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第7章 給水装置配管工事

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第7章 給水装置配管工事
第7章
給水装置配管工事
1
給水分岐工事の区分け
(1)サドル分水栓による穿孔工事の場合
分岐穿孔工事施工業者において施行する。
(2)不断水工法の場合
穿孔工事特定業者において施工する。
(3)その他の場合
水道局と協議すること。
2
給水工事における注意事項
(1)工事写真の撮影
写真撮影はポール及び現場黒板などを使用して撮影すること。なお、詳細
については、【第6章
給水工事完成検査】を参照すること。
(2)給水工事の施行確認について
給水工事を安全かつ正確に施行するため、給水工事承認書のコピー及び関
係書類を現場に準備すること。
(3)土砂の入れ替え
道路内の掘削による埋め戻しは、道路管理者の許可条件によるが、原則と
して購入土による入れ替えとする。交通量の少ない農道等で、掘削土が良質
であり、許可条件に土砂の入れ替えが無く、水道局が認めた場合は流用土の
使用ができる。
(4)分岐工事
ア
配 水 管 等 か ら の 分 岐 取 り 出 し 位 置 は 原 則 と し て 、宅 内 入 り 口 付 近 と す る 。
ま た 、配 水 管 か ら 第 1 止 水 栓 ま で の 分 岐 給 水 管 は 、原 則 と し て 配 水 管 か
ら直角方向に配管するものとする。
イ
配水管取り出し工事は所定の深さ以上は人力による掘削を厳守するこ
- 168 -
と。
ウ
サドル分水栓取付けは、取り付ける管の種類及びボルトの呼び径ごとに
表7-1「標準締付トルク」に示すトルクでボルトを締めること。なおボ
ルトの締め付けには、トルク管理を行うためにトルクレンチを使用しなけ
ればならない。
表7-1
標準締付トルク
単 位 : N・ m
ボルトの呼び
取付管の種類
M10
M16
M20
DIP( ダクタイル鋳 鉄 管 )
-
60
75
VP( 硬 質 塩 化 ビ ニ ル 管 )
-
40
-
SP( 鋼 管 )
-
60
75
HPPE( 配 水 用 ポリエチレン管 )
-
40
-
20
-
-
PE( ポリエチレン 2 層 管 )
エ
分水栓及びキャップ打ち箇所には、腐食を防止するためポリエチレンシ
ート等を使用し被覆すること。
オ
分水栓から給水管を配管する場合は、分止水栓ソケットから下流の直近
で配管にたるみを設けること。
カ
砂巻きは山砂を使用し、海砂の使用は禁止する。また、給水管の床砂の
深さは10センチメートル以上、給水管上面の被りは20cm以上とし、
空気だまりの生じない配管を施行すること。
キ
切管分岐工事等の場合、周辺の関係住民に断水などの協力が得られるこ
とを前提とし、工事実施日の3営業日前までに局へ届け出ること。
ク
給水管は、量水器 1 次側まで水道用ポリエチレン管一種二層管を使用す
る。
ケ
供 用 開 始 済 み 配 水 用 ポ リ エ チ レ ン 管 か ら の 分 岐 は 、 HPPE 用 鋳 鉄 サ ド ル
付分水栓を使用する。
コ
ボックス等の上越しにより土被りが少ないときは、水道局と協議の上、
立ち上がり部分から鋼管を使用する。なお、給水管下面から構造物までは
1 0 cm 以 上 の 離 隔 を 確 保 し 、 給 水 管 の 土 被 り は 舗 装 厚 ( 表 層 厚 + 路 盤 厚 )
- 169 -
に 1 0 cm を 加 算 し た 厚 さ 以 上 と す る 。
(参考断面図)
ボックスカルバート等の上越し施工
舗装厚
(表層+路盤)
※ 原則は下越し施工
公 道
ボックスカルバート
上水道本管
金属製エルボ
サ
曲 げ 配 管 が 出 来 な い 場 合 は 、 金 属 製 PE 用 継 手 に よ り 対 応 す る 。
(参考断面図)
官民境界から止水栓までの距離がない場合
一般的な給水管の曲げ配管断面
宅地
公道
官民境界
官民境界
公道
宅地
伸縮止水栓
伸縮止水栓
水道メーター
公 道
公 道
上水道本管
水道メーター
給水管の振り上げは
宅地に入ってから開始すること
- 170 -
上水道本管
(5)第1止水栓及び量水器取付場所
ア
第1止水栓及び量水器は、宅内入口付近の検針や維持管理がしやすい場
所に設置することを原則とする。
イ
宅内入り口付近以外に量水器を設置する場合で、壁、フェンス等により
容 易 に 量 水 器 の 検 針 が 出 来 な い 場 合 は 水 道 局 と 協 議 の 上 、位 置 を 決 定 す る
こと。
ウ
第1止水栓取付け位置が、取出し位置から特別な事情があり、やむを得
ず左右に振って施行する場合は、引込管位置から第1止水栓までの配管状
況を給水申込書に記入すること。
エ
配水管から宅地までの間に他の公道及び進入路がある場合は、その道路
の配水管側の境界付近に第1止水栓を設置することを原則とする。(図7
-1参照)その場合、宅地側には止水栓の設置は必要としない。また、止
水栓ボックスの中には所有者名若しくは使用者名を記したプラスチック製
の名札を設置すること。複数の給水装置が連帯する給水共同管の場合は、
分 岐 し た 給 水 装 置 ご と に 止 水 栓 を 宅 地 内 に 設 置 す る こ と 。( 図 7 - 2 参 照 )
(連帯給水装置)
(単独給水装置)
公道等
配水管
配水管
給水管
量水器
止水栓
量水器
公道等
止水栓
止水栓
止水栓
止水栓
量水器
量水器
止水栓
量水器
給水共同管
オ
進 入 路 が 共 用 で な い 場 合 は 、 量 水 器 は 第 1 止 水 栓 に 近 接 ( 3 0 cm 前 後 )
して設置すること。(図7-3参照)この時、量水器ボックスについては
車両の通過による破損がないよう、適切な防護、材質の選定を行うこと。
- 171 -
量水器ボックスの破損が予想される場合は、水道局と協議の上、場所の変
更を認めるものとする。また、進入路が共用の場合は量水器は宅地内に設
置するものとし、量水器までの給水管の材質はPE管とすることを原則と
する。(図7-4参照)
止水栓及び量水器設置場所
止水栓及び量水器設置場所
(単独の進入路の場合)
(共用の進入路の場合)
共用進入路
配水管
配水管
進入路
給水管
給水管
量水器
量水器
止水栓
止水栓
カ
量 水 器 及 び 第 1 止 水 栓 の 設 置 場 所 は 「 花 壇 内 」「 車 庫 内 部 」 等 を 避 け て 、
維持管理や検針のしやすい、住居周辺または給水装置設置場所出入口付近
とすること。
キ
第 1 止 水 栓 と 量 水 器 の 間 隔 は 原 則 と し て 3 0 c m 前 後 と す る 。や む を 得 ず
第1止水栓と量水器の間隔を開ける場合は水道局にその理由を説明し、承
認を得ること。
ク
車両の通行する道路に止水栓を設置する場合は、その土被りは60cm
と す る 。止 水 栓 前 後 の 給 水 管 と の 土 被 り に 段 差 を 生 じ る 場 合 は 、P E 用 の 金
属製エルボ等により段差を解消するものとする。
PE 管 の バ ー ナ ー 等 に よ る あ ぶ り 曲 げ は 絶 対 に 行 っ て は な ら な い 。
(6)量水器及び止水栓のボックス等の品質
ア
量水器ボックス及び第1止水栓ボックスは基準省令に適合し、第三者認
証機関の品質認証品であり、市章入りの製品を使用する。また、量水器口
径 4 0 mm 以 下 の 量 水 器 に お い て 、 コ ン ク リ ー ト 製 量 水 器 ボ ッ ク ス を 使 用
- 172 -
している場合は、改造工事時に使用者若しくは申込者の負担において、樹
脂製量水器ボックス等に交換すること。
イ
量 水 器 口 径 13 ミ リ メ ー ト ル は 小 型 量 水 器 ボ ッ ク ス を 、 量 水 器 口 径 20 ミ
リ メ ー ト ル 及 び 25 ミ リ メ ー ト ル は 中 型 量 水 器 ボ ッ ク ス を 、 量 水 器 口 径 30
ミ リ メ ー ト ル 及 び 40 ミ リ メ ー ト ル は 大 型 量 水 器 ボ ッ ク ス を 使 用 す る こ と
とする。
ウ
宅 地 内 の 第 1 止 水 栓 で φ 25 ミ リ メ ー ト ル 以 上 の 場 合 は 、 12 型 又 は 15 型
等局の指示する止水栓ボックス(市章入り)を使用すること。
エ
開発道路、生活道路等の通過交通量及び大型車両の通行の少ない道路に
止 水 栓 を 設 置 す る 場 合 は 、 T-14 仕 様 の 止 水 栓 ボ ッ ク ス を 設 置 す る こ と 。
オ
片 側 1 車 線 以 上 の 交 通 量 の 多 い 道 路 に 止 水 栓 を 設 置 す る 場 合 は 、T - 2 5 仕
様の止水栓ボックスを設置すること。
(7)量水器ボックスの施工について
ア
量水器ボックスは地上設置とする。
イ
量水器は水平に取り付けること。
ウ
伸縮止水栓の伸縮部分の長さは 2 ㎝程度を確保すること。
エ
量 水 器 は 、量 水 器 ボ ッ ク ス 蓋 の 天 端 か ら 1 0 セ ン チ メ ー ト ル 以 内 の 深 さ に
取り付けること。
オ
量水器ボックス内の埋め戻しは山砂によるものとする。
カ
量水器ボックスへの砂入れの深さは、量水器の底までとし、厚さは10
cm 以 上 を 確 保 す る こ と 。
キ
量水器ボックス内にストップバルブを設置している場合は、伸縮止水栓
に交換すること。
(8)口径50ミリメートル以上の量水器ボックス
量 水 器 口 径 が φ 5 0 ミ リ メ ー ト ル 以 上 の 量 水 器 ボ ッ ク ス に つ い て は 、鉄 筋 コ
ンクリートによる現場打設量水器ボックスを原則とするが、検定満期に伴う
量水器交換、維持管理に支障がないことが確認できる場合は、水道局との協
議により既製品の使用を認める。(図7-5、7-6、7-7参照)
(9)逆流等事故防止装置の設置
- 173 -
ア
3階直圧給水の場合、ウォーターハンマー及び断水時の真空事故防止の
ため逆流事故防止装置及び空気弁を設置すること。又その際、逆流防止装
置は量水器以降の3階直圧給水部分を地上独立設置とし、適正に管理しな
ければならない。また逆流防止装置は補助止水栓又は制水弁を兼ねた機能
を有すること。
イ
2階以上の建築物は各階の間に補助止水栓または制水弁を設置するこ
と。
ウ
給水管の所有者および使用者は逆流事故防止装置及び空気弁等の性能を
保持できるように適正に管理すること。
( 10) 給 水 管 の 保 護
給水管を土間及び犬走り等のコンクリートで巻き込んで配管する場合は、
破損事故に留意し、給水管の材料の選定、保温チューブ等で保護する等、材
質及び構造的な配慮を行うこと。また、既設の露出配管についても同様とす
る。特に塩ビ、ポリエチレン等の樹脂製の給水管を露出配管する場合は、紫
外線で材質が劣化しないよう、ラッキング等の措置を行うこと。
( 11) 量 水 器 の 迅 速 な 取 付
指定業者は量水器を受領し次第、直ちに取り付けること。量水器を受領し
て、直ちに取り付けない場合は、量水器を局へ返納すること。原則として、
量水器口径変更の場合は、新量水器は旧量水器と交換して出庫する。
( 12) 交 差 配 管 の 制 限
交差配管及び排水管との同場所配管はさけること。ただし、給水装置設置
場所によりやむを得ない場合は、適切な離隔を確保出来ることを条件とし、
水道局の承認を受けること。適切な離隔については、給水管と構造物の外面
間 の 距 離 と し て 3 0 c m 以 上 と す る 。た だ し 、前 述 の 離 隔 が 確 保 で き な い 場 合
は、水道局と協議し、適切な措置を講じること。
( 13) 水 圧 試 験 の 実 施
給水工事を施行した給水管の水圧試験を行い、写真撮影し提出すること。
【第6章
給水装置 工事完成検査基準】
- 174 -
( 14) 水 路 越 し
水路越しは原則として下越し施工とする。水路断面が大きく、漏水修理等
の維持管理上、水路下部の再掘削が困難な場合は、塩ビ管若しくは鋼管によ
る鞘管を設置すること。また、物理的に水路の下越し施工が困難な場合は、
水路管理者の許可を得た上で、布設場所、給水管の材質、工法、防護措置等
について水道局との協議により上越し施工を認めるものとする。
( 15) 配 管 の 接 続
配管の接続については、切断面の面取りを十分に行い、切りクズが給水管
内に入ることのないようにすること。また、ソケット等の接着の際にも、接
着剤の使用方法を遵守し水圧による抜け及び漏水のないように注意するこ
と。また、水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管等の配管の場合は、量水器
1次側においてはネジ切りによる接合は行わないこととし、防食処理を十分
に行うこと。
( 16) 現 場 管 理
給 水 工 事 は 、安 全 を 第 一 と し て 、事 故 防 止 の た め に 細 心 の 注 意 を 払 う こ と 。
そのため、現場においては道路交通法等の関係法令及び工事に関する諸規
定を遵守し、現場管理を適切に行うこと。
ア
工事による振動及び騒音を極力抑制し、生活環境の保全に努めること。
イ
工 事 標 識 を 設 置 す る こ と 。( 5 0 m 標 示 ・ 1 0 0 m 標 示 ・ バ リ ケ ー ド ・ 看 板 ・
セーフティーコーン・夜間においては点滅灯類)
ウ
現場において作業に従事する現場責任者、配管工及び作業員に対しての
安全教育を定期的に実施すること。
( 17) 水 道 局 へ の 立 会 依 頼
穿孔、不断水、材料検査、洗管及び水圧試験等において水道局の立会を
要する場合は、事前に日程調整を行った上で、原則として3営業日前まで
に水道局に立会依頼書を提出しなければならない。
- 175 -
大口径量水器ボックス標準図
大口径量水器ボックス標準図
平面図
150
150
57 143
150
200
600
流入側
900
流出側
207
150
150
143 57
150
57 144
SD13
水抜き穴
側面図
等辺山形鋼
検針孔
量水器ボックス蓋
流出側
100
流入側
300
100
地盤
50
50
150
図7-5
砕石基礎
水抜き穴
150
150
900
150
600
150
間詰モルタル
水抜き穴
※ボックス壁を貫通する鋼管の周囲は、ボックス内側及び外側から
モルタルにより間詰めすること。
程度上げること。
- 176 -
図7-6
大口径量水器ボックス蓋標準図
大口径量水器ボックス蓋標準図
平面図
検針孔
ハンドル
800
600
300
300
ずれ留め金具
溶接
断面図
ハンドル
タイプA
ずれ留めリブ
溶接
検針孔
300
タイプB
検針孔
300
溶接
※量水器取付位置に合わせて検針孔を設けること。
※自動車等の荷重がかかる場合は、別途考慮すること。
- 177 -
図7-7
大口径量水器ボックス施工標準図
以上確保
1m以内
240
560
286
流出側
流入側
150 100 197
HPPE
560
197 146 150
1200
1500
ポリスリーブ施工
以上確保
1m以内
254
292
流出側
流入側
150 100 216
630
216 138 150
HPPE
1300
1600
ポリスリーブ施工
以上確保
1m以内
303
264
流出側
流入側
HPPE
150 100 230
750
230 140 150
1450
1750
ポリスリーブ施工
※前後の給水管の土被りとの段差は、メカ型曲管により配管するものとする。
※量水器ボックス内の鋼管及び片フランジ短管には防食のため、ポリスリーブを施工すること。
- 178 -
第8章
道路掘削
1
道路掘削についての定義
給水装置の新設、改造、撤去、修繕等の掘削及び掘削後の埋戻し、仮復旧及び
本復旧までの一連の工事をいう。
道路掘削にあたっては、道路交通法、道路安全衛生法等の関係法令及び工事に
関する諸規定を遵守し、常に交通及び工事の安全に十分留意して現場管理を適切
に行い、事故を防止するとともに、工事による騒音及び振動等をできる限り防止
し、生活環境の保全に努めること。また、私道の場合も、これに準じて施工する
こと。
2
道路掘削の許可手続き
(1)道路占用(国道・県道・市道・農道等)
給水装置工事において、道路掘削を実施する場合、所定の様式により所轄
の道路管理者へ道路占用許可申請書を提出し、占用許可を受けなければなら
ない。また、河川、用水、民有道路(他人の私有地・私道)等道路管理者以
外の管理地を掘削する場合も、その管理者の占用許可又は承諾を得なければ
ならい。
ただし、国道、県道、河川の占用については、水道局が占用申請、着手届
け、完了届け、道路通行制限申請等の事務手続きを行うので、主任技術者は
管理者と施行内容に係る協議をし、管理者の承認を得た上で、手続きに必要
な図面及び資料を水道局に提出しなければならない。占用申請に係る図面及
び資料は次のとおりとする。
ア
位置図
イ
占用図面
3部(占用部朱書)
ウ
着工前写真
3 部( 施 行 箇 所 を 朱 書 き し 、管 種 口 径 等 必 要 事 項 を 記 入 す
ること。A4クリアホルダー又はA4台紙に糊付けすること。)
エ
道路使用許可書(写)
3部
オ
保安施設図(工事標識、迂回路、ガードマン等の配置図)
カ
その他、管理者が指示する資料等
キ
工事中及び工事完成写真(工事完了時提出)
- 179 -
3部
2部
3部
(2)道路使用
道路工事を実施する場合は、道路関係法規に基づき、道路使用許可申請書
を所轄の警察署に提出し、道路使用許可を受けなければならない。
(3)既設埋設物の調査
道 路 占 用 物 と し て 水 道 管 の ほ か に 工 業 用 水 道 管 、下 水 道 管 、電 話 ケ ー ブ ル 、
電気ケーブル、農業用水管等が埋設されている場合は、あらかじめそれらの
埋設物の管理者及び関係機関と協議すること。
3
施行上の注意
(1)現場管理
ア
付近の住民へ事前周知連絡を行い、工事において迷惑がかからないよう
に配慮すること。
イ
道路占用許可証及び道路使用許可証を携帯し、許可条件どおり施工する
こと。
ウ
現場責任者を常駐させ、連絡がとれるようにしておくこと。
エ
工事場所の交通安全等を確保するために保安設備を設置し、交通整理員
等を配置すること。また、現場作業従事者についても、安全確保に十分留
意すること。
オ
既設埋設物の有無を把握し、既設埋設物の近くを掘削する場合は、既設
埋設物の管理者の指示に従って、掘削及び埋戻しを十分注意して行うこ
と。
(2)道路復旧
ア
舗装の復旧は、道路管理者の指示に従って、埋戻し完了後速やかに行う
こと。
イ
未舗装道路の復旧は、道路管理者の指示に従い、直ちに施工すること。
ウ
工事完成検査合格までの期間は常にパトロールを行い、地盤沈下、飛散
に対する維持補修を行い、事故防止に努めること。
エ
工事完成検査合格後の施工不良による地盤沈下等については、施工業者
が誠意を持って対処すること。
- 180 -
(3)現状復旧
道路標識等を移動又は損傷した場合には、速やかに原型に復旧すること。
(4)事故等について
緊急時の連絡先をあらかじめ確認し、事故等が発生した場合は、速やかに
関係者及び関係機関へ連絡すること。
4
施工
(1)掘削
ア
舗 装 道 路 の 掘 削 は 、既 設 舗 装 部 分 へ の 影 響 が な い よ う に 、舗 装 カ ッ タ ー
により周辺を四角形に切断し、所定の深さに掘削すること。
イ
掘 削 部 の 底 部 分( 床 付 )は 、平 ら に 施 工 し 、凸 凹 の な い よ う に す る こ と 。
ウ
道路掘削作業量は1日の作業範囲とし、掘置きはしないこと。
エ
すかし掘り等の危険な掘削は絶対にしないこと。
オ
掘 削 の 深 さ に 応 じ て 、適 切 な 仮 設 工( 矢 板 工 等 )を 採 用 し 、事 故 防 止 に
配慮すること。
カ
既 設 埋 設 物 の 近 く を 掘 削 す る 場 合 は 、手 掘 り で お こ な い 、必 要 に 応 じ て
既設埋設物管理者の立会を求めること。
キ
掘 削 、埋 め 戻 し 及 び 舗 装 復 旧 に つ い て は 図 8 - 1「 道 路 掘 削 標 準 断 面 図 」
を標準とすること。
(2)残土処理
施工によって生じた残土及びアスファルト塊等の産業廃棄物は、廃棄物の
処理に関する法規に基づいて、施行者が責任をもって適正かつ速やかに処理
すること。
(3)埋戻し
ア
埋戻しは管を山砂等で保護した後、良質の購入土で埋戻すことを原則と
する。
イ
埋 戻 し の 砂 床 は 10 ㎝ 以 上 、 管 上 は 2 0 セ ン チ メ ー ト ル 以 上 と し 、 つ き 棒
及びタンパー等により締め固めを行うこと。
- 181 -
ウ
転 圧 は 、 20 ㎝ ご と に タ ン パ ー 及 び ロ ー ラ ー 等 で 十 分 に 行 う こ と 。
エ
既設埋設物の周辺の埋戻しは、良質な砂等を使用して、十分な締め固め
をすること。また、既設埋設物に損傷を与えないようにすること。
(4)仮復旧工事
ア
仮復旧工事は、レミファルト等で即日復旧すること。
イ
仮復旧後の路面において、仮舗装により既設区画線及び道路標示を欠損
した場合はペンキ等により仮復旧すること。
(5)本復旧工事
ア
本復旧工事は、在来舗装と同等以上の強度及び機能を有するものとし、
舗装構成及び復旧幅は道路管理者の許可条件どおり施工すること。
イ
舗装工事完了後、速やかに区画線及び道路標示を復旧すること。
図8-1
道路掘削標準図
標準掘削断面図
舗装復旧幅
表層工
掘削影響幅
路盤工
(φ
を布設する場合)
100
砂基礎厚
200
埋戻厚
埋戻工
良質な購入土
200
給水管土被り
舗装復旧厚
掘削影響幅
掘削幅
500
砂基礎工
(山砂)
例:給水管PEφ
※舗装復旧における舗装構成及び掘削影響幅については道路
管理者の指示によるものとする。
※給水管の土被りは原則として分岐する配水管の土被りとする。
に埋設表示シートを設置すること。
- 182 -
5
工事写真
工 事 写 真 は 、着 工 前 か ら 本 復 旧 工 事 完 了 ま で の 工 程 ご と に 撮 影 す る こ と 。ま た 、
黒板等に工事場所、施工業者、工程内容、寸法等を記入すること。
(1)工程ごとの写真について
ア
着工前
工事看板、交通整理員、交通安全設備についても撮影すること。
イ
舗装切断
ウ
給水管等の深さ
現場作業従事者により、ポール等で深さを示し、給水管上と路面が確認
できるように撮影すること。
エ
給水管等の配管状況
分水栓ポリシート取付けがある場合は、施工状況も撮影する。
オ
砂巻き状況
カ
購入土等の埋戻し
転 圧 状 況 が 確 認 で き る よ う に 、 巻 き 出 し 厚 20 ㎝ ご と に 撮 影 す る こ と 。
キ
仮復旧工事
アスファルトの厚さ及び掘削面積が確認できるように撮影すること。ま
た、区画線及び道路標示復旧があった場合は、その状況も撮影すること。
ク
分岐配水管の位置
道路端から分岐部分の位置がわかるようにポール等を使用して撮影す
ること。
ケ
本復旧工事
(ア)路盤工の厚みが確認できるように撮影すること。
(イ)舗装
アスファルトの厚さ及び本復旧の面積が確認できるように、ポール等を
使用して撮影すること。また、区画線及び道路標示復旧があった場合は、
その状況も撮影すること。
コ
その他、局が指示した写真を提出すること。
- 183 -
第9章
維持管理
1
維持管理の重要性
給水装置の維持管理は、配水管から給水栓へ清潔な水を供給するため、非常に
重要である。その維持管理の責任は、給水装置の所有者及び使用者にあるが、少
しの異常が重大な事故につながることから、給水装置の所有者及び使用者は施行
した新居浜市指定給水装置工事事業者と共に、適正な維持管理に努めなければな
らない。
2
異常現象とその対応
異常現象は、水質によるもの(色・濁り・臭気等)と給水管配管状況(ウォー
ターハンマー・異常音等)に大別される。現象をよく見極めて原因を究明し、給
水装置の所有者及び使用者に説明の上で、適切な対応を講じる必要がある。
(1)水質の異常
原因が不明な場合は水道局に連絡し、その指示を受けること。
ア
水質の異常
水道水は、消毒のため次亜塩素酸ナトリウムを注入添加しているので消
毒臭(一般にいうところの塩素臭または俗に言うカルキ臭)がある。この
消毒臭は次亜塩素ナトリウムによる殺菌効果があることを意味し、水道水
の安全性を示す一つの証しである。
イ
異常な色
長期間、水道を使用しなかった場合には、給水管内の水が滞留水となり
変色する場合があるので、給水管内の水を排水し、新しい水と入れ替える
こと。
ウ
異物の流出
水道水内において、給水工事で発生した切りクズ等が混入している場合
は、洗管を行い、これらを除去する。
(2)出水不良
ア
配水管の水圧が低い
周囲の住宅等の水道を使用している建築物のほとんどにおいて、水道の
- 184 -
減断水が発生している場合は、なんらかの原因において、配水管の水圧低
下が考えられるので、水道局に連絡すること。
イ
給水管の口径が小さい場合
1本の給水管から、当初の使用予定を上回って数多く分岐すると、必要
水量に比べ、給水管の口径が小さくなり、出水不良を起こす恐れがある。
この場合は、給水管口径を適正な口径に増径改造する必要がある。
ウ
管内に異物が付着する
給水管に亜鉛メッキ鋼管等を使用していると、内部に錆等が発生し給水
管内部に付着しやすく、年月が経過するとともに実口径が小さくなって出
水不良をきたす。この場合は給水管の布設替えが必要である。
エ
量水器に異物が付着する
配水管の断水後の通水及び配水管内の急激な流量の変化により、配水管
内のマンガン等の異物が量水器のストレーナーに付着し、出水不良になる
場合がある。この場合はストレーナーを清掃すること。
オ
給水管の破損
給水管が潰れていたり、地下漏水による出水不良或いは各種給水器具の
故障等による出水不良が考えられるが、これらに対しては現地調査を十分
に行い、発見後、速やかに修繕すること。
(3)ウォーターハンマー(水撃作用)
ア
給水管にウォーターハンマー(水撃作用)が生じると、量水器、器具、
給水管を損傷するおそれがあるので、給水装置の構造はウォーターハンマ
ーを起こさない構造としなければならない。特に給水管内に空気が混入し
た場合の発生が考えられるので特に配慮すること。
イ
受 水 槽 に つ い て は 、定 水 位 弁 を 使 用 す る 場 合 は ボ ー ル タ ッ プ 等 を 併 用 し 、
過大な水量となる場合は定流量弁を設置する。また、ボールタップを使用
する場合は、破損防止のため防波板を設置すること。
また、管内の異常水圧を緩和吸収するため有効適切な位置に真空破壊装
置を設けなければならない。
ウ
大口径量水器を使用する受水槽については副弁付定水位弁等を使用する
こと。
エ
量水器及び付属器具の弁償額
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量水器は貸与品であることから、亡失又は破損した場合は、次のとおり
の弁済が必要となる。
(ア)量水器亡失したとき
量水器購入価格 −
量水器購入価格 ×経過年数
8
× 150%
(イ) 量水器を損傷した場合
量 水 器 修 理 に 要 す る 費 用 ×150%
(ウ)量水器亡失又は損傷が天災、その他使用者等の責任でないと市長が認
めたときは、弁償させないことができる。
(新居浜市水道事業給水条例施行規程第18条)
(4)異常音
給水装置が異常音を発生する場合は、その原因を調査し、その発生源を取
り除く。
ア
給水栓のケレップパッキンが摩耗しているため、ケレップパッキンが振
動して異常音が発生する場合は、ケレップパッキンを交換する。
イ
給水栓の開閉によって、立ち上がり管等が振動して異常音が発生する場
合は、立ち上がり管等を固定するなどして、管の振動を防止する。
ウ
その他の原因において、異常音が発生する場合は、ウォーターハンマー
に起因する事が多いと思われる。
3
汚染事故原因と対策
給水装置と配水管は、その構造上で一体となっているため、給水装置の事故に
よって汚染された水が逆流したりすると、他の使用者まで衛生上の危害を及ぼす
おそれがあるので、事故の原因を究明し適切な対策を講じる必要がある。
(1)クロスコネクション
クロスコネクションとは、上水道と上水道以外の用途の設備又は施設との
- 186 -
接合(誤接合)をいう。安全な水の確保という観点から、逆止弁等を設置し
たという理由をつけても、誤作動及び故障を考慮するとクロスコネクション
は絶対に行ってはならない。
近年、多目的に水が使用されることに伴い、用途の異なる管が給水管と近
接配管され、外見上判別しがたい場合もある。したがって、クロスコネクシ
ョンを防止するため、管の外面にその用途が識別できるように標示する必要
が あ る 。ク ロ ス コ ネ ク シ ョ ン さ れ や す い 配 管 を 例 示 す る と 次 の と お り で あ る 。
ア
井戸水、工業用水道、再生雑用水
イ
受水槽以下の配管
ウ
プール、浴場等の循環配管
エ
水道水以外のスプリンクラー配管
オ
水道水以外の給湯配管
カ
ポンプの呼び水配管
キ
冷凍、冷蔵機の冷却水配管
ク
空調機の冷却水配管
ケ
その他雑配管
(2)逆流
給水装置において、次のような不適切な状態が発見された場合は、逆サイ
ホン現象が発生する場合があるので、適切な対策を講じなければならない。
ア
給水栓にホース類が取付けられ、ホース類の端が汚水に浸かっている。
イ
浴槽及び受水槽への給水で、十分な吐出口空間が確保されていない。
ウ
便器に直結した洗浄弁に、逆流防止装置がとりつけられていない。また
は、故障している。
エ
消火栓及び散水栓が汚水の中に水没している。
(3)埋設管の汚水吸引(エジェクター作用)
埋設管が外力により潰れて小さな穴が開いている場合、給水時にこの部分
での流速が大きくなり、エジェクター作用により外部から汚水を吸い上げる
こ と が あ る 。ま た 、給 水 管 が 下 水 溝 の 中 等 で 欠 損 し て い る と き に 断 水 す る と 、
その箇所から汚水が流入する。
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(4)凍結事故
凍結事故は、寒冷期の低温時に発生し、その状況はその場所によって大き
な差がある。このため凍結事故対策は、その場所に応じた適切な防寒対策と
埋設の深さの確保が重要である。
4
給水装置の維持管理
(1)水道保全上の周知事項
給水装置の所有者及び使用者に対して、水道の保全上、次の事項を周知す
ること。
ア
給水装置の改造は、水道局の承認を得て施行することとし、無断施行は
行わない。
イ
水道水の異常(濁り・異物・臭い・味の異常)が認められたときは、水
道局へ連絡すること。
ウ
凍結防止のため、露出管には保温材等を施すこと。
(2)維持管理区分
給水装置の維持管理は、原則として給水装置の所有者及び使用者が行う。
ただし、次の事項については、水道局が対応する。
ア
配水管の分岐部分から量水器までの給水管の自然漏水。
イ
公道部に縦断的に埋設された給水管の自然漏水。
ウ
量水器ボックス内の漏水。
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