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序章 - 佐野市

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序章 - 佐野市
序章
序-1
調査の目的と進め方
調査の目的
佐野市総合計画「中期基本計画」(平成 22~25 年度)では、佐野市のまちづ
くりを推進するにあたり「観光立市の推進」が特に重要かつ先導的な役割を持
つ施策横断的な取り組み(リーディングプロジェクト)として位置づけられ、
平成 22 年 10 月には「佐野市観光立市推進基本計画」が策定されました。
観光立市を推進する上で重要な視点は地域経済の活性化です。宿泊施設や観
光施設、運輸業、飲食店、小売店などの観光関連産業が観光客から直接収入を
得ることが期待されるほか、これらの企業に商品・サービスを提供する企業に
も観光消費の効果は波及していきます。さらに、こうした経済効果に付随して
地元での雇用機会が創出されます。観光振興により地域経済のさらなる活性化
を図るには、観光客数の拡大とともに、こうした観光消費の拡大や地域経済へ
の波及といった視点からの戦略的な政策立案が求められます。
特に、今後は我が国人口が減少傾向をたどることが予想されることから、観
光客数の大幅な増加も見込みにくい状況にあります。したがって、観光政策に
おいても観光客数を増やすことから、観光客の消費を増やす(宿泊を増やす、
飲食を増やす等)、観光客を安定的に獲得する(リピーターを増やす等)、観光
消費を地域経済の活性化に還元する(地産地消を増やす等)といった戦略的な
方法論が必要です。
一方で、地域の有する観光資源や観光関連産業の構造は地域性が強いため、
観光消費の実態や経済効果の波及の仕方も地域によって大きく異なります。し
たがって、観光消費の拡大と地域経済への波及に焦点を当てた戦略的な政策を
立案するためには、それぞれの地域における実態把握が不可欠です。実際に、
著名な観光地を有する多くの市町村において観光の経済効果に関する調査が実
施されています。
本調査では、これまでの観光振興政策およびその実績を礎として、さらなる
佐野市経済の活性化を目指すべく、観光消費が佐野市にもたらす経済効果を把
握するとともに、さらなる経済効果向上のための施策の方向性を探ります。
佐野市観光の経済波及効果調査
1
序-2
調査の進め方
観光消費による経済波及効果の推計手法は、産業連関表を利用したものと、
乗数理論を利用したものに大きく分けられます。一般に、我が国全体や都道府
県レベルの経済効果は産業連関表を利用して推計されますが、市町村レベルで
は産業連関表が整備されていない(一部例外を除く)ことから、乗数理論を利
用して推計を行います。
観光消費による経済波及効果は、
①観光客数 × ②消費単価 × ③域内調達率
によって決定されます。これらのうち、本調査では「観光客アンケート調査」
により②消費単価(お金をいくら使ったか)を、
「事業者調査(アンケート調査およ
びヒアリング調査)」により③域内調達率(市内からどのくらい仕入れているか)を
把握します。
なお、①観光客数(何人来たか)については「栃木県観光客入込数・宿泊数推
定調査結果」
(栃木県産業労働観光部観光交流課)にて公表されている観光客入
込数および宿泊数の活用を原則といたしますが、本調査において実施する観光
客アンケート調査結果を踏まえ、必要な補正処理を行います。
図表
本調査のフロー
佐野市観光客入込数
(必要に応じて補正)
A.観光客アンケート調査
の実施
B.事業者調査の実施
①観光客数
②消費単価
③域内調達率
(1)観光消費額の推計
(3)経済波及効果の分析
(4)報告書の作成
2
(2)域内調達率の推計
序-3
調査の概要
本調査の具体的な手法を以下に整理します。
A.観光客アンケート調査
佐野市外から佐野市を訪れた、観光客をはじめとする来訪客の客層、旅行内
容ならびに消費額を把握するために、アンケート調査を実施しました。
●調査対象者: 全国 20 歳以上 69 歳以下の男女
このうち、平成 23 年 9 月から平成 24 年 8 月までの1年間(以下、過去1年間
とする)に佐野市を訪れた人を対象として本調査(詳細調査)を実施。
(ただし佐野市居住者および通勤・通学者、佐野市通過客を除きます)
●調査手法: インターネット調査
①スクリーニング調査と②本調査の2段階で実施。
①スクリーニング調査
【目的】
過去1年間に佐野市を訪れた来訪客を抽出
【有効回収数】
30,010 票
【調査項目】
過去1年間における佐野市訪問の有無
※観光、出張・業務、知人訪問など、来訪目的は問わない
②本調査
【目的】
スクリーニング調査で抽出された佐野市来訪客を対象として、
佐野市来訪の詳細を尋ねるアンケート調査を実施
【調査項目】
回答者個人属性(性別、年代、居住地(都道府県)など)
過去の佐野市来訪経験回数
過去1年間における佐野市来訪回数
過去1年間の佐野市来訪の実態(来訪1回分について)
・佐野市を訪問した目的(観光、出張・業務、知人訪問など)
・佐野市内の立ち寄り箇所
・佐野市内でお金を使った場所
・佐野市内で使った金額(総額および費目別)
・佐野ブランドの認知度と購入実態
・その他、経済波及効果の推計に必要な費目
【有効回収数】
1,059 票
【調査実施時期】 平成 24 年 9 月 14 日(金)~同年 9 月 19 日(水)
佐野市観光の経済波及効果調査
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B.事業者アンケート調査
佐野市内の事業者を対象として、雇用状況、売上高の内訳、売上原価・営業
経費・人件費の域内調達率(佐野市内、佐野市を除く栃木県内、その他で把握)
事業と観光との関連性、域内調達率を高めていくための課題などについて把握
しました。
●調査対象者:
佐野市内の事業所
●調査方法:
質問紙調査(郵送による配布と回収)
●配布票数:
514箇所
※配布先の事業所は、経済センサスの事業所名簿をもとに、業種別のバランスなど
を考慮して層化・抽出
●回収票数:
137票 (回収率 27%)
●有効票数:
118票 (有効回収率 23%)
( 宿泊業 8 票、飲食業 10 票、運輸業 2 票、
娯楽サービス業など 9 票、小売業 17 票、
土産品製造業 6 票、一般 66 票 )
●調査実施期間: 平成 24 年 10 月下旬から 11 月中旬まで
C.事業者ヒアリング調査
来訪者の実態、事業内容の実態や課題、原材料の調達状況について現場の声
を丁寧に把握し、佐野市内において観光による経済波及効果を高めていくため
の具体的な課題と突破口を把握・整理しました。
●調査対象事業者 (順不同)
【主要集客施設】
・佐野プレミアム・アウトレット
・春日岡山転法輪院惣宗官寺
【域内調達率という観点から注目される組織・施設】
・農業生産法人有限会社佐野観光農園
・一般社団法人佐野市観光協会
・佐野らーめん会
・佐野やつや
・株式会社ホテル一乃館
・道の駅「どまんなかたぬま」
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