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フィスチュラ病院は治療から生き方に まで及ぶ究極の

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フィスチュラ病院は治療から生き方に まで及ぶ究極の
日本の若手医師に同院での研修を勧めたい
一般社団法人徳洲会副理事長
福島 安義
や す よ し
ふ く し ま
い の ち
今回、エチオピ ア 、 ジ ブ チ 、
させ、生きるために必要な手芸
のリハビリを行い、教育を受け
悲惨な経験をした患者さんの心
者に研修をさせていただきたい
ループの医師で研修を希望する
いと思います。私たち徳洲会グ
たちに、ここでの研修を勧めた
と謝意を表し、引き続き
りがとうございました」
受け入れていただき、あ
徳洲会に5人の研修生を
ら帰国の途に就いた。
ミランガ顧問はジブチか
なお福島・副理事長、
断装置)
、 ア ン ギ オ( 血
MRI(磁気共鳴画像診
ュータ断層撮影装置)
、
おりに医療機器、医薬品、 内部を整備中だ。診療は
タンザニアの東ア フ リ カ 3 カ 国
や農業など手に職を付けさせ、
とお願いし、訪問を終えました。
(1面から続く)
を訪問する機会を 得 ま し た 。 最
自立を促している点です。同院
体的には①今後、継続的
視察最終日の9月2日、 装 置 )、 D N A 解 析 装 置
ラフィー(乳房X線検査
管造影装置)
、マンモグ
に廊下にはCT(コンピ
一部開始している。すで
初の訪問国はエチ オ ピ ア で 、 ア
で働く多くの方々が、手術で立
アソウェ長官は「前回、 ベッドを配置、トリアー
ディスアベバ・フ ィ ス チ ュ ラ 病
に1人または2人の研修
ジを実践していた。
院の見学とハムリ ン 財 団 か ら 要
ち直った方たちで、生き生きと
現地で頑張る様子に頼もしさ
サポートを要請した。具
請のあった手術用 鋼 製 小 物 を 寄
働いていました。
徳洲会で研修を受けた医療者
贈するのが目的で す 。
どが搬入され、出番を待
供してほしいとの声が上
プログラムについても提
など、最新の医療機器な
にある国立ドドマ大学を
っていた。
がった。一方、臨床研究
タンザニアの首都ドドマ
②派遣する職種の優先順
訪問。ドドマ大学は20
会談ではゲサセ・アイ
や感染症分野については
生を徳洲会に派遣する、
ら、私に異変が出てきました。
位と必要研修期間を徳洲
07年に開学、翌年に医
ノリ医学部長兼院長が
実は同院の訪問を終えた頃か
不整脈のひとつである期外収縮
会とCNSSが今後、協
学部を設置。付属のベン
協働の申し出があった。
産科瘻孔という病気はきちん
を多発するようになったのです。
議する、③病院のマネジ
ジャミン・ムカパ病院は 「 病 院 に も 透 析 機 器 を 1
同院は、産婦人 科 医 の 私 が ど
疲労が原因と考え、ゆっくり寝
メント経験がある徳洲会
悲惨な産科瘻孔患者さんを救う
べく1974年に 設 立 。
と診断を受け、産婦人科医や助
に産婦人科医のハ ム リ ン 夫 妻 が 、 産 師 の 管 理 下 で 分 娩 で き れ ば 、
うしても訪ねたい 施 設 で 、 と も
エチオピアの人口は約970
れば大丈夫と思いましたが、夜
必ず減らせます。
0万人ですが、国全体で産婦人
ろうこう
産科瘻孔とは未 成 熟 な 少 女 が
会談後、付属透析セン
病床数3
ターを見学。湘南鎌倉病
職員を2年間、CNSS
台でも2台でも
中に期外収縮の多発で目が覚め
寄贈していただ
科医は250人、助産師も70
80床。
院で研修した医療者が勤
に派遣する――の3点。
00人に満たないと言われてい
ければ、すぐに
る事態となり、何とも気持ちの
産師のいないとこ ろ で 、 村 人 の
建屋は完
福島・副理事長は「帰
ます。場所によっては人口約2
務しており、徳洲会が寄
悪い夜を過ごし、翌日ジブチに
助けのみで陣痛開 始 か ら 何 日 間
透析医療が開始
成してい
向かいました。
国したらすぐに理事会で
000万人に対し、産科を扱う
病院開設以来、約 5 万 例 の 手 術
たら、皆が助けてくれました。
どいものかを世界の人々に訴え
しく、研修の効果が出ていると
信ありげに話していたのが頼も
急外来)みたいでしょう」と自
は小ぶりの湘南鎌倉病院ER(救
方 で、「 産 科 瘻 孔 が、 い か に ひ 「 以 前 は 何 も な か っ た の に、 今
などでは研修で学んだと
どいまだ
腎臓疾患以外の
ついての教育、
患管理・治療に
総合的な腎臓疾
をはじめとする
望。また腎移植
機器がほしい」と切望。
もいいから、もっと透析
ンターの医師は「中古で
スしているという。同セ
日点検、適宜メンテナン
E(臨床工学技士)が毎
題なく稼働していた。M
タンザニア・ドドマ大学を訪問
専門領域の教育
10
ぶんべん
もかけて分娩。その結果、産道
贈した透析機器 台は問
妊娠し、それも産 婦 人 科 医 や 助
アイノリ医学部長兼院長
(左から 2 人目)
、
マーガレット・
ムハンド厚生省臨床サービス部長(その右)らと会談
できます」と要
るものの
ジブチの循環器の専門家に相
を実施。現在はエ チ オ ピ ア 国 内
ひとりではできません。多くの
感じ、喜ばしく思いました。
検査室な
検討します」と前向きな
病院が3カ所しかない地域もあ
ぼうこう
談したいと思い、受診の希望を
会談後、視察団はCN
あな
に孔 が開き、傷が 膀 胱 や 直 腸 に
るそうで、夫妻はこの状況をふ
現地関係者に連絡。ところが、
SSが運営する病院を見
に同院を含め6カ 所 に セ ン タ ー
協力者があってのことです。夫
姿勢を見せた。
まで至り、膀胱膣瘻や直腸膣瘻
まえ、まず助産大学を設立し、
これが大袈裟なことになり、何
学。同院には湘南鎌倉病
ちつろう
を引き起こす疾患 で す 。 産 科 瘻
多くの助産師を養成して無医地
とホテルに救急車が来てしまっ
院で研修した医療者が勤
さ
孔の患者さんは、 尿 や 便 が 垂 れ
区に送り込むことで、悲惨な分
たのです。外国で初めて救急車
務し、ER(救急外来)
会保険基金)付属診療所に搬送
おお げ
流し状態となるた め 、 悪 臭 を 放
娩中の死産や産科瘻孔を防ぐ努
に乗り、ジブチのCNSS(社
うと
ち、家族からも疎まれ、友人は
力をしています。
同院創設者のキャサリン・ハ
去り、社会に拒絶 さ れ る と い う
とても悲惨な状況 に 置 か れ て い
を設け、昨年は約 2 0 0 0 件 の
と手術を続けるうちに、多くの
国立ドドマ大学医学部付属ベンジャミン・ムカパ病院
湘南鎌倉総合病院(神奈川県)の
小林修三・副院長兼腎臓病総合医
療センター長は8月22日から2日間、
タンザニアを訪れた。国立ドドマ大
学医学部の腎疾患総合診療プログ
ラムの確立に協力するのが狙い。同
プログラムのひとつとして、今回は
キクラ大学長(左)と会談する小林副院長
腎移植について協議した。
タンザニアには腎移植を行うスキームがなく、移植を希望する患者さ
んはインドや南アフリカに行って受けなければならない。小林副院長は
22日に保健省を訪れ、ンポキ・ウリスビシャ事務局長らと面談。23日に
ドドマ大学本部や同大学付属病院を訪問、キクラ・イドリス大学長、ゲ
サセ・アイノリ医学部長兼院長、腎移植プロジェクトチームと移植スキ
ームについて協議した。
法制度や教育体系など総合的な仕組みづくりに向けて話し合うなか、
小林副院長は術前の組織適合性検査や免疫抑制剤投与に関する術後管
理とともに、移植にともなう倫理を強調した。
「臓器売買の禁止や公正な
臓器移植の推進を掲げるイスタンブール宣言(2008年)などがあり、移
植には高い倫理が求められることを強く訴えました」
。
具体的な取り決めなどは今後としながらも、日本国内の大学と
連携を図り進める意向や、近い時期にドドマ大学付属病院の医
師や看護師、臨床検査技師らが来日する可能性を示唆。
「合併症
や移植後の腎症進展防止のための医療を最高のレベルで行うこ
とを強調しました。途上国だからといって妥協はしません。彼ら
もそれを望んでいます」と、強い覚悟で臨む姿勢を見せた。
また、移植は腎疾患総合診療プログラムの一環であることを強
調し、将来、検尿を含めた腎臓病の予防や早期発見・治療に関
するスキームまで発展することに期待を寄せた。
徳洲会はアフリカ諸国に2008年から医療支援を開始。モザン
ビークに透析機器を寄贈するとともに、小林副院長ら湘南鎌倉病
院の透析チームが訪問し指導した。タンザニアにも透析機器を
10台寄贈。同国の医師や看護師が2度にわたり来日し、血液透析
について指導したり、小林副院長らが赴いてアドバイスを送った
りしている。今回の訪問でも小林副院長が現地の透析センターを
視察。経済的な制限はあるものの、順調に稼動していたという。
されました。
救急室のスタッフは湘南鎌倉
産科瘻孔の手術を 行 っ た そ う で
海外から研修生を引き受ける
腎移植の仕組みづくり協議
ムリン夫人のご主人は他界され
ましたが、夫人は 歳とご高齢
す。そして、FI G O ( 世 界 産
患者さんが来られました。夫は
徳洲会グループの施設は、いろ
小林・湘南鎌倉総合病院副院長
るということです 。
こうした患者さ ん た ち を 、 同
婦人科連合会)の ト レ ー ニ ン グ
とても優しい人で、その人たち
総合病院で研修した人たちで、
機関として瘻孔の 手 術 を 医 師 た
いろと苦慮することもあるかと
た方々が自国で頑張っています
思います。しかし、研修を受け
ハムリン夫妻が取り組まれて
ので、これからも快く引き受け
のです」と話されました。
きたことは、病気の治療から生
てあげてください。
皆で頑張りましょう。
き方にまで及ぶ究極の総合診療
は、手術による治 療 の み な ら ず 、 だ と 思 い ま す 。 日 本 の 若 い 先 生
ハムリン夫妻が 素 晴 ら し い の
送り込んで産科瘻孔など防ぐ
助産大学を設立し無医地区へ
ちに伝える努力も さ れ て い ま す 。 を 見 捨 て る こ と は で き な か っ た
院は交通費を含め 無 償 で 治 療 し 、 な が ら も 、 背 が 高 く 実 に 上 品 な
93
平成 28 年 9 月 19 日 月曜日│ No.1049 ❷
聞
新
洲
徳
生 命だけは平等だ
フィスチュラ病院は治療から生き方に
まで及ぶ究極の総合診療の実践に努力
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