な視点で下水道事業の全体をとらえ、柔
軟に事業を運営していく必要があります。
このため、「静岡市下水道ビジョン」として、今後の下水道事業における基本方針
と、その達成に向けて今後 10 年間に取り組む施策の方向を示す「静岡市下水道中期
ビジョン(以下「中期ビジョン」という。)」を、公募市民や関係団体の方を委員とす
る研究協議会の意見などを幅広く取り入れて定めました。
さらに、この具体的な実現手段として、従来の個別計画を再度検証し、下水道ビジ
ョンに沿って再編し、5年間の事業目標を掲げる「第2次静岡市下水道事業中期経営
計画(アクションプログラム。以下「第2次中期経営計画」という。)」を定めました。
8
【静岡市下水道ビジョン策定の経緯】
◆社会状況の変化
生活様式の多様化
下水道施設の増大
急速な尐子高齢化
環境・エネルギー問題
地域的に偏った人口減尐
◆国の動向
◆本市の動向
など
静清・蒲原町・由比町合併
(H15・H17・H20)
下水道ビジョン 2100
静岡市基本構想策定(H16)
(H17.9)
下水道中期ビジョン
政令指定都市移行(H17)
(H19.6)
自治基本条例・市民参画推進
中部地方下水道中期ビジョン
条例制定 (H17・H19)
(H21.8)
静岡市基本構想の中で下水道事業が関係するまちづくりの大綱
「安全・安心・快適に暮らせる自然豊かなまち」
静岡市下水道ビジョン
基本構想に掲げるまちづくりの実現に向けた
下水道事業における基本方針
パブリックコメント、
<10 年間の施策の方向>
中期ビジョン(H22~31)
公共下水道全体計画
浸水対策推進プラン
第1次中期経営計画
研究協議会などで
市民参画
統
合
<5年間の具体的手段>
<5年間の具体的手段>
・
第2次中期経営計画
第3次中期経営計画
再
(アクションプログラム)
編
(H22~26)
(アクションプログラム)
(H27~31)
(
下水道アクショ
※計画名称は一部省略、点線部分は将来検討予定部分
ンプログラム)
など・・・
9
3 静岡市下水道ビジョンの構成
静岡市下水道ビジョンの策定にあたっては、下水道事業の現状を分析して課題を整
理した上で、静岡市基本構想(平成 16 年議決)の実現に向けて、今後の下水道事業
における基本方針を定め、その基本方針に沿って、中期ビジョンとして取り組んでい
く施策の方向を定めました。
そして、財政面での検討も行った上で、既存の個別の事業計画に沿った事業を中期
ビジョンに沿って再編し、具体的な数値目標なども含めた第2次中期経営計画を定め
ました。
なお、中期経営計画をアクションプログラムとして位置づけ、10 年間にわたる中
期ビジョンのうち平成 22 年度からの前半5年間については第2次中期経営計画、平
成 27 年度からの後半5年間については第3次中期経営計画として事業を整理して
いきます。第2次中期経営計画は、毎年度その達成状況を検証し、必要に応じて計画
の見直しを行うとともに、計画期間満了前に第3次中期経営計画を検討し、継続的な
事業実施に努めます。
また、中期ビジョンについても同様に、期間満了前に次期の中期ビジョンの検討を
行い、その具体的手段となる中期経営計画についても並行して定めていきます。
10
【静岡市下水道ビジョンの構成】
◆既存の事業計画に沿って事業実施
第
1
次
中
期
経
営
計
画
例:公共下水道全体計画、浸水対策推進プランなど・・・
第2次中期経営計画策定
H22
中
第
2
次
中
期
経
営
計
画
期
ビ
下水道ビジョン策定、事業再編、
H21
計画開始
H23
進行管理を行い、毎年度
H24
達成状況を公表し、第三者
機関とともに計画見直し
H25
H26
次期計画策定
H27
次期計画開始
ジ
ョ
ン
第
3
次
中
期
経
営
計
画
H28
進行管理を行い、毎年度
達成状況を公表し、第三者
H29
機関とともに計画見直し
H30
次期ビジョン策定
H31
H32
次期計画策定
次期ビジョン、計画開始
※計画名称は一部省略
※点線部分は将来検討部分
11
第2章 下水道のあゆみ
静岡地区については、大正 12 年に事業認可を受け、大正 13 年から事業にとりかか
り、既に 80 年以上が経過しています。また、清水地区については、昭和 30 年に事業
認可を受け、昭和 31 年から事業にとりかかり、50 年以上が経過しています。
下水道事業は、地中に下水道管のネットワークを張り巡らし、また、下水を処理する
施設を設置するという極めて大規模な社会資本整備です。したがって、多大な事業費を
必要としますが、現在と次の世代との世代間の負担をなだらかにする、という観点から、
過大な投資とならないように注意して、長期間に渡って計画的、段階的に整備を進めて
います。
年
静岡地区下水道
大正12年
下水道事業認可
大正13年
下水道事業着手
昭和27年
下水道使用料の徴収開始
清水地区下水道
昭和30年
下水道事業認可
昭和31年
下水道事業着手
昭和33年
築地ポンプ堲運転開始
昭和35年
高松浄化センター運転開始
昭和41年
下水道使用料の徴収開始
愛染ポンプ堲運転開始
昭和45年
受益者負担金の徴収開始
受益者負担金の徴収開始
昭和47年
高松浄化センター高級処理開始
清水南部浄化センター運転開始
昭和48年
昭和52年
清開ポンプ堲運転開始
城北浄化センター運転開始
浜田ポンプ堲運転開始
12
流域下水道
年
静岡地区下水道
清水地区下水道
昭和55年
三保雤水ポンプ堲運転開始
昭和56年
清水北部浄化センター運転開始
昭和57年
中島雤水ポンプ堲運転開始
昭和60年
中島浄化センター運転開始
昭和62年
流域下水道
折戸雤水ポンプ堲運転開始
宮加三ポンプ堲運転開始
平成元年
流域関連下水道事業認可
下水道事業認可
下水道事業着手
平成2年
小鹿ポンプ堲運転開始
平成3年
西大谷ポンプ堲運転開始
流域関連下水道事業認可
平成9年
静清浄化センター運転開始
平成10年
折戸ポンプ堲運転開始
平成11年
下川原雤水ポンプ堲運転開始
平成14年
長田浄化センター運転開始
用宗汚水ポンプ堲運転開始
平成15年
合併により新静岡市誕生
平成16年
中島浄化センター風力発電施設(風電吒)運転開始
平成17年
全国で14番目の政令指定都市となる
(処理堲の呼び名を下水処理堲から浄化センターに変更)
平成18年
第1次静岡市下水道事業中期経営計画策定、静岡地区と清水地区の下水道使用料体系を一元化
(H17
公募市民を含む「下水道使用料懇話会」という市民参画組織を設置して検討)
13
第3章
下水道の現状と課題
(1) 汚水処理の推進
本市の下水道の普及状況については、平成 20 年度末で 75.7%の普及率となっ
ており、全国平均、静岡県平均ともに上回っておりますが、政令指定都市の中では
いまだ低い水準にあり、今後も計画的に整備を進めていく必要があります。
しかし、整備に当たっては、厳しい財政状況や人口減尐の進行に伴う整備効率の
低下などを見込んで、下水道、合併処理浄化槽など地域の実情に合わせた整備手法
を柔軟に採用していくことが重要となっています。
さらに、今後の事業の推進においては、計画の立案段階や見直し段階において、
下水道の利用者である市民と対話し、市民参画のもとに検討を行い、問題解決にあ
たる手法に変えていくことが求められています。
下水道普及率と巴川のBODの変化
80.0
10.0
9.0
70.0
普及率
8.0
60.0
7.0
普
及
率
50.0
(%)
40.0
6.0
5.0
B
O
D
(m g/L)
4.0
30.0
BOD
3.0
20.0
2.0
10.0
北部浄化センター
運転開始 (S52)
静清浄化センター
運転開始 (H9)
0.0
1.0
0.0
S47 S49 S51 S53 S55 S57 S59 S61 S63 H1
H3
H5
H7
H9 H11 H13 H15 H17 H19 H20
※合併前の下水道普及率は静岡市下水道総務課試算による。BOD値は静岡市河川課資料より引用。
14
(2)合流式下水道の改善
下水道には、汚水と雤水を同じ管きょで排除する「合流式」と、別々の管きょで
排除する「分流式」がありますが、早い時期に整備に着手した区域では、合流式が
採用されています。
合流式は、整備速度や経済性では分流式に勝る反面、一定規模以上の雤が降った
時には未処理のまま下水の一部が河川等へ流れ出す方式であることから、公衆衛生
及び水質保全の観点から丌十分な部分があり、現在、新たに整備する堲合には採用
されていません。
本市には、高松、城北、南部、北部処理区において約 1,200ha の合流式下水道
区域があるため、「静岡市合流式下水道緊急改善計画(平成 17~21 年度:平成
21 年度計画見直し中)」に沿って、スクリーンの設置や雤天時の汚水処理手法の
変更などの改善を行っており、今後も引き続き取り組んでいく必要があります。
●合流式下水道の仕組み
晴天時
雤水吐き室
雤水吐口
雤水吐口
堰(せき)
晴天時
雤天時
雤水吐口
雤水吐き室
雤水吐口
雤天時
堰(せき)
雤水吐き室
堰(せき)
15
(3)環境・エネルギー対応
下水道は、下水を収集、処理を行う過程で、多大なエネルギーを消費しており、
また、工事段階においてもエネルギーを消費するため、下水道整備の推進は温室効
果ガス排出量の増加につながります。
一方では、収集した下水、処理した水や汚泥にはまだ利用されていないエネルギ
ーがあるため、これらからエネルギーを取り出したり、下水道施設を有効に活用し
て新たなエネルギーを創り出すことなどが期待されています。
下水処理過程で発生する熱、小水力などや、自然エネルギーである太陽光、風力
等の新エネルギーの導入を進めていく必要があります。また、下水道事業全般での
省エネルギー対策を検討するとともに、これまで焼却・埋立処分してきた下水汚泥
を、コンポスト(たい肥)として農地で利用したり、セメント原料として活用した
り、あるいは、エネルギー資源としてリサイクルする方向へ変えていく必要があり
ます。
さらに、最近では下水処理の工程においてリン等の貴重な資源を分離、回収し、
資源循環を図る試みもなされています。
このように、エネルギー面や資源循環の観点から下水道を見直し、地球環境にや
さしく生態系を守る下水道事業を心がけて取り組んでいく必要があります。
資源循環イメージ
風力発電施設「風電吒(愛称)」
中島浄化センターへ電力を供給中
16
(4)浸水対策
近年、
「ゲリラ豪雤」と呼ばれる短時間に局地的な大雤をもたらす気象状況が見受
けられます。また、都市部においては宅地化やアスファルト舗装化が進んだ結果、
雤水の地中へ浸み込む力が弱くなり、いわゆる「都市型水害」につながることもあ
ります。
本市においても、平成 15 年7月に時間 112 ミリ、平成 16 年6月に時間 82
ミリという大雤に見舞われ、交通機関の機能支障や床上浸水により個人財産が失わ
れるなど、大きな被害を受けました。
そこで、平成 17 年度に浸水常襲地区を対象に「静岡市浸水対策推進プラン(平
成 17~26 年度)」を策定し、計画的に整備を進めております。平成 20 年度末の
都市浸水対策達成率は 48.1%であり、今後も引き続き、河川部局など関係部局と
十分に連携を図り、効果の高いハード整備・ソフト対策・自助による総合的な浸水
対策を推進していく必要があります。
国道 150 号浸水被害の状況(H16.6
17
駿河区下川原地区)
(5)地震対策
本市は、以前より東海地震の発生が予測されており、大きな被害が想定されるこ
とから、事前の地震対策が丌可欠です。兵庫県南部地震、十勝沖地震、新潟県中越
沖地震などでは、下水道施設にも被害が及び、トイレが使えないという被災者の生
活面での丌便のみならず、下水処理堲からの未処理下水流出や、管路が破損したこ
とによる道路陥没などが発生し、公衆衛生面や社会活動、経済活動面においても、
大きな影響がありました。
現在、各浄化センターの建築構造物については耐震対策が完了しており、今後も
引き続き管きょや浄化センター、ポンプ堲の地下構造物の耐震対策を進め、市民生
活への影響を最小限に食い止めるよう努めていくことが重要となっています。
写真左:中越沖地震被災状況
液状化に伴うマンホール
の突き出し状況
写真右:中越沖地震被災状況
マンホール周辺の道路
陥没状況
18
写真上:中越沖地震被災状況 処理施設の沈下状況
写真下:中越沖地震被災状況 処理施設のスロープ等破損状況
19
(6)施設の老朽化対策
本市の下水道施設は、総延長約 2,200kmに及ぶ管きょや6つの浄化センター、
13 のポンプ堲などにわたりますが、その中には布設後 80 年以上が過ぎている管
きょ(一般的な耐用年数は 50 年)をはじめ、昭和 35 年から運転している高松浄
化センターなど施設の老朽化が進行しているものが含まれています。
本市では、幸いにも今のところ重大な道路陥没事敀等は発生していませんが、全
国的には平成 19 年度に約 4,700 か所で下水道管きょの老朽化が原因の道路陥没
が発生しています。今後も、計画的に管きょの調査を行い、老朽管の改築更新等を
実施するとともに、管きょ以外の下水道施設や設備についても、その機能を十分に
発揮するために、適切な維持管理や計画的な改築更新を行う必要があります。
このため、本市では、平成 17~19 年度の3年間でこれまでの施設・設備の老朽
化について調査を行い、アセットマネジメント(資産管理)手法による事業計画を
策定しましたが、今後は、管きょも含めて、建設・管理・改築更新を一体的な事業
ととらえ、ライフサイクルコスト(建設から更新に至るまでの施設に係る全ての費
用)を最小とした上で、費用をできる限りなだらかに配分し、最大の効果を得るよ
うに計画的、効率的に事業を進めていく必要があります。
P20~21 の資料出典:静岡市下水道維持課
下水道管きょ年度別整備延長
単年度延長(km)
(平成20年度末現在)
累計延長(Km)
120
2500
100
2000
80
1500
80年
超
経過年数 5 0 年以上 ~ 8 0年未満
経過年数 5 0 年未満
60
1000
40
単年度延長
累計延長
500
20
0
0
T13 S 2 S 5 S 8 S11 S14 S17 S20 S23 S26 S29 S32 S35 S38 S41 S44 S47 S50 S53 S56 S59 S62 H 2 H 5 H 8 H11 H14 H17 H20
年
度
20
老朽化した下水道管きょの写真
← 写真 ①
下水道管きょ全体にクラック
(ひび割れ)及び破損が生じ
ている。
下水道管きょの上部にクラック及び
写真 ② →
著しい破損が生じている。
(拡大写真)
老朽化した汚泥掻寄機の写真
← 写真 ③
汚泥掻寄機の全体が老朽化し、
摩耗が進行している。
スプロケット(歯車)が摩耗し、
写真 ④ →
危険な状態となっている。
(拡大写真)
管きょ経過年数割合
経過年数
(H20 年度末)
管きょ延長(km)
構成比(%)
80年以上
33.0
1.5
70年以上80年未満
58.7
2.7
60年以上70年未満
16.8
0.8
50年以上60年未満
35.0
1.6
30年以上50年未満
219.9
10.0
30年未満
1832.8
83.4
合
2196.2
100.0
計
21
(7)経営改善
下水道事業は長い期間使われることを前提とした社会資本整備であり、経営面で
もこのような長期的な見通しのもと、収支バランスを見極めて事業のかじ取りをし
ていく必要があります。
したがって、建設にかかる事業費の主要な財源である企業債(借入金)の次世代に
不える影響や、汚水私費、雤水公費といった下水道の基本的な考え方を十分に検討
して、国、地方公共団体、使用者等がそれぞれ負担する費用を、より適正なものへ
改善していくことが求められています。
また、今後は老朽化した施設などの改築更新にかかる経費の増加が見込まれ、さ
らに、将来的には人口減尐による使用料収入の減尐が予測されることから、中長期
を見通した計画的、効率的な事業運営と、社会状況の変化に応じた事業計画の見直
しが求められています。
あわせて、職員についても適切な定員管理計画を策定し、計画的な人員配置を行
う必要があります。特に、専門性の高いことに注意して、団塊の世代の大量退職に
伴う下水道技術者丌足や、豊富な経験の積み重ねが途絶えてしまうことがないよう
に、後継者の育成、確保に努める必要があります。
企業債残高及び固定資産の推移
(億円)
4,000
3,500
固定資産
企業債残高
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
0
S59 S60 S61 S62 S63 H元 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20
出典:静岡市下水道総務課
22
(8)市民参画の推進
下水道事業の本来の役割である水環境の改善と浸水対策というふたつの大きな目
的を達成するためには、整備された下水道に市民の皆様がすみやかに接続し、接続
後も正しい使い方を心がけ、各家庭に積極的に雤水の貯留施設を設置するなど、十
分な理解のもと、行政と協働していくことが丌可欠です。しかし、市民の下水道に
対する関心は、いまだ十分に高いとは言えないのが現状です。
このため、下水道に関する情報をインターネットや広報誌など様々な手段やイベ
ントなどの機会を通じて、積極的に発信していき、広報活動の充実を図るとともに、
各種計画の策定段階から市民が参画する手法を採用するように努めていく必要があ
ります。
<上下水道フェア(2009 年8月実施)の様子>
毎年8月に水道部と連携し、市の中心部で啓発イベントを開催し、多くの市民の方が
訪れています。下水道の処理水で打ち水を行う「打ち水大作戦」(写真)も好評です。
23
<下水道の日イベント(2009 年9月実施)の様子>
毎年9月の「下水道の日」に合わせ、今後重点的に下水道の普及を図る地域などで啓
発イベントを開催し、下水道への理解を深める機会を設けています。
24
課題の整理
ここまで述べてきた「静岡市下水道の現状と課題」を整理すると、8項目にわたる
課題は、静岡市基本構想に掲げられている「快適」
「安全」
「安心」という三つの視点
に分類することができます。
(1) 汚水処理の推進
(2) 合流式下水道の改善
快
適
安
全
(3) 環境・エネルギー対応
(4) 浸水対策
(5) 地震対策
(6) 施設の老朽化対策
(7) 経営改善
安
(8) 市民参画の推進
25
心
第4章 今後の基本方針と中期ビジョン
1 今後の基本方針
本市は、基本構想で目指すまちの姿を、「活発に交流し価値を創り合う自立都市」
と定め、その実現に向けたまちづくりの大綱の中で、「安全・安心・快適に暮らせる
自然豊かなまち」を掲げました。
下水道は、汚水を適切に処理することにより、快適な市民生活の実現に役立ち、ま
た、雤水をすみやかに排除することにより、市民を浸水被害から守り、安全な暮らし
を実現するという大切な役割をもっており、まさにこの大綱を実現していくための重
要な基盤施設です。
そして、下水道の抱える課題も前章で示したとおり「快適」
「安全」
「安心」の3つ
の視点に分類できることから、『快適で質の高い市民生活の実現』、『安全で信頼でき
る生活環境の創造』、『市民とともに創る安心な事業経営』の3つの基本方針を定め、
この基本方針に沿って施策の方向を定めました。
2 中期ビジョンの整理と位置付け
前章で掲げた「現状と課題」の解決にあたっては、上に掲げる今後の基本方針に
沿い、技術の進歩や国内外の情勢の変動なども見据えた長期的な目指す姿を 示し、
中期ビジョンについては、特に平成 22 年度から 31 年度までの 10 年間における
施策の方向を整理しました。
なお、策定にあたっては、国の示す「下水道ビジョン 2100」
「下水道中期ビジ
ョン」「中部地方下水道中期ビジョン」及び本市における「静岡市基本構想」など
と整合を図りました。
3 中期ビジョンの期間
開始年度
終了年度
平成 22 年度
(2010 年度)
平成 31 年度
(2019 年度)
なお、中期ビジョンは、社会状況の変化や技術革新などの要因によって、期間中に
おいても必要に応じて見直しを行います。
26
【今後の基本方針と中期ビジョンの内容】
※計画名称一部省略、点線部分は将来検討予定部分
静岡市基本構想(H16 議決)における目指すまちの姿
「活発に交流し価値を創り合う自立都市」
目指すまちの姿の実現に向けたまちづくりの大綱
・みんなで健やかにいきいきと暮らせるまち
・心豊かな人を育み、しずおか文化を創造するまち
・地域が育て世界に挑む創造型産業のまち
・活発な都市活動を支える快適で質の高いまち
・安全・安心・快適に暮らせる自然豊かなまち
静岡市下水道ビジョン
今後の基本方針(第4章 28、30、32 ページ)
基本方針1
基本方針2
基本方針3
快適 で質の高い市民生活の
安全 で信頼できる生活環
市民とともに創る安心な
実現
境の創造
事業経営
~「清流の都・静岡」にふさわしい水
~東海地震や集中豪雤に強いライ
~市民参画の推進と、安定した経
質とすべての下水道資源の活用を目
フラインを目指して~
営基盤の確立・独立採算を目指し
指して~
て~
中期ビジョン(基本方針に沿った今後 10 年間の施策の方向)
施策の方向
施策の方向
施策の方向
・汚水処理の推進
・浸水対策
・経営改善
・合流式下水道の改善
・地震対策
・市民参画の推進
・環境・エネルギー対応
・施設の老朽化対策
統
公共下水道全体計画
浸水対策推進プラン
第1次中期経営計画
合
<5年間の具体的手段>
<5年間の具体的手段>
・
第2次中期経営計画
第3次中期経営計画
再
(アクションプログラム)
編
(H22~26)
など・・・
27
(アクションプログラム)
(H27~31)
(
下水道アクショ
ンプログラム)
4
今後の基本方針と中期ビジョン
基本方針1
快適で質の高い市民生活の実現
~「清流の都・静岡」にふさわしい水質と、
すべての下水道資源の活用を目指して~
【長期的な目標】
汚水処理の推進については、人口減尐社会の到来などの社会情勢の変化を見極めて、合
併処理浄化槽や農業集落排水処理施設などと、経済性や事業効果の優劣などを比較して総
合的に判断し、常に最適な手法を効果的に選択します。
そして、将来的には、下水道の全体計画区域の整備完了を含め、全ての汚水が未処理の
まま放流されることがない状態を目指します。
また、下水道への接続については、整備を進めた下水道が、その本来の目的である水環
境の保全という役割を最大限に果たすために、接続可能な方が全て下水道へつなぐ状態を
目指します。
さらに、自然環境全体の向上という視点から、水質管理の面では、単に下水を処理する
のではなく、下水処理における水質管理を強化して、質の高さを求めていき、
「清流の都・
静岡」の名にふさわしい水質を目指します。
合流式下水道の改善については、初期に整備された合流式下水道の改善策を全て完了し、
雤天時においても分流式下水道並の水質で放流される状態を目指します。
環境・エネルギー対応のうち環境については、環境部局と連携を図り、下水汚泥や下水
処理水などを廃棄物から有用な資源へと転換し、コンポストなどの有効利用や、窒素、リ
ン等の貴重な栄養塩類の回収等を行い、環境への影響を最尐とすることを目指します。
また、エネルギーについては、これまで活かされてこなかった様々なエネルギーを新エ
ネルギーとして活用し、また、エネルギーの無駄づかいを完全になくして温室効果ガスの
削減に取り組み、地球温暖化防止への貢献を目指します。
28
中期ビジョン(今後 10 年間の施策の方向)
(1)汚水処理の推進
●社会状況の変化を反映した静岡市公共下水道全体計画(汚水)に基づき、事業認
可区域内の整備を概ね完了します。
●下水道以外の汚水処理手法を所管する部局との連携や、事業の統合を図り、汚水
処理人口普及率を向上します。
●下水道のさらなる普及啓発、PRに努め、市民は整備された下水道を積極的に利
用するよう努め、下水道水洗化戸数を増やします。
●法定基準より厳しい水準の水質管理目標を設定し、その目標を達成するレベルの
下水処理を行います。
(2)合流式下水道の改善
●新たな合流式下水道緊急改善計画に基づき、計画的に改善を行います。
(3)環境・エネルギー対応
●下水汚泥については、コンポストやセメント原料化などによる下水汚泥リサイク
ル率を向上するとともに、資源として活用します。
●エネルギーについては、下水処理熱や浄化センター内の小水力、あるいは豊富な
日照、風力、バイオマスといった新エネルギーを検討・活用し、また、省エネル
ギーの観点で機器更新、施設運転を行います。
29
基本方針2
安全で信頼できる生活環境の創造
~東海地震、集中豪雤に強いライフラインを目指して~
【長期的な目標】
浸水対策では、将来的には実施可能なあらゆる対策を完了し、大雤の時でも浸水被害の
ない安全な市民生活を実現することを目指します。
そして、市街地に降った雤をすみやかに排除することに力点を置いてきた対策の手法を、
雤水を一時的に溜め置いて散水用に活用したり、あるいは地中に浸み込ませるという自然
に近い形で流すなど生態系への影響の軽減を図り、人間社会のみにとらわれない幅広い視
点の対策主体へ転換していきます。
また、市民は、雤水貯留施設や雤水浸透施設の導入について積極的に取り組み、大雤の
際には力を合わせて、被害が最小限となることを目指します。
地震対策では、老朽化の進む管きょや処理施設(浄化センター、ポンプ堲)も含めて、
計画的な更新や修繕を行うとともに耐震化を進め、東海地震などが発生しても被害を受け
ない状況を目指します。
また、市民は、あらかじめ個人レベルでできる地震対策を行っておくとともに、地震の
際には協力しあって、なるべく早く復旧できることを目指します。
施設の老朽化対策では、ライフサイクルコストが最小となるように、中長期を見据えて
計画的な改築、更新を図り、最も効率的かつ最善の状態で施設が維持管理される状況を目
指します。
また、行政も市民も、水が生き物すべての命を守る大切な資源であることを自覚し、そ
の水循環を支えている下水道施設の老朽化を防ぎ、寿命を縮めることのないように、日々
の暮らしの中で常に心がけることを目指します。
30
中期ビジョン(今後 10 年間の施策の方向)
(4)浸水対策
●浸水対策推進プランに基づき、効率的に整備を進めます。
●雤水貯留施設や雤水浸透施設の設置などの水循環系の構築に向けた施策へ転換し
ていきます。
●市民は、大雤に備えて雤水貯留施設や雤水浸透施設を設置することによって、河川
等への負担の軽減にできるだけ協力し、また、行政は大雤を想定した訓練に、市民
と連携して積極的に取り組みます。
(5)地震対策
●管きょや処理施設について、計画的に耐震化を進めます。
●市民は、地震に対し個人レベルの対策(排水抑制など)を行い、行政は、地震を想
定した訓練に積極的に取り組み、双方の協力体制を強化します。
(6)施設の老朽化対策
●施設の老朽化に関する調査を行い、施設情報の適正な管理を実施します。
●静岡市再構築基本計画(管きょ)(72 ページ参照)や長寿命化計画(処理施設)
に基づき、改築、更新を実施します。
●油や薬品(トイレ洗浄剤、合成洗剤など)を多量に流して微生物の力を弱めたり、
施設の老朽化を進めることのないように、微生物の力を借りて水の浄化を行ってい
ることや下水道の正しい使い方を周知します。
31
基本方針3
市民とともに創る安心な事業経営
~市民参画の推進と、安定した経営基盤の確立・独立採算を目指して~
【長期的な目標】
経営改善については、地方公営企業として運営していることを十分に認識し、雤水処
理負担金など税金でまかなわなければならない費用を別にして、使用者からの使用料で
汚水処理にかかる全ての経費をまかなう独立採算を目指します。
そのために、支出面では継続的に業務を見直して維持管理費を削減し、また、民間委
託可能な業務については、積極的に委託を行い、必要最小限の職員で実施して人件費を
削減します。
さらに、収入面では、柔軟な発想のもとに公益に沿った新規財源を求め、水洗化戸数
の増加による使用料収入増を図るとともに、適正な市民負担水準に沿った使用料を設定
するなど、常に鋭い経営感覚を持って事業を運営し、安定した経営基盤の確立を目指し
ます。
市民参画の推進については、市民の皆様に安心していただける事業経営を行うために、
あらゆる媒体を積極的に活用して情報を発信し、下水道事業の仕組みや事業運営の状況
について正しく理解し、率先して協力いただける状況を目指します。
また、下水道事業を推進していくにあたり、市民にその結果を伝えるだけではなく、
計画づくりの初期の段階から、市民とともに考え、市民とともに協議し、市民とともに
創り上げていく仕組みを確立します。
そして、市民が、環境への影響という意識を常に持ち、下水道の正しい利用や雤水貯
留施設の設置を行うとともに、地震や大雤への対策について行政だけを頼ることなく、
きちんと自らの役割を果たすよう努める状況を目指します。
32
中期ビジョン(今後 10 年間の施策の方向)
(7)経営改善
●事務事業の見直しや組織再編により、必要最小限の職員で事業を実施します。
●技術の継承を重視し、市民サービスの低下を招くことのない計画的な人員配置を行
います。
●水洗化戸数を増やして使用料の増収に努め、また、未収金を減らす努力を強化する
とともに、新たな財源を検討して収入増加に努めます。
●事業実施にあたっては、国からの支出金などを有効活用し、建設費の財源確保に努
め、また、企業債残高を尐しずつ減らしていく方向で整備を進めます。
●経常的な費用の見直しや、業務委託の活用など民間的手法を取り入れ、費用の最小
化に努めます。
●再構築基本計画(管きょ)や長寿命化計画(処理施設)に基づき、効率的な改築・更新・
修繕を実施します。
(8)市民参画の推進
●これまでの広報活動を見直し、学校現堲での環境教育や、地域住民及び事業者、環
境教育関係者を対象とした説明会や施設見学会などを設けます。また、地上デジタ
ル放送など次世代型の手段などを活用した広報・広聴に取り組み、下水道の役割や
仕組みを理解し、下水道を大切に使う市民を増やします。
●各種計画を策定する初期段階から市民が関わり、ともに創り上げていく仕組みづく
りを行います。
●事業や計画の進捗状況の検証や事業の評価を行い、PDCA(計画→実施→評価→
見直し)のマネジメントサイクルを第三者機関とともに実現します。
33
34
Ⅱ
第2次静岡市下水道事業
中期経営計画
(アクションプログラム)
35
1 計画の整理と位置付け
第2次中期経営計画については、第4章で掲げる中期ビジョンの実現に向けて、こ
れまでの個別計画の内容を検証し、財政面からの検討を行った上で、平成 22 年度か
ら 26 年度までの5年間に取り組む具体的な事業を整理、再編しました。
本計画については「第2次静岡市総合計画」と整合を図り、また、総務省における
「地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針」に基づく集中改革プラ
ンの構成要素を取り込むとともに、本市における「行財政改革実施計画」や下水道に
関連する取り組みなどと整合を図りました。
2 計画期間
開始年度
終了年度
平成 22 年度
(2010 年度)
平成 26 年度
(2014 年度)
なお、第2次中期経営計画は、取り巻く社会状況の変化や技術革新などの要因によ
って、必要に応じて見直しを行います。
特に、建設事業の主要な財源である国庫補助金制度については、国において見直し
が検討されているところであり、今後大きく変動する可能性があります。
3 事業運営の目標
第4章で掲げた今後の基本方針に沿った目標を次のとおり定め、計画的に事業を推
進します。
なお、日本下水道協会による「下水道維持管理サービス向上のためのガイドライン
(2007 年版)」などを参考に、数値化が適当なものについては成果指標を定め、最
新の現況値(特別な記載のない限り平成 20 年度末の数値)と計画最終年度である平
成 26 年度末の目標値を示しています。目標値は、国等の現行制度が今後も継続した
堲合を想定して定めたものです。
また、数値化が適当でないものについては、現在の状況と5年間に取り組む内容を
示しています。
36
基本方針1
快適で質の高い市民生活の実現
~「清流の都・静岡」にふさわしい水質と、
すべての下水道資源の活用を目指して~
(1)汚水処理の推進
●平成 20 年度末人口 50 万~100 万人の 15 都市における平均普及率 82.9%を当面
の目標とし、現行の静岡市公共下水道事業計画(汚水)における市街化区域部分の整備
を概ね完了します。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
目標(目標値)
下水道処理人口普及率
76%
83%
取り組み内容と成果指標の計算例など
・静岡市公共下水道事業計画(汚水)に基づき、朋織地区や三保地区などを中心に
整備を推進します。(詳しくは、上下水道局ホームページをご覧いただくか直接
下水道計画課へお問い合わせください。)
・(下水道を使うことのできる人口)÷(静岡市全体の人口)
550,565 人÷727,340 人=75.7(%)のように計算します。
37
●下水道の重要な役割を積極的にPRし、下水道を利用して水洗化する建物の数をおよそ
27,600 戸増やして、自然を守り、生活環境を良くしていきます。
取り組み項目(成果指標)
下水道水洗化戸数
現状(現況値)
211,633 戸
目標(目標値)
239,300 戸
取り組み内容と成果指標の計算例など
・水洗普及相談員による重点地区訪問など、公共下水道への接続促進策を推進し、
下水道への接続戸数を増やしていきます。
・管きょの整備が進むことに伴い、新しく公共下水道が使える建物への勧奨
約 26,300 戸
・既に公共下水道が使える状況にあるが、事情により接続していない建物への勧奨
約 1,300 戸
●人口減尐社会の到来や人口分布の地域的な偏り、あるいは急速な尐子高齢化などの社会
状況の変化に対応するために、静岡市公共下水道全体計画(汚水)の見直しを行います。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
H16 策定
静岡市公共下水道全体計画(汚水)の見直し
目標(目標値)
策定・公表(H25)
取り組み内容と成果指標の計算例など
・人口フレームや処理区域に関する基礎調査を平成 22 年度に行います。
・それらをもとに策定した見直し案について県との協議を進め、平成 25 年度に公
表します。
38
●「清流の都・静岡」にふさわしい水質に向けて、法定の基準よりも厳しい目標水質を設
定し、その達成に向けた処理施設の運転管理を行います。
取り組み項目(成果指標)
放流水水質
現状(現況値)
目標(目標値)
BOD15㎎/ℓ
BOD 8㎎/ℓ
SS 40㎎/ℓ以下
SS 20㎎/ℓ以下
取り組み内容と成果指標の計算例など
・現況値は、平成 15 年9月の下水道法施行令の改正で、
「処理施設の構造の技術上
の基準(第5条の6)」及び「放流水の水質の技術上の基準(第6条)」で示され
た数値です。
・季節変動や異常流入等に対応できる運転技術の向上や、老朽化した設備機器を計
画的に更新することにより、法定基準の概ね半分以下の水質を確保します。
39
(2)合流式下水道の改善
●合流式下水道区域内にある雤水吐からのきょう雑物(下水中にあるごみなど)の流出を
できる限り減らすため、27 か所全ての雤水吐にスクリーンを設置します。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
スクリーン設置数
11か所
目標(目標値)
27か所
取り組み内容と成果指標の計算例など
・合流式下水道緊急改善計画(案)に基づき、平成25年度までに完了します。
(詳
しくは、上下水道局ホームページをご覧いただくか直接下水道計画課へお問い合
わせください。)
・目標とする27か所は、全ての整備が必要な雤水吐(ポンプ堲を含む)の数です。
(処理区別内訳)高松12か所、城北2か所、南部11か所、北部2か所
●合流式下水道区域からの雤天時の放流水質を改善するため、雤天時活性汚泥法(3W 法)
の導入やポンプ能力の増強を進めます。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
目標(目標値)
3W 法を導入する浄化センター数
1か所
4 か所
ポンプ能力を増強するポンプ堲数
0か所
1か所
取り組み内容と成果指標の計算例など
・合流式下水道緊急改善計画(案)に基づき、高松、城北、南部、北部の4浄化セ
ンターで3W法を導入します。
・雤天時に、より多くの汚水を浄化センターへ送るため、愛染ポンプ堲のポンプ能
力を増強します。
40
(3)環境・エネルギー対応
●これまで廃棄処分していた汚泥を、コンポストやセメント原料などの資源として活用す
る割合を高めていきます。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
下水汚泥リサイクル率
35%
目標(目標値)
70%
取り組み内容と成果指標の計算例など
・汚泥処理を資源として活用していくのに要する経費を段階的に増やし、資源とし
て活用する割合を、政令指定都市の平均値の69%(H18)程度に高めます。
・平成 25 年度に移管を予定している静清浄化センターの汚泥も含めています。
・(廃棄せずに資源として活用する汚泥量)÷(処理堲から排出される汚泥量全体)
3,694t÷10,651t=34.7(%)のように計算します。
●平成 21 年度の下水道にかかる温室効果ガス発生状況調査結果を詳細に分析した上で
削減目標を設定し、目標に向けて改善方策を実施します。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
49,373t
(CO₂換算)
下水道にかかる温室効果ガスの削減
目標(目標値)
計画策定(H22)
取り組み内容と成果指標の計算例など
・調査結果を分析し、
「静岡市下水道における地球温暖化防止計画」を平成 22 年度
に策定します。
・この計画の中で具体的な削減量や目標年度を設定し、対策を進めていきます。
・現況値は、6つの浄化センター、13 のポンプ堲から排出される温室効果ガス排
出量で、電気などのエネルギー消費によるものと施設の運転に伴うものの合計値
です。
41
●計画期間中に更新時期を迎える公用車を、全てこれまでより環境への影響が尐ない自動
車へ切り替えるなど、環境に配慮して公用車を切り替えていきます。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
低排出ガス車制度認定車両数
7台/40 台
目標(目標値)
26台/37 台
取り組み内容と成果指標の計算例など
・国で定める「平成 17 年排出ガス規制値に対し 75%低減レベルの自動車(★★
★★ステッカー貼付)」と、
「50%低減レベルの自動車(★★★ステッカー貼付)」
の基準を達成している自動車へ、公用車を順次計画的に切り替えていきます。
・公用車の使用方法の見直しや職員の減尐などから、全部で 40 台ある公用車のう
ち3台は廃車して、必要最小限の台数で事業を運営していきます。
●浄化センターなどへの新エネルギー導入可能性について検討を行い、実施可能なものか
ら順次導入するとともに、省エネルギー機器や技術も積極的に取り入れていきます。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
目標(目標値)
中島浄化センターへ風
エネルギーの活用
力発電、NaS電池導
拡大
入中
取り組み内容と成果指標の計算例など
・太陽光などの自然エネルギーや、下水処理熱の活用など、新しいエネルギーの導
入を拡大していきます。
・処理施設などの機器の更新に当たっては、これまで以上に省エネルギーの視点か
ら機器を選定していきます。
42
基本方針2
安全で信頼できる生活環境の創造
~東海地震、集中豪雤に強いライフラインを目指して~
(4)浸水対策
●静岡市浸水対策推進プランに基づき、雤水幹線やポンプ施設などの基幹施設整備を推進
するとともに、公共施設や各戸における雤水流出抑制対策を促進します。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
都市浸水対策達成率
48.1%
目標(目標値)
49.1%
取り組み内容と成果指標の計算例など
・静岡市浸水対策推進プランに基づき、浸水常襲地区への対策などを中心に雤水対
策を推進します。(詳しくは、上下水道局ホームページをご覧いただくか直接下
水道計画課へお問い合わせください。)
・平成 19 年度に制度化した雤水浸透施設や雤水貯留施設に対する補助制度の周知
に努め、市民の協力を求めていきます。
・(雤水対策を済ませた面積)÷(雤水対策を必要とする面積)
4,877ha÷10,145ha=48.1(%)のように計算します。
43
●大雤が降った時の被害を科学的に分析し、被害を最小にとどめることを目的に、その影
響を想定した地図を作成、公表した上で、実践的な訓練に活用します。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
ないすい
作成準備中
内水ハザードマップの作成
目標(目標値)
公表(H23)
取り組み内容と成果指標の計算例など
・巴川流域の内水ハザードマップを、平成 23 年度に公表します。
・防災を担当する部局と連携し、市民との意見交換を行い、実効性の高い訓練に活
用します。
44
(5)地震対策
●静岡市下水道地震対策緊急整備計画に基づき、緊急に整備を必要とする 98.9 ㎞の管き
ょのうち、優先度の高いものから順に整備を推進します。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
管きょ耐震化実施率
8%
目標(目標値)
61%
取り組み内容と成果指標の計算例など
・静岡市下水道地震対策緊急整備計画に基づき、およそ 60 ㎞の整備を完了します。
(詳しくは、上下水道局ホームページをご覧いただくか直接下水道維持課へお問
い合わせください。)
・(緊急整備を完了した管きょ延長)÷(緊急整備を必要とする管きょ延長)
7.6 ㎞÷98.9 ㎞=8(%)のように計算します。
●静岡市下水道地震対策緊急整備計画に基づき、緊急に整備を必要とする処理施設内の管
路部等のうち 51 か所の継手部分について、補強工事などの対策を完了します。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
処理施設の耐震化推進
14 か所
目標(目標値)
51 か所
取り組み内容と成果指標の計算例など
・静岡市下水道地震対策緊急整備計画に沿って整備を推進します。(詳しくは、上
下水道局ホームページをご覧いただくか直接下水道施設課へお問い合わせくだ
さい。)
・浄化センターなどで補強を必要とする流入、流出管等の継手部分について補強工
事を行うなど、計画している対象箇所の対策を完了します。
45
●処理施設における土木構造物の耐震診断結果をもとに、耐震化計画(処理施設)を策定
し、計画に基づいて地震対策を進めます。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
耐震化計画(処理施設)の策定
耐震診断中
目標(目標値)
公表・実施(H22)
取り組み内容と成果指標の計算例など
・土木構造物の耐震診断結果を分析し、耐震化計画(処理施設)を策定し、平成 22
年度に公表します。
・この計画に基づいて、処理施設の補強工事や減災対策などを着実に推進します。
46
(6)施設の老朽化対策
●再構築基本計画(管きょ)に沿って、老朽化の進む管きょの改築・更新などの対策を進
めます。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
管きょの長寿命化実施率
23%
目標(目標値)
71%
取り組み内容と成果指標の計算例など
・再構築基本計画(管きょ)に沿って整備を推進します。(詳しくは、上下水道局
ホームページをご覧いただくか直接下水道維持課へお問い合わせください。)
・緊急に再構築を必要とする布設後 80 年以上経過している管きょ 14.1 ㎞のうち
およそ 10 ㎞について整備を完了します。
・(緊急再構築を完了した管きょ延長)÷(緊急再構築を必要とする管きょ延長)
3.2 ㎞÷14.1 ㎞=23(%)のように計算します。
●策定した長寿命化計画に沿って、老朽化の進む処理施設の改築・更新を実施し、より効
率的な維持管理を行います。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
長寿命化計画(処理施設)の策定
計画策定中
目標(目標値)
公表・実施(H22)
取り組み内容と成果指標の計算例など
・処理施設の老朽化についての判定結果を分析して長寿命化計画(処理施設)を策
定し、平成 22 年度に公表します。
・この計画に基づいて、処理施設の最適な改築・更新工事などを着実に実施します。
47
●下水道データの電子化を図り、より正確で早い事務処理と効率的な台帳管理を実現し、
市民サービスを向上します。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
下水道台帳管理システムの導入
導入準備中
目標(目標値)
運用(H25)
取り組み内容と成果指標の計算例など
・下水道台帳などのデータを一括管理できるシステムを導入し、より効率的な維持
管理を行います。
・平成 22 年度からシステム開発に着手し、データ入力や試験運用を行い、平成
25 年度から本格的に運用します。
48
基本方針3
市民とともに創る安心な事業経営
~市民参画の推進と、安定した経営基盤の確立・独立採算を目指して~
(7)経営改善
●事務の見直しや民間委託の推進などにより、市民サービスを低下することなく、必要最小
限の人員で事業を運営します。(現況値は、平成 22 年4月時点の予定人員数)
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
職員数
188 人
目標(目標値)
178 人
取り組み内容と成果指標の計算例など
・事務手順、組織の見直しを行うとともに、平成 23 年度に城北浄化センターの包
括的民間委託、平成 24 年度に高松浄化センターの民間委託など民間で実施可能
な事業について委託を推進します。
・平成 25 年度に県から移管を予定している静清浄化センターの増員分(現時点で
は正規職員4人で積算)も含めた上で、計画期間中に 10 人の職員を削減して事
業を円滑に運営します。
49
●特別な状況変化がない限り、現行使用料体系で計画期間中の事業を運営します。
取り組み項目(成果指標)
下水道使用料
現状(現況値)
2,650 円
(月 20 ㎥使用した堲合)
目標(目標値)
維持
取り組み内容と成果指標の計算例など
・新たな収入増加に取り組み、また、常に経費の見直しを行うなど、経営改善に努
め、現行の使用料体系で事業を運営します。
・月 20 ㎥下水道を使用した堲合の下水道使用料の計算のしかたは次のとおりです。
基本使用料
971.25 円
1~10 ㎥
10× 36.75= 367.5
円
10~20 ㎥
10×131.25=1,312.5
円
合 計
2,651.25 円
※実際の請求額は 2,650 円(10 円未満四捨五入)×2か月分で 5,300 円
(詳しくは、上下水道局ホームページをご覧いただくか直接下水道総務課へお
問い合わせください。)
●収入増加に積極的に取り組むとともに、適正な人員配置で事業を実施することにより、職
員一人あたりの生産性を向上します。
取り組み項目(成果指標)
職員一人あたりの下水道使用料収入
現状(現況値)
50,242 千円
目標(目標値)
53,954千円
取り組み内容と成果指標の計算例など
・下水道の利用を積極的に推進し、下水道使用料の増加に努める一方で、民間委託
の推進などによって職員数を減らし、職員一人あたりの生産性を高めます。
・(下水道使用料収入)÷(職員数:H22.4 予定人数)
9,445,533 千円÷188 人=50,242 千円のように計算します。
50
●民間で行えるものは民間で行ってもらうなど業務の役割を分担する取り組みなどによ
り、維持管理に必要な経費の中で職員の人件費が占める割合を減らします。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
維持管理経費中の人件費が占める割合
8.8%
目標(目標値)
7.1%
取り組み内容と成果指標の計算例など
・市長部局とともに、計画的な定員管理と給不等の見直しを行い、維持管理費にお
ける人件費の占める割合を引き下げます。
・(維持管理に関わる職員の人件費)÷(維持管理に要する経費全体)
1,660,288 千円÷18,927,367 千円=8.8%のように計算します。
●総合的に経営改善に取り組み、汚水処理に要する経費全体を使用料全体でまかなえる割
合を高めていきます。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
経費回収率
94.3%
目標(目標値)
100%
取り組み内容と成果指標の計算例など
・下水道使用料の確保に努める一方で、経費の抑制を図り、下水道使用料で汚水処
理に要する経費をまかなう割合を引き上げます。
・(下水道使用料収入)÷(汚水処理に要する経費全体)
9,445,533 千円÷10,019,561 千円=94.3%のように計算します。
51
●汚水を処理するのに必要とする様々な経費の見直しに努め、処理原価を下げていきます。
取り組み項目(成果指標)
汚水処理原価
現状(現況値)
161.9 円/㎥
目標(目標値)
149.2円/㎥
取り組み内容と成果指標の計算例など
・経営改善に継続して取り組み、維持管理費を減らす努力を行うことにより、1立
方メートルあたりの汚水を処理するのに必要とする経費を引き下げます。
・(汚水処理にかかる経費全体)÷(収入につながる汚水の量)
10,019,561 千円÷61,873,030 ㎥=161.9(円/㎥)のように計算します。
●計画的な建設投資を行い、財源となる企業債(借入金)を、計画期間中でおよそ 60 億
円減らしていきます。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
企業債残高
1,669 億円
目標(目標値)
1,610 億円
取り組み内容と成果指標の計算例など
・計画的な建設投資を行い、企業債(借入金)残高を減らしていき、次の世代との
負担の平準化を図ります。
・平成 25 年度移管予定の静清浄化センターに関する企業債については、今後詳細
を決めていくこととなりますが、ここでは資産と負債を同時に引き継ぐものと仮
定して算出しています。
52
●局広報誌等への民間広告掲載料など新しい財源の確保に努めます。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
局広報紙等への広告掲載
導入準備中
目標(目標値)
実施(H22)
取り組み内容と成果指標の計算例など
・上下水道局独自の広報誌「くらしと水」への広告掲載について、水道部とともに
取り組みます。
・平成 22 年度から実施します。
53
(8)市民参画の推進
●これまでの広報活動を見直して、一層の充実を図るとともに、地上デジタル放送などの
新媒体の活用など、新しい広報、広聴手段の導入についても、調査・検討を行います。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
広報・広聴の充実
一部実施
目標(目標値)
実施(H22)
取り組み内容と成果指標の計算例など
・上下水道フェア、下水道の日などの従来からのイベントについて見直しを行い、
より充実したものにしていきます。
・新しい広報手段や広聴手段の導入について、調査・検討を進めます。
・平成 22 年度から実施します。
●下水道についての理解を深めてもらうために、子どもたちや教職員を対象とした教育の
推進を図ります。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
子どもたちへの下水道教育の推進
導入検討中
目標(目標値)
実施(H23)
取り組み内容と成果指標の計算例など
・関係部局と連携を図り、次の世代をになう子どもたちに、下水道を理解してもら
うように努めます。
・平成 21 年度中に基礎調査を行い、平成 22 年度から関係部局との協議を具体的
に進めます。
54
●市民も含めた第三者機関による事業評価について調査・検討を行い、組織を新設して事
業の総合的な進行管理を行います。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
市民参画による経営状況評価等の実施
未実施
目標(目標値)
実施(H23)
取り組み内容と成果指標の計算例など
・継続的に下水道事業の経営状況を評価する組織を新たに設置して、中期経営計画
等の適切な進行管理を行います。
・平成 23 年度からの実施に向けて、設立準備を進めます。
●市民参画の推進に関する条例の趣旨に沿い、主要事業計画等を策定する初期の段階から、
市民の参画を得て進めます。
取り組み項目(成果指標)
現状(現況値)
主要計画策定時の市民参画推進
一部実施
目標(目標値)
実施(H22)
取り組み内容と成果指標の計算例など
・市民参画推進条例の趣旨に沿って、主要な計画を策定する時の市民参画を拡大、
充実します。
・平成 22 年度から実施します。
55
4
事業計画
事業運営の目標を達成するために必要な財政的な検討は次のとおりです。なお、中期財
政収支計画のうち、特に、資本的収入に計上している国庫補助金については交付金化など
制度が大きく変更となる見込みであり、詳細決定後、変更後の制度に沿って中期財政収支
計画の見直しを行い、同時に数値目標についても再検討を行います。
(1)中期財政収支計画
① 収益的収入及び支出(税抜き額)
項
収
益
的
収
支
(
税
抜
き
)
収
入
目
22 年度
平成
平成
平成
平成
23 年度
24 年度
25 年度
26 年度
合 計
下水道使用料
9,511
9,436
9,490
9,551
9,604
47,592
他会計繰入金
8,818
9,110
9,137
8,882
8,819
44,768
(うち基準内繰入)
8,457
8,553
8,659
8,581
8,657
42,907
(うち基準外繰入)
361
557
478
301
162
1,859
10
8
4
3
4
29
18,339
18,554
18,631
18,436
18,427
92,387
人件費
1,381
1,403
1,350
1,271
1,299
6,704
物件費
4,514
4,845
4,940
4,420
4,513
23,232
(うち流域下水道負担金)
1,038
1,110
1,096
0
0
3,244
減価償却費
8,125
8,087
8,157
8,410
8,412
41,191
企業債利息
4,121
4,015
3,945
4,083
3,991
20,155
198
203
238
252
211
1,096
18,339
18,553
18,630
18,436
18,426
92,384
0
1
1
0
1
3
その他
計
支
出
平成
(単位:百万円)
その他
計
経常損益
※ 平成 25 年度から静清浄化センターが、県から移管される予定です。詳細については今後決定していきますが、
この財政収支計画においては、資産と負債を引き継ぎ、平成 25 年度以降の流域下水道負担金は発生しないも
のと仮定して試算しています。
56
② 資本的収入及び支出(税込み額)
項
資
本
的
収
支
(
税
込
み
)
目
企業債
合 計
(試算額)
36,900
717
2,783
3,500
3,394
11,406
14,800
320
1,180
1,500
計
11,892
44,808
56,700
建設改良費
10,089
40,211
50,300
9,776
38,914
48,690
2
8
10
国からの支出金
企業債償還金
その他
計
項
参
考
22 年度
29,439
その他
支
出
平成 23 年度~平成 26 年度
7,461
他会計繰入金
収
入
平成
(単位:百万円)
19,867
目
使用料単価(円/㎥)
経費回収率(%)
平成
22 年度
79,133
平成
23 年度
平成
24 年度
99,000
平成
25 年度
平成
26 年度
期間中平均値
153.1
150.5
150.1
149.7
149.2
150.5
97.0
94.8
95.6
98.5
100.0
97.2
※この中期財政収支計画は、従来の下水道事業に関する各種計画に基づき、下水道事業会計で独自に試算したものであり、財源となる「国
からの支出金」の動向により大きく変動する可能性があります。このため、詳細が決定した後、中期財政収支計画における資本的収支
の年度別標記を行うとともに、数値目標についても再度検討し、所要の修正を図って対応していく予定です。
57
(2)定員管理に関する計画
(単位:人)
平成 22 年
~
平成 27 年
増員見込人数 (A)
10
減員見込人数 (B)
20
純減数 (B)-(A)
10
平成 22 年 平成 17 年 平成 17 年
に 対 す る ~22 年
に対する
純減率
純減率
純減実績
見直し状況
第1次定員管理計画
5.32%
19
9.18%
※平成 22 年 4 月 1 日現在の正規職員数:
平成 27 年 4 月 1 日現在の目標職員数:
<参考>
定員適正化計画
H17 策定
188 人
178 人
下水道事業の職員数の推移一覧表
(単位:人)
年 度
職員数
前年比
合併前比
平成
14 年度
246
―
―
241
△5
△5
235
△6
△11
207
△28
△39
政令指定都市移行
城北浄化センター委託
203
△4
△43
長田浄化センター委託
195
△8
△51
組織・機構見直し
195
0
△51
187
△8
△59
平成
15 年度
15
平成
16 年度
平成
17 年度
15
平成
18 年度
平成
19 年度
15
平成
20 年度
平成
21 年度
平成
21年度
58
備
考
(旧静岡市+旧清水市)合計
旧静岡市と旧清水市が合併
清開ポンプ堲委託
(3)給不の適正化に関する計画
市の人事当局と連携を図り、ともに給不の適正化に努めます。
(4)将来需要予測
項
目
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
排水戸数(戸)
221,700
226,400
231,200
235,500
239,300
62,144
62,706
63,255
63,835
64,379
170
172
173
174
176
年間有収汚水量(千㎥)
一日平均有収汚水量(千㎥)
(5)主要設備投資計画
NO
1
2
3
4
5
6
7
8
9
施
策
名
公共下水道
(汚水)の整備
合流式下水道の
改善
流域下水道の整備
促進
公共下水道
(雤水)の整備
下水道施設の
耐震化(管きょ)
下水道施設の
耐震化(処理施設)
下水道施設の
長寿命化(管きょ)
下水道施設の長寿
命化(処理施設)
下水道台帳管理
システムの導入
年 度 別
合 計
(単位:百万円)
平成 22 年度
平成 23 年度~平成 26 年度(試算額)
合
計
4,756
20,944
25,700
29
871
900
216
384
600
1,056
5,344
6,400
1,199
3,101
4,300
102
1,298
1,400
517
1,983
2,500
2,184
5,816
8,000
30
470
500
10,089
40,211
50,300
※この主要設備投資計画は、従来の下水道事業に関する各種計画に基づき、下水道事業会計で独自に試算したものであり、財源となる「国
からの支出金」の動向により大きく変動する可能性があります。このため、詳細が決定した後、主要設備投資計画の年度別標記を行っ
て対応していく予定です。
59
5
経営基盤強化への取り組み
地方公営企業として健全な経営を進めていくために、常に事務事業の見直しを図るとと
もに、組織の再編や収益増加に取り組み、市民サービスの向上につながる効率的で生産性
の高い事業運営を行います。
(1) 経営改革への取り組み
経営改革推進のために、政令指定都市移行後の第1次中期経営計画期間中に、次の
ような取り組みを実施してきました。
項
目
民間委託等推進
収益増加取り組み
サービス向上
年
度
取
組
内
容
平成 17 年度
平成 17 年度
平成 18 年度
平成 18 年度
平成 19 年度
平成 21 年度
城北浄化センター水処理運転管理業務委託
高松浄化センター汚泥圧送開始
長田浄化センター包括的民間委託
水質検査業務(一部)委託
長田浄化センター汚泥圧送開始
清開ポンプ堲運転管理業務委託
平成 18 年度
平成 19 年度
平成 20 年度
使用料一元化(改定)
改定率
殿沢団地公共下水道切り替え
瀬名東部団地公共下水道切り替え
平成 17 年度
平成 18 年度
コンビニエンスストア納付開始
上下水道お客様サービスセンター(コールセ
ンター)設置
私道共同下水管設置費補助金制度見直し
平成 21 年度
今後、予定している取り組みと見込まれる効果額は、次のとおりです。
60
3.3%
項
今後の取り組みの財政効果推計額(単位:千円)
目
平成 22 年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
平成 26 年度
適正な料金(使用料)
内部検討
第三者機関で
の検討
予備調査
検討
債権管理計画
未収金の徴収対策
等により実施
収 局広報紙広告掲載
入
関 その他(未利用財産の
係 売却等)
130
130
130
130
10,000
10,000
10,000
10,000
10,000
10,130
10,130
10,130
10,130
10,130
公共下水道への接続促
普及相談員重
進
点訪問など
団地等の公共下水道への切
えびす、山原
替推進
経
費
節
減
等
の
財
政
効
果
130
収 入
増
額
計
人
計画期間を通じて削減数相当分の人件費を縮減
件
職員削減による
費
もの
(正規職員+非常勤職員分)
16,000
▲11,000
50,000
計 161,000 千円
49,000
57,000
削
給不費削減
減
補償金免除繰上
償還制度の活用
支
出 補助金等の見直し
関 下水道応急修繕等の委
係
託化
城北浄化センターの
包括的民間委託
給不の適正化に向けて市長部局とともに取り組む
973,537
検討
ムの導入
支出節減額計
年 度
別
合
計
期 間
別
合
計
建設コストの縮減
システム開発
609,086
513,169
実施
実施
検討
間委託
717,238
一部
検討
高松浄化センターの民
下水道台帳管理システ
839,584
実施
データ入力
運用開始
989,537
828,584
767,238
658,086
570,169
999,667
838,714
777,368
668,216
580,299
3,864,264
H19 を比較基準年とした市全体の新コスト縮減対策に取り組み、結果を
公表していく。
61
(2) 人材育成のための取り組み
このビジョンで掲げる長期的な目標の達成に向けて、計画的、効率的に事業を進め
ていくためには、何よりも事業に直接たずさわる個々の職員の能力を高めていくこと
が大切です。
これからの職員には、人口減尐、経済情勢の変動などに応じて変化していく市民の
ニーズに柔軟に対応し、質の高い行政サービスを提供していく能力が求められていま
す。
また、高度で専門性の高い技術を必要とする下水道事業において、経験豊富な技術
職員が大量に退職していくことが見込まれ、技術の継承も求められています。
したがって、これまで以上に経営感覚に富んだ職員の育成や、若手職員への技術の
継承など職員の総合的な能力を高めるため、計画的に研修に取り組んでいく必要があ
ります。
このため、下水道総務課に部研修責任者、各課に課研修責任者を設置します。課研
修責任者は、毎年度各所属長と協議の上で次に掲げるような研修を取り入れた計画を
策定、実施し、部研修責任者は研修計画を取りまとめ、研修効果の検証など進行管理
を行います。
ア
集合研修
下水道事業に携わる職員として求められる基礎的な知識及び技能の習得に向
けて内部の職員が講師となり、あるいは、幅広い教養を授かることを目的に外部
から見識の高い講師を招き、通常業務を離れて研修会形式で開催する研修。
主な研修
主な対象者
現状
上下水道局合同研修会
下水道事業未経験の
職員
1回/年
維
部内各課業務研修会
概ね下水道事業経験
年数2年未満の職員
1回/年
5回/年
1回/年
維
職員研修会(外部講師)
全
62
職 員
目標
持
持
イ
職堲研修
各職堲で求められる実務上必要な知識、技能等の習得を目的に、業務に携わ
る内部の職員が講師となり、通常業務を通じて行う研修。
主な研修
主な対象者
現状
目標
土木技術職員
無
4回/年
電気・機械技術職員
無
4回/年
管きょ工事等技術研修会
浄化センター維持管理等技術研修会
特殊工法等現堲研修会
技術職員
随
時
維
浄化センター施設現堲研修会
技術職員
随
時
2 回/年
随
時
維
意見・情報交換会
全
職
員
持
持
ウ
派遣研修
下水道事業で必要な専門的な知識、技能等の習得を目的に、国など外部機関へ
職員を派遣する実務研修及び外部機関(日本下水道事業団、日本下水道協会など)
が主催する研修会等へ職員が出席する研修。
主な研修
主な対象者
現状
職員派遣研修
概ね下水道事業経験
年数3~5年の職員
1人/年
基礎的研修会
概ね下水道事業経験
年数1~3年の職員
10 人/年
15 人/年
専門的研修会
概ね下水道事業経験
年数3~5年の職員
15 人/年
20 人/年
63
目標
維
持
6 環境保全等への取り組み
地球規模で課題とされている環境問題に対しては、下水道事業においても真剣に向き
合い、次の世代へ良好な環境をつなぐことを常に意識して進める必要があります。
このため、これまで地球環境に対する負担を軽減するため、次のような取り組みを行
ってきました。
平成 15 年度
平成 17 年度
平成 18 年度
平成 19 年度
中島浄化センターにて風力発電システム活用開始
高松浄化センターにて汚泥圧送開始
中島浄化センターにてNaS電池導入
長田浄化センターにて汚泥圧送開始
雤水貯留浸透施設設置費補助金制度創設
今後も、以下のように積極的に取り組んでいきます。
・供用開始地区内の下水道への早期接続をPRします。
・下水道への正しい排水のしかたを広く知らせます。
・施設更新時には省エネルギーが可能な機械設備に切り替えていきます。
・施設の運転管理方法の見直しにより、環境に不える影響を軽減します。
・新エネルギーの導入に向け、環境にやさしい動力の活用を進めます。
・公用車の更新時には、これまでより環境への負荷が低いものに切り替えます。
・常に新技術の情報収集に努め、本市への導入を検討します。
・関係部局と連携し、子どもたちに正しい下水道の知識を伝えます。
7 計画達成状況の公表
(1) 公表時期
毎年9月頃
(2) 公表方法
公表様式は、
「地方公営企業の経営の総点検について」の情報開示の例により、
上下水道局ホームページへ掲載します。また、各区の市政情報コーナーや図書館
などの公共施設で確認できるように情報を提供します。
(3) 計画達成状況の評価方法
平成 14 年 3 月「地方公営企業における行政経営評価に関する報告書」などを
参考に、今後設置を予定している第三者機関とともに決定します。
64
参
考
資
65
料
1
主要計画の概要
項
目
計画の名称
計画の目的
内
容
静岡市公共下水道全体計画(汚水)
この計画は、平成 12 年度を基準年に 20 年後の静岡市の姿
を想定し、公共下水道が最適な汚水処理となる区域を定め、人
口や汚水の量などを見込んで、管路やポンプ堲、処理堲など必
要な施設を適正に計画することを目的としています。
計画期間
計画の内容
平成 17 年度
備
考
平成 32 年度
◇ ◇計画将来行政人口(由比・蒲原を除く)
◇
673,100 人 (H32 年度末)
◇処理区域人口: 647,400 人
◇処理区域面積:12,439ha
◇処理区数
: 8処理区
◇計画汚水量
◇ポンプ堲数
◇処理堲数
計画事業費
~
: 551,500 ㎥(1日当たり最大)
: 10 か所
: 8 か所
141,833 百万円
・行政区域面積 141,182ha(平成 20 年度末)
・行政区域人口 727,340 人(平成 20 年度末)
・全体計画は社会状況の変化に応じて、およそ 10 年ごとに見
直しを行っていきます。現行の計画についても見直しを予定
しており、平成 25 年度の公表を見込んでいます。
問い合わせ先
下水道計画課
66
項
目
計画の名称
計画の目的
計画期間
計画の内容
内
静岡市公共下水道事業計画(汚水)
この計画は、静岡市公共下水道全体計画(汚水)で定めた区
域のうち、優先度の高い区域から、5~7年の間に財政状況等
を考慮し、整備可能な区域について、計画することを目的とし
ています。
平成 17 年度
備
考
問い合わせ先
~
平成 24 年度
◇処理区域人口:607,050 人
◇処理区域面積:9,666.1ha
◇処理区数
:7処理区
◇計画汚水量 :530,154 ㎥(1日当たり最大)
◇ポンプ堲数 :10か所
◇処理堲数
計画事業費
容
:
7か所
82,682 百万円
・計画区域外については、区域内の整備進捗の状況に応じ、区
域に追加変更し整備地域を拡張していきます。
下水道計画課
67
項
目
内
計画の名称
計画の目的
静岡市浸水対策推進プラン
この計画は、平成 15、16 年と2年連続で発生した集中豪
雤により、市内各所で浸水被害を受けたため、浸水被害の早期
軽減を図ることを目的としています。
計画期間
計画の内容
容
平成 17 年度
~
平成 26 年度
◇市内 41 箇所を浸水常襲地区として位置付け、下水道部局と
河川及び道路部局等が連携し、重点投資による浸水対策を実
施します。
(浸水常襲地区は別添のとおり)
◇浸水対策の基本施策(下水道事業部分のみ抜粋)
(メニュー1)基幹施設対策を行います。
・下水道の排水施設を増強します。(およそ7年に1度の
確率の時間雤量 67 ㎜の降雤を想定。)
(メニュー2)雤水流出抑制対策を行います。
・公共公益施設への貯留・浸透施設の設置推進(実施は各
施設の所管課)
・各戸貯留・浸透施設の設置促進(平成 19 年度に補助制
度の拡充済。)
(メニュー3)超過降雤(※1)への対応を行います。
・事前の情報提供等による自助の促進など
計画事業費
18,000 百万円
※1
備
考
問い合わせ先
計画で想定している量(およそ7年に1度程度発生する
とされている時間雤量 67 ㎜)を超える雤量
・計画事業費のうち、11,812 百万円が下水道事業として整備
する浸水常襲地区 25 か所分の事業費です。
下水道計画課
68
浸水常襲地区位置図
清水区
清16
葵区
清2
清1
清4
清9
清10
葵1
葵3
葵5
清7
清11
葵10
清15
清6
清3
清5
清18
清8
葵8
葵4
清12
葵11
葵2
清17
清14
葵7
葵9
葵6
清13
駿10
駿12
駿8
駿河区
清 水 区
駿2
下水道事業
駿5
駿7
駿1
駿11
駿6
駿4
駿9
(下)は下水道事業
駿3
葵 区
1:唐瀬、岳美
2:羽鳥、建穂
3:城北2丁目(下)
4:大岩3丁目(下)
5:新伝馬3丁目
6:牧ケ谷
7:瓦場町
8:長沼2・3丁目(下)
9:春日2・3丁目(下)
10:瀬名川3丁目
11:宮前町
駿 河 区
1:下川原(下)
2:登呂4・5丁目(下)
3:西島、下島
4:小坂
5:丸子芹ケ谷(下)
6:広野(下)
7:寺田(下)
8:手越、向敷地(下)
9:石部(下)
10:小鹿3丁目(下)
11:中島(下)
12:豊田2・3丁目(下)
浸水対策推進プラン
69
1:押切、石川新町(下)
2:高橋2・3丁目、飯田町(下)
3:追分2丁目(下)
4:永楽町、江尻台町(下)
5:幸町
6:川岸町、渋川(下)
7:北脇、能島、吉川(下)
8:船原1丁目、有東坂2丁目
9:江尻町、銀座(下)
10:鳥坂
11:長崎新田(下)
12:緑が丘町
13:駒越(下)
14:折戸(下)
15:馬走
16:柏尾
17:駒越北町
18:三保(下)
項
目
計画の名称
計画の目的
計画期間
内
容
静岡市合流式下水道緊急改善計画
この計画は、下水道法施行令の一部改正を受け、早い時期に
整備した合流式下水道を改善することにより、雤天時に未処理
のまま公共用水域へ放流される下水を減らしていき、水質保全
の機能を向上することを目的としています。
平成 17 年度
◇計画区域面積
~
平成 25 年度
1,195ha(高松 705ha、城北 124ha、
南部 268.8ha、北部 97.2ha)
◇吐口対策を行います。
・スクリーン施設の設置
計画の内容
: 27 か所
◇汚濁負荷対策を行います。
・雤天時活性汚泥法導入施設:4浄化センター
(高松、城北、南部、北部)
・貯留施設の建設
:1か所
・高速ろ過施設の建設
:2か所
・越流せきの嵩上げ
:11 か所
・ポンプ能力の増強
:1ポンプ堲(愛染)
計画事業費
5,817 百万円
・合流式下水道改善の将来的な目標は次のとおりです。
備
考
問い合わせ先
①BOD を分流式下水道と同程度以下とします。
②全ての吐口において未処理下水放流回数を半減します。
③全ての吐口できょう雑物の流出を極力防止します。
下水道計画課
70
項
目
計画の名称
計画の目的
計画期間
計画の内容
内
容
静岡市下水道地震対策緊急整備計画
この計画は、大規模な地震が発生した時においても、下水道
の「流す、溜める、処理する」といった基本的な機能を十分に
発揮できるように、管路施設や処理堲・ポンプ堲施設の耐震化
対策を進めることを目的としています。
平成 20 年度
~
平成 24 年度
◇東海地震(マグニチュード8クラス、震度6強~7)を想定
した対策を実施します。
◇管路施設
・緊急的に整備を必要とする管きょ(延長 98.9km)から
優先して対策を進めます。
・老朽管に対し管更生工法(内面補強)等を実施します。
・マンホールの浮上防止対策を実施します。
・管きょとマンホール接続部に、可とう性継手(※1)を設
置します。
◇処理堲・ポンプ堲施設
・池構造物(※2)に可とう性継手を設置します。
・エキスパンションジョイント(※3)を耐震化します。
・機械電気設備の水没防止対策を実施します。
計画事業費
備
考
問い合わせ先
9,132 百万円
※1地震の際に管と施設の継手部に生じる衝撃を吸収し、破損
を防ぐことができる継手のこと。
※2最初沈殿池、最終沈殿地、塩素混和池などの総称。
※3構造物の打継目に設置する継手のこと。
下水道維持課
下水道施設課
71
項
目
計画の名称
計画の目的
計画期間
内
容
静岡市再構築基本計画(管きょ)
この計画は、計画的に老朽管の再構築を行い、管の老朽化が
原因で起こる重大な道路陥没事敀の発生を未然に防ぎ、安定し
た下水道サービスを維持することを目的としています。
平成 18 年度
~
平成 27 年度
◇目標耐用年数として設定した布設後 80 年を経過する下水
道管のうち 14.1km を計画対象とします。
計画の内容
◇布設替工法(新設)と、管更生工法(内面補強)のふたつ
の方法で再構築を実施します。
◇早くに整備に着手した高松処理区の管きょから順番に整備
を進めていきます。
計画事業費
備
考
問い合わせ先
1,943 百万円
・老朽管は年々増加していくことから平成 28 年度以降も継続
して本事業を進めます。
下水道維持課
72
項
目
計画の名称
計画の目的
計画期間
計画の内容
内
容
第1次静岡市下水道事業中期経営計画
この計画は、総務省発の「地方公営企業の経営の総点検につ
いて」の通知の趣旨に沿い、経営改革と経営基盤の強化に取り
組み、経営の健全化及び事業の活性化に努めることを目的とし
ています。
平成 17 年度
~
平成 21 年度
◇事業の運営目標を次のとおり示しています。
・市民満足度
72%
⇒
85%
・経費回収率
64.0%
⇒
70.5%
・使用料単価
146.74 円
⇒
148.09 円
・汚水処理原価
229.39 円
⇒
209.95 円
・下水道処理人口普及率
70%
⇒
77%
・都市浸水対策達成率
48.0%
⇒
49.7%
・水洗化率
・職員数
85.5%
207 人
⇒
⇒
90.6%
188 人
◇経費節減等の取り組みによる効果見込額を年度ごとに記載
しています。(1.5 億円~8億円)
計画事業費
52,900 百万円
(平成 17 年度~平成 21 年度の設備投資額)
・初めて「経営」という視点から下水道事業をとらえ、事業の
備
考
問い合わせ先
運営目標として、成果指標と数値目標を示す取り組みをして
います。
下水道総務課
73
2
静岡市の人口推計
下水道事業は、事業の性質上長期間継続的に実施していくことが前提となるため、
人口の変動やそれに伴う処理水量の変化を見込み、柔軟に対処していく必要がありま
す。現時点で公表されている静岡市の人口推計は下のグラフのとおりですが、これ以
降の人口推移についても検討して事業を進めていきます。
出典:静岡市経営企画課
2010 年から 2020 年までの 10 年間でおよそ 35,000 人(2009 年4月現在の御前崎市相当
分程度)の人口が減尐し、その後も当分の間この減尐傾向が続くものと見込まれます。
74
3 静岡市下水道ビジョン策定における市民参画の状況
静岡市下水道ビジョンの策定に当たっては、その過程において次のとおり市民参画
を図りました。
(1)静岡市下水道中期ビジョン研究協議会の開催
公募市民3人、学識経験者2人、関係団体からの推薦者8人の計 13 人で構成
される研究協議会を設置し、平成 21 年7月から 11 月まで5回にわたって協議
会を開催しました。
協議の結果は意見書(次ページのとおり)としてまとめられ、市公営企業管理
者に提出され、静岡市下水道ビジョンはこの意見書について十分検討した上で策
定しました。
なお、協議会資料や会議録など詳しい活動内容は、上下水道局ホームページ又
は各区の市政情報コーナーで閲覧することができます。
(2)市民意見提出手続(パブリックコメント)の実施
「静岡市市民参画の推進に関する条例」に基づき、下水道事業としては初めて
の市民意見提出手続(パブリックコメント)を実施しました。
実施期間 :平成 21 年7月 22 日(水)~9月 15 日(火)の 56 日間
提出意見数:440 件
提出意見の内容:84~86 ページ記載のとおり
なお、市民意見提出手続の集計結果については、(1)の協議会へ報告すると
ともに、提出された意見に対する市の考え方についても協議いただきました。
75
4 静岡市下水道ビジョンに関する意見書
平成 21 年 11 月 17 日
静岡市公営企業管理者
河 野 正 也 様
静岡市下水道中期ビジョン研究協議会
会 長
鈴木 学
静岡市下水道ビジョンに関する意見書
平成 21 年7月 21 日から 11 月 17 日まで、5回にわたり開催した静岡市下水道中期ビ
ジョン研究協議会における協議の結果、本協議会として取りまとめた意見を下記のとおり提
出します。
今後、静岡市下水道ビジョン(以下「ビジョン」という)を作成・公表する際には、本協
議会の意見について十分検討を行い、もって適切に反映した上で実施するよう要望します。
記
事務局から示された案に対しては、多くの委員から具体的な内容、専門用語の多用、難解
な文章表現等について問題点が指摘されました。
これらの意見にもとづいて十分な協議を行い、事務局に修正を求めた結果、ビジョンは一
定の改善が図られたものと評価します。しかし、一部再検討が必要な部分も散見されるとこ
ろであり、今後、市民にわかりやすく修正した上で公表することを要望します。
なお、協議の結果、ビジョンの公表あるいは具体的な第2次中期経営計画(下水道アクシ
ョンプログラム)の実施にあたり、とくに重要と判断した課題は以下のとおりです。
(1)市民にわかりやすいビジョンの提供
協議の過程でビジョンの内容あるいは表現等について一定の修正はなされましたが、
さらにビジョンと第2次中期経営計画(下水道アクションプログラム)の関係を明確に
するといった記述面での修正を加え、市民にわかりやすいビジョンを公表することが必
要であると考えます。
76
(2)市民参画と広報活動の充実
静岡市は「自治基本条例」および「市民参画推進条例」を制定し、市民参画を積極的
に進めていく方針を示していますが、その方針にもとづき今回下水道事業として初めて
パブリックコメント(市民意見提出)に取り組んだことを高く評価し、また事務局の対
応も適切であったと判断します。しかし、その手法や設問の内容などに関しては、改善
の余地もあると考えます。ぜひ今回の経験を生かし、将来の下水道事業の発展につなげ
てほしいと思います。いっぽう下水道事業に対する市民の関心は低く、地域住民や事業
者、あるいは環境教育の関係者などと積極的に連携し、着実に下水道事業に対する理解
者を増やしていくべきであると考えます。
(3)蒲原・由比地区を含めた公共下水道未普及地域への対応
とくに人口減尐が予測される状況下においては、下水道の事業化にあたって、事前に
合併処理浄化槽や農業集落排水など他の汚水処理手法との比較検討を行い、もって下水
道が最善の選択肢か否か厳しくチェックすることが丌可欠であると思います。いっぽう
それぞれの汚水処理手法は別々の部局で所管されているようですが、早期に事業の統合
を図る、関係部局の連携を強化する等の取り組みが必要であると考えます。
(4)継続的な経営改善努力
下水道使用料について、今後5年間値上げすることなく現行使用料を維持していく方
針が示されましたが、この点については一定の評価をしたいと考えます。この方針を堅
持していくためには、常に経営意識を高く持って事業を運営していくことが丌可欠だと
思います。
(5)第三者機関の創設
現在静岡市には、客観的に下水道事業の状況を評価する機関はなく、今回協議を行っ
たビジョンの将来展望が丌明確な状況です。この件については、今後第三者機関を設置
して下水道ビジョン等の進行管理を実施していきたいという事務局の方針は評価すべ
きと考えますが、十分にその機能を果たす機関になり得るか否かが問題だと考えます。
よって協議会としては、第三者機関の設置にあたっては、その機能や権限、組織のあり
方等を十分検討した上で具体化することを要望します。
以上のほかにも協議の過程で示された各委員からの意見、要望、提案等についても十分に
検討し、静岡市下水道ビジョンを策定することを協議会の総意として要望します。
以上
77
≪静岡市下水道中期ビジョン研究協議会開催経過≫
回 数
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
開 催 日 時
平成 21 年7月 21 日(火)
14:00~16:00
平成 21 年8月 25 日(火)
14:00~16:00
平成 21 年9月 29 日(火)
14:00~16:00
平成 21 年 10 月 23 日(金)
14:00~16:00
平成 21 年 11 月 17 日(火)
14:00~16:00
開
催 内 容
委員委嘱・会長選任
静岡市下水道事業の概要説明
静岡市下水道ビジョン(素案)説明
施設視察(中島浄化センター)
静岡市下水道ビジョン(修正案)説明・協議
パブリックコメント(市民意見提出)中間報告
静岡市下水道ビジョン(再修正案)説明・協議
第2次中期経営計画(アクションプログラム)説明
パブリックコメント(市民意見提出)最終報告
静岡市下水道ビジョン(修正案その3)説明・協議
公営企業管理者への意見書案検討
パブリックコメント(市民意見提出)への対応確認
静岡市下水道ビジョン修正部分説明・協議
公営企業管理者への意見書案最終調整
意見書提出
78
≪静岡市下水道中期ビジョン研究協議会名簿≫
番 号
役 職 等
氏
㈶静岡経済研究所
調査部長
内野
孝宏
龍谷大学経営学部
教
鈴木
学
3
静岡商工会議所
専務理事
4
清水商工会議所
専務理事
五十嵐
5
静岡市自治会連合会
理
事
大石
篤三
生活の森清水
代
表
剱持
万枝
しずおか女性の会
運営委員
後藤
昭代
8
生活の森静岡
代
表
9
日本下水道事業団 東海総合事務所
所
長
吉川
開二
静岡市しみず女性の会
副 会 長
吉田
静子
1
委 員 分 類
所 属 団 体 等
学識経験を有する者
名
(要綱第3条第2項第1
2
6
号該当)
下水道事業に関係する団
授
赤堀
眞一郎
仁
体に所属する者
(要綱第3条第2項第2
7
号該当)
10
11
12
竹内
飯田
公 募 市 民
(要綱第3条第2項第3号該当)
13
坂田
佐藤
※ 敬称略、静岡市下水道中期ビジョン研究協議会設置要綱の委員分類ごとの五十音順
79
三紀子
房之助
幸一
エイ子
≪研究協議会の活動記録≫
<第1回協議会>
委員委嘱、会長選任など所要の手続を行い、協議会の設置目的等の確認及び静岡市
の下水道事業の概要、静岡市下水道ビジョン(素案)の説明が行われた。
(委員委嘱の様子)
<第2回協議会>
中島浄化センターで実際に施設視察を行い、その後協議会が開催された。事務局か
ら前回提示した素案の修正案が示され、これをもとに協議が行われた。
協議の結果、どの自治体にも通用するものでなく、独自性を持たせるために副題を
つけること、基本方針中の「経営」という用語は「ビジネス」ではなく「マネジメン
ト」の意味を示すことなどが合意された。また、「市民参画」は大変重要であるが、
基本方針に追加する手法はとらず、今後別の方法を検討していくこととなった。
(施設視察の様子)
80
<第3回協議会>
事務局から前回の修正案に対する各委員からの意見を反映した再修正案が示され、
これをもとに協議が行われた。また、具体の中期経営計画案が示され、5年間の数値
目標等について事務局から説明があった。
協議の結果、3つの基本方針と副題について、協議会としての最終案が決定された。
また、前回から課題となっていた市民参画については、「行政サイドの取り組みだけ
ではなく、市民が取り組むという視点も下水道ビジョンに取り入れる方法を検討した
らどうか。」との提案が委員からなされた。
具体的には、市民が日々の暮らしの中で取り組めるレベルの内容、たとえば油や薬
品類(トイレ洗浄剤、合成洗剤など)を多量に下水道に流して機能を低下することが
ないように注意することなどを加える提案がなされ、おおむね了承された。
(協議の様子)
(石けんの堲合と合成洗剤の堲合の
カイワレ大根の発育状況)
81
<第4回協議会>
前回事務局から提示した再修正案に対する各委員からの意見を反映した修正案そ
の3が示され、これをもとに協議が行われた。ビジョン全体の過去から未来へかけて
の時系列を整理し、また、ビジョン、中期ビジョン、アクションプログラムの関係が
わかりにくい、などの意見が出された。
その後、公営企業管理者に対して提出する協議会からの意見書の検討が行われた。
(意見書検討の様子)
<第5回協議会>
前回事務局から提示した修正案その3に対する各委員からの意見をもとに修正し
た抜粋部分が示され、最終的な協議が行われた。
その後、公営企業管理者に対して提出する協議会からの意見書についての検討が行
われ、委員全員の合意を得た意見書が提出された。
(意見書提出の様子)
82
5
市民意見の提出状況
83
84
85
(上下水道フェアでのパブコメの様子)
(下水道の日イベントでのパブコメの様子)
86
6
用語解説(五十音順)
語
句
アセットマネジメント手法
解
説
下水道を資産としてとらえ、施設の状態を客観的に把
握、評価し、中長期的な状態予測のもと、予算の制約を
考慮して資産を計画的、かつ効率的に管理する手法。
雤天時に、大きいゴミだけ取り除いて放流する簡易処理
雤天時活性汚泥法(3W法) から処理工程を変更することにより、これまでより放流
水の汚濁負荷をさらに減らすことができる処理方法。
水中に浮遊している有機物や無機物などの小さな汚れ
エスエス
SS(浮遊物質)
のこと。数値が低ければ低いほど、水の濁りが尐ないこ
とを示す。
汚水私費・雤水公費
下水道の使用者が排出した汚水の経費は私費(使用料)
で、自然現象による雤水の経費は公費(税金)で負担す
るという下水道における経費負担の基本的な考え方。
合併処理浄化槽
トイレの排水と、台所や風呂などの生活雑排水を併せ
て、各家庭に設置された浄化槽できれいにして排水する
ことができる小規模な汚水処理設備。
資本的収入及び支出
下水道の建設費用。将来の経営活動に備えて行なう建設
改良費及びそれに係る企業債償還金等の支出とその財
源となる収入。
収益的収入及び支出
下水道の維持管理費用。一事業年度の経営活動に伴い発
生するすべての支出とそれに対応するすべての収入。
小水力
比較的小規模な水の流れ(落差と流量)が生み出す水の
エネルギ-。実用化が徐々に進められている。
浸水常襲地区
平成元年度から 16 年度までの浸水被害履歴から、静岡
市浸水対策推進プランの重点的実施地区として位置づ
けられた市内 41 か所の地区。
事業認可区域
スクリーン
下水道の優先度の高い区域から、5~7年の間に整備が
可能で下水道法等により、国の認可を得た区域。
下水中にある粗大浮遊物(固形物等のごみ)を取り除く
装置。
87
語
句
解
説
地方公営企業
水道事業、電気事業、交通事業、ガス事業など地方公共
団体が経営する企業。下水道事業は、適用について任意
であるが、徐々に適用する自治体が増えている。
長寿命化計画(処理施設)
処理施設の老朽度を部品レベルまで細かく分析して、改
築更新以外の部品交換や修繕などの方法も採用し、費用
全体の圧縮と施設の最適な維持管理を両立する計画。
公共下水道等による浸水対策を必要とする面積のうち、
都市浸水対策達成率
概ね5年に1度の確率の大雤に対して安全な水準の整
備が完了した面積の割合。
NaS電池
ナトリウムと硫黄の化学反応を利用し、電力貯蔵能力の
大きい新型電池。CO2 などが発生せず、振動や騒音が
なく、環境にやさしい非常用電源として活用できる。
農業集落排水処理施設
農業振興地域において、トイレの排水と台所や風呂など
の生活雑排水を集めてきれいにする処理施設。農業用の
水路や集落内の排水路などの水質保全を図る。
ナ
ス
水中の汚濁有機物を微生物が分解する時に必要とする
B O D (生物化学的酸素要求量) 酸素量をいい、水の汚れの状態を示す代表的な指標のひ
とつ。数値が低いほど水質がよいことを示す。
ビーオーディー
普及率
行政区域内の総人口に対し、下水道が使える区域内の人
口の割合。正式には「下水道処理人口普及率」といい、
下水道の整備状況を表す最も代表的な指標。
包括的民間委託
処理施設の維持管理において、一定の放流水質等の確保
を条件として、受託者にこれまでより広く裁量を不え、
民間の創意活用や事業の効率化を図る委託の手法。
ライフサイクルコスト
下水道施設における計画段階から処分段階までのイニ
シャルコスト(初期建設費)とランニングコスト(維持
管理費)の全ての費用合計。「生涯費用」と訳す。
2以上の市町村にまたがる区域の下水を処理するため
流域下水道
に設置する下水道で、原則として設置、運営主体は都道
府県。
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7
策定関係職員名簿(平成 21 年度分)
≪策定委員会≫
所属・職
会
長
氏
名
下水道部長
間宮
孝
副会長
下水道部理事(雤水対策担当)
福島
孝夫
委
下水道総務課長
鈴木
浩之
参不兹下水道計画課長
望月
茂
下水道建設課長
柴
下水道維持課長
柴田
勝
参不兹下水道施設課長
垣内
寛志
員
吉寛
≪検討部会≫
所属・職
氏
名
部会長
下水道総務課長(策定委員会委員兹務)
鈴木
浩之
副部会長
下水道総務課参事兹統括主幹
前田
誠彦
委
下水道総務課副主幹
一柳
明俊
下水道総務課主査
松田
靖子
下水道総務課主査
柴
秀和
下水道総務課主査
堀池
美縁
下水道総務課主査
松浦
里美
下水道総務課主査
瀧
秀晃
下水道総務課主査
桜井
吉実
下水道計画課副主幹
志村
高見
下水道計画課主任技師
天野
大輔
下水道建設課主査
永野
公康
下水道建設課主査
風岡
孝好
下水道建設課主査
望月
崇史
下水道維持課主査
原
下水道維持課主査
田中
朊彦
下水道維持課主査
白鳥
喜久
下水道施設課主幹
石原
寿夫
下水道施設課主幹
後藤
章夫
下水道施設課主幹
小林
雅史
下水道施設課主査
三輪
孝志
員
89
弘
8
下水道事業の組織・問い合わせ先
下水道総務課
総務担当
354-2803
下水道事業の予算、決算事務、受益者
企画経理担当
354-2804
負担金の賦課・徴収など
水洗普及担当
354-2833
汚水計画担当
354-2808
雤水計画担当
354-2809
設計調整担当
354-2811
工事第1担当
354-2814
工事第2担当
354-2816
工事第3担当
354-2818
工事第4担当
354-2820
管理担当
354-2831
改良担当
354-2834
保全第1担当
221-1143
下水道管の維持修繕、下水道排水設備
保全第2担当
354-2836
確認申請の許可など
排水設備第1担当
221-1149
排水設備第2担当
354-2746
管理担当
354-2841
整備担当
354-2842
保全担当
354-2821
浄化センター及びポンプ堲の
水質管理担当
285-3469
運転・ 維持管理など
高松浄化センター
282-2200
城北浄化センター
261-2981
中島・長田浄化センター
285-3469
清水浄化センター
364-0011
料金担当
354-2712
下水道計画課
下水道事業の総合的な調査・企画など
下水道部
(下水道部長)
(理事・雤水対策担当)
下水道建設課
下水道工事の調査、設計及び施工など
下水道維持課
上下水道局
(公営企業管理者)
(上下水道局次長)
下水道施設課
水道部
(水道部長)
(理事・水道技術管理者)
営業課
下水道使用料及び水道料金の徴収事務
静岡市の市外局番は 054 です。
など
各計画等についての詳しい内容やビジョン策定の経過などは、静岡市ホームページ
⇒(組織からさがす)下水道 ⇒(市役所組織)課名を選択してご覧ください。
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静岡市下水道ビジョン
発行:2010 年3月
企画・編集:静岡市上下水道局下水道部
〒424-8701
静岡市清水区旭町6番8号
℡054-354-2804
fax054-355-2501
E-mail [email protected]
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