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徹底検証会レジュメ【PDF】 - LEC東京リーガルマインド

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徹底検証会レジュメ【PDF】 - LEC東京リーガルマインド
司法書士
平成28年度司法書士筆記試験
徹底検証会
(全国版)
0 001921 165328
SU16532
LEC東京リーガルマインド
複製・頒布を禁じます
平成 28 年度司法書士筆記試験
午前の部
徹底検証会
択一式
LEC 司法書士専任講師
1.総
海野
禎子
論
(1) 形式面
問題形式
問題内容
平成 21
平成 22
平成 23
平成 24
平成 25
平成 26
平成 27
平成 28
組合せ
33
30
31
27
30
29
33
28
個数算定
0
4
2
3
3
5
2
2
単純正誤
2
1
2
5
2
1
0
5
推論問題
8
5
3
1
3
2
0
0
知識問題
27
30
32
34
32
33
35
35
平成 21
平成 22
平成 23
平成 24
平成 25
平成 26
平成 27
平成 28
15
6※
10
14
14
14
19
16
12
18
12
12
14
8
14
10
6
7
11
8
5
8
1
5
2
3
0
1
1
4
1
0
0
1
2
0
1
1
0
4
(2) 実質面
AAランク問題
80%以上
Aランク問題
60%以上
Bランク問題
40%以上
Cランク問題
30%以上
Dランク問題
29%以下
※平成22年:第33問が没問なので,合計数からはずしている。
1
LEC東京リーガルマインド
【平成28年度
出題番号
午前の部択一式
科目
1
憲法
2
複製・頒布を禁じます
3
出題分野
内容
形式
正答率
人権
取材の自由
知識
86.8
AA
総則
主権の概念
知識
42.8
B
統治
司法権
知識
63.7
A
不在者の財産の管理人
知識
26.5
D
代理
知識
93.2
AA
時効
知識
26.8
D
4
5
試験】
総則
6
7
不動産物権変動
知識
92.2
AA
8
即時取得
知識
81.0
AA
動産の占有権
知識
88.4
AA
10
地上権
知識
85.2
AA
11
先取特権
知識
75.5
A
12
抵当権
知識
90.1
AA
法定地上権
知識
91.6
AA
14
共同抵当権
知識
43.8
B
15
譲渡担保権
知識
64.8
A
16
債務不履行による損害賠償
知識
94.6
AA
連帯債務と連帯保証との異同
賃貸借
知識
77.9
A
知識
87.7
AA
物権
9
13
民法
17
担保物権
債権
18
19
不法行為による損害賠償
知識
87.0
AA
20
内縁関係
知識
92.5
AA
親族
21
22
相続
23
24
刑法総論
刑法
25
26
刑法各論
27
28
株式会社
29
30
31
会社法
32
持分会社
33
株式会社
34
35
AAランク:
Aランク :
Bランク :
商法
商法総則
財産管理権
知識
94.5
AA
相続と登記
知識
89.5
AA
遺留分
知識
88.9
AA
間接正犯
知識
60.9
A
窃盗罪
知識
75.7
A
国家的法益
知識
74.5
株式会社の設立
知識
84.8
A
AA
株式の担保化
知識
65.0
A
単元株制度
知識
75.5
大会社
知識
16.9
A
D
監査役会設置会社と監査等委員会設置会社の異同
知識
42.6
B
持分会社
知識
43.1
B
新設分割
知識
61.6
A
特定責任追及の訴え
知識
24.4
D
商人の支配人
知識
45.2
B
正答率が100%~80%
正答率が 79%~60%
正答率が 59%~40%
Cランク
Dランク
2
:
:
正答率が
正答率が
39%~30%
29%以下
LEC東京リーガルマインド
複製・頒布を禁じます
2.科目ごとの特徴
特
平均正答率
徴
平成 25
平成 26
平成 27
平成 28
憲法
<今年の特徴>
・統治分野から 1 問
・推論形式未出題
・人権分野の判例知識問題が難化(1問)
・主権の意味を問う問題が正答率振るわず(2問)
86.3%
73.1%
84.3%
64.4%
民法
総則
※
<例年通りのこと>
・時効の出題
・出題数3問
<今年の特徴>
・不在者財産管理人についての条文知識問題が激難
(4問)
・時効の問題で民事訴訟判例知識を出題(6問)
・近年稀にみる難化
77.1%
71.3%
87.4%
48.8%
民法
物権
※
<例年通りのこと>
・177条の出題(7問)
・譲渡担保権の出題(15 問)
<今年の特徴>
・共有・根抵当権未出題
・物権総論・用益物権から 4 問,担保物権が5問に
戻る
・動産に関する出題が 2 問(8・9 問)
・正確な条文知識が必要な問題(10 問)
・共同抵当権についての計算問題(14 問)
74.1%
77.5%
82.0%
79.1%
民法
債権
※
<例年通りのこと>
・出題数4問
<今年の特徴>
・ ・ ・ ・
・ ・
・全体的に昨年より易化
・平成 26 年まで頻出の債権各論の横断型問題が未出
題の代わりに,債権総論の横断型問題が出題され
る(17 問)
・不法行為をようやく出題(19 問)
61.2%
49.3%
78.1%
86.8%
民法
親族
相続
※
<例年通りのこと>
・親族2問,相続2問
<今年の特徴>
・内縁についての単純正誤問題(20 問)
・実質的には不動産物権変動の問題の出題(22
問)
・ ・ ・
・全体的に非常に易しい(4 問全部正解しないと合
格は厳しい)
78.2%
64.1%
89.6%
91.3%
刑法
<今年の特徴>
・5 年ぶりに総論 1 問・各論 2 問
・間接正犯についての判例知識問題(24 問)
・判例の事例を若干変えて出題(25 問)
・国家的法益に関する罪の 26 問は過去問レベル
・問題のレベルは,昨年と同様だが,平均正答率は
昨年より低下
78.6%
67.8%
85.7%
70.3%
3
LEC東京リーガルマインド
商法
会社
法
※
複製・頒布を禁じます
<例年通りのこと>
設立(27 問),持分会社(32 問),企業再編(33 問)
,
商法総則(35 問)
,横断整理の問題(31 問)
<今年の特徴>
・株式の担保化についての出題(28 問)
・ 大 会 社 の 機 関 設 計 に関 する 個 数 問 題 に 疑 義 あ
り?!(30 問)
68.3%
・監査役会設置会社と監査等委員会設置会社につい
ての異同を問う個数問題(31 問)
・持分会社の単純正誤問題が激難(32 問)
・平成 26 年改正点についての出題(31 問・34 問)
・商法総則は易化(35 問)
・30・31・32・34 問を除いた 5 問の正解ができたか
が合格へのカギ
69.8%
64.0%
51.0%
民法の平均正答率
平成 21
平成 22
平成 23
平成 24
平成 25
平成 26
平成 27
平成 28
76.3%
69.7%
72.1%
71.8%
72.8%
68.3%
83.5%
78.5%
3.基準点予想
問
平成 21
基準点
平成 22
/
35問
平成 23
平成 24
平成 25
平成 26
平成 27
87(29 問) 81(27 問) 78(26 問) 84(28 問) 84(28 問) 78(26 問) 90(30 問)
偏差値
(検証会当日)
55.5
55.5
54.4
54.7
54.2
54.4
53.3
偏差値
(最終値)
56.0
55.8
54.8
55.1
54.7
54.8
53.9
最終値との差
+0.5
+0.3
+0.4
+0.4
+0.5
+0.4
+0.5
4
LEC東京リーガルマインド
複製・頒布を禁じます
4.個別検討
第4問
不在者の財産の管理人(以下「管理人」という。)に関する次の 1 から 5 までの記述のうち,判例の
趣旨に照らし正しいものは,どれか。
1
不在者が管理人を置いた場合には,その不在者の生死が明らかでなくなったとしても,利害関係
人は,その管理人の改任を家庭裁判所に請求することができない。
2
不在者が管理人を置いていない場合においても,その不在者が生存していることが明らかである
ときは,利害関係人は,管理人の選任を家庭裁判所に請求することができない。
3
家庭裁判所が管理人を選任した後,不在者が従来の住所において自ら管理人を置いた場合には,
家庭裁判所が選任した管理人は,その権限を失う。
4
家庭裁判所が選任した管理人は,家庭裁判所の許可を得ないで,不在者を被告とする建物収去土
地明渡請求を認容した判決に対し控訴することができる。
5
家庭裁判所が選任した管理人がその権限の範囲内において不在者のために行為をしたときは,家
庭裁判所は,不在者の財産の中から,管理人に報酬を与えなければならない。
第 14 問
甲土地(価額 4000 万円)及び乙土地(価額 6000 万円)についてAのBに対する債権(債権額 5000 万
円)を担保するために第 1 順位の共同抵当権が設定された後,甲土地についてCのBに対する債権
(債権額 6000 万円)を担保するために第 2 順位の抵当権が設定され,乙土地についてDのBに対す
る債権(債権額 4000 万円)を担保するために第 2 順位の抵当権が設定された場合に関する次のアか
らオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記 l から 5 までのうち,ど
れか。
なお,各債権の利息その他の附帯の債権及び執行費用は,考慮しないものとする。
ア
甲土地及び乙土地をBが所有する場合において,Aが乙士地に設定された抵当権を実行してその
代価から 5000 万円の配当を受けた後,Cが甲土地に設定された抵当権を実行したときは,Dは,
甲土地の代価から 3000 万円の配当を受けることができる。
イ
甲土地及び乙土地をEが所有する場合において,Aが甲土地に設定された抵当権を放棄した後に,
乙土地に設定された抵当権が実行されたときは,Dは,乙土地の代価から 3000 万円の配当を受け
ることができる。
ウ
甲土地をEが,乙土地をBが所有する場合において,Aが甲土地に設定された抵当権を実行して
その代価から 4000 万円の配当を受けた後,Aが乙土地に設定された抵当権を実行したときは,C
は,乙土地の代価から 4000 万円の配当を受けることができる。
エ
甲土地をEが,乙土地をBが所有し,AE間に「Eが弁済等によって取得する権利は,AとBと
の取引が継続している限りAの同意がなければ行使しません。」との特約がある場合において,A
が甲土地に設定された抵当権を実行してその代価から 4000 万円の配当を受けた後,Aが乙土地に
設定された抵当権を実行したときは,Cは,乙土地の代価から配当を受けることができない。
オ
甲土地をEが,乙土地をBが所有し,AE間に「Eは,Aがその都合によって担保又はその他の
保証を変更,解除しても免責を主張しません。
」との特約がある場合において,Aが乙土地に設定
された抵当権を放棄した後,FがEから甲土地を買い受けたときは,Fは,甲土地に設定されたA
の第 1 順位の抵当権の抹消登記手続を請求することができる。
1
アエ
2
アオ
3 イウ
4 イエ
5
5 ウオ
LEC東京リーガルマインド
第 30 問
複製・頒布を禁じます
大会社(清算株式会社を除く。)に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものは,幾
つあるか。
ア
大会社でない株式会社が事業年度の途中において募集株式を発行したことによって資本金の額
が 5 億円以上となった場合には,当該株式会社は,資本金の額が 5 億円以上となった時から大会社
となる。
イ
大会社でない指名委員会等設置会社は,会計監査人を置かないことができる。
ウ
会社法上の公開会社でない大会社は,取締役会を置かなければならない。
エ
会社法上の公開会社であり,かつ,大会社である会計参与設置会社は,監査役会を置かなければ
ならない。
オ
会社法上の公開会社であり,かつ,大会社である監査役会設置会社は,社外取締役を置かなけれ
ばならない。
1
第 32 問
1
1個
2
2個
3
3個
4 4個
5 5個
持分会社に関する次の l から 5 までの記述のうち,正しいものは,どれか。
ある事業年度の利益又は損失は,当該事業年度の終了後に新たに社員となった者にも,出資の価額
に応じて分配される。
2
持分会社の社員の死亡は,無限責任社員については退社事由に当たるが,有限責任社員については
退社事由に当たらず,当該有限責任社員の相続人が当該有限責任社員の持分を承継する。
3
持分会社の社員は,当該持分会社の業務を執行する権利を有しないときであっても,その業務及び
財産の状況を調査する権利を有し,この権利が定款で制限されていたとしても,裁判所の許可を得れ
ば,これを行使することができる。
4
合名会社又は合資会社の社員は,持分の全部を他人に譲渡した場合には,その旨の登記をする前に
生じた当該合名会社又は当該合資会社の債務について,従前の責任の範囲内でこれを弁済する責任を
負うが,合同会社の社員は,持分の全部を他人に譲渡した場合には,このような責任を負わない。
5
社員が持分会社に対して社員の責任を追及する訴えの提起を請求した場合において,当該持分会社
が当該請求の日から 60 日以内に当該訴えを提起しないときは,当該請求をした社員は,当該持分会
社のために,自らが原告となって,当該訴えを提起することができる。
6
LEC東京リーガルマインド
複製・頒布を禁じます
【海野が担当する夏の中上級ガイダンスのラインナップ】
1.同時中継実施無料公開講座
7/8(金)初級知識を最大限に活かす! 2 年目合格必勝法
<生実施実施済み
当日の講義は,7/22 からWeb配信開始となります。>
7/18(月・祝)13:30~ 実は変わっています!民法・刑法・商登法最新法令改正情報+最新判例情報
<生実施:渋谷駅前本校,多数のLEC各本校で同時中継> <根本講師とコラボガイダンス>
平成 28 年秋から,商業登記規則の一部が改正されます! 本ガイダンスではその詳細及び平成 29 年本
試験に影響が予想される最近の重要判例についてお話しします。
7/22(金) 19:00~ レベルを体感!「択一&記述 実践力パワーアップ講座」模擬講義
<生実施:渋谷駅前本校,多数のLEC各本校で同時中継>
実際の実践力パワーアップ講座の講義を体感して頂けます。
7/24(日) 11:30~ 夏から始める択一&記述効果的学習法
<生実施:渋谷駅前本校,多数のLEC各本校で同時中継> <荒川講師とコラボガイダンス>
来年絶対合格するための択一と記述の具体的な戦略についてお話します。
7/24(日) 14:00~ 択一&記述 実践力パワーアップ講座第 1 回開講(無料体験会)
<生実施:渋谷駅前本校,多数LEC各本校で同時中継>
実践力パワーアップ講座第 1 回講義を無料で体験して頂けます。
7/31(日)11:30~ これが集大成!進化した「実践力パワーアップ講座」の全貌大公開!
<生実施:渋谷駅前本校,多数のLEC各本校で同時中継>
基準点まであと何点足りなかったのか,択一・記述に対する不安度はどれくらいかなどなど,皆さんの
タイプに沿って具体的なアドバイスをしていきます。
7/31(日) 14:00~ 実践力パワーアップ講座第 2 回目(無料体験会)
<生実施:渋谷駅前本校,多数LEC各本校で同時中継>
実践力パワーアップ講座第2回講義を無料で体験して頂けます。
2.全国LEC各本校の生ガイダンス
タイトルは「司法書士試験の最新傾向とその対策」又は,各本校のオリジナル中上級講座についての説明
等です。講義の前後の時間帯に可能な限り,個別相談の時間を設けております。一部本校では事前予約制と
なっておりますので,詳細は各本校にお問い合わせください。
7/11(月)19:00~20:30
7/15(金)18:30~20:00
7/17(日)14:00~15:30
8/1(月) 19:00~20:30
8/9(火) 19:00~20:30
8/13(土)18:00~19:30
8/14(日)11:00~12:30
8/14(日)16:30~18:00
8/18(木)19:00~20:30
京都駅前本校
神戸本校
福岡本校
大宮本校
仙台本校
岡山本校
松山本校
広島本校
那覇本校
7
LEC東京リーガルマインド
複製・頒布を禁じます
平成28年度司法書士筆記試験
午後の部
徹底検証会
択一式
LEC 司法書士専任講師
根本正次
1. 総論
(1)
形式面
平成 21 年
平成 22 年
平成 23 年
平成 24 年
平成 25 年
平成 26 年
平成 27 年
平成 28 年
組合せ
30
32
31
29
28
27
29
33
個数算定
3
3
2
3
2
7
3
1
単純正誤
2
0
2
3
5
1
3
1
平成 21 年
平成 22 年
平成 23 年
平成 24 年
平成 25 年
平成 26 年
平成 27 年
平成 28 年
AAランク
80%以上
5
2
0
11
9
9
9
9
Aランク
60%以上
19
22
22
16
21
16
14
15
Bランク
40%以上
9
7
8
7
3
7
6
9
Cランク
39%以下
2
2
2
0
1
1
3
1
Dランク
29%以下
0
2
3
1
1
2
3
1
(2)
実質面
8
LEC東京リーガルマインド
【平成 28 年度
複製・頒布を禁じます
午後の部択一式
試験】
出題番号
科目
範疇
内容
1
民訴
訴訟手続
送達
2
民訴
訴訟要件
当事者適格
3
民訴
役割分担
弁論主義
4
民訴
5
民訴
上訴
6
民保
仮処分
7
民執
8
9
形式
正答率
単純正誤
89.1 AA
B
51
71.3
A
50.1
B
控訴
74.2
A
係争物に関する仮処分
52.9
B
強制執行
金銭債権に対する強制執行
74.8
A
書士
司法書士法人
司法書士法人及びその社員
68.7
A
供託
供託総論
供託の管轄
82.6 AA
10
供託
供託手続
オンラインによる供託等
71.6
11
供託
各論
弁済供託
80.9 AA
12
不登
13
不登
14
不登
不動産登記の申請の代理
15
不登
登記上の利害関係人
16
不登
17
不登
18
不登
19
不登
20
21
口頭弁論の準備 弁論準備手続
登記の申請人
A
87
AA
56.4
B
登記原因証明情報
59.7
B
書面申請における印鑑証明書
87.5 AA
会社法人等番号の提供
70.3
各論
共有名義の登記
86.9 AA
不登
各論
敷地権付き区分建物についての登記
登記記録
45.1
B
不登
各論
地上権の登記の登記事項
登記記録
30.2
C
22
不登
各論
抵当権の設定登記の申請情報の内容
図表
72.6
A
23
不登
各論
不動産工事の先取特権及び不動産売買の先取特権
24
不登
各論
遺産分割協議又は遺言による所有権移転登記
64.8
A
25
不登
オンラインにより行うことができるもの
58.5
B
26
不登
審査請求
個数算定
77.2
A
27
不登
登録免許税
計算・対話 54.6
B
28
商登
62.7
A
29
商登
株式会社(設立) 株式会社の設立の登記
67.3
A
30
商登
株式会社(機関) 株式会社の役員の変更の登記
77.3
A
31
商登
株式会社(株式) 募集株式の発行による変更の登記
27.2
D
32
商登
株式会社(計算) 資本金の額の変更の登記
79.1
A
33
商登
株式会社(解散) 清算株式会社の登記
80.9 AA
34
商登
総論
持分会社
登記の申請人(登記権利者となる者)
商業登記の申請又は嘱託
持分会社の登記
図表
AA
79
35
AAランク:
Aランク :
Bランク :
各論
83
A
登記記録
テクニカル 80.8 AA
57
商登
法人登記
一般社団法人の登記
63.8
正答率が100%~80%
Cランク : 正答率が39%~30%
正答率が79%~60%
Dランク : 正答率が29%以下
正答率が59%~40%
9
A
B
A
LEC東京リーガルマインド
複製・頒布を禁じます
2. 科目ごとの特徴
特徴
平均正答率
例年通りのこと
今年の特徴
平成
25
平成
26
平成
27
平成
28
58.4
71.9
78.9
67.1
%
%
%
%
75.4
42.4
64.6
74.8
%
%
%
%
78.8
78.8
87.1
52.9
%
%
%
%
82.8
90.4
93.0
68.7
%
%
%
%
83.2
74.2
75.9
78.3
%
%
%
%
71.5
66.2
58.6
68.3
%
%
%
%
76.6
63.8
55.2
64.4
%
%
%
%
・当事者適格からの出題(2問)
民事
訴訟法
・未出の判例知識の出題
・証拠・訴訟の終了の出題がない
・第3編以降からの出題がある
(5問)
民事
・債権執行の出題+未出論点
執行法
・判例問題の出題(肢イオ)
民事
・過去問の知識の応用から出題
保全法
司法
書士法
(肢エ)
・司法書士法人の出題
・過去問の知識の応用から出題
(肢オ)
・供託手続の出題
供託法
(+過去問超える)
・平成 24 年改正の出題
・弁済供託の出題
・仮登記の出題がない
・形式面が複雑なものが多い
→
時間がかかる
・相続登記
※27 問は回避すべき問題?
不動産
・区分建物
・申請情報の内容を聞く問題
登記法
・用益権
・登録免許税
(13 問・22 問)
・オンライン申請の出題(25 問)
<新分野の出題>
・会社法人等番号の出題(18 問)
・不正登記防止申出の出題(25 問オ)
・設立
商業
登記法
・持分会社
・個人商人の出題(28 問)
(ただし,商号の登記はなし)
・一般法人の出題
・平成 27 年改正の出題(27 問ウ)
・株式,資本,役員の
・企業再編の出題なし
分野から3問の出題
・特例有限会社の出題なし
10
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<問題ごとのアプローチの方法>
1問
肢2・4は切れてほしい
→
その上で推測
2問
肢アを民法の知識で解く
→
ウオの二択
3問
イエで切る
4問
イウ
5問
イウで切る
6問
ウの判断→
7問
イの判断
→
ウオの推測
8問
アの判断
→
オは過去問の知識の派生で切る
9問
※
又は
アウで切る
オは推測で切る
アイで切る
10問
アの判断
→
イウの改正知識
11問
アイで切る
12問
アウエで切る
13問
ウエで切る
14問
イを代理権不消滅と気付ければ,あとはエで解答へ行ける
15問
アが切れたところで,イ又はエのみを判断して解答
16問
イを判断して,エオの勝負
17問
エの判断
18問
アのミスをしなければ,エオで切れる
19問
ウエで切る
20問
イエで切る
21問
オを判断して,イエの登記記録を確認する
22問
記述の知識から肢ウを判断する
23問
オの判断
24問
イエで切る
25問
アイで切る(アは書面申請であることに注意)
26問
アイエオの×の判断
27問
解かないのが吉(時間をかなり取られる)
28問
イエで切れる(ただし,ウのひっかけにやられないこと)
29問
イエで切る
30問
イの判断
31問
アの知識を知らないと答えがでない(あとはエで解ける)
32問
アイウで切る
33問
イウで切る
34問
オの判断
35問
イオの判断
→
ウオの二択
→
→
エオの勝負
イエの勝負
→
→
正解は1しかなくなる
ウエの勝負
→
アイの勝負
→
アウの勝負
根本個人の私見であり,これ以外の手法はいくらでもあると思います。
「上記のことができなかった=絶対にダメ」というわけではありません。
11
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午後2問
肢ウ
権利能力なき社団
代表者
X
×
「私名義に登記しろ」
〇
「Y名義に登記しろ」
Y
第三者
D
〇「私名義に登記しろ」
午後6問
【債務者を特定しないで発する占有移転禁止の仮処分】
仮処分の 発令
主体
本案の管轄裁判所又は係争物の所在地を管轄する地方裁判所
客体
不動産
要件
仮処分の執行
1
占有移転禁止の仮処分命令執行前に債務者を特定することを困難とする特別の事
情があるときであること
①債務者に対し,係争物の占有移転を禁止し,及び係争物の占有を解いて執行官に
引き渡すべきことを命じること
執行の
内容
②執行官に係争物の保管をさせ,かつ,債務者が係争物の占有の移転を禁止されて
いる旨及び執行官が係争物を保管している旨を公示させること
占有移転禁止の仮処分命令であって,係争物が不動産であるものについては,
〇
その執行前に債務者を特定することを困難とする特別の事情があるときは,債
務者を特定しないで,これを発することができる。
〔19-6-エ(24-6-イ)
〕
午後10問
平成24年供託法改正
以下
法務省ホームページより
(1) 供託申請における電子署名付与の不要化
供託又は払渡請求のオンライン申請をする際には,いずれも,申請書情報には電子署名を行う必要があ
りましたが,このうち,供託のオンライン申請については,書面申請の際に本人確認が必要とされていない
こと等を踏まえ,申請書情報に電子署名を行うことを不要としました(供託規則第39条第1項関係)
。
なお,払渡請求については,引き続いて,電子署名を行わなければならないという規律を維持しました
(供託規則第39条第1項関係)
。
(2) 法人のする供託申請における資格証明書の提示等の省略
(1)により供託申請に係る申請書情報には電子署名は不要ですが,登記された法人が供託の申請をする
場合については,当該法人の代表者が申請書情報に電子署名を行い,かつ,商業登記に基づく電子認証制度
の電子証明書(商業登記規則(昭和39年法務省令第23号)第33条の8第2項)を併せて送信したとき
は,資格証明書の提示を不要としました(供託規則第39条の2関係)
。
(3) 供託書正本取得の選択化
供託のオンライン申請がされた場合においては,供託者に対する供託書正本の提供は,電磁的記録であ
る供託書正本(以下「電子正本」という。)の提供が必須とされていますが,供託者から,法務大臣の定め
るところに従い,電子正本の提供の請求があったときには,電子正本を提供しなければならないものとし,
当該請求がないときは,書面正本を交付しなければならないものとしました(供託規則第40条第2項(供
託規則第41条において準用する場合を含む。
)関係)
。
12
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午後15問
甲区
2
3
乙区
A
1
抵当権
C
2
賃借権
D
3
優先する同意
4
根抵当権
E
4
付記1号
極度額増額
5
抵当権
6
根抵当権
F
4
仮登記
G
5
仮差押
I
H
J
午後17問
肢ウ
地方自治法 260 条の2第1項の認可を受けた地縁団体の代表者についての印鑑に関する証明書は,不登令 16
条2項所定の印鑑に関する証明書として取り扱って差し支えない(平 4.5.20 民三 2430 号)
。
肢オ
台風被害等により事務停止をした登記所に提供すべき作成後3か月以内の有効期限の期間を経過した印鑑に
関する証明書について,当該登記所の事務停止中の期間を控除して取り扱う特例は認められない(昭 34.12.16
民甲 2906 号)
。
13
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午後16問
肢
1
エ
自己信託の意義
信託法においては,委託者自身が,自分の有している一定の財産について,例えば,「以後,この財産
を信託財産として別扱いします」等と宣言(信託宣言)することによって,信託を設定するという,いわ
ゆる「自己信託(第三者ではなく自分自身に信託する,という意味である。
)
」が導入された(信託3③)
。
自己信託においては,信託の設定当初から,委託者が自ら受託者となる。
通常の信託は,不動産信託を例にすると,不動産の所有者Aが委託者,信託銀行Bが受託者,最初の受
益者をAとする信託契約を締結し,最初の受益者Aが第三者に受益権を転売するという方法で行う。
これに対して自己信託は,不動産の所有者Aが委託者兼受託者,最初の受益者をAとする信託を成立さ
せ,最初の受益者Aが第三者に受益権を転売するという方法で行われる(信託3③)
。
なお,受託者自身を当初受益者とする場合,信託が開始してから1年以内に受益権を第三者に対して譲
渡しなければならない(信託 163②)
。
信託
A
委託者
A
受益権
A
A
→
受益者
受益権譲渡
受益権
第三者
2
要件
自己信託の意思表示は,一定の事項を記載(記録)した公正証書その他の書面又は電磁的記録によってし
なければならない(信託3③;いわゆる「要式行為」
)
。
3
効力発生日(信託4Ⅲ)
【図表 1 自己信託の方式と効力発生日
暗記】
自己信託の意思表示の方法
①
「公正証書等」によってされる場合
②
公正証書等「以外」によってされる場合
効力発生日
公正証書等の「作成」の時
受益者となるべき者として指定された第三者に
対する確定日付のある証書による「通知」の時
肢オ
婚姻を原因とする登記名義人の氏名変更の登記を申請する場合,住民票の記載で変更の事項が明らかである
ときは,戸籍謄(抄)本の提供を要せず,住民票のみを登記原因証明情報として提供することができる(登記
研究 490-147)
。
横須賀市ホームページより
問
婚姻(結婚)
・離婚等によって,氏(姓)が変わった場合,住民票コードは変わるのか?
回答 変わりません。
婚姻・離婚等の戸籍届出によって氏名等に変更があっても住民票コードは変わりませんので,お手元にある
住民票コード通知書は大事に保管してください。
なお,住民票コードはいつでも変更請求が可能です。
14
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午後18問
<通達(平 27.10.23 民二 512 号)のポイント>
ア
不登令7条1項1号イの規定により会社法人等番号が提供された場合の取扱い
申請人が会社法人等番号を有する法人である場合には,
当該法人の会社法人等番号を提供しなければならない
(ア)
会社法人等番号の提供
(不登令7条1項1号イ)(注)
。
申請人の会社法人等番号を提供するときは,不登令3条
1号の「申請人の名称」に続けて記録して差し支えない。
不登令7条1項1号イの規定により会社法人等番号が
提供された場合には,申請人である法人の登記記録につ
(1)
(イ)
いて調査を行うものとする。
会社法人等番号が提供さ
この場合において,不動産登記の申請の受付時に,当該
れた場合の取扱い
法人について商業登記その他法人登記の処理がされて
申請人が法人で
いるときは,当該法人の登記記録についての調査は,当
ある場合におけ
該法人の法人登記の完了後に行うものとする。
る添付情報の取
扱い
イ
不登規則 36 条1項各号の規定により登記事項証明書が提供された場合の取扱い
申請人が会社法人等番号を有する法人である場合で
あっても,当該法人の代表者の資格を証する登記事項証
明書又は支配人等の権限を証する登記事項証明書を提
(ア)
登記事項証明書の提供
供したときは,会社法人等番号の提供を要しない (不登
令7条1項1号及び不登規則 36 条1項各号)。
また,この登記事項証明書はその作成後1ヵ月以内のも
のでなければならない (同条 2 項)。
不登規則 36 条1項各号の規定により,上記(ア)の登記事
(イ)
登記事項証明書が提供さ
れた場合の取扱い
ア
項証明書が提供された場合には当該登記事項証明書に
より当該法人の代表者の資格又は支配人等の権限につ
いて調査を行うものとする。
法人である代理人によって登記の申請をする場合において,当該代理人の会社
(2)
法人等番号を提供したときは,当該代理人の代表者の資格を証する情報の提供に代
法人である代理
えることができる (不登規則 37 条の2)。
人の代理権限証
明情報の取扱い
イ
この会社法人等番号の提供は上記(1)ア(ア)に準ずるものとし,会社法人等番号
が提供された場合の取扱いは上記(1)ア(イ)と同様である。
(注)申請人が会社法人等番号を有しない法人であるときは,作成後3か月以内の資格証明情報を提供する
(不登令7条1項1号ロ,17 条1項)
。
たとえば,健康保険組合などがこれにあたる。
15
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午後31問
第三者に対する有利発行のために株主総会の特別決議を要する場合の株主総会の議事録は,添付を要しな
い(取締役会の議事録が添付されていれば足りる)とする先例(昭 30.6.25 民甲 1333 号通達)がある。
まず,
・そもそも有利発行か否かを申請書から判断すること自体が困難であり,
・会社が第三者に対する有利発行を株主総会の特別決議を得ずに行っても,募集株式の発行の無効原因と
はならないとされているので(最判昭 46.7.16)
,
商業登記法第 46 条第2項(登記すべき事項につき株主総会若しくは種類株主総会,取締役会又は清算人
会の決議を要するときは,申請書にその議事録を添付しなければならない。
)に該当しない(「ハンドブック」
p289)
。
午後34問
肢イ
【業務執行社員の任期と変更登記】
(平 20.11.21 民商 3037 号)
定款に業務執行社員に係る任期の規定がある合同会社において,当該定款規定による業務執行社員の任
期満了後,直ちに当該業務執行社員が業務執行社員に再度指定された場合には,会社法第915条第1
項に基づく業務執行社員に係る変更の登記をする必要はない
例えば,当該定款規定があり,業務執行社員がA,業務執行権を有しない社員がBCである合同会社に
おいて,Aの任期満了後,直ちにAが業務執行社員に再指定された場合,合同会社の合理的意思は通常,
Aが任期満了により業務執行権を失った後にAに再び業務執行権を付与するというものではなく,BC
の業務執行権の制限期間を延長するものと解される。
肢エ
退社の事実を証する書面として,
①持分譲渡契約書,
合資会社の業務を執行しない有限責任社員が,持分
②譲渡された持分が業務を執行しない社員に係るも
の全部を他の社員に譲渡した場合
→
のであることを証する書面(変更前の定款等)
社員の退社による変更の登記の申請書
③業務執行社員の全員の同意があったことを証する
書面(商登 111 条・96 条1項,ハンドブックP640)。
合資会社の業務を執行しない有限責任社員が持分
業務執行社員の全員の同意があったことを証する書
の一部を他の有限責任社員に譲渡した場合
面を添付すれば足りる(商登 111 条・93 条,松井・
→
ハンドブックP642)
。
有限責任社員の出資の目的等の変更の登記
16
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3. 基準点の予想
問 / 35問
平 21
平 22
平 23
平 24
平 25
平 26
平 27
75
75
72
78
81
72
72
(25 問) (25 問) (24 問) (26 問) (27 問) (24 問) (24 問)
基準点
LECリサー
チでの偏差値
法務省発表
での偏差値
52.8
53.7
53.6
52.3
52.8
50.5
52.6
62.82
62.09
61.98
59.70
61.52
平 28
基準点
年度
上段:出願者数
(平成) 下段:受験者数
28年
27年
26年
25年
24年
択一午前の部
上段 点数
中段 人数
下段 偏差値
択一午後の部
上段 点数
中段 人数
下段 偏差値
記述式
上段 点数
中段 人数
下段 偏差値
90(30 問)
72(24 問)
36.5 点
3,303 人
3,339 人
1,211 人/2,251 人
61.08
61.52
50.31
78(26 問)
72(24 問)
37.5 点
2,525 人
4,759 人
1,065 人/ 2,033 人
62.85
59.70
50.30
84(28 問)
81(27 問)
39.0 点
3,077 人
3,966 人
1,152 人/2,177 人
63.09
61.98
50.28
84(28 問)
78(26 問)
38.0 点
2,992 人
4,101 人
1,145 人/2,169 人
63.76
62.09
50.41
合格点
合格点
―基準点
198.5
218.0
19.5
187.5
207.0
19.5
204.0
221.5
17.5
200.0
215.0
15.0
合計
20,360 人
21,754 人
17,920 人
24,538 人
20,130 人
27,400 人
22,494 人
29,379 人
24,048 人
17
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【根本が担当する夏の中上級ガイダンスのラインナップ】
下記のガイダンスは,生講義だけでなく,当日に全国LECで同時配信します。
7/18(月・祝)13:30~15:00 渋谷駅前本校 生講義
実は変わっています!民法・刑法・商業登記法
~最新法令改正情報+最新判例情報~
7/23(土)13:00~14:30 水道橋本校 生講義
レベルを体感!「択一&記述パーフェクトローラー講座」模擬講義
7/29(金)19:00~20:30 水道橋本校 生講義
本試験傾向から見る!基準点付近の方の学習戦略
~基準点+αのために必要なこと及びそのための学略戦略~
8/14(日)13:00~14:30 新宿エルタワー本校 生講義
法務省の基準点資料を読み解く!
~記述リサーチ情報の公開~
<全国LEC
生ガイダンス>
司法書士試験の最新傾向とその対策
・平成28年の本試験の総括・傾向分析
・本試験の傾向の変化
・中上級者の陥りやすい勉強法と正しい勉強法
などなど受験経験者の方を対象にしたガイダンスを全国のLEC本校(及び提携校)でいたします。
また,ガイダンス前後に個別相談ができる時間を設けています。
奮ってご参加ください。
7/16(土)
16:00~17:30
札幌本校
7/24(日)
11:00~12:30
静岡本校
7/30(土)
10:30~12:00
名古屋駅前本校
7/30(土)
16:30~18:00
岡山本校
7/31(日)
10:30~12:00
広島本校
7/31(日)
16:30~18:00
京都駅前本校
8/11(木)
10:00~11:30
長崎本校
8/11(木)
15:00~16:30
福岡本校
8/13(土)
14:00~15:30
横浜本校
8/21(日)
10:00~11:30
熊本本校
8/21(日)
15:00~16:30
鹿児島本校
18
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平成 28 年度司法書士筆記試験
午後の部 記述式
第1
徹底検証会
LEC 司法書士専任講師
荻原泉
不動産登記
1.事実関係
平成 28 年度本試験、第 36 問の主要な事実関係は次のとおりである。
(1) 時系列となすべき登記
H15
4/1
H18
7/1
H20
10/1
H27
9/1
H28
4/5
4/8
4/20 5/3
5/25
同日
6/1
6/24 同日
『商号変更 『吸収 『商号 『住所 『離婚 『支払』 申 『住所 『弁済』『解除』 申 『民事 『一部譲渡 『追加 申
請 再生』 範囲変更』 設定』 請
本店移転』 合併』 変更』 移転』 調停』
請 移転』
執行文
甲野 ¥2,001,087
一郎
H
Q 食品(有)
㈱A レス
㈱G 銀行
甲野一郎 「甲野一郎」
㈱E 銀行
甲野花子
銀行
↓
トラン
↓
文京区
文京区
「甲野花子」
一部譲渡
㈱H 銀行
㈱F 銀行
→千葉市
③抵 監督委員:○
→豊島区 甲土地
※婚氏続称
債権の範囲の
管財人:×
【親権者】「さくら」につき母
大手町 3-3-3
変更 &
↓
H
銀行
【財産分与】
H 銀行
㈱P 商事 債務者の変更
大手町 6-1-1
②根
花子 → 一郎:現金 200 万円
③抵
追加設定
②根
一郎 → 花子:支払時に下記
④根
(会 356)
甲土地
1/2
一郎
甲土地
乙建物
甲土地
乙建物
1/2 花子
(所)甲野花子 (所)㈱A レストラン
甲土地
4/20
依頼
5/25
依頼
6/24
依頼
① 所有権名変
② 3 番抵当権移転
② 甲野一郎持分全部移転
① 所有権名変
③ 3 番抵当&4 番根抵当抹消
① 2 番根抵当権一部譲渡
② 2 番根抵当権変更(解答不要)
乙建物
5/25
依頼
6/24
依頼
① 2 番根抵当権抹消(解答不要)
① 共同根抵当権追加設定
2.本問の重要論点
解答に影響を与える重要な論点を掲げる。
(1) 離婚調停と財産分与
夫婦関係調整(離婚)調停事件は、配偶者の一方から他方に対して、離婚・未成年の子の親権者の
指定・養育費・慰謝料・財産分与等を求める調停の申立てである。裁判離婚の前提として調停前置主
義が採用されており、家庭裁判所において離婚の調停が成立しない場合には、離婚しようとする者が
離婚の訴えを提起することができる。なお、離婚の調停の申立てには、必ずしも民法の規定する離婚
原因は要求されず、また有責配偶者からの申立ても可能である。
調停において当事者間に合意が成立し、これを調書に記載したときは、調停が成立したものとし、
その記載は、確定判決と同一の効力を有する(家事事件手続法第 268 条第 1 項)
19
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本問においては、聴取事実及び別紙の記載から、平成 28 年 4 月 5 日に、甲野一郎と甲野花子との
間において「両者が離婚する旨」
「未成年者である甲野さくらの親権者を母とする旨」
「財産分与とし
て、甲野花子が金 200 万円を支払うのと引き換えに、甲野一郎は甲土地の持分全部を甲野花子に移転
する旨」などを内容とする夫婦関係調整の調停が成立したことが分かる。また、同年 4 月 6 日に戸籍
の届出(報告的届出)がなされていることも分かる。通常、財産分与は、①離婚の成立、②財産分与
の合意の 2 つの要件を満たすことにより、その効力を生じることになるが、本問においては、そのい
ずれも平成 28 年 4 月 5 日に満たしてはいるものの、甲野花子から甲野一郎への金 200 万円の支払が
甲土地の持分の移転の停止条件となっているため、同日においては甲土地の甲野一郎持分につき移転
の効力は生じない。甲野花子が甲野一郎に金 200 万円を支払ったのは、平成 28 年 4 月 8 日であるた
め、この日を登記原因日付として採用することになる。また、別紙 3 の調停調書は確定判決と同等の
効力を有するため、法 63 条 1 項による単独申請において登記原因証明情報となりうるが、本調停調
書のみでは、代金の支払により甲野一郎持分が移転した事実が認定できないため、司法書士法務直子
の助言に従い「執行文」の付与を受ける必要があった。
(2) 商号変更・本店移転による名変登記の要否
登記名義人の住所や氏名・商号に変更を生じたときは、登記の連続性の観点から登記名義人の表示
変更の登記を行う必要がある。もっとも、相続・合併による権利の移転登記の際には、登記義務者た
る登記名義人の表示の変更については「変更証明情報」を提供することで、省略することが可能であ
る。
本問においては、甲土地の乙区 3 番抵当権の登記名義人につき、次のような順序で変動が生じてい
ると分かる。
①平成 12 年 6 月 20 日 株式会社 E 銀行の名義で抵当権設定登記
②平成 15 年 4 月 1 日
商号変更:株式会社 E 銀行 → 株式会社 F 銀行,本店移転
③平成 18 年 7 月 1 日
株式会社 F 銀行は、株式会社 G 銀行に吸収合併され解散
④平成 20 年 10 月 1 日 商号変更:株式会社 G 銀行 → 株式会社 H 銀行
上記②~④のうち、3 番抵当権につき「不動産物権変動」の原因となるのは、③の吸収合併である。
従って、これによる抵当権移転登記を申請する必要があることが分かる。では、その前提として、形
式的には登記義務者である吸収合併消滅会社につき、
「株式会社 E 銀行」から「株式会社 F 銀行」へ
の名変登記を行う必要があるだろうか。この点については、上記のように変更証明情報を提供するこ
とで名変登記を省略することができる。なお、被承継会社としての表示は、合併の際の商号である「株
式会社 F 銀行」と記載するべきである。同社は、株式会社 F 銀行として吸収合併されたのであって、
株式会社 E 銀行として吸収合併されたものではないからである。また、抵当権者としては「株式会社
H 銀行」と記載するべきである。たしかに合併の時点では「株式会社 G 銀行」という商号ではあっ
たが、平成 28 年 5 月 25 日の申請時点での商号は「株式会社 H 銀行」だからである。
(3) 被担保債権の弁済と解除
抵当権は、被担保債権の全額が弁済されると、附従性により消滅する。
本問においては、甲野花子から聴取した事実により、
「甲野花子が甲野一郎に交付する金 200 万円
は、甲野一郎が株式会社 H 銀行に対する借入金の債務を弁済する原資とする」ものであること、
「平
成 28 年 5 月 25 日に、甲野一郎が株式会社 H 銀行に金 200 万 1087 円を支払った」こと、さらにこ
れを受けて「株式会社 H 銀行が甲土地の 3 番抵当権を抹消する意思を表示した」ことが分かる。
しかし、上記の金額が甲土地の 3 番抵当権の被担保債権の残存債務の全額であることは、どこにも
記載されていない。従って、問題文の記載からは、甲土地の 3 番抵当権が被担保債権の全部が消滅し
たことにより附従性で消滅したと判断することはできない。
仮に、甲土地の 3 番抵当権は「弁済」により消滅し、4 番根抵当権は「解除」によって消滅したも
のであれば、これらの抹消登記は登記原因を異にするため一括申請することができない。しかし、上
記のとおり、3 番抵当権は「弁済」の附従性によって消滅したものと判断することはできず、別紙 5
等から「解除」によって消滅したものと判断することになる。従って、3 番抵当権の抹消登記と 4 番
根抵当権の抹消登記は一括申請をすることが可能であると考えられる。
(4) 株式会社の民事再生
民事再生法は、再建型倒産処理手続きの一般法であり、同法に基づく再生手続きは、裁判所の監督
下において再生債務者(本問においては株式会社 A レストラン)本人が業務の遂行及び財産の管理・
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処分を原則として継続しつつ、再生計画に基づいて事業の再生を図るものである。この手続きは、従
前の経営者による事業経営を原則としながらも、必要があるときは裁判所は、これに代わる管財人を
選任することができるとされている(民事再生法 38 条、同 64 条)
。再生手続きにおいては、管財人・
監督委員・その他の機関はすべて任意的に選任されるものである。
監督委員が選任された場合は、再生債務者が業務の遂行並びに財産管理及び処分をしつつ、事業の
再生を図ることになる。監督委員は、裁判所が指定した一定の行為につき、再生債務者がこれを行う
ことに同意するか否かを判断することになる。
裁判所は、再生債務者の財産管理・処分が失当である場合などにおいては、例外的に、利害関係人
の申立または職権で「再生債務者の業務及び財産に関し、管財人による管理を命じる処分」をするこ
とができる。この場合、再生債務者の業務及び財産の管理・処分の権限は、管財人に専属する。
なお、関連条文として次のようなものがある。
民事再生法
【第 41 条】
(再生債務者等の行為の制限)
Ⅰ 裁判所は、再生手続開始後において、必要があると認めるときは、再生債務者等が次に掲
げる行為をするには裁判所の許可を得なければならないものとすることができる。
① 財産の処分
② 財産の譲受け
③ 借財
(中略)
⑩ その他裁判所の指定する行為
Ⅱ 前項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対
抗することができない。
【第 54 条】
(監督命令)
Ⅰ 裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利
害関係人の申立てにより又は職権で、監督委員による監督を命ずる処分をすることができる。
Ⅱ 裁判所は、前項の処分(以下「監督命令」という。
)をする場合には、当該監督命令におい
て、一人又は数人の監督委員を選任し、かつ、その同意を得なければ再生債務者がすること
ができない行為を指定しなければならない。
Ⅳ 第二項に規定する監督委員の同意を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをも
って善意の第三者に対抗することができない。
【第 64 条】
(管理命令)
Ⅰ 裁判所は、再生債務者(法人である場合に限る。以下この項において同じ。
)の財産の管理
又は処分が失当であるとき、その他再生債務者の事業の再生のために特に必要があると認め
るときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続の開始の決定と同時に又はその
決定後、再生債務者の業務及び財産に関し、管財人による管理を命ずる処分をすることがで
きる。
Ⅱ 裁判所は、前項の処分(以下「管理命令」という。
)をする場合には、当該管理命令におい
て、一人又は数人の管財人を選任しなければならない。
本問においては、株式会社 A レストランが平成 28 年 6 月 1 日に横浜地方裁判所において民事再生
手続開始の決定がなされ、監督委員が選任されており、管財人は選任されていないことが分かる。従
って、株式会社 A レストランの業務及び財産管理・処分の権限は、従前と同様に本人が有することに
なる。また、民事再生法 41 条によれば、
「財産の処分等につき裁判所の許可を得なければならないも
のとすることができる」ことになるが、これは当然に許可を要するものではなく、裁判所が「許可を
要する行為」を定めることによって、許可なしで行われた行為が無効となるものである。しかし、本
問においては、根抵当権の追加設定という行為につき裁判所の許可を要する旨が定められた事実は存
在しない。また、民事再生法 54 条によれば、
「監督委員の同意を得なければ再生債務者がすることが
できない行為」につき、その同意を得ずに行われた行為は無効とされることになるが、本問において
は、根抵当権の追加設定という行為につき監督委員の同意を要する旨が定められた事実は存在しない。
従って、本問においては別紙 8 の根抵当権追加設定に関して(その妥当性はともかく)裁判所の許
可や監督委員の同意を証する情報を提供する必要はないと判断することになる。
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3.答案作成のポイント
申請ごとに、答案作成のポイントを掲げる。
(1) 1 番所有権登記名義人住所変更 「平成 28 年 4 月 20 日申請」1 件目
「平成 27 年 9 月 1 日住所移転」を登記原因とする甲野一郎の名変登記である。
①法 64 条 1 項の規定により単独申請であり甲野一郎が申請人であるが、依頼者は甲野花子のみであ
り民法第 423 条の規定に基づき甲野花子が代位して申請する。
②登録免許税額は、定額課税であり金 1000 円である。
③登記は、甲区 1 番付記 1 号により実行される。
④本件登記を申請することにより、2 件目の「甲野一郎持分全部移転」登記との「登記の連続性」が
確保される。本件申請を行わなければ、甲野一郎の登記記録上の住所と所有権移転登記の申請書の
登記義務者の住所が不一致となるからである。
⑤添付情報は、登記原因証明情報(ウ)
、代位原因証明情報(ア)
、代理権限証明情報(甲野花子の委
任状)である。
(2) 甲野一郎持分全部移転 「平成 28 年 4 月 20 日申請」2 件目
「平成 28 年 4 月 8 日財産分与」を登記原因とする甲野一郎の持分 2 分の 1 の全部についての所有
権移転登記である。
①甲野一郎を登記義務者とし、甲野花子を登記権利者とする共同申請構造の登記であるが、法 63 条
1 項の規定に基づき、権利者である甲野花子から単独申請する。
②登録免許税額は、不動産価格に移転する持分を乗じた額を課税標準として 20/1000 を乗じる定率課
税であり次の計算による。
課税価格 金 3129 万 6000 円×20/1000=62 万 5920 円 → 登録免許税額 金 62 万 5900 円
③登記は、甲区 2 番で実行される。
、住所証明情報(エ)
、代理権限証明情報(甲野花子の委任状)
④添付情報は、登記原因証明情報(ア)
である。
(3) 1 番,2 番所有権登記名義人住所変更 「平成 28 年 5 月 25 日申請」1 件目
「平成 28 年 5 月 3 日住所移転」を登記原因とする甲野花子の名変登記である。
①法 64 条 1 項の規定により単独申請であり甲野花子が申請する。
②登録免許税額は、定額課税であり金 1000 円である。
③登記は、甲区 1 番付記 2 号及び甲区 2 番付記 1 号により実行される。
④本件登記を申請することにより、3 件目の「抵当権及び根抵当権の抹消」登記との「登記の連続性」
が確保される。本件申請を行わなければ、甲野花子の登記記録上の住所と抵当権抹消登記の申請書
の登記権利者の住所が不一致となるからである。
⑤添付情報は、登記原因証明情報(オ)
、代理権限証明情報(甲野花子の委任状)である。
(4) 3 番抵当権移転 「平成 28 年 5 月 25 日申請」2 件目
「平成 18 年 7 月 1 日合併」を登記原因とする 3 番抵当権の移転登記である。
①法 63 条 2 項の規定による単独申請であり、株式会社 H 銀行から申請する。
②登録免許税額は、債権額を課税標準として 1/1000 を乗じる定率課税である。
③登記は、乙区 3 番付記 1 号により実行される。
④相続・合併による権利の移転登記であり、登記義務者である「株式会社 F 銀行」の商号変更及び本
店移転による名変登記は変更証明情報(カ)を添付することで省略できる。なお、合併による権利
移転の時点において同社の商号は「株式会社 F 銀行」であるから、申請事項中「被合併会社」の記
載は「株式会社 F 銀行」とする必要がある。また、申請人である株式会社 H 銀行は、合併当時の
商号が「株式会社 G 銀行」であったが、本件登記を申請する時点での商号で登記申請を行う必要
があるため、申請事項中「抵当権者」の記載は「株式会社 H 銀行」とする必要がある。
⑤添付情報は、登記原因証明情報(株式会社 H 銀行の会社法人等番号)
、変更証明情報(カ)
、代理
権限証明情報(株式会社 H 銀行の代表者の委任状)である。
(5) 3 番抵当権,4 番根抵当権抹消 「平成 28 年 5 月 25 日申請」3 件目
「平成 28 年 5 月 25 日解除」を登記原因とする 3 番抵当権及び 4 番根抵当権の抹消登記である。
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①法 60 条の規定により、株式会社 H 銀行を登記義務者とし、甲野花子を登記権利者とする共同申請
である。
②登録免許税額は、不動産の個数 1 個あたり金 1000 円を納付する定額課税である。
③登記は、乙区 5 番で実行される。
④同一不動産上の複数の抵当権につき、抵当権者が同一である場合に同一原因で抹消する場合には、
一括して抹消登記を行うことができる。
⑤添付情報は、登記原因証明情報(キ・ク)、登記識別情報(セ・チ)、代理権限証明情報(株式会社
H の代表者及び甲野花子の委任状)である。
(6) 2 番根抵当権抹消 「平成 28 年 5 月 25 日の依頼に基づく乙建物に対する申請」
(解答不要)
「平成 28 年 5 月 25 日解除」を登記原因とする 2 番根抵当権の抹消登記である。
①法 60 条の規定により、株式会社 H 銀行を登記義務者とし、株式会社 A レストランを登記権利者と
する共同申請である。
②登録免許税額は、定額課税であり金 1000 円である。
③登記は、乙区 3 番で実行される。
④添付情報は、登記原因証明情報(ク)
、登記識別情報(乙建物の乙区 2 番の登記識別情報)
、代理権
限証明情報(株式会社 H の代表者及び株式会社 A レストランの代表者の委任状)である。
(7) 2 番根抵当権一部移転 「平成 28 年 6 月 24 日申請」1 件目
「平成 28 年 6 月 24 日一部譲渡」を登記原因とする 2 番根抵当権の一部移転登記である。
①法 60 条の規定により、株式会社 P 商事を登記義務者とし、Q 食品有限会社を登記権利者とする共
同申請である。
②登録免許税額は、極度額を移転後の根抵当権者の数で除した額を課税標準として 2/1000 を乗じる
定率課税であり、次の計算による。
課税価格 金 1 億円×1/2×2/1000=10 万円(登録免許税額)
③登記は、乙区 2 番付記 2 号で実行される。
④依存型第三者である付記 1 号の転抵当名義人「T 商事株式会社」は利害関係人にはならない。
⑤添付情報は、登記原因証明情報(ケ)、登記済証(シ)、設定者の承諾情報(ネ)、代理権限証明情
報(株式会社 P 商事の代表者及び Q 食品有限会社の代表者の委任状)である。
(8) 2 番根抵当権変更 「平成 28 年 6 月 24 日申請」2 件目(解答不要)
「平成 28 年 6 月 24 日変更」を登記原因とする 2 番根抵当権の債務者及び債権の範囲の変更登記で
ある。
①法 60 条の規定により、甲野花子を登記義務者とし、株式会社 P 商事及び Q 食品有限会社を登記権
利者とする共同申請である。
②登録免許税は、定額課税であり金 1000 円である。
③登記は、乙区 2 番付記 3 号で実行される。
④添付情報は、登記原因証明情報(ケ)、登記済証(サ)、登記識別情報(タ)、印鑑証明書(甲野花
子のもの)
、代理権限証明情報(株式会社 P 商事の代表者及び Q 食品有限会社の代表者の委任状、
甲野花子の委任状)である。
(9) 共同根抵当権設定(追加) 「平成 28 年 6 月 24 日の依頼に基づく乙建物に対する申請」
「平成 28 年 6 月 24 日設定」を登記原因とする共同根抵当権の追加設定登記である。
①法 60 条の規定により、株式会社 A レストランを登記義務者とし、株式会社 P 商事及び Q 食品有
限会社を登記権利者とする共同申請である。
②登録免許税は、定額課税であり金 1500 円である。
③登記は、乙区 4 番で実行される。
④添付情報は、登記原因証明情報(コ)、登記済証(ソ)、印鑑証明書(ト)、株主総会議事録もしく
は取締役会議事録(ネ:会社・取締役間の利益相反)
、前登記証明情報(ハ)
、代理権限証明情報(株
式会社 P 商事の代表者及び Q 食品有限会社の代表者の委任状、株式会社 A レストランの代表者の
委任状)である。
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第2
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商業登記
1.事実関係
平成 28 年度本試験、第 37 問の主要な事実関係は次のとおりである。
(1) 時系列
H28
5/6
ワンツー㈱
5/13
5/16
5/30 同日
5/31
1 新予 『分割 1 新予 『定時
『取締
30 個
契約』 20 個
総会』
役会』
↓行使
↓行使
株:+20 株
株:+30 株
①代取 A
資:+100 万
資:+150 万
→ 選定+承諾
【吸収分割】
ワンツー㈱
1000 株
スリー㈱
婦人服
販売事業
①効力発生:7/1
②承継負債はワンツー
㈱が重畳的に引受
③スリー㈱の資本金
→ 2500 万増加
6/1
1 新予 1 新予
40 個 満了
↓行使
株:+40 株
資:+200 万
【定款変更】
①監査役廃止
監査役会廃止
②監査等委員会設置
③重要決定の委任事項
【役員変更】
①取 A → 選任+承諾
取 B → 選任+承諾
外取 G → 選任+承諾
②監 D → 選任+承諾
外監 E → 選任+承諾
外監 F → 選任+承諾
6/2
7/1
吸収分割 申
効力発生 請
申
請
H25
5/28
5/13
取
A
◎
◎
B
◎
◎
取
C
○
外取
G
取・監
D
○
外取・監 E
○
○
A
監
D
◎
外監
E
○
外監
F
○
6/28
『分割
契約』
◎
◎
◎
◎
同日
『臨時
『取締
総会』
役会』
取
H
取
I
◎
取
J
○
外
A
H28
6/28
7/1
H
◎
K
◎
監
L
7/4
吸収分割 申
効力発生 請
【会社分割承認】
①会社分割契約の承認
【役員変更】
①取 A → 選任+承諾
※条件:会社分割
②監 L → 選任+承諾
○
監
7/1
①代取 A → 選定+承諾
【定款変更】
※条件:会社分割
①監査役の
NG
会計限定規定の廃止
申請
◎
代取
申請
○
代取
スリー㈱
H26
8/25
H28
5/30
取
会監 さくら
H28
H27
5/30
外取・監 F
【会社分割承認】
①会社分割契約の承認
7/4
○
2.本問の重要論点
解答に影響を与える重要な論点を掲げる。
(1) 監査等委員会設置会社の定めの設定
株式会社は、定款の定めによって、監査等委員会を置くことができる。また、監査等委員会設置会
社は、
「取締役会」及び「会計監査人」を設置しなければならず、
「監査役」または「指名委員会等」
を設置することはできない。監査等委員会を設置した場合、従前の取締役・会計参与・監査役は任期
満了し退任する。
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監査等委員会設置会社における取締役は、株主総会普通決議によって、監査等委員である取締役と
それ以外の取締役を区別して選任しなければならない。なお、監査等委員である取締役は 3 人以上で、
その過半数は社外取締役でなければならない。
監査等委員会設置会社における代表者は、取締役会で選定される代表取締役である。代表取締役は
監査等委員でない取締役から選定しなければならない。
監査等委員会設置会社であって且つ取締役の過半数が社外取締役である場合、または、監査等委員
会設置会社であって取締役の過半数が社外取締役でなくとも定款で定めた場合には、取締役会決議に
よって取締役に「重要な業務執行の決定」を委任することが認められている。その委任の範囲は、指
名委員会等設置会社において執行役への業務執行の委任が認められる場合と同等である。なお、監査
等委員会設置会社において上記の「重要な業務執行の決定の委任についての定款の定め」がある場合、
この定款規定は登記事項である(会社法 911 条 3 項 22 号ハ)
。
本問においては、別紙 1 のワンツー株式会社の登記記録抜粋及び別紙 2 から、当該会社は平成 28
年 5 月 30 日開催の株主総会決議によって、監査役及び監査役会を廃止し監査等委員会を設置したこ
とが分かる。同社には従前より会計監査人が設置されていたことから、機関設計として適法であるこ
とが判断できる。また、従前の取締役及び監査役は任期満了し退任したので、その後任者を監査等委
員である取締役とそれ以外の取締役とを区別して必要な員数分以上を選任していることも分かる。さ
らに、定款規定として「重要な業務執行の決定の委任についての定款の定め」を設けたことも分かる。
従って、これらの登記を申請することになる。
(2) 監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めの廃止
平成 27 年 5 月 1 日施行の会社法改正により、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する
旨の定款規定(以下、会計限定規定と呼ぶ)は登記事項とされた(会社法 911Ⅲ⑰イ)
。但し、同附
則 22 条 1 項により「この法律の施行の際現に監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨
の定款の定めがある株式会社は、この法律の施行後最初に監査役が就任し又は退任するまでの間は、
『会社法 911Ⅲ⑰イ』に掲げる事項(会計限定規定)を登記することを要しない」旨が規定されてい
る。なお、監査役の就任・退任による変更登記がない場合でも、任意に会計限定規定がある旨の登記
を申請することは可能である。
上記のように平成 27 年 5 月 1 日以降に監査役の就任・退任による変更登記を申請する場合、当該
会社の定款に監査役の会計限定規定があるときは、監査役の就任・退任による変更登記の際に会計限
定規定がある旨の登記を併せて申請する必要がある。この場合、平成 27 年 5 月 1 日より前に会計限
定規定を設けていた日付を登記する必要はないものとされている(監査役の就任・退任による変更登
記がない場合に、任意に会計限定規定がある旨の登記を申請するときも、平成 27 年 5 月 1 日より前
に会計限定規定を設けていた日付を登記する必要はないものとされている)
これに対して、平成 27 年 5 月 1 日より前には会計限定規定を設けていなかった株式会社(大会社
以外であり、非公開会社であって、且つ、会計監査人及び監査役会が設置されていないことは前提で
ある)が、新たに会計限定規定を設置した場合には、監査役の変更登記の有無にかかわらず、会計限
定規定を設置した旨の登記を申請しなければならない。この場合、当該規定を設置した日付は登記事
項となる。
また、会計限定規定が登記されてる株式会社が、その定款規定を廃止した場合には、その廃止の旨
の登記を申請しなければならない。この場合、従前の監査役は任期満了し退任するため、その旨の登
記も併せて申請しなければならない。
上記の各登記申請において、平成 27 年 5 月 1 日より前から会計限定規定があった場合にその旨の
登記をするときは「定款」または「会計限定規定を設置した株主総会議事録」を添付し、平成 27 年
5 月 1 日以降に定款を変更して会計限定規定を設置した場合にその旨の登記をするときは「会計限定
規定を設置した株主総会議事録」を添付する。さらに、会計限定規定を廃止した場合にその旨の登記
を申請するときは「会計限定規定を廃止した株主総会議事録」を添付する。なお、登録免許税は役員
変更と同様である。
本問においては、別紙 5 のスリー株式会社の登記記録抜粋から、当該会社は平成 27 年 5 月 1 日よ
り前から会計限定規定があり、会社法附則 22 条 1 項の規定により監査役の変更登記の際に併せて会
計限定規定がある旨の登記をしても足りたものであるところ、任意に会計限定規定がある旨の登記を
した会社であることが分かる。別紙 6 から平成 28 年 6 月 28 日開催の株主総会決議によって会計限
定規定を廃止し、任期満了した監査役 K の後任者として監査役 L を選任したことが分かる。従って、
これらの登記を申請することになる。
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本問の会社は、任意に会計限定規定を登記していたため、上記のような扱いとなった。では、任意
に会計限定規定を登記していなかった場合は、どうか。
任意に会計限定規定を登記していなかった会社が、監査役の任期満了の際もしくは監査役の就任の
際に、同時に定款を変更して会計限定規定を廃止した場合、会計限定規定がある旨の登記とその廃止
の登記を同時に申請するべきであるとする考え方(積極説)と、これらの登記を行う必要はないとす
る考え方(消極説)とがある。登記実務は、多くの法務局で消極説により運用が行われているようで
ある。但し、これは監査役が本来の任期を満了した場合や、たんに新たな監査役を追加した場合の扱
いである。本問のように「会計限定規定を廃止した」ことによって従前の監査役の任期が満了した場
合に積極説と消極説のいずれによって実務の運用がなされるのかは、現在、不透明である。
3.答案作成のポイント
登記の事由ごとに、答案作成のポイントを掲げる。
(1) 監査等委員会の設置と取締役への業務執行決定の委任(ワンツー株式会社)
監査等委員会を設置し、また、定款に「重要な業務執行の決定の取締役への委任についての定め」
を設定した旨の登記である。
【実体形成】
定款変更であり、株主総会特別決議が必要である。また、許容される機関設計となるように注
意が必要である。
本問では、株主総会特別決議は適切に行われたものと評価できる。また、取締役会及び会計監
査人は従前から設置されており、監査役及び監査役会は廃止されているため、適切な機関設計と
なっていると評価できる。
【監査等委員会の設置の効果】
本問においては、取締役及び監査役の全員の任期が満了する。
(2) 監査役及び監査役会の廃止(ワンツー株式会社)
監査等委員会を設置するにともない、許容される機関設計となるため監査役及び監査役会を廃止し
た旨の登記である。
【実体形成】
定款変更であり、株主総会特別決議が必要である。また、許容される機関設計となるように注
意が必要である。
本問では、株主総会特別決議は適切に行われたものと評価できる。申請会社は、従前から会計
監査人を設置しているため、たんに監査役を廃止することはできないが、監査役の廃止と同時に
監査等委員会を設置しているため、適切な機関設計となっていると評価できる。
【監査役廃止の効果】
監査役の任期が満了する(監査等委員会設置も同時に行っており、これによっても任期満了した)
。
(3) 役員変更(ワンツー株式会社)
登記記録上の取締役及び監査役はその全員が平成 28 年 5 月 30 日開催の定時総会においては、本
来は任期が満了しない予定であった。
①取締役 A 及び B について
いずれの者も監査等委員会の設置によって任期満了し、重任した。また、A は代表取締役として
重任している。
②取締役 C について
監査等委員会の設置によって任期満了し退任した。
③取締役 G について
監査等委員設置会社の監査委員以外の取締役として就任した。また、G は社外取締役の要件と満
たしており、社外取締役として就任した。
④監査役 D、E、F について
いずれの者も、監査等委員会の設置及び監査役の廃止によって任期満了し退任した。また、いず
れの者も監査等委員である取締役として就任した。また、E 及び F は社外取締役の要件を満たし
ており、社外取締役として就任した。
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⑤会計監査人さくら花子について
定時株主総会の終結によって任期満了し、再任みなしとなった。
【規則 61 条について】
別紙 8 の事実②により、従前からの代表者である A が取締役会議事録に届印を押印している
ことが分かる。また、代表取締役として選定された A は再任(重任)である。従って、規則 61
ⅡⅢⅣの規定に基づき、取締役会に出席した取締役及び監査役の押印につき個人の印鑑証明書
を添付する必要はない。また、これにともない、新たに取締役として就任した者(G、D、E、
F)につき本人確認証明書を添付する必要がある。
(4) 新株予約権の行使と行使期間満了(ワンツー株式会社)
第 1 回新株予約権につき、平成 28 年 5 月中に合計 90 個の新株予約権が行使され、同月末日をも
って行使期間が満了した旨の登記である。
【実体形成】
別紙 8 の事実 4 の記載により、平成 28 年 5 月中、3 回にわたって合計 90 個の新株予約権が有
効に行使されたことが分かる。また、ワンツー株式会社は自己株式を保有したことがない旨も明
記されているため、すべて発行新株を交付することになると判断できる。さらに、同新株予約権
は平成 28 年 5 月 31 日までが行使期間であるため、同日 24 時(翌 6 月 1 日 0 時)に残る 10 個
の新株予約権は行使期間満了により消滅したものと判断できる。
【新株予約権行使による変更登記の申請方法】
会社法第 915 条第 1 項は、
「911 条 3 項の登記事項に変更が生じたときは、二週間以内に、そ
の本店の所在地において、変更の登記をしなければならない」旨を規定している。また、同条 3
項において、新株予約権行使による変更登記は、「毎月末日現在により、当該末日から二週間以
内にすれば足りる」旨を規定している。915 条 3 項は「足りる」旨を規定しており、
「しなけれ
ばならない」旨を規定しているものではない。そこで、新株予約権の行使については、その行使
のたびに 915 条 1 項の規定に基づき 2 週間以内に変更登記を行うこともできるし、毎月末日ご
とに当月分の変更をまとめて 2 週間以内に変更登記することもできる。
本問においては、別紙 8 の聴取事実 6 に「登記懈怠がない形で申請してほしい」旨の記載があ
るため、新株予約権の行使による変更登記は、会社法 915 条 3 項の規定に基づき、平成 28 年 5
月分をまとめて 5 月 31 日から 2 週間以内に申請することになる。もし、甲乙丙の 3 名の新株予
約権行使を個別に申請しようとするならば、甲及び乙の新株予約権行使による変更登記は平成
28 年 6 月 1 日の申請において登記懈怠の状態になってしまうからである。
(5) 監査役の監査権限の変更(スリー株式会社)
監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止した旨の登記である。
【実体形成】
定款変更であり、株主総会特別決議が必要である。
本問では、株主総会特別決議は適切に行われたものと評価できる。
【効果】
監査役の任期が満了する。
(6) 役員変更(スリー株式会社)
①取締役 H、I、J について
いずれも平成 26 年 8 月 25 日に就任または重任している。スリー株式会社については、任期規
定の有無・事業年度といった任期計算に必要な情報が開示されていないことから、その判断が困
難ではあるものの、次のように判断することが妥当であると考えられる。
1.取締役及び監査役につき任期規定は存在せず、法定任期で判断するべきである(注 4 参照)
2.平成 26 年の定時総会は 8 月 25 日に開催されており、また本問において 7 月 4 日までの間
「6 月末日」
「7 月
に定時総会が開催されていないことから、事業年度の末日は、
「5 月末日」
末日」のいずれかであろうと考えられる。おそらくは 5 月末日であろう。
以上から、スリー株式会社の取締役のうち、H、I、J の 3 名は平成 28 年 8 月下旬あたりで開催
される定時総会の終結をもって任期満了するものと推測され、本問の申請日(平成 28 年 7 月 4
日)現在では任期中であると判断することになる。代表取締役 H も同様である。
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②取締役 A について
吸収合併にともない、新たに選任された取締役である。平成 28 年 6 月 28 日開催の臨時株主総
会の決議によって平成 28 年 7 月 1 日に吸収分割の効力が生じることを停止条件に取締役に選任
され、 同日開催の取締役会においても同様に吸収分割の効力が生じることを停止条件に代表取
締役に選定されたことが分かる。取締役として予選されたことは特に問題はなく、吸収分割の効
力発生によって取締役に就任する。しかし、代表取締役に就任することはできない。その理由は、
まず第一に、予選される時点では A は取締役資格を有しておらず代表取締役選定の前提を満たし
ていないこと、また第二に、代表取締役の予選については合理的期間内であれば許容されるもの
であるもののその前提として予選決議時と選定の効力発生時において取締役会の構成員に変動
がないことが必要であるところ本問の例においては予選決議時に A は取締役資格を保有してお
らず決議に参加する資格がないこと、があげられる。従って、代表取締役 A の就任については第
3 欄(登記することができない事項)に記載することになる。
③監査役 K 及び L について
監査役 K は平成 26 年 8 月 25 日に重任している。前述のように、役員の任期計算に必要な情報
はそのすべてが明確になっているわけではないものの、取締役 H 等と同様に判断を行うことに
より、監査役 K は本来平成 30 年 8 月に開催されるであろう定時総会終結まで任期があったもの
と判断することが可能である。ところが、平成 28 年 6 月 28 日に開催された臨時株主総会にお
いて、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めが廃止されたため、そ
の時点で任期満了し退任することとなった。そこで、監査役 K の後任者として監査役 L が選任
されたものである。
【規則 61 条について】
新たに取締役として就任した者(A)及び新たに監査役として就任した者(L)につき本人確認証
明書を添付する必要がある。
(7) 会社分割
ワンツー株式会社が婦人服販売事業を分割し、スリー株式会社に承継させた旨の登記である。
【実体形成】
基本的には、「吸収分割契約の締結」「各会社における株主総会決議での承認」「各会社での債
権者保護手続」が必要である。吸収分割契約書は別紙 4 のとおり作成されており、必要事項がす
べて記載されている。
ワンツー株式会社とスリー株式会社の株主の構成や純資産額等の情報は明記されていないも
のの、簡易組織再編もしくは略式組織再編が可能であるとの判断材料が示されていないため、吸
収合併契約書は原則どおり各会社において株主総会特別決議によって承認される必要があると
判断できる。ワンツー株式会社における承認は別紙 2 から得られているものと判断でき、スリー
株式会社における承認は別紙 6 により得られているものと判断できる。
吸収分割契約書の記載から、吸収分割によって承継会社であるスリー株式会社に承継される債
務については分割会社であるワンツー株式会社が重畳的に引受けを行うものとされていること
が分かる。従って、債権者保護手続はスリー株式会社においてのみ行えばよく、ワンツー株式会
社においては行う必要はない。
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