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千葉大学フォーミュラプロジェクト 2010 年度活動報告書

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千葉大学フォーミュラプロジェクト 2010 年度活動報告書
千葉大学フォーミュラプロジェクト
2010 年度活動報告書
1
∼目次∼
1. はじめに
3
2. 第8回全日本学生フォーミュラ大会
4
2.1 競技概要
2.2 大会結果
2.3CUFP 大会レビュー
3. 2010 年度 CUFP 紹介
3.1
3.2
3.3
3.4
3.5
13
開発車両 CF10
年間スケジュール
2010 年度メンバー
決算報告
活動風景
4. 来年度に向けて
20
5. スポンサー
21
2
1 はじめに
第 8 回全日本学生フォーミュラ大会が 9 月 7 日∼11 日の日程で開催されました。過去最多の 85 チー
ムがエントリーする中、
千葉大学フォーミュラプロジェクトは総合 20 位という結果で幕を閉じました。
順位は昨年度を上回り、チーム初となる全種目完遂、完走を果たし日本自動車工業会会長賞を受賞しま
した。
今年度は昨年度の反省を生かし、運動性能の向上に主眼を置き開発して参りました。シェイクダウン
こそ,例年より1週間早い7月末にすることが出来たものの,その後のスタビライザー,新吸気系の搭
載に時間が掛かり,本格的にテストすることができる状態になったのは,
大会4日前の9月3日でした。
テスト走行の機会が少なく、車両のセッティングもドライバーの車両に対する理解も不十分なまま大会
に挑まざるを得ず、動的審査では他チームとの力の差を大きく感じました。大会当日でのチームの動き
方は改善された結果として、今回全種目完走することが出来ましたが、今後は各競技で勝てるチームを
目指して参りたいと思います。1 年間、チームを支えて頂き、誠にありがとうございました。
2010 年度プロジェクトリーダー
戸井田 一宣
大会レポート
3
2 第 8 回全日本学生フォーミュラ大会
2.1 競技概要
競技概要 [ 配点 ]
車両の安全・設計要件の適合、ドライバーの 5 秒以内脱出、ブレーキ試験(4 輪ロック)、
車検
騒音試験(所定の条件で排気音 110dB 以下)、チルトテーブル試験(車両 45 度傾斜で
燃料漏れ無し。ドライバー乗車し車両 60 度傾斜で転覆しない)
[0]
予算とコストは、生産活動を行うにあたって考慮しなければならない重要な要素であ
ることを参加者に学ばせることが狙い。車両を見ながら事前に提出したコストレポー
コスト
トのコスト精度、チームによる製造度合等を確認し、レポートのコストと車両との適
合を審査する。また、車両製造コスト削減に関するリアルケースシナリオによる討議
静的競技
を評価する。
[ 100 ]
学生のプレゼンテーション能力を評価することが狙い。プレゼンテーションは、
『競技
プレゼンテーション
のコンセプトに沿い、製造会社の役員に設計上の優れていることを確信させる』とい
う仮想のシチュエーションのもとで行う。
[ 75 ]
事前に提出した設計資料と車両をもとに、どのような技術を採用し、どのような工夫
設計
をしているか、またその採用した技術が市場性のある妥当なものかを評価する。具体
的には、車体および構成部品の設計の適切さ、革新性、加工性、補修性、組立性など
[ 150 ]
について口頭試問する。
アクセラレーション
動的競技
スキッドパッド
オートクロス
エンデュランス
燃費
0−75m 加速。各チーム2名のドライバーがそれぞれ 2 回、計 4 回走行し、タイムを
競う。
[75]
8 の字コースによるコーナリング性能評価。各チーム2名のドライバーがそれぞれ2
回、計4回走行し、タイムを競う。
[ 50 ]
直線・ターン・スラローム・シケインなどによる約 800m のコースを2周走行する。
各チーム2名のドライバーがそれぞれ 2 回、計 4 回走行し、タイムを競う。 [ 150 ]
直線・ターン・スラローム・シケインなどによる約 800m の周回路を約 24 周する。走
行時間によって車の全体性能と信頼性を評価する。
耐久走行時の燃料消費量で評価する。
合計
[ 100 ]
[1000]
4
[ 300 ]
2.2 競技結果
順位
大学名
得点
1
大阪大学
874.55
2
上智大学
829.66
3
横浜国立大学
826.87
4
東京都市大学
820.58
5
東海大学
746.51
6
静岡大学
739.84
7
名古屋工業大学
721.91
8
金沢大学
716.68
9
京都大学
705.06
10
茨城大学
690.72
11
北海道大学
650.38
12
宇都宮大学
646.37
13
慶應義塾大学
636.73
14
神戸大学
623.18
15
大阪産業大学
611.38
16
成蹊大学
593.13
17
工学院大学
579.61
18
ものつくり大学
565.68
19
九州工業大学
530.38
20
千葉大学
510.81
21
日本大学理工学部
510.06
22
Thai-NichiInstituteofTechnology
489.62
23
ThonburiKingMongkut'sUniversityofTechnologyThonburi
487.74
24
同志社大学
460.41
25
山梨大学
453.96
26
日本大学生産工学部
412.5
27
日本工業大学
373.99
28
名古屋大学
364.64
29
東京大学
361.93
30
京都工芸繊維大学
358.7
31
立命館大学
357.69
32
トヨタ名古屋自動車大学校
355.19
33
国士舘大学
297.74
34
東京工業大学
281.79
5
順位
大学名
得点
35
芝浦工業大学
274.77
36
ChulalongkornUniversity
274.65
37
ホンダテクニカルカレッジ関西
272.66
38
UniversityofAppliedScienceMunich
267.2
39
名城大学
255.34
40
近畿大学
245.47
41
久留米工業大学
240.09
42
岡山大学
226.34
43
国際情報工科大学校
226.25
44
豊橋技術科学大学
210.3
45
東京農工大学
206.75
46
静岡理工科大学
200.81
47
日本自動車大学校
185.13
48
大阪工業大学
176.75
49
岐阜大学
171.65
50
大同大学
169.24
51
大阪市立大学
167.9
52
東京理科大学
151.6
53
TongjiUniversity
125.5
54
福井大学
118.85
55
新潟大学
112.97
56
摂南大学
106.2
57
広島工業大学
104.46
58
崇城大学
100.15
59
大阪府立大学
78.15
60
山形大学
67.35
61
愛知工業大学
65.05
62
広島大学
19.18
63
千葉工業大学
13.75
64
青山学院大学
-8
65
湘南工科大学
-21
66
麻生工科自動車大学校
-36.95
67
高知工科大学
-41.5
68
YeungnamUniversity
-44.25
69
明星大学
-55.75
70
ホンダテクニカルカレッジ関東
-73.75
6
2.3
CUFP 全日本学生フォーミュラ大会レビュー
1 日目
9 月 7 日(火)
出発直前まで、車両の車検チェックとカウルのフィッティングを
行いました。事前車検と受付を行う先発組とホテルに直接向かい、
明日以降の準備を先に進める後発組に分かれ、先発組は 10 時に、
後発組は 12 時に大学を出発しました。16 時 30 分に事前車検を予
定していましたが、予定時刻に間に合わず会場には 17 時過ぎに到
着、受付、テント設営を済ませ、大会に関するキャプテンミーティ
ングを受けました。その後、ホテルにて先発組と後発組で合流し、
全体ミーティングを行い明日の静的審査の準備を進めました。
積み込み
出発前集合写真
2 日目
9 月 8 日(水)
6 時 30 分のピットオープンに合わせ、会場入りしました。会
場にて車両をトラックから降ろす際、ジャッキアップポイントの
溶接部が剝がれていることが発覚。9 時に修理工房にて溶接部を
修繕し、車検チェックを終えた後、車検の受付を済ませ、11 時に
技術車検を受けました。車検では、ブレーキランプの不具合、フ
ロントフープの肉厚検査のための検査穴の忘れ、エアクリーナの
不備を指摘され、一発で車検を通過することが
修理工房での修理
出来ませんでした。
7
∼車検∼
1 回目の車検では 3 つの項目がNGとなりました。その後、悪天
候による日程変更で再車検は 2 日目(9 日)へ持ち越しとなり、
結果、車検によってアクセラレーション,スキッドパッドにあて
る時間を削ってしまいました。3つのNG項目は,前回大会でN
Gとなった項目(サスペンション可動部のカバー不足)のような
程度の問題ではなく、気付けばすぐ直せるようなものがほとんど
だっただけに悔やまれます。
原因は、車両の完成が遅れたこと、車検のチェックをほとんど担当
車検
者一人で行ってしまったことにあります。車検官の裁量によりクリアとなったグレーゾーンのような項
目があったことも念頭に入れて、車検項目に対してではなく車検チェックのあり方から改善をしていか
なければならないと思います。
車検担当 2 年 西村 美紀
車検終了後、台風接近による会場の悪天候のため、ピットの撤収作業に追われ、午後に予定されてい
た、コスト審査、デザイン審査は会場をエコパアリーナへの移しての審査となりました。プレゼンテー
ション審査に関しては予定通りのスケジュールで行われ、担当の山岸、我妻がエコパアリーナへ審査の
ため、向かいました。
コスト審査は 16 時 45 分に始まり、担当の山岸を中心に審査を受けました。その後 17 時 35 分よりデ
ザイン審査の審査に入り、担当の鈴木亮が全体のプレゼンテーションを行いその後、質疑応答に入りま
した。デザイン審査を終え、この日の競技は終了しました。
∼プレゼンテーション審査∼
ここ数年好成績を残せている競技であり、昨年は 5 位タイと好成績を頂き、今回は 3 位以内を目指す大会とな
りました。今年は主に、昨年載せることができなかった企業の成長戦略を追及してみよう、という内容でした。結
果は 10 位タイと順位を落としてしまいました。その原因は、全体的なプレゼンテーションのバランスが昨年に比べ
て悪かったこと、そして昨年に比べてターゲット設定が煮詰まっていなかったことの 2 つが挙げられます。ただア
イデア自体は自身を持って良いと思いますので、来年担当する後輩にうまく引継ぎをし、来年こそは 3 位以内を
ぜひ獲りたいと思います。
プレゼンテーション審査担当 3 年 山岸一成
∼コスト審査∼
今年も昨年に引き続きコストレポートを担当させて頂きました。今年の目標は『最低 15 位以内』そして『昨年の
Accuracy(コストレポートの信頼度)を挽回する』でした。しかし今年の結果は全体の順位は 15 位と達成したもの
の、Accuracy が 0 点と昨年を下回ってしまいました。原因としまして、吸気等主要部品の図面の記載忘れによる
信頼性の低下、フレーム等パイプの切り出しの欠如(基本的なミス)、ブラケットの記載不足、が主に挙げられま
す。これは、図面を集めるスケジュールを見誤ったことと、チーム側の解釈と試験官の解釈との間にズレがあった
ことがあります。解釈については今回の審査である程度埋めることが出来たと思います。FCA(コストレポートを記
載するフォーマット)の書き方等の基本的なノウハウはこの 2 年間で積み上げております。また、昨年に比べて本
番での動き、コミュニケーションが分かってきました。これからステップアップするために、より試験官の見やすい
8
コストレポートを心がけられるように、より細かいところまで気を配れるように、来年担当する後輩と共に勉強してい
きます。来年は『最低 10 位以内』が目標です!
コスト審査担当 3 年 山岸一成
∼コスト審査(リアルケースシナリオ)∼
Real Case Scenario というのは「指定されたパーツを 15%コストダウンさ
せる方法を提案する」というものです。今年は 2 年生で担当し、提示され
たパーツは「ステアリングシステム・排気系・フレーム」この 3 つでした。
まず、パーツの材料・製作工程の熟知から入り、それからコスト削減
案を考えました。そうしていくうちに、新たな加工方法や使用材料、パー
ツの形状が徐々に閃き良い勉強になりました。この競技を通して、Real
Case Scenario というのはエンジニアとしての発想力を鍛えるものだと感じ
ました。
大会では排気系について解答しました。提示した案は他大学とは違う個
性的な案だとの意見をいただきました。ただ、パーツの性能の証明するデ
コスト審査
ータが不足していました点が悔やまれるところです。成績は 20 点満中 14
点で悔いが残るところですが、まずまずの結果でした。来年はコスト削減
によって考案したパーツをシミュレーションし、信頼性を高めた提案を行いたいと思います。
リアルケースシナリオ担当 2 年 鐘ヶ江
優
∼デザイン審査∼
今年のデザイン審査は設計上の細かな点、また自分達があま
り重要ではないと考えている点まで言及することに努めました。
しかしながら結果を見るとデザインレポート及び大会でのプレゼ
ンテーションのどちらも中途半端になってしまったというのが私
の感想です。
レポートでは具体的な数値を合わせてアピールできる点を挙げ
たつもりでしたが、それらの論理的な根拠が不足していたとおも
デザイン審査
われます。またプレゼンでは発表用ポスタの内容が必要以上に多
すぎたと思います。ポスタはあくまで補助のための資料であり盛
り込む内容を絞り込むべきでした。次回大会では是非、今年度の反省を活かした資料を作成し審査に挑
んで欲しいと思います。
デザイン審査担当 4年 鈴木亮
9
3 日目
9 月 9 日(木)
天候が不安定した中、3 日目の競技が始まりました。前
日車検で指摘された点を修正に、8 時に無事に技術車検を
通過しました。戸井田をマシンに乗せ、ブレーキテスト、
騒音テストを受けました。ブレーキテストは一発で合格、
また騒音テストに関しても、109db のレギュレーションぎ
りぎりの結果で突破することができました。
車検に合格し、いよいよ、動的審査です。先ほどのブレー
キテスト直前までは雨がやんでおり、ドライタイヤを装着
するチームも見られるほど、路面は乾いていましたが、ま
アクセラレーション
もなく雨が降り始め、完全なウエットコンディションでの
走行となりました。まずは戸井田がアクセラレーション(加
速競技)に挑みました。2 本のアタックを無事に終えた後、
スキッドパット (旋回性能競技)に挑みました。
スキットパットでは、1 本目ではミスコースをしてしまい
ましたが、2 本目を無事に走り、記録を残しました。
スキッドパットの後、紺野にドライバーを変え、残りの競
技時間と得点の多さから、アクセラレーションにだけ、再
び挑みました。紺野がアタックを終え、午前中の競技は終
スキットパッド
了しました。
午後、オートクロス(タイムアタック)の競技に挑みました。
雨の降る、予測のつかない天候の中、チームでは現状の天
候で 1 人目のアタックをし、天候が回復するタイミングを
見て、2 人目のアタックをすることを決定しました。
1 人目のアタックは橋本が担当しました。ウエット路面
の難しいコンディションの中、慎重に 1 本目を走り、2本
目に挑む前に誤って、競技エリアから出てしまい、2 本目
の出走権利を失ってしましました。
オートクロス
大会レギュレーションの解釈を誤った結果、現状のタイム
では十分な得点を稼ぐことができないため、天候の回復を待
たずして、佐藤をマシンに乗せ競技に挑みました。1 本目を無事に走りきり、2本目のアタックを行い
ました。しかし、タイムの伸びる 2 本目の最終コーナーでスピンを喫してしまい、1 本目のタイムを上
回ることが出来ませんでした。
オートクロスの走行後、大会で義務付けられている車両の重量計測を行い、明日のエンデュランスの
出走順の発表を待ちました。日が暮れると、オートクロスの結果から明日のエンデュランスの出走順が
発表され 34 番目の走行となったことを確認した後、会場を後にしました。
10
4日目
9月 10 日(金)
前日に確認した走行順から出走が夕方になると見込まれたため、それまでプラクティスエリアで車両
の実走行点検を行い、エンデュランスに挑みました。日が傾きかけてきた、16 時 20 分に走行順が回り
ました。ファーストドライバーの橋本がアタックをしました。慣れない車両に苦しみパイロンタッチな
どのミスもありながらも無事に 10 周走りきり、セカンドドライバーの佐藤にバトンタッチしました。
周回を重ねるごとにタイムを上げ、終盤はエンデュランス上位チームに迫るタイムで周回し、ほぼミス
なく無事に完走を果たしました。完走後、再び騒音検査を行いました。ここで規定騒音を超えてしまう
と失格となってしまいますが、無事にレギュレーションを満たす 109db で通過し、全種目を終えました。
エンデュランスは 3 年連続の完走。全競技を通じてはチーム初の完走となりました。
エンデュランス(橋本)
エンデュランス(佐藤)
∼ドライバーズコメント∼
初めての大会参加により緊張しすぎていたように思います。また、テスト走行の回数が少なくマシン
の性格を十分に理解することができていませんでした。そのため車の限界を引き出すことができません
でした。さらに自分の体力不足により、思うように攻め込むことができませんでした。チーム全員が一
生懸命作った車にのせてもらったにも関わらず体力不足といった情けない理由で満足のいく結果を残す
ことができず、自分自身に課題の残る大会となりました。次回大会までには体力をつけ、走り込みを十
分にし、皆が満足のいく結果を残せるよう頑張りたいと思います。
エンデュランス担当 1 年 橋本学論
まず、チームのメンバーに心より感謝申し上げます。今年度は車両のシェイクダウンの遅れからテス
ト走行の機会が少なく、車両に対して悪いコメントをすることが非常に多かったと思います。しかし、
少ない走行機会の中でベターなセッティングを見いだせたのは、チームメンバーの、特にエンジン、サ
スペンション担当の方々のおかげであったと思います。私自身、今回で 3 回目のエンデュランス出走と
なりましたが、今までで一番上位校との差を感じる大会となってしまいました。私達の車両が走行時の
挙動、ドライバーフレンドリーさで上位校に劣ってしまっていることはあきらかですが、本年度の悔し
さを糧に改善できるよう精進していきたいと思います。
エンデュランス担当 修士 1 年 佐藤陽
11
5 日目
9 月 11 日(土)
前日までに全ての競技を終えたので、この日は全チーム記念撮影、表彰式、他チームとの交流やデザ
イン審査上位チームで競われるデザインファイナルが行われました。メンバーは来年の活動に向け、他
チームとの情報交換やデザインファイナルの観戦を行いました。表彰式では、チームとしては初の賞と
なる自動車工業会会長賞を受賞しましたが、競技を通じては表彰台に立った種目はなく、複雑な気持ち
で迎えた表彰式でした。表彰式を終え、本大会は終了し、帰路に着きました。
CUFP 競技結果
静的競技
競技種目
動的競技
得点/配点
順位
コスト
53.2/100
15
プレゼンテーション
56.25/75
10
デザイン
69/150
39
アクセラレーション
39.52/75
18
スキットパット
2.5/50
11
オートクロス
56.3/150
37
エンデュランス
173.39/300
24
燃費
60.65/100
21
510.81/1000
20
総合
全参加チーム集合写真
12
3 2010 年度 CUFP 紹介
3.1 大会出場車両「CF10」
運動性能の向上
1
コンセプト
昨年度の製作車両は旋回性能の向上を目標として設計を行い、さらに汎用 ECU やデータロガーを導入
することで、車両の評価を行うことが出来るようになりました。
「運動性能の向上」を今年度の設計コンセプトとしました。シャシーにおいては前年度を踏襲し「旋
回性能の向上」
、パワートレインにおいては収集したデータを活用した競技コースへの「最適化」をそれ
ぞれコンセプト実現のための柱としました。
2
概要
旋回性能の向上
旋回性能の向上を目指し次の事項に主眼を置き設計を行いました。
x サスペンションのセッティング幅拡大
x 軽量化及びヨー慣性モーメントの低減
x 足回りの剛性の向上
今年度はすでに導入されているスタビライザーに加えバネ定数の異なる複数のショックアブソーバを
用意しました。これによりセッティング幅の拡大を狙い、
テストの際に変更可能なパラメータを増やし、
ドライバーや競技に最適な設定を探しました。
新規に設計するパーツには目標重量を定め車両の軽量化を目指し、設計の際には FEM 解析を積極的
に用い構造を決定しました。また、パーツのレイアウトを変更しフレームの前後長及びメインフープの
幅を短縮し車両の小型化を図りました。
前年度までの課題であったサスペンションの取り付け点についても構成要素のレイアウトの変更によ
りフレームの集合部付近に取り付けることが可能となり、サスペンションからの入力に対する剛性を向
上させました。サスペンションジオメトリは昨年度の車両の旋回 G やドライバーの感覚が良いものであ
ったため、昨年度の仕様を踏襲しました。
13
パワートレインの最適化
今年度は昨年度に搭載したデータロガーから得た情報をパワートレインの設計にフィードバックする
ことで最適化を図りました。
今年度のパワートレインの特徴は次の通りです。
x 10000rpm をピークとしたフラットな出力特性
x 汎用 ECU による各気筒の独立制御
競技コースは低速コーナーが多数配置され、そこからの立ち上がりが重要となります。そこでエンジ
ンの出力特性がフラットになるように吸排気系の設計を行いました。
昨年度、汎用 ECU の導入によりエンジンの幅広いセッティングが可能となり、エンジンの出力を向上
させた一方で、制御性能の向上により、パワートレインの問題点が明らかとなりました。これらの問題
の解決により更なるエンジン性能の向上を図りました。
3
主要緒元
フレーム
steel spaceframe
ボディワーク
GFRP
サ ス ペ ン シ ョ ン (Front &
Front:Double unequal length A-arm Pull rod
Rear)
Rear:Double unequal length A-arm Pull rod
全長
2516 (mm)
全高
1190(mm)
ホイールベース
1600(mm)
前後トレッド
1200,1200(mm)
車重
250(kg)
前後重量配分
44:56
地上高
36(mm)
ホイール&タイヤ
13inch RAYS TE37
エンジン
PC37E HONDA CBR600RR
排気量
599(cc)
最高出力
85(ps) /10500(rpm)
最高トルク
5.7(kgf)/9000(rpm)
吸気方式
Naturally aspirated
燃料タンク容量
6.0(L)
変速機
6 Speed Manual
デファレンシャル
Chain Drive FCC TRAC
ブレーキ
Front:2 outboard Rear:2 outboard Nissin calipers
14
180/510-13 Bridgestone Bias
4
設計者コメント
パワートレイン班 ECU 担当
4年
鈴木
明晃
エンジンに関しては、大会での得点比率の高いオートクロス・エンデュランスに重きを置き、ピーク
パワーを多少犠牲にしても、ドライバビリティ(特にエンジンレスポンス)を獲得することをコンセプト
としました。しかしながら、製作に関してチームでの溶接技術等が低いこともあり、製作(溶接)の容易
さを考慮しながらの設計としたため、結果として、自分たちの機材・技術では製作できないが、性能も
よくはないという非常に中途半端なものとなってしまいました。また、設計においてシミュレーション
を用いて設計の妥当性を評価していましたが、スタティックでの空気の流れしか計算を行わなかったた
め、主眼に置くべき過渡特性がないがしろになってしまった点も反省しています。
セッティングに関しましては、テスト走行の回数が少ない中ですが、それなりのエンジンフィールを得
ることが出来たと考えております。これはドライバーがテスト走行においてフィードバックを適切に行
ってくれたことや、ECU の能力の助けが大きかったと感じています。純正の ECU やサブコンを用いた
制御では今年度の吸気システムのアラを補えなかったと思っています。特にドライバーには気温の高い
炎天下の中、非常に乗りにくいエンジンで体力的にも精神的にもつらい状況のなか走行を重ねてもらい
負担をかけたと思います。
また、今年度を終えて上位と比較して運動性能が明らかに劣っていることを痛感しました。シャシーの
能力の違いが大きいと考えますが、ロガーによるデータのフィードバックをシャシーの担当に適切に行
えていないので、来年度の課題となりました。
シャシーの熟成のために走行中の車両の姿勢変化やステアリングなどのデータ取得、利用を進めたいと
思います。
また大会を終えまして結果として満足いくレベルにはありませんが、無事に大会を終えることが出来
ました。これは、メンバー各位やスポンサーの方々による支えがあってこそ達成しえたことですので、
この場をかりてあらためてお礼申し上げたいと思います。
シャシー班サスペンション担当
3年
伊藤 裕
CF10の開発にあたり今年度は、去年度のマシンに対するドライバーのフィーリングがよかったこ
ともあり旋回性能の向上を引き継ぎ、正常進化を目標としました。
しかし、製作が遅れたこともあり走り込みができずマシンの限界を引き出すことができませんでした。
その結果、完走はできたもののチームの目標であった総合入賞を果たすことができず、非常に悔しい思
いです。また大会を終えて、去年度からのパワートレインの成長速度にシャシーがついていけていない
ことも明らかになりました。
しかし、このことをシャシーの成長がそのままマシンの成長につながるととらえ、これからもマシンの
性能向上に努めていきたいと思います。
15
3.2 年間スケジュール
今年度、以下のスケジュールで活動を進めて参りました.
9月
新プロジェクト発足
10 月
設計開始
11 月
大学祭
12 月
24 日 サスペンションジオメトリ設計完了
1月
15 日 フレーム設計完了
2月
春休み 本格的製作スタート
3月
下旬 フレーム骨格製作完了
4月
上旬 新歓活動
5月
23 日 インパクトアッテネータ(衝撃吸収器)最終試験
6月
1 日 インパクトアッテネータレポート提出
14 日 デザインレポート提出
22 日 コストレポート提出
7月
24 日 シェイクダウン
8月
19 日 もてぎ試走会参加、シェイクダウン証明提出
9月
2 日 新 ECU、新吸気系に換装
3 日∼5 日 茂原ツインサーキット、日本自動車大学校、
南千葉サーキットにてテスト走行
7 日∼11 日 第8回全日本学生フォーミュラ大会
16
3.3 2010 年度 CUFP メンバー
今年度の CUFP メンバー一覧です。学部 1 年生から大学院修士 1 年生まで 25 人のメンバーで活動しま
した。
指導教官
森吉
秦生 教授
小山
秀夫 准教授
河野
一義 技官
運営班
チームリーダー
:戸井田
一宣(B4)
日程管理
:田辺
真之(B4)
スポンサー担当
:鈴木
亮(B4)
総務,会計
:山岸
一成(B3)
シャシー班
リーダー:永吉
将人(B4)
パワートレイン班
エクステリア班
リーダー:鈴木
リーダー:平林
明晃(B4)
宏介(B3)
佐藤
陽 (M1)
鈴木
亮(B4)
清水
駿(B1)
田辺
真之(B4)
清水
貴悠(B4)
橋本
学論(B1)
伊藤
裕 (B3)
和田
誠(B3)
紺野
浩之(B3)
我妻
武(B2)
千葉
和輝(B2)
鐘ヶ江
西村
美紀(B2)
佐藤
航(B1)
高橋
昂史(B3)
石山
竜太(B3)
増本
翔太(B1)
宮下
貴文(B3)
森
昂也(B1)
浩之(B3)
優(B2)
静的審査担当チーム
コスト審査
:山岸
一成(B3)
、紺野
デザイン審査
:鈴木
亮(B4)
プレゼンテーション審査
:山岸
一成(B3)
車検、レギュレーション
:西村
美紀(B2)
動的審査担当チーム
エンデュランス・オートクロス:佐藤
陽(M1)
、橋本
アクセラレーション・スキットパット:戸井田
学論(B1)
一宣(B4)、紺野
17
浩之(B3)
3.4 決算報告
2010 年度の決算を報告させて頂きます。
収入
¥95,000 ¥19,361 個人負担(部費含む)
団体スポンサー
¥620,000 個人スポンサー
¥1,200,000 前年度繰越金
総額 ¥1,934,361
支出
¥160,000 ¥306,791 ¥166,528 ¥271,420 ¥751,388 原材料費
部品費
冶・工具費
大会・イベント参加費
交通費・レンタカー費
備品購入費
設備償却費(3年)
¥139,375 ¥127,012 総額 ¥1,922,514
18
3.5 活動風景
設計協議
フレーム溶接
デファレンシャルマウント製作
フロントカウル製作
インパクトアッテネータ圧縮試験
もてぎ試走会
エンジンテスト
走行テスト
19
4 2011 年度に向けて
2010 年度、私たちは「運動性能の向上」のコンセプトの下、車両の軽量化、ヨー慣性モーメントの低
減を目指して製作して参りました。しかし、製作した車両の軽量化は成功せず、昨年度のマシンとほぼ
同じ重量になってしまいました。この原因には、設計段階での詰めが甘かったこと、製作日程が遅れた
ことにより、新規作成予定のパーツを既存のパーツで代替したことが挙げられます。また、製作の遅れ
により車両のセッティングやトラブルシューティングが出来ておらず、このことが大会の動的競技で成
績が揮わなかった一番の原因ではないかと思います。
今年度は「ドライバビリティーの向上」を掲げ、ドライバーにとって操作しやすい車両をめざします。
そのためには、ドライバーと密に打ち合わせをして車両を設計するだけでなく、シェイクダウン目標を
厳守してセッティング期間をしっかり確保することが重要となります。総合優勝を狙うチームとなるた
めに、大会までの過程を着実にこなす日程管理をこれまでよりきめ細かく設定することで日程の管理体
制を整え、また大会で直接、点を取るための各種競技対策などチームの運営面での飛躍を目指します。
昨年度、
私達はチーム発足後初の大会競技全種目得点を成し遂げました。
成績は揮わなかったものの、
参加 6 年目にしてようやく大会で上位成績を残すための土台が出来上がったと思います。私達はこのこ
とに大きな自信をもち、結果に満足することなくさらなる高得点を目指します。2011 年度、大会で表彰
台を目指して邁進して参りますので、今後とも CUFP をどうぞよろしくお願いします。
2011 年度 プロジェクトリーダー
紺野 浩之
20
5 スポンサー
昨年度、私たち千葉大学フォーミュラプロジェクトの活動は以下の企業、団体様よりご
支援頂き活動を行うことができました。このような貴重な勉強の場を与えて下さいました
ことに、心よりお礼申し上げます。
敬称略、50 音順
CUFP
京葉ベンド株式会社
OB
NTN 株式会社
サイバネットシステム株式会社
出光興産株式会社
住友電装株式会社
学校法人 日栄学園 日本自動車大学校
ソリッドワークス・ジャパン株式会社
株式会社 SEKI
ダウ化工株式会社
株式会社エフ・シー・シー
タカタサービス株式会社
株式会社キノクニエンタープライズ
千葉大学 工学同窓会
株式会社興和製作所
千葉大学 工学部 OB
株式会社トーキン
千葉大学塑性加工学・材料加工学研究室 OB
株式会社東日製作所
千葉精密株式会社
株式会社トヨタレンタリース千葉
東北ラジエーター株式会社
株式会社日本オイルポンプ
日信工業株式会社
株式会社ハイレックスコーポレーション
日本精工株式会社
株式会社ブリヂストン
日本発条株式会社
株式会社ミスミ
本田技研工業株式会社
株式会社メタルワークス
茂原ツインサーキット
株式会社ユタカ技研
有限会社葵不動産
株式会社レイズ
有限会社新宿ラヂエター研究所
協和工業株式会社
レイクラフトレーシングサービス
-Special Thanksホンダマイスタークラブ
千葉大学 工学部 実習工場
千葉大学工学部
三橋
智
今後もメンバー一同、全力で活動に取り組んで参ります。今後とも何卒、ご支援のほど
宜しくお願い申し上げます
2010 年度プロジェクトリーダー
2011 年度プロジェクトリーダー
千葉大学工学部電子機械工学科 4 年
千葉大学工学部機械工学科 3 年
戸井田 一宣
紺野 浩之
Email: [email protected]
Email: [email protected]
チームホームページ http://www.chiba-formula.com
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