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LED - CiteSeerX
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AN-9744_JA
PFC機能内蔵 スマートLED ドライバーIC
概要
FL7701 は連続モード(CCM)で動作する ピーク電流制御方
式を用いた PWM 降圧コンバーターで、デジタル演算手法を
用 い た 力 率 改 善 ( PFC ) 機 能 を 内 蔵 し て い ま す 。 ま た 、
FL7701 は高耐圧デバイスを用いた電流源で構成される自己
バイアス回路を搭載しています。 HV 端子に加わる入力電圧
が 25V か ら 450V の 範 囲 で 、 VCC 端 子 に は 安 定 し て
15.5VDC が出力されます。更に FL7701 は安定な動作を維
持するため低電圧誤動作防止回路(UVLO) を内蔵していま
す。 VCC 電圧が VCCST+以上になると UVLO 回路が有効とな
り、 VCC が VCCST-を下回ると IC は動作を停止します。IC が
ノイズの多い環境、或いは入力電圧が不安定な場合でも安定
動作を維持できるようにヒステリシスを持っています。
図 1 および図 2 にそれぞれ、FL7701 の基本ブロック図と、
各ノードの動作波形を示します。DAC_OUT は VCC 電圧の
位相に従った信号で、FL7701 は ZCD_OUT 信号及びクロ
ック、CLK_GEN、を用いて自動的に DAC_OUT 基準信号
を生成します。FL7701 が ZCD_OUT 信号を検出できない
場合、IC 内部の基準信号は正常に生成されないため、LED
光にフリッカーを発生させる原因となります。
ドレイン電圧:
FL7701 は AC の入力条件を判断する回路を内蔵していま
す。50Hz 或いは 60Hz の AC 入力が加わった場合、IC は
その入力周波数に合わせ一定の過渡期間の後、自動的に内
部の基準信号を変更します。また、DC 入力が接続された場
合速やかに DC 波形にあわせ内部基準信号を変更します。
Vsup
ゲート電圧:
Iline
LED Load
D1
図 2.
L
ソフトスタート
FL7701
VCC
C
FL7701 動作波形
IL
VSUP_SEN
DSG
ZCD_OUT
HV
Device
HV
DSG: Digital Sine-Wave Generator
HV Device : High-Voltage Device
DAC_OUT
Driver
S
Reference
R
OUT
Isw
Q
CS
GND
図 1.
FL7701 基本ブロック図
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FL7701 はソフトスタート回路を内蔵し、IC 起動時の突入電
流を軽減しています。図 3 および 図 4 にそれぞれ、DC 入力
時と AC 入力時におけるソフトスタートの動作波形を示します。
IC が動作を開始する際、内部基準電圧は約 7 クロックサイク
ルの間、徐々に目標の値まで上昇します。この遷移時間を経
た後、内部基準電圧は DC レベルに落ちつきます。この間、
IC は継続して VCC 端子から位相情報を入手します。位相情
報の入力に成功すると、 IC は自動的に 7 クロックサイクルの
間に生成したものと同じ基準信号に従います。 位相情報が得
られない場合、IC は DC に対応した基準電圧を設定します。
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アプリケーションノート
VCC 端子での入力電圧の位相検出をより正確に高い信頼度
で行うため、FL7701 はデジタル手法(シグマ/デルタ変調/復
調)を採用しました。図 6 に示すように、このデジタル技術工
程を経た後、入力電圧と同じ位相を持つ新たな基準信号が得
られます。.
図 3.
正弦波基準信号の生成
(PFC 機能オン)
DC 入力のスタートアップ
定電圧基準信号の生成
(PFC 機能オフ)
ソフト遷移期間
Vp
Vp / 2
図 6.
図 4.
この信号は、コンパレーターに入力され、CS 端子に接続され
るセンス抵抗で得られた電流値情報と比較されます。 その結
果、FL7701 は高い力率を実現しつつ、標準的なピーク電流
制御回路として動作します。また、図 6 に示すように AC 入力
AC入力のスタートアップ
内蔵 PFC 機能
FL7701 のアプリケーション回路ではブリッジダイオードによる
整流回路の後に電解コンデンサを使用しません。理由は、そ
のようなシステムではパルス状の大きな入力電流が発生する
からです。このパルス状の電流は多くの高調波を含むため、
システム全体で高い力率を得ることができません。高力率が得
られるように、FL7701 では別のアプローチを採用しています。
モードと DC 入力モードの基準信号の関係は 2 となります。
周波数の設定
RT 端子に接続される抵抗値を変化させることで 動作周波数
をプログラムすることが出来ます。RT 端子をオープンにした
場合、FL7701 は約 45kHz の固定周波数で動作します。シ
ステムの信頼性を高くするため、RT 端子をオープンにする場
合には、100nF 以下のコンデンサを接続することを推奨しま
す。動作周波数と RT 抵抗との関係は以下のようになります:
FL7701 に搭載されている PFC 回路は特別な検出用端子、
或いは追加部品を必要としません。また、VCC 端子に電源圧
安定用のバルクコンデンサーも必要としません。
Vbridge
f OSC 
Bridge Diode
Output Voltage
Input Voltage
Peak
内部基準信号
JFET 出力電圧
2.02  109 [Hz]
RT
(1)
出力オープン保護回路
推奨配線図において、LED がオープンの場合を図 7 に示し
ます。FL7701 は高耐圧デバイスをセルフバイアス回路に使
用した高圧の電源回路です。 万が一 LED が接続されてい
ない場合、IC は起動することが出来ません。
VCC
ZCD
DAC_OUT
BD
EMI filter
LED
L1
L
D1
図 5.
内蔵PFCの動作波形
HV
図 5 に、FL7701 に内蔵された PFC の動作波形を示します。
IC は VCC 端子の電圧がゼロクロスする点を検出し、ゼロクロ
ス検出信号を(ZCD)出力します。 この信号は DAC_OUT 信
号を生成する際、内部のタイミング信号となります。一般的に
VCC 端子に接続されるコンデンサは電圧を安定化する為に
使用され、 ローパスフィルター或いはノイズ除去フィルターと
して動作します。これは、ノイズ環境の中でも VCC 端子にお
いて安定してタイミング信号を生成することを可能にします。
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D2
ADIM
C2
C1
OUT
RT
VCC
FL7701
R3
C3
L2
図 7.
CS
C4
GND
R1
R2
LED オープン状態
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アプリケーションノート
ここで、ηはシステム全体の効率、VIN(max)は入力最大電
圧値、VF は LED の順方向ドロップ電圧、n はシリーズ接
続される LED の数です。
インダクター短絡保護回路
図 8 に示すように、FL7701 は異常時過電流保護回路
(AOCP)を備えており、LED 電流センス抵抗に発生する電圧
が 2.5V, を超えた場合、350ns のリーディングエッジブランキ
ング(LEB)期間中であっても、IC は動作を停止します。
例えば、VIN(max) = 220V、10 個の LED が直列に接続された
場合、最小デューティ比、Dmin、は次のようになります:
Dmin 
10  3.5
 0.132
0.85  2  220
Step 2: 最大デューティ比
Step 1 と同様にして、最大デューティ比、Dmax、は次のように
求まります:
Dmax 
nV F
(3)
  Vin (min)
60
[%]
Duty
50
40
図 8.
異常時過電流保護回路(AOCP)
30
20
アナログ調光機能
10
アナログ調光(ADIM) 機能は ADIM 端子の電位を変化させ
ることで LED 出力電流を増減させます。.
0
0
5
10
15
[ms]
アプリケーション情報
図 9.
FL7701 は LED アプリケーション向けにデザインされた斬
新な降圧コンバーターIC です。AC 及び DC 双方の入力
に対応し、それぞれ 305VAC、または 400VDC の電圧レベル
まで入力可能です。
FL7701 はサブハーモニック発振を防ぐため最大デューティ
比を 50%に設定しています。デューティ比を 50%にする入力
電圧を最小入力電圧とすると、CCM 動作時における 式 3 を
変形し、求める入力最小電圧は次式により与えられます(図
10 参照)。
表 1 に FL7701 デバイスを用いた設計例の目標規格を示し
ます。
表 1.
設計例の目標規格
項目
規格
動作周波数
45kHz
出力電圧
35V
LED 出力電流
0.3A
rms
LED 出力電流
0.5A
Peak
入力電圧 (Max.)
220V
Vin (min) 
備考
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
35
 82.35[V ]
0.85  0.5
(4)
311V
VF=3.5V,
DCM
VAC(rms)
Expected算出された入力最小電圧
min. input voltage (CCM) :
Vin(min)=82.35V
DCM
time
DAC 基準信号による
Current
Limit on the
電流制限:
DAC
reference
図 9 に時間の経過に対するデューティ比の変化を示します。
FL7701 のデューティ比は内部で 2% から 50%の範囲と決め
られています。 デューティ比の範囲は入力電圧と、LED ストリ
ングに接続される LED 数に依存し、 最小デューティ比、Dmin、
は以下の式より求まります。
nVF
  Vin (max)
nVF
D
Input voltage
Step 1: 最小デューティ比
Dmin 
デューティ比 vs. 時間
Average
LED Current(I
平均電流 LED(ave)
LED
i
CCM
Dmin
1-Dmin
time
ton toff
(2)
図 10.
動作波形の概要
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Step 3: 最大オン/オフ期間
Step 5: インダクター
FL7701 の最大デューティ比はサブハーモニック発振を防ぐ
た め 50% に 設 定 さ れ て い ま す 。 従 っ て 、 動 作 周 波 数 が
45kHz の場合の最大オン期間は次式により求まります。
Step 4 の結果を用いて、インダクターの最小値は次式により
求まります:
t on  t off 
L
1
1

 11.11 [μs]
2 f s 90000
(VF  n)(1  Dmin ) 3.5 10 (1  0.132)

 4.5mH
f s  i
45000 0.1516
(7)
Step 4: LED のリップル電流 ∆I を求める
図 11 に FL7701 を使用したアプリケーションにおける標準的
な LED 電流波形を示します。連続モード(CCM)ではより安
定でリニアな電流波形の実現が可能です。
LED 電流が最大となる点のピーク電流値
LED 平均電流が最大となる
ピーク電流値
LED 平均電流
図 12.
リップル電流(∆I) vs. インダクタンス
LED 電流が最大となる点の
最小電流値
図 11.
標準動作LED 電流波形
図 11 に示す電流波形より、次の関係が成り立ちます:
i
2 or
i

2
I LED ( peak )  I LED ( ave. peak ) 
I LED (min)  I LED ( ave. peak )
(5)
LED のリップル電流は式(5) を変形して次のように表せます:
i  2( I LED ( peak )  I LED ( ave. peak ) )
図 13.
or
i  2( I LED ( ave. peak )  I LED (min) )
(6)
Step 6: センス抵抗
FL7701 アプリケーションにおけるセンス抵抗の値は次式で
求められます:
表 1 から、LED 実効値電流及び、LED ピーク電流の目標値
はそれぞれ 0.3A、0.5A に設定されています。
また、
I LED ( rms ) 
概略波形
R
I LED ( ave. peak )
VCS
0.5
[]

1
I LED ( peak ) 0.5
(8)
抵抗の定格電力はピーク電流値での電力消費を考慮しても
0.25W 以下です。
2
の関係を用いると、LED のリップル電流は次式により与えられ
ます:
Step 7: 動作周波数設定抵抗
スイッチング周波数設定用の抵抗値は以下の式により与
えられます。
i  2( I LED ( peak )  2  I LED ( rms ) )
 2(0.5  2  0.3)  0.1516 [ A]
Rt 
1
 2.0213  109  44.919[k]
f sw
(7)
Rt を接続しない場合の動作周波数は 45KHz です。
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図 18 および 図 19 に、ライン入力の周波数を 45Hz から
100Hz、100Hz から 45Hz にそれぞれ変化させた場合の
FL7701 の動作波形を示します。
システム検証
Error! Reference source not found.に、必要な周辺部品を
含めた FL7701 システムの推奨回路を示します。
VDRAIN[100V/div]
ILED[0.2A/div]
図 15.
推奨評価回路
図 18.
FL7701 を用いたアプリケーションで、10 個の LED を接続し、
DC 及び AC 入力 220V の場合のスタートアップ波形を図 16
および 図 17 に、それぞれ示します。
入力周波数変化: 45Hz→100Hz
VDRAIN[100V/div]
VCC[5V/div]
VDRAIN[100V/div]
ILED[0.2A/div]
ILED[0.2A/div]
図 19.
図 16.
入力周波数変化: 45Hz →100Hz
図 20 は VADIM.を変化させた時のアナログ調光の特性を示し
ます。制御電圧により LED 出力電流が変化します。
DC 入力時のソフトスタート特性
VCC[5V/div]
VDRAIN[100V/div]
ILED[0.2A/div]
図 20.
図 17.
VADMIN電位vs. LED電流
AC入力時のソフトスタート特性
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図 21 に異常時過電流保護回路 (AOCP)の標準的な動作波
形を示します。FL7701 は LED 出力電流ノイズを防ぐための
リーディングエッジブランキング(LEB)を伴い、サイクル毎の電
流制限を行っています。 サイクル毎の電流制限回路を備えて
デザイン・ヒント
LED 電流の変化
図 23 に推奨回路を用いて高力率を実現している波形を示
します。 この条件では LED 電流は半サイクル毎にゼロに
なっています。
LED 電流を制限していても、インダクター短絡による突入電
流を防ぐ こと は不可能で す。このような 異常事態 に 備え、
AOCP 保護回路が搭載されています。
VDD[3V/div]
ILED[0.2A/div]VD
RVDRAIN[100V/div
]
VCC[10V/div]
VDC[40V/div]
VCS[1V/div]
VGATE[7V/div]
図 23.
図 21.
AOCP 動作波形
標準動作波形
このデザインで、更に、図 24 に示すように LED 負荷と並列
に電解コンデンサを接続すると、 LED 電流は、より DC に近
くなります。
Error! Reference source not found.に FL7701 システムの
標準的な動作波形を示します。 LED 電流は入力電圧波形と
同じ位相であり、整流されたサイン波出力となっています。
VDD[3V/div]
ILED[0.1A/div]
VDRAIN[100V/div]
図 24.
LEDと並列に電解コンデンサを接続
VDD[3V/div]
Vgate[7V/div]
ILED[0.2A/div]
VDRAIN[100V/div]
図 22.
標準動作波形
図 25.
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コンデンサを接続した場合の標準波形
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アプリケーションノート
パワーパス
システム信頼性の向上
ノイズの多い環境のもとでシステムの信頼度を向上させるには、
100pF 以下のコンデンサを RT 端子、および ADIM 端子に
接続してください。 通常の環境ではこのような追加部品は必
要ありません。
プリント基板レイアウト・ガイドライン
LED ドライバー回路は共通アプリケーションに組み込まれる
ことが多く、 省スペースを要求されるため、プリント基板レイア
ウトは大変重要です。図 26 にレイアウト例を示します。 IC は
ノイズの影響を受けるので、プリント基板レイアウトでは以下の
ガイドラインを守ることを推奨します:
図 26.
レイアウト例
 IC をパワーパスの外側に配置する。
 パワー GND と信号線 GND とを分離する。
 VCC 用コンデンサは VCC 端子に近づけて接続する。
関連資料・データシート
FL7701 — Smart LED Lamp Driver IC with PFC Function
注意事項
フェアチャイルドセミコンダクタは、本書に記載したすべての製品に対して、信頼性、機能、及びデザインを改善する為に予告なしに変更す
る権利を所有しています。また、フェアチャイルドは ここに記載した製品或いは回路の使用及び応用に起因するいかなる債務を負うもので
はなく、また、当社の特許権または第三者の権利に基づくライセンスを許諾するものではありません。
生命維持装置への使用について
フェアチャイルドセミコンダクタの製品はフェアチャイルドセミコンダクタコーポレーション社長の書面による承諾がない限り生命維持装置
または生命維持システム内の重要な部品に使用することは認められていません。
ここで、
1.
2.
生命維持装置または生命維持システムとは、(a) 外科的に体内に埋め込
まれて使用されることを意図したもの、(b) 生命を維持或いは支持する
もの、(c) ラベルに表示された使用法に従って適切に使用された場合に
その不具合が使用者に重大な損傷をもたらすことが合理的に予想される
もの、をいいます。
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重要な部品とは、生命維持装置或いは生命維持システム内のあらゆる部
品を指し、これらの不具合が生命維持装置或いは生命維持システムの不
具合の原因に、またはその安全性および効果に影響を及ぼす原因になる
ものと合理的に予想されるものをいいます。
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