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第5次人吉市総合計画
第5次人吉市総合計画 (平成24年度~平成31年度) 基本計画案 人 吉 -0- 市 ≪目 3 次≫ 基本計画 第1章 計画の目標年次と位置付け・・・・・・・・・・・・・・・・・2 第2章 項目別施策の展開・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 【産業・経済】 農業と観光で稼ぐ・儲かる経済都市ひとよし・・・・・・・・3 【教育・文化】 美しき相良700年の歴史文化都市ひとよし・・・・・・・17 【環境・安全】 母なる清流球磨川が輝く自然安全都市ひとよし・・・・・・27 【健康・福祉】 笑顔があふれ、幸せいっぱい健康福祉都市ひとよし・・・・41 【都市基盤・建設】 便利で住みやすいふるさと定住都市ひとよし・・・・・・・55 【地域・自治】 信頼と連携で力を合わせる市民主役都市ひとよし・・・・・65 -1- 3 基本計画 第1章 計画の目標年次と位置付け 基本計画は、第5次総合計画基本構想の前期計画の位置付け4年間の計画とし、目標年 次を平成27年度とします。この基本計画では、基本構想を实現するための施策と、重点 課題を解決するための主要な事務事業をまとめたものとします。また、施策等の实現性を 高めていく新しい手法として、市長マニフェストを基本計画に反映します。 なお、本編で言及していない施策や具体的方策については、政策課題に対応した实施計 画等に基づき实施していきます。 基本構想と基本計画の体系との関係 基 本 構 想 基本 理念 《市民みんなが健康で笑顔で暮らせるまち》 将来 都市像 「自然と相良文化が輝く美しき千年都市ひとよし」 6つの 政策 ●産業・経済 『農業と観光で稼ぐ・儲かる経済都市ひとよし』 ●教育・文化 『美しき相良700年の歴史文化都市ひとよし』 ●自然環境・安全 『母なる清流球磨川が輝く自然安全都市ひとよし』 ●健康・福祉 『笑顔があふれ、幸せいっぱい健康福祉都市ひとよし』 ●都市基盤・建設 『便利で住みやすいふるさと定住都市ひとよし』 ●地域・自治 『信頼と連携で力を合わせる市民主役都市ひとよし』 基 本 計 画 施策 農業の 振興 商工業 の振興 企業誘致 の推進 主要な ・・・・・ ・・・・・ ・・・・・ 事務事業 -2- 雇用対 策の推進 林業・林 産業の振 興 おもてなしの心 による観光と交 流 地域資源 の活用と推 進 第2章 項目別施策の展開 戦略1【産業・経済】 「農業と観光で稼ぐ・儲かる経済都市ひとよし」 (1)農業の振興 【現状と課題】 我が国の農業・農村は、食料の安定的供給はもとより、地域社会の発展や国土・自然 環境の保全、文化の伝承等といった重要な役割を担っています。 しかし、こうした役割や機能を持つ農業・農村を取り巻く情勢は、担い手不足・農業 者の高齢化、これに伴う農地の減尐・遊休化、農山村の過疎化・混住化の進行等の課題 を抱えています。 近年の異常気象による農作物被害への対応や地球温暖化防止をはじめ、食の安全・安 心確保の観点からも環境保全型農業への転換の必要性が高まってきています。 さらに、耕作放棄地や有害鳥獣被害も年々増加の一途をたどっており、抜本的な対応 が大きな課題となっています。 また、長引く景気低迷や農産物自由化等による農産物価格の低下に起因する農家所得 の減尐は、地域経済に大きな影響を及ぼしています。 このような中、生産から販売までの一貫体制の確立により、本市の農畜産物のブラン ド化を図り、農家所得の拡大を図る施策の展開が急務となっています。 ・混住化…農業地域で虫食い的に住宅開発が進み、農家でも兼業化・非農家化が進むことで、農地と住宅地が混在す る状況 ・環境保全型農業…農業の持つ物質循環機能を生かし、生産性との調和などに留意しつつ、土づくり等を通じて化学 肥料、農薬の使用等による環境負荷の軽減に配慮した持続的な農業 【施策の目的】 個別経営や集落営農における農業の担い手を育成・確保し、意欲ある農家へ農地を集 積していくことで、農業と地域を再生させ、農山村に暮らす人々が将来に向けて明るい 展望を持って生きていける環境づくりを進めていくとともに、環境の保全や美しい景観 などの農業・農村の多面的機能を確保していきます。 また、地域の現状を打開するために、「農業で食べられるまち」を目指し、健康を機軸 とした農産物ブランド化による農業振興を図る目的で、平成20年3月に「人吉市農産 物ブランド化基本構想」を策定しました。今後は、地産地消を基本としつつ、人吉独自 の自然環境や地域資源を都市部など他地域にアピールしながら販路の拡大を図っていき ます。また、地球温暖化防止や食の安全・安心を図る上で、今後とも関係機関と連携し ながら有機農業など環境保全型農業の推進をより一層図っていきます。 -3- ・利用権設定…農業経営基盤強化促進法に基づき、規模拡大を志向する認定農業者等へ農用地等の利用集積を行 うための手続き ・農地保有合理化事業…離農農家や規模縮小農家等から農地を買入れ・借入れを行い、規模拡大による経営の安 定を図ろうとする農業者に対して、農地を効率的に利用できるよう調整した上で、農地の売渡しや貸付けを行 う事業 【成果指標】 成果指標 現在値 認定農業者数 目標値(H27年度) 70 経営体(うち法人 12) 73 経営体(うち法人 14) 集落営農組織 利用権設定面積及び農地保有合理 化事業における売買面積 3 団体 5 団体 50ha 53ha ・認定農業者…農業者が、経営を計画的に改善するために農業経営改善計画を作成し、市町村から認定を受けた農業 者。国や県、市町村等から様々な支援が受けることができる 【詳細施策】 【主要な事務事業】 農畜産物のブランド ● 化 (事業概要) 健康農産物ブランド化 推進事業 ● 農産物販路拡大事業 ● 農業活性化対策事業 ● 受精卵移植推進事業 ● 子牛保留奨励事業 ● 農協有等家畜導入事業 ● JA連携による東京で の人吉フェア事業 農地の保全・活用 ● 中山間地域等直接支払 い事業 農家の所得向上を目的とし、人吉・球磨産農 産物の販路確保・拡大を図る事業 農業関連に必要な条件整備等についての経 費の一部助成を行う事業 牛の改良、増殖を推進するため、受精卵移植 の技術向上普及定着を図る事業 優良繁殖雌牛を保留して資質の改善を図る 事業 牛の増頭のため、農協の貸付制度を利用して 肉用牛を導入された農家に対して行う事業 関東圏における人吉・球磨産農産物や物産の 販売促進を目的とした事業 中山間地域等における農業の多面的機能を 維持する事業 業 販売価格が生産費を恒常的に下回っている 作物を対象に、その差額を交付し、農業経営 安定や食料自給率向上を目指す事業 ● 担い手対策事業 認定農業者、集落営農、新規就農者等農業の 担い手に対して、各種支援を行う事業 ● 環境保全型農業直接支 ● 農業者戸別所得補償事 援対策事業 ● 農業経営基盤強化促進 法事務事業 生産基盤整備の推進 健康農産物ブランド化基本構想の下に、農産 物の生産振興と販売促進を図る事業 ● 国営川辺川総合土地改 良事業 ● 市単独農道・農業用排 水路事業 ● 農地・水・環境保全向 上対策事業(共同活動) -4- 地球温暖化防止や生物多様性保全等に効果 の高い営農活動に取り組む農業者に対し て 支援を行う事業 効率的かつ安定的な農業経営の育成を図る ため、農業経営の改善を計画的に進めようと する農業者に対して、農業経営基盤等の強化 を促進するための事業 球磨北部地域の安定的な農業用水の確保とほ 場の整備を行う事業 老朽化した農業用施設(農道・用水路・排水 路)の工事を行う事業 農業者を中心とする地域住民が、地域内の農 地や水路等の資源保全(草刈、花植え等)の 活動を实施する事業 (2)商工業の振興 【現状と課題】 日本経済は、平成20年9月のリーマン・ショックに続いて、平成23年3月に発生 した東日本大震災により、足踏み状態に陥っています。加えて、福島県の原子力発電所 事故による電力不足に伴う企業の生産活動の縮小と風評被害が経済に暗い影を落として います。緩やかに景気回復を続けると見込まれていますが、円高や海外経済の減速等、 懸念材料もあり、注視していく必要があります。 本市の商工業を支える中小企業においては、停滞した日本経済の影響を受け、依然厳 しい環境におかれています。グローバルな競争の中にあり、これまで以上に個性化、ブ ランド化など商品の魅力・付加価値の向上と、さらなる経営革新、創意工夫が求められ ています。 【施策の目的】 本市の商工業を支える中小企業は、迅速な対応と行動力、経営者の絶え間ない努力に より、地域や暮らしを支え、地方経済の牽引役として地域振興に大きく貢献してきまし た。 地域経済を担う中小企業等がその役割を果たしながら、さらなる発展を遂げていくた めには、「人・もの・カネ」といった経営資源を確保し、経営安定を図る支援体制を充实 させる必要があります。厳しい経営環境の中、中小企業大学校人吉校を活用した人材育 成や、商工会議所をはじめとする関係各団体等と連携し、一体となって、地域の発展と 商工業の繁栄を目指した経営指導並びに経営支援等を積極的に展開していきます。 また、本市特有の物産品については、これまで以上に球磨焼酎のブランド化と販路拡 大に努め、さらに自然、歴史、文化に育まれた魅力ある物産・特産品の掘り起こしや農 商工連携を図ることによって、地域資源を最大限に活用する「ものづくりのまち」を目 指します。 -5- 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 640 店 600 店 小売業・卸売業の従業員数 4,011 人 4,000 人 小売業・卸売業の年間消費販売額 723 億円 700 億円 小売業・卸売業の商店数 ※現在値は、熊本県商業統計調査結果から 【主要な事務事業】 (事業概要) ● 商工業振興事業 商工業を育成及び振興するための補助金・助成金交付事業 ● 地場産業振興事業 商工業団体に対して交付する活動費補助事業 ● 中小企業経営基盤強化事業 中小企業の経営安定に資する金融優遇制度事業 ● 中小企業人材育成事業 従業員の人材育成に必要な経費の一部を補助する事業 ● 昭和の人吉温泉郷、街並みの 復活事業(人吉七町) 昭和をテーマとした公衆温泉及び空き店舗の活用による賑わい創出 とその修景事業 ・修景…都市計画・道路計画などで、自然の美しさを損なわないように風景を整備すること -6- (3)企業誘致の推進 【現状と課題】 日本経済は、リーマン・ショックに端を発した世界同時不況という逆風を経験し、一 時期は回復の兆しも見えたところですが、今般の東日本大震災という未曾有の震災によ り、さらに大きな打撃を受けたところです。 一方で、尐子・高齢化といった社会的要因がもたらす生産年齢人口の減尐により、生 産・消費・雇用等の多方面における需給関係にアンバランスが生じてきているところで あり、地域経済は厳しさを増すばかりです。 人吉球磨管内の有効求人倍率は、県内でも最低の水準で推移しており、雇用の確保は 喫緊の課題となっています。 また、高齢化は急速に進む一方で、新卒の若い労働力は域外へとその多くが流失する ような状況の中で、地域経済を支えるべき世代人口が減尐傾向にあることは否めない事 实です。 働く場の確保と域内での消費人口の増加が、今後の地域経済の活性化には必要不可欠 になります。 ・生産年齢人口…年齢別人口のうち労働力の中核をなす 15 歳以上 65 歳未満の人口層のこと 【施策の目的】 かんよう 企業誘致は、雇用の場の確保と域内経済の振興、そして税源涵養につながるものであ り、地域経済への波及効果は極めて大きいものがあります。この地域に住み、生活をす るためには、この地域に働く場があることが何より重要です。 現在、造成済みの梢山工業団地においては、立地可能な区画が残り2区画となってお り、積極的な企業誘致活動を展開することによって、早期の企業立地を推進していきま す。 また、これから整備を行う人吉中核工業用地については、1日でも早い企業立地の環 境整備に努めるとともに、県内でも有数の大規模な工業用地として多くの雇用が創出で きるようなマザー工場的な企業の誘致を目指します。 -7- 【成果指標】 成果指標 梢山工業団地の企業立地 現在値 残り2区画 人吉中核工業用地の立地環境整備 残り2区画への企業立地 * 人吉中核工業用地のマザー工場等の誘 * 致 【主要な事務事業】 目標値(H27年度) 整備完了 誘致による立地協定の締 結 (事業概要) ● 企業誘致推進事業 企業誘致を図るための情報収集・企業訪問等事業 ● 人吉中核工業用地造成事業 大規模な工業用地の造成に向けた法手続及び造成のための設計・ 施工等事業 ● 梢山工業団地管理事業 梢山工業団地を適正に維持管理する事業 -8- (4)雇用対策の推進 【現状と課題】 雇用情勢は、経済情勢と密接な関係にあり、景気減速により、雇用は好転しない厳し い状況が続いています。加えて、円高等を背景に大企業は海外市場の開拓、労働力確保 等を目的として海外移転を進めており、全国的に有効求人倍率は低迷を続けています。 平成23年度の人吉球磨管内の新規学卒予定者は 868 人で、うち就職希望者は 353 人 となっていますが、求人数は 96 人に止まっています。毎年、大勢の人口流出が続いてお り、加えて尐子高齢化も要因となり労働人口が減尐するなど厳しい現状におかれていま す。 経済の活性化及び地場関係者の創意工夫や発想を活かした雇用機会の増大と新たな雇 用を生み出す企業誘致が強く求められています。 【施策の目的】 働くことは、人としての暮らしを支え、その賃金の消費により経済活動を牽引し、ま た、人としての生きがいにもつながっていきます。そのため、雇用の場を確保すること は国家としての大きな課題のひとつです。 平成21年度にふるさと雇用再生特別基金と緊急雇用創出基金が設立され、基金事業 を实施したことで多くの雇用が生まれました。引き続き、基金事業の延長または国の新 たな支援制度を要望するとともに、本市独自の雇用創出事業を継続实施し、雇用の確保 を図ります。 また、雇用の場を守るため、地場企業の育成及び支援を図るとともに、公共職業安定 所や人吉球磨雇用対策協議会と連携し、求職者に対し求人情報を適宜提供できるような 環境整備を図りながら、新たな雇用を創出する企業誘致についても全力を傾注すること によって推進していきます。 -9- 【成果指標】 成果指標 人吉球磨管内の有効求人倍率 現在値 目標値(H27年度) 39% 60% ・有効求人倍率…求職者数に対して、求人を募集している企業からの求人数の割合 【主要な事務事業】 ● (緊急)雇用対策事業 (事業概要) 県基金及び市費を財源とした1年間を期限とする臨時雇用事業 - 10 - (5)林業・林産業の振興 【現状と課題】 本市の森林面積は 15,883ha であり、本市の全体面積 21,048ha の約 75%を占めていま す。 全国的に林業従事者の減尐、高齢化及び後継者不足が続いている状況の中、本市にお いても林業生産を継続するための人材の確保が求められています。 また、本市の森林は、戦後植林した人工林資源が利用可能な段階に入りつつあります が、路網整備や施業の集約化の遅れ等から生産性が低く、材価も低迷していることから、 森林所有者の林業への関心は年々低下してきています。また、相続などにより自らの所 有すら意識しない森林所有者の増加が懸念され、森林の適正な管理に支障を来たすこと が危惧される状況にあります。 このような状況を踏まえ、本市では路網整備の拡大を行うことによって、生産性の向 上及び未整備森林の減尐を今後図っていく必要があります。 ・路網…林道及び作業道のこと 【施策の目的】 森林の持つ公益的機能の維持と森林資源の循環利用を図るため、地域の特性や森林の 形態に応じた適切な森林整備を進める等、長期的な視点での健全な森林整備の保全に取 り組み、また、林業の活性化を図る等、魅力ある林業・林産業が实現できるまちを目指 します。 - 11 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 路網密度 20.1m/ha 22.2m/ha 民有林面積 10,133ha 10,133ha 路網延長 204,037m 225,000m 未整備率 49% 39% 民有人工林面積 6,859ha 7,000ha 未整備面積 3,394ha 2,730ha ・未整備率…人工林において、間伐等の整備を行っていない割合のこと 【主要な事務事業】 (事業概要) ● 市有林整備事業 市有林の整備(間伐、枝打ち、新植、下刈等)を行う事業 ● 素材生産販売委託事業 市有林における間伐材等の委託販売を行う事業 ● 林道等維持補修事業 林道・作業道の維持及び補修を行う事業 ● 有害鳥獣対策事業 有害鳥獣(シカ,サル,カラス等)の適正管理を行う事業 - 12 - (6)おもてなしの心による観光と交流 【現状と課題】 日本を取り巻く社会経済環境は、本格的な人口減尐、高齢化社会の到来等、様々な状 況がある中、将来にわたって持続可能な国づくりを進めるため、地域経済の活性化、雇 用機会の創出、国際相互理解の増進等に資する観光立国の实現にかかる期待は大きく、 今後の成長戦略の柱として、ますます観光振興事業の取組の強化が求められています。 本市においても、経済浮揚策のひとつの柱として、「観光で食べられるまち」を掲げ、 観光振興に関し、各種イベントの企画運営や情報発信により、人吉観光のPRを行って います。また、本市及び球磨地域には、相良700年の歴史による歴史・文化・自然環 境や温泉・球磨焼酎等の地域資源が集まっています。これらを多様化する観光ニーズに 活用することによって、同時に情報発信を効果的に行うとともに、魅力ある観光地を形 成することが大きな課題となっております。 今後魅力ある観光のまちにするためにも、観光に関連する団体・企業・事業者をはじ め地域住民が連携し、この地域に存在する観光素材を掘り起こしながら磨き上げること により、癒しや感動を与えることができるという認識のもと、多くの観光実を「おもて なしの心」で温かく迎え入れるまちづくりを推進する必要があります。 【施策の目的】 観光による交流人口の増加は、産業・雇用を創出するとともに、地域の活性化に寄与 するものです。 本市の観光振興を進めながら、多様化する観光ニーズに対応するため、魅力ある観光 地作りに努め、まちづくりとともに人吉球磨地域全体での着地型広域観光を今まで以上 に推進することによって、祭りやイベントをはじめとした各種観光事業を展開していき ます。 - 13 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 約 97 万人 120 万人 約 93.7 億円 116 億円 観光実入り込み数 目標観光消費額 ・観光実入り込み数…観光のため地域に訪れた来訪実の数 ・観光消費額…旅行期間中に、旅行・観光活動のために観光実が観光地において行う消費金額、交通、宿泊、飲食、 みやげ、娯楽等の消費金額 【詳細施策】 【主要な事務事業】 観光基盤整備と観光誘 ● 実の推進 観光施設整備事 業 ● 相良三十三観音 周辺環境整備事 業 ● 石野公園施設整 備及び活性化事 業 ● 外部団体との連 携事業 着地型広域観光の推進 ● イベント企画・運 営事業 ● 観光情報発信事 業 ● (事業概要) 観光施設の整備や維持管理及び観光案内板を整 備することで、日本国内外の観光実におもてなし をアピールし、リピーターを増やすことで、本市 観光実の増加を図る事業 赤池観音・永田観音・三日原観音など相良三十三 観音の駐車場整備により、観音めぐりや観光実の 利便性の向上を図る事業 石野公園の魅力を再発見し、必要な人的・物的な 投資や支援を行った上で、地域活性化の拠点と し、また魅力ある観光地としての整備を進めるこ とで、本市経済を推進する事業 第三セクターであるくま川下り(株)の経営安定 化を図り、(社)人吉温泉観光協会の組織強化と 真の自立を目指すことで本市観光地基盤整備を 推進する事業 各種イベントを企画・实施することにより、人吉 観光のPRと観光交流人口の増加を推進する事 業 各種メディアを活用し、人吉の情報を発信するこ とで、人吉の知名度の上昇と観光交流人口の増加 を推進する事業 観光関連協議会 との広域観光活 県内外の観光関係団体と連携し、各団体の活動趣 旨に応じて観光宠伝や研修などを行う事業 性化事業 ・相良三十三観音…相良家 700 年の歴史が凝縮された貴重な文化遺産の数々。人吉市と球磨郡に 35 の札所があり、人 吉市内だけでも一番札所の清水観音、二番札所の中尾観音など、12 ヵ所が点在する ・着地型広域観光…地域に根ざした観光業者ならではの観光の情報や知識、人のつながりを活かして企画する観光戦 略 - 14 - (7)地域資源の活用と推進 【現状と課題】 人々の価値観が多様化している現在、人生に潤いをもたらすものとして文化活動に対 する関心が一層高まっています。 そのような中、本市には日本三急流の球磨川をはじめとした豊かな自然と、相良70 0年の歴史が育んだ数多くの歴史遺産が所在しています。これらの地域資源が、未来へ 継承する遺産であることを市民に認識させるとともに、地域の活性化につなげる交流資 源としても活用していくことが求められています。 特に、肥薩線については、開業から100年以上経過しているにもかかわらず、当時 の姿をとどめたまま稼動している、本市の地域資源の中でもとりわけ誇るべきもののひ とつです。近代化産業遺産群でもある本線は、比類なき価値を持つ鉄道遺産であり、圏 域の市町村とともに世界遺産登録の推進活動を展開しているところです。 ・肥薩線…JR 九州の路線(地方交通線)のひとつで、八代-隼人間の 124.2km。路線名は肥後と薩摩を結ぶところか ら。人吉~吉松間は列車の本数が尐ないが、 「日本三大車窓」のひとつに数えられる絶景区間を擁する 【施策の目的】 地域資源の活用については、専門職員の配置も含め、歴史遺産の調査や適切な保存・ 整備を計画的に行うとともに、市民に対する地域文化の理解を深めていくため、啓発活 動や講座、展示など歴史遺産に対する市民への意識の向上を図っていきます。 特に、世界遺産登録を推進している肥薩線においては、より多くの市民に対して、教 育・啓発等を図っていきながら、歴史遺産の保護に協力する機運を醸成することによっ て、地域資源を未来へ継承していくとともに、本市への誇りを持つことにつなげていき ます。 さらに、地域資源を通じた情報発信と交流活動を推進することで、地域のイメージア ップにつなげるとともに、人々の交流をもたらし、地域の活性化を促します。 - 15 - 【成果指標】 成果指標 歴史遺産の教育・啓発等のイベ ント回数 歴史遺産に興味のある子どもの割 合(アンケート等) 文化財・歴史遺産を訪れた観光実 の割合(アンケート等) 【主要な事務事業】 ● 肥薩線を未来へつなぐ協議会 推進事業 ● D51蒸気機関車復活推進事 業 現在値 目標値(H27年度) * 年5回 * 70% * 90% (事業概要) 肥薩線の世界遺産登録を推進する事業及びD51 蒸気機関車復活に 関する事業 矢岳駅に保管してあるD51 蒸気機関車の復活を推進する事業 - 16 - 戦略2【教育・文化】 「美しき相良700年の歴史文化都市ひとよし」 (1)社会教育の推進 【現状と課題】 社会情勢や生活環境が大きく変化する中で、市民の学習ニーズはますます多様化、高 度化してきており、その一方で、地縁関係の希薄化や核家族化が進んでいます。 このような社会的状況の中、各個人が自立した一人の人間として力強く生きていくた めの総合的な力を身につけて、生涯にわたって学習を継続できるようにすることが求め られています。このため、公民館や図書館等を学習拠点・地域活動の拠点とし、充实し た学習機会の提供を行っていく必要があります。また、その学習成果が適切に評価され て、地域活動などに活かされるように、学校・家庭・地域が連携し、地域全体で取り組 む社会教育の体制づくりが求められています。 ・社会教育…学校教育以外の場で、青尐年・成人に対して行われる組織的な教育活動の総称 【施策の目的】 市民一人ひとりの学びの意欲を支えていくという視点に立って、様々な学習機会をつ くり、学んだことが地域に活かされることによって、人間力や家庭教育力・地域教育力 の向上を目指します。 また、人権問題を正しく理解し、差別のない明るい社会を目指し、各種関係団体と連 携して社会人権教育を推進します。 - 17 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 家庭教育学級指定校数・受講者数 13 校・3,846 人 24 校・4,100 人 1,397 人 1,650 人 836 人 870 人 112,344 点 115,000 点 学校支援ボランティア年間延べ人 数 コミセン講座受講者数 図書館資料貸出点数 ・家庭教育学級…幼稚園や小学校を拠点として、親同士が学習したいことを自ら企画し、計画的・継続的に活動を行 っていくもの ・学校支援ボランティア…様々な段階の学校において行われるボランティア活動、またはそれを担う人材のこと 【主要な事務事業】 (事業概要) ● 家庭教育学級事業 市内の保育園・幼稚園・小中学校を指定して家庭教育学級を開設し、 家庭教育力の向上を図る事業 ● 学校支援地域本部事業 学校と地域の連携体制の構築を図り、地域全体で学校教育を支援す るとともに、地域教育力の活性化を図る事業 ● 中央公民館事業 社会的課題・現代的課題をテーマにした学習機会の提供と充实を図 り、学習成果が地域に活かされることで、適正に評価されるシステ ムの構築を図る事業 ● 校区公民館事業 市民ニーズを取り入れたコミセン講座を開設し、学習機会の提供・ 充实と地域教育力の向上を図る事業 ● 社会人権教育事業 人権に関する研修会の開催や啓発活動、各種学習機会を捉えて家庭 や地域における社会人権教育の推進を図る事業 ● 社会教育関係団体補助事業 社会教育関係団体への支援と連携により、各団体の社会教育事業の 推進と活性化を図る事業 ● 子ども読書推進活動事業 行事の開催や学校・団体等と連携を行い、子どもの読書活動を推進 する事業 ● 図書館利用促進事業 館内環境の整備や行事の開催を通じ、図書館の利用を促進する事業 ● 図書館蔵書充实事業 図書館の蔵書設備を整備し、蔵書数を増加させる事業 ● “郷土愛”育みプランの推進 次世代を担う子どもたちが他の地域に出かけ、交流できる機会を創 出することによって、他の地域の良さを学ぶとともに、ふるさとの 良さの再認識につなげていく事業 事業 - 18 - (2)学校教育の充实 【現状と課題】 学校教育においては、「確かな学力」と「心豊かな人間性」を持った人材の育成が求め られています。 そのために、児童・生徒一人ひとりの個性を活かす教育と様々な体験学習等を積極的 に導入することが大切であり、地域の人材を活かした協力や支援体制の構築が求められ ています。通常学級に在籍して、発達障害等による特別な支援を必要とする児童・生徒 を支援、また、不登校やいじめの問題等の解消に向けて、学校や家庭、関係機関の連携 を強化するとともに、教育相談員等の人的支援体制の充实を図る必要があります。 また、教育の場と緊急避難場所としての機能を持つ教育施設については、本市の財政 状況を考慮し、中・長期的な計画性を持った耐震補強・大規模改修工事等を行い、児童・ 生徒や地域住民の安全及び利便性の確保に努める必要があります。 ・発達障害…自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類 する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するもの 【施策の目的】 家庭や地域と連携して、協力や支援体制の確立と強化を図り、あらゆる教育活動をと おして、児童・生徒に「確かな学力」を身につけさせるとともに、健康な体と豊かな心 を育てることによって人生や社会を乗り切っていく「生きる力」の育成を目指します。 また、学校施設は、安心安全な空間とより良い学習環境を提供する教育の場であると ともに、災害時の緊急避難施設としての役割も担うことから、耐震補強等を施し安全性 の確保に努めます。 - 19 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 不登校児童・生徒の出現率 1.13% 1%以内 学校施設耐震化率 88.4% 100% 現在値 目標値(H27年度) 80.4% 85% 参加児童満足度調査 夏休み・放課後パワーアップ教审 の満足度 【主要な事務事業】 (事業概要) 教审事業 小学校 3 年生以上の希望者を対象に教育免許状を持った地域人材が 学習指導(国語・算数)し、基礎学力の定着と開かれた学校づくり をねらいとする事業 ● 外国青年招致事業 外国語指導助手(ALT)を小・中学校に派遣し、外国語教育及び国 際理解を推進する事業 ● 特別支援教育支援員配置事業 発達障害や生育環境により、集団での学習に支障を来たす児童生徒 を、担任と協力しながら支援する人員を配置する事業 ● 人吉っ子アドバイザー事業 ● 夏休み・放課後パワーアップ (不登校児童・生徒対策) 様々な理由から登校できなくなった児童生徒への自己表現を支援 するもの。また、いじめ・不登校等の未然防止のための様々な活動 を行う事業 ● 学校給食事業 食事についての正しい理解を深め、健全な食生活を営むことができ る判断力を培い、望ましい食習慣を養わせる事業 ● 学校施設耐震化・大規模改修 児童・生徒の安心安全及び快適な学習空間を確保する事業 事業 - 20 - (3)市民芸術・文化の振興と継承 【現状と課題】 芸術・文化は、ゆとりや潤い等の精神的な充足を与えるほか、地域の個性や独自性を 生み出し、地域の活性化と密接に結びついていることから、今後も、各種芸術・文化団 体による自主的な活動の一層の促進や、芸術・文化の鑑賞機会や発表機会の充实を図る ことにより、市民の文化力及び意識を高めていくことが求められています。このような 中、市民の芸術・文化活動の拠点であるカルチャーパレスは、建設から長年が経過し、 大規模な改修が必要となっています。 【施策の目的】 地域に根ざした文化活動・団体等に対する支援や、各種の芸術文化事業をとおして、 市民力となる新しい人吉文化の創造を図るとともに、カルチャーパレスを地域文化活動 の拠点「文化の殿堂」となるよう施設整備を目指します。 - 21 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 3,000 人 4,000 人 人吉球磨総合美展(来場者数) 2,000 人 3,000 人 自主文化事業 2,000 人 7,000 人 犬童球渓顕彰音楽祭(出場者・観 実数) 【詳細施策】 芸術・文化の推進 文化施設の整備充实 【主要な事務事業】 (事業概要) ● 犬童球渓顕彰音楽祭事業 郷土の偉人 犬童球渓の偉業を顕彰し、音楽に よる地域文化の振興・普及を目指す事業 ● 人吉球磨総合美展事業 芸術文化に触れ合う機会を設けることで、市 民の文化意識を高める事業 ● 自主文化事業 良質な文化芸術を公共施設だからこそできる 低廉な価格で提供する事業 ● 文人・偉人顕彰事業 郷土の偉人や縁のある文人等の功績や人物像 を掘り起こし、次世代に語り継ぐことで、郷 土の誇りとしていくための事業 ● カルチャーパレス改修事 業 - 22 - カルチャーパレスの老朽化した施設を改修し、 文化の殿堂にふさわしい施設として再生する 事業 (4)歴史遺産の保存と活用 【現状と課題】 人吉球磨地域には、大村横穴群、人吉城跡、相良家墓地といった史跡のほか、国宝の 青井阿蘇神社、重要文化財の老神神社や岩野熊野座神社など、県内における国・県指定 の社寺建築の8割以上を占める多くの建築文化財が残されています。 また、肥薩線については、熊本県・宮崎県・鹿児島県の南九州3県を貫く交通機関と して重要な役割を果たすとともに、人吉駅の石造り機関庫をはじめ、明治時代における 開業当初の姿をとどめながら現在も稼動している貴重な鉄道遺産といえます。 これらの歴史遺産については、適切な保存及び活用を図るとともに、施設所有者、ウ ンスンカルタ保存会、臼太鼓踊り保存会、人吉鉄道観光案内人などとの連携を深めるこ とにより、より一層市民の関心を深め、圏域一体となった歴史回廊づくりが求められて います。 ・肥薩線…JR 九州の路線(地方交通線)のひとつで、八代-隼人間 の 124.2km。路線名は肥後と薩摩を結ぶところか ら。人吉~吉松間は列車の本数が尐ないが、 「日本三大車窓」のひとつに数えられる絶景区間を擁する。 【施策の目的】 人吉球磨地域において形成された、多様かつ固有な有形無形の歴史遺産群について、 その掘り起こし、修理、整備及び活用を図るとともに、市民の関心を高め、子どもたち の愛郷心を醸成する研究・学習拠点としての人吉城歴史舘を積極的に活用することによ り、 「美しき相良700年の歴史文化都市ひとよし」の实現を目指します。 また、肥薩線については、人吉市、えびの市及び湧水町が中心となり、矢岳駅に眠る D51蒸気機関車の復活運行に向けた署名・募金等の運動を行うとともに、鉄道遺産と しては全国で初となる「世界遺産化」を目指し、学術調査や地域住民への意識啓発を積 極的に推進します。 - 23 - 【成果指標】 成果指標 人吉城歴史館 来館者数 【詳細施策】 文化財の保存活 現在値 目標値(H27年度) 16,000 人 22,000 人 【主要な事務事業】 ● 用 (事業概要) 指定文化財保存管理活用 事業 ● 史跡人吉城跡保存整備事 業 ● 史跡大村横穴群保存整備 事業 人吉城歴史館の ● 充实と活用 業 推進 人吉城を管理し、活用するために必要な種々 の整備を行う事業 大村横穴群の管理活用を図るために主に壁面 の保存修理を行う事業 人吉城歴史館の常設・企画展示について、見る 人に分かりやすい展示内容の充实を図る事業 り事業 「古文書を読んでみよう!」 「歴史館カレッジ」 などの開催を通じて、人吉城歴史館を市民の歴 史学習の拠点として利用してもらう事業 ● 相良歴史回廊推進事業 人吉球磨地域に点在する歴史遺産を活用した 官民一体の連携事業 ● 肥薩線を未来へつなぐ協 ● 世界遺産の登録 常設展示・企画展示充实事 市内の指定文化財を管理・活用するために、 史跡人吉城跡保存管理計画書を基本として必 要な種々の業務を行う事業 市民歴史学習の拠点づく 議会推進事業 - 24 - 肥薩線の世界遺産登録を推進する事業及びD 51 蒸気機関車復活に関する事業 (5)スポーツの振興 【現状と課題】 市民の健康に対する意識、スポーツへの関心の高まりの中、多様化する市民のニーズ に対応した健康及び体力づくりなど、市民誰もが取り組めるスポーツやレクリエーショ ンの普及・推進は大きな課題です。 このため、総合型地域スポーツクラブの活動推進やスポーツ関係団体・指導者の育成、 さらには、各種スポーツ大会の開催及び内容充实、スポーツ活動の拠点となるスポーツ 施設の整備充实等、ソフト・ハード両面での環境づくりが求められています。 ・総合型地域スポーツクラブ…その地域に住んでいる人たちが、性別、年代、所属に関係なくいつでも気軽にスポー ツや文化活動に参加できる「総合型」のスポーツクラブ 【施策の目的】 市民誰もが健康で明るく活気に満ちた生活が送れるよう、気軽にスポーツやレクリエ ーションを楽しむことができる環境づくりを進めるとともに、スポーツ団体の組織強化 及び指導者の育成を図り、競技人口の増加や競技力向上を目指します。また、そのため の基盤となる施設の整備を計画的に進めます。さらに、各種スポーツ交流イベントを開 催することで、地域間の交流を促進し、魅力あふれる地域づくりを目指します。 - 25 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 214,155 人 220,000 人 学校体育施設利用者数 78,743 人 81,100 人 校区コミセン体育館利用者数 31,584 人 32,500 人 スポーツ施設利用者数(指定管理 11 施設) 【主要な事務事業】 (事業概要) ● 市民スポーツ大会事業 健康づくりやスポーツに親しむ機会を提供するため实施す る、市民を対象にしたスポーツ大会事業 ● 総合型地域スポーツクラブ事業 すべての市民が、それぞれの志向・レベルに合わせてスポ ーツに親しむことができる総合型地域スポーツクラブの活 動推進事業 ● スポーツ団体組織強化・指導体制充实 事業 ● スポーツ交流イベント(春風マラソ ン、おどんな日本一武道大会等)事業 ● 競技人口増加や競技力向上を目指した、スポーツ関係団体 の組織強化やスポーツ指導者育成事業 市外からも多くの参加があり、地域間の交流促進や地域活 性化等に貢献するスポーツ交流イベント事業 スポーツ施設の整備・充实事業(多目 的運動広場整備、老朽化施設・設備の 整備改良) - 26 - 屋外スポーツの拠点となる多目的運動広場の整備や、老朽 化が進むスポーツ施設の整備改良事業 戦略3【環境・安全】 「母なる清流球磨川が輝く自然安全都市ひとよし」 (1)消防・防災体制の充实 【現状と課題】 消防・防災の設備・機器については、老朽化等に対して随時整備を行っておりますが、 今後も計画的な整備が必要となっています。また、消防・防災無線についてもアナログ からデジタルへの移行が求められています。 消防団については、地域防災のリーダーとしての役割が増しており、体制の再整備が 必要となっています。 また、災害に強いまちを目指すためには、施設整備等のハード面だけでなく、自助・ 共助・公助のあり方を市民みんなで考える防災研修や防災訓練を实施する等、ソフト面 の充实が鍵になりますので、防災に関する意識を高めるための取組をとおして、各町内 の自主防災組織の整備・強化を図る必要があります。 ・自主防災組織…「自分たちのまちは自分で守る」という地域住民の連携に基づき、 結成される防災組織 【施策の目的】 市民の生命、身体、財産を災害から守ることは行政の最も基本的な使命です。災害に 強いまちをつくるためには、防災基盤の整備に加え、防災体制の強化・充实を図る必要 があります。万が一、災害が発生した場合でも、防災訓練の实施や住民の避難体制の整 備・強化等、災害に対する備えが整っていれば、被害を最小限に抑えることができます。 そのためには官民一体となった取組が必要です。 また、自助・共助・公助を基本として、市民・事業所・行政及び防災関係機関が、そ れぞれの役割と責任のもとに相互に連携・協働して防災対策を着实に行うことによって、 災害に強い、市民が安心して生活できる安全な地域社会の实現を目指します。 - 27 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 消防小型ポンプ更新 21 台 24 台(更新完了) 耐震性防火水槽設置 年3基 年3基 防災实動訓練实施 年1回(住民参加型) 年1回(住民参加型) 防災行政無線整備 基本設計实施 地域防災計画書の改訂 同報系・移動系無線整備 完了 改訂实施 改訂实施 ・防災行政無線…災害時に、行政が住民に情報を提供するための無線システム ・同報系防災行政無線…住民に同報を行う放送(同報無線)として整備されるものであり、いわゆる昔の「有線放送」 (有線)を発展解消したもの ・移動系防災行政無線…他の通信手段が途絶した場合に、防災担当者間の情報伝達手段を確保する目的で設置される システム 【主要な事務事業】 (事業概要) ● 防災基盤整備事業 消防小型ポンプ更新及び防火水槽設置工事を行う事業 ● 防災实動訓練事業 住民参加型総合防災訓練の計画・实施する事業 ● 防災行政無線整備事業 同報系・移動系デジタル防災行政無線を整備する事業 ● 地域防災計画書改訂事業 地域防災計画書の修正・見直しを行う事業 ● 市庁舎建設検討事業 市民サービスの基本となる中心的な行政拠点であり、親しみやすく 利用しやすい施設として、また、災害時における防災拠点として市 民の安全が図られる新市庁舎の建設を検討するための事業 - 28 - (2)交通安全・防犯体制の充实 【現状と課題】 本市では、関係機関や団体と連携し、防犯・地域安全活動を展開しています。しかし、 ライフスタイルの変化、多様化、コミュニティ意識の希薄化等により、地域の犯罪防止 機能の低下が懸念されていることから、地域が一体となった防犯活動の促進や犯罪が発 生しにくい環境の整備が必要となっています。犯罪を未然に防止するためには、切り札 というものはなく、地域が一体となった地道で継続的な防犯活動が何よりも重要です。 また、パトロールをはじめとするソフト面の防犯活動とともに、防犯活動の担い手の 負担を軽減するために实際の環境面を良くするハード面の整備・改善を併せて行うこと が必要となっています。 さらに、交通事故を未然に防ぐため、安全な道路環境づくりや交通安全意識の高揚に 努めているものの、高齢者が事故に巻き込まれるなど交通事故件数は大きく減尐してい ない状況にあることから、交通安全対策全般にわたる一層の強化が必要となっています。 【施策の目的】 地域の安全のためには、市民一人ひとりの自衛策はもちろん、事故や犯罪の発生しに くい環境の整備が必要となります。そのためには、道路・公園等の整備や交通安全施設 の整備、防犯等の設置などハード面の整備に加え、地域が一体となって推進する防犯活 動や交通安全対策などソフト面の充实を図ることが重要です。 また、高齢化社会、車社会が進む中で、ライフステージに応じた段階的な交通安全教 育と啓発を行う必要があります。交通事故のない安全な社会の实現に向けて、学校で、 家庭で、社会で交通安全について今一度深く考え、互いに連携しながら取り組んでいく こととします。そのためにも、町内会や地域団体との連携を強め、近年弱まっていると いわれる地域の絆、地域コミュニティの強化を図っていきます。 - 29 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 147 件 90 件以下 3人 0人 年 11 基 年 20 基 交通事故件数 交通事故による死者数 防犯灯設置数 【主要な事務事業】 (事業概要) ● 交通安全教审事業 幼児・高齢者等を対象とした交通安全教审 ● 防犯灯整備事業 町内の要望に基づいて行う防犯灯の設置事業 ● こども王国保安官事業 老人クラブ等の協力を得、子どもを衆目監視できる体制をつくる 事業 - 30 - (3)安全・安心な消費生活の实現 【現状と課題】 商品の販売形態や契約方法の多様化等を背景に、悪徳商法の被害が増加する傾向にあ ることから、消費者への情報提供や啓発などの消費者対策を進めるとともに、消費者自 らが悪徳商法などを見抜く目を養うことが必要となっています。 【施策の目的】 消費者への確かな情報提供と相談体制の充实などにより、安心して消費生活を送れる まちを目指します。 - 31 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 消費生活相談件数の増加 344 件 20%増加 消費生活に関する出前講座回数 18 件 50 件 無料法律相談の開催回数 24 回 24 回(毎月 2 回開催) 人吉球磨巡回相談会の開催回数 10 回 12 回(毎月 1 回開催) 【主要な事務事業】 (事業概要) ● 地方消費者行政活性化事業 県の補助を受けて、消費者相談窓口を開設し、相談員を養成す る等の事業 ● 消費者教育・啓発活性化事業 出前講座等よって、消費者教育・啓発を行う事業 ● 専門家による無料法律相談事業 弁護士による無料法律相談事業 ● 人吉球磨生活支援ネットワーク 事業 市民がいつでもどこでも相談ができるような広域による相談 事業 ・出前講座…自治体の職員が地域に出向いて、その取組や暮らしに役立つ情報などを説明するもの - 32 - (4)環境保全・自然との共生 【現状と課題】 市民の環境に関する意識、特に清流球磨川に代表される豊かな自然環境に対する関心 は、とても高いものがあります。しかし、この豊かな自然もひとたび環境汚染・公害・ 災害に見舞われるとその回復には、多くの時間と労力が必要とされます。それらを未然 に防ぎ、被害を最小限にし、その豊かな自然を有効に利用するためにも、日頃からの環 境の監視・保全が大切です。 環境基準の維持、達成を図るため、各種対策を推進するとともに、日常生活、事業活 動に伴う環境汚染の未然防止に努める必要があります。そのためには、国・県等関係機 関との連携、衛生員連合会や企業の支援・協力も求めるとともに、身近な生活環境を市 民自らが守る自助、共助を求めていくことも必要です。 【施策の目的】 地球規模の環境問題が毎日のように新聞報道やTVニュースで取り上げられる現在、 私たちの日常生活が環境へ与える影響を意識することも多くなってきています。そこで、 市民が生活の中からできることを日々实践し、本市の宝である球磨川をはじめとした豊 かな自然環境を次世代に引き継いでいけるように、環境教育や啓発活動を推進していき ます。 また、豊かな自然環境を守っていくとともに、市民が快適で安全に暮らせるまちをつ くるため、自然の特徴を生かしつつ、環境への負荷が尐ない自然災害に強いまちを目指 します。 - 33 - 【成果指標】 成果指標 環境美化行動 そ族・昆虫駆除 現在値 目標値(H27年度) 年 2 回实施 現状維持 各 河川水等水質調査 自動車交通騒音調査 年 1 回实施 現状維持 常時監視 現状維持 年 1 回实施 現状維持 2件 申請数による 飲料水供給施設等整備補助 ・そ族…病原菌を媒介するタイプの野生のネズミ類全般 【主要な事務事業】 (事業概要) ● 生活環境保全事業 清掃活動や害虫防除など環境美化に関する事業 ● 公害対策事業 自動車騒音の測定や騒音・悪臭等の苦情を処理する事業 ● 河川及び地下水質保全事業 河川や地下水質の定期的な測定・監視、水質事故の処理などに関す る事業 ● 治山・治水対策事業 国、県、流域市町村による「ダムによらない治水を検討する場」を とおして、球磨川水系の新たな治水・防水対策の推進を図るための 事業 ● 飲料水供給施設等整備支援事 簡易水道組合等の施設整備に対し、補助金を交付する事業 業 ・ダムによらない治水を検討する場…球磨川の治水対策として、ダムによらない治水対策を検討する会議の名称 - 34 - (5)資源循環型社会の形成 【現状と課題】 我が国では、循環型社会形成推進基本法や各種リサイクル法、地球温暖化対策の推進 に関する法律等が制定され、ごみ排出の抑制、資源の再利用、温审効果ガスの削減、再 生可能エネルギーの活用等の循環型社会・持続可能な社会の形成が目指されています。 本市ではこれまで、ごみの分別排出の徹底やリサイクルの促進、不法投棄対策に努め、 ごみの減量化・再資源化を進めてきました。市民のごみ減量・分別・資源回収への意識・ 関心は高いものの、今だ収集される可燃ごみ・不燃ごみへの資源物の混入は多い状況に あります。ごみの減量化・再資源化は、ごみ処理経費の削減、処理施設への負担軽減や 施設の延命化につながることも十分認識し、今後も一層の減量化・再資源化への取組を 強化しなければなりません。 また、地球温暖化対策について、平成18年度から平成22年度の第2次实行計画の 検証を踏まえ、第3次計画を策定し、引き続き温审効果ガスの削減を進めることによっ て、さらに再生可能エネルギーの活用・導入(住宅用太陽光発電システム設置に関する 支援策等)を検討します。 これらの取組をとおして、省資源・省エネルギー・省電力を促進し、持続可能な社会 の形成を目指す必要があります。 ・温审効果ガス…太陽からの熱が地表から輻射される際、地球の外に放出されるのを防ぐガス。この温审効果ガスに よって再輻射され、地球が暖められて温暖化の引き金となる 【施策の目的】 ごみの3R(リユース(再使用)、リデュース(発生抑制) 、リサイクル(再生使用) ) 等の推進によるごみの減量化、地球温暖化対策实行計画による温审効果ガスの削減、再 生可能エネルギーの活用による省資源・省エネルギーの促進等、環境に配慮したまちを 目指します。 - 35 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 13,099 トン 11,500 トン 16 件(約 300 人) 25 件(約 500 人) 生ごみ処理機等購入補助 20 件 30 件 地球温暖化対策实行計画 第2次計画終了・検証 第3次計画实施 検討 補助金交付 廃棄物総排出量 ごみ分別体験学習会の開催 住宅用太陽光発電システム設備 費補助 【主要な事務事業】 ● 塵芥(ごみ)処理事業 ● ごみ減量リサイクル事業 (ごみ減量大作戦事業) ● 地球温暖化対策实行計画 事業 ● 住宅用太陽光発電システ (事業概要) ごみ処理計画の策定、ごみ収集、処分場の維持管理費負担に関する事 業 分別・リサイクル、生ごみ処理対策など、ごみの減量化・資源化を推 進する事業 市の事務事業に伴って排出される温审効果ガスの削減に関する計画を 策定し、实行する事業 住宅用太陽光発電システムを設置する世帯に補助金を交付する事業 ム設置費補助事業 - 36 - (6)上水道の整備 【現状と課題】 近年の人口減尐・尐子高齢化・節水型社会等への移行に伴う水道使用量の減尐等に起 因し、今後も給水収益が減尐すると見込まれます。 また、給水開始以来54年を経過し、老朽化した水道施設の更新、渇水や災害時に強 い給水体制を構築するために多額の施設整備費が必要となります。 そうした状況の中、多様化・高度化する市民ニーズに的確に対応するため、市民への 上水道事業に対する理解を深め、さらに効率的・安定的な経営の持続が課題となります。 【施策の目的】 上水道は市民生活において欠くことのできない大切なライフラインであり、常に安全 で良質な水道水の安定供給が求められています。 「市民が安心して飲める水道」、 「いつでも安定して供給できる水道」、「環境に優しい 水道」等の目標達成のため、上水道施設の老朽化対策や耐震化、上水道管理体制の強化 など計画的な施設の整備と維持管理に努めます。 - 37 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 基幹管路の耐震化適合率 8.5% 13.8% 有収率 84.6% 86.1% ・基幹管路…水道管のこと ・有収率…給水する水量と、料金として収入のあった水量との比率。高い数値が望ましい 【主要な事務事業】 ● 上水道施設(水源地、配水池 (事業概要) 老朽化した水源地及び配水池の施設を整備する事業 等)整備更新事業 ● 上水道送配水管耐震化事業 水道管(送水管・配水管)を地震に強い管に布設替えする事業 ● 上水道老朽管路更新事業 老朽化した水道管を更新していく事業 - 38 - (7)下水道の整備 【現状と課題】 衛生的で快適な市民生活を送る上で、公共下水道等の生活排水処理施設は重要な役割 を担っています。 現在、本市では、汚水処理人口普及率が83.6%、うち水洗化率が90.6%とな っており、公共下水道による市街地の整備はほぼ充足しています。 今後は、投資効果を見据えて地域性を勘案した処理施設を選択することにより、効率 的かつ計画的に施設の整備を進め、引き続き普及促進を図っていく必要があります。 また公共下水道施設においては供用開始から30年を経過し、施設の老朽化対策や耐 震化が課題となっています。 ・生活排水処理施設…本市においては、公共下水道若しくは浄化槽(単独処理を除く)施設のこと ・汚水処理人口普及率…生活排水処理施設の利用が可能となった人口の割合 ・水洗化率…生活排水処理施設の利用が可能となった人口のうち、实際に施設を利用している人口の割合 【施策の目的】 快適な生活環境の確保と環境負荷の低減を図るため、生活排水処理施設の普及促進に 努めるとともに、終末処理場等の公共下水道施設の老朽化対策や耐震化、浸水対策等を 計画的に進めます。 さらに公共下水道事業に企業会計方式を導入し、公正で正確な事業評価とそれに基づ く的確な経営判断による経営の健全化を図ります。 - 39 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 生活排水処理施設普及率 83.6% 85.0% 生活排水処理施設水洗化率 90.6% 92.0% 0件 0件 公共下水道施設事故発生件数 【主要な事務事業】 ● 生活排水処理施設普及促進事 業 ● 公共下水道施設改築更新事業 ● 公共下水道事業の企業会計導 入事業 (事業概要) 公共下水道や浄化槽(単独処理を除く)の普及を促進するための 事業 終末処理場「人吉浄水苑」 、雤水・汚水中継ポンプ場、汚水管きょ など公共下水道施設の老朽化した機械・電気機器を取り替えてい く事業 公共下水道事業特別会計を官庁主義会計(単式簿記)から公営企 業会計(複式簿記)に移行する事業 - 40 - 戦略4【健康・福祉】 「笑顔があふれ、幸せいっぱい健康福祉都市ひとよし」 (1)笑顔で元気に健康づくり 【現状と課題】 健康の増進に努めることは国民の責務と位置づけられる中、急速な高齢化や食生活の 変化などにより、心疾患・脳血管疾患・糖尿病等の低年齢化が進み、国民健康保険医療 費の3分の1を占める状況になっています。特に、糖尿病及び糖尿病予備軍の増加は顕 著なものがあり、余病を併発する人が増える等、深刻な状況を招いています。 市民に対して健康増進の重要性を啓発し、市民一人ひとりが自らの健康状態を認識す ることで、健康増進に努めることが必要になっています。 【施策の目的】 市民が健康な生活習慣の重要性に対し、関心と理解を深め、生涯にわたって、自らの 健康状態を認識し、健康の増進に努めることができるように、健康増進に関する正しい 知識の普及と、情報の収集や整理、分析、提供を行います。 - 41 - 【成果指標】 成果指標 健診受診率の増加 【主要な事務事業】 現在値 目標値(H27年度) 34.2% 65% (事業概要) ● 生活習慣病予防事業 内臓脂肪型肥満に着目した特定健診・特定保健指導事業 ● 各種健診事業 早期発見・早期治療を目的としたがん検診事業 ● 重症化予防事業 治療勧奨や食事・運動等の保健指導により重症化や合併症などの 予防事業 ● 精神保健事業 精神面での相談に応じ、情報提供など関係機関と連携し支援する 事業 ● 新健康管理センター事業( 「幸 地域に出向いて相談を受け、個々に合わせたカルテをつくる事業 せのカルテ」作り事業) ● 相良三十三観音めぐりウォー キング大会事業 健康増進を目的とし、相良三十三観音をめぐるウォーキング大会 事業 ・特定健診…特定健康診査のこと。国のメタボリックシンドローム対策の柱として導入された健康診断。生活習慣病 の発症や重症化を予防することを目的としている ・特定保健指導…特定健康診査の受診結果から、 生活習慣改善のための取組を継続的に行えるよう指導するもの ・幸せのカルテ…高齢者を対象に出張福祉相談会を实施し、個々の総合的な情報を盛り込んだ「幸せのカルテ」を作 成し、相談・指導・支援により、老後の安心生活支援を行うもの - 42 - (2)医療保険制度の安定運営 【現状と課題】 本市は地域における医療の中核をなしており、医療機関等の施設が多く存在している ことも相まって、県内の他市と比較して医療費が高い状況にあります。 このため、財源としての市民負担が大きくなっており、保険税の収納率も県下14市 の中でも低い結果になっています。 また、尐子高齢化の進行や低所得世帯の増加等、著しい社会情勢の変化に対応するた めに、国民健康保険、後期高齢者医療制度等の医療保険制度は、頻繁に改正が繰り返さ れていますので、制度改正の周知を徹底し、市民の皆さまに理解を求めていく必要があ ります。 ・後期高齢者医療制度…後期高齢者(75 才以上の人及び一定の障害のある 65 才以上の人)のための独立した医療制 度 【施策の目的】 被保険者の高齢化や生活習慣病の増加等により、医療費は増加傾向にありますが、特 定健康診査・特定保健指導をはじめとして、ジェネリック医薬品の利用促進や重複・頻 回受診者の訪問指導等、様々な保健事業を实施し、医療費の適正化を図ります。 また、保険税・保険料は医療保険制度における重要な財源であり、公平な負担に配慮 しながら収納率の向上に努めていきます。 このような施策の展開によって、医療保険制度の安定運営を目指し、市民が健康で心 豊かに生活できる社会を構築していきます。 ・ジェネリック医薬品…特許が切れた医薬品を、他の製薬会社が製造・供給する医薬品。同じ成分の医薬品より安く 提供できる - 43 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 国民健康保険事業特別会計 単年度収支 76,020 千円 黒字決算 後期高齢者医療特別会計 単年度収支 29,710 千円 黒字決算 231,413 千円 2 億円の保持 国民健康保険財政調整基金保有額 【主要な事務事業】 ● 特定健診の受診率向上事業 ● ジェネリック医薬品利用促進 事業 ● 重複・頻回受診者訪問指導事 業 ● 保険税・保険料収納確保事業 (事業概要) 特定健診の受診者を増やすための事業 ジェネリック医薬品の利用を増やし、適正な医療費負担に資する 事業 受診頻度の高い方を訪問して健康状態を把握し、療養指導を行う 事業 国保税、後期高齢者医療保険料の収入を確保し、滞納を抑制する 事業 - 44 - (3)向う三軒両隣・地域福祉の推進 【現状と課題】 公的な福祉サービスは市民のニーズに応じて整備され、質・量ともに飛躍的に充实し てきました。しかし、反面、ニーズの多様化に伴い、公的なサービスだけでは対応でき ない多様な生活課題が地域にはあります。 このような中、児童・高齢者虐待やDV(ドメスティック・バイオレンス)、自殺、孤 独死、消費者被害等が増加しており、地域の助け合いの機能が弱体化しているものと考 えられます。 市民による地域福祉の推進は、これまでも色々な取組がなされてきており、一定の成 果を上げていましたが、人と人とのつながりや地域への帰属意識の低下等から、地域社 会の脆弱化が進んでいると考えられるとともに、様々な取組間の連携が不足しているこ とから、従来の取組では、支援を必要としている人の早期発見や、課題の早期解決が難 しい場合が生じています。 ・DV(ドメスティック・バイオレンス)…家庭内暴力のこと。夫や恋人など親密な関係にある男性から女性への暴 力 ・地域福祉…地域社会における福祉の問題に対し、その地域の住民や福祉関係者などが協力して取り組んでいこうと いう考え 【施策の目的】 基本的な福祉のニーズは公的サービスで対応することが原則ですが、地域における「新 たな支えあい」 (共助)の領域を拡大、強化し、地域の多様な生活課題を広く受け止める ことによって、柔軟に対応できる地域福祉を進めていきます。 市民の力が最大限発揮できるように、自助・共助・公助の役割分担を明確にし、市民 主役の地域福祉の取組を实現することで「すべての人が生きがいを持って 互いに力をだ しあい 安心して豊かに暮らせる 幸せいっぱいのまちづくり」を实現します。 また、重層的に地域圏域を捉える、人材の発掘と活用、住民が福祉に参加しやすい仕 組みづくりを行い、すべての人を地域福祉対象とする施策を推進します。 ・重層的…幾重にも層をなして重なっているさま - 45 - 【成果指標】 成果指標 見守り対象者数 災害時要援護者避難支援個別計画 の数 【主要な事務事業】 ● 地域福祉計画推進事業 ● 民生委員児童委員活動支援事 業 現在値 目標値(H27年度) 1,127 人 1,500 人 1,000 計画 1,800 計画 (事業概要) 人吉市地域福祉計画に基づき、地域福祉推進の体制づくり、連携、 人材育成などを行う事業 地域福祉推進において、地域のコーディネーター役である民生委 員児童委員の活動を支援し、地域福祉活動の充实につなげる事業 ● 災害時要援護者避難支援事業 災害時に一人で避難できない要援護者(支援が必要な人)に対し、 地域での支援体制を構築する事業 ● 福祉団体活動支援事業 市民の力が最大限発揮でき、市民が福祉に参加しやすい仕組みづ くりのため、福祉団体の活動支援を行う事業 - 46 - (4)子育て支援の充实 【現状と課題】 本市における合計特殊出生率は 1.80(平成 15 年~19 年の平均)と、全国や熊本県の 数値と比較して高い数値になっていますが、平成 21 年に实施したニーズ調査によると、 就学前児童を育てる保護者の 54%が子育てに不安や負担を感じていると回答しており、 経済的負担感、身体的負担感、仕事との両立の難しさをその理由に上げています。 また、近年のライフスタイルが多様化していることに影響を受けて、地域社会とのつ ながりの希薄化から、子育ての孤立化や経済問題、育児ストレス等による児童虐待など が増加傾向にあり、安心・安全に子育てをできる環境の整備が急務となっています。 【施策の目的】 経済状況の悪化、核家族化の進展や地域とのつながりの希薄化など子育てを行う環境 が厳しさを増す中、尐子化の流れを尐しでも押しとどめるためにも、安心して生み育て られるまちづくり、次代を担う子どもたちが健やかに育つまちづくりを進めていく必要 があります。 本市においては、平成 22 年 2 月に人吉市次世代育成支援行動計画(後期計画)を策定 しており、この計画に基づいて従来の福祉サービスの充实に加えて、乳幼児医療費助成 事業の拡充、相談体制の整備や積極的な情報提供など安心して生み育てられるまちづく りの推進や、子育てボランティアの育成、地域での交流の場づくりなど子育てを地域で 支えるまちづくりを進めます。 また、職場や事業主への啓発活動を通じて、男女ともに子育てに参加し、家庭と仕事 が両立できるまちづくりに努めていきます。 - 47 - 【成果指標】 成果指標 合計特殊出生率 現在値 目標値(H27年度) 1.80(H15~19 平均) 1.85(H22~26 平均) 就学前まで 中学校卒業まで 現在値 目標値(H27年度) 30.9% 60% 56.4% 70% 41.9% 60% 医療費無料化の対象年齢の拡大 市民意識調査 子育てに不安や負担を感じない 仕事と生活の調和の实現が取れて いる 人吉市は子育てがしやすい ・合計特殊出生率…一人の女性が生涯の間に生む子どもの数の推定値のこと 【詳細施策】 安心して生み育 【主要な事務事業】 ● てられるまちづ くり (事業概要) 乳幼児健康診査・予防 乳幼児の健康保持・増進のための相談・訪問事業 接種事業 ● 子どもの発達相談・訪問 育児不安軽減のための事業 事業 ● 障がい児保育所受け入 れ支援事業 子育てを地域で ● 母子家庭就労支援事業 母子家庭の母が、パソコン等の習得や、ホームヘル パーや看護師等の資格を取得する経費を助成し、就 労を促進する事業。 ● 乳幼児医療費助成事業 児童の医療機関等受診について、保険の一部負担額 を助成する事業 ● 地域の子育て支援事業 就学前児童とその保護者が交流し、子育ての情報を 得ることのできる「つどいの広場」 「地域子育て支援 センター事業」 ● 児童虐待・DV被害者 支えるまちづく り 支援事業 家庭と仕事が両 立できるまちづ くり 保育所で障害を持つ児童の受け入れを円滑に進め るため、保育士の追加配置に必要な経費を助成し、 関係機関の情報共有を進める事業。 児童虐待・DV 被害の発見・相談・被害者保護を行う 事業 ● 保育事務事業 保育所入所に関する各種事務を行う事業 ● 児童預かり事業 就労等で子どもを見ることのできない家庭について、 ファミリーサポートセンター事業、病児・病後児保育 事業により一時預かりをする事業 - 48 - (5)最低生活の保障と自立支援 【現状と課題】 リーマン・ショック以降、厳しい雇用・経済情勢が続いており、「働きによる収入の減 尐・喪失」を原因として、生活保護の相談・申請が全国的に増加しています。また、稼 働能力のある人々への自立・就労支援が喫緊の課題になっています。 「福祉から就労」支援事業として生活保護受給者等と市民ニーズにあった支援内容の 検討を行い、民間企業等への就労支援、就労体験、福祉的就労やボランティア等の社会 参加活動を公共職業安定所等と連携し、効果的な支援が求められています。 ・福祉的就労…企業等での常用雇用を目指すため、作業所等の働く場を提供する福祉のこと 【施策の目的】 最低限度の生活を保障することだけでなく、やがては自分の力で生活できるよう積極 的に自立(社会的・生活的・経済的)の助長を図ることを目的とします。 生活保護受給者等の就労をとおした自立支援の充实・強化、失業等に伴った住まいの 確保や生活費に困窮する離職者に対して「第2のセーフティネット」と呼ばれる各種支 援事業の整備、实施を行うとともに、生活保護を受給するに至る前のボーダーライン層 にある人を対象に公共職業安定所等と連携してサポートしていきます。 ・第2のセーフティネット…離職によって住宅や生活に困っている方に対する支援事業 - 49 - 【成果指標】 成果指標 生活保護受給者のうち就労してい る受給者の割合 【主要な事務事業】 ● 生活保護事業 ● セーフティネット支援対策事 現在値 目標値(H27年度) 11.86% 15% (事業概要) 最低生活の保障と自立支援のための扶助を行う事業。 生活保護受給者及び児童扶養手当受給者への就労支援事業 業 ● 「福祉から就労」支援事業 生活保護受給者及び児童扶養手当受給者並びに住宅手当受給者へ の就労支援事業 - 50 - (6)障がい児(者)の福祉の充实 【現状と課題】 障害者基本法の理念を踏まえつつ、平成18年に3障がい者(身体障がい者・精神障 がい者・知的障がい者)への障害福祉サービスの一体的提供を目的に障害者自立支援法 が施行されましたが、利用者負担の問題等で不公平さもあり、利用者負担については見 直され、今後は障害者総合福祉法(仮称)の策定が計画されております。 生まれながらの発達障害については、早期発見し、早期対応することが有効であり、 そのために適切な療育訓練を受けることができる地域療育支援体制の整備を図る必要が あります。障がいを持つ人やその家族を取り巻く様々な課題に対して、適切な指導や助 言を行うとともに、必要に応じたサービスの提供や総合的な支援体制・ネットワークの 構築が必要とされております。 また、地域社会で暮らすためには、障がいの有無に関係なく身近な生活圏域での支え あいが重要であり、今後はすべての人々がともに安心して生活できる福祉社会の实現を 推進する必要があります。 【施策の目的】 現在、国において、障害者自立支援法改正施行中でありますが、廃止が予定されてお り、今後、施行される障害者総合福祉法(仮称)等の法の趣旨等を充分踏まえた福祉政 策の推進が必要です。 今後も厳しい財政状況が予想されますが、関係福祉機関団体等との連携のもと、様々 な福祉サービスの提供を行い、障がい者が住みなれた地域で安心して暮らせる障がい者 福祉政策を展開し、障がい者個々の尊厳が重んぜられ、自らが「自己選択と自己決定」 ができるノーマライゼーション社会の实現をさらに目指します。 ・ノーマライゼーション…高齢者や知的障がい者などハンディキャップを持っていても、ごく普通の生活を営むこと ができ、かつ差別されない社会をつくるという福祉や教育のあり方を示す基本的理念 - 51 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 居宅介護利用延人数 502 人 現状維持 補装具支給件数 84 件 現状維持 【主要な事務事業】 (事業概要) 児童デイサービス事業 個別に療育が必要と認められる方、集団での療育が必要と認められ る方に対して、施設において日常生活における基本的な動作の指導 や集団生活への適応訓練等を行う事業 ● 就労移行支援事業 就労を希望する65歳未満の方で、企業等に雇用が可能と認められ る方に対して、生産活動、職場体験などの機会を提供し、就労に必 要な訓練、求職活動の支援、就労後の職場定着のために必要な支援 を行う事業 ● 居宅介護事業 障害程度区分1以上の方に対し、自宅において身体介護(入浴、排 泄、着替えなど)や家事援助(炊事や洗濯)、通院等介助(通院す る際の身体上の介護や付き添いなど)を行う事業 ● 重度心身障害者(児)医療費 ● 助成事業 ● 地域生活支援事業 重度の障がい者(身障1、2級、療育A1、A2、精神1級)に対 して、医療費の一部を助成する事業 障がい者(児)が自立した日常生活・社会生活を営むことができる よう地域の特性や利用者の状況に応じて实施する事業 - 52 - (7)高齢者福祉の充实 【現状と課題】 本市の高齢化率は、平成 23 年 3 月 31 日時点において 29%であり、全国平均を大きく 上回っています。また、今後は団塊の世代が高齢者となるため、高齢者の急速な増加も 予想されています。 今後も、高齢者の増加に伴って、要介護等認定者数、認知症高齢者及び高齢者のみの 世帯数が増加することが見込まれており、介護予防の充实、認知症高齢者対策の推進及 び地域包括ケアシステムの充实が重要な課題となってきています。 また、介護保険サービスの需要も伸びていくものと予想されており、ますます、安定 した事業運営が必要になっています。 ・高齢化率…65 才以上の高齢者人口が総人口に占める割合 ・地域包括ケア…高齢者が住みなれた地域で、尊厳ある生活を続けることができるよう、高齢者の状態の変化に応じ て必要なサービスを提供していく考えのこと 【施策の目的】 老人クラブ、シルバー人材センター運営支援、趣味の講座の充实をとおして、高齢者 の生きがい、仲間づくりを支援し、活力ある高齢化を推し進めていきます。また、認知 症高齢者支援体制の強化を行い、高齢者が介護予防事業に積極的に参加できる環境づく りを図っていきます。 また、高齢者が要介護状態になっても、可能な限り、住み慣れた家や地域で継続して 暮らせるよう、介護・予防・医療・生活支援・住まい等のサービスが包括的、継続的に 提供される地域包括ケアシステムの構築を図っていきます。また、適正な介護サービス の提供ができるように、関係機関との連携強化を図っていきます。 - 53 - 【成果指標】 成果指標 現在値 老人クラブ加入率 目標値(H27年度) 38% 42% シルバー人材センター会員数 460 人 517 人 趣味の講座受講者数 219 人 300 人 2,773 人 4,500 人 0 町内 20 町内 11,883 件 16,000 件 訪問看護利用率 8% 12% 定期巡回等サービス利用率 0人 100 人 0 事業所 7事業所 認知症サポーター養成数 一時予防事業対象者向け实施町内数 総合相談件数 ケアプランチェック事業所数 ・認知症サポーター…認知症を正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守る応援者として日常生活の中での支援 を行う者 ・一時予防事業…介護状態になることを防ぐため、高齢者を対象に介護予防のための運動や講演等を行うこと 【詳細施策】 【主要な事務事業】 (事業概要) 高齢者の生きが ● 老人クラブ活動支援事業 いづくりの推進 ● シルバー人材センター運営支 援事業 老人クラブ連合会及び単位老人クラブの活 性化を支援する事業 シルバー人材センターの運営の円滑化・適 正化に資する支援事業 ● 趣味の講座支援事業 趣味をとおして生きがいづくり・仲間づく りを目的に開講する趣味の講座事業 ● 包括的支援事業 総合相談窓口として、高齢者が住みなれた 地域での生活が続けられるよう支援する事 業 ● 介護予防事業 心身の機能低下の軽い段階で、デイサービ スやヘルプサービスなどを利用してもら い、できるだけ介護の認定を受けなくて済 むように支援する事業 ● 認知症対策支援事業 認知症の理解者を増やし、見守り体制の強 化などによって、認知症の方が地域での生 活を継続できるように支援する事業 介護保険制度の ● 介護サービス体制づくり事業 円滑な事業運営 ● 高齢者の尊厳保 持と介護予防の 充实 の推進 長寿健康づくり 在宅継続復帰支援事業 ● 介護給付費適正化事業 ● 新健康管理センター事業(「幸 の推進 せのカルテ」作り事業) ● 低額フリーパス支援事業(く ま川鉄道・乗合タクシー等) - 54 - 在宅での介護サービスを充实させるための 訪問看護サービスの充实を図っていく事業 在宅継続復帰を支援するための24時間体 制の訪問サービスの構築等を行っていく事 業 適切な介護サービスの提供が行われるよう 介護サービス提供者等を支援していく事業 老後の安心生活支援を行うための新健康 管理センター事業(第1段階として、幸 せのカルテ作り事業) 75 歳以上の高齢者に対して、くま川鉄 道・乗合タクシー・バス等の交通機関を 使用できるフリーパス無料券を配布する 事業 戦略5【都市基盤・建設】「便利で住みやすいふるさと定住都市ひとよし」 (1)快適な住宅・住環境づくり 【現状と課題】 市営住宅については、老朽化により、雤漏り修繕、高架水槽の交換他、壁の改修等に 要する工事費が多額になるケースがあり、財政上、非常に厳しい状況にあることから、 具体的な対応として緊急度に応じた改修及び建て替えが必要になっています。また、要 改修箇所のすべての改修が完了するには長期間かかるものと予想されます。 また、市営住宅の需要はとても高い状況にありますが、一部の市営住宅については、 老朽化等の事由により、募集停止を検討することも避けられない状況にあり、市営住宅 の建て替えについても、早急な建て替えは財政上、非常に困難になっています。 民間住宅の空き家対策については、住宅・建築物耐震改修、アスベスト問題、地域材 活用についても、継続してさらなる取組を強化していく必要があります。 【施策の目的】 民間住宅においては、快適な住宅と住環境に配慮するとともに、健康や安全対策を考 慮し、アスベスト対策と耐震化工事等を含めたリフォーム等を促進していきます。また、 地元の林業振興の一助として、地域材活用の木造住宅の建築・改築を促進するとともに、 空き家対策として空き家バンク制度を創設し、Uターン等の帰人者の受皿として活用し ていきます。 市営住宅については、平成23年度に策定する「公営住宅等長寿命化計画」に基づい て、老朽化による要改修箇所を計画的に改修することによって、入居者の快適な住宅・ 住環境づくりに資するとともに、市営住宅の長寿命化を図っていきます。住宅・住環境 づくりについては、快適性、合理性と合わせて、武家屋敷、鍛冶屋町などの歴史的役割 と背景も考慮して進めていく計画です。 - 55 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 市営住宅戸数 1,127 戸 現状維持 市営住宅家賃収納率 96.29% 97% 耐震改修・耐震化率 47.5% 90% 地域材木需要見込み * 33% 【詳細施策】 公営住宅の全面的・個 【主要な事務事業】 ● 市営住宅ストック(リ 別的改善及び建て替 フォーム)総合改善 え 事業 住環境の整備 ● 地域材活用民間木造住 宅建設促進事業 ● ユニバーサルデザイン 建築物整備促進事業 ● 住宅リフォーム促進事 業 ● 公営住宅の管理 ● (事業概要) 戸建木造住宅耐震診断 市営住宅の維持修繕・建替事業 地域木材を使用し、地元業者により木造住宅 を建設した場合に対し、費用の一部を補助す る事業 特別特定建築物を対象とし、高齢者・障がい 者が円滑に利用できるように改修を行う工 事費に対し、費用の一部を補助する事業 住宅(戸建住宅・併用住宅・分譲マンション) のリフォームを目的とした工事費に対し、費 用の一部を補助する事業 及び耐震改修事業 昭和56年5月31日以前の戸建木造住宅 を対象とし、耐震診断及び耐震改修を行う工 事費に対し、費用の一部を補助する事業 市営住宅管理事業 市営住宅への入退去の手続、家賃の収納及び 滞納整理の事務及び軽微な修繕や樹木等の剪 定を行う事業 ・ユニバーサルデザイン…能力あるいは障害のレベルにかかわらず、最大限可能な限り、全ての人々に利用しやすい 環境と製品のデザインのこと - 56 - (2)地域交通体系ネットワークの強化 【現状と課題】 尐子高齢化の進展に加え、家庭における自動車保有台数の増加等により、地方バスや 鉄道といった公共交通の見直しが急務となっています。特に乗実者数の減に伴って、赤 字路線等への補てんなど財政負担も年々増加しており、財政負担の軽減を図るためにも 早急に効率的な路線再編を図るとともに、地域の实情に応じた交通手段の確保を図って いく必要があります。 一方、 「くま川鉄道」においても利用者減に伴って、これまで経営を支えてきた基金が ここ数年で枯渇する状況にまで陥っていましたが、ようやくそれに代わる補てんの仕組 みが構築され、存続というレールが残されたことにより、今後、安定的な経営が行われ るためにも地域との連携・支援が必要になります。 【施策の目的】 本市は、全国の平均をはるかに上回る高齢化の進展に伴って、高齢者を中心とした通 院や買物等、交通手段を持たない方々の効率的な移動手段の確保を図っていく必要があ ることから、これまでの単なる公共交通ということだけでなく、地域の实情に合った地 域公共交通の見直し・再構築に取り組みます。 さらに、尐子化に伴う定期通学者減等の課題を抱える「くま川鉄道」においても、定 期外の乗実を取り込むために観光面での利用促進にも努めてもらうとともに、地域とし ても未来永劫存続ができるよう支援に取り組みます。 - 57 - 【成果指標】 成果指標 地方バス支援(運営費補助)事業 現在値 赤字補てん額 目標値(H27年度) 約 5,500 万円 くま川鉄道支援(経営安定化)事 経営安定化補助 業 万円 【主要な事務事業】 ● くま川鉄道 鉄道施設等維持管 理事業 ● くま川鉄道 車両更新・観光列 車化利用促進事業 ● 路線バス見直し・地域内交通 (乗合タクシー等)への再編事 業 ● 路線バス・乗合タクシー等利用 促進事業(きじ馬スタンプ活 用、低額フリーパス支援) 赤字補てん額 約 4,000 万円 6,000 経営安定化補助 6,000 万円 (事業概要) 開業以来 20 数年が経過していることから、中長期的に線路設備、 電気設備、駅設備等を定期的な保守管理の中で補修を实施し、安全 運行管理につなげていく事業 尐子化に伴う通学者減の影響で利用者が尐なくなっていることか ら、車両を観光列車化することによって利用促進につなげるととも に、併せて適正な車両数での更新を行うことで、さらなる安心安全 運行を目指す事業 利用者減等により、路線バスの赤字分運行費の補助額が大きくなっ てきていることから、効率的な運行を目指すべく、地域内交通のデ マンド(予約)型運行への再編を図っていく事業 路線バスの赤字分運行費の補助額を縮小するため、きじ馬スタンプ や低額のフリーパス制度を創設することで、利用促進につなげてい く事業 - 58 - (3)生活道路の整備と生活交通の確保 【現状と課題】 本市は、周辺の市町村はもとより、宮崎や鹿児島などの主要な都市を結ぶ道路交通の 拠点となっています。特に、広域を結ぶ幹線道路は、地域間の交流や産業・経済活動を 支える重要な社会資本基盤となっていますが、都市化や車社会の進展により、人吉イン ターチェンジ(IC)へのアクセス道路では、交通混雑のある区間が見られることから、 利便性の高い道路網の整備が必要となっています。 【施策の目的】 周辺市町村を連絡する国道・県道の整備を促進するとともに、交通混雑が発生してい る幹線的な都市計画道路の整備を行い、交通の安全確保と円滑化を図ります。 また、市民生活に身近な道路や橋りょうの整備については、歩行者にも優しい利用し やすい環境と維持管理に努め、安全で快適な道路環境の整備を図ります。さらに、恵ま れた高速交通網を活かし、本市の交通拠点性を一層高めることによって、経済基盤の強 化を図ります。 - 59 - 【成果指標】 成果指標 現在値 都市計画道路事業 改良率 49% 道路新設改良事業 改良率 52% 【詳細施策】 【主要な事務事業】 長寿命化修繕計画 幹線道路等の整備 下林願成寺線(鬼木地区) の早期完成を目指す 安全で快適な道路整備を 今後も目指す (事業概要) 業 全橋りょう291橋の長寿命化修繕計画を策定し、 従来の対処療法的な対策から予防的な修繕補強を行 う事業 ● 道路新設改良事業 市民生活の根幹となる道路整備事業で、老朽化に伴 う新設改良、離合箇所、側溝改修・整備を行う事業 ● 道路維持修繕事業 適切な道路の維持管理業務執行のため、路面整備、 安全施設整備、側溝維持管理を行う事業 ● 都市計画道路事業 交通混雑の解消、歩行者の安全通行の確保と外環状 線の整備推進事業 ● スマートインター整 ● 策定 市道の整備 目標値(H27年度) 橋りょう補修整備事 備促進事業 ● 国県道整備促進事業 - 60 - 高速道路の通行者及び利用者の利便性の向上、地域 の活性化、物流の効率化等に寄与することを目的と して、スマートICの整備を行う事業 国県道は、地域間交流の活性化や経済発展に欠かせ ない広域幹線道路であるため、町並みや景観に配慮 した整備を促進するための事業 (4)水と緑の環境整備 【現状と課題】 近年、既存のインフラの急速な老朽化が懸念されており、致命的な欠陥を招かないた めの予防保全対策が重要になっています。本市の都市公園も設置して20年から30年 あまり経過している公園が多く、老朽化への早急な対策が必要です。 また、地球環境に対する関心や、自然・緑とのふれあいを求める市民ニーズが高まっ ています。 【施策の目的】 公園施設の長寿命化を図るため、計画的な改築・更新に取り組みます。特に、石野公 園は、遊具の整備や施設の改築を行い、観光部門と協力して活性化を図っていきます。 さらに、都市緑地法の規定に基づき、緑の基本計画を策定することによって、都市公園 の整備、緑地の保全及び推進を総合的かつ計画的に図っていきます。また、街路樹を外 来種から在来種に転換し、安心・安全な歩道空間を創造するとともに、相良700年の 歴史文化にふさわしい道路環境を目指します。 ・緑の基本計画…市町村が策定する、樹林地、草地、水辺地など都市における緑地の適正な保全と緑化の推進方策に 関する目標や講ずる施策について定めるマスタープラン - 61 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 策定予定 H25 年度完了 村山公園施設改築 一部改築・更新予定 H26 年度完了 石野公園施設改築 改築計画策定中 緑の基本計画書の策定 ナンキンハゼ 262 本を在来種 130 0本 本程度に転換 その他の都市公園施設改築等 【詳細施策】 公園施設長寿命化計 【主要な事務事業】 ● 石野公園活性化事 画策定 都市周辺のみどりの 業 業实施中 歩道整備により随時樹種 転換予定 施設の整備完了に向け事 業实施中 (事業概要) 観光部門と協力して石野公園の活性化を図る事 業 ● 村山公園整備事業 村山公園施設の長寿命化対策や施設の改築・更 新をする事業 ● 都市公園整備事業 都市公園施設の長寿命化対策や計画的な施設の 改築・更新をする事業 ● 緑の基本計画策定 保全 歩道空間の整備 * 施設の整備完了に向け事 事業 ● 街路樹樹種転換事 業 - 62 - 都市緑地法に基づき、市の総合的な緑に関するマ スタープランを策定する事業 既存の外来種の樹木を在来種の街路樹に植え替 えする事業 (5)魅力的な市街地の形成 【現状と課題】 景観とは、建物、山、川、道路といった見た目の景観だけではなく、歴史、伝統、文 化や日々の暮らし等が一体となって形作られるものであり、そのまちの個性そのものと いえます。 本市は、平野部から山間部まで変化に富んだ自然地形や、数多くの歴史的・文化的景 観を有する一方で、次々と変わる都市的景観等、様々な顔を持っています。そのため、 地域の個性や特色を活かした、人吉景観形成を進めていく必要があります。 さらに、多くの市民が愛着と誇りを感じるような、魅力ある人吉の景観を形成してい くため、景観に対する市民の理解と関心を高めるとともに、市民と行政が一体となった 取組を展開していくことが必要です。 【施策の目的】 景観計画と景観条例に基づき、景観重点地区や景観重要建造物、景観重要樹木の指定 を行います。また、建築等のデザイン・色彩や屋外広告物等に対する適切な景観規制を 徹底するなど、 「昭和以前の街割りの風情と都市づくり」人吉にふさわしい景観形成に努 めます。 さらに、地域に愛着を持ち、美しく心地よい景観を守り育てようとする市民の活動を 支援することによって、人吉市民として誇りうる美しく豊かな景観を市域全体で实現し ていきます。 ・景観計画…良好な景観形成を図るため、景観法に基づいて自治体が策定する計画 ・景観条例…良好な都市景観を形成することを目的とする条例。景観行政団体である地方公共団体は条例で景観問題 に対して大きな役割を果たすことが可能になる ・景観重点地区…一般の区域よりも重点的に景観の整備・保全を図るために、景観計画において指定する地区のこと - 63 - 【成果指標】 成果指標 人吉市景観計画の策定 【詳細施策】 景観形成の推進 現在値 目標値(H27年度) * 完成 【主要な事務事業】 ● (事業概要) 景観計画策定・景観条例施 行事業 ● 鍛冶屋町通り街なみ環境 整備事業 ● 青井阿蘇神社周辺景観地 市街地の整備 景観行政団体に移行して、景観の計画(景観 重点地区、景観重要建造物、景観重要樹木の 指定)や景観条例(建築物等のデザイン、色 彩、屋外広告物等)等適切な景観規制を策定 する事業 鍛冶屋町通りの昔の風情を活かして、住民と 一緒に景観整備を進め、魅力ある賑わいの街 を創り出す事業 区計画策定事業 青井阿蘇神社を中心とした地区の景観保全 を行い、周辺地区にふさわしい、歴史と文化 を醸し出す景観の計画的整備と秩序ある市 街地の形成を計る事業 ● 中心市街地活性化事業 中心市街地の観光実・商業実誘致による賑わい 創出、介護老人施設・マンション誘致による居 住人口の増加を図る事業 ● 昭和の人吉温泉郷、街並み の復活事業(人吉七町) 昭和をテーマとした公衆温泉及び空き店舗の 活用による賑わい創出とその修景事業 ・景観行政団体…景観法に基づき、景観計画を定めることができる自治体のこと - 64 - 戦略6【地域・自治】「信頼と連携で力を合わせる市民主役都市ひとよし」 (1)市民と行政との協働 【現状と課題】 多様化する市民ニーズや地域の課題に対応するため、行政だけでなく、市民、企業、 団体等地域全体でのまちづくりが求められています。そのためには、地域の情報を共有 し、それぞれが特性を活かしながら役割を果たすことによって、市民が主役のまちづく りを進めていくことが必要です。 また、地域のコミュニティ活動の充实を図り、市民の意見を市政に取り入れることに よって、誰もがまちづくりに参加できる環境の整備が求められています。 さらに、多様な生き方を尊重し、すべての人があらゆる場面で活躍できる男女共同参 画社会の实現を図るため、政策・方針決定過程において、市民の意見が幅広く反映され るシステムの構築も必要です。 このような状況を踏まえ、尐子高齢化に伴う生産年齢人口の減尐が進む中、女性をは じめとする多様な人材を活用する男女共同参画の視点に立ち、誰もが出番と居場所のあ る地域社会づくりを進め、地域力を高めることが喫緊の課題となっています。 ・協働…複数の主体がお互いの自主性・自立性を尊重し合い、役割や責任を分担しながら、共通の目的に向かって連 携・協力していくこと ・生産年齢人口…年齢別人口のうち労働力の中核をなす 15 歳以上 65 歳未満の人口層のこと ・男女共同参画…「男性だから」「女性だから」という考えにとらわれない理念 【施策の目的】 市民が主役のまちづくりを推進するため、積極的な市政情報の提供と市民のニーズの 把握に努め、市民と行政との情報の共有化を図ることで市民が参加しやすい環境を整備 することによって、市民と行政との協働のまちづくりを目指します。 - 65 - 【成果指標】 成果指標 審議会等委員に占める女性の割合 市民意識調査 市民参加のまちづくりに関する取 組についての満足度 地域活動やNPO活動に参加した ことがある割合 現在値 目標値(H27年度) 22% 30%以上 現在値 目標値(H27年度) 13% 30%以上 61% 75% ・NPO…民間非営利組織 【詳細施策】 【主要な事務事業】 (事業概要) 市民参画の推進 ● 市 民 参 加 推 進 事 業 タウンミーティング事業 市長が各町内の公民館等をめぐって市民と意 見交換をすることによって、市民と行政が一 緒に市政に取り組んでいくための事業 市民意識調査事業 本市の現状や暮らしやすさ、まちづくりの取 組に対する重要度、満足度について、幅広く 市民からの意見を把握するためのアンケート 調査等を实施する事業 十年後の人吉を語る平成 100 人委員会事業 ● 情報共有推進事業 (情報公開等事業) ● 市民活動推進事業(人吉市 民まちづくり応援事業) 男女共同参画の 实現 ● 市民の意見を市政に積極的に取り入れるた め、市民公募による委員と行政の協働による まちづくりを推進する事業 情報公開制度やホームページ等の活用による 情報の公表施策、情報提供施策の拡充を図り、 市政に関し正確で分かりやすい情報を迅速に 提供する事業 市民が主体的に实施する新たな事業を助成 し、地域住民活動等の自立と育成を図るとと もに、市と地域住民等が一体となり元気で活 力ある協働のまちづくりを推進する事業 男女で担う地域活動の推 市政への積極的な参画支援事業(人材等の育 進事業 成) ・参画…色々な会や行事等について、企画の段階から参加すること - 66 - (2)感動される市政の推進 【現状と課題】 市民に感動していただくために、市民との対話を重視し、能動的、積極的に率先行動 する職員の育成を目指すとともに、市民と直に接する現場を重視することにより、現場 の職員で問題を発見することによって、課題を解決できる能力をさらに高める必要があ ります。 そのためには、職員綱領(職員の行動規範)(※1)に基づいて、一人ひとりの職員が 日々真摯に仕事に取り組む中で成長する「OJT」による人材育成を重視し、職員研修 も現場での实践力向上を目的とした内容とする必要があります。加えて、人事管理や人 事評価等の人事諸制度も人材育成を目的として整備していく必要があります。 また、行政を「経営」する視点に立ち、限られた財源や人材の有効活用を基本にしつ つ、行政評価制度の活用により、行政のさらなる自己革新に努めていくとともに、行政 が担うべき役割の重点化を図る等、行政課題に的確かつ迅速に対応できる機動性の高い 組織づくりや、自主性、自立性の強化が必要となっています。 さらに、公共工事等にかかる入札や契約手続については、公平性・透明性・競争性の 向上を図り、最小の経費で最大の効果が上げられるように適正な事務の執行に努めるこ とで信頼される市政を目指す必要があります。 ・OJT…on the job training の略。職場内教育。社員教育方法のひとつで、实際の仕事を通じて、必要な技術、 能力、知識あるいは態度や価値観などを身につけさせる教育訓練のこと ・行政評価制度…市の施策や事務事業に対して、指標を活用して評価し、成果の管理を行う制度 【施策の目的】 地域のことは地域に住む住民が責任を持って決めることができ、活気に満ちた地域社 会をつくっていくために、これからの行政経営においても、さらに高い目標を掲げて、 公平、公明、公正に徹することにより、官民で力を合わせて、ともに市民幸福向上の实 現に向けて行動していく必要があります。 また、活気に満ちた地域社会の实現のために、行政が果たす役割とやるべきことを明 らかにすることによって、市民が抱える課題や多様化するニーズに対して、受け身の姿 勢であることなく、自ら積極的に行政改革に取り組むことにより、「市民満足」よりも一 歩進んだ「市民に感動していただく」行政経営の確立を目指します。 ・行政経営…民間の優れた経営理念や経営手法を積極的に取り入れながら、市民の満足度が向上するよう、市民の視 点に立ち、成果を重視した行政活動を展開すること - 67 - 【成果指標】 市民意識調査 効率的な行政経営に対する市民満 足度の割合 職員のマナーが向上したと思う市 民の割合 【主要な事務事業】 ● 現在値 目標値(H27年度) 12.2% 30%以上 * 75% (事業概要) 行政改革推進事業(行政評 価制度の推進、市庁舎及び 公共施設の開所時間見直 行政評価制度の推進、市庁舎及び公共施設の開所時間見直し、新組 織機構改革への取組を行う事業 し、新組織機構改革への取 組など) ● 人材育成事業 人材育成基本方針の策定及び基本方針に基づく「人事制度」 「職場の 教育力」 「職員研修の再構築」に係る具体的な取組を行う事業 ● 入札制度改革事業 公正で透明性のある入札を实施するため、入札結果等に関する情報 の公表、第三者による入札の監視を行う事業 人吉市職員綱領(※1) 私たち人吉市職員は、全体の奉仕者としての使命と責任を 心に刻み、公平、公明、公正に徹し、皆で力を合わせ、勇気 と情熱を持って、市民幸福向上を目指して行動します。 一、笑顔挨拶 おもてなしの心で接します 一、行動基本 時間を大切にし、規律を守ります 一、積極思考 「どうしたらできるか」を考えて行動します 一、能力向上 専門性を高め、幅広い知識を身につけます 一、郷土貢献 地域に根ざし、まちづくりに取り組みます 一、感動共感 あなたの喜びを私の喜びとします - 68 - (3)持続可能な財政運営 【現状と課題】 尐子高齢化に伴う人口減尐、リーマン・ショックを端緒とする世界同時不況、また、 東日本大震災等により、本市をはじめ、我が国を取り巻く社会・財政状況は未だ明るい 兆しが見えない状況にあります。 一方、行政への様々な施策に対する市民ニーズの高まりは、このような社会状況であ るだけに、これまでにない高まりを見せており、そのニーズに応える必要性は増してい ます。特に、医療、介護等の社会保障の分野は、市民(特に高齢者)にとって最も重要 なライフラインであり、最後の砦ともいえるものです。また、尐子化を食い止めるため の施策も重要度を増しています。 先行き不透明な社会状況の中、市税をはじめとする自主財源を確保し、さらに行政サ ービスの質を高めながら量のスリム化を行うことによって、後世に負担を回すことなく 持続可能な財政運営を行うことが、今後の市民のニーズに応えるために喫緊の課題とな っています。 ・ライフライン…生活に不可欠な水道・電気・ガス・通信などのこと 【施策の目的】 現在の、先が見えない社会情勢において、地方自治体の財政状況も厳しい中、市民の 行政に対する様々な施策ニーズは高まっています。社会保障をはじめとした市民のニー ズに応え、継続的に市民サービスを提供していくために、持続可能な財政運営を目指し ます。 - 69 - 【成果指標】 成果指標 現在値 目標値(H27年度) 経常収支比率 98.7% 95.0% 实質公債費比率 10.4% 10.0% 市税収納率(現年分) 96.9% 97.5% ・経常収支比率…人件費や扶助費、公債費などの経常的な支出に、市税や地方交付税などの経常的な収入が充当され ている割合のことで、この割合が低いほど財政構造の弾力性が大きい ・实質公債比率…实質的な公債費(地方債の元利償還金)が財政に及ぼす負担を表す指標 【主要な事務事業】 ● 遊休資産処分(貸付・売却・活 用)事業 ● 市税等徴収率向上対策事業(コ ンビニ収納等) ● (事業概要) 事業目的で取得したものの、現在利用や稼動していない資産に ついて、財源確保のために貸付や売却する事業 コンビニ収納を導入することによって、市税等の徴収率の向上 を目指すとともに、市民の利便性を向上するための事業 古都人吉応援団寄附金事業 ふるさと寄附(ふるさと納税)を推進する事業 ● 公会計整備事業 財務書類4表(貸借対照表・行政コスト計算書・資金収支計算 書・純資産変動計算書)を作成・公表し、市民に対する財政状 況の適切な情報開示や庁内における行政経営に活用できるよう にする事業 ● 新職員定員適正化計画策定事業 「信頼性のある便利な市役所づくり」を図りつつ、総人件費の 抑制により、簡素で効率的な行政の推進を目的として策定する 事業 - 70 -