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ビッグデータアナリティクス市場に関する調査結果 2013
2013 年 12 月 19 日 ビッグデータアナリティクス市場に関する調査結果 2013 -ビッグデータアナリティクス市場は 2020 年には 3,422 億円に- 【調査要綱】 矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内ビッグデータアナリティクス市場の調査を実施した。 1.調査期間:2013 年 9 月~11 月 2.調査対象:国内 IT ベンダーおよびユーザー企業等 3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに郵送アンケート調査、 文献調査併用 <ビッグデータアナリティクス市場とは> 本調査におけるビッグデータアナリティクス市場とは、ビッグデータ市場のうち、BI(ビジネスインテリジェンス)、統 計解析、数値解析、テキストマイニング、ソーシャルリスニング、レコメンドエンジン、アクセス解析、画像解析、セン サーデータ解析に活用されるソフトウェアもしくは SaaS、それらのインテグレーション(ハードウェアを除く)、解析サ ービスおよびコンサルティングといった人的サービスを対象とし、事業者売上高ベースにて算出した。 【調査結果サマリー】 ビッグデータアナリティクス市場規模は 2012 年 1,097 億円、2020 年には 3,422 億円を予測 2012 年のビッグデータアナリティクス市場規模は事業者売上高ベースで 1,097 億円、2012 年から 2020 年の CAGR(年平均成長率)は 15.3%で推移し、2020 年には 3,422 億円になると予測する。 成長の原動力となるのは、データを活用した企業運営の高まり、新たな統計解析ソフトウェア等の出荷、 センサーデータの大量発生による新たな産業の創出などが予見できるためである。 センサーデータ量の飛躍的な増大とともに、ビッグデータアナリティクス市場の成長が加速 2020 年までのビッグデータアナリティクス市場を短期、中期、長期において展望すると、短期(2012~ 2014 年)では、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールなど既存ツールの普及が進むとともに、非構造データ の解析などへのトライアルも進展し、解析受託サービス市場も拡大する見込みである。 中期(2015~2017 年)では、簡易な解析ソフトウェアなどが登場し、ビッグデータアナリティクス市場の裾 野が拡大する。またセンサーデータも増えはじめ、新たな価値を見出すための動きが活発化するとみる。 長期(2018~2020 年)では、ビジネス運営にデータを活用することが一般化され、データ流通のインフラ が重要性を増し、データマーケットプレイスなど新たな産業の創出が予測される。ワイヤレスセンサーネッ トワークも本格導入の動きがみられ、ビッグデータアナリティクス市場は継続的な成長が見込まれる。 ◆ 資料体裁 資料名:「ビッグデータ市場の実態と展望 2013-2014」 発刊日:2013 年 12 月 16 日 体 裁:A4 判 209 頁 定 価:157,500 円(本体価格 150,000 円 消費税等 7,500 円) 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) ㈱矢野経済研究所 営業本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected] 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2013 Yano Research Institute Ltd. 2013 年 12 月 19 日 【 調査結果の概要 】 1. 市場背景 ビッグデータという言葉が登場する以前からデータ解析自体は行われていたが、従来型では大量のデ ータ処理やデータ高速処理のためには高価で専門的なハードやソフトウェアを使用する必要があった。 近年、データ量は増大し、多様化しているが、ハードウェアのコストダウンや Hadoop※1 など分散処理技術 の向上により、それらのデータを容易、かつ安価に解析できるようになってきた。 こうした環境変化を踏まえ、矢野経済研究所では、ビッグデータの意義は、データ量の大きさではなく、 データ解析を企業活動や意思決定に役立てる点にあると捉え、ビッグデータアナリティクス市場を調査、 分析した。 2. ビッグデータアナリティクス市場の動向と展望 2012 年のビッグデータアナリティクス市場規模は事業者売上高ベースで 1,097 億円、2012 年から 2020 年の CAGR(年平均成長率)は 15.3%で推移し、2020 年には 3,422 億円になると予測する。 成長の原動力となるのは、データを活用した企業運営の高まり、新たな統計解析ソフトウェア等の出荷、 センサーデータの大量発生による新たな産業の創出、などが予見できるためである。 ①短期市場の動向(2012~2014 年) • 現状では、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールの普及拡大が続いており、市場規模全体を押し上 げている。経験と勘ではなくデータを重視する経営スタイルは今後も拡大すると見込まれ、中堅以 下の企業などに裾野を広げていくと予想する。 • 非構造データを含む大量データの解析については、相応のデータ量を所有する大企業を中心に 取り組みが進んでいる。解析受託サービス市場も拡大しており、同市場は成長途上にあるといえ る。 • データサイエンティストの育成に取り掛かる企業が増えており、今後、統計解析等の知見を持つ人 材が増えるにつれ、統計解析ツールの利用は伸びていくと考える。 • 2013 年に大企業の一部でデータプロバイダビジネスが動きだした。これは自社の持つデータを加 工し販売するビジネスで、まだ黎明期ではあるが今後も拡大すると推測する。 ②中期市場の動向(2015~2017 年) • 統計解析ツールが改善され、統計の専門的な知識を持たなくとも活用できる簡易なソフトウェアの 出荷が見込まれる。簡易ソフトの登場は、アナリティクス市場の裾野を拡げることに貢献すると考え る。 • 2015 年頃からワイヤレスネットワークが具現化し始めると予想する。ワイヤレスセンサーネットワーク が本格化するとセンサーデータ量が飛躍的に増大するため、解析ニーズも高まることが見込まれ る。 ③長期市場の動向(2018~2020 年) • データの蓄積や利活用の先には、データ駆動型経済※2 の到来が予想される。ビジネス運営に多 様なデータを活用することが前提となり、データを流通させるインフラが重要性を増すと考える。そ のため、データアグリゲーター※3、データマーケットプレイスといった新たな産業の創出が予測され る。 • ワイヤレスセンサーネットワークも技術的に確立し、本格導入の動きがみられる時期になっている。 多数のプレイヤーが利用する社会インフラ系のセンサー(交通インフラの整備や設備保全等)など を中心に、業界クラウド※4 や業際クラウド※4 などといった共有型モデルの採用が進むと推測する。 *1. Hadoop(ハドゥープ)とは、大規模データを効率的に分散処理・管理するためのソフトウェア基盤をさす。 *2. データ駆動型経済とはデータが資源として活用され、経済を牽引し、ナレッジや付加価値を創出する経済をさす。 *3. データアグリゲーターとは自社ではデータを持たず、コンテンツホルダーとの仲介でデータを加工し、販売するビジネス形態。 *4. 参考資料;矢野経済研究所「業界クラウド・業際クラウドに関する調査結果 2011」(2011 年 11 月 11 日発表) Copyright © 2013 Yano Research Institute Ltd. 2013 年 12 月 19 日 図表 1. ビッグデータアナリティクス市場規模推移と予測 (億円) 4,000 3,422 3,500 3,080 3,000 2,709 2,307 2,500 1,965 2,000 1,674 1,500 1,097 1,244 1,444 1,000 500 0 2012年 2013年予 2014年予 2015年予 2016年予 2017年予 2018年予 2019年予 2020年予 (億円) 2012年 ビッグデータアナリティクス市場規模 2013年予 1,097 2014年予 2015年予 2016年予 2017年予 2018年予 2019年予 2020年予 1,244 1,444 1,674 1,965 2,307 2,709 3,080 3,422 前年⽐ 113.4% 116.1% 115.9% 117.4% 117.4% 117.4% 113.7% 111.1% CAGR 13.4% 14.7% 15.1% 15.7% 16.0% 16.3% 15.9% 15.3% 矢野経済研究所推計 注 1: 事業者売上高ベース 注 2: 予は予測値 注 3: ビッグデータアナリティクス市場とは、BI(ビジネスインテリジェンス)、統計解析、数値解析、テキストマイニング、ソーシ ャルリスニング、レコメンドエンジン、アクセス解析、画像解析、センサーデータ解析に活用されるソフトウェアもしくは SaaS、それらのインテグレーション(ハードウェアは除く)、解析サービスおよびコンサルティングを対象とする。 図 2. ビッグデータ全体市場における動向と将来展望 2011- 2015- 2018- ■解析ソリューション BIツールの普及拡⼤(構造データの可視化や分析) ●簡易な解析ソフト・サービス 市場(初期段階) ●ビッグデータ解析 及び⽀援(黎明期) ●クラウドによる解析ソフ ト利⽤普及 ●ビッグデータ解析及び⽀援(本格化) ■データプロバイダ/アグリゲーター ●ユーザ系⼤企業による⾃社のビッグデータ解析 ●データプロバイダビジネス (⼤企業のみ、黎明期) ●中堅企業参⼊、地域情報など広がり ●データアグリゲーター、データマーケットプレイス(黎明期) ●アグリゲーターやマーケットプ レイスの市場が確⽴ ●業際&業界クラウドによるビッ グデータ活⽤進展 ■WSN ●WSN(ワイヤレスセンサーネットワーク)萌芽期 ●WSN技術確⽴ 矢野経済研究所作成 Copyright © 2013 Yano Research Institute Ltd.