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年少者・未成年者等の保護と雇用

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年少者・未成年者等の保護と雇用
Ⅵ 年少者・障害者・外国人
ポイント
1
知っておきたい!働く人の基礎知識
1 年少者・未成年者等の保護と雇用
年少者・未成年者等の保護と雇用
危険有害業務の就業制限
❶労働基準法では年少者等を次の3つに区分しています。
●満18歳未満の者には重量物を取り扱う業務、危険な業務、
衛生上有害な業務、
福
祉上有害な業務に就業させてはならないことになっています。
・児童
(満15歳に到達した年度の末日(3/31)までの者)
・年少者
(満18歳未満の者)
Q&A
・未成年者
(満20歳未満の者)
❷年少者にもすべての労働関係の法律が適用されます。
❸児童
(中学までの間)
は、
健康・福祉に有害でなく、
軽易な業務を除いて労働さ
せることはできません。
(労働基準監督署の許可が必要)
Q アルバイトの高校生は労働者?
A
年少者の証明
●満18歳未満の者を使用する事業所には、
年齢を証明する書面
(住民票や戸籍等
の公的書類)を備え付けなければなりません。また、児童を使用する事業所では、
修学に差し支えないことを証明する学校長の証明書、親権者又は後見人の同意
書も合わせて備え付ける必要があります。
労働契約
●未成年者は労働契約の主体となりますが、親権者又は後見人の同意が必要です。
また、親権者や後見人が未成年者に代わって労働契約を締結することはできま
せん。
アルバイトをする満18歳未満の高校生も立派な労働者です。
一般
の労働者に対するのと同じようにアルバイトの高校生に対しても
労働基準法等の法律が適用されます。
労働基準法は高校生や大学生というような学校の区分ではなく、
年齢
に応じて労働時間等の扱いを異にしているので、
満18歳の誕生日以
降は時間外労働
(残業)
や深夜業を命じることは法律上は可能です。
しかし、残業や深夜業は高校生の本業である学業に影響を与えるた
め、多くの学校や使用者も高校生については禁止や自粛するところ
がほとんどです。
働くルールを知らなければ不利益を被ったりトラブルのもとになり
ます。
働くルールについての基礎知識が大事です。
(参照56ページ)
労働時間及び休日
50
区 分
児 童
年 少 者
未 成 年
労働の禁止
原則禁止
禁止しない
禁止しない
法定時間外労働
×
×
○
1 日の最長労働時間
修学時間と合わせ7時間
8時間
8時間+残業
1 週の最長労働時間
修学時間と合わせ 40 時間
40 時間
40 時間+残業
深夜労働
(22 ∼ 5 時の労働)
×
(20 ∼ 5 時)
原則×
○
法定休日労働
×
×
○
変形労働時間制
×
原則×
○
51
Ⅵ 年少者・障害者・外国人
ポイント
2
知っておきたい!働く人の基礎知識
2 障害者雇用
障害者雇用
❶企業は、
一定の雇用率に達する人数の障害者を雇用すべき義務が課されています。
❷労働法規については、
障害の有無に関わらず、
適用があります。
❸障害者を、
障害を理由に最低賃金より低額で雇用することはできません。
その後30日間の解雇制限などを除き、
特に使用者に解雇制限が課されてい
ません。ただし、障害者である労働者を使用者の都合で解雇する場合には、
その旨を公共職業安定所に届け出なければなりません。
なお、傷病や治ゆ後の障害のための労働力の喪失については、解雇の合理的
な理由になるとされています。
障害者の雇用
障害者の所得保障(障害年金)
●障害者の採用に関しては、
「障害者雇用促進法」により、事業主に一定の雇用率に
達する人数の身体障害者、知的障害者または精神障害者を雇用すべき義務を課
しています。
●障害になった時期により、
受けられる年金は次のとおりです。
また、障害認定日
(初診日から1年6か月経った日)
の障害の程度により障害等級が決まり、
年金の
等級も決まります。
㋐満20歳以前から障害者であったとき…
「障害基礎年金」ただし、障害者本人
の所得制限があります。
㋑満20歳以上で国民年金加入中に障害者になったとき…「障害基礎年金」
㋒厚生年金加入中に障害者になったとき…
「障害基礎年金」+「障害厚生年金」
法定雇用率は、
○民間企業
一般の企業‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1.8%
(常用労働者56以上規模の企業)
特殊法人等‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2.1%
(常用労働者48以上規模の特殊法人及び独立行政法人)
○国、地方公共団体(職員数48人以上の機関)‥‥‥‥‥‥2.1%
○都道府県等の教育委員会
(職員数50人以上の機関)
‥‥‥2.0%
障害者の労働条件
●障害者の労働条件は、一般の労働者と特に変わることはありません。
労働基準
法、最低賃金法、労災保険法、雇用保険法などの労働法規については、障害の有無
に関わらず、全ての労働者に適用されます。
㋐賃金支払いの原則
障害者に対する賃金の支払いも、一般の労働者と変わりありません。
したがって、
賃金の支払いに関する5原則(参照14ページ)
は守らなければ
なりません。知的障害者の親などが本人に代わって受取りに来ることが
あっても、本人に支払わなければなりません。
㋑最低賃金の減額特例
賃金の支払いに関して、一般の労働者と労働の能力が異なる者については、
使用者が都道府県労働局長に申請し、許可を受けることにより個別に最低
賃金の減額特例を受けることが認められます。
㋒解雇
52 解雇に関しては、一般の労働者と同様に、
業務上の傷病による休業期間及び
*厚生年金の障害3級に該当したときは、
「障害厚生年金」3級のみの支給となります。
障害者の雇用相談・就労相談窓口
機関・電話・FAX
住 所
各公共職業安定所(ハローワーク)(参照 69ページ)
横浜東部就労支援センター
TEL312-5123 FAX312-5152
横浜南部就労支援センター
TEL775-1566 FAX775-1630
横浜北部就労支援センター
TEL937-3384 FAX937-2778
横浜西部就労支援センター
TEL390-3119 FAX390-3129
横浜戸塚就労支援センター
TEL869-2323 FAX865-3172
横浜中部就労支援センター
TEL350-2044 FAX350-2644
横浜上大岡就労支援センター
TEL844-4402 FAX844-4403
横浜市精神障害者就労支援センター
TEL475-0142 FAX475-0106
神奈川障害者職業センター
TEL042-745-3131 FAX042-742-5789
神奈川県障害者就労相談センター
TEL633-6110 FAX633-5405
神奈川障害者職業能力開発校
TEL042-744-1243 FAX042-740-1497
神奈川能力開発センター
TEL0463-96-4555 FAX0463-96-4593
業 務 内 容
職業紹介
神奈川区西神奈川 1-1-3
アートビル 4 階
①障害者・関係者に対する就労に関す
磯子区新杉田町 8-7
電機神奈川福祉センター内 る相談
②就職前の職場体験実習・就職準備実
緑区中山町 306-1
ミヨシズ・シードビル 405 習の実施
旭区柏町 36-15
③就職に向けた支援:就労準備訓練、
柏ハーモニビル 202
適性評価、職場開拓、職場実習
戸塚区戸塚町 4111
④就職後の職場定着支援:就労後の相
吉原ビル 2 階
談、継続的な職場等への訪問による
西区平沼 1-38-3
支援、職場との調整
横浜エムエスビル 4F
⑤事業主に対する障害者の雇用に関す
る相談
港南区上大岡西 2-10-21
港北区鳥山町 1735
横浜市総合保健医療センター 1 階
相模原市南区桜台 13-1
中区寿町 1-4
かながわ労働プラザ 5 階
就職を希望する障害者や、障害者を雇用
しようとする事業者に対する就労支援等
就労を希望する障害者に対し、職業相
談、職業能力の評価等
相模原市南区桜台 13-1
職業訓練
伊勢原市日向 496
53
Ⅵ 年少者・障害者・外国人
ポイント
3
3 外国人労働者
外国人労働者
❶外国人が日本で働くためには、就労可能な在留資格が必要です。
❷日本で働く全ての外国人労働者に、
労働基準法などの労働法規が適用されます。
❸外国人研修生は労働者ではありませんから、
就労することは認められていません。
❹平成19年10月1日からすべての事業主は外国人労働者の雇用(離職)
の際
に、
ハローワークへの届出が義務付けされました。
(外国人雇用状況報告制度)
就労できる在留資格
●外国人は、
「入国管理及び難民認定法」
(入管法)で定められた在留資格の範囲内
で日本での活動が認められていて、その在留期間が決まっています。
就労できる外国人は、
㋐在留資格が、外交、医療、技術などの専門職または特別な技術をもった者 ㋑永住者、定住者、日本人・永住者の配偶者など
*就労活動に制限がなく、職種を問わず就労することができます。
㋒在留資格が、留学、就学などで、入国管理局で資格外活動許可を得た者 *資格外活動の許可を得た「留学生」は原則として1週28時間以内で、
「就学
生」は原則として1日4時間まで就労できます。
㋓特定活動(外国弁護士の代理業務など)を行う者
在留期間
●在留期間は、
在留資格に応じて日本に在住できる期間のことです。
在留期間を更
新することなしに、
期間を超えて日本に在住することは、
不法滞在として認めら
れていません。
不法就労
54
知っておきたい!働く人の基礎知識
●不法就労とは次のことをいいます。
㋐不法に日本に入国して就労すること
㋑在留資格ごとに認められている活動の範囲を超えて就労すること
㋒在留期間を超えて就労すること
不法就労者は、原則として本国に強制退去させられ、さらに裁判で有罪が確
定したときは懲役や罰金が課せられます。また、これらの外国人を雇用して
不法に働かせた使用者は、不法就労援助罪として処罰されます。 *パスポート、外国人登録証明書等で在留資格、在留期間を確認することが
できます。
外国人労働者の労働条件
●国籍を問わず日本で働く全ての外国人労働者に、
労働基準法、最低賃金法、労災
保険法などの労働法規は不法就労かどうか、
パート、アルバイトといった雇用形
態、契約期間の有無などに関わらず適用されます。
㋐労災保険(参照30ページ)
不法就労かどうかに関係なく、
全ての外国人労働者に適用されます。
㋑雇用保険(参照32ページ)
就労できる在留資格があり、被保険者となる要件を備えている外国人労働
者は、全て加入することになります。
㋒健康保険・厚生年金保険(参照37ページ)
適用事業所で常時雇用される外国人労働者は必ず加入することになります。
なお、6か月以上厚生年金保険の保険料を納めた外国人労働者は、帰国の時
に脱退一時金を受給できます。
在留資格別の就労の可否と在留期間
在留資格
外 交
公 用
教 授
芸 術
宗 教
報 道
投 資 ・ 経 営
法律・会計業務
医 療
研 究
教 育
技 術
人文知識・国際業務
就労の可否
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
在留期間
任務のある間
任務のある間
3 年、1 年
3 年、1 年
3 年、1 年
3 年、1 年
3 年、1 年
3 年、1 年
3 年、1 年
3 年、1 年
3 年、1 年
3 年、1 年
3 年、1 年
在留資格
就労の可否 在留期間
企業内転勤
○
3 年、1 年
興 行
○
1 年、6 月、3 月
技 能
○
3 年、1 年
文 化 活 動
×
1 年、6 月
短 期 滞 在
×
90 日、30 日、15 日
留 学
×
2 年、1 年
就 学
×
1 年、6 月
研 修
×
1 年、6 月
3 年、2 年、1 年、6 月、3 月
家 族 滞 在
×
3 年、1 年、6 月、指定された期間
特 定 活 動
△
日本人の配偶者
3 年、1 年
◎
永住者の配偶者
3 年、1 年
◎
定 住 者
3 年、1 年、指定された期間
◎
永 住 者
◎
無期限
○:就労が認められる在留資格 ◎:活動に制限のない在留資格
△:就労の可否は個々の許可内容によるもの ×:就労が認められない在留資格
在留資格、在留期間、資格外活動の許可等については、
●東京都入国管理局横浜支局(769-1720)に問い合わせください。
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