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リズムについて考察 - 株式会社鴨下製作所

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リズムについて考察 - 株式会社鴨下製作所
リズムについて考察
三浦
肇
-0-
著
カスタネットでリズムを勉強するために
幼児期にカスタネットであそびながら、リズムを身に着けるためにはどうすれば
よいかをテーマに 三浦 肇様 にまとめていただきました。
これを基本に、実際の幼児にどのように教えていくかを見つけていきたいと思います。
そのため、多くの人に読んでいただき、そのきっかけをご提案していただけたら幸い
です。
三浦 肇氏 プロフィール
フリーランスのドラム&打楽器奏者
クラシック時はオーケストラ打楽器奏者として、
JAzz&ポップス時には、ドラムキット&パーカッション奏者として、この両
面を併せ持ち、ジャンルにとらわれない柔軟な姿勢を信条に演奏活動を行って
いる。
クラシック音楽からジャズ、ポップス、ラテン音楽まで、その活動の幅は
多岐に渡る。詳しくは下記アドレスをねてください
http://www.maroon.dti.ne.jp/miura/
企画 印刷 製本
東京都西東京市東伏見 5-9-16
株式会社鴨下製作所
-1-
リズムの概念
リズムの概念とは何かと考えてみました。
多くの友人達にも考えを尋ねてみ、貴重な意見を沢山頂戴しました。
リズム=時間、とおっしゃった方がありましたが、個人的にはこの感覚が一番ピンとくるものでした。
リズムにとって大切なのは、
イ)
一定のテンポで音を刻み続ける能力。
ロ)
ひとつの音価を正確に分割、あるいは逆に統合する能力
こうした力です。
これをどのように養うのか。このテーマに取り組んでみようと思います。
狙いは、まずはこうした行為に触れる事で、なんとなく、ここが肝心ですが、なんとなくリズムの入り
口に近付くこと。
これをベースに、将来音楽に親しむチャンスに恵まれた時、
「あゝ、あの頃やってた、あれか」
と思い出してもらえたら、そう思います。
その為には遊びの要素が大事かと考え、特殊な環境になくとも楽しめる「次につながる方法」を考えて
みました。
一定のテンポで音を刻み続ける能力
これはズバリ、歩くという行為によって養えると考えています。音楽に合わせて歩く。
速く歩く、ゆっくり歩く。
これがテンポの違いです。
テンポ(歩幅や運動量)に違いはあっても、
「一歩」という行為に意味の違いはありません。
ここにひとつ付け加えたいのは、「数をカウントする」という行為です。
お風呂に入って数を数える、きっと多くの子供たちが経験していると思います。それをお風呂の外に持
ち出してみたい。
ひとつの音価を正確に分割、あるいは逆に統合する能力。
上記の「カスをカウントする」という行為をふまえて。
タイム(時間軸)を、自由に細分、統合できる、これ即ちリズムの理解に直結します。
打楽器奏者として実際に演奏する現場で求められるものは、割り算と掛け算の正確性です。
四分音符と八分音符の正確な対比、全音符の中に八分音符の三連符の関係性、こうしたものを正しく理
解しているかどうか、そこがロジカルな意味合いでのリズムの入り口です。それらを「活き活きと演奏
する」というのは別な話になりますが。
ただ、かけ算は小学校二年生、割り算は小学校三年生の単元です。これをどのようにして小さな子供
たちに伝えるか。
概念図を示しました。ケーキをいくつかの等しいピースに分け、また分けたケーキをくっつけて元に戻す、
というところまで踏み込みたいと思います。
全音符=全体音符=完全音符=1 音符
二分音符=二分の一音符
-2-
四分音符=四分の一音符
八分音符=八分の一音符
16 分音符=16 分の一音符
三連符=任意の音符を三分割した音符=割り切れない音符=人間には分けられる!
図-1
リズムの概念図 1
図-2
リズムの概念図 2
図-3
リズムの概念図 3
-3-
数の分割の概念
イ) 分割の概念を育てる
ロ) お菓子屋ケーキにたとえて
ハ) テンポの違い=一口で食べられる、二口で食べられる、の例え
ニ) 4つに分けたものの一つが4分の1
ホ) 4分音符は4分の1音符
1つの音符を細分化する
イ) 全音符=全体音符=完全音符=一音符
ロ) 二分音符=二分の一音符
ハ) 四分音符=四分の一音符
ニ) 八分音符=八分の一音符
ホ) 16 分音符=16 分の一音符
ヘ) 三連符=任意の音符を三分割した音符=割り切れない音符=人間には分けられる!
表と裏の関係についての概念
イ) 裏は表と表のちょうど中間にある
ロ) しかし表の後ろ側に裏があるのではない
ハ) 次の表の位置を決めるために裏がある。裏の後ろ側に表がある。
ニ) 表⇒裏 ではなく
裏⇒表 に繋がる
リズムチャレンジ
イ) 楽器は 6 つ一組 色々なリズムを創りだそう 置いても音が出せるホルダー状のものがあれば・・・
お互いの顔が見えるように丸く座って・・・
ロ) 音程(ピッチ)は3つ
数を言葉にしてみよう
いち、にい、さん、しい
いーちーにーいーさーんーしーい
い、と、に、と、さ、と、し、と(発音は短く)
い、ち、と、お、に、い、と、お、さ、ん、と、お、し、い、と、お、(歯切れよく)
い、ち、と、に、い、と、さ、ん、と、し、い、と(途切れないように)
拍を2つに分ける
二人以上
「いとにといとにと」
高、低 「ガムガム」 (ガ)が拍頭(ム)が拍裏になります。
低、高 「イカイカ」 (イ)が拍頭(カ)が拍裏になります。
中、中
拍を 4 つ分ける 4 人以上(二人以上)「いちとおにいとおさんとおしいとお
高、中、中、中
低、中、中、中
高、中、低、中
高、中、中、低
高、低、中、中
高、中、中、高
-4-
低、高、中、中
中、中、低、中
等々・・・
中、中、中、中
拍を3つに分ける、3人以上(2人以上)
「いちとにとさんとしいと」
高、中、中「ねんどねんど」「バナナ」「トマト」
低、中、中「うさぎうさぎ」「カエル」「イルカ」
中、高、低「おそばおそば」
上記リズムチャレンジの欠点
ある程度、言語的なトレーニングが必要
拍内での担当部分がフィックスされてしまう
どうしてもロジカルになってしまう可能性がある。
ある程度の集中力が必要
遊びの要素をどこまで盛り込めるか・・・?
実際
同じタイミングで音を並べる遊び/2人以上で
イ)テンポは随意、遅くてもいいし、速くてもいい
最初は指導者がだいたいのテンポを手拍子等で提示したほうがいいかもしれない。イ
イ)最初は、たとえば四分音符を並べようと思うなら、四分音符のテンポで
ロ)充分に慣れてきたら二分音符のテンポを見せてみる。
ハ)よほど正確なメトロロームでない限り、使わない方がいいのではないか。
均等に並ぶように工夫する(厳密に並べる必要は無い。だいたいで可)
イ)指導者がジャッジする必要があるかな?
ロ)違うピッチのものを使う。4 人の場合、同じピッチ同士にならないように。
ハ)最初に音を出す人を決める。そこが表(頭)になる。
ニ)表と裏を逆さまにしてみる。
何がどう変わったかな? 観察してみよう
イ)聞こえ方は?
ロ)音の感じは?
ハ)やっていることは同じなのに、どうして何か変わった感じがするのかな?
ニ)責任感は?
次に指導者のテンポ提示を止めて、好きなタイミングを選ばせてみる。
イ)表の人が音を出したら、裏の人が好きなタイミングで音を出す。これがテンポになる。
ロ)最初はうまくいかないであろう。指導者はその偶然生まれたテンポをすくい上げて再提示する。
ハ)最初はまごつくであろうけれど、何回かトライしてみるうちにまとまってくる。
うまく出来るようになったら、誰かの音を消音させ、それでも全体の流れが変わらない様にしたい。
イ)2 人組の場合、先の通常どおりリズムうちをスタート
ロ)しばし後、指導者の合図なりで裏側の人が打まねだけして、音を出さないようにする。
ハ)表側の人は、それでも自分のタイミングを見失わないように工夫してみる。
-5-
ニ)落ち着いてきたら、再び指導者の合図なりで裏側の人が音を出す。
ホ) つまり元に戻る
ヘ)うまくゆくようになったら、表側の人が消音するパターンもやってみる。
うまくいったら、リズムに言葉をつけてみる。
ピッチと言葉のアクセントを同調させる。
イ)高、低 「ガムガム」
ロ)低、高 「イカイカ」
高いピッチの人が表、低いピッチの人が裏だとすると、
イ)高いピッチの人が「ガ」と言いながら打つ。
ロ)低いピッチの人は「ム」といいながら打つ。
ハ)2 人が揃うと「ガムガム」と聞こえる。
ニ)次に2人とも「ガムガム」と言うが、ピッチの人は「ガ」の時だけ打ち、
「ム」の時は声だけ。
低ピッチの人は「ガ」の時は声だけ、「ム」の時はいいながら音を出す。
上記を3人の場合、4人の場合にもやってみる。
イ)言葉の高低やアクセントとの組み合わせは適宜探して下さい。
ロ)たとえば
「ウサギ」低中中/「アイス」高中中/etc
中中高、中中低、中高低、高中低、低中高・・・
ハ)「おさしみ」低中中中/「トランプ」中高中低」/「ひまわり」中高中中/
「コスモス」高中中中 etc
リズムの実際に音を合わせてみる。
言葉とリズムの関係
イ)
ロ)
ハ)
ニ)
4人のプレーヤーが各音符部分のみを担当、
(リズム次第では特定の人がお休みになります)
例えばテンプラは 1、― 3、4、/ カツドンは 1,2,3,―/ コロッケは 1,2,― 4,
/
タコヤキは 1,2,3,4,
順番にリズムを担当(どのリズムでもお休みの人は出ません)
イ)テンプラは 1, 2,3,4,
1,2,3, 4,1,2,
3,4 といった要領。以下同じ。
ロ)このようにある要領の分割、再統合の仕組みを体験的に経験させることで、リズムの本質に触
れられのではないか、と考えるしだいであります。
-6-
カスタネットをうってみよう
カスタネットをうってみよう、カン、カン、カン、カン、・・・
いい音出せたかな?
じゃあ、も
ういちど。 カン、カン、カン、カン、
・・・ さあ、いまのはどっちのかんじだったかな?
こんどはね、②のかんじになれるかな? やってみよう。
おなじちょうしがつづくかな?
カン、カン、カン、カン、・・・
おなじちょうし?
どこかにないかな?
おなじちょうしでおとをだすもの。
たとえば・・・
みみをすませてごらん。
あ、きこえるよ。 チクタク、チクタク、チクタク、・・・
とけいのおとだね。チクタク、チクタク、チクタク、・・・
ほんとかな? チクタク、チクタク、チクタク、
・・・
ほんとだ、ずっとおなじちょうしでおとがなってる。
ほかにはなにかないかな?
でんしゃのおと?
ガタンゴトン、ガタンゴトン、ガタンゴトン、・・・
みんなでこうしんするときは?
イチ、ニィ、イチ、ニィ
あしをそろえてイチ、ニィ、イチ、ニィ・・・
こんどはこえをだして、かずをかぞえてみよう。
おなじちょうしでいえるかな。
イチ、ニィ、サン、シィ、イチ、ニィ、サン、シィ、イチ、ニィ、サン、シィ、イチ、ニィ、サン、シィ、
・・・
ちょうしがそろってきたら、こえにあわせてカスタネットをうってみよう。
イチ、ニィ、サン、シィ、イチ、ニィ、サン、シィ、イチ、ニィ、サン、シィ、イチ、ニィ、サン、シィ、
・・・
ようし、こんどはともだちとふたりでやってみよう。
ちがうおとのたかさのカスタネットをつかってみるよ
-7-
きみがたかいおとのカスタネット、ともだちがひくいおとのカスタネットをつかうことにしよう。
こんなふうにできるかな
きみのカスタネット(たかいおと) カン
ともだちのカスタネット(ひくいおと)
ちょうしをそろえることができたかな?
バラバラになってしまったら、こえにあわせてやってみようか。
ふたりともこえにだしてかずをかぞえてみよう。
イチ、ニィ、サン、シィ、イチ、ニィ、サン、シィ、イチ、ニィ、サン、シィ、イチ、ニィ、サン、シィ、
ちょうしがそろってきたら、こえにあわせてカスタネットをうってみよう
きみのカスタネット
(たかいおと)
ともだちのカスタネット
(ひくいおと)
カン、コン、カン、コン、とおとはきれいにならんだかな?
きみは「イチ」と「サン」のときにカスタネットをうって、
ともだちは「ニィ」と「シィ」のときにカスタネットをうつよ。
まちがえないでできるかな?
おふろにはいって、かたまでおゆにつかって、かずをかぞえたこと、あるかな?
10 までかぞえた? 50 までかぞえた? えつ、100 までかぞえた?
どんなふうにかぞえるかな?
子供によっては、10 の位からハネるかもしれません。
20 の位は、まだイーブンの子が多く、しかし、ハネる子もそれなりに出てくるでしょう。
30 の位では、ハネる数え方が主流になっています。
-8-
どのタイミングでハネるのかは、地域性が関係しているかもしれません。
大人にリサーチしてみると、概ね同じテンポ感で(♩=80)前後、Andante―Andantino-Moderato という
様子でした
こんどは 4 までかぞえながら、こえをだすときカスタネットをうってみるよ。
こんなかんじ。
うまくできたら、ともだちとふたりでパートをわけてみよう。
ちょっとむずかしいかな?
じゃあこんどはふたつのパートをいれかえてみよう。
こえにだしながらかずもかぞえるよ。どんなかんじになるかな?
かたほうのパートだけカスタネットをうってみよう。
「コン」のパートだけうってみると・・・?
こえにだしながらかずはかぞえるよ。おとがでているばしょを「あたま」とよぶことにしよう。
つぎはうつパートこうたいしてみるよ。
「カン」のパートだけうつと・・・?
さっきのおとのばしょは「あたま」だったから、こんどのおとのばしょは「うら」とよぶよ。
うらをうっていた「カン」のパート
-9-
こんどは「あたま」をうってみよう。
じゃあ「コン」のパートは「うら」をうってみよう。
かずをかぞえるのは、こえをださないで、こころのなかだけにして、いまやってきたことをやってみたら、
さて、うまくできるかな?
じゃ、さっそくやってみよう!
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