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科学者によるサイエンスイラストレーション作成の実態

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科学者によるサイエンスイラストレーション作成の実態
科学者によるサイエンスイラストレーション作成の実態
田中 佐代子*、小林 麻己人**、三輪 佳宏**
1. 研究の背景
が悪く、わかりにくい」サイエンスイラストレーション
近年、研究発表のビジュアル化や媒体の多様化が進ん
表現が蔓延していると考える。
でいる。ビジュアルによる情報伝達は、a)直感的な理
解、b)詳細な情報の正確な伝達、c)即時性、d)強烈
2. 研究目的
な記憶形成、等の優れた特徴をもち、言葉による伝達が
科学者によるサイエンスイラストレーション作成の実
困難な内容でも容易に伝達できる力がある。実際に科学
態を明らかにする。これにより学術的な知見を得、科学
者による学会発表資料や講義資料などでは、イラスト
者にサイエンスイラストレーションの作成指針を示すた
レーションやグラフなど、ビジュアルな表現が必ず存在
めの論拠を構築することが本研究の主な目的である。そ
する。こうした科学的知識を伝える図は、サイエンスイ
のため、以下の項目について調査し考察する。それぞれ
ラストレーションと呼ばれる1。パソコンが広く普及し
より詳しい実態を明らかにするため、研究分野別、研究上
た現在、科学者自身が論文や報告書に掲載するサイエン
の立場別、年齢別、男女別にも調査し考察することとする。
スイラストレーションを作成する機会が増えている。
額賀淑郎『科学論における視覚表象論の役割』はサイ
エンスイラストレーションに関する基本文献であると考
2.1 科学者によるサイエンスイラストレーション作成
の実態
え ら れ る が、 そ の 中 で は、Rudwick、Myers、Tufte等
2.1.1 作成方法・作成目的
の先行研究を以下のように紹介している2。Rudwickは
サイエンスイラストレーション作成の際、どのような
地図が地理学の「視覚言語(Visual language)」として
パソコンOSやソフトウエアを主に使用しているのかに
果たした歴史的な役割を分析した。額賀は「二次元の視
ついて調査した。科学者を対象としたソフトウエアの使
覚言語は、言葉では表現できない観察や考えを統合する
ことで、科学的な説明と理論を補足することができる」
い方に関する文献としては「医学・バイオ系のための
Fig. 作成ガイド ― 論文・プレゼンに役立つPhotoshop/
と、Rudwickの分析を解説している。言語学者のMyers
7
、「Illustratorのやさしい使い方か
Illustrator活用法 ―」
は、Willson著の古典的な教科書「社会生物学」に用い
8
が出版されている。しかし筆者
ら論文・学会発表まで」
られた視覚図表を事例として分析し、「Photographs」
が知っている科学者の多くは、PowerPointを使用して
「Drawings」
「Maps」
「Graphs, Models, Tables」
「Imaginary
いるようなので、IllustratorやPhotoshopといった、プ
Figures」の5つのタイプに分類した。統計学者のTufte
ロも使用しているソフトウエアを科学者がどの程度利用
は“Envisioning Information”等で、表象を視覚知とし
しているのかを明らかにしたい。
て理解することで、視覚言語の豊かな語りやストーリー
作成目的としては、研究論文、学会発表資料、申請書、
を示すのに成功している。たとえば、出版物には様々に
報告書、教科書、広報関連、大学生・一般・子供向けの
視覚的な統計図や絵が含まれるが、その視覚性と色彩の
講義など考えられるが、対象の違いによって要求される
利用により、より効果的なイマジネーションやコミュニ
技術や方向性も異なると考えられるため、その実態を明
ケーションが可能になることを指摘する。さらに、二次
らかにすることが重要である。
元の視覚情報は、遠近画法を用いることで、三次元のよ
2.1.2 表現目的
うに表象され利用されている。科学の出版物において視
科学者がどのような表現を目的としているのか、つま
覚情報のさまざまな利用が顕著であることは、彼の一連
りどのような表現を重視しているのかについて明らかに
の著作から明らかである。
する。まずはサイエンスイラストレーションの一番の特
総 合 科 学 技 術 会 議 が2010年 6 月 に 発 表 し た「 年 間
徴であると考えられる「学術的な正確さ」があげられる
3千万円以上の公的研究費の配分を受ける研究者のアウ
だろう。そしてサイエンスイラストレーションはその意
トリーチ活動の義務化」からもわかるように、国内にお
図が伝わらないと意味がないため「わかりやすさ」も当
ける科学者のサイエンスコミュニケーションに対する意
然重視されるだろう。さらに「インパクト・印象強さ」
「セ
識も高まっている。科学コミュニケーター養成講座が国
ンスの良さ・美しさ」「独自性」「新規性」「楽しさ・ユー
内の複数の大学や科学博物館で開講され4、科学映像ク
モア」についてもどの程度、問題意識をもっているのか
リエイター養成コースも国立天文台で開設されている5。
明らかにする。
しかし、サイエンスイラストレーションに関する高等教
2.1.3 表現方法
育プログラムは国内にはほとんどない6。科学者自身の
科学者がどのような表現方法に関して、困難を感じて
自己努力に任せているのが現状で、結果として「センス
いるのかを明らかにする。科学者がよりよいサイエンス
3
イラストレーションを表現するためには、「画面の構成
*筑波大学芸術系
**筑波大学医学医療系
方法」「配色方法」「文字の配置方法」「書体の選択方法」
を改善する必要があると、筆者のこれまでのデザイナー
芸術研究報32, 2011
59
としての経験から考えている。先行文献としては1990
きる。さらに科学者が妥当だと思っている「価格」や「制
年に出版された、Briscoe著の“A Researcher’s Guide to
作期間」についても具体的に明らかにする。
Scientific and Medical Illustrations”がある。チャート・
テーブル・グラフの描き方、学術雑誌や学会ポスターの
3. 調査方法
レイアウトなど、科学者向けの内容となっているが、
「画
Web上でオンラインアンケートを実施した。日本サイ
面構成方法」や「文字サイズや行間」(欧文)について
エンスビジュアリゼーション研究会(JSSV)をはじめ
は「学会ポスター発表」の節に少しだけ記載があるのみ
とする下記協力組織のWEBサイト・メーリングリスト、
だ。この本自体がモノクロ印刷で「配色方法」について
及び、BMB2010フォーラム企画会場11での直接的な呼び
も詳しい記述はない 9。また八十島著の「Macで描く科
かけなど、複数の方法を用いて周知した。2010年12月8
学イラスト」は質の高いサイエンスイラストレーション
日∼2011年1月31日までの55日間で、442名分の有効な
の事例が100点以上も掲載されている。「『画面構成』は
回答を得た12、13。
人間の感性に基づくこと」、「『文字』を軽視してはいけ
ない」、「『配色』は論理的に決めればいい」、「カラー表
3.1 オンラインアンケートの協力組織
現でも『明度』が基本」、『彩度』の違いで印象の強弱が
協力組織は、JSSV、日本分子生物学会、日本生化学会、
生まれる」、「『色相』には優先順位がある」といった参
転写研究会、文部科学省科学研究費補助金特定領域研
考になる記述が巻頭にあるが 10、視覚資料を加えたより
究「タンパク質の社会」及び「セルセンサーの分子連関
詳しい解説が必要だと考える。このように先行文献で、
とモーダルシフト」、日本バイオイメージング学会、筑
筆者が重視している項目について多く述べられていない
波大学生命環境科学研究科、筑波大学計算科学研究セン
のは、科学者の間でこれらがあまり問題にされてこな
ター、筑波大学遺伝子実験センター、筑波大学プラズマ
かったからではないだろうか。しかし実際、多少なりと
実験センター、筑波大学農業技術センター、シロイヌナ
も文字要素を含み、図的要素と文字要素を画面上に構成
ズナメーリングリスト(かずさDNA研究所)、rice-net
することによってサイエンスイラストレーションとして
メーリングリスト、mamekaメーリングリスト(かずさ
成り立っており、これらが少なからずサイエンスイラス
DNA研究所)、nasukaメーリングリスト(かずさDNA
トレーションの善し悪しに影響を与えている。
研究所)、daizuメーリングリスト(農業・食品産業技
図に関する表現方法としては「写実的な表現方法」
「階
術総合研究機構)、urikaメーリングリスト(理化学研究
調の表現方法」「かたちや線の描き方」「立体的な表現方
所)、Brassicaメーリングリスト(理化学研究所)である。
法」があげられる。一般的にプロが描くサイエンスイラ
ストレーションには、これらの卓越した表現が多く見ら
3.2 質問項目の構成
れるが、科学者はどの程度問題意識をもってサイエンス
本調査では以下の質問項目を作成した。なお、調査票
イラストレーションを作成しているかは不明である。
2.1.4 満足度、有益性、上達方法
の冒頭で、取り上げるサイエンスイラストレーションの
自身で作成したサイエンスイラストレーションの満足
する図、学会発表や一般・学生・子供向けの講義の際に
度や、作成技術の向上の有益性について明らかにし、本
提示する研究に関する図、研究者・一般・子供向けの科
研究結果をもとにサイエンスイラストレーションの作成
学に関する書籍に挿入する図、申請書の図やポンチ絵、
指針を示すこと自体の意義を確認したい。また、作成技
研究会等案内ポスターの図」とし、さらに「写真や写真
の加工による図は除く」と明示した上で回答を求めた14。
術の上達方法に関するニーズについても確認したい。
範囲を、
「表・グラフ・地図・挿絵など、研究論文に挿入
①科学者によるサイエンスイラストレーション作成の実態
2.2 科学者によるサイエンスイラストレーション依頼
の実態
1)作成経験の有無
2)主な使用パソコンのOS
科学者のサイエンスイラストレーション依頼に関する
3)作成方法
実態を明らかにする。
4)作成目的
まずは科学者がプロのイラストレーター(以下、「プ
5)表現上、重視していること
ロ」と省略)に、自身の研究に関するイラストレーショ
6)表現上、困難だと思うこと
ンをどの程度依頼したいと思っているのかについて明ら
7)参考にしてみたい作成ガイドの内容
かにする。依頼したくない理由としては、「金銭的な問
8)作成の満足度
題」や「手続きの面倒さ」「時間に余裕がないこと」、ま
9)作成技術の向上と研究との関係
た「プロに知り合いがいない」「依頼方法がわからない」
10)作成技術の上達方法に関するニーズ
「信頼できない」「自分で描いたほうが良い」等が予想で
60
科学者によるサイエンスイラストレーション作成の実態
11)作成に関する自由意見
②科学者によるサイエンスイラストレーション依頼の実態
といった学生が38.7%、「大学共同利用機関法人・独立行
1)依頼に関する意識
政法人・国立研究機関・省庁の研究員(以下、
「大学共同
2)依頼したくない理由
利用機関法人、等」と省略して記載する。
)
」と「民間企業
3)妥当な価格
の研究員」といった研究員が19.3%だった(図2)。以
4)妥当な制作期間
上の結果から、大学組織における各階層、官民の研究所か
5)自由意見
らのバランスのとれた回答が得られたものと考えられる。
以上のように設問は計20問で、回答者の属性(研究分
年齢:「20歳代以下」が24.7%、「30歳代」が39.1%、「40
野、研究上の立場、年齢、性別)、①の1、2、8、9、②
歳代」が27.6%、
「50歳代以上」が8.6%という結果になっ
の1、3、4は単一選択式による回答、それ以外は複数選
16
。
た(図3)
択式による回答を求めた。各選択肢には「その他」を設
性別:「男性」(74.0%)、「女性」(26.0%)であった。
け、その内容を自由記述できるようにした。
4. 調査結果
4.1 科学者によるサイエンスイラストレーション作成
3.3 回答者の属性
研究分野 :「生物学」だけで44.6%だった。さらに「農学」
15
の実態
「医歯薬学」の他、「総合領域」「複合領域」の自由記述
回答者の属性によらない結果と、回答者の属性ごとに
欄に記載されていた具体的な研究内容のほとんどが生命
クロス集計した結果を述べる(表1)。なお、クロス集
科学分野で、最終的に82.7%が生命科学分野の研究者に
計結果で、特筆すべき事項が認められなかった場合は省
よる回答となった(図1)。
略する。また、以下「サイエンスイラストレーション」
研究上の立場:「教授」「准教授」「講師」「助教」といっ
を省略して「イラスト」と表記する。
た大学教員が37.4%、「ポスドク」「大学院生」「学部生」
4.1.1 作成経験の有無
社会科学 1.8%
数物系科学 4.3%
化学 4.8%
工学 5.0%
複合新領域 2.0%
総合領域 2.3%
農学
19.5%
生物学
44.6%
イラストを自身で作成したことがあるか、全員に回答
を求めた。その結果、回答者の94.8%(442人中419人)
がこれまで何らかのイラストを作成した経験があること
がわかった。つまり生命科学系ではほとんどの研究者が
イラストを自身で作成した経験をもつことが明らかと
なった17。
研究分野別の割合:作成経験が特に少なかったのは「社
医歯薬学
14.3%
会科学」(75.0%)と「化学」
(71.4%)だった。
研究上の立場別の割合:「教授」は100%作成経験があっ
た。作成経験の有る「学部生」は61.9%と圧倒的に低かっ
その他 1.6%
生命科学分野 82.7%
年齢別の割合:20歳代は作成経験の有る回答者が89.9%
図1. 回答者の研究分野
その他 4.8%
民間企業の
研究員 4.1%
教授 准教授
9.5% 10.9%
助教
12.0%
ポスドク
16.3%
講師
5.0%
大学教員 37.4%
大学院生
17.6%
学部生
4.8%
学生 38.7%
大学共同
利用機関
法人、等
15.2%
研究員 19.3%
図2. 回答者の立場
50 歳代以上
8.6%
20 歳代以下
24.7%
30 歳代以下
39.1%
た。研究発表の機会が少ないことが主因と考えられる。
40 歳代以下
27.6%
で、他の年代より少なかった。
4.1.2 主な使用パソコン
イラストの作成に用いる主なパソコンの使用傾向を探
るため、パソコンのOSについて回答を求めた(図4)。
51.1%が 主 に「Windows(XP、7、Vista)」 を 使 用 し、
47.5%が主に「Mac OSX」を使用したことがわかった。
国内OSシェア調査18では、「Windows」が88.5%、「Mac
OS」が5.2%であるのと比較すると、本調査の回答者は
「Mac OS」の使用者がとても多いことがわかった。つま
り生命科学分野の科学者はMacの使用率が他より多い
と考えられる。
研究分野別の割合:「化学」(66.7%)は「Windows」の
割合が他より高かった。
研究上の立場別の割合:「民間企業の研究員」(83.3%)
は「Windows」の割合が多かった。大学教員は「Mac
図3. 回答者の年齢
OSX」の割合が多かった。
芸術研究報32, 2011
61
62
研究論文
無
有
研究分野
研究上の立場
科学者によるサイエンスイラストレーション作成の実態
年齢
性別
時間をかけ
たくない
信頼できない
プロに知り合
いがいない
手続きが面倒
そうだから
自分で描いた
ほうが良い
依頼する方法
がわからない
依頼したくな
い傾向層
依頼したい
傾向層
まったく依頼
したくない
できれば依頼
したくない
できれば依頼
したい
ぜひ依頼
したい
個人指導
インターネッ
ト講座
講習会や
フォーラム
作成ガイド本
まったく有益
ではない
あまり有益
ではない
まあまあ有益
とても有益
満足傾向層
まったく満足
していない
PowerPoint
あまり満足
していない
Macintosh
Windows
まあまあ満足
とても満足
センス良く美
しく描く方法
わかりやすく
表現する方法
0.0 0.0 37.5 37.5 12.5 37.5 50.0 0.0 50.0 25.0 0.0 0.0 25.0 50.0 75.0 25.0 0.0 0.0 25.0 50.0 12.5 0.0
26.3 21.1 31.6 36.8 10.5 52.6 47.4 11.1 66.7 11.1 11.1 0.0 22.2 77.8 11.1 0.0 0.0 15.8 21.1 26.3 5.3 5.3
47.6 0.0 57.1 42.9 0.0 57.1 42.9 11.1 44.4 22.2 22.2 22.2 22.2 44.4 55.6 33.3 4.8 23.8 14.3 33.3 9.5 9.5
22.7 4.5 27.3 40.9 22.7 31.8 63.6 21.4 35.7 64.3 7.1 28.6 28.6 64.3 35.7 21.4 13.6 13.6 9.1 27.3 18.2 0.0
41.6 7.6 31.5 47.7 8.1 39.1 55.8 22.7 39.1 30.0 22.7 11.8 23.6 54.5 52.7 20.0 3.6 19.8 21.3 19.8 21.3 4.1
25.6 3.5 36.0 46.5 5.8 39.5 52.3 20.0 40.0 40.0 31.1 6.7 15.6 55.6 68.9 37.8 8.1 12.8 23.3 27.9 14.0 3.5
49.2 6.3 46.0 36.5 3.2 52.4 39.7 16.0 44.0 28.0 24.0 8.0 12.0 48.0 56.0 24.0 4.8 22.2 23.8 20.6 15.9 4.8
30.0 0.0 40.0 30.0 30.0 40.0 60.0 16.7 33.3 16.7 0.0 0.0 16.7 66.7 16.7 0.0 0.0 40.0 40.0 10.0 10.0 0.0
33.3 0.0 22.2 44.4 11.1 22.2 55.6 0.0 60.0 40.0 0.0 0.0 40.0 40.0 40.0 20.0 11.1 0.0 22.2 33.3 0.0 0.0
42.9 7.1 42.9 35.7 4.8 50.0 40.5 23.5 47.1 35.3 41.2 17.6 29.4 47.1 70.6 29.4 4.8 23.8 21.4 14.3 11.9 0.0
43.8 6.3 43.8 39.6 6.3 50.0 45.8 9.1 40.9 13.6 13.6 0.0 27.3 54.5 54.5 22.7 2.1 10.4 20.8 33.3 12.5 6.3
54.5 18.2 40.9 36.4 4.5 59.1 40.9 33.3 66.7 33.3 22.2 0.0 11.1 22.2 33.3 44.4 0.0 18.2 18.2 13.6 22.7 13.6
41.5 9.4 43.4 34.0 3.8 52.8 37.7 20.0 25.0 35.0 15.0 10.0 20.0 50.0 60.0 15.0 1.9 11.3 18.9 35.8 24.5 1.9
34.7 6.9 23.6 56.9 5.6 30.6 62.5 28.9 26.7 37.8 24.4 22.2 22.2 57.8 66.7 22.2 5.6 18.1 19.4 25.0 20.8 5.6
33.3 2.6 28.2 47.4 17.9 30.8 65.4 15.7 52.9 27.5 17.6 5.9 19.6 60.8 39.2 27.5 7.7 17.9 29.5 26.9 9.0 3.8
52.4 0.0 47.6 47.6 4.8 47.6 52.4 27.3 72.7 45.5 27.3 18.2 9.1 81.8 27.3 18.2 4.8 38.1 19.0 19.0 9.5 0.0
20.9 0.0 35.8 43.3 9.0 35.8 52.2 20.0 45.7 42.9 22.9 2.9 20.0 51.4 54.3 20.0 7.5 16.4 17.9 16.4 23.9 0.0
33.3 0.0 44.4 50.0 5.6 44.4 55.6 0.0 20.0 40.0 30.0 20.0 40.0 90.0 70.0 10.0 5.6 33.3 33.3 11.1 5.6 5.6
40.4 4.6 23.9 54.1 15.6 28.4 69.7 21.1 50.0 38.2 17.1 14.5 21.1 65.8 40.8 22.4 6.4 25.7 27.5 22.0 9.2 3.7
35.3 5.8 39.9 41.6 5.8 45.7 47.4 19.5 31.7 34.1 19.5 9.8 19.5 56.1 58.5 23.2 4.0 12.7 18.5 28.3 24.3 5.2
36.1 9.8 40.2 35.2 5.7 50.0 41.0 16.0 46.0 24.0 28.0 4.0 18.0 44.0 56.0 22.0 4.9 18.9 21.3 18.0 15.6 1.6
42.1 2.6 36.8 50.0 2.6 39.5 52.6 20.0 40.0 25.0 30.0 15.0 35.0 40.0 65.0 30.0 5.3 18.4 21.1 18.4 5.3 5.3
37.6 7.6 36.7 43.4 8.3 44.3 51.7 21.9 45.6 33.7 20.7 11.8 21.3 55.0 47.3 18.9 4.6 16.8 20.8 24.5 18.7 4.9
34.8 2.6 33.0 44.3 7.0 35.7 51.3 11.9 30.5 28.8 23.7 6.8 20.3 55.9 67.8 35.6 6.1 21.7 24.3 19.1 10.4 0.9
36.9 6.3 35.7 43.7 7.9 42.1 51.6 19.3 41.7 32.5 21.5 10.5 21.1 55.3 52.6 23.2 5.0 18.1 21.7 23.1 16.5 3.8
値段が高そう
37.5
63.2
42.9
59.1
43.1
51.2
49.2
40.0
44.4
45.2
45.8
27.3
49.1
45.8
42.3
57.1
59.7
55.6
49.5
48.6
44.3
36.8
44.0
54.8
46.8
お金をかけ
たくない
50.0
42.1
52.4
36.4
46.2
48.8
52.4
10.0
22.2
33.3
35.4
36.4
52.8
55.6
46.2
52.4
47.8
55.6
46.8
52.6
41.8
31.6
42.2
56.5
45.9
円未満
1,000
62.5
78.9
81.0
68.2
71.1
76.7
77.8
30.0
44.4
76.2
70.8
86.4
75.5
75.0
70.5
76.2
71.6
44.4
67.0
76.9
68.0
81.6
72.8
69.6
71.9
研究費で
支払えない
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
3)依頼時の妥当な価格
円∼
1,000
円未満
3,000
0.0
0.0
0.0
4.5
0.5
0.0
1.6
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
1.4
1.3
0.0
0.0
0.0
0.9
1.2
0.0
0.0
0.6
0.9
0.7
研究に関する
報告書
円∼
3,000
円未満
5,000
50.0
36.8
38.1
36.4
30.5
25.6
14.3
50.0
0.0
31.0
29.2
18.2
26.4
25.0
33.3
28.6
32.8
16.7
32.1
24.9
27.9
31.6
29.2
27.6
28.1
研究会等
広報用
円∼
5,000
1万円未満
50.0
63.2
61.9
59.1
68.0
70.9
84.1
50.0
88.9
69.0
68.8
77.3
73.6
72.2
62.8
71.4
65.7
83.3
66.1
72.3
70.5
68.4
70.8
72.4
69.9
大学の講義等
1万円∼
3万円未満
50.0
73.7
66.7
70.0
63.2
65.5
63.3
40.0
55.6
64.3
63.8
52.4
64.7
52.1
72.6
61.5
64.1
72.2
67.3
59.3
66.1
61.1
64.0
61.1
63.2
子供向け講義
・書籍
3万円∼
5万円未満
50.0
26.3
33.3
25.0
36.3
34.5
36.7
60.0
44.4
33.3
36.2
47.6
33.3
47.9
27.4
38.5
35.9
27.8
32.7
40.1
33.9
36.1
35.7
38.0
36.3
学術的な
正確さ
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
5万円以上
0.0
5.3
33.3
20.0
9.5
13.1
11.7
10.0
0.0
11.9
12.8
9.5
5.9
9.9
13.7
15.4
15.6
5.6
9.2
12.0
11.0
16.7
10.9
13.0
11.5
わかりやすさ
16.7
26.3
20.0
5.0
24.2
22.6
33.3
20.0
11.1
28.6
19.1
38.1
35.3
21.1
13.7
38.5
18.8
11.1
17.3
25.7
22.0
36.1
24.1
22.2
23.6
0.0
26.3
20.0
5.0
26.8
25.0
28.3
0.0
33.3
40.5
17.0
33.3
39.2
18.3
19.2
7.7
17.2
27.8
19.4
25.7
22.9
38.9
24.1
25.9
24.6
12.5
5.3
4.8
9.1
7.1
5.8
6.3
20.0
33.3
7.1
6.3
0.0
7.7
4.2
5.1
4.8
17.9
0.0
5.5
6.9
10.7
5.3
7.3
7.8
7.5
12.5
36.8
23.8
36.4
25.9
22.1
22.2
30.0
11.1
14.3
35.4
36.4
13.5
31.9
30.4
14.3
19.4
27.8
30.3
24.3
23.8
15.8
24.5
26.1
24.9
37.5
47.4
38.1
27.3
38.6
43.0
41.3
40.0
33.3
57.1
31.3
36.4
44.2
40.3
36.7
42.9
37.3
38.9
39.4
36.4
37.7
60.5
39.4
40.0
39.6
25.0
5.3
19.0
27.3
19.8
24.4
23.8
10.0
22.2
14.3
20.8
18.2
28.8
18.1
21.5
38.1
14.9
22.2
20.2
27.2
13.9
13.2
21.1
19.1
20.6
14
0.0 12.5
0.0 0.0
9.5 0.0
0.0 0.0
4.1 0.0
1.2 0.0
4.8 1.6
0.0 0.0
0.0 0.0
2.4 2.4
2.1 0.0
0.0 4.5
5.8 0.0
4.2 0.0
6.3 0.0
0.0 0.0
0.0 0.0
5.6 0.0
4.6 0.0
4.0 0.6
0.8 0.8
2.6 0.0
3.4 0.3
2.6 0.9
3.2 0.5
20
14
20
16.7
15.8
33.3
45.0
30.0
35.7
28.3
30.0
11.1
26.2
17.0
38.1
45.1
31.0
27.4
46.2
29.7
27.8
32.7
34.1
27.1
22.2
29.3
35.2
30.8
33.3
15.8
26.7
35.0
21.6
21.4
26.7
20.0
0.0
23.8
21.3
33.3
29.4
22.5
19.2
23.1
14.1
22.2
18.4
25.1
22.0
25.0
21.9
25.0
22.7
33.3
47.4
46.7
60.0
48.4
48.8
55.0
40.0
66.7
54.8
53.2
42.9
56.9
56.3
43.8
53.8
50.0
27.8
46.9
50.3
51.7
50.0
48.6
53.7
49.9
4)依頼時の妥当な制作期間
1日未満
50.0
68.4
33.3
50.0
53.7
52.4
51.7
30.0
55.6
52.4
51.1
42.9
58.8
42.3
58.9
46.2
48.4
66.7
58.2
47.3
55.1
44.4
53.1
48.1
51.8
インパクト・
印象強さ
1日∼
3日未満
50.0
26.3
33.3
20.0
35.8
34.5
36.7
60.0
44.4
33.3
36.2
47.6
33.3
46.5
26.0
38.5
35.9
27.8
30.6
40.1
33.9
36.1
35.0
38.0
35.8
センスの良さ
・美しさ
3日∼
7日未満
0.0
0.0
0.0
5.0
0.5
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
1.4
1.4
0.0
0.0
0.0
2.0
0.0
0.0
0.0
0.6
0.0
0.5
独自性
日∼ 日
83.3
73.7
66.7
70.0
75.3
72.6
78.3
60.0
33.3
81.0
68.1
71.4
88.2
76.1
63.0
53.8
78.1
66.7
63.3
77.8
71.2
86.1
75.2
67.6
73.3
新規性
16.7
52.6
53.3
30.0
41.1
44.0
53.3
10.0
11.1
57.1
46.8
42.9
52.9
31.0
41.1
46.2
37.5
27.8
43.9
37.7
43.2
55.6
42.8
40.7
42.2
楽しさ・
ユーモア
33.3 0.0 33.3 16.7 50.0 16.7 16.7 0.0 16.7 16.7 0.0 0.0 50.0 33.3 33.3 50.0 33.3
5.3 0.0 15.8 36.8 36.8 31.6 52.6 10.5 26.3 31.6 21.1 21.1 47.4 63.2 52.6 42.1 36.8
0.0 0.0 6.7 40.0 60.0 40.0 60.0 6.7 33.3 46.7 33.3 20.0 60.0 80.0 26.7 60.0 33.3
0.0 5.0 5.0 15.0 65.0 30.0 30.0 10.0 5.0 55.0 20.0 35.0 75.0 65.0 20.0 75.0 40.0
6.3 5.8 16.3 36.8 47.4 45.3 37.9 15.3 23.2 32.1 12.1 13.2 56.8 71.6 50.5 51.6 52.6
2.4 2.4 19.0 33.3 53.6 45.2 41.7 21.4 23.8 33.3 15.5 20.2 63.1 65.5 47.6 48.8 39.3
10.0 6.7 21.7 43.3 55.0 51.7 50.0 25.0 26.7 41.7 16.7 15.0 56.7 70.0 56.7 56.7 45.0
0.0 0.0 10.0 30.0 50.0 20.0 10.0 10.0 0.0 40.0 20.0 40.0 60.0 60.0 30.0 60.0 30.0
0.0 0.0 0.0 33.3 33.3 55.6 22.2 33.3 33.3 0.0 11.1 11.1 44.4 44.4 33.3 33.3 55.6
9.5 11.9 16.7 50.0 40.5 54.8 61.9 28.6 42.9 21.4 11.9 2.4 42.9 78.6 54.8 54.8 42.9
4.3 2.1 10.6 31.9 36.2 48.9 42.6 14.9 12.8 29.8 17.0 10.6 42.6 63.8 27.7 40.4 42.6
19.0 14.3 33.3 47.6 52.4 61.9 52.4 28.6 33.3 38.1 14.3 23.8 42.9 71.4 57.1 47.6 57.1
3.9 5.9 19.6 33.3 56.9 45.1 49.0 23.5 31.4 35.3 15.7 21.6 64.7 74.5 52.9 66.7 58.8
7.0 1.4 16.9 29.6 50.7 36.6 25.4 12.7 21.1 36.6 9.9 14.1 64.8 67.6 52.1 45.1 39.4
2.7 2.7 13.7 37.0 49.3 30.1 41.1 6.8 15.1 41.1 19.2 19.2 53.4 61.6 53.4 47.9 43.8
0.0 0.0 15.4 38.5 53.8 46.2 46.2 15.4 7.7 46.2 7.7 38.5 69.2 46.2 30.8 53.8 46.2
3.1 4.7 15.6 29.7 53.1 53.1 35.9 17.2 20.3 35.9 14.1 21.9 70.3 70.3 40.6 54.7 50.0
11.1 0.0 16.7 22.2 66.7 50.0 38.9 11.1 16.7 27.8 16.7 5.6 77.8 77.8 33.3 66.7 33.3
3.1 2.0 15.3 37.8 46.9 32.7 40.8 9.2 15.3 41.8 16.3 21.4 60.2 61.2 46.9 45.9 39.8
6.0 3.6 16.8 32.3 58.7 43.7 34.1 19.2 23.4 37.1 14.4 19.8 62.9 67.7 49.7 56.3 49.7
6.8 5.9 17.8 31.4 43.2 50.0 44.1 17.8 24.6 29.7 15.3 13.6 51.7 72.9 39.0 51.7 43.2
8.3 11.1 11.1 55.6 41.7 58.3 58.3 27.8 38.9 22.2 13.9 5.6 52.8 75.0 61.1 52.8 55.6
5.8 4.8 16.4 34.7 49.2 44.1 43.1 18.0 24.4 32.2 13.8 16.7 56.3 71.4 45.7 52.7 45.7
5.6 3.7 15.7 37.0 52.8 44.4 33.3 14.8 19.4 42.6 18.5 18.5 63.9 59.3 50.9 50.9 47.2
5.7 4.5 16.2 35.1 50.1 44.2 40.6 17.2 23.2 34.8 15.0 17.2 58.2 68.3 47.0 52.3 46.1
ソフトウエア
の使い方
83.3
73.7
53.3
55.0
56.8
51.2
63.3
70.0
77.8
69.0
51.1
66.7
54.9
52.1
58.9
53.8
65.6
61.1
57.1
56.9
58.5
72.2
57.9
61.1
58.7
配色方法
66.7
52.6
40.0
35.0
47.9
40.5
43.3
40.0
33.3
61.9
34.0
47.6
56.9
46.5
31.5
30.8
43.8
55.6
37.8
43.1
46.6
61.1
46.3
38.9
44.4
かたちや線の
描き方
100.0
89.5
93.3
100.0
96.8
97.6
91.7
90.0
100.0
97.6
93.6
100.0
96.1
95.8
90.4
100.0
98.4
100.0
93.9
94.6
96.6
100.0
95.5
95.4
95.5
立体的な表現
方法
66.7
73.7
53.3
65.0
71.6
66.7
76.7
30.0
66.7
64.3
66.0
71.4
70.6
80.3
63.0
61.5
71.9
66.7
66.3
71.3
72.9
61.1
69.5
70.4
69.7
階調の表現
方法
16.7
21.1
6.7
0.0
11.6
9.5
1.7
10.0
11.1
7.1
27.7
0.0
7.8
7.0
2.7
0.0
10.9
5.6
4.1
7.8
18.6
5.6
10.6
7.4
9.8
写実的な表現
方法
7日∼
日未満
66.7
73.7
66.7
85.0
73.2
69.0
68.3
60.0
55.6
73.8
59.6
52.4
78.4
78.9
68.5
76.9
73.4
77.8
71.4
76.0
64.4
72.2
70.7
73.1
71.4
50.0
31.6
20.0
5.0
36.3
27.4
30.0
30.0
33.3
52.4
44.7
28.6
35.3
28.2
11.0
0.0
37.5
11.1
10.2
28.1
44.9
58.3
31.5
30.6
31.3
画面構成方法
日以上
社会科学
数物系科学
化学
工学
生物学
農学
医歯薬学
総合領域
複合新領域
教授
准教授
講師
助教
ポスドク
大学院生
学部生
大学共同機関
民間企業
20歳代以下
30歳代
40歳代
50歳代以上
男
女
平均
一般向け講義
・書籍
50.0
36.8
20.0
25.0
39.5
33.3
46.7
10.0
77.8
81.0
68.1
90.5
47.1
21.1
5.5
15.4
34.4
11.1
8.2
35.9
54.2
75.0
42.1
25.9
37.9
書体の選択
方法
50.0
47.4
13.3
30.0
30.5
35.7
30.0
40.0
66.7
47.6
34.0
42.9
45.1
26.8
17.8
30.8
42.2
11.1
20.4
32.3
40.7
44.4
35.7
25.0
32.9
文字の配置
方法
②科学者によるサイエンスイラストレーション依頼の実態
10)作成技術の上達方 1)依頼に関する意識
2)依頼したくない理由
法に関するニーズ
83.3
68.4
60.0
40.0
69.5
69.0
60.0
60.0
66.7
81.0
80.9
90.5
82.4
67.6
37.0
7.7
75.0
44.4
41.8
66.5
80.5
75.0
68.8
55.6
65.4
わかりやすく
表現する方法
かたちや線の
描き方
8)作成の満足度
研究に関する
申請書
50.0
68.4
46.7
65.0
64.7
70.2
50.0
40.0
66.7
71.4
66.0
71.4
68.6
60.6
41.1
23.1
78.1
77.8
41.8
62.3
78.0
63.9
65.0
53.7
62.1
センス良く美
しく描く方法
83.3
84.2
53.3
85.0
80.5
76.2
71.7
60.0
88.9
81.0
76.6
85.7
86.3
93.0
56.2
23.1
87.5
72.2
61.2
80.8
83.1
80.6
81.7
63.0
76.8
ソフトウエア
の使い方
立体的な表現
方法
9)作成技術の向上と
研究との関係
100.0
63.2
86.7
85.0
93.2
94.0
83.3
70.0
100.0
85.7
93.6
95.2
96.1
97.2
84.9
23.1
95.3
94.4
80.6
91.0
95.8
83.3
89.7
88.0
89.3
100.0
78.9
66.7
85.0
91.6
96.4
86.7
90.0
88.9
97.6
97.9
95.2
98.0
95.8
72.6
53.8
95.3
88.9
77.6
91.0
96.6
94.4
91.6
84.3
89.7
16.7
10.5
13.3
0.0
8.9
4.8
8.3
20.0
22.2
4.8
6.3
9.1
7.5
8.3
14.1
9.5
1.5
0.0
11.2
9.6
4.2
8.3
6.8
13.0
8.4
83.3
47.4
60.0
50.0
21.6
19.0
13.3
40.0
44.4
21.4
27.1
31.8
28.3
33.3
23.1
23.8
22.4
5.6
27.6
26.3
25.4
16.7
28.3
17.6
25.5
画面構成方法
選択肢
Photoshop
不満足傾向層
50.0
36.8
40.0
30.0
45.3
27.4
50.0
50.0
55.6
42.9
33.3
31.8
52.8
44.4
42.3
19.0
34.3
16.7
37.8
46.1
41.5
36.1
41.2
44.4
42.0
左記ソフト
以外
16.7
21.1
20.0
15.0
43.7
39.3
38.3
30.0
44.4
42.9
22.9
54.5
54.7
40.3
29.5
19.0
31.3
27.8
31.6
42.5
38.1
33.3
36.3
42.6
37.9
手描き
83.3
47.4
93.3
70.0
86.8
89.3
80.0
60.0
77.8
90.5
75.0
95.5
81.1
80.6
74.4
52.4
83.6
94.4
83.7
79.6
85.6
83.3
81.7
85.2
82.6
学会口頭発表
50.0
42.1
33.3
35.0
53.7
40.5
48.3
40.0
55.6
64.3
59.6
66.7
47.1
46.5
39.7
30.8
48.4
16.7
32.7
49.1
52.5
63.9
48.9
43.5
47.5
学会ポスター
発表
50.0
47.4
66.7
50.0
46.3
58.3
51.7
60.0
44.4
35.7
38.3
33.3
51.0
52.1
58.9
69.2
48.4
83.3
65.3
50.3
44.9
36.1
49.2
56.5
51.1
7)参考にしてみたい作成ガイドの内容
配色方法
25.0
0.0
28.6
9.1
3.6
2.3
4.8
0.0
0.0
0.0
2.1
4.5
3.8
1.4
6.4
38.1
4.5
0.0
10.1
3.5
3.3
5.3
4.9
6.1
5.2
6)表現上、困難だと思うこと
階調の表現
方法
75.0
100.0
71.4
90.9
96.4
97.7
95.2
100.0
100.0
100.0
97.9
95.5
96.2
98.6
93.6
61.9
95.5
100.0
89.9
96.5
96.7
94.7
95.1
93.9
94.8
5)表現上、重視していること
書体の選択
方法
質問項目
Illustrator
①科学者によるサイエンスイラストレーション作成の実態
1)作成経 2)使用
4)作成目的
験の有無 パソコン 3)作成方法
写実的な表現
方法
社会科学
数物系科学
化学
工学
生物学
農学
医歯薬学
総合領域
複合新領域
教授
准教授
講師
助教
ポスドク
大学院生
学部生
大学共同機関
民間企業
20歳代以下
30歳代
40歳代
50歳代以上
男
女
平均
選択肢
質問項目
表1. クロス集計表(表内の数値は%)
文字の配置
方法
研究分野
研究上の立場
年齢
性別
年齢別の割合:「20歳代以下」(65.3%)は「Windows」
(54.5%)の使用率が他より高かった。
の割合が最も高かった。「50歳代以上」
(63.9%)は「Mac
4.1.4 作成目的
OSX」の割合が高かった。全体に年齢が上がるにつれて
イラストの主な作成目的について回答を求めた(図
「Mac OSX」の割合が多く、「Windows」の割合が少な
6)。その結果、89.7%が「学会口頭発表」、89.3%が「学
会ポスター発表」と回答した。それに次いで多い目的は
くなることがわかった。
男女別の割合:女性は「Windows」が「Mac OSX」より
「研究論文」
(76.8%)
、
「研究に関する申請書」
(65.4%)
、
「研
究報告書」(62.1%)といった研究書類であった。これ
13.0%も高かった。
らに続き「大学の講義や大学生向けの教科書」
(37.9%)、
Windows
51.1%
「研究会・シンポジウム等の広報用ポスター・チラシ・
Mac OSX
47.5%
WEB等」(32.9%)
、
「一般向けの科学に関する講義・書籍」
その他 1.4%
図4. 主な使用パソコンのOS
(31.3%)、「子供向けの科学に関する講義・書籍」(9.8%)
という目的だった。
研究分野別の割合:「複合新領域」は「研究会・シンポ
4.1.3 作成方法
ジウム等の広報用ポスター・チラシ・WEB等」(66.7%)
イラストの作成に用いる主なソフトウエア等について
と「大学の講義や大学生向けの教科書」
(77.8%)が他よ
回答を求めた(図5)。回答者の82.6%が「PowerPoint
り特に多かった。「化学」はいずれの作成目的も少ない
(Microsoft Office)」を使用していた。「PowerPoint」は
割合だった。
一般的に、プレゼンテーション資料作成用として知られ
研究上の立場別の割合:当然のことであるが「教授」
「准
ている。プロのイラストレーターがイラスト作成のために
教授」「講師」「助教」は「大学講義や大学生向けの教科
「PowerPoint」を使うことはあまりないが、科学者にとっ
書」を選択した割合が他の立場より多かった。また「一
てはやはり主要なソフトウエアであることがわかった。
般向けの科学に関する講義・書籍」は「教授」(52.4%)
「Illustrator(Adobe)」 は42.0%、「Photoshop(Adobe)」
と「准教授」
(44.7%)が特に多かった。「学部生」と「大
は37.9%使用されていた。「Illustrator」はドロー系のソ
学院生」は、いずれの作成目的の割合が他の立場より少
フトウエア、「Photoshop」はビットマップ画像編集の
なかった。やはり研究発表の機会が少ないことが主因と
フトウエアだが、高度で多様な機能を有し高品質な仕上
考えられる。
げが可能で、一般的にプロのイラストレーターやデザイ
年齢別の割合:「50歳代以上」の「一般向けの科学に関
ナーが使うツールとして知られているが、科学者にとっ
する講義・書籍」(58.3%)は他より多かった。「20歳代
てこれらが「PowerPoint」に継ぐ主要なソフトウエアで
あることがわかった。「上記以外のソフトウエアを使っ
以下」はいずれの作成目的も少ない割合だった。
男女別の割合:いずれの作成目的も「男性」の割合が多
ている」
(25.5%)の内訳は、
「Canvas」
「Keynote」の他、
かったが、特に差があったのは「研究論文」で、「男性」
「Inkscape」
「Excel」
「ChemDraw」
「Apple Works」
「Word」
が「女性」より18.7%も多かった。
「OminiGraff」
「Shade」等であった。「手描きした」
(8.4%)
4.1.5 表現上、重視していること
は少なかった。
イラストを作成する時に、表現上で重視していること
研究分野別の割合:「数物系科学」は「PowerPoint」の
使 用 者が47.4%と 他 に 比 べ て 少 な く、「 社 会 科 学 」 は
について回答を求めた(図7)。結果は、ほぼ全員(95.5%)
が「わかりやすさ」を重視していた。次に「学術的な正
83.3%もが「上記以外のソフトウエアを使っている」と
回答した。
学会口頭発表
89.7%
研究上の立場別の割合:「助教」は「Photoshop」
(54.7%)
学会ポスター発表
89.3
と「Illustrator」(52.8%) が、「 講 師 」 も「Photoshop」
研究論文
76.8
研究に関する申請書
PowerPoint
82.6%
Illustrator
42.0
Photoshop
37.9
上記ソフト以外
25.5
手描き
その他
図5. 作成方法
8.4
1.0
65.4
研究報告書
62.1
大学の講義や教科書
37.9
研究会・シンポジウム等の広報
用ポスター・チラシ・WEB 等
32.9
一般向けの講義・書籍
子供向けの講義・書籍
その他
31.3
9.8
3.1
図6. 作成目的
芸術研究報32, 2011
63
わかりやすさ
95.5%
学術的な正確さ
69.7
センスの良さ・美しさ
58.7
インパクト・印象強さ
44.4
楽しさ・ユーモア
16.2
独自性
新規性
その他
5.7
4.5
的な表現方法」
(42.9%)が他より特に多かった。また「学
2.4
部生」の「文字の配置方法」
(38.5%)は他より多かった。
図7. 表現上、重視していること
年齢別の割合:「50歳代以上」は「ソフトウエアの使い方」
(55.6%)
、「立体的な表現方法」(58.3%)、「写実的な表
確さ」(69.7%)、「センスの良さ・美しさ」(58.7%)、「イ
現方法」(38.9%)を選択した割合が多かった。
ンパクト・印象強さ」
(44.4%)
と続いた。
「独自性」は5.7%、
4.1.7 参考にしてみたい作成ガイドの内容
どのような内容のイラスト作成ガイドであれば参考に
「新規性」は4.5%に留まった。
研究分野別の割合:「社会科学」は多くの項目で選択し
したいか回答を求めた(図9)。
た割合が多く、
「化学」はいずれの項目も少なかった。
「総
やはり「センス良く美しく描く方法」
(73.3%)と「わ
合領域」は「学術的な正確さ」
(30.0%)が特に少なかった。
かりやすく表現する方法」(71.4%)が上位であり、その
研究上の立場別の割合:「教授」は「インパクト・印象
後に「配色方法」
(52.3%)
「画面の構成方法」
(49.9%)
「か
強さ」(61.9%)が他より特に多かった。「講師」はすべ
たちや線の描き方」
(46.1%)
「立体的な表現方法」
(42.2%)
ての項目が多かったが、特に「楽しさ・ユーモア」
(33.3%)
などの表現上の技術項目や、「ソフトウエアの使い方」
(47.0%)
が続いた。いずれも「表現上、困難だと思うこと」
が他より多かった。
年齢別の割合:年代が上がるにつれて、各選択肢の割合
と同じ設問であり、類似の結果となったが、全体的に「表
が高くなる傾向が見られた。
現上困難だと思うこと」より選択数が高くなった。つまり、
4.1.6 表現上、困難だと思うこと
イラストを作成する際、表現上で困難だと思うことに
表現上それほど困難に思っていなくても、作成ガイドを参
考にしたいと思った回答者が多かったと判断される20。
ついて回答を求めた(図8)。
研究分野別の割合:「工学」は「わかりやすく表現する
結果は、「センス良く美しく描く方法」(68.3%)が最
も高く、
「わかりやすく表現する方法」
(58.2%)が続いた。
方法」
(85.0%)と「配色方法」
(75.0%)が特に多かった。
次に「配色方法」
(50.1%)
「かたちや線の描き方」
(44.2%)
「立体的な表現方法」
(40.6%)、画面の構成方法」
(34.8%)
など、作図上の技術項目が続き、「ソフトウエアの使い
研究上の立場別の割合:「教授」の「写実的な表現方法」
(45.0%)が特に多かった。また「表現上、困難だと思
うこと」の結果と同様、「学部生」の「文字の配置方法」
(46.2%)が多かった。
方」も3分の1(35.1%)が困難を感じていることがわ
年齢別の割合:「50歳代以上」は、多くの項目で選択し
かった19。
た割合が他の年代より多かった。
研究分野別の割合:
「工学」の「画面の構成方法」
(55.0%)
、
「総合領域」は「文字の配置方法」
(40.0%)が他より特に
多かった。
「社会科学」はいずれもの項目も他分野より少
センス良く美しく描く方法
73.3%
わかりやすく表現する方法
なかったが、特に「センス良く美しく描く方法」
(33.3%)
配色方法
が少なかった。
画面の構成方法
研究上の立場別の割合:「教授」は「ソフトウエアの使
ソフトウエアの使い方
い方」(50.0%)、「立体的な表現方法」(61.9%)、「写実
かたちや線の描き方
71.4
52.3
49.9
47.0
46.1
立体的な表現方法
センス良く美しく描く方法
68.3%
わかりやすく表現する方法
58.2
配色方法
50.1
かたちや線の描き方
44.2
立体的な表現方法
40.6
ソフトウエアの使い方
35.1
画面の構成方法
34.8
写実的な表現方法
23.2
文字の配置方法
17.2
階調の表現方法
17.2
書体の選択方法
その他
15.0
5.7
図8. 表現上、困難だと思うこと
64
科学者によるサイエンスイラストレーション作成の実態
42.2
文字の配置方法
30.8
写実的な表現方法
24.6
階調の表現方法
23.6
書体の選択方法
その他
22.7
6.7
図9. 参考にしてみたいガイドの内容
4.1.8 作成の満足度
自分で作成したイラストに満足しているか回答を求め
た(図10)。「とても満足している」を選択した回答者は
0.5%のみで、「とても満足している」と「まあまあ満足
している」を合算した「満足傾向層」が36.3%だった。
一方、「まったく満足していない」と「あまり満足して
いない」を合算した「不満足傾向層」は63.3%だった。
つまり27.0%の差で「不満足傾向層」の割合が多いこと
研究分野別の割合:「インターネット講座を見て参考に
がわかった。
する」の「数物系科学」
(63.2%)が他より多かった。ま
研究分野別の割合:「まあまあ満足している」が特に多
た「専門スタッフから個人指導を受ける」の「社会科学」
かったのは「総合領域」(60.0%)だった。
は0.0%だった。
研究上の立場別の割合:「不満足傾向層」が「大学院生」
研究上の立場別の割合:「講師」は「ガイド本を入手して
(72.6%)と「民間企業の研究者」
(72.2%)は比較的多かった。
参考にする」(86.6%)が特に他より多かったが、「イン
まったく満足 その他
していない
0.5%
11.5%
とても満足
0.5%
なかった。
年齢別の割合:「50歳代以上」は「ガイド本を入手して
参考にする」(81.6%)が他より多く、「講習会やフォー
あまり満足
していない 51.8%
まあまあ満足
35.8%
ターネット講座を見て参考にする」
(27.3%)が他より少
ラムに参加する」(31.6%)が他より少なかった。
男女別の割合:「女性」は「講習会やフォーラムに参加
する」(56.5%)が「男性」より14.3%多かった。
満足傾向層 36.3%
不満足傾向層 63.3%
図10. 作成の満足度
作成ガイド本を入手
して参考にする
4.1.9 作成技術の向上と研究との関係
インターネット講座
を見て参考にする 46.8
講習会やフォーラム
に参加する 45.9
イラストの作成技術向上が、自身の研究上、有益だと
思うかどうかについて、回答者全員から回答を求めた(図
11)。
結果は、69.9%が「とても有益」、28.1%が「まあまあ
有益」と回答しており、これらを合算すると98.0%となっ
た。これにより程度の差はあるだろうが、ほとんどの研
71.9%
専門スタッフから
個人指導を受ける その他
36.9
10.2
図12. 作成技術の上達方法
究者が、作成技術の向上は研究に有益だと思っているこ
4.1.11 作成に関する自由意見
とがわかった。
イラスト作成に関して、意見や疑問などを800字以内
研究分野別の割合:「とても有益」が他より多かったの
で自由に記入するよう回答者全員に求めた。
は、
「医歯薬学」
(84.1%)と「複合新領域」
(88.9%)だっ
た。一方「とても有益」が「社会科学」
(50.0%)と「総
その結果、42.5%の回答者が自由記述欄に記入した。
合領域」(50.0%)は他より少なかった。
をどう両立させるかが難しい」
、
「時間をかけられない、
研究上の立場別の割合:「とても有益」の「民間企業の
時間をかけたくない、早く描きたい」
「無料でダウンロー
研究員」(83.3%)は他より多かった。
ドできるイラストのテンプレートがあると良い」
「よい作
まったく有益
ではない 0.0%
あまり有益で
はない 0.7%
多かった意見は「
『科学的な正確さ』と『わかりやすさ』
成例がある参考書があるとよい」
「センス良く描きたい」
などがあった。また「著作権問題が気になる」
「色覚バリ
アフリーへの配慮が必要」
「イラストのプロに依頼したい」
「学ぶ機会を増やしてほしい」等の記述もあった。ソフト
とても有益
69.9%
まあまあ有益
28.1%
ウエアに関する記述も多く、「Illustratorが高価」など
経費負担に関する問題の他、「Illustratorはハードルが
高い」「Photoshopは使いこなせない」「PowerPointで複
有益傾向層 98.0%
その他 1.4%
図11. 作成技術の向上と研究との関係
4.1.10 作成技術の上達方法に関するニーズ
雑な絵を描くには限界がある」だった。
4.2 科学者によるサイエンスイラストレーション依頼
の実態
作成技術の上達のために、どのような方法がよいと思
4.2.1 依頼に関する意識
うか、回答者全員から回答を求めた(図12)。
プロに依頼したいと思うか全員に回答を求めた(図13)。
「ガイド本を入手して参考にする」(71.9%)が最も多
35.7%が「できれば依頼したい」
、6.3%が「ぜひ依頼したい」
かった。次に「インターネット講座を見て参考にする」
(46.8%)
、
「講習会やフォーラムに参加する」
(45.9%)
「専
門スタッフから個人指導を受ける」
(36.9%)と続いた 21。
と回答した。合算した「依頼したい傾向層」は42.0%で
あった。一方、43.7%が「できれば依頼したくない」、7.9%
が「まったく依頼したくない」と回答し、合算した「依頼
芸術研究報32, 2011
65
ぜひ依頼したい
6.3%
できれば依頼したい
35.7%
まったく依頼
したくない 7.9%
その他
6.2%
できれば依頼したくない
43.7%
お金をかけたくないから
55.3%
値段が高そうだから
52.6
自分で描いたほうが良い
から
41.7
手続きが面倒そうだから
依頼したい 傾向層 42.0%
依頼したくない傾向層 51.6%
図13. 依頼に関する意識
23.2
21.5
時間をかけたくないから
したくない傾向層」は51.6%となった。比較すると、9.6%
依頼する方法がわから
ないから
の差で「依頼したくない傾向層」が多いという結果になっ
信頼できないから
た22。
その他
研究分野別の割合:「まったく依頼したくない」が特に
32.5
研究費等で報酬を支払え
ないから
プロのイラストレーターに
知り合いがいないから
21.1
19.3
10.5
23.2
他より多かったのは総合領域」
(30.0%)と「工学」
(22.7%)
図14. 依頼したくない理由
だった。
4.2.3 依頼時の妥当な価格
研究上の立場別の割合:大学教員はすべて「依頼したい
プロに依頼した場合、イラストひとつに対し、どれく
傾向層」が「依頼したくない傾向層」より多かった。「まっ
たく依頼したくない」が特に多かったのはと「大学院生」
(17.9%)だった。
年齢別の割合:「まったく依頼したくない」は「20歳代
以下」(15.6%)が特に多かった。
4.2.2 依頼したくない理由
上記の問いに対して、「できれば依頼したくない」と
らいの制作費用が妥当だと思うかについて回答を求めた
(図15)。
上位は、
「5,000円∼1万円未満」(23.1%)、
「3,000円∼
5,000円未満」
(21.7%)、
「1,000円∼3,000円未満」
(18.1%)、
「1万円∼3万円未満」(16.5%)となった。次に「1,000
未満」(5.0%)、「3万円∼5万円未満」(3.8%)、「5万
円以上」(0.0%)と続いた。これにより44.8%が5,000円
「まったく依頼したくない」と回答した者228人(51.8%)
未満が妥当と思っていることがわかった。「その他」が
に、依頼したくない理由について回答を求めた(図14)。
11.8%で、主な記述は「価格は依頼するイラストの内容
結果として最も多かったのは「お金をかけたくないか
ら」
(55.3%)で、次に多かったのは「値段が高そうだから」
による」であった。
(52.6%)で、金銭的な理由が大きいことがわかる。他は
「自分で描いたほうが良いから」(41.7%)、「手続きが面
倒そうだから」(32.5%)、
「研究費等で報酬を支払えない
から」
(23.2%)、
「時間をかけたくないから」
(21.1%)
、
「プ
ロに知り合いがいないから」(21.5%)、
「依頼する方法が
わからない」
(19.3%)
、
「信頼できない」
(10.5%)であった。
研究分野別の割合:「1,000円∼3,000円未満」の「総合
領域」(40.0%)
、「5,000円∼1万円未満」の「社会科学」
(50.0%)が他より特に多かった。
研究上の立場別の割合:「1,000円∼3,000円未満」の「学
部生」(38.1%)と「民間企業の研究員」(33.3%)が他
より特に多かった。
年齢別の割合:「20歳代以下」は「1,000∼3,000円未満」
「その他」(23.2%)の内訳は、
「イメージや意図を伝え
(25.7%) や「3000∼5000円 未 満 」(27.5%) の5,000円 未
ることが難しそうだから」「自分で描けるようになりた
満の低価格帯を他の年代より多く選択していた。「30歳
い」などが多かった。「科学上の間違いが入る」、「著作
代」の「1万円∼3万円未満」
(24.3%)が他より多かった。
権の問題」という回答もあった。
研究分野別の割合:「手続きが面倒そうだから」の「工学」
3 万円∼
5 万円未満
3.8%
1,000円未満
5.0%
(64.3%)が特に他より多かった。また「値段が高そうだ
から」の「数物系科学」
(11.1%)と「総合領域」
(16.7%)
が特に他より少なかった。
研究上の立場別の割合:
「学部生」は「自分で描いたほ
うが良いから」(72.7%)と「お金をかけたくないから」
(81.8%)と特に他より多かった。また「お金をかけたく
ないから」の「民間企業の研究員」
(90.0%)はさらに多く、
「講師」(22.2%)は特に少なかった。
年齢別の割合:「20歳代以下」は「お金をかけたくない
から」(65.8%)が他より多かったが、「値段が高そうだ
から」(40.8%)が他より少なかった。「50歳代以上」は
1,000円∼
3,000円∼
3,000円未満 5,000円未満
18.1%
21.7%
5,000円∼
1 万円未満
23.1%
5 千円未満 44.8%
5 万円
以上
0%
1 万円∼
3 万円未満
16.5%
その他
11.8%
図15. 妥当な価格
4.2.4 依頼時の妥当な制作期間
プロに依頼した場合、イラストひとつに対し、どのく
らいの制作期間が妥当だと思うかについて回答を求めた
(図16)。
「時間をかけたくない」
(35.0%)と「値段が高そうだから」
結果は「3日∼7日未満」(39.6%)が最も多く、「1
(65.0%)が他より多かった。また「30歳代」の「自分で
日∼3日未満」
(24.9%)
、
「7日∼14日未満」
(20.6%)、
「1
描いたほうが良いから」
(31.7%)は他より特に少なかった。
男女別の割合:「女性」は「値段が高そうだから」
(67.8%)
が「男性」より20.5%も多かった。
日未満」(7.5%)、と続いた。7日未満と回答した者の割
合を合算すると72.0%だった。
研究分野別の割合:
「工学」のみ「1日∼3日未満」
(36.4%)
のほうが「3日∼7日未満」(27.3%)より多かった。
研究上の立場別の割合:「准教授」のみ「1日∼3日未満」
66
科学者によるサイエンスイラストレーション作成の実態
20日以上
0.5%
14日∼20日
未満 3.2%
1 日未満
7.5%
1 日∼ 3 日
未満 24.9%
3 日∼ 7 日未満
39.6%
7日∼14日
未満 20.6%
7日未満 72.0%
その他
3.8%
図16. 妥当な制作期間
うことがわかった。こうした違いは興味深く、芸術性の
高いイラストレーションと分けて考える際に重要な判断
基準になるだろう。
(35.4%)のほうが「3日∼7日未満」
(31.3%)より多かった。
「表現上、困難だと思うこと」「参考にしてみたいガイド
年齢別の割合:
「50歳代以上」の「3日∼7日未満」
(60.5%)
の内容」:「センス良く美しく描く方法」が第1位で、第
を選択した割合が特に高かった。
2位が「わかりすく表現する方法」だった。科学者はこ
4.2.5 依頼に関する自由意見
プロへの依頼に関して、意見や疑問などを800字以内
れらについて特に困難を感じ、ガイドを参考にしてみた
いと思っていることが証明された。また、「表現上、重
で自由に記入するよう回答者全員に求めた。その結果、
視していること」では「わかりやすさ」が第1位で「セ
48.2%の回答者が自由記述欄に記入した。
ンス良く美しく描く方法」は第3位だった。つまり「わ
多かった意見は「予算や時間の制限があるので自分で
描きたい」「依頼するプロに意図やイメージが伝わるか
心配」「英文校正などのように依頼できるとよい」「依頼
するプロが科学的知識を持っているかどうかが問題」で
あった。「プロに依頼しやすいように、値段や納期や連
絡先などの情報がまとまっていると、とてもありがた
かりやすい」表現を最も重視しているが、「センスの良
さ・美しさ」の表現により困難を感じていることになる。
5.3 表現方法
「配色方法」:「表現上、困難だと思うこと」と「参考に
してみたい作成ガイドの内容」とも、「配色方法」が表
い」「プロが大学や研究機関に専属がいるとよい」「論文
現方法のなかでは最上位であるので、予想とは異なり、
誌の表紙に選ばれた場合などは、プロに依頼したい」
「こ
改善のための具体的な方法として、科学者の問題意識が
のような職業が成り立てば非常におもしろいと考えま
す」という回答もあった。
高いと考えられる。
「画面の構成方法」:「参考にしていたい作成ガイドの内
容」では「配色方法」についでこれが上位にある。つま
5. 考察
調査結果をもとに考察した。回答者が多かった生命科
学分野の科学者を中心とした考察である。
り、やはり予想とは異なり、比較的、科学者の問題意識
が高かったことがわかった。
「文字の配置方法」「書体の選択方法」:いずれも順位は
低く、予想どおり科学者の問題意識が低いと考えられ
5.1 作成方法
予想通りPowerPointの利用率が高かった。Microsoft
る。特に「書体の選択方法」は「その他」を除くと、最
下位である。ただし「学部生」や「20歳代以下」といった
Officeにパッケージされているだけでなく、Illustratorや
若い立場や年代の「文字の配置方法」が他より割合が高い
Photoshopに比べ安価であるためだと考える23。Illustrator
ので、問題意識の開拓に可能性を感じることができた。
やPhotoshopも思っていたよりは科学者に普及している
「かたちや線の描き方」「立体的な表現方法」:これらの
ことがわかった。特に「30歳代」「助教」「講師」のこ
図に関する表現方法は、文字に関する方法に比べ上位で
れらの利用率は他より高かった。これらの層はさらに
あり、比較的問題意識が高いことが明らかになった。
高度な表現に挑戦できる可能性があると考える。また、
「写実的な表現方法」「階調の表現方法」:これらの図に
PhotoshopやIllustratorは、ある程度使えるようになる
関する表現方法に科学者がどの程度問題意識を思ってい
までに時間がかかるが、とても機能的なソフトウエアで
るのか、とても興味があったが、結果としてはいずれも
もあるので、イラスト作成の効率を高めるためにも、よ
文字に関する表現方法と同様に優先順位が低いことがわ
り安価に入手できるようになることが期待される。
かった。
調査結果では「かたちや線の描き方」「立体的な表現
5.2 表現目的
方法」「写実的な表現方法」「階調の表現方法」を、「50
「表現上、重視していること」:「わかりやすさ」「学術的
歳代以上」や、比較的年代が他より高いと考えられる「教
な正確さ」「センス良く美しく描く方法」の順で上位に
授」が選択している割合が他より高かった。これらの層
あった。科学者は他の項目よりこれらを重視しているこ
における図の表現方法に対する問題意識が他より高いと
とがこの調査によって明らかになった。ただ続いて上位
言える。
にある「インパクト・印象強さ」も44.4%が選択してい
るので軽視はできない。また、芸術領域では一般的に
「独
自性」や「新規性」が重視される傾向にあるが、今回の
5.4 満足度、研究にとっての有効性、作成技術の上達
方法
調査ではいずれも5%前後という結果で、サイエンスイ
9割以上の科学者はイラストの作成経験があるが、6
ラストレーションではこれらがあまり重視されないとい
割以上が自身のイラストにあまり満足していないというこ
芸術研究報32, 2011
67
機能性
5 4 3 2 1
機能性
審美性
1 2 3 4 5
審美性
5 4 3 2 1
1 2 3 4 5
経済性
経済性
景観性
図17.デザインの条件
とが調査結果から明らかになった。そしてほとんどの科
図18.屋外広告のデザイン条件
機能性(わかりやすさ)
学者がイラスト作成技術の向上は研究に有効だと思って
いることも明らかになった。これにより本研究結果をも
とに、イラスト作成に関する指針を示すことは、多くの研
究者にとって大いに意義があるということが確認できた。
作成技術の上達方法として、多くが「ガイドブック」
審美性
5 4 3 2 1
(センスの良さ・
美しさ)
1 2 3 4 5 経済性
(費用)
を選択したのは、最もポピュラーで手軽な手段であるか
正確性(学術的な正確さ)
らだろう。一方、講習会やフォーラムへの参加や、専門
スタッフから個人指導を受けたいと思っている科学者も
図19.サイエンスイラストレーションの条件
4割前後いて、予想より熱心な科学者が多いというのが
率直な印象である。大学や大学院といった高等教育のな
かうほど、デザインクオリティが高いとされる(図17)。
かで、サイエンスイラストレーション作成に関する授業
また「屋外広告物に求められるデザイン条件」であれば、
を充実させることで、こうしたニーズに応えることがで
24
。これまでの結果をもとに、
「景観性」が加わる(図18)
これらをサイエンスイラストレーションに当てはめる
きるのではないだろうか。
と、機能性はわかりやすさに、審美性はセンスの良さ・
5.5 プロへのサイエンスイラストレーション依頼
美しさといった魅力に関する要素に、経済性は費用に置
イラストをプロに依頼したくないという回答者が約半
き換えられ、さらに正確性(学術的な正確さ)を加える
数だったが、その理由は金銭的な問題が大きかった。ま
ことができるだろう(図19)。この指標ではデザインと
た、自分自身で描きたいという理由も多かった。
同様に中心から外側に向かうほど、サイエンスイラスト
イラスト1点の妥当な価格は、5,000円未満が44.8%、
レーションとしてのクオリティが高いと考えられる。
妥当な制作期間は7日未満が72.0%という結果となっ
調査結果では目的の約9割が学会発表で、約6∼7割
た。さらに「自分で描いたほうが良いから」
(41.7%)
「手
が論文・申請書・報告書などの研究書類だった。これら
続きが面倒そうだから」
(32.5%)も無視できない結果だ。
は学術的な正確さが重視されるだろう。大学生や一般向
自由意見にも多くあった依頼するプロに意図が伝わるか
けの講義や書籍も3割以上の目的となっていることがわ
心配」といった、いかに両者のコミュニケーションを図
かったが、これらにも学術的な正確さはもちろん重要だ
るかについても課題が残る。
が、学会発表や研究書類より、さらにわかりやすさが求
依頼に関するこの調査によって様々な課題が浮き彫り
められると考えられる。また広報用のポスター・チラシ・
になってきた。まずは「その他」の主な記述にもあった
Webなども目的の約3割になっているという結果だった
ように「価格は依頼するイラストの内容による」ので、
使用目的、媒体、サイズ、色数、表現レベル、著作権の
が、これらは他に比べ魅力的に訴える審美性が要求され
るだろう。このように今後は、科学者が目的に沿ったよ
所在、納期等、詳しい内容や条件を示した調査の必要が
りよいイラストを作成するための指針を、この指標を元
あることがわかった。また、制作期間については実質的
に示していきたい。
にかかる時間なのか、依頼してから完成するまでの期間
なのかをはっきりさせる必要もある。筆者のこれまでの
6. まとめ
経験からすると、7日未満という制作期間は妥当だと
様々な角度から科学者のイラスト作成に関する実態を
思ったが、5,000円未満という価格は低すぎると思った。
考察することができた。この考察結果をもとにした指針
プロのサイエンスイラストレーターがこれらの価格や制
を具現化するために、科学者の実態に即した役立つガイ
作期間について、どのように考えているかも今後調査し
ドブックを提案したいと考えている。
比較する必要がある。
科学者の作成技術が向上し、よりよいイラストを作成
金銭的な問題や手続き上の問題が解決し、プロにス
することができるようになれば、科学の発展に寄与する
ムーズに依頼する方法を整備できれば、科学者のイラス
ことになるだろう。また、おのずと自身で作成すること
ト作成に関する負担を減らすことができるだろう。
の限界や、プロがつくるイラストの真の価値が認識でき
るようになり、プロとの円滑なコミュニケーションも可
5.6 科学者がサイエンスイラストレーションに求める
条件と作成目的
先行文献によれば「デザインに求められる条件」は
「機能性(使いやすさ)」
「審美性(美しさ)」
「経済性(つ
くりやすさ)」の3点にまとめられ、中心から外側に向
68
科学者によるサイエンスイラストレーション作成の実態
能になるのではないかと思っている。そしてプロへの
ニーズも高まり、将来的には北米に見られるような25、
サイエンスイラストレーターを養成する高等教育機関設
立への道が開けるのではないかと期待している。
謝辞
本調査を行うにあたっては、多くの研究者の皆様にご協
力をいただき、アンケート調査を実施することができた。
12
この場を借りて御礼申し上げる。特に東北大学の渡辺正
夫教授には、格別なご支援をいただき、厚く御礼申し上
13
げる。なお本調査は科学研究費補助金(基盤(C)
)「科
学者のためのサイエンスイラストレーション作成ガイド」
(研究代表者:田中佐代子)の一環として行われた。
14
15
註
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
Scientific illustration、Medical illustration、Biomedical
illustration、Science Graphic、Science Visual、 図 版、 ポ
ンチ絵といった表現もある。
額賀淑郎「科学論における視覚表象論の役割 ― 視覚知・
視覚化の学説研究 ―」、年報 科学・技術・社会、第11巻、
p94-95、2002
「当面、1件当たり年間3千万円以上の公的研究費(競争
的資金またはプロジェクト研究資金)の配分を受ける研
究者等に対して、
『国民との科学・技術対話』に積極的に
取り組むよう公募要項等に記載する。」「国民との科学・技
術対話」の推進について、科学技術政策担当大臣・総合
科学技術会議有識者議員、2011年6月、http://www8.cao.
go.jp/cstp/output/20100619taiwa.pdf
「2005年、科学技術振興調整費によって科学コミュニケー
ター養成講座が、東京大学、北海道大学、早稲田大学に設
置された。」標葉隆馬、他:生命科学分野研究者の科学技
術コミュニケーションに対する意識:動機、障壁、参加促
進のための方策について、科学技術コミュニケーション6、
p18、2009
国立天文台が三鷹市と連携して、平成19年度より文部科学
省科学技術振興調整費によって、「科学映像クリエータ」
と「科学プロデューサ」コースを開設している。http://
prc.nao.ac.jp/ashub/
北海道大学等教育推進機構高等教育研究部科学技術コミュ
ニケーション教育研究部門(CoSTEP)
「グラフィックデ
ザイン演習」が1年間で4時間のみ行われていたが、ラ
イティングスキル等の授業と比べると、少ない授業時間
数である。http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/costep/learn/
general/outline.html
吉田勝久『医学・バイオ系のためのFig.作成ガイド― 論文・
プレゼンに役立つPhotoshop/Illustrator活用法 ―』、オー
ム社、2007
門川俊明・秋月由紀『Illustratorのやさしい使い方から論
文・学会発表まで』、羊土社、2008
Mary Helen Briscoe “A Researcher’s Guide to Scientific
and Medical Illustrations”, Block/Springer Series in
Contemporary Bioscience, Springer-Verlag, 1990
八十島博明『Macで描く科学イラスト』、日経サイエンス社、
p6-7、1994。ちなみにパソコンやソフトウエアの使用方法
についてはほとんど記術されていない。
講演「サイエンスイラストレーション作成のためのデザイ
ンルールとは?」フォーラム企画「プロに学べ!魅せるサ
イエンスイラスト!」BMB2010(第33回日本分子生物学
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
会年会・第83回日本生化学会大会 合同大会)、神戸国際
展示場、2010年12月
オンラインアンケートによる調査内容は筑波大学研究倫理
審査委員会での承認後に実施した。(承認日:2010年9月
15日)
オンラインアンケートでは、「中断」後に再開できるよう
にした。また回答の送信後も「回答を撤回」や「回答を修
正」することができるようもした。
より簡潔な設問にするため「写真や写真の加工による図」
は除くことにした。
研究分野は科学研究費補助金のH23公募要領の「分野」を
参考にした。
50歳代は33名、60歳代は4名、70歳代は1名という結果
だった。少数だった60歳代と70歳代をクロス集計に用いる
ことは困難であるため50歳代としてまとめた。
Webアンケート調査では、対象テーマに興味・関心の高い
回答者が答える傾向にあるため、科学者全体を対象にした
無作為抽出による調査に比べ、イラストに対して肯定的な
回答をするバイアスが生じている可能性は否定できない。
調査期間:2011年1月1日(土)∼1月31日(月)、対象
データ数:479,369,036アクセス、調査結果概要OSシェア、
株式会社サムライファクトリー http://www.value-press.
com/pressrelease.php?article_id=72343
「その他」
(5.7%)の内訳は、
「分かりやすさと正確さの両立」
「時間さえかければ良いものが書けるが、時間がかかりす
ぎる」「どうしたら好印象を与えられるか」「なるべく言葉
による説明なしでわかるように描く方法」「ポイントを如
何に強調するか?の方法」などであった。
「その他」(6.7%)の内訳は、「デザインの基礎、もしくは
専門家の考え方書いてあるもの」「科学的正確さと視覚的
分かりやすさの両立」「イラストの違いによるイメージや
わかりやすさの違いなどの実例」「研究者とイラストレー
ターのコミュニケーションのためのガイド」などであった。
「その他」(10.2%)で多かった意見は、「良い例を参考にす
る」、
「実績を積む」
「自身で描いたものに対して意見を聞く」
であった。
「その他」(6.3%)の理由は「ケースバイケース」や「予算
や費用次第」などであった。
「PowerPoint 2010」
(アカデミック・ダウンロード版)は10,500
円だった。http://www.microsoftstore.jp/Form/Product/
ProductCategory.aspx?cat=200005
「Photoshop CS5 Extended」
(アカデミック版)37,590円、
Illustrator CS5(アカデミック版)は26,460円だった。(2012
年 1 月 現 在 ) http://www.adobe.com/jp/joc/education/
purchasing/ste/price/
西川潔「第5章 屋外広告物のデザイン基礎 1屋外広告
に求められる条件」、『屋外広告の知識 第2巻 デザイン
編』、西川潔監修、ぎょうせい、p90、2006
北米ではサイエンスイラストレーションの教育プログラム
が大学院修士課程で実践されている。以下が代表的なプロ
グラムである。トロント大学Biomedical Communications、
ジョンズホプキンス大学Art as Applied to Medicine、イ
リ ノ イ 大 学Biomedical Visualization、 ジ ョ ー ジ ア 健 康
科 学 大 学Medical Illustration、 テ キ サ ス 大 学Biomedical
Communications、カリフォルニア州立大学Science Illustration。
芸術研究報32, 2011
69
Summary
A Study on How Scientists Prepare Scientific Illustrations
TANAKA Sayoko, KOBAYASHI Makoto and MIWA Yoshihiro
Recently, visualization for research presentations is progressing, and opportunities for scientists themselves
to make scientific illustrations are increasing. But there are few opportunities for scientists to learn scientific
illustration techniques, so many of the resulting illustrations are unattractive or incomprehensible. Therefore
we conducted a survey to understand the situation of Japanese scientists faced with producing scientific
illustrations. The purpose of this study was to form a basis for a set of guidelines for producing scientific
illustrations for scientists. The survey was conducted from December 2010 to January 2011, and we received
effective responses from 442 scientists, 82.7% of whom were from the Life Sciences.
We understood the following from the results. Although 95.0% of the scientists surveyed have had experience
producing their own illustrations, 63.3% were not satisfied with the illustrations they produced. Furthermore,
98.0% of scientists in our survey wished to improve their skills in producing illustrations in order to further their
research.
A great many of the scientists surveyed use Microsoft PowerPoint® to produce their illustrations, but we
think that this work would be more efficient if the use of Adobe Illustrator® and Adobe Photoshop® were more
widespread. Many scientists indicated that their scientific illustrations were for use in presentations at academic
meetings, and in research papers. The scientists considered “comprehensible”, “scientifically correct” and
“attractive, good sense of beauty” to be important qualities of scientific illustrations, and while they were highly
conscious of the importance of “color scheme” and “layout” in the production of illustrations, they were less
aware of “typography” and “the selection of font styles”.
Additionally, we surveyed Japanese scientists’ opinions on ordering their illustrations from professional
illustrators. As a result, 51.6% of the scientists surveyed answered that they don’t want to order from
professional illustrators, primarily for financial reasons.
We considered from the results that important factors which scientists demand from their illustrations are
“functionality (comprehensible)”, “accuracy (scientifically correct)”, “aesthetics (attractive, good sense of beauty)”
and “economy (cost)”. In future, we will show guidelines for scientific illustrations based on the above conditions
and in line with illustration purposes.
70
科学者によるサイエンスイラストレーション作成の実態
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