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あなたのメッセージを効果的に伝えるには?~フォトストーリーに挑戦

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あなたのメッセージを効果的に伝えるには?~フォトストーリーに挑戦
中学校第2学年3組 国語科授業案
平成24年5月15日
場 所 2年3組教室
授業者 吉 岡 浩 一
【キーワード】
1 単元名
メディア(写真)の利用
学習用語
パフォーマンス課題
対話
久住登山をフォトストーリーで表現しよう
2 目標
(1) 目標(単元の中核)
フォトストーリー(写真と言葉を組み合わせた物語)という表現形態の特徴を理解させるととともに,フォトスト
ーリー作りを通して,写真の読み方や活用の仕方について,考えを深めたり広げたりさせる。
(2) 評価規準【学力デザイン レベル4】
ア 協同して学習を進め課題を解決するとともに,学習の成果を言語生活に生かそうとしている。【学ぶ力】
イ 写真の要素(被写体の選択,構図,距離,位置,角度)を意識して,写真を解釈している。【読むこと】
ウ 写真と言葉を組み合わせることで,写真の意味を創出している。【読むこと】
エ 写真を関連付けて並べることで,物語を創出している。【読むこと】
オ 相手や目的に応じて,文章の形態や展開に違いがあることを理解している。【言語についての知識・理解・技能】
3 単元を貫く問い
メッセージを効果的に伝えるには? -久住登山を印象深く伝えるフォトストーリー作りに挑戦-
4 生徒の実態
生徒達は,「読むこと」の学習において,1年次の「ちょっと立ち止まって」や「脳の働きを目で見てみよう」といっ
た説明的文章の学習を通して,必要に応じて情報を取り出し要約することや,文章(連続テキスト)と図表(非連続
テキスト)との関係を捉えることを学んだ。また,学年末に行ったメディア学習においては,CM や広告を分析し,制
作者の意図を指摘する力も身に付けた。しかし,あくまでも情報をどのように受け止めるかという受信者(読み手)
の立場に終始しており,情報の発信者(作り手)としての経験は少ない。そこで本単元では,情報の発信者側に立
つ体験を通して,メディアの有効性と限界について考えを深めさせる契機としたい。
5 内容(パフォーマンス課題)
本単元では,逆向き設計論に基づき,「メッセージを効果的に伝えるには?」という単元を貫く問いを設定して,
問いに対する自分の考えを構築していく過程で,フォトストーリーという表現形態の特徴を習得・活用する必然性
が生まれることを企図した。具体的には,久住登山研修の思い出を保護者に感動的に伝えるためのフォトストーリ
ー作りをパフォーマンス課題とし,教室に閉じない学びを創造することにした。さらに,完成したフォトストーリーを
研修報告書に掲載するというゴールを示すことで,生徒の意欲を喚起したい。
「現在,私達の身の回りには写真に関わるメディア(新聞の写真,雑誌,広告,ポスター,プライベート写真,証
明写真など)が数多く存在している。さらに,デジタルカメラやカメラ付携帯電話等が普及し,誰もが「撮る」「撮られ
る」行為に積極的に関わるようになってきている。その意味で,写真を,どのように読み,撮り,活用するのかという
能力は,ことばと同様に,社会的な読解・表現行為として必須の能力となってきている。」(『自己認識としてのメディ
ア・リテラシー』松山雅子編著より引用)とあるように,単に写真を撮るだけでなく,写真を加工し,容易に発信者と
なり得る現代において,写真メディアとどのように関わっていくかを学ぶことは大変意義深い。また,写真を読み,
活用する能力(視点・イメージ・物語の構成など)は,読みの力に十分転移できるものと考える。
本単元では,まず,「小さな労働者」(東京書籍2年国語)を中核教材とし,フォトストーリー誕生の経緯を理解さ
せるとともに,創案者(ルイス・ハイン)になり代わって,グループでフォトストーリーを作成させる活動に取り組ませ
る。さらに,その作品を相互評価する検討会を単元途中に設定し,フォトストーリーの評価の観点を学級全体で確
認し合ったうえで,久住登山のフォトストーリー作りへと誘いたい。また,身近にある CM や写真詩などを補助教材と
して適宜利用し,学習意欲の継続につなげていく。
6 方法
(1) 対話やコミュニケーション
写真の解釈を広げたり深めたりするとともに,フォトストーリーの評価の観点を明確にするために,グループや
全体での対話を行う。
(2) 言語活動
① 写真を解釈し物語化するために,写真と言葉,写真と写真とを関連付ける。
② 自分の考えを広げたり深めたりするために,共感的・批判的に聞く。
③ フォトストーリー作りにおける工夫点をふまえて,完成作品の説明をする。
7 単元の授業過程(全7時間)
過
課題と内容
程
[言語力の要素]
1 メッセージを,相手に効果的に伝
える方法を考えよう。
時
間
0.5
導
入
2 単元の課題を知り,学習の見通し
を持とう。
0.5
教師の指導・支援
(1)-1 日常生活を振り返って,メッセー
ジを相手に印象深く,感動的に伝
える方法を想起させる。
(1)-2 CM や写真詩を提示し,身近な
ところに写真と言葉を組み合わせ
た表現形態があることを実感させ
る。
(2) 久住登山研修をフォトストーリーに
まとめ冊子を作成することを知らせ,
目的を明確にさせる。
評価とその方法
オ 相手や目的に応
じて,文章の形態
や展開に違いがあ
ることを理解してい
る。【発言・観察】
問い:メッセージを効果的に伝えるには? ~久住登山を印象深く伝えるフォトストーリー作りに挑戦~
展
3 「小さな労働者」を読んで,フォトス
トーリー誕生の経緯をつかもう。
0.5
4 ハインが撮影した写真を解釈して
みよう。
[⑲関連付ける]
5 ハインのフォトストーリーを再現し,
感動的なフォトストーリーについて
考えを深めよう。
[⑲関連付ける]
[⑧共感的・批判的に聞く]
[⑥対話する]
0.5
1
1
本
時
開
(3) ルイス・ハインの言動に着目させな
がら,フォトストーリー誕生の背景を
つかませる。(その特徴や意図)
(4) 本文中の 5 枚の写真について,被
写体・構図・距離を手がかりに写真
の印象を言葉で表現させる。
(5)-1 ハインのメッセージが相手に印
象深く・感動的に伝わるようなフォ
トストーリーを作るよう指示する。
(5)-2 教師が準備した1枚と本文中か
ら選んだ3枚の写真をもとに,起承
転結を意識した作品を作らせる。
(5)-3 各班の作品を相互評価させ,相
手を感動させるフォトストーリーに
必要な観点を発見させる。
・写真の解釈 ・構成 (写真の順序) ・視
点(一人称語り、三人称語り) ・表現技法
(対句、体言止め、倒置法など)
6 久住登山研修のフォトストーリーを
作ろう。
[⑲関連付ける]
2
7 互いの作品を交流し,相互評価を
しよう。
[①説明する]
[⑧共感的・批判的に聞く]
0.5
(6)-1 各自で撮影した写真から3枚,
教師が撮影した写真から1枚を選
ばせる。
(6)-2 前時のポイントを参考にさせ,各
自で1つの作品を作らせる。
(7) フォトストーリー作りの観点を基に,
2班合同で作品を相互評価させる。
イ 写真の要素を意
識して,写真を解釈
している。【ワークシ
ート】
ア 協同して学習を
進め課題を解決し
ている。【観察】
ウ 写真と言葉を組
み合わせることで,
写真の意味を創出
している。【作品】
エ 写真を関連付け
て並べることで,物
語を創出している。
【作品】
8 学習の振り返りをしよう。
展
望
0.5
(8)-1 課題の達成度や学習過程につ
いて振り返らせる。
(8)-2 学習したことをこれからの生活の
場面においてどのように生かして
いけるかを考えさせる。
8 本時の授業
(1) 本時の指導目標
作品の交流を通して,感動を与えるフォトストーリーについての観点をとらえさせる。
(2) 本時の評価規準
ア 友人と協同して学習を進め,課題を解決しようとしている。【学ぶ力】
ウ 写真と言葉の効果的な組み合わせをとらえている。【読むこと】
エ 感動的な物語を創出するために有効な写真の並べ方をとらえている。【読むこと】
(3) 本時に期待する生徒の学び
① 作品のよさについて,自分の言葉で述べたり書いたりしている。
② 友人の発言に対して,共感的・批判的に聞き,賛同したり反論したりしている。
(4) 本時の授業過程(4/7時間)
学習活動と内容
形
過
教師の指導・支援
[言語力の要素]
態
程
導
1 前時までの学習を振り返り,本時
のめあてを確認する。
ア 学習の成果を言
語生活に生かそうと
している。【ワークシ
ート】
評価とその方法
斉 (1) 各班のフォトストーリーを発表し合
い,感動的なフォトストーリーについ
て考えることを確認する。
課題:感動的なフォトストーリーのポイントとは?
入
開
斉 (2) 1時間流れ,発表や話し合いの時
間配分を確かめることで,本時の学習
に見通しを持たせる。
3 各班の発表を聞き,気に入った作 個 (3)-1 各班に,フォトストーリーを作るに
品を決める。
あたって工夫した点を1分以内で
[⑧共感的・批判的に聞く]
発表させる。
斉 (3)-2 各自が感動した作品2つを選び印
を付けさせ,全体で上位5作品を
絞る。
4 感動的なフォトストーリーの観点を 個 (4)-1 5つの作品の中から最も感動的
探る。
な作品を1つ選ばせ,その理由を
明示させる。(3つ)
・写真の解釈 ・構成 (写真の順序) ・視
G (4)-2 司会者を中心に各班で協議さ
点(一人称語り、三人称語り) ・表現技法
せ,最も感動的だった作品を班で
(対句、体言止め、倒置法など)
1つ選ばせる。
[⑲関連付ける] 斉 (4)-3 発表者に,選んだ作品を理由を
[⑧共感的・批判的に聞く]
添えて発表させる。
[⑥対話する]
(4)-4 最も印象に残った(共感・発見)
理由をメモさせる。
展
5 本時の学習を受け,感動的なフォ
トストーリーの観点を捉える。
6 次時の学習の見通しを持つ。
2 本時の学習に見通しを持つ。
展
望
斉 (5) 各班の発表を基に,評価の理由を
観点ごとに整理する。
斉 (6) DL に授業の振り返りを発表させ,
授業のねらいを明確化させるとととも
に学びの成果の自覚化を促す。
ウ 写真と言葉の効果的
な組み合わせをとらえて
いる。【ノート】
エ 感動的な物語を創出
するために有効な写真
の並べ方をとらえてい
る。【ノート】
ア 友人と協同して学習
を進め,課題を解決しよ
うとしている。【観察】
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