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新株発行に関する会社概要書 - DANベンチャーキャピタル

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新株発行に関する会社概要書 - DANベンチャーキャピタル
新株式発行に関する会社概要書
平成 28 年 12 月
DAN ベンチャーキャピタル株式会社
1.この会社概要書に示されている株式 20,000 千円の募集(以下「本募集」といいます。
)
については、金融商品取引法第4条第1項第5号の規定により、有価証券届出書は提出
されておりません。なお金融商品取引法第4条第6項により有価証券通知書を平成 28
年 12 月8日付けで関東財務局に提出しております。
2.本募集について、金融商品取引業者(証券会社)による引受又は募集の取扱いは行わ
れません。本募集は発行会社による直接募集により行われます。
3.この会社概要書には、事業計画に関する情報が含まれています。事業計画は現況の経
営環境及び経営戦略を前提とした仮説に基づいて作成されています。環境の変化、戦
略の変更、仮説の誤り等により、計画通りに遂行できない可能性があり、計画の達成
を保証するものではありません。また事業計画に併せて本書に含まれる「事業等のリ
スク」をご精読いただき、十分にご理解の上、ご利用くださいますようお願い申し上
げます。
目
次
第一部【証券情報】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
第1 【募集情報】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1【新規発行株式】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2【株式募集の方法及び条件】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
3【株式の引受け】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
4【新規発行による手取金の使途】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
第二部【企業情報】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
第1【企業の概況】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
1【沿 革】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
2【事業の内容】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
第2【事業の状況】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
1【業績等の概要】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
2【対処すべき課題】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
3【事業等のリスク】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
第3【会社の状況】
1【株式等の状況】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
2【自己株式の取得状況】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
3【配当政策】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
4【株価の推移】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
5【役員等の状況】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
第4【経理の状況】
1【計算書類】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
2【事業計画】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
第5【提出会社の株式事務の概要】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・30
第一部【証券情報】
第1【募集要項】
1 【新規発行株式】
種類
普通株式
発行数
内容
400 株
完全議決権株式であり、権利内容に何ら限定のない提
(注)1、2
出会社における標準となる株式です。
(注)1.平成 28 年 12 月5日(月)開催の取締役会決議によるものであります。
2.発行数については、申込状況により変動する可能性があります。
2 【株式募集の方法及び条件】
(1)【募集の方法】
区分
発行数(株)
発行価額の総額(円)
資本組入額の総額(円)
株主割当
―
―
―
その他の者に対する割当
―
―
―
一般募集
400
20,000,000
10,000,000
計(総発行株式)
400
20,000,000
10,000,000
(注) 1.一般募集の方法によるものとし、そのすべてを発行会社が直接募集し、その他の方法
による募集は行わないものとします。
2.発行価額の総額は、会社法上の払込金額の総額であり、資本組入額の総額は会社法上
の増加する資本金の額の総額であります。
3.本募集においては、募集目標株式数を 300 株(募集目標額 15,000,000 円)とし、申込
株式数が募集目標株式数に到達しなかった場合には発行を中止いたします。
4.本募集における申込株式数が 400 数を超える場合は発行数を 400 株とし、発行会社が
割当先及び割当株式数を決定することとし、申込株式数が 400 株に達しない場合は、
申込株式数をもって発行数とします。
(2)
【募集の条件】
発行価格
資本組入額
申込株数単位
(円)
(円)
(株)
50,000
25,000
申込期間
申込証拠金
払込期日
(円)
10
自 平成28年12月8日(木)
1株につき
至 平成28年12月 29日(木)
50,000
平成28年12月30日(金)
(注)1.申込みの方法は、申込期間内に後記申込取扱場所へ「株式申込証」に所定事項をご記
入・ご捺印の上「ご本人様確認書類」及び申込証拠金を添えて申込みをするものとし
ます。
2.最低申込株数は 10 株、申込単位は 10 株とします。
3.申込株式数が 400 株に達しない場合、申込株式数をもって発行株式数とします。
1
4.申込株式数が 400 株を上回った場合には、発行会社が割当先及び割当株式数を決定し
ます。その場合には、発行会社は割当を受けられなかった株数に応じ、申込証拠金を
返還します。
5.申込証拠金(1株につき 50,000 円)を払込期日(平成 28 年 12 月 30 日)に新株式払
込金に振替充当します。
6.申込証拠金には利息をつけません。
7.株券は不発行です。
(3)【申込取扱場所】
店名
所在地
DANベンチャーキャピタル株式会社
東京都千代田区内幸町一丁目1番1号 帝国ホテ
本店
ルタワー15 階
(4)【払込取扱場所】
店名
株式会社三井住友銀行
所在地
日本橋支店
東京都中央区日本橋室町二丁目1番 1 号
3【株式の引受け】
該当事項はありません。
4【新規発行による手取金の使途】
(1)【新規発行による手取金の額】
払込金額の総額(円)
発行諸費用の概算額(円)
差引手取概算額(円)
20,000,000
1,000,000
19,000,000
(注)発行諸費用の概算額には、消費税等は含まれておりません。
(2)【手取金の使途】
上記手取概算額 19,000 千円のうち 2,000 千円については、株式投資型クラウドファン
ディング業務の開始に際して必要となる広告宣伝費に 1,500 千円、人件費に 10,000 千円、
事務所家賃等に 4,000 千円に充当する計画であります。なお、具体的な使途別の金額及び
支出の時期については、当社の第一種少額電子募集取扱業者としての登録を前提とする株
式投資型クラウドファンディング業務が開始の時期等により変動が予想される資金繰り
の状況等に応じて決定いたします。
2
第二部【企業情報】
第1【企業の概況】
1 【沿革】
当社は、代表取締役の出縄良人が資本の全額を出資して、平成 27 年5月に設立されました。
出縄は公認会計士として、太田昭和監査法人(現:新日本有限責任監査法人に入社)にて主に
株式上場コンサルティング業務に従事した後、1993 年に株式会社ディー・ブレインを設立し、
中小企業向けコンサルティング事業を開始。1997 年には株式公開専業の証券会社ディー・ブレ
イン証券株式会社(現:日本クラウド証券株式会社)を創業しました。日本証券業協会のグリ
ーンシート銘柄制度の育成に尽力し、同制度を活用して 2010 年までに 141 社の中小企業に対
して 112 億円のエクイティファイナンスを支援。そのうち上場会社との経営統合によるものも
含めて 18 社が証券取引所に上場しています。ディー・ブレイン証券の経営理念は「価値ある
事業の成長支援のインフラ構築」。社会に役立つ価値ある多くの企業の成長をインフラとして
支える理念は、当社に引き継がれています。出縄は 2010 年にディー・ブレイン証券の代表を
退任し、株式会社出縄&カンパニーを設立してグローバル経営人倶楽部やファイナンス支援実
務研究会(現:FinTech 実務研究会)等により中小ベンチャー企業、金融機関及び公認会計士
を中心とするネットワークを構築。エクイティファイナンス及びクラウドファンディングに専
門性を発揮する企業成長支援のプラットフォームを発展させるべく、当社を設立したものであ
ります。
年 月
平成 27 年 5月
概
要
東京都千代田区内幸町一丁目1番1号帝国ホテルタワー15 階にてCVCファンド運
営管理業務を主な目的として当社を設立。資本金 10,000 千円。
平成 27 年 6月
独立ベンチャーキャピタリストの登録を開始。
平成 27 年 7月
第1号ファンド「DAN1号投資事業有限責任組合」を組成。投資事業を開始。
平成 27 年 10 月
第2号ファンド「ゴキゲン1号投資事業有限責任組合」を組成。
平成 27 年 11 月
公募増資により資本金を 42,000 千円に増額。
平成 28 年1月
第三者割当増資により資本金を 44.000 千円に増額。
平成 28 年2月
CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)アドバイザリー業務を開始。
平成 28 年3月
第三者割当増資により資本金を 50,000 千円に増額。
平成 28 年4月
ベンチャーキャピタリスト養成講座を開講。
FinTech 実務研究会を開設。
平成 28 年5月
DAN1号投資事業有限責任組合が株式会社 Manabelle の株式に出資。
平成 28 年9月
DAN1号投資事業有限責任組合が株式会社 KITOHA の株式に出資。
DAN1 号投資事業有限責任組合が株式会社丸和製作所の新株予約権付社債に出資。
平成 28 年 10 月
株式投資型クラウドファンディング対象企業の審査業務を開始。
3
2 【事業の内容】
当社は、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)支援事業として、ベンチャーキャピ
タルファンドの運営業務、CVCアドバイザリー業務及びベンチャー企業向けコンサルティン
グ業務を行うとともに、ベンチャーキャピタル養成講座の運営を行っています。また、金融商
品取引法に定める第一種少額電子募集取扱業者の登録の準備を行っており、登録後には株式投
資型クラウドファンディング業務として、株式型クラウドファンディングのプラットフォーム
運営事業を開始する予定です。
当社の事業の特徴を整理すると、以下の通りです。
① 株式投資型クラウドファンディング事業
2015 年5月に施行された改正金融商品取引法と日本証券業協会の規則により、我が国で
も株式型クラウドファンディングのプラットフォーム運営事業ができるようになりました。
これは非上場株式の投資勧誘禁止の例外として証券会社にインターネットを使った少額募集
取扱い(第一種少額電子募集取扱業務)に限り、「株式投資型クラウドファンディング業務」
として認めることとしたものです。併せて株式投資型クラウドファンディング業務のみを行
う新たな金融商品取引業者として「第一種少額電子募集取扱業者」が新設されました。当社
では、CVCサポート事業と平行して第一種少額電子募集取扱業者としての登録を目指し、
株式型クラウドファンディングのプラットフォーム「GoAngel(ゴーエンジェル:ご縁ジェル)」
の運営を開始する計画です。当社代表者が 1997 年に創業したディー・ブレイン証券(現:日
本クラウド証券)は、グリーンシート銘柄の主幹事業務でトップシェアの証券会社でした。
グリーンシート銘柄制度は、一定の情報開示を条件に証券会社に非上場株式の投資勧誘を認
める制度ですが、同制度は 2018 年3月をもって終了。これに代わる制度として株式投資型ク
ラウドファンディング制度が用意された経緯があります。米英では法改正による制度整備に
4
伴い、CrowdCube (英)、AngelsDen(英)、CircleUp(米)、Crowdfunder(米)等の投資型
クラウドファンディングが成長を加速しており、日本においても期待が高まるところです。
当社の代表者の出縄は、ディー・ブレイン証券の代表者として、141 社のグリーンシート銘柄
の募集又は私募の取扱いで合わせて 110 億円を調達し、そのうち 18 社が上場(上場企業との
経営統合5社を含む)した実績をもちます。当社では代表者のグリーンシート募集取扱いの
経験とノウハウを株式型クラウドファンディングのプラットフォーム運営に生かすとともに、
発行会社の発掘及び審査等において、CVC支援事業とのシナジーを図り、収益性の高いビ
ジネスモデルの構築を目指して参ります。
なお、当社では、現在、関東財務局に対して「第一種少額電子募集取扱業者」の登録申請
をするための事前相談を進めているところです。
② CVC支援事業
当社の事業の特徴の第二は「CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)のサポートに
あります。CVCは、事業会社が事業戦略の一環として新規事業や関連事業を育てるために
シナジーのあるベンチャー企業を中心に投資を行うもので、オープンイノベーションを実現
する最適な手段と言われています。日本でも、情報通信関連の上場企業等を中心にCVC投
資が活発化していますが、同様のニーズを潜在的にもつ企業は、中小規模の上場企業を含め
て数千社に上ると推定されます。課題は大企業と比較して投資事業を行う専門人材が社内に
不足していることです。そこで当社ではオープンイノベーションのニーズを持つ事業会社と
クライアントとして、当該事業会社が出資するCVCファンドのGP(ジェネラルパートナ
ー)を担うほか、CVCアドバイザリー業務を通じて、投資先の発掘、調査、企業価値評価、
投資交渉と投資契約、投資後のモニタリング等の専門業務をサポートしています。
当社では現在、CVCファンドとしてDAN1号投資事業有限責任組合を運営しているほ
か、上場会社をクライアントとするCVCアドバイザリー業務を行っています。
③ 独立ベンチャーキャピタリストの登録制度
株式型クラウドファンディングとCVCサポートにおける専門業務を支えているプロフ
ェッショナルがベンチャーキャピタリストです。当社では、一定の知識・技術・経験の評価
に基づき、独立ベンチャーキャピタリストを登録する制度を運営しています。現在、登録キ
ャピタリストは 33 名。体系的なベンチャーキャピタリスト養成講座の運営と相まって、優
れた品質の専門業務を高いモチベーションで提供される体制を整えています。
登録ベンチャーキャピタリストとは業務委託契約に基づき、専門業務を委託します。報酬
体系は、担当投資先に対する投資金額をベースとして、当社がファンド又はクライアントか
ら獲得する報酬をシェアする契約となっています。
なお、ベンチャーキャピタリスト養成講座の受講生(受講申込済みで未受講の者を含む)
は現在 18 名。基礎講座・応用講座及び実践講座の全講座を修了した者は、当社のベンチャ
ーキャピタリスト資格を得ることができます。
5
第2 【事業の状況】
1 【業績等の概要】
(1) 業績(自 平成 27 年5月 15 日 至 平成 28 年4月 30 日)
当事業年度におけるわが国の経済は、政府の経済政策及び日銀の金融緩和策等の効果並びに
円安傾向が継続したことにより、大企業を中心に企業収益及び雇用環境が改善し、緩やかな回
復基調を維持いたしました。一方、生産過剰に伴う中国経済の減速を主因として資源価格が下
落、我が国においては日本銀行がマイナス金利政策に舵を取るなど、依然として経済の先行き
は不透明な状況にあります。
ベンチャーキャピタル業界においては、平成 27 年4月から平成 28 年3月までの1年間の新
規上場企業数が前年同期比7社増の 98 社となり、緩やかな EXIT 環境の改善が続いているとと
もに、金融商品取引法の改正により適格機関投資家特例業務により募集できる一般投資家の範
囲が制限される等、業界の健全な発展に期待が高まっています。
このような環境下、平成 27 年5月に設立した当社では、「価値ある事業の成長支援のイン
フラ構築」を事業理念とし、オープンイノベーションの一環として主に上場企業がベンチャー
企業に投資を行うことを目的とするCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)ファンドの
組成に力を入れております。第1号ファンドとしてDAN1号投資事業有限責任組合を組成し、
投資活動を開始いたしました。また当社では独立ベンチャーキャピタリストの登録制度を平成
28 年 10 月よりスタート。平成 28 年 4 月 30 日現在、米国シリコンバレー及び韓国ソウルで活
動する2名を含めて 28 名が登録されています。さらに、平成 28 年4月からは e-learning を
ベースとする本格的なベンチャーキャピタリスト養成講座を開講。将来の登録キャピタリスト
をめざす受講生が受講を開始しました。
世界で各種のクランドファンディングが急速に広がりを見せている中、米国では JOBS 法施
行による証券法の規制緩和に伴い、AngelList、CircleUp、Crowdfunder 等、株式を募集するタ
イプのクラウドファンディングが台頭しています。我が国でも平成 27 年5月に施行された改
正金融商品取引法で新たに投資型クラウドファンディングに関する法律が整備されました。第
一種金融商品取引業者の他、新設された「第一種少額電子募集取扱業者」の登録を前提に、株
式型クラウドファンディングのプラットフォームの運営が可能となりました。当社においては、
代表者の出縄が有するグリーンシート銘柄の募集取扱のノウハウと豊富な経験を生かして、株
式投資型クラウドファンディング業務を開始すべく、当事業年度において第一種少額電子募集
取扱業者の登録申請のための事前協議を関東財務局及び日本証券業協会と開始しました。
以上、当事業年度においてはファンド報酬及びベンチャーキャピタリスト養成講座の受講料
収入等を計上した結果、営業収益は 4,667 千円となりましたが、設立初年度の経費が先行し、
経常損失は 16,638 千円、当期純損失は 16,802 千円となりました。
(2) 設備投資の状況
当事業年度においては、ベンチャーキャピタリスト養成講座の動画コンテンツ等の制作に
5,426 千円の投資を行っております。
6
(3) 資金調達の状況
当事業年度においては、設立出資により 10,000 千円の調達を行ったことに加えて、50,000
千円を第三者割当増資により調達しております。
2 【対処すべき課題】
(1)収益基盤の確立
当社のCVCサポート事業の収益は、当社が無限責任組合員となって組成するファンド(投
資事業有限責任組合)の管理報酬、CVCアドバイザリー報酬及びベンチャーキャピタリスト
養成講座の受講料により構成されます。
当事業年度においては、DAN1号投資事業有限責任組合等、2本のファンドを組成いたし
ましたが、今後ファンド組成を加速し、収益力を向上することが課題です。
CVCファンドについては、複数の上場企業に提案を行っておりますが、経営トップが内諾
をしたファンド組成について取締役会承認まで時間を要している提案先が少なくありません。
CVCに関する社会的認知がまだ低く、設立間もない当社の社会的評価も定まっていないこと
が大きな要因であると考えられます。当社では代表者によるCVCに関する論文執筆や講演活
動を活発化することにより、CVCの認知度と当社に対する評価を高め、ファンド組成を加速
していく所存です。
CVCアドバイザリー報酬は、直接投資によるCVCを志向する企業のニーズに応えるため
に、ベンチャー企業の発掘・調査分析・投資後のモニタリング等の業務の対価として得ている
ものです。CVCファンドの組成まで時間を要する大企業においては、まずCVCアドバイザ
リー業務によりサービスの提供を開始し、その後CVCファンド組成に発展させるアプローチ
により進めて参ります。
① 株式型クラウドファンディング・プラットフォームの立ち上げ
当社では、主に創業期の企業の資金調達ニーズに応えるために、株式型クラウドファンディ
ング・プラットフォームの運営事業(以下「株式型CF事業」といいます。)を開始する計画
です。この業務は、金融商品取引法に定める「第一種少額電子募集取扱業務」に該当し、第一
種金融商品取引業者又は第一種少額電子募集取扱業者のみが行うことができる業務です。現在、
関東財務局においては、金融商品取引業者の登録の手続きに1年間程度を要すると言われてお
りますが、当社としては、第一種少額電子募集取扱業者の登録と日本証券業協会への特定会員
としての加入をできるだけ迅速に進め、専用WEBサイト“GoAngel”をオープンして、株式型
CF事業を開始したい考えです。
当社においては、既に専用WEBサイトの開発をほぼ完了しているとともに、企業審査等に
関する必要な社内規程並びに組織体制を整えておりますが、専用WEBサイトのオープン後は、
魅力ある発行企業の募集実績を積み重ね、ノウハウの蓄積と社会的評価を確立することが課題
となります。
7
(2) 登録ベンチャーキャピタリストの拡充
CVC支援事業及び株式型CF事業において、投資先の発掘、調査及び評価、投資後のモニ
タリング等の専門業務を担うのは、登録ベンチャーキャピタリストです。登録キャピタリスト
とは当社の報酬をシェアする方法により専門業務を委託する契約を締結しています。優れた経
験とノウハウを有するベンチャーキャピタリストが高いモチベーションによって担当投資先
の業務に従事することで、当社の専門性を支えています。
平成 28 年 10 月末現在、登録ベンチャーキャピタリストは 33 名ですが、今後、CVC支援
事業及び株式型CF事業の拡大のためには、登録キャピタリストの拡充が不可欠です。そこで、
当社では、平成 28 年4月にベンチャーキャピタリスト養成講座を開講しました。基礎講座、
応用講座、実践講座から構成される体系的かつ本格的な講座です。基礎講座は企業財務や会社
法等の企業法務に加え、組織や労務、マーケティング、株式上場制度等、ベンチャーキャピタ
リストとしての専門業務を行うために不可欠な知識を習得することを目的として、e-learning
で提供しています。応用講座は、デューディリジェンスや資本政策の策定等のテーマについて
演習で学び、必要な技術を身につけます。実践講座は実際に当社の投資候補先を訪問し、経営
者ヒアリングを行って投資レポートを作成しています。当社の登録キャピタリストには、原則
としてベンチャーキャピタリスト養成講座を修了することを義務づけることで、当社の業務の
品質の維持・向上を図っています。平成 28 年 10 月 31 日現在のベンチャーキャピタリスト養
成講座の受講生は 18 名(未受講の申込者を含む)です。今後、当社においてはベンチャーキャ
ピタリスト養成講座の受講生の拡大を通じて、CVC支援事業及び株式型CF事業に従事する
登録ベンチャーキャピタリストの拡充を図ることが課題です。
(3) 有望なベンチャー企業の発掘
VC事業及びCF事業においては、将来の成長が期待される有望なベンチャー企業を発掘す
ることが求められます。当社においてはキャピタリストミーティングを原則として毎月開催し、
登録ベンチャーキャピタリストのそれぞれが有するベンチャー企業情報を共有している他、グ
ループ会社で運営している企業経営者の交流会「グローバル経営人倶楽部」やファイナンス分
野の専門家と実務家の勉強会「ファイナンス支援実務研究会」等を通じて情報収集を図ってい
ます。さらに当社が有する監査法人、会計事務所、金融機関等のネットワークからの紹介、外
部の異業種交流会やピッチイベントへの参加、また、代表者の講演や執筆等を通じて有望なベ
ンチャー企業の発掘を進める計画です。
(4) 社内管理体制の確立
当社はCF事業を開始するにあたり、第一種少額電子募集取扱業者として一定の業務管理体
制の整備が求められています。またVC事業においては 2016 年3月に施行された改正金融商
品取引法において「適格機関投資家等特例業務」における届出業者としての規制が強化され、
金融商品取引業者と同等の行為規制が課されました。当社としては法律で定める組織体制の整
8
備及び運用は勿論のこと、不正や誤謬を防止すべくコーポレートガバナンスの体制を充実し、
コンプライアンスを徹底して参る所存です。
(5)「暖かい投資」の概念の普及
当社の社名「DANベンチャーキャピタル」は「暖」ベンチャーキャピタルを意味します。
当社では創業期又は成長期の中小企業の成長を支えるべく、事業の発展に協力するパートナー
あるいは応援団としての株主を募ることを基本に置いています。CVCにおいては事業シナジ
ーが見込める上場企業を中心とする有力企業が実質的な株主となり、株式投資型クラウドファ
ンディングでは、事業の目的や経営者のもつ理念に共感して、サポーターとなる個人が資金を
投じます。このような資金を当社では「暖かい」資金と呼んでいます。
この「暖かい資金」あるいは「暖かい投資」の概念を広げることは当社の使命です。ファイ
ナンシャルリターンのみを狙う投資ではなく、事業の成長を通じたビジネスリターンを株主が
共有する「暖かい」投資の概念を広げることを通じて社会の発展に貢献して参る所存です。
9
3 【事業等のリスク】
以下において、当社の事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性がある事項を記載しており
ます。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、重要であると
考えられる事項につきましては、積極的な情報開示の観点から以下に示しております。当社は、
これらのリスク発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努
める方針ですが、本書の利用にあたりましては、本項の記載事項をご精読いただき、十分にご
理解いただきたくお願い申し上げます。
なお、文中の将来に関する事項は、本書作成日現在において当社が判断したものであり、将
来において発生の可能性のあるすべてのリスクを網羅するものではありません。
(1) 事業環境に関するリスク
① 業界の動向について
株式型CF事業は、平成 27 年5月に施行された改正金融商品取引法により新たに「第一種少
額電子募集取扱業務」として定義された業務に該当します。クラウドファンディングは広く一
般にはインターネットを通じて小口の資金を不特定多数から募り、資金を募集する人、企業、
プロジェクトに資金を還流させる仕組みのことです。複数の企業やプロジェクトを集めた WEB
サイトはクラウドファンディング・プラットフォームと呼ばれています。プラットフォームは
寄付型・購入型・貸付型・ファンド型・株式型に分類されており、当社はこのうち株式型クラ
ウドファンディング・プラットフォームの運営を事業として行って参ります。当社の代表取締
役である出縄良人は、日本証券業協会の非上場株式の投資勧誘制度グリーンシート銘柄制度を
活用し、インターネットを活用して 140 社を超える募集取扱いを行ってきたディー・ブレイン
証券(現:日本クラウド証券)の創業者で元代表取締役であります。当社としては、出縄良人
の経験とスキルを生かして、事業を推進して参りますが、事業遂行にあたり不測の障害が発生
することも考えられ、その場合には株式型CF事業の業績に影響を与える可能性があります。
CVCサポート事業は、主に非上場株式を投資対象として上場企業等のクライアントにアド
バイザリー業務を提供する他、ファンドを組成・運営し、投資先の成長に伴う価値の上昇を、
出資者に分配することがあります。当該事業は証券市場の株価動向及び新規上場企業の状況等
により影響を受けます。我が国における最近の新規上場企業数は 2006 年の年間 188 社をピー
クに 2009 年には 19 社に激減しました。その後、徐々に回復し、2015 年は 92 社が新規上場し
ています。2016 年も前年以上の新規上場企業数が見込まれ、増加傾向が継続すると予想されて
います。ただし世界経済の情勢変化等の要因により、株式市況が低迷する等の結果、新規上場
企業数が減少に転じた場合には、当社のCVC事業の業績に影響を与える可能性があります。
② 法的規制について
当社のCVCサポート事業は、金融商品取引法に定める「適格機関投資家等特例業務の届出
制度」により投資事業を目的とするファンド(組合)を組成する場合があります。適格機関投
資家特例業務の届出制度は、平成 28 年3月に施行された改正金融商品取引法において規制が
強化されました。従来は1名の機関投資家が組合員として出資すれば、49 名まで一般組合員が
出資でき、一般組合員には特段の資格要件は定められていませんでした。改正法では、一般組
合員たる個人について、原則として1億円以上の投資性金融資産を保有する者に限定されたほ
10
か、法人については5千万円以上の資本金又は純資産を有することが条件とされています。当
社が推進するCVCファンドについては、主に特定の上場会社が出資者となるファンドが中心
であることから、今回の法改正の影響は受けないと考えられますが、今後、さらに規制が強化
された場合には、当社のCVC支援事業の業績に影響を及ぼす可能性があります。
株式型CF事業は、金融商品取引法に定める第一種少額電子募集取扱業務に該当し、同法に基
づき金融商品取引業者としての登録が必要です。登録にあたっては関東財務局に対して登録申
請の手続きが必要であり、また日本証券業協会に対して特定業務会員としての加入申請も事実
上求められています。当社としては、形式要件として求められている人員体制並びに業務管理
体制を整備して参りますが、金融庁が判断する実質的な要件が予想以上に厳しいものであった
場合には、登録までに想定以上に時間を要する可能性があるとともに、想定を超える管理コス
トが発生する可能性があります。その場合には当社の株式型CF事業の業績に影響が及びます。
③ 規制当局による監督について
当社は現在、金融商品取引法に定める適格機関投資家特例業務の届出者(以下「届出者」と
いいます。)であります。改正金商法においては、届出者に対して金融商品取引業者に準じた
行為規制が課されるとともに、金融庁が監督を行うこととされています。当社としては必要な
管理態勢の整備及び適切な運用を心がけて参りますが、仮に金融庁の検査等によって、当社の
管理態勢等の不備が指摘された場合には、社会的な評価が低下するとともに、業務停止等の処
分となった場合には、機会損失が発生する可能性があります。
また、第一種少額電子募集取扱業者としての登録申請が認められた暁には、金融商品取引業
者としての規制を受けるとともに、日本証券業協会の特定業務会員として日本証券業協会から
監督を受ける立場となります。当社としては、第一種少額電子募集取扱業者及び特定業務会員
として適切な業務の運営に努めて参りますが、検査または監査の結果、当社の管理態勢等の不
備が指摘された場合には、社会的な評価が低下するとともに、業務停止等の処分となった場合
には、機会損失が発生する可能性があります。
(2)事業内容に関するリスク
① 事業を開始して間もないことについて
当社の設立は 2015 年5月であり、現在、事業開始後間もない状況にあります。2016 年 10 月
末現在、第1号ファンド(DAN1号投資事業有限責任組合)及び第2号ファンド(ゴキゲン1号
投資事業有限責任組合)を運営する他、上場企業をクライアントとするCVCアドバイザリー
業務を1社と契約して、CVCサポート事業を行っております。また、2016 年4月にはベンチ
ャーキャピタリスト養成スクールを開講し、2016 年 10 月末現在 18 名が受講しています。また
当社代表取締役は 2010 年まで代表取締役を務めていたディー・ブレイン証券において、新規
上場引受主幹事業務及びグリーンシート銘柄の募集取扱業務を通じてベンチャー企業の育成
を図ってきたほか、グループのディー・ブレイン・キャピタルで「インターネット成長未公開
企業ファンド」等を通じてベンチャー企業投資を行って参りました。これらの実績については
一定の評価はできると思われるものの、当社としての実績は未知数であり、その認知度及び社
会的評価は定まっておりません。今後、当社としては認知度の向上を図るべく積極的なコミュ
11
ニケーション戦略を推進して参りますが、想定通りに認知度及び社会的評価が高まらなかった
場合は、当社の業績に影響を与える可能性があります。
② 当社のファンドの性格について
当社ではCVCサポートを目的としたファンド(以下、「CVCファンド」といいます。)
を、主に上場企業に対して提案しています。CVCとは、NTTドコモ、サイバーエージェン
ト等、大企業が自らVC部門やVC子会社をつくってベンチャー企業投資を行う形態を指しま
す。投資の主な目的は、事業戦略の一環として、有望な新規事業や関連事業を開拓しグループ
のシナジーを高めることにあります。豊富な資金を活用し新規事業投資や関連事業投資を志向
する上場企業は少なくありませんが、大企業を除き、ベンチャー投資の専門人材が不足してい
るのが実態です。そこで、当社の登録ベンチャーキャピタリストの経験とスキルを活用して、
当社が業務執行組合員として、いわばコーポレートベンチャーキャピタルを代行し、あるいは
アドバイザリー業務を受けることにニーズがあるとの仮説の下、CVCサポートを提案してい
ます。現時点では、第1号ファンドは上場企業のCVCファンドとして組成を完了し投資活動
を始めているほか、1社の上場企業とCVCアドバイザリー契約により業務を行っています。
また、トライアルによるアドバイザリーサービスを提供している上場会社が1社あるほか、C
VCファンド組成に向けて具体的な協議を行っている会社が4社、アドバイザリーサービスの
具体的な契約を検討している会社が3社あります。今のところ、当社の仮説の通り、CVCに
関心をもつ上場企業は少なくないとの感触を得ていますが、仮説が誤っていた場合あるいは、
具体的なサービスの条件等が折り合わない場合には、サービスが拡大せず、当社の業績に影響
を与える可能性があります。
③ 企業発掘力について
当社においては、代表者の出縄良人が築いているグローバル経営人倶楽部、ファイナンス支
援実務研究会等を通じた投資先企業の発掘のほか、独自の監査法人・公認会計士ネットワーク
を活用することに加え、現在 33 名の登録ベンチャーキャピタリストによってユニークな企業
発掘力を有していると自負しています。しかしながら、それにも関わらず当社がこれらの情報
やネットワークを十分に生かせない等、有望な投資先候補企業の発掘が進まない場合には、当
社の業績に影響を与える可能性があります。
④ 審査責任について
株式型CF事業におきましては、第一種少額電子募集取扱業者に、発行会社の審査が義務づ
けられています。またCVC支援事業におきましても、投資先に対する審査はVCファンドの
成否にとって要であります。当社としては、独立した審査部門により専門性の高い審査を心が
けて参りますが、それにもかかわらず、問題のある企業に対する投資が行われたり、株式型C
F事業の対象企業として募集取扱が行われた場合には、当社の社会的評価が低下し、当社の業
績に影響を与える可能性があります。
12
⑤ 競合について
株式型CF事業については、2016 年 10 月末現在、第一種少額電子募集取扱業者の登録を行
った会社が1社(日本クラウドキャピタル)があります。まだ事業は開始されていませんが、
近々に業務が開始される可能性があります。またこのほか、第一種少額電子募集取扱業者の登
録申請又は第一種金融商品取引業者による業務方法の変更により株式投資型クラウドファン
ディング業務を開始する会社が数社あると考えられ、今後も新規参入業者が増加する可能性が
あります。
当社のCVCサポート業務は既存のベンチャーキャピタルと直接競合する部分は少ないと
考えられますが、一部のVCにおいてはCVCファンドのGPを受託していることから競合も
発生しています。日本ベンチャーキャピタル協会の会員VCは 61 社(CVC会員 10 社を含み
ます。)。非加入のVCも加えると、その数は 100 社を超えると考えられます。今後CVCの
ニーズが高まるに連れ、CVCファンドのGP業務に参入するVCの増加も予想されます。
当社においては、創業期の企業の発掘力及び登録ベンチャーキャピタリスト並びに公認会計
士を中心とするネットワークを活用し、高いクオリティのCVC支援業務によって、継続的に
差別化を図るとともに、投資案件情報の共有や共同投資によって、積極的な協力関係を構築す
る所存です。しかしながら、競合企業の行動によっては、当社の業績に影響を与える可能性が
あります。
(3)事業体制に関するリスク
① 小規模な組織であることについて
2016 年 10 月末現在、当社では 33 名の独立ベンチャーキャピタリストが登録し、投資先企業
の発掘、調査、投資交渉、投資先モニタリングと育成等の専門業務に従事する体制となってい
ます。一方、社内は代表取締役を含めて6名の体制で運営しており、少人数の組織となってい
ます。今後、第一種少額電子募集取扱業者としての業務を行うにあたり、業務管理態勢が不十
分と判断された場合には、業務改善命令を受ける可能性があるほか、少人数による内部統制の
不備が原因となって不正や誤謬が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があり
ます。
② 特定の経営者への依存
当社の事業は創業者で代表取締役である出縄良人の企画力、営業力、判断力、行動力等の経
営能力及び人的ネットワークに大きく依存しています。今後、組織体制が整備され組織的経営
が十分に行われるようになるまでの間に、同氏が何らかの理由により経営から退いた場合、当
社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 人材の確保及び育成について
当社の業務の遂行には、投資事業コンサルティングに関する豊富な知識及び経験を有する人
材の確保及び育成が不可欠であります。当社グループでは、人材採用と社内研修を行っており
ますが、このような人材が十分に確保・育成できない場合には、当社グループの業績に影響を
及ぼす可能性があります。
13
④ コンプライアンスについて
当社グループは、役職員のコンプライアンスの意識を高めるとともに、社内研修等を通じて
その定着を心がけております。役職員による公正な業務遂行の徹底を目指しておりますが、法
令諸規則に違反する行為が発生する可能性を完全には排除できないと考えております。法令諸
規則に違反する行為が発生した場合、その内容によっては損害賠償請求や行政処分等の対象と
なることが考えられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 顧客情報の管理について
当社では株式投資型クラウドファンディング業務の開始に備えて、当社においては「個人
情報の保護に関する法律」(個人情報保護法)及び「行政手続における特定の個人を識別す
るための番号の利用等に関する法律」(マイナンバー法)に基づき、顧客情報等の書類及び
法定帳簿の具体的な管理方法や顧客データへのアクセスの制限・使用方法の詳細を定める社
内規程を準備するとともに、個人情報管理の周知徹底に努めております。しかしながら、当
社保有の顧客情報が外部に漏洩した場合には、損害賠償請求や行政処分等の対象となること
が考えられ、また、当社の信用が低下し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があり
ます。
⑥ システムリスク及びその他のオペレーショナルリスクについて
当社では株式型クラウドファンディング業務の開始に備えて、インターネットによる情報提
供システム及び当社が業務上使用するコンピューターシステム等の整備を行っております
が、これらのシステムが回線の不具合、外部からの不正アクセス、災害や停電等の諸要因に
よって障害を起こした場合、障害規模によっては当社の業績に影響を及ぼす可能性がありま
す。
また、当社では、各種業務マニュアル等の整備やコンプライアンス体制の整備強化に努めて
おりますが、当社の役員又は社員が正確な事務処理を怠ることや事故・不正等を起こすこと
で損失を生じさせたり、業務執行に重大な支障が生じた場合には、当社の業績に影響を及ぼ
す可能性があります。
⑦ 重要な訴訟事件の発生
本書作成日現在において、当社に対し重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりません
が、将来重要な訴訟等が発生し、当社に不利な判断がなされた場合には、当社の財政状態及
び経営等に悪影響を及ぼす可能性があります。
14
第3 【会社の状況】
1 【株式等の状況】
(1) 【株式の総数等】
① 【株式の総数】
種
類
発行可能株式総数
(株)
普通株式
100,000
計
100,000
② 【発行済株式】
種
発行数
類
(株)
上場金融商品取引所名
又は登録認可金融商品
取引業協会名
内容
普通株式
12,000
非上場
単元株制度は採用
しておりません。(注)
計
12,000
―
―
(注) 当社の株式を譲渡するには、取締役会の承認を要する旨、定款に定めております。
(2) 【新株予約権等の状況】
該当事項はありません。
(3) 【ライツプランの内容】
該当事項はありません。
(4) 【発行済株式総数、資本金等の推移】
年月日
平成27年5月15日(注)
1
平成27年11月30日(注)
2
平成28年1月29日(注)
3
平成28年3月31日(注)
4
発行済株式
総数増減数
(株)
発行済株式
総数残高
(株)
10,000
10,000
1,600
資本金
増減額
(千円)
資本金残高
(千円)
資本準備金
増減額
(千円)
資本準備金
残高
(千円)
―
10,000
―
―
11,600
32,000
42,000
8,000
8,000
100
11,700
2,000
44,000
500
8,500
300
12,000
6,000
50,000
1,500
10,000
(注) 1 設立時出資
2 有償一般募集 発行価額 25,000円、資本組入額 20,000円
3 有償第三者割当 発行価額 25,000円、資本組入額 20,000円
割当先 竹川忠徳、さくらみらいマネジメントサービス㈱
4 有償第三者割当 発行価額 25,000円、資本組入額 20,000円
割当先 有限会社こおゆう
15
(5) 【所有者別状況】
株
区分
政府及び地
金融機関
方公共団体
株主数
(人)
所有株式数
(株)
所有株式数
の割合
(%)
式
の
状
況
外国法人等
金融商品
取引業者
その他の
法人
個人以外
個人
平成28年12月5日現在
単元未満
株式の
個人
状況
計
その他
(株)
―
―
1
11
1
―
22
35
―
―
―
40
1,140
20
―
10,800
12,000
―
―
―
0.3
9.5
0.2
―
90.0
100.0
―
(6) 【大株主の状況】
平成28年12月5日現在
株
主
名
持株数
出縄 良人
持株比率
10,000 株
83.33%
名学館ファイナンシャル・アドバイザリー株式会社
400 株
3.33%
有限会社こおゆう
300 株
2.50%
ダンコンサルティング株式会社
160 株
1.33%
株式会社出縄&カンパニー
140 株
1.17%
中村 政温
120 株
1.00%
堀淵 昭洋
120 株
1.00%
出縄 正人
80 株
0.67%
徳島合同証券株式会社
40 株
0.33%
柏崎 吉康
40 株
0.33%
立田 慶太郎
40 株
0.33%
泉 正治
40 株
0.33%
(7) 【議決権の状況】
① 【発行済株式】
区分
平成28年12月5日現在
内容
株式数(株)
議決権の数(個)
無議決権株式
―
―
―
議決権制限株式(自己株式等)
―
―
―
議決権制限株式(その他)
―
―
―
完全議決権株式(自己株式等)
―
―
―
完全議決権株式(その他)
単元未満株式
普通株式
―
発行済株式総数
総株主の議決権
12,000
12,000
―
12,000
―
―
―
―
12,000
16
―
―
(8) 【ストックオプション制度の内容】
該当事項はありません。
2 【自己株式の取得等の状況】
該当ありません。
3 【配当政策】
当社は、設立間もない状況であることから、当面は事業規模の拡大及び経営基盤の確
立のために内部留保の充実を優先いたしますが、株主への利益還元を経営の重要な課題
と位置付けており、今後の事業展開に必要な十分な利益剰余金が確保された場合には、
業績に応じて株主に対して剰余金分配を行って参る所存です。
4 【株価の推移】
当社株式は非上場でありますので、該当事項はありません。
17
5 【役員の状況】
役名
氏名
生年月日
略歴
所有株式
数(株)
(注)2
10,000
昭和58年9月
代表取締役
社長
出縄 良人
昭和36年1月31日
監査法人太田哲三事務所(現:新日本
有限責任監査法人)入社
平成5年2月 株式会社ディー・ブレイン設立。代表
取締役。
平成9年7月 ディー・ブレイン証券株式会社設立。
取締役就任。
平成11年3月 同社代表取締役就任
平成22年11月 株式会社出縄&カンパニー設立。代表
取締役就任。
(現任)
平成27年5月 当社設立。代表取締役社長(現任)
昭和 62 年4月 ソニー㈱ 経理部
任期
平成元年5月
平成9年6月
取締役
投資事業
本部長
平成 12 年3月
荒川
和人
昭和38年2月5日
平成 17 年4月
平成 19 年1月
平成 23 年4月
平成 27 年 12 月
平成 28 年7月
平成 28 年 10 月
昭和 47 年9月
平成元年6月
平成3年4月
平成 12 年 10 月
取締役
田中
管理本部長
明徳
昭和23年12月26日
平成 16 年5月
平成 17 年 12 月
平成 20 年9月
監査役
唐澤
貴夫
昭和34年9月29日
平成 28 年7月
平成 28 年 10 月
平成2年4月
平成 16 年8月
平成 18 年4月
平成 28 年7月
株式会社カーギル・ノースエイジア(現
カーギル・ジャパン)インベスター・サ
ービス部
新日本証券株式会社(現 みずほ証券)
投資信託部
三菱商事証券株式会社(現 三菱商事ア
セットマネジメント)
(注)3
エーアイキャピタル株式会社 バイス・
プレジデント
三井住友アセットマネジメント オルタ
ナティブ営業部 シニアマネジャー
Teneo Partners 株式会社 営業部部長
当社入社 執行役員管理本部長
当社 取締役管理本部長
当社 取締役投資事業本部長(現任)
いちよし証券 入社
同社業務管理本部 業務管理部長
同社コンプライアンス部長
エース証券株式会社 入社 コンプライ
アンス部長
同社営業総務部長兼東京総務部長
夢真証券株式会社 取締役内部管理統括
(注)3
責任者
トレードウィンテック株式会社(現:
SBI トレードウィンテック株式会社)
コンプライアンス業務担当 業務委託社
員
当社 取締役就任 内部監査担当
当社 取締役管理本部長(現任)
兼子・岩松法律事務所 弁護士
財務省関東財務局 証券取引検査官
(注)1,4
兼子・岩松法律事務所 弁護士(現任)
当社 監査役就任(現任)
20
-
-
(注) 1 監査役唐澤貴夫は社外監査役であります。
2
出縄良人の取締役としての任期は平成27年5月15日から平成29年4月期にかかる定時株主総会の終結のときま
でです。
3
出縄良人以外の取締役の任期は平成28年7月25日から平成30年4月期にかかる定時株主総会の終結のときまで
です。
4 監査役の任期は、平成28年7月25日から平成32年4月期にかかる定時総会の終結のときまでです。
18
第4【経理の状況】
1 【計算書類等】
1 当社は、第1期(平成 27 年5月 15 日から平成 28 年4月 30 日まで)の貸借対照表、損益
計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表(以下「計算書類等」といいます。)について、
会社計算規則(平成 18 年2月7日 法務省令第 13 号)に基づいて作成しております。
計算書類等及びその他の事項の金額については、千円未満の端数を切り捨てて記載してお
ります。
2 当社の計算書類等については、公認会計士又は監査法人の監査は受けておりません。
(1)【貸借対照表】
第 1 期(平成 28 年4月 30 日現在)
(単位:千円)
科
流
金
額
科
(資 産 の 部)
動 資 産
38,861
現 金 及 び 預 金
立
替
金
前
払
費
用
36,739
50
679
未
固
目
定
収
資
消
費
税
産
具
備
品
標
権
投 資 有 価 証 券
出
資
金
入
保
り
産
4,121
2,570
164
金
256
152
証
金
合
計
債
合
計
7,265
( 純 資 産 の 部 )
5,426
株
主
資
資
43,197
50,000
5,947
資本 剰余金
10,000
5,000
200
資本準備金
利 益 剰 余 金
10,000
△16,802
747
本
本
金
226
その他利益剰余金
△16,802
繰越利益 剰余金
△16,802
純
資
7,265
預 り 源 泉 所 得 税
負
226
投資その他の資産
差
預
1,392
額
部)
未
払
金
未
払
費
用
未 払 法 人 税 等
5,426
無形固定資産
商
(負 債 の
動 負 債
金
11,601
有形固定資産
器
流
目
50,462
資
産
合
負債・純資産計
19
計
43,197
50,462
(2)【損益計算書】
第 1 期(平成 27 年5月 15 日から平成 28 年4月 30 日まで)
(単位:千円)
科
営
業
目
収
金
益
額
4,667
営
業
総
利
益
4,667
販売費及び一般管理費
20,328
営
営
業
外
受
収
取
雑
営
外
創
利
費
式
交
付
経
失
15,660
息
3
入
0
3
用
立
株
損
益
収
業
業
費
247
費
734
失
16,638
失
16,638
法 人 税 、 住 民 税 及 び 事 業 税
164
税
当
常
引
前
期
損
981
当
期
純
純
損
損
失
16,802
(3)【株主資本等変動計算書】
第 1 期(平成 27 年5月 15 日から平成 28 年4月 30 日まで)
(単位:千円)
評価・換
算差額等
株主資本
項
目
設立資本金
資本金
資本準
備金
資本剰余金
その
他資
資本剰余金
本剰
合計
余金
利益剰余金
その他利益
剰余金
繰越利益剰
余金
10,000
株主資本
合
計
その他有
価証券評
価差額金
純資産
合 計
10,000
10,000
50,000
△16,802
50,000
△16,802
-
-
33,198
43,197
33,198
43,197
事業年度中の変動額
新株の発行
当期純利益
株主資本以外の項目の事
業年度中の変動額(純額)
事業年度中の変動額合計
平成 28 年4月 30 日残高
40,000
-
10,000
-
-
10,000
-
-
-
-
-
40,000
50,000
10,000
10,000
-
-
10,000
10,000
20
△16,802
-
△16,802
△16,802
(4)【個別注記表】
第 1 期(平成 27 年5月 15 日から平成 28 年4月 30 日まで)
1.重要な会計方針に係る事項
資産の評価基準及び評価方法
有価証券の評価基準及び評価方法・・・総平均法による原価法
固定資産の減価償却の方法・・・・・・定額法
繰延資産の処理方法
創立費・・・・・支出時の費用として処理しております。
株式交付費・・・支出時の費用として処理しております。
その他計算書類の作成のための基本となる重要な事項
消費税の会計処理は、税抜き方式によっております。
2.貸借対照表に関する注記
有形固定資産の減価償却累計額
235 千円
取締役との間の取引による金銭債権
50 千円
取締役との間の取引による金銭債務
571 千円
3.株主資本等変動計算書に関する注記
当期末における発行済株式の数
12,000 株
4. リースにより使用する固定資産に関する注記
貸借対照表に計上した固定資産の他、複合プリンター等についてはリース契約により使用しております。
5. 金融商品に関する注記
1)金融商品の状況に関する事項
①金融商品に対する取組方針
当社は資産運用については安全性の高い金融資産で運用しております。
②金融商品の内容及びリスク
預金については全て普通預金により運用しております。
投資有価証券は取引企業との業務上の関係を有する企業の株式であり、価格変動リスクにさらされてお
ります。
出資金については当社が無限責任組合員を務める投資事業有限責任組合の持分であり、価格変動リスク
にさらされております。
差入保証金は取引先の信用リスクにさらされております。
21
2)金融商品の時価等に関する事項
平成 28 年 4 月 30 日における貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額については次の通りであります。
(単位:千円)
貸借対照表計上額
(1)現金及び預金
(2)出資金
資産計
時価
差額
36,739
36,739
-
200
200
-
37,239
37,239
-
(注)時価を把握することが極めて困難と認められるものについては、上記に含めておりません。
6.関連当事者との取引に関する注記
種類
主要株主が議決権の過半数を所有している会社
会社等の名称
株式会社出縄&カンパニー
所在地
東京都町田市
資本金
3,000 千円
事業の内容
経営コンサルティング業
関連当事者が有する当社の議決権の数の割合
1.17%
当社と関連当事者との関係
経営コンサルティング業務の委託及び管理事務の委託
取引の内容
月額基本委託費及び個別委託費の支払
取引の種類別の取引金額
年間業務委託費
取引条件及び取引条件の決定方針
債権債務に係る主な項目別の期末残高
3,700 千円
業務委託費については一般的な取引条件と
同様に決定しております。
未払費用
571 千円
7. 1 株当たり情報に関する注記
項目
第1期
1株当たり純資産額
3,599 円 79 銭
1株当たり当期純利益
△1,558 円 53 銭
22
2 【事業計画】
以下の事業計画は、現況の経営環境及び経営戦略を前提とした仮説に基づいて作成しており
ます。環境の変化、戦略の変更、仮説の誤り等により、計画通りに遂行できない可能性があり、
計画の達成を保証するものではありません。
1 経営環境
ベンチャーキャピタル投資は、リーマンショック期の低迷を脱し、回復期に入っています。
主として、新規上場マーケットの回復により、上場志向企業が増加したことに加え、上場時の
株価も堅調であり、投資 EXIT が見えやすくなっていることが要因です。したがって、投資対
象は、新規上場の計画が明確なベンチャー企業が中心で、業種的には IT、バイオ等、高パフォ
ーマンスの EXIT が見込める企業が多くなっています。
2014 年の実績は、年間の投資先数 969 件(うち国内 772 件、海外 205 件)で投資金額は 1,171
億円(うち国内 740 億円、海外 418 億円)。1社に対する投資金額は平均 1 億 21 百万円(国
内 96 百万円、海外 2 億 4 百万円)となっています。
です。
日本の VC の投資件数及び金額の推移
出典: 『ベンチャー白書 2015』 ベンチャーエンタプライズセンター
VCのEXIT戦略の要となる新規上場企業数は、2006 年の 188 社をピークに、2009 年に
は 19 社まで落ち込んでいましたが、その後 2015 年には 92 社まで回復しています。監査法人
及び上場引受主幹事を担う証券会社各社並びに上場コンサルティング会社等に対するヒアリ
ングを総合すると、上場準備企業数は大幅に増加していますが、新規上場企業の相次ぐ不祥事
により、取引所の上場審査は厳格化しつつあり、新規上場企業数は 2016 年以降も 100 社前後
で安定的に推移しそうです。
23
日本の新規上場企業数の推移
250
204
200
188
187
150
150
134
175
169
167
158
144
128
124 121
121
107
90
100
50
92
86
77
49
36
27
19
46
54
22
0
各種資料より、DAN ベンチャーキャピタル株式会社が集計
VCファンドの組成数及び組成金額は、新規上場企業数の回復による EXIT 環境の好転によ
って 2010 年以降、増加に転じています。2014 年の実績は新規組成ファンド本数 39 本。組成総
額は 911 億円。ファンド1本当たりの平均金額は 23 億3千万円となっています。
一方、NTT ドコモ、サイバーエージェント、オプト等、大手企業のCVCによるベンチャー
投資も活発となっており、上場による EXIT の他、将来のM&Aを前提とした投資活動も多く
なってきています。このような環境を受けて、より多くの企業がCVCを志向すると考えられ
ます。当社のCVC支援事業は、オープンイノベーションが多くの企業に浸透する中、投資業
務に携わる人材リソースが不足する事業会社において潜在的な市場の広がりがあると考えら
れます。
日本の VC のファンド新規組成の推移
出典: 『ベンチャー白書 2015』 ベンチャーエンタプライズセンター
24
2 事業の特徴と計画
(1)事業の特徴
当社では、株式型CF事業開始に先立ち、主に上場企業のオープンイノベーションを目的と
した事業投資を担うべくCVC支援を、CVCファンド組成とCVCアドバイザリー業務の
2つの方法で提供しています。また、中長期的には成長マイクロキャップファンド及びクラ
ウド型VCファンドの組成を計画しています。株式型CF事業は第一種少額電子募集取扱業
者としての登録後ただちに開始。CVC支援事業とのシナジーを図って参ります。それぞれ
の特徴は以下の通りです。
※投資型クラウドファンディングとは
クラウドファンディングは一般に大きく
投資型と非投資型に分類されます。非投資
型では米国 Kickstarter に代表される購入
型クラウドファンディングが急成長する
中、米国では投資型クラウドファンディン
グを解禁する JOBS 法が成立。このうち一部
を SEC がルール化し、Accredited Investor
を対象とする投資型クラウドファンディン
グ・プラットフォームとして crowdfunder
や CircleUp が台頭してきました。その後
2016 年5月の CROWDFUNDING REGULATION の
施行によって Non-Accredited Investor を
対象とした投資型クラウドファンディング
がスタート。SEC の登録 Funding Portal と
クラウドファンディングの分類と世界のプラットフォーム
して Wefunder などが業務を開始しています。英国でも 2014 年4月から施行された新ルールによって
投資型クラウドファンディングの運営業者の金融行為監督庁への登録制度が整備され、CrowdCube 等
の株式投資型クラウドファンディング・プラットフォームが拡大している状況です。
一方、日本では従来、グリーンシート制度が株式型クラウドファンディングに近い性格でしたが、日本
証券業協会では 2018 年3月末をもって同制度を終了することを公表。これに代えて 2015 年5月施行
の改正金融商品取引法に定められた「第一種少額電子募集取扱業務」による「株式投資型クラウドファ
ンディング」業務に関する新規則を施行しました。証券会社に「少額なもの」で「電子募集取扱」に限
り、非上場。株式の投資勧誘を認める制度ですが、併せて株式投資型クラウドファンディング業務のみ
を行うことができる新たな金融商品取引業者「第一種少額電子募集取扱業者」制度が設置されました。
25
(2)投資対象企業のステージ
第 1 期からスタートしたC
VC支援事業における投資対
象は、サポート先の上場企業等
の投資意向に沿って、
スタート
アップからレイターステージ
の企業を幅広く対象とします。
CVCサポート先のオープン
イノベーションニーズに応え
て、
新規事業創出や新製品開発
につながる投資を目的とします。投資先の上場や第三者転売により EXIT する場合もあります
が、サポート先が追加取得することで連結対象として継続保有するケースや、株式交換等によ
る子会社化もサポート先の意向でオプションとします。
株式投資型クラウドファンディングの対象は主としてスタートアップ期。身近なファンを株
主とすることで早期の資本調達を図ります。事業の進捗状況に応じて、CVCと組み合わせた
資金調達もサポートします。
クラウド型VCファンドは、一般個人投資家から小口資金を集めるファンドであることの性
格上、より安全な運用に心がけるべく、上記、CVC投資先と株式投資型CFの対象先から投
資候補先を選別します。
成長マイクロキャップファンドは時価総額100億円以下の新興市場上場企業の中で、5年間
で企業価値が10倍程度に成長が見込まれる先を抽出。市場での取得の他、第三者割当増資の
引受やVCからの一括譲受による取得を行います。ファンドは海外を含む機関投資家を対象に
募集します。
(3)CVCサポートのポジショニング
当社のCVCサポートについては、既存のベンチャーキャピタル各社との競合の生じにくい
一般上場企業のビジネス
リターン目的の投資にフ
ォーカスしたアドバイザ
リーとファンド組成及び
運営管理を担います。
出資目的を縦軸に、出資
者の属性を横軸として、
ポジショニングマップを
描くと左図の通りとなり
ます。
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多くのVCでは、図の上部すなわちフィナンシャルリターンを目的とする出資者から資金
を集めてベンチャー企業に投資を行います。ファンドのパフォーマンスを高めるために、EXIT
戦略が極めて重要です。第三者転売や株式上場によって企業成長に伴う投資価値の上昇を、実
現し、実現益を出資者に分配します。出資者の属性は機関投資家や個人富裕層から資金力のあ
る中堅企業まで幅広く広がります。
図の下部においては出資目的は、ビジネスリターン。出資者は事業とのシナジーを前提とし
て事業投資を行います。大企業では、豊富な資金と専門人材を生かしてベンチャー企業への投
資をCVCとして行っています。これらは主に右下の象限に表現されています。
他方、左下の象限、すなわち資金力はあるものの人的リソースの不足から事業投資を目的と
するベンチャー企業投資に踏み切れない中小上場企業の事業投資ニーズに応えるのがDAN
ベンチャーキャピタルのCVCです。この象限をメインターゲットとしているVCは今のとこ
ろ、存在せず、当社としてはスピーディーにこの象限での実績を高め、CVC支援において優
位な地位を築きたいと考えています。
(4)事業スケジュール
CVC支援事業については、中堅の上場企業を対象に、第 1 期にDAN1号投資事業有限責
任組合をスタート。さらにCVCアドバイザリー1社と契約。第2期においては、上場企業の
オープンイノベーションニーズに幅広く提案を開始。第2号ファンドを組成するとともにCV
Cアドバイザリー先を3社程度に拡大します。
第1期中に準備を開始した第一種少額電子募集取扱業については、第2期に業者登録の上、
株式投資型クラウドファンディングプラットフォーム~GoAngel(ゴーエンジェル)~の運営
を開始します。これらとともに、第2期に成長マイクロキャップファンドをスタート。第3期
中には投資運用業及び第二種金融商品取引業の登録申請を前提にクラウド型VCファンドに
事業を広げる計画です。
当社の事業スケジュールを図示すると以下の通りです。
27
(5)CVC支援及び株式型CF募集取扱い等の計画
以上による当社のCVC支援総額、株式型CFの募集取扱社数及びその他のファンド総額の
四半期ごとの推移は以下の通りと計画いたします。
※1CVC支援総額はCVCファンド残高とCVCアドバイザリー契約総額を示しています。
※2CVCアドバイザリー契約総額は、契約によるアドバイザリーフィーから、一定の計算式によっ
て、みなしファンド総額を算定し、当該みなしファンド総額を契約総額としています。
第 1 期(2016/4期)末のCVC支援総額の実績は 98 百万円。第2期(2017/4 期)末には6
億5千万円を想定。第5期末(2020/4 期)までに 93 億円の残高を目標とします。株式型CF
事業は、2017 年 2 月までに第一種少額電子募集取扱業者登録。3月には3社の募集を開始。第
2期は月2社~3社のペースで新規募集。第5期には月9社の取扱いを目標とします。
成長マイクロキャップファンドは、第2期の第4四半期に第1号ファンドをローンチ。ファ
ンド規模は 10 億円。第5期末までに4本を組成する計画です。クラウド型ファンドは、投資
運用業及び第二種業登録後、第3期に開始。8億円の第1号ファンドに続き、第4期には4億
円の第2号ファンド、第5期には5億円の第5号ファンドを組成する計画としています。。
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(6)数値計画
以上の事業の特徴及び計画を前提とする数値計画は以下の通りです。数値計画は現況の経営
環境及び経営戦略を前提とした仮説に基づいて作成されています。環境の変化、戦略の変更、
仮説の誤り等により、計画通りに遂行できない可能性があり、計画の達成を保証するものでは
ありません。また併せて、第3【事業の概要】3 事業等のリスクをご精読いただき、十分に
ご理解いただきますようお願い申し上げます。
【前提】
CF 新規取扱企業数(社)
期末 CVC 支援総額(百万円)
期末 CVC 投資残高(百万円)
キャピタリスト数(人)
期末役職員数(人)
【損益計画】
売上高
CF 募集取扱手数料
CVC サポート収益
教育研修収益
コンサルティング収益
売上原価
CF 業務委託費
CVC サポート原価
教育研修原価
コンサルティング原価
売上総利益
販売費及び一般管理費
広告宣伝費
人件費
地代家賃
その他の費用
営業利益
営業外損益
経常利益
第1期
第2期
第3期
第4期
(2016/4 期) (2017/4 期) (2018/4 期) (2019/4 期)
実績
計画
計画
計画
0
8
34
48
62
762
1,562
4,162
11
171
831
1,491
30
39
48
57
7
8
9
9
4,667
0
3,107
1,360
200
554
0
218
236
100
4,113
19,773
708
7,041
3,157
8,867
△ 15,660
△ 978
△ 16,638
41,304
12,800
17,510
7,594
3,400
14,500
3,840
5,858
3,102
1,700
26,804
45,895
1,500
27,705
5,116
11,574
△ 19,091
3
△ 19,088
131,460
62,000
47,860
9,000
12,600
38,803
18,600
11,010
2,893
6,300
92,657
69,245
3,600
47,215
5,316
13,114
23,412
3
23,415
247,810
96,000
123,610
9,000
19,200
68,399
28,800
28,860
1,139
9,600
179,411
77,867
3,600
53,407
5,316
15,544
101,544
3
101,547
なお上記数値計画の作成の基礎とした詳細な前提条件は以下の通りです。
① CVC支援総額はCVCアドバイザリーの契約総額※及びCVCファンド総額の合計額です。
② CVCは契約開始後1年後までCVC総額の 40%、2年後までに 70%を投資先に投資することを前提
にキャピタリスト報酬を算定しています。
③ CVCファンドからのEXITによる成功報酬は考慮していません。
④ 株式投資型クラウドファンディングの1社あたり募集金額平均2千万円。手数料8%(2017/11 以
降は 10%)。外注費率は 30%と計画しています。
⑤ 成長マイクロキャップファンド及びクラウド型ファンドの報酬については考慮していません。
⑥ 教育研修収益はベンチャーキャピタリスト養成講座の受講料です。2016 年 10 月までの受講実績を基
礎に、2017 年以降、受講単価 25 万円、月3名の受講を見込んでいます。
⑦ 家賃は現在のオフィス家賃の実績に基づき第2期以降月額 443 千円として算定しています。
⑧ その他経費についても現状の実績に基づき合理的に算定しています。
29
第5 【提出会社の株式事務の概要】
事業年度
5月1日から4月30日まで
定時株主総会
7月中
基準日
4月30日
剰余金の配当の基準日
7月31日
1単元の株式数
―
株式の名義書換え(注1)
東京都千代田区内幸町一丁目1番1号
取扱場所
名義書換手数料
帝国ホテルタワー15階
DANベンチャーキャピタル株式会社
無料
公告掲載方法
当会社の公告方法は、官報に公告する方法によります。
株主に対する特典
なし
(注)当社株式を譲渡するには、定款の定めにより取締役会の承認が必要です。
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