...

歩行分析計 MG-M1110 取扱説明書

by user

on
Category: Documents
32

views

Report

Comments

Transcript

歩行分析計 MG-M1110 取扱説明書
歩行分析計 MG-M1110
Ver. 1.0
取扱説明書
三菱化学メディエンス株式会社
-1-
目次
加速度センサーを用いた歩行解析........................................................................................................................... 3
名称及び仕様、注意事項等......................................................................................................................................... 4
本書の構成......................................................................................................................................................................... 6
測定編................................................................................................................................................................................... 7
ゲイト君Ⓡの準備.......................................................................................................................................................... 7
充電.............................................................................................................................................................................. 7
ゼロ点補正................................................................................................................................................................ 8
ゲイト君Ⓡの使用方法 ................................................................................................................................................ 9
<24 時間計測を行う場合>.............................................................................................................................. 9
<定距離歩行計測を行う場合> ...................................................................................................................11
<リアルタイム計測>.........................................................................................................................................13
<データを削除する>........................................................................................................................................14
分析編.................................................................................................................................................................................15
ゲイトビューⓇのメニュー構成 ...............................................................................................................................15
ゲイトビューⓇの立ち上げ.......................................................................................................................................20
メインウインドウの見方 ...........................................................................................................................................22
メインウインドウ(時系列図)の表示範囲を数値で指定する方法...........................................................26
メインウインドウ(時系列図)の表示範囲を数値で指定する方法...........................................................27
定距離歩行計測の結果を分析する場合の範囲指定方法 .......................................................................28
METs 推算機能を利用する範囲指定方法 ......................................................................................................28
①歩行率・力強さの相関....................................................................................................................................31
②歩行率比較 ........................................................................................................................................................33
③加速度パターン比較.......................................................................................................................................34
軌道解析.......................................................................................................................................................................35
①軌道図..................................................................................................................................................................35
②運動軌道 .............................................................................................................................................................37
METs 推算....................................................................................................................................................................39
レポート機能................................................................................................................................................................43
-2-
加速度センサー
加速度センサーを
センサーを用いた歩行解析
いた歩行解析
加速度センサーを腰につけて歩くと、着地した時や蹴り出した時に地面から受ける反力が下肢
を伝わって腰に届くため、加速度センサーがこの反力を記録します。また、左右方向への身体の
動きも加速度センサーに記録されます。その結果、例えば下の図のような加速度波形が観測でき
ます。
歩行動作に伴って腰部に発生する加速度の例
日常行動に伴って発生する様々な加速度波形の中から、歩行動作に特徴的なパターンを見つ
け出して詳細に解析することで、歩行周期や歩行動作の力強さを評価することが可能になります。
これらの指標は、被験者の健康状態や病気の容体を推察するのに役立ちます。
本品は3軸加速度を記録するモーションレコーダー「ゲイト君 MG-M1110-HW」と専用解析ソフト
ウェア「ゲイトビュー MG-M1110-PC」をインストールしたコンピューターで構成されています。
ゲイト君 MG-M1110-HW を腰につけて丸一日生活すると、膨大な量の加速度データを蓄積し
ていきます。解析はゲイトビュー MG-M1110-PC で行います。被験者がどの時間に歩いたのか、
そしてその時の様子はどうだったのか、簡便に調べることができます。
[参考]
歩行により発生する加速度波形は被験者により異なります。上図は一例であり、必ずこ
のような加速度波形が出るものではありません。蹴り出しに伴う波形が表れない場合や、
左右方向への身体の動きが顕著に観測されない場合などがあります。
本歩行分析計は、歩行動作に伴って発生する加速度を手がかりに歩行分析を行います
ので、検出限界があることをご理解の上ご使用ください。また、自転車漕ぎやジョギング等
のリズミックな運動も検出することがあります。
-3-
名称及び
名称及び仕様、
仕様、注意事項等
歩行分析計 MG-M1110
医療機器届出番号: 13B3X10041000101
類別:機械器具 24 知覚検査又は運動機能検査用器具
一般的名称:歩行分析計 JMDN コード:35757000
医療機器分類:一般医療機器
禁忌・禁止:
本装置は防水型ではないので、装置を水に濡らさない。
本装置は防爆型ではないので、装置の近くで可燃性及び爆発性の気体を使用しない。
本装置は精密電子機器なので、極端に高い磁場のかかる場所や強い電波の発生する場
所に持ち込まない。
形状・構造:
本装置は、
① モーションレコーダー「ゲイト君 MG-M1110-HW」
付属品(USB 充電器、USB ケーブル、ベルト)
② 専用解析ソフトウェア「ゲイトビュー MG-M1110-PC」
(コンピューターにインストール済)
付属品(ドングルキー)
からなります。
※①および②は単体の場合もあります。
ゲイト君 MG-M1110-HW
寸 法 :75 × 50 × 20 mm
重 量 :約 120g
電 源 :リチウムイオン二次電池(1700mAh)
定 格 :電源電圧 max.6.5V
充電電流:max.500mA
使用目的、効能又は効果:
歩行パターンを試験する装置です。
歩行中、足で地面を蹴り出した時や着地した時に生じる地面の反力などを腰に装着したモー
ションレコーダーで計測します。計測した加速度データを専用のソフトウェアで解析し、歩行や
歩行に関連した問題の診断の支援に用います。
品目仕様等:
①ゲイト君 MG-M1110-HW
検出範囲:±50 m/sec2、
検出軸:3 軸 精度 ±10%
計測周期:10msec、
連続計測時間:24 時間(フル充電時)
A/D 分解能:1024LSB(10bit)
通信規格:USB 1.1
-4-
②ゲイトビュー MG-M1110-PC (コンピューターにインストール済)
歩行動作検出範囲:平均加速度 2m/sec2 以上かつ歩行周期 0.8~1.5 秒の歩行動作
使用上の注意:
使用温度: 5~40℃
水に濡れる恐れのある場所や結露するような条件・高湿度環境下で使用しないでください。
使用前にゲイト君 MG-M1110 を十分に充電してください。
機器に発熱や異音などの異常が発見された場合は機器の使用を中止してください。
機器は清浄な布巾による乾拭きで清掃してください。
貯蔵・保管方法及び使用期間等:
保存温度: 0~45℃
水に濡れる恐れのある場所や結露するような条件・高湿度環境下で保管しないでください。
保証期間:1年間
保証期間内は弊社にて無償で修理・点検を行います。保証書の提示が必要になります
ので、保証書を大切に保管してください。
取扱い上の注意:
落としたり、衝撃を与えないようにしてください。
保守・点検に係る事項:
一ヶ月に一回程度、ゲイト君 MG-M1110-HW の加速度センサーの較正(ゼロ点補正)を実
施してください。
ゼロ点補正を実施すると、加速度センサーの較正が行われるとともに、
ゲイト君 MG-M1110-HW の内部時計がコンピューターと同期します。
リチウムイオン二次電池が空になるまで電池を使用した場合は、
内部時計も止まるため、必ず電池の充電とゼロ点補正を行ってください。
長期間使用しなかった場合も、使用前に充電とゼロ点補正をし、
ゲイト君 MG-M1110-HW が正常かつ安全に作動することを確認してください。
-5-
本書の
本書の構成
本書は大きく分けて、測定編、分析編の 2 編構成となっています。
測定編
ゲイト君 MG-M1110-HW(以下、ゲイト君Ⓡと略称します)の準備
ゲイト君Ⓡの使用方法
分析編
ゲイトビュー MG-M1110-PC(以下、ゲイトビューⓇと略称します)の構成
ゲイトビューⓇの立ち上げ
ゲイトビューⓇの利用
-6-
測定編
ゲイト君
ゲイト君Ⓡの準備
充電
ゲイト君Ⓡの充電は付属の USB 充電器及び USB コードを用いて行ってください。
1.
USB 充電器を家庭用コンセント(100V)につなぎます(図 1)。
図1
2. USB 充電器に USB コードの長方形端子(A 端子)を差します(図 2)。
図2
3. USB コードのもう一方の端子(ミニ A 端子)をゲイト君Ⓡ本体の USB ソ
ケットに差します(図 3)。
図3
4. ゲイト君Ⓡ本体の USB ソケット脇にある黄色の充電表示用 LED が点
充電表示
用 LED
灯し、充電を開始します(図 4)。
図4
充電には最大300分程度かかります。
充電表示用 LED が消灯したら充電終了です。
注意
1 日測定したら必ず充電してください。
ゲイト君Ⓡ本体内部の時計を動作させるために電力を消費しています。すぐに使用しない
場合でも1ヶ月に 1 回程度再充電をしてください。
-7-
ゼロ点補正
ゼロ点補正
1. ゲイト君Ⓡに microSD カードが挿入されていることを確認して
下さい。
microSD カードは、あらかじめゲイト君Ⓡに挿入さ
注意
れていたものを用いてください。
図 5 USB 接続
2. ゲイト君Ⓡのスイッチが OFF の状態であることを確認し、
USB ケーブルでゲイトビューⓇがインストールされたコンピュ
ーターと接続してください(図 5)。
3. ボールペンの先等で「PC-Mode」ボタンを押しながらスラ
イドスイッチを ON にしてください(図 6)。
4. ゲイト君 Ⓡ のロゴ面が上になるように置いてください(図
図6
PC-Mode を押しながら
スライドスイッチ: ON
7)。
5. ゲイトビューⓇを立ち上げ、「ツール」メニューの「モーショ
ンレコーダー」から「ゼロ点補正」を選択してください。詳しく
は「ゲイトビューⓇの立ち上げ」(p.20)をご覧ください。
6. 「実行できます」と表示されたら「実行」ボタンをクリックし
てください。ゼロ点補正が完了するまでゲイト君Ⓡは動かさな
いでください。
図7 ロゴ面を上に
7. 「完了」と表示されたらスライドスイッチを OFF にし、USB
ケーブルを抜いてください。
注意
ゼロ点補正を実施すると、センサーの較正が行われるとともに、ゲイト君Ⓡの内部時計が
コンピューターと同期します。月に一回程度は実施してください。
-8-
ゲイト君
ゲイト君Ⓡの使用方法
<24 時間計測を
時間計測を行う場合>
場合>
日常生活の中では、いつ歩行動作をするかわかりません。このため、ゲイト君Ⓡは一秒間に 100
回の高速サンプリングで 3 軸加速度データを 24 時間以上の長期にわたって蓄積できるように設計
されています。ゲイト君Ⓡを腰回りのどこかに装着して、あとは普通に暮らすだけで加速度データ
が貯まっていきます。一日かけて得られた膨大な量の加速度データから、いつ歩いたのか、どれ
だけ歩いたのか、そのときの様子はどうだったのか、全て専用の解析プログラム「ゲイトビューⓇ」
を使って評価することができます。
軌道図による評価や加速度パターン比較などの特殊な分析を除いて、ゲイト君Ⓡの装着場所に
制約はありません。腰回りのどこにつけても、途中で位置を変えても、ゲイトビューⓇは歩行動作を
見つけ出します。
注意
歩行速度や歩幅を把握するためには、10m 歩行のような定距離歩行計測を行う必要があ
ります。また、歩行動作の左右差を把握するためには、ゲイト君Ⓡを腰椎の真後ろ(あるい
は腹部中央)に装着する必要があります。詳細は<定距離歩行計測を行う場合>を参考
にしてください。
1. ゲイト君Ⓡに microSD カードが挿入されていることを確認し
て下さい。(図 8)
注意
microSD カードは、あらかじめゲイト君Ⓡに挿入されて
いたものを用いてください。
2. ゲイト君Ⓡのスライドスイッチを ON にして下さい。(図 9)
最初に赤・黄色の LED が点滅し、次に青の LED が点滅し
図 8 SD カード挿入位置
始め、計測が始まります。
注意
赤の LED が点滅あるいは点灯し続けて、いつまでも青の
LED が点滅しないときは、下記の順序でご確認ください。
① 一度スライドスイッチを OFF にして、microSD カードが正し
く挿入されているか確認して下さい。
② それでも赤の LED の点滅あるいは点灯が続く場合は、
図 9 スライドスイッチ:O
ON
先のとがったもので「Reset」ボタンを押して、赤の LED が
消灯することを確認して下さい。
③ ゼロ点補正を行ってください。(p.8)
ゼロ点補正を実施すると、センサーの較正が行われるとともに、ゲイト君Ⓡの内部時計
がコンピューターと同期します。異常がなくても月に一回程度は実施してください。
④ ゼロ点補正を行っても赤の LED が点滅し続ける場合は使用を中止して販売店またはお
問合せ先にご連絡ください。
-9-
(保存測定回数の制限)
測定データは microSD カードに保存されていますが、保存できるのは最大 100 回(スライドス
イッチを ON にして、その後 OFF にするまでを 1 回と数えます)までです。101 回目の場合、
赤の LED が点滅します。その際は、測定データ取得のデータ操作で「書出し後、削除」(推
奨)あるいは「削除のみ」で測定データを削除してください。
(データ操作は「書出し後、削除」を強くお勧めいたします。)
3. ゲイト君Ⓡをベルトに入れ、装着して下さい。長時間連続装着をし
て歩行周期の日内変動等の評価を行う場合には、腰のどの位置に
装着しても正しく計測できます。計測途中でゲイト君Ⓡの位置が変わ
っても計測に支障はありません(図 10)。ただし、加速度パターン比
較や軌道図描画や運動軌道描画など歩行動作の左右差評価を行う場
図 10 装着例
合は、定距離歩行計測の方法に準じてゲイト君Ⓡ を腰椎の真後ろか腹
部中央に装着してください。
就寝時にも計測を続ける場合は邪魔にならない装着位置へ
ずらしてください。
バッテリ残量が 30 分以下になると計測中に赤の LED が点滅
します(図 11)。このような場合、計測を一旦中止して充電して下
図 11 赤 LED 点滅
さい。
4. 測定が終了したら、青の LED が点滅していることを確認してからスライドスイッチを OFF にして
下さい。 赤の LED が点灯し、青と緑の LED が点滅します。約 3 秒後、全ての LED が消灯します。
注意
赤の LED が点灯し続けて、いつまでも消えないときは、ボールペンのペン先などで
「RESET」ボタンを押してください。このような場合でも、スライドスイッチを OFF にするまで
青の LED が正常に点滅していたのであればデータは保存できています。そのまま解析作
業を行ってください。
- 10 -
<定距離
定距離歩行計測
歩行計測を
計測を行う場合>
場合>
ゲイト君Ⓡを用いて定距離歩行計測(10m 歩行など、歩行距離を定めて行う計測)ができます。
定距離歩行計測で、速度や歩幅に関する情報を得ることができます。また軌道図描画や運動軌
道描画といった軌道解析が可能です。
※ 別売りのリモコンスイッチを用意してください。
以下、10m 歩行を例にとります。
1. 15m 以上の距離が直線で確保できる場所を選んでください。
2. 10m の距離を測って解析開始地点と解析終了時点が判るように印をつけてください。
その際、歩行を開始してから充分な加速期間が得られるよう、解析開始地点の手前に3m程度
の区間を設けてください。また、解析終了地点を通過した後すぐに立ち止まるのではなく 1,2 歩は
余計に歩けるようなスペースを設けてください(図 12)。
図 12 10m歩行計測の準備
3. ゲイト君 Ⓡ にリモコンスイッチ(オプション)を接続してください
(図 13)。
図 13 リモコンスイッチ
4. ゲイト君Ⓡのスライドスイッチを ON にしてください(図 14)。
図 14 スライドスイッチ:O
ON
- 11 -
5. 青の LED が点滅し始め計測が始まりましたら、ゲイト君Ⓡをベ
ルトに入れて腰椎の真後ろ(あるいは腹部中央)に固定してくだ
さい。
注意 腰椎の真後ろに装着する場合、ベルトのポケットが背中
にくるように装着し、microSD というロゴが見える状態でゲイト君
Ⓡ
を持ち、そのままベルトのポケットに入れてください。腹部中央
に装着する場合はポケットを正面に向け、ゲイト君Ⓡのロゴが見
えるように持ち、そのままポケットに入れてください。
図 15 腰椎の真後ろに装着
[参考] ゲイト君Ⓡの X, Y, Z 軸の各向きは(図 16)の通
りです。
Y 軸(上下動):上方向への加速度が(+)
Z 軸(前後方向):前への加速度が(+)
X 軸(左右方向):左への加速度が(+)
図 16
ゲイト君Ⓡの X、Y、Z 軸方向
6. スタート地点から歩行を開始し、計測終了地点の数歩先まで歩行を継続してください。その際、
計測開始地点通過時と計測終了地点通過時の 2 回、リモコンスイッチを押してください。
7. 測定が終了したら、青の LED が点滅していることを確認してからスライドスイッチを OFF にして
ください(赤の LED が点灯し、青と緑の LED が点滅します)。約 3 秒後、全ての LED が消灯しま
す。
注意
赤の LED が点灯し続けて、いつまでも消えないときは、ボールペンのペン先などでリセッ
トボタンを押してください。このような場合でも、スライドスイッチを OFF にするまで青の LED
が正常に点滅していたのであればデータは保存できています。そのまま解析作業を行っ
てください。
(保存測定回数の制限)
測定データは microSD カードに保存されていますが、保存できるのは最大 100 回(スライドス
イッチを ON にして、その後 OFF にするまでを 1 回と数えます)までです。101 回目の場合、
赤の LED が点滅します。その際は、測定データ取得のデータ操作で「書出し後、削除」(推
奨)あるいは「削除のみ」で測定データを削除してください。
(データ操作は「書出し後、削除」を強くお勧めいたします。)
8. 分析を行う際には、「定距離歩行計測の結果を分析する場合の範囲指定方法」(p.28)に従って
分析してください。
- 12 -
<リアルタイム計測
リアルタイム計測>
計測>
ゲイト君Ⓡとコンピューターを USB ケーブルでつないだ状態で計測することができます。ゲイト君Ⓡ
のゼロ点補正や補正後の動作確認にお使いください。
1. ゲイト君Ⓡに microSD カードが挿入されていることを確認して下
さい。
microSD カードは、あらかじめゲイト君Ⓡに挿入されてい
注意
たものを用いてください。
2. ゲイト君Ⓡのスイッチが OFF の状態であることを確認し、USB
図 17 USB 接続
ケーブルでゲイトビューⓇがインストールされたコンピューター
と接続してください(図 17)。
3. 先のとがったもので「PC モード」を押しながらスライドスイ
ッチを ON にしてください(図 18)。
4. ゲイトビューが立ち上がっている状態であれば、「ツール」
メニューの「モーションレコーダー」から「リアルタイム計測」
を選択してください。ゲイトビューⓇの立ち上げから行う場
Ⓡ
図 18 PC モードを押しながら
スライドスイッチ: ON
合は「ゲイトビュー の立ち上げ」(p.20)をご覧ください。
5. サンプリング周期選択画面が現れます。5,10,50,100,500msec のいずれかを選択してください
(図 19)。
図 19 リアルタイム計測
[参考]
リアルタイム計測以外の計測ではサンプリング周期は選択できません。10msec に固定
されています。
6. スタートボタンを押してください(
)。計測を開始します。
7. 計測を止めるときはストップボタンを押してください(
8. 測定が終了したら、スライドスイッチを OFF にして下さい。
- 13 -
)。
<データを
データを削除する
削除する>
する>
ゲイト君Ⓡには 100 回分の計測データしか保存できません。このため、PC に計測データをコピー
したらゲイト君のメモリーから計測データを消去する必要があります。
ゲイト君 ®に保存されているデ
ータを消去するには、まずゲ
イト君 ® をリアルタイム計測の
状態にして下さい。その後、ゲ
イトビュー ® の「ツール」メニュ
ーから「モーションレコーダー」
→「測定データ取得」と選択し
て下さい(図 20)。
図 20 測定データ取得
測定データ取得ウインドウが開きますので、削除したいデータをクリックして選択します。Shift キー
を押しながら選択することで複数データを同時に選択することも可能です。「データ操作」のリスト
ボック スから「 削除のみ」又 は
「書出し、削除」を選択(図 21)し、
実行を押すとゲイト君のメモリー
からデータが削除されます。
※データを削除する前に「書出
しのみ」の作業を行い、フォルダ
等にデータが保存されているの
を確認してから削除することを
お勧めします。
図 21 データ操作
- 14 -
分析編
ゲイトビューⓇのメニュー構成
メニュー構成
ゲイトビューⓇのメニュー構成は図22のとおりです。
図 22 ゲイトビューⓇメニュー全体構成図
1. 「ファイル」メニュー
過去に記録したデータを呼び出したり、加速度データをCSV形式で書き出すことができます。
①「開く」
過去に計測してコンピュータに保存しておいたデータを呼び出します。
②「書き出し」
加速度データをExcelなどで加工しやすいCSV形式で書き出します。
一行に、測定開始時間からの経過時間(sec)、x方向加速度(G)、y方向加速度(G)、z方向
加速度(G)の順に書出されます。
この時に書き出されるデータはメインウィンドウで表示された時刻範囲および表示間隔のものとな
ります。
- 15 -
③「画像を保存」
メインウインドウに表示されている画像をJPG形式で保存できます。
2. 「表示」メニュー
メインウインドウの表示に関する操作ができます。
①「表示範囲」
数値入力によりメインウインドウの表示範囲を指定できます。詳しくは「メインウインドウ(時
系列図)の表示範囲を数値で指定する方法」をご参照ください(p.27)。
②「マーカーファイル」
24時間解析をWeb経由で申し込まれた場合(※次ページをご参照ください)は、マーカーファ
イルをダウンロードしていただくことで解析結果をゲイトビュー上で利用することが可能になり
ます。このメニューでダウンロードしたマーカーファイルを指定してください。
③マーカー消去
上記「マーカーファイル」で呼び出したマーカーをメインウインドウから消す場合に用いま
す。
④オーバービュー
通常はメインウインドウが開いた時点でオーバービュー画面も開きます。この画面を一度閉
じた後で、再度開く場合に選択してください。
3. 「解析」メニュー
構成を図23に示します。
図 23 解析メニューの構成
- 16 -
① メインウインドウでは解析範囲を指定(10分以内)して歩行動作の抽出を行うことが出来ます。
「ステップ抽出」という操作を実行すると、歩行に伴う加速度のピークをプログラムが見つけ出
し、ステップマーカーをグラフ上に付与します。これをもとに歩数・歩行周期やステップ時間など
を算出し、表示していきます。詳しくは「メインウインドウの見方」(p.22)をご覧ください。
注意
ゲイトビューⓇ は一連の歩行動作に要する時間を「歩行周期」として算出しています。例
えば、右足を着地してから次に右足を着地するまで
の時間が「歩行周期」となります。従いまして、1 周期
の中で着地は右足と左足の各一回行われます。こ
れに対して、「ステップ時間」は一歩に要する時間で
す。右足着地から左足着地に至る時間と左足着地
から右足着地に至る時間の2つの「ステップ時間」が
想定され、これらを足し合わせたものが「歩行周期」
に相当します。
② 「ステップ抽出」を行うと、この結果を利用して
「歩行率・力強さの相関」、「歩行率比較」、「加速度
図 24
パターン比較」を行うことが出来ます。
③ この他、「軌道図」や「運動軌道」、「METs 推算」
などの解析ツールを揃えています。詳しくは各解析の説明ページをご覧下さい。
※24 時間計測したデータにつき、有償にて解析を受託いたします。本サービスのご提供にあたっ
ては、別途弊社と契約を締結する必要がございます。詳細はお問い合わせください。
- 17 -
4. 「ツール」メニュー
モーションレコーダーの制御とイベントトリガーの利用、レポート機能を利用することが出来ます。
モーションレコーダーの制御についての詳細は、測定編に記載しています。
① イベントトリガー
メインウインドウ上で任意の範囲を拡大して解析したあとで、その範囲をファイルとして記憶させ
ておくことが出来ます。後日、同じ範囲を呼び出して利用する際に便利です。保存する際には「トリ
ガー保存」、呼び出す場合には「トリガー読込」を行ってください。「トリガー保存」をするには、メイ
ンウィンドウで表示範囲を設定したのちに、「表示」メニューから「表示範囲」を選択し、「保持」ボタ
ンを押します。その後、「トリガー保存」を選択し、トリガー保存ウィンドウで「書出し」ボタンを押し、
保存するトリガーファイルを指定して「保存」ボタンを押すと、トリガーファイルが保存されます。
なお、METs推算の結果を利用して範囲指定を行った場合、プログラムが自動でトリガーを作成
します。
既にトリガーファイルが作成されている場合、トリガー情報を追加するには「表示」メニューから
「表示範囲」を選択し、「保持」ボタンを押してください。メインウインドウに表示している範囲の左端
と右端の時間情報を追加して記憶します。同じトリガーファイルで保存することもできますし、別名
のトリガーファイルで保存することもできます。
② レポート機能
図25にレポート機能の構成を示しています。
図 25 レポート機能の構成
- 18 -
5. 「設定」メニュー
以下の設定ができます。
① 自動再読込み
メインウインドウでは加速度グラフを円滑に表示させるため、必要に応じてデータを間引いてい
ます。解析したい範囲を絞りこむ過程で間引きの程度は自動的に調整されますが、24 時間計測
のような膨大なデータを表示・解析する場合は表示範囲を変更する度にデータを読み込み直すた
め、プログラムのレスポンスが低下することがあります。このような場合、「自動再読込み」のチェ
ックを外していただくとレスポンスが良くなることがあります。(初期設定:有効)
② リピート再生
軌道図(p.35)を描画させてその動きを再生する際、指定範囲の最後まで描画した後の処理を指
定します。デフォルトはリピート再生になっています。一度だけ描画させ、その後は停止させたい
場合はチェックをはずしてください。(初期設定:無効)
③ イベント時刻調整
10m 歩行などの定距離歩行計測のデータを解析する際、イベントスイッチにより記録されたイベ
ント時刻を手がかりに範囲指定をしていきますが、その過程でイベント時刻間の連結を調整する
ために用います。
通常はチェックが入った状態で解析を進めてください。(初期設定:有効)
6. 「ヘルプ」メニュー
以下の情報が得られます。
① 「マウス操作一覧」
② 「短縮キー一覧」
③ 「ライセンス更新」
④ 「バージョン情報」
ドングルキーを用いてゲイトビューⓇを使用する場合、「ライセンス更新」は必要ありません。他
のメニューは適宜参照してください。
- 19 -
ゲイトビューⓇの立ち上げ
1. コンピューターを起動し、付属のドングルキーを USB ポートに挿し込んでください。
2. ゲイトビューⓇのアイコンをダブルクリックします〔
〕 。
注意 ゲイトビューを起動する前に、付属のドングルキーを USB ポートに挿し込んでください。
3. 測定データが入っているフォルダを訊
いてきますので、既にコンピューター内
に取り込んだ測定データを閲覧したい
場合は、この画面で閲覧したいファイ
ルのあるフォルダを指定します
(図 26)。
ゲイト君Ⓡに保存されているデータを
コンピューターに保存したい場合は画
面右下の「取消し」ボタンを押してくだ
さい。リアルタイム測定画面へ進みま
図 26
す。その後、「ツール」メニューから「モ
ーションレコーダー」→「測定データ取
得」と選択してください。ゲイトビューⓇのプログラムフォルダの中にある[gait_data]フォルダに自
動保存されます(保存先は任意に変更できます)。
4. 測定データを保存したいフォルダと、ゲ
イト君Ⓡから取り出したいデータを選択し
て「実行」を押します。このとき、「データ
操作」のリストボックスから操作内容を
指定することで、ゲイト君Ⓡに保存されて
いるデータを消去することもできます。
また、「取得したデータを表示」にチェッ
クを入れると、データを取り込んだ後でメイ
ンウインドウを表示できます(図 27)。
[参考] ゲイト君Ⓡは記憶媒体として
図 27
microSD カードを使用しています
ので、市販の SD カードアダプタ等を用いてデータをコンピューターに転送することもでき
ます。
付属の microSD カード(東芝製 SD-MF002G)以外のものは使用しないでください。
- 20 -
指定したフォルダに複数の計測データ
がある場合は、画面左上のリストボック
スが赤色点滅しますので、画面左上の
リストボックスから改めて閲覧したい計
測データを指定してください(図 28)。
リストボックスに表示されているのは、
計測日時と計測された時間です。
表示例:
2010.04.13 15:28:51 [9min]
上記例の場合、このデータは 2010 年 4
月 13 日 15 時 28 分 51 秒から約 9 分間
図 28
計測されたものであることがわかりま
す。
- 21 -
メインウインドウの
メインウインドウの見方
最初に表示されるオーバービュー画面とメインウインドウは時系列に沿って加速度データを表
示する画面です。
1.
オーバービュー画面(図 29)はデータ全体を俯瞰するための画面です。ゲイトビューメインウイ
ンドウを開くと同時に表示されている範囲が全データの中でどの箇所にあたるのかをクリーム
色の帯で表示します。
図 29
[ 参 考] 一 度 閉 じたオ ーバ ー ビュー 画面 を再び 表示 させ た い 場合 は 、メイン ウイ ン ド ウの
〔
〕ボタンを押して全データをメインウインドウ上に表示させてから、「表示」メニューの「オ
ーバービュー」を選択してください。
2.
解析はすべてメインウインドウ上で行います(図 30)。
図 30
メインウインドウでは、通常はデータを間引いて表示しています。間引きの程度はメインウインド
- 22 -
ウの上部右側に表示されている“表示間隔”を見ることで分かります。計測は 10msec 間隔で行っ
ていますので、表示間隔が 110msec なら、全データの中から 11 個おきにひとつのデータを表示に
用いていることになります。詳細に見たい範囲を指定して拡大表示することで、データの間引きは
少なくなっていきます。表示範囲が 50 秒以下になると、指定した範囲内のすべてのデータを用い
て表示します。
“表示サイズ”は画面上に表示させるデータの総数(各軸ごと)を指定するリストボックスです。
デフォルトで 5000 が指定されていますが、これはメインウインドウ上に各軸 5000 点のデータがプ
ロットされていることを意味します。500, 1000 に変更することができます。
図 30 は全体で約 9 分の計測データを表示しています。この段階で、活動量の高い時間帯と安
静にしている時間帯を見つけることができます。なお、「解析」メニューの「METs 推算」を選択する
と、活動量の大きい時間帯を選択して拡大表示できます。詳しくは「METs 推算」(p.39)をご覧くださ
い。
3. メインウインドウ上の見たいエリアを指定する場合は、左マウスボタンを押したままマウスを左
上から右下に向かってドラッグします(図 31)。
指定した範囲が青く反転し、その上側に指定された範囲の時間(図 31 の場合、3 分 2 秒 142)
が表示されます。
図 31
- 23 -
4. 指定した範囲が拡大されます(図 32)。
図 32
[参考] データがグラフの表示範囲からはみ出る場合は以下の 3 つの方法で解決できます。
ⅰ)グラフ上で左マウスボタンを押しながら、マウスを右下から左上に向かってドラッグする。
ⅱ)Ctrl キーを押しながらマウスのホイールを手前に回転させる。
ⅲ)グラフ上で右マウスボタンをクリックして表示されるメニューから自動調整を選択する。
図 33
図 33 は Y 軸データの一部がグラフ上端に隠れ、Z 軸データが殆どグラフに表示されていません。
上記ⅰ~ⅲのいずれかの操作を行うことにより、データの表示範囲を調整することができます。
- 24 -
5. 上記 3,4 を繰り返すことで歩行の状態を詳しく観察することができます(図 34)。
図 34
画面右上の表示間隔(グラフの右上に表示)が 10msec になると、それ以上精細なグラフは描け
ません。
図 34 では足を地面に着く動作と蹴りだす動作が Y 軸(グラフ中の青線)に加速度として表れて
います。X 軸(グラフ中の赤線)は一歩毎の体幹部の左右への振れを記録しています。Z 軸(グラフ
中の緑線)は歩行動作に伴う前後方向の振れを記録しています。
[参考] ゲイト君Ⓡをどのように装着するかで 3 軸の加速度の出方は変わります。また、被験者の
状態や環境(履物や路面の状況、周囲の混雑具合など)によっても波形が変わります。
- 25 -
6. 3 軸の加速度を足し合わせることで合成加速度の大きさをスカラー量として表すことができま
す。
グラフ上部の“r”マークをクリックすると、合成加速度 r が黒い線で表示されます(図 35)。
図 35
[参考] マウス操作で指定した範囲が何秒に相当するのかを表示するルーラー機能があります。
左マウスボタンを押しながらマウスを右から左へドラッグして範囲指定すると、指定した範
囲の時間が分かります(図 36)。図 36 の例では、7.822 秒となります。
この操作ではグラフの表示範囲は変わりません。ボタンを離すと時間表示が消えます。
右から左へドラッグします
図 36
- 26 -
メインウインドウ(
メインウインドウ(時系列図)
時系列図)の表示範囲を
表示範囲を数値で
数値で指定する
指定する方法
する方法
1. 「表示」メニューから「表示範囲」を選
択します。
2. 表示範囲指定ウインドウ(図 37)が
表示されますので、開始時刻,終了
時刻あるいは表示範囲を数値で入
力してリターンキーを押します。
範囲指定はスライダーを移動して
行うこともできます。その場合は範囲
指定を終えたところで実行ボタンを
図 37
押してください。表示間隔が調整できます。
3. 連続して表示間隔を変えたい場合は適用ボタンを押してください。
表示範囲指定ウインドウを開いたままでメインウインドウを閲覧できます。
4. 保持ボタンを押すと、その時点で表示されている範囲の始点と終点の時間情報をトリガーとし
て、ファイルを作成して記憶します。既にファイルが出来ている場合は時間情報を追加して記憶
します。トリガーが記憶されると、メインウインドウに新たなボタン〔
〕 が表示されます。
5. メインウインドウの表示範囲を変えても、このボタンを押すことで記憶した表示範囲へ表示を戻
すことができます(図 38)。
図 38
- 27 -
定距離歩行
定距離歩行計測
歩行計測の
計測の結果を
結果を分析する
分析する場合
する場合の
場合の範囲指定方法
定距離歩行計測では、イベントスイッチを用いて定距離歩行の開始地点を通過した時点と終了
地点を通過した時点の時間情報を記憶することができます。この時間情報を利用して範囲指定し
ます。
〕ボタンがありますので、押してください。
1.
メインウインドウ上部に〔
2.
定距離歩行計測の開始地点通過時から、終了地点通過時までの加速度変化が表示されま
す(図 39)。
図 39
リモコンスイッチを押した時点は、メインウインドウのグラフ上部にオレンジ色のマークで表示さ
れますので、マウスを左上から右下にドラッグする方法で範囲指定することも可能です。
METs 推算機能
推算機能を
機能を利用する
利用する範囲指定方法
する範囲指定方法
1.
ツールメニューから「グラフ」→「METs 推算」を選択してください。
以降の操作は「METs 推算」を参照してください(p.39)。
- 28 -
歩行動作の
歩行動作の抽出
選択します
1. メインウインドウ上で「解析」メニューか
ら「ステップマーカー」→「ステップ抽出」を
選択することで、画面に表示されている範
囲(最大 10 分間)から歩行動作を検出した
部分を抽出して描画させることができます
(図 40)。
図 40
2. 「ステップ抽出」を実行すると「解析中」という表示が出ます。この表示が消えると同時に、自動
検出された歩行の位置が●(ステップマーク)で表示されます(図 41)。
グラフ上
グラフ上にステップマークが
ステップマークが描画されます
描画されます
グラフ左端
グラフ左端に
左端にオレンジ色
オレンジ色の基準線が
基準線が表示されます
表示されます
図 41
グラフ左端に表示される基準線と重なるステップがゼロ歩目になります。加速度パターン比較など
を行う際、基準線の次のステップが「第一の足」になりますのでご留意ください。
注意
ゲイトビューⓇは、各ステップが一秒以内の間隔で続く場合に連続した歩行とみなして統
計量などを算出するようになっています。一歩に一秒以上かかるようなゆっくりした歩行を
評価する場合は、ステップ抽出を実行する際に「長周期マーカーを検出」にチェックを入
れてください。一歩に要した時間の長短に関わらず、メインウインドウ上で検出したすべて
のステップを対象として統計量が計算されます。なお、統計量表示画面でも同様の操作
が行えます。
- 29 -
歩行に
歩行に関する基本統計量
する基本統計量の
基本統計量の算出
歩行動作の抽出を行うと基本統計量を表示する画面が自
動で開きます(図 42)。
観察期間中に着地した回数が Steps(歩数)です。Interval
(歩間)は、スイング動作の回数です。
Cadence は歩行率の平均値を表示しています。
図 43 は加速度波形とプログラムが集計する各歩行の関係
を示しています。メインウインドウ上に表示されている最初の
図 42
1 歩をゼロ歩目として、そこから 1,3,5,…と奇数番目のスイング
動作に要した時間(ステップ時間)を集計したものと、0,2,4,6 番目(偶数番目)のステップ時間を集
計したものが、各々Leg1、Leg 2 の集計結果として表示されます。
集計内容は avg(平均),std
(標準偏差),min(最小値),
max(最大値),cv(%)です。
メインウインドウに表示され
ている範囲で歩行動作のとぎ
れた個所があると、統計量を
表す表に「異常値検出」という
表示が出ます。その場合は連
続して歩いている時間帯を指
定し直してください。
注意 次の一歩を踏み出す
図 43
までに一秒以上の間
があったとき、プログラムは歩行が一度途切れたものと判定します。ゆっくりであって
も連続して歩いていると評価できる試行の場合は統計量表示画面上で「異常値フィルタ
ー」チェックボックスのチェックマークをはずしてください。
統計量表示画面は右上の“×”ボタ
ンをクリックすることで閉じることが出
来ます。一度閉じた画面を再び表示さ
せたい場合は、「解析」メニューの「ス
テップマーカー」から「統計量」を選択
図 44
してください(図 44)。
- 30 -
ステップ抽出
ステップ抽出の
抽出の結果を
結果を利用する
利用する解析
する解析
歩行動作の抽出を行った後で、「解析」メニューから「ステップマーカー」を選択すると以下の解
析ができます。
・歩行率・力強さの相関
・歩行率比較
・加速度パターン比較
①歩行率・力強さの相関
メインウインドウで指定した範囲の歩行動作について、歩行率(Cadence)と歩行の力強さ(平均
加速度)を算出して 2 軸上にプロットします。複数プロットすることで日内変動や日間差を評価する
こともできます。
二次元グラフという視覚的に理解しやすい形式
で比較できますので、歩様の変化を捉える目的
に向いている表示機能です。
1. メインウインドウ上で連続して歩行している時
間帯を指定して拡大し、歩行動作の抽出(ス
テップ抽出)を行ってください。
2. 「解析」メニューから「ステップマーカー」→「歩
行率・力強さの相関」を選びます(図 45)。
図 45
3. 横軸に力強さ(平均加速度)、縦軸に歩行率
をとったグラフが表示されますので、「追加」ボタンを押します(図 46)。
図 46
4. グラフ上に点がプロットされます(図 47)。メインウインドウに表示されている歩行動作の評価結
果です。左側にグラフ、右側にデータ範囲情報と数値が表示されます。図 47 では、2010 年 4 月
13 日 15 時 29 分 24 秒 497 から 10 秒間の歩行区間で、平均加速度が 0.32G、Cadence が
111.33step/min となります。
Cadence が 60step/min 以下の場合は画面右上の「原点から表示」にチェックを入れてください。
- 31 -
図 47
5. このグラフを閉じずにメインウインドウで別の時間帯の歩行動作を指定し、追加ボタンを押すと、
新たな点がプロットされます(図 48)。同時に、グラフ下部に時間情報が表示されるようになりま
す。測定日の異なる別のファイルを選んで評価することも可能です。グラフ上に表示させる必要
がなくなった点は、グラフの右側のリストから指定して「削除」ボタンを押すことでグラフから消せ
ます。
Cadence が少なく、画面からはみ出てしまうデータを表示させるには、リストの上部にある「原
点から表示」にチェックを入れてください。縦軸の表示範囲が変わります。
図 48
6. グラフは「画像保存」ボタンを押すことにより JPG 形式で保存できます。また、「書出し」ボタンを
押すことで、計算結果を CSV 形式で書出すことが出来ます。「読込み」ボタンを押すことで過去
の計算結果を表示させることも出来ます。
- 32 -
②歩行率比較
長時間連続装着をしたデータから歩行率が経時的にどう変化したかを評価する場合や、異なる
測定日間で歩行率を比較したい場合に用います。
[参考] 歩行率比較は歩行率をできるだけ正確に計算しながら群間比較を行うため、コンピュ
ーターへの負荷が大きく、表示に時間がかかることがあります。
1. メインウインドウ上で連続して歩行している時間
帯を指定して拡大し、歩行動作の抽出(ステップ
抽出)を行ってください。
2. 解析メニューから「ステップマーカー」→「歩行率
比較」を選びます(図 49)。
3. 新たなウインドウが開きます。「追加」ボタンを押
してください(図 50)。
図 49
図 50
4. 歩行率(Cadence)がグラフで表示され、その右側に数値情報が表示されます。図 50 では、
2010 年 4 月 13 日 15 時 31 分 3 秒から約 1 分間に、112.32step/min で歩いたことが分かります。
この間の歩数は 138 歩でした。
5. 同様の操作を続けることで、連続して測定した他の時間帯のデータを用いて歩行率を計算した
り、他の測定日のデータを用いて歩行率を計算することができます。計算結果が同じグラフに
表示されるため、比較ができます。
6. グラフは「画像保存」ボタンを押すことにより JPG 形式で保存できます。また、「書出し」ボタンを
押すことで、計算結果を CSV 形式で書出すことも出来ます。「読込み」ボタンを押すことで過去
の計算結果を表示させることも出来ます。
- 33 -
③加速度パターン比較
歩行動作の抽出(p.29)により歩行動作を検出した後で実施します。歩行動作に伴って発生する
加速度(X,Y,Z,r)が、一歩おきにどのような波形になるか比較するためのグラフです。
注意 この解析を行うには、ゲイト君を図 15(p.12)のように腰椎の真後ろ(あるいは腹部中央)に
しっかりと固定してください。固定位置が正しくないと、座標位置が正しく表示されません。
1.
メインウインドウ上で連続して歩行している時
間帯を指定して拡大し、歩行動作の抽出を行
ってください。
2.
「解析」メニューから「ステップマーカー」→「加
速度パターン比較」を選びます(図 51)。
3. メインウインドウ上の加速度パターンを一歩ごと
に切り出したグラフが表示されます(図 52)。
図 51
左側のグラフはメインウインドウ上の 1 歩目,3
歩目,5 歩目,・・・と奇数番目の歩行動作に伴う
加速度を重ね合わせたものです。右側のグラフ
はゼロ歩目も含めた偶数番目の歩行動作に伴
う加速度です。X,Y,Z 軸それぞれについて表示し
ます。メインウインドウで合成加速度の強度rを
表示させているときは、rも表示します。
両グラフを比較することで歩行動作の左右差
図 52
の有無を検討することができます。
合成加速度の平均値をグラフ上部に表示していますので、力の出方(≒床反力)に左右差がある
かを検討することもできます。図 52 では、奇数番目の歩行での平均合成加速度が 0.372G、偶数
番目のそれは 0.391G となります。
注意
X,Y,Z 軸の加速度パターンを比較するときはゲイト君Ⓡを腰椎の真後ろ(あるいは腹部中
央)に装着してください。装着位置が中央からずれると加速度パターンが変わります。
4. ウインドウ幅を変えると、左右のグラフに表示される範囲が変わります。初期設定(ウインドウ
幅 50)では、ステップマーカーを中心に前後各 250mS(合計 500mS)の範囲を表示します。ステッ
プ抽出の結果、ステップ時間が 0.7 秒だった場合はウインドウ幅を 70 にするとよいです。
5. グラフは「画像保存」ボタンを押すことにより JPG 形式で保存できます。
- 34 -
軌道解析
軌道解析
定距離歩行計測のデータを用いて、以下の解析を行うことが出来ます。
・
軌道図
・
運動軌道
①軌道図
軌道図は、例えば、ある瞬間の X 軸の加速度の大きさと同じ時間の Y 軸の加速度の大きさを X
-Y グラフ上に描画し、続けて次の瞬間の X 軸の加速度と Y 軸の加速度を描画する操作を繰り返
すことで作成できます。たとえば、20 秒間では 2000 回の加速度を計測していますから、X-Y グラ
フ上には 2000 回分の2軸上の加速度の変化が曲線となって現れます。同様に X-Z グラフや Z
-Y グラフ、X-Y-Z グラフも作成できます。この分析を行う場合は<定距離歩行計測を行う場合
>(p.11)を参照して計測してください。長時間計測したデータでも軌道図による評価は出来ますが、
ゲイト君Ⓡを腰椎の真後ろ(あるいは腹部中央)に装着する必要があります。正しく装着されていな
い場合、座標位置が正しく表示されません。
ゲイト君Ⓡが加速度をどのように記録しているかを図 53 に示します。
<定距離歩行計測を行う場合>の手順
で計測した場合、メインウインドウに表示され
る加速度の意味は以下のようになります。
Y 軸(上下動):上方向への加速度が(+)
Z 軸(前後方向):前への加速度が(+)
X 軸(左右方向):左への加速度が(+)
図 53
ゲイト君Ⓡの X、Y、Z 軸方向
1. メインウインドウの「解析」メニューから「定距離歩行解析」→「軌道図」を選択します(図 54)。
図 54
- 35 -
2. 軌道図として描画されるのはメインウインドウで表示している範囲の加速度変化です(図 55)。
X軸が被験者の左右方向の加速度変化を反映します。Y軸は上下方向、X軸は前後方向の加
速度を反映します。歩行動作の左右バランスを見る場合はX-Y軸上の加速度変化を見ます。
3. メインウインドウの表示範囲を変更することで軌道図の描画範囲も変えられます。
図 55
4. 軌道図の右下にある再生ボタン〔
〕を押すと、軌道図上の黒い点が動き回ることで加速
度が変化する様子を見ることができます。
また、軌道図の下にあるスライダーを動かすと、任意の時点における加速度の様子を軌道図上
で見ることができます(図 56)。
図 56
- 36 -
②運動軌道
加速度データを 2 階積分すると距離情報になります。これを利用して定距離歩行計測をした被
験者の体幹部が上下方向、あるいは左右方向にどれ位振動したかを推定することが出来ます。
この分析を行う場合は<定距離歩行計測を行う場合>(p.11)を参照して計測してください。
1. メインウインドウ上で定距離歩行計測の試行範囲
を指定し、「解析」メニューから「定距離歩行解析」→
「運動軌道」を選択してください(図 57)。
2. 運動軌道表示画面が開きます(図 58)。
3つのグラフが表示されますが、どちらも横軸はフ
図 57
ルレンジで 10m を示します(10m 歩行の場合)。上段
のグラフは縦軸が横方向(X 軸)の振動を cm 単位で表示し
ています。下段のグラフは上下方向(Y 軸)の振動を cm 単位
で表示しています。
3 段目のグラフには、X 軸と Y 軸の加速度データとともに、
推定された各足の立脚期が表示されます。
上段グラフの右側に平均移動距離とその標準偏差が表示さ
れます。3 段目のグラフの右側には平均立脚期率(Double
Support[%])と CV 値が表示されます。
図 58 の例では、横方向(X 軸)の振動は左右それぞれの
方向について平均±1.82cm ということになります。つまり、
全体では平均 3.6cm(1.82 x 2)の横方向への振幅を伴っ
図 58
て歩いたことになります。上下方向は平均 5.3cm(2.66 x 2)
の振幅があったということになります。
3. メインウインドウで指定範囲を変更して、連続して運動軌道を表示させることが出来ます。メイ
ンウインドウの表示範囲を変える都度、「更新」ボタンを押してください。また、「画像保存」ボタン
を押すことでグラフを JPG 形式で保存できます。
注意
ゲイトビューⓇ による運動軌道計算結果は、あくまで理論上の数値です。ゲイト君Ⓡは重
力成分も記録するため、前後方向や横方向へ大きく揺れながら歩いた場合などは実際の
運動軌道との乖離が大きくなります。解析結果を評価する際にはご注意ください。
- 37 -
立脚期・
立脚期・遊脚期推定について
遊脚期推定について
運動軌道解析では 10m 歩行計測のデータを利用して、運動軌道グラフの他に立脚期・遊脚期
推定も行います。
図 59
注意
①立脚期・遊脚期推定は 3 軸の加速度をそれぞれ詳細に評価する必要があるため、力強さが不
足している歩き方やプログラムが連続歩行と評価できない歩き方(1 歩に 1 秒以上かかるなど)
などは正しく推算できない場合があります。また前後方向や横方向への体幹の揺れ方に癖が
ある歩き方は、重力成分の影響が誤差となって含まれてきます。評価にあたっては目視による
観察結果なども踏まえ、加速度波形と左右脚の関係を評価する際などに目安としてお使いくだ
さい。
②加速度データから推算する立脚期、遊脚期は他の方法で解析する立脚期、遊脚期とは原理が
異なるため、他の方法の結果と異なる場合があります。解析結果を評価する際にはご注意くだ
さい。
立脚期・遊脚期推定グラフの右側には数値表が表示されます(図 60)。
両脚支持期率(Double Support Period)の平均
値とその CV 値が数値で記載されます。歩行動作に
要する全時間のうち、両脚で身体を支えている時間
の比率が両脚支持期率で、残りの時間帯は片足支
図 60
持期率となります。
両脚支持期率の推算結果は、レポートには記載されません。
必要な場合は運動軌道解析画面上で画像保存を行ってください。
- 38 -
METs 推算
METs は、単位時間当たり体重 1kg あたりの酸素摂取量から求める運動強度の指標です。有
酸素運動における酸素摂取量を安静時の酸素摂取量との比で表現するものです。ある時間帯
に摂取した酸素の量はその時間帯に消費したカロリー量と比例し、またその時間帯の被験者
の活動量とも比例します。ゲイトビューⓇは被験者が運動している時間帯を見つけるために、加
速度データから METsを推算する機能を有しています。これにより、被験者が歩いた時間帯を見
つけやすくしています。
なお、ゲイトビューⓇの METs 推算機能は簡易的なもので、正確さを保証するものではありま
せん。活動量の多い時間帯を見つけ出すための目安としてお使い下さい。
特に、体幹部に不随意運動が現れるケースでは加速度から推算される活動量が大きめにな
りますので評価にあたってご留意ください。
注意
METs 推算は 100 回/秒で計測された 3 軸加速度情報を全て利用し計算しながら表示
していくためコンピューターへの負荷が大きく、表示に時間がかかることがあります。
1. METs 推算をしたいデータ範囲をメインウインドウ上に表示させ、「解析」メニューから「METs 推
算」を選びます(図 61)。
図 61
2. METs 推算画面が表示されます(図 62)。
赤い線が、その時間帯における METs を表します。青い線は Exercise を表します。
[参考] Exercise:「身体活動の量」を表す単位。運動強度(METs)x時間(hours)。例えば、
3METs の歩行運動を 1 時間行えば 3Ex となります。なお、Exercise の対象となるのは3
METs 以上の運動で、3METs 未満の運動は対象となりません。
- 39 -
体重欄に被験者の体重を入力して「再計算」ボタンを押すと、Execcise の代わりに累積消
費カロリー(kCal)が表示されます。
図 62
3. METs 下限欄に数値を入れると、METs がその数値以上になった時間帯を選ぶことができます。
通常、健常人であれば歩行動作は 3METs 程度の運動になりますので、まずは「3」を入力す
ると良いでしょう。高齢者など、歩行の力強さが不足気味の被験者の場合は「2.5」あるいは他
の低目の数値を入れてください。
- 40 -
4. METs が指定数値以上になった最初の時間帯がクリーム色の帯で表示されます(図 63)。
図 63
5. 同時に、メインウインドウの表示範囲が METs 推算画面のクリーム色に変わった時間帯に絞ら
れます(図 64)。
図 64
- 41 -
6. メインウインドウに新たなボタン(
)が表示されています。
一回押すごとに、METs が指定数値以上になった次の時間帯へメインウインドウの表示範囲
が移動します(図 65)。 必要に応じてさらに細かい範囲指定をして歩行評価を行ってください。
図 65
7. METs 推算画面で活動抽出ボタンを押しても同様の操作ができます(図 66)。
図 66
8. METs 推算結果の画面は JPG 形式で保存できます。「画像保存」ボタンを押してください。
- 42 -
レポート機能
レポート機能
解析した結果をもとにレポートを作成することができます。
1. ツールメニューからレポート機能を選択します(図 67)。
図 67
2. 新たなウインドウが開くのでレポートファイルを保存するフォルダを指定し、テンプレートを選択
します(図 68)。「作成後に表示」タグにチェックを入れるとレポートを画面に表示します。
以下のテンプレートが用意されています。
① 定距離歩行計測のレポート( fixed walk )
※1 初期値は 10mになっています。実際の測定距離に合わせて修正してください。
② 任意の範囲を指定して作成するレポート(Standard)
③ METs 推算で活動量が高い時間帯を選択して、その時間帯の歩様を大括りに評価する
ための表作成(Trigger Info)
図 68
- 43 -
①定距離歩行計測のレポート例
1枚目
2枚目
②任意の範囲を指定して作成するレポート例
- 44 -
③METs 推算結果を利用した表作成例
METs 推算を行い、METs 下限値を指
定した状態でレポート機能のテンプレート
から“Trigger Info”を指定すると、オーバー
ビュー画面に表示されている全領域から
活動量が指定値を上回った時間帯を求
め、各々の時間帯について歩行動作の抽
出を行います。結果は表形式で出力しま
す。
解析対象になった時間帯の途中で歩行
動作が途切れるようなケース(いったん
立ち止まるなど)では、連続歩行が途切
れる前までのデータを用いてステップ時
間や加速度の平均値を求めます。検出さ
れた歩行動作の何%が計算に用いられた
かは、データ利用率を見ることで分かり
ます。
3. 保存されたレポートはいつでも再出力が出来ます。
レポートを作成するとゲイトビューⓇのプログラムフォルダの中にある[report]フォルダに自動保
存されます(保存先は任意に変更できます)。
[report]フォルダには[report_history.html]というレポート作成履歴を表示するためのファイルも
作られます。このファイルを開くと[report]フォルダ内に保存されている過去のレポートのリストが
表示されますので、必要なファイルを指定してください(図 69)。
図 69
- 45 -
索引
METs 推算, 17, 18, 23, 28, 39, 41, 42, 43,
定距離歩行, 8, 9, 10, 11, 12, 19, 28, 35,
45
37, 43, 44
microSD カード, 5, 8, 9, 13, 20
歩行周期, 3, 4, 10, 17
PC モード, 8, 13
歩行動作, 3, 4, 9, 17, 25, 29, 30, 31, 32,
運動軌道, 10, 11, 17, 35, 37, 38
33, 34, 36, 40
軌道図, 9, 10, 17, 19, 35, 36
立脚期・遊脚期推定, 38
ステップマーカー, 17, 29, 30, 31, 34
ルーラー機能, 26
ゼロ点補正, 8, 9, 10, 13
お問い合わせ先
わせ先
三菱化学メディエンス株式会社 インフォメーション
TEL: 03-5994-2111
URL: http://www.searchgait.com/
歩行分析計 MGMG-M1110 Ver.1.0 操作説明書
2013
2013 年 3 月(第 1 版)
三菱化学メディエンス
三菱化学メディエンス株式会社
メディエンス株式会社
本内容は、予告なく変更することがあります。
- 46 -
Fly UP