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御意見への考え方

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御意見への考え方
御意見の内容及び御意見への考え
(別 紙)
番号
御意見
1
鉄鋼、アルミニウム、マグネシウムなどの構造材料を一体的に行う本プロジェクトは、材料の使用が複
雑化している現状において大変有意義だと思われる。日本の構造材料の将来は、このようなプロジェクト
にかかっているといっても過言ではない。
材料にはそれぞれ長所と短所があり、それぞれの材料に適合した内容で開発を進めることが重要であ
り、そういった意味で本プロジェクトはきちんと整理されている。
このようないくつか柱が同時進行するプロジェクトでは、巨額の研究費が必要である。研究が中途半端
にならないよう、十分な研究予算が投資されることを期待する。
御意見への考え
貴重な御意見をありがとうございます。
事業実施の参考とさせて頂きます。
番号
御意見
2
1.我が国の物作り技術への国の積極的な寄与は、金属を中心とする材料開発製造業が我が国の中心的産
業の一つであることから大変望ましいことである。その考え方からは今まで国の寄与は小さすぎたと言っ
て良い。厳しい経済的変動期にあって次の時代への新しい投資に消極的な気分になるのも無理がないが、
ここは国が積極的に支援して我が国の産官民の総力を挙げて研究開発を進めるべきである。
2.この中でチタンの製錬の専門家の一人といて、チタンの新製錬の現状を強く憂います。新しい革新的
な提案をしても手を差し伸べるどころか、その動きを押しつぶそうとする競合社の圧力は極めて強く、と
てもベンチャーを興せるような経済状況にありませんでした。今回の新製錬法への支援目標は、
「工業化
への展開が可能な低コストでの新規な製錬技術の開発 ・鉄含有値:2000ppm 以下 ・酸素含有値:
1000ppm 以下 ・コスト:現行クロール法より 20%削減」と記されていますが、あまりにも不可能な低
値です。特に酸素量を減らしながらコストを低減するには限界が既にあります。チタン製錬後の生産プロ
セスは恒に酸素量の増大にしか働かないので、新製錬法に酸素含有量 500ppm 以下という課題を突きつ
けたに等しく、高価な希土類元素による還元以外に熱力学的にあり得ない値です。希望として目標を高く
掲げるのは結構ですが、実現不可能で有り、その他の可能性を無くしてしまう目標の設定にはうなずけま
せん。すなわち、低廉なチタンであれば鉄や酸素の含有量が高くても許すチタン合金を開発してその市場
を形成すること、そのチタン合金向けに多少は鉄や酸素を含んでも低廉であれば許す技術開発支援を行う
こと、に注力すべきです。何時までも航空機用超高品質チタンの製造ばかりを追うのではなく、日本の国
情にあった民生用チタン合金用のチタン粉末やインゴットの生産技術開発を支援すべきです。航空機用チ
タンは現状実績のあるクロール法に任せておいて、新しい生産技術は民生用品のチタンに使えるよう支援
をするのが正しい道ではないかと思います。
御意見への考え
貴重な御意見をありがとうございます。
事業実施の参考とさせて頂きます。
1
番号
御意見
3
計画書(案)P.2 の「1.2.2 個別課題」中の「革新的チタン材の開発」には、
「チタン材の利用促進のた
めには、チタン精錬やチタン材製造プロセスの生産性向上が必要である」との記載がある。 それを「(a)
高品質スポンジチタン製造プロセス要素/量産化技術の開発」中に、生産性向上に取り組むことが分かる
ように、中間目標および最終目標に「高効率」を挿入すべきである。これにより、スポンジチタン製造プ
ロセスの生産性向上に取り組むことが明確となり、
「革新的チタン材の開発」の主旨と合致したテーマで
あることが分かる。
さらに最終目標の「リードタイム:30%減」のリードタイムが生産性の向上にどのように結びつくかが
分からず、生産性がどの程度向上するのかが不明確である。そこで、目標を明確に「生産性 10%向上」
とすべきと考える。
【該当箇所】
1)P.6 11 行目
高品質スポンジチタン製造プロセス要素技術の開発
2)P.6 最下行
高品質スポンジチタン製造プロセス量産化技術の開発
3)P.7 4 行目
リードタイム:30%減
【意見内容】
上記該当箇所を以下のように修正すべきである。
1)P.6 11 行目
高品質スポンジチタン高効率製造プロセス要素技術の開発
2)P.6 最下行
高品質スポンジチタン高効率製造プロセス量産化技術の開発
3)P.7 4 行目
生産性:10%向上
御意見への考え
貴重な御意見をありがとうございます。
ご指摘を踏まえ、中間目標及び最終目標の項目名に「高効率」を追記しました。
他、事業実施の参考とさせて頂きます。
2
番号
4
御意見
構造材料研究は,わが国の産業振興ならびに国土強靭化においてきわめて重要である.このたび経済産
業省が「革新的新構造材料等技術開発」の実施計画をまとめられたのは極めて喜ばしい.実施計画(案)に
関して、以下に意見を述べる.
わが国の革新的構造材料の技術開発においては,中国,韓国など新興国の追い上げが厳しいことを強く
念頭に置いたうえで,性能的に大きく凌駕する革新的な技術開発を進め,産業振興することこそ真の国益
の道である.そのためには,しっかりした基礎研究に立脚した,骨太の計画を作ることが極めて重要であ
る.EUとくにドイツでは,民間企業6社と North Rhine-Westphalia 州がコンソーシアムを組んで出資
し,革新的構造材料のモデリング・シミュレーションを実施するための Interdisciplinary Centre for
Advanced Materials Simulation (ICAMS)を設立し,およそ 100 人の研究者を抱えて活発な活動を行っ
ている.これは,基礎から応用まで確実に積み上げなければ国際的な競争のもとで優位性を誇る材料開発
はできないというドイツの強い問題意識の表れである.わが国においては,文部科学省「元素戦略プロジ
ェクト」<研究拠点形成型>:構造材料領域において,当該分野の基礎研究を精力的に進めている.本施
策において,
「元素戦略プロジェクト」と緊密に連携をとることが明記されていることは極めて妥当な施
策である.関係者の慧眼に深く敬意を表したい.
個別課題としては,文部科学省「元素戦略プロジェクト」でも取り上げている耐熱合金材や構造セラミ
ックス材についても,項目を明示すべきである.また革新的チタン材,革新的アルミニウム材,革新的マ
グネシウム材に対し,革新鋼板ではなく,革新鉄鋼材と幅広く定義することが望ましい.
各研究開発テーマにおいて,接合技術開発が第一に挙げられているが,他テーマ(鉄鋼,非鉄,炭素繊
維および CFRP)が産業としての個別業界に対応しているのに対し,接合業界という実態が産業界に明確
に存在している訳ではないことを考えると,産業振興としての位置づけがあいまいになりかねない.その
意味で,この接合技術開発が「革新的新構造材料等技術開発」において第一に挙げられることについては,
わが国の産官学の社会通念から,また「元素戦略プロジェクト」の観点からは,少し奇異に感じられる.
もちろん実用研究において接合技術開発が重要なことは異論の余地はなく,それゆえそれぞれ個別の材料
研究における接合技術の位置づけは十分に検討されるべき問題である.
御意見への考え
貴重な御意見をありがとうございます。
構造セラミックス材については、他の材料も含めた調査をしていく中で、今後の研究開発を検討してい
く予定です。ただし、耐熱合金材については、車両軽量化を主な目的とした本事業の主旨から外れるため、
現時点では検討の対象外となります。
鉄鋼材の定義に関しまして、本事業での開発対象は板材であるため、革新鋼板としております。
接合技術については、材料研究との連携の下で進められるべきであることは、ご指摘の通りと考えます。
本事業では、接合技術を軸に一つの体制を組織しますが、各材料研究とは密接な関係を構築します。
他、事業実施の参考とさせて頂きます。
3
番号
御意見
5
我が国のものづくり産業の高い国際競争力は、優れた特性を示す素形材を自前で供給できる点にも拠る
ところが大きい。しかし「素材」の優れた競争力は、その地味さによって一般にまで十分認識されていな
い。そうした中、経済産業省が「革新的新構造材料」に焦点をあてた本プロジェクトを企画したことは、
非常に炯眼であるとともに、今後の産業発展を考えた場合に極めて重要であると、高く評価したい。
我が国の構造用材料、特に鉄鋼をはじめとする金属材料のテクノロジーは、明らかに世界のトップに位
置する。その強みは、精錬・製鋼段階での化学成分の高精度での調整能力とともに、加工や熱処理等のプ
ロセスを通じてそのミクロ組織を高精度に作り上げる技術を独自に開発してきた点にある。例えば、電磁
鋼板として用いられるケイ素鋼や自動車用などのプレス成形用鋼板として用いられる極低炭素 IF
(Interstitial Free)鋼、明石大橋にも用いられている超高強度鋼線などは、他国の鉄鋼企業では作ること
ができず、垂涎の的となっている。しかし、中国、韓国、インドなどの新興国における素材産業の追い上
げは技術面でも大変加速されており、我が国が現在の優越的な地位を維持するためには、
「次のケイ素鋼
板・IF 鋼」に位置する材料を開発することが不可欠である。その方向性は、産・学それぞれでたゆまなく
継続してきた基礎研究の中に明らかに萌芽しつつある。重要なキーワードの一つは、
「ミクロ組織制御」
から「ナノ組織制御」への発展であろう。それに際しては、過去 10 年間で大きく発展した「材料解析技
術」と「計算材料科学」の手法を取り込んでゆくことが重要になる。また、新しい材料は、いわゆるレア
メタルなどの希少元素を極力含まないことが望まれる。その意味で、本プロジェクトが文部科学省「元素
戦略」プロジェクトとの協同を謳っていることは非常に重要であり、特に構造材料元素戦略拠点(ESISM)
との密接な連携が必要である。
構造用金属材料におけるナノ組織制御その他の基礎研究は、近年、下記の文科省プロジェクトなどにお
いて活発に行われている。
(1) 科研費・新学術領域「バルクナノメタル ~常識をくつがえす新しい構造材料の科学」
(2) 科研費・新学術領域「シンクロ型 LPSO 構造の材料科学 ~次世代軽量構造材料への革新的展開」
(3) JST・産学共創基礎基盤研究プログラム「革新的構造用金属材料創製を目指したヘテロ構造制御に基
づく新指導原理の構築」
(4) JST・先端的低炭素化技術開発(ALCA)
「第4分科会 耐熱材料・鉄鋼リサイクル高性能材料」
(5) 文部科学省・元素戦略プロジェクト・
「研究拠点形成型」および「戦略的創造研究推進事業(CREST)
」
これらのプロジェクトにおいては、種々の新規な萌芽的成果が生まれつつあり、それらを取り込んでい
くことが本質的に重要である。特に(1)「バルクナノメタル」においては、超微細粒・ナノ組織金属材料
を題材に、高い強度と大きな延性・靭性を併せ持つ材料が実現され、そのメカニズムが明らかにされつつ
ある。是非、こうした基礎研究成果を調査・理解し、
「革新的新構造材料」プロジェクトにおいて利用す
れば良いと思う。
ところで、プロジェクトの構成を「実施計画(案)
」より拝見したところ、
「接合技術」にあまりに重点
が置かれているように思われ、大変奇異に感じている。すでに述べたように、我が国が高い国際競争力を
有する点は、
「素材そのもの」にあり、そうした長所を伸ばすことが、常識的であり、肝要である。接合
技術は、材料の構造体化を考える場合には非常に重要であるが、我が国が強みとして握っている部分は必
ずしも多くない。構造材料分野において我が国が追求すべきは、鉄鋼、非鉄、CFRP、セラミックスなど、
個々の素材それぞれにおける革新性であり、リサイクル・資源循環にも逆行する鋼材/アルミ、鋼材/
CFRP、アルミ/CFRP などの「貼り合わせ材」が、我が国が目指すべき未来の中心的材料ではない。もち
ろん、私は接合技術の重要性を否定するものではない。しかし、
「革新的新構造材料」と銘打った国家プ
ロジェクトでまず注力すべきは、個々の材料そのものの革新化であり、そのブレークスルーを生み出す基
礎研究の芽は、上記の文科省プロジェクト等で着実に醸しだされつつあることを、強調しておきたいと思
う。
御意見への考え
貴重な御意見をありがとうございます。
文部科学省側の事業とは、実施計画 2.4 項に記載の通り、緊密に連携を図りながら本事業を進めていき
4
ます。
接合技術については、材料の進化に伴い、接合技術も進化すべきと考えます。革新的な材料を開発する
本事業では、それに適応可能な接合技術の開発を重点的に実施いたします。
他、事業実施の参考とさせて頂きます。
番号
6
御意見
・該当箇所
P.2、P.6、P.7
1.3.2個別課題 ①革新的チタン材の開発 (1)スポンジチタン直接熱延技術開発
【中間目標】 (b)スポンジチタンの直接熱延による薄板製造プロセス要素技術の開発
【最終目標】 (b)スポンジチタンの直接熱延による薄板製造プロセス量産化技術の開発
のプロセスの範囲限定について
・意見内容
1. 実施計画(案)の最終目標値には、強度-延性バランスの改善とともにリードタイムの短縮がうたわれ
ている。これらは量産ベースでの達成目標としては妥当で、どちらも日本のチタン産業の国際競争力の維
持発展に重要な課題であることは明らかである。
2. リードタイム短縮は、現状工程の各素工程をそれぞれ縮める改善型でもある程度可能であるが、未来
開拓プロジェクトとしては、新技術開発による工程省略の様な大胆な方法でリードタイム短縮を目指すべ
きである。
3. それに加えて強度-延性バランスの改善のような材料特性の改善も合わせて行うために、同時にそれに
もふさわしい技術開発であることも求めたい。
4. 名称から、実施計画(案)は「スポンジチタンをそのまま熱延して薄板を製造するプロセスの開発」
提案と思われるが、スポンジチタンを単純に直接熱延しても目標の気孔率(中間;1%以下、最終;0.2%
以下)を得ることは極めて難しく、さらに薄板コイル全体で目標値を満たす高密度状態とすることは、実
現性に疑問がある。たとえば、粉末冶金法で高密度のチタンを製造する場合には、一度以上溶解工程を経
た材料の使用が必要なことが常識とされており、もし同様な技術であれば一度は溶解工程を経た材料を使
用するか、溶解に代わる何らかのプロセスを導入することが必須である。(参考文献1)
5. 以上実施計画(案)にあるような「スポンジチタン直接熱延技術開発」に限定せず、溶解またはこれ
の代替工程を含めた現実的なプロセスを提案すべきなので、例えば個別課題中項目名は「(1)製錬・溶解・
熱延工程を革新的に短縮した高機能チタン薄板製造技術開発」のように、製錬、スクラップ活用、溶解・
半溶融技術、粉末冶金、他も含めて手法が提案できるよう、テーマ名・範囲を広げるべきと思料する。
6. また、中項目2番目の「(2)チタン材連続一貫製造プロセス技術開発」における小項目(a)と(b)は良く
連携した書き方となっており、これによって出口に向けた上工程項目の重要性が理解できる。(1)につい
ても同様に考え、例えば「(1)(b)上記スポンジチタンを活用した高効率チタン薄板製造プロセス要素技術
の開発」とし、その中間目標についても例えば「・引張強度・延性バランス:現行材より20%向上」のよ
うな最終目標と対応する特性項目を追加することでマイルストーンとして最適になると思料する。
(参考文献)まてりあ, Vol.34, No.2 (1995) p.212 (素粉末混合法によるチタン合金の製造コスト低減
化の検討)
御意見への考え
5
貴重な御意見をありがとうございます。
ご指摘頂いた事項を踏まえ、実施計画に反映させて頂きます。
6
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