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Instructions for use Title スキーの力学的性質に関する研究
Title
Author(s)
Citation
Issue Date
スキーの力学的性質に関する研究(第3報):1982年型スキ
ーの性能
宮島, 寛; 小泉, 章夫
北海道大學農學部 演習林研究報告 = RESEARCH
BULLETINS OF THE COLLEGE EXPERIMENT FORESTS
HOKKAIDO UNIVERSITY, 40(3): 597-626
1983-08
DOI
Doc URL
http://hdl.handle.net/2115/21097
Right
Type
bulletin
Additional
Information
File
Information
40(3)_P597-626.pdf
Instructions for use
Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP
スキーの力学的性質に関する研究
1982年
(
第 3報)
型スキ戸の性能*
宮島
寛柿小泉章夫紳
Studies of Mechanical Properties of Skis
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By
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*andAkioKOlZUMl料
目 次
1
. 緒言…...・ ・
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2
. 供試スキー …
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. 試験方法…...・ ・
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3
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1 寸法,形状の測定…...・ ・
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2 曲げ剛性試験・ ・・
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3
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3 援り剛性試験・ ・・
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4 振動特性試験・ ・・
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3
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5 質量および慣性モーメント試験…...・ ・
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6 曲げ破壊試験・ ・・
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4
. 結果および考察 …
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1 寸法と形状………… ・・
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2 力学的性質・ ・・
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2
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1 曲げ性能 …
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1
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4
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2
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2 採 り性 能 …
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4
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3 振動特性および慣性モーメ γ ト…… ・・
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4
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2
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4 重量........・ ・
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H
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H
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4
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2
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5 曲げ強さ…...・ ・
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4
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3 実走テス ト ・
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・ 6
2
3
言 ・ ・・
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6
2
4
5
. 結
H
文
H
H
H
H
H
H
H
H
H
M
献
・
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・
・
・ ・・
…
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・ ・
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・ 6
25
H
H
H
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H
H
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H
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H
Summary'"・・・・
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"
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2
5
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写 真
*1982年 8月 31日受理 ReceivedAugust31,1982.
林北海道大学農学部木材加工学研究室
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9
8
北海道大学農学部演習林研究報告第 40巻 第 3号
1
. 緒 冒
スキーに要求される力学的性質について,動的,静的なものがいろいろ考えられるが,そ
の基本となるのは曲げおよび摂り性能であることを,本研究の第 1報1) および第 2報2) で述べ,
第 1報ではイタヤ合板スキーについて,ラミナのヤング係数 Eおよびせん断蝉性係数 G を測
定することにより,その完成スキーの曲げおよび摸り性能を予測できることを実験により確認
し,第 2報においては 1
9
6
9年までの市販スキーについて,曲げおよび摸り性能を測定し,用途
別の性能分類を試みた.
スキーは年々その構成材料,形状が変化し,その性能も変化している。今回,北海道スキ
ー工業会の依頼を受けて 1
9
8
2年型の競技用から一般用,初級用スキーにいたる 20台を対象と
して,最近改訂される J
I
Sの基礎となっているおOjDSIの方法によって各種の測定を行い,
さらに実走テストも行ったので,それらの結果について報告する。十数年前のスキーと比較し
て,スキーの力学的性能は大きく変化しているが,これは進歩といえるかどうか判断できず,
また力学的性能の測定結果と実走テスト結果との関連性も明確に見出せないが,この研究の結
果がスキーメーカーならびに使用者の参考となれば幸いである.
本研究を行うに当り,試験用スキーの取り揃えおよび実走テストに当った北海道スキー工
業会の各位,振動特性の測定に協力いただいた北海道立工業試験場工芸部松藤技師,その他各
種測定に協力された当教室上田教官に対し,心からお礼を申し上げる。
Z 供賦スキー
供試スキーは表ー1に示すように, No.1
'
"
'
'
7が競技用の選手専用で,市販されていないも
のである。他は市販品で, N
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.
8
'
"
'
'
1
6が一般用で,中 上級者を対象としたものである。 No.
17-20は初級者用で,長さも他より短い。競技用のうち No.1
,3
,4および 6が大回転用 (RS,
GSL)で,他の No.2,5および 7が回転用 (
S
L
) である。
3
. 賦殿方法
3
.
1 寸法,形状の測定
国際標準化機構の I
SOjDIS5
9
0
1によって測定した。各用語はつぎのとおりである。
スキーの長さに係わる記号(図ー1参照)
l
N
: 滑走面長さ。滑走面に沿ったスキーのテールから先端までの長さ。スキーのサイ
ズ (
c
m
) を表示するのに用いる。
l
p
: 水平(投影)長さ。スキーの本体を平面に圧しつけて,その投影をスキーテールか
ら先端まで測った長さ。
1
8: ショベル長さ。先端のまくれ上り部のスキ一本体を平らな面に圧しつけたときで
(宮島・小泉)
スキーの力学的佐賀に関する研究
嚢 -1
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供試スキー
Table1
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メーカー
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Mizuno
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Swallow
1
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図-1
スキーの長さに係わる記号
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図-2 スキーの帽に係わる記号
Fig.2. 乱伐 r
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.
北海道大学長学部演習林研究報告第 4
0巻 第 3号
6
0
0
きる投影を,接触ゲージ(厚さ O
.5mm)を走らせ滑走面と相交ったところにでき
る接触線からスキー先端までの長さ。
l
c
: 接触長さ。スキーの本体を平面に圧しつけて,両端から O.5mmの接触ゲージを
走らせ滑走面と相交わる場所にできる 2コの接触線聞の距離。
l
r
: テール長さ。スキーの本体を平らな面に圧しつけてえられる投影を,接触ゲージ
ゆ
(
.
O
.
5
m
m
)を後端から走らせて滑走面と相交わる接触線から後端まで
2参照)
スキ一の幅に係わる記号(図b
: スキーの幅。位置は添字で表わす。
b
H : ヒール部(スキーのテール部で幅の最も広いところ)の幅。
bx: ウエスト部(スキーの中央部で幅の最も狭いところ)の幅。
b,
,
: ショルダ一部(スキーのショベル部の滑走面で幅の最も広いところ)の幅。
W: 側方キャンパ。スキーの側面における最大矢高。
m: サイドカ
y
ト長さ。 b
"寸法をとる 2コの位置聞の距離。
H および b
t
: ウエスト指数。側方キャンパとサイドカ
y
ト長さとの比。 t=W/m
V
: サイドテーパ。 V=
(
b
bB)
/
2
yスキーの厚きおよびキャンパ高さに係わる記号(図ー3参照)
S: 滑走面に垂直に測ったスキーの厚さ。
h
: キャンパ高さ。スキーを水平な台上に置いたときのその面とスキーの滑走面との
聞の距離
む: 最大キャンパ高さ。
h
s
: 先端(チ y プ)高さ。スキー本体を平らな面に圧しつけたときの,その面から先端
部上側までの高さ。
hr: テール高さ。スキー本体を平らな面に圧しつけたときのその面からテール下側ま
での高さ。
スキー各部の記号
H: ヒール部
H
C
I
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々
1
x
x
岬
崎
『
。
〈
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司
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図-3 スキーの高さと厚さに係わる記号
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z
スキ{の力学的性質に関する研究 (宮島・小泉)
M: ウエスト部
V: ショルダ一部
B: 最大キャンパ高さのある位置
T: テ ー ル
S: 先端(チップ)
3
.
2 曲げ剛性賦験
中心曲げ剛性試験: 図4に示すように,スキーをテールから 50mmと滑走面長さ
l
N
-230mmの 2点で支え,スパンがん -280mmになるようにして,その中央に集中荷重 Fxを
加え,その直下のたわみルを測定する。
定数
Fx=300N(ニュートン, 3
0
.
6kg)を加え,中心パネ
Cxを求める。
Cx=Fx
I
.
ん
見かけのヤング係数: スキーの材質を均一と仮定し,断面寸法は厚さが荷重点、から両支点
まで直線的に減ずるダフりレテーパービームとしてつぎの式により計算した。
E一
一回~
β~~+~~) ¥
一-LEiln(1+F)-t11ιi
ム
6
o
1
o
s
3 lU'\~ ,1"1 2(1+s
)
2J
ここに, o: 中央たわみ,ん:両支点における材厚の平均値, b
c
:中央部に
o:同材幅の平均値,h
おける材厚,b
c
: 同材幅,b=(bo
+b
c
}
/
2,ん=(bh
官
,
3
)
/
1
2,戸=(hc-ho
}
fh
o
・
前,後 1
/
3部曲げ剛性試験: 前 1
/
3部の場合は図 5に示すように,先端かららの 1
/
3長
1..=IN-280
与A
祖国
¥
単位
mm
図←4 中心パネ定数の求め方
F
ig
.4~ -F
l
e
x
u
r
a
l
-i
i
g
i
d
i
t
yt
e
s
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n
t
e
rl
o
a
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i
n
g
.
ー
ー
1
:
孟8
0
寸「ー
F
単位 :mm
1
-
O
.
8
I
N
図-5 前部バネ定数の求め方
F
i
g
.S
. F
l
e
x
u
r
a
lr
i
g
i
d
i
t
yt
e
s
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o
rt
h
ef
r
o
n
tp
a
r
to
fs
k
i
.
北海道大学食学部演習林研究報告第 4
0巻 第 3号
制路
さの位置を支点にして,先端から 120mmの位置に荷重品=1
5
0N (
1
5
.
3k
g
)を加えて,その位
/
3部パネ定数 Csを求める。
置の変位量んを測札前 1
Cs= F
s
l
f
s
同様に,後 1
/
3部のバネ定数は図-6に示すように FR=I50Nを加えて求める。
CR= FR
!
fR
前,後半郵曲げ剛住民験: 図
ー7に示すように,前記んの 1
/
2をスパンとし,スキーの前,
後半についてそれぞれ荷重むおよびんとして 50N(
5
.
1
k
g
)かけて,たわみんおよび f
訟を
測定し,前,後半部の曲げパネ定数
CA=F
A
ぬ
CB = F BI
f
B
を求め,さらにこれら両値からパランス Bを求める。
単位
mm
1
0
図~
後部パネ定数の求め方
F
i
g
.6
. F
l
e
x
u
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g
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h
er
e
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a
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fs
ki
.
FB
•
、
、
1
4
/2
単位 :mm
国-7 バネ定数パラ
γ スの求め方
F
ig
.7
. Methodo
fmeasuringd
i
f
f
e
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n
c
eo
ft
l
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betweent
h
ef
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n
tandr
e
a
rp
a
r
t
so
fs
ki
.
スキーの力学的性質に関する研究 (宮島・小泉)
銅@
B= C,
J
CB
ショルダー部曲げ剛性抵験
ISO
/D
I
Sによる上記試験方法では支点付近の曲げモーメソ
トが Oに近いので,スキーの回転性能に影響大と思われるテールおよびショルダーに近い部分
の曲げ剛性を測定することができない。このため以下に述べる方法で,ショルダ一部 15cm区
間の曲げ剛性とこの区間の断面一定と仮定した場合の見かけのヤング係数 E
sを求めた。
図8において, A,Bはナイフエッジの支点で, Bはテールより (lA+50mm)の位置であ
る。荷重 W1はスキーを支点上に安定させるためのもので,荷重 W2は 2kgである。
結果を
つぎのように表示した。
ショルダ一部パネ定数
S=MB/OB
(N.m/cm)
ここに,M B:B点の曲げモーメント (N'm)
,O
B
:B点 を 中 心 と す る 15cm区 間 の た わ み で
ある。
見かけのヤング係数 Esは
ru i l,.1- _ 7875 " W一2
E,c =で
一一 ¥MMdx=一一-xτ一
I
O J8
IOB
B
ここに,I:B点における断面 2次モーメントである。
外皮査測定試験: スキーのたわみ曲線および局部的な材質の変化を見るために,供試スキ
ダイヤルゲージ D
ial gage
1/100mm
精度
4
0
0
4
0
0
園-8 ショルダ一部曲げ剛性試験
F
i
g
.8
. F
l
e
x
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i
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k
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.
j
一一一一一
;
N
i罰ふ石さ一
i
f ペVTL
-N
中立軸の移動率(ムル/
t
)
N
t
'
e
j
e寸e,
,
入=ーーァ-、
‘
ε
"
~À=τ-À
乙
図-9 中 立 軸 の 移 動 率
F
i
g
.9
. D
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v
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i
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no
fn
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ro
fs
k
it
h
i
c
k
n
e
s
s
,
制M
北海道大学長学部習演林研究報告第 40巻 第 3号
ーのうちから競技用 7台の各 1本ずつについて,図4に示す両支点からスキーの上下面に 10
cm間隔で,ストレンゲージをはり,外皮歪を測定した。使用したストレンゲージは新興通信
(株)製 S116ペーパーゲージ (16mm)で,シアノアクリレート系接着剤にユトロセルロース系
接着剤を併用した。滑走面側では深さ約1.
3mm(ロシニョールは1.1mm)の溝を切ってゲージ
をはりつけた。
この試験ではlOkg負荷時の歪測定値から,各測定点での中立軸の移動率,曲率,曲げ剛
性,断面内の材質が均一であると仮定した場合の見かけのヤング係数を計算した。中立軸の移
動率は図9に示すように,上下面のストレンゲージによる歪量から中立軸
(N-N)の位置を
求め,さらに,上面から中立軸までの距離 A,その部分のスキーの厚さ tから移動量心 =t/2-A
を求め,心/
tを移動率とした。
曲率は
1εS
p-7
土
工
曲げ剛性は
El=p.M
見かけのヤング係数は
E= p.M/l
によりそれぞれ求めた。ここに, 1は測定位置におけるスキーの断面 2次モーメントである。
3
.
3 擦り剛性試験
図
ー10-12に示す。前半分と後半分の 2つに分けて行う。摸れ角度が 5
0程度になるような
トルク
M子(
N
'
m
)を準静的に加える。ここでは摸りバネ定数を求める。
Cr=笠主
α
ここに αは摸れ角度(度)である。
見かけの明断弾性係数: つぎの式により計算した。
日
ト
u'
ー
Mr (2+r , e
,1
0百 四 百 存 '1
芋
41
,
目
Y
J
ー ‘
単位 :mm
国一1
0 後半分援りバネ定数の求め方
F
i
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.1
0
. T
o
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s
i
nt
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s
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o
rt
h
er
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a
rp
a
r
to
fs
ki
.
λ キーの力学的性質に関する研究
(宮島・小泉)
制5
ここに,Mr:摸りモーメント ,h
o
:前,後部のトルク負荷部の最小厚さ ,h
c
:同最大厚さ .b
:平
5
均材幅,ん =(b崎
,/
12.θ:摂り率 ψ/L=2
r
{
;
/
I
A
'タ:摸り角 (
r
a
d
),r
叫んーん,)/九 C1=192h
o
/
bn
。
3.4 振動特性賦験
ISO/DIS6
2
6
7の規定に準じ,北海道立工業試験場の装置を使用して試験を行った。負荷お
よび除荷にはインストロン型試験機,変位測定および記録には新光電機(株)差動トランスデュ
ーサーならびに共和電業(株)製電磁オッシログラフ RMS-llBを使用した。測定装置の模式
図を図1
3に,記録チャート図の例を図1
4に示す。
この図において ,T
:
泌:振動数が 3
0の時間(秒), T1/2: 半減期(秒), T:周期 T=T
s
o
/
3
0
(
秒
)
,
f: 固有振動数 f=1/T
.
。
5
0
I~
図-11 前半分援りパネ定数の求め方
F
i
g
.1
1
. Torsiont
e
s
tf
o
rt
h
ef
r
o
n
tp
a
r
to
fs
ki
.
MT
図12 援 り ヘ ッ ド
F
i
g
.1
2
. Schematicviewo
fa
p
p
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u
sf
o
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r
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i
o
nt
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s
t
.
図-13 振 動 測 定 装 置
F
i
g
.1
3
. Apparatusf
o
rmeasuringv
i
b
r
a
t
i
o
n
.
北海道大学長学部演習林研究報告第 40巻 第 3号
“~
3
.
o 質量および慣性モーメント民蟻
∞
ISO/DIS6 3の規定に準じて測定した。まず,質量 m (
k
g
)を測定し,その重心部を図ー1
5
に示すように,グランプ器具で締め, 2本の細線(本試験では長さ 1m) でつり下げ,スキーを
T調
l
T抑
fill--
・
。
c
i
"
J
:
図-14 振動記録チャート
F
i
g
.1
4
. Sampleo
fc
h
a
r
tf
o
rr
e
c
o
r
d
i
n
gv
i
b
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t
i
o
n
.
A
図-15 慣性モーメントを求めるための装置
F
i
g
.1
5
. Apparatusf
o
rm
e
a
s
u
r
i
n
g momento
fi
n
e
r
t
i
a
.
スキーの力学的性質に関する研究
“
w
(宮島・小泉)
0
水平方向に 45 ほど回転し手を離して,振動させ,振動が 5サイクル完了するに要する時聞を
測り ,5で除した振動の周期 T(
秒)を求める。重心のまわりの慣性モーメントをつぎの式によ
り求める。
2
1= (
T
/
2
π)2mg (kg'm
)
ここに,m: 質量,g: 重力加速度 (
m
/
s
e
めである。
3
.
6 曲げ破壊賦験
各スキー 1本ずつについておO/DIS6
2
6
5の規定に準じて行った。 図1
6に示すようにス
キーの前部分にスパン 250mmをとり,中央集中荷重による曲げ試験を行うのであるが,この
荷重点の決定をつぎのようにした。すなわち,スキーを前後に移動させながら,摺動ガイドを
用いて, P=10kgの負荷,除荷を繰返し,たわみ o=O.33mmとなるところを荷重点とした。
∞
この方法によれば規定の幽げ剛性 3 N/mm土 3%の精度をクリアできるからである。
この試験には森試験機(株)製 5 トン容量のオルゼン型万能試験機(負荷速度 26.6mm/
分
)
,
新興通信(株)製 2 トン容量ロードセルおよび共和電業(株)製たわみ検出計 LVDT(O-l00mm)
を使用した。
ここでは比例荷重 Pp,変形荷重 P
I
J
,破壊荷重 PB および破壊時のたわみ f
mo.xを測定し
た。ここでは比例限荷重は図-18における荷重 Nーたわみ f曲線から,変形荷重はこの図にお
仁 125
「
下
ー
一
mm
図-16 曲げ破壊試験方法
F
i
g
:1
6
. Methodo
ff
r
a
c
t
u
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et
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s
ti
nb
e
n
d
i
n
g
.
l25
l
す↓
←鋼板 S
teelplate
f千'----"+--硬質ゴム Hardrubber
図-17 荷 重 点
F
ig
.1
7
. L
o
a
d
i
n
gp
o
i
n
t
.
争a
L
争
r
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F
・
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m
n
v
旬ふ
c
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ZA
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n
M
Ild
--lJ1lllL
単位
ω
8
北海道大学長学部演習林研究報告第 4
0巻 第 3号
F-aN
o0.
1
巴:
m
1
.
0
0
.
5
f
図-18 荷量一ーたわみ曲線の典型例と評価の方法
F
i
g
.1
8
. At
y
p
i
c
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o
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e
B
.
e
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t
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o
nc
u
r
v
eandmethodo
f
e
v
a
l
u
a
t
i
n
gi
t
.
けるたわみ量 0.1mmを原点としてこの曲線の直線部に平行に引し、た直線との交点から求め
た。破壊荷重とは破断,はく離,曲りなどを起させるにいたった荷重である。
4
. 結果および考察
4
.
1 寸法と形状
ISOjDIS5
9
0
1によって測定したスキーの寸法を表2に示す。さらにスキーのテールから
5cmの位置を基準に,ここから 10cmおきに測定した幅と厚さを図ー1
9に示す。
幅の変化によってっくり出されるサイドカープは回転性能に影響があると考えられるが,
9に示すようにその形状はスキーによって異なり,それぞれの特徴を持つ。しかし,どのカ
図ー1
ーブが最良であるか,ということは判断できない。厚さの変化もスキーによる特徴があり,中
央部が山形に盛り上っているものと,この部分が平らな台形のものとがある。このスキーの幅
と厚さを前報2) の測定結果と比較するとつぎのようになる。
大回転用のアトミック(メタルス
,厚さ 20.1mmであったものが,
キー)ではウエスト部で幅 70.8mm
今回の試験スキーではそ
れぞれ 6
6.4および 17.7mmと細く,薄くなっている。一方,フィ yシャーのメタルスキーで前
8および 19mmであったが,今回もほぼ同様である。 FRPス
回の 205cmのものがそれぞれ 6
,同厚さ 20--26mmであったが,今回はそれぞれ
キーの場合は前回がウエスト幅 66--73mm
65--68mmおよび 1
8
1
9m mに減じている。
4
.
2 力学的性質
力学的性質の総括を表3に示す。
4
.
2
.
1 曲げ性能
前回の研究ではパネ定数を求めず,中央集中荷重 30kgのときのたわみらを求めたので,
スキーの力学的性質に関する研究
似
国B
(宮島・小泉)
それらと比較のため,今回の試験においても同じたわみも掲げた。前回の試験におけるスキー
の支持点は先端から滑走面に沿って 250mmとテールから同 70mmの位置であった。
これは
今回より前後とも 20mm中心によった位置で支持していたことになり,スパンは 40mm小で
ある。このため同一スキーを今回の方法で試験すればたわみは長さ 205cmのスキーで, 7%程
度増えることになる。
,回転
前回の曲げ剛性試験結果では大回転用スキーで荷重 30kg時のたわみは 43-44mm
用で 46-54mmであったので,今回のスパンに換算すると 46-47および 49-58mm程度とな
る。今回のスキーでは大回転用が 61-68mmで,たわみは 15mm前 後 増 大 し , 曲 げ 剛 性 は
20-25%小さくなっている。回転競技用では 59-67mmで,1Om m程度たわみが増し,曲げ剛
性は 13-17%小となっている。一般用は前回の実測値が5O-58mm,同換算値が 54-62mm
であったのに対し,今回は 62-75mmで,たわみは 8-13mm増加し,
曲げ剛性は 13-17%
の減少である。このように 1
0年余の聞にスキーの曲げ剛性は競技用を含めてかなり大きく減
じている。
一方,
この曲げ剛性試験から求めた見かけのヤング係数 E は前回がメタルスキー 290-
2
400t/cm
,FRPスキー 120-270t
/
c
m2 であったが,今回は両者を合せて競技用 214お5
.一般
2
用 190-270t
/
c
m
であり ,FRPスキーにおける最小値が大きくなったといえる。この見かけの
ヤング係数を全体から求めた値(図 4
) とショルダ一部(図ー8
) と比較すると,一般に後者の値
が小さい。とくにロシニョール FP
,オーリンマーク I
I
I
Sがその傾向が強い。このようにショ
ルダ一部の曲げ剛性を極端に落したものがある。
パネ定数の前・後半部の違いは CB,CA の値にみられるように,一般に少なく ,CA
!
CB の
パランス B はいずれも 1前後である。しかし前・後 1
/
3では差が出ており,いずれも後 1
/
3の
/
3の値より 30-50%程度大である。
パネ定数が前 1
曲げ剛性試験のなかの外皮歪測定試験で述べた方法で,スキーの上・下両面にはったスト
レンゲージによって測定した歪から求めた中立軸の移動率,曲率,曲げ剛性および見かけのヤ
・ング係数のスパン内分布を図-20-23に示す。まず,中立軸の厚さの中心線からの移動率は
図20に示すとおりで, ロシニョール SM,ハガ GSL
,SLはほぼ中心線と中立軸が一致し,上
下面における材料の配置のバランスがよいといえる。アトミックでは中央部に近づくにしたが
い,中立軸の引張側(下面)への移動が認められる。これは中央部上部コア材(プラスチック)の
ヤング係数が同下部材(木材)のそれより大幅に低いためである。ロシニョール FPは極めて特
異な例でソール側にはメタル層がなく,面材においても中央部のみに表面より 5mm内部の位
置にメタル層があり,その両端部ではエッジの剛性により中立軸は引張側に移動し,中央部で
は下面のエッジと上部のメタル層が釣り合って中立軸はほぼ中央にある。複合材としては厚さ
の中心線に対称にヤ γ グ係数の似た材料を配置し,中心線と中立軸をほぼ一致きせるのが好ま
しいと考えられる。
610
北海道大学長学部演習林研究報告第 4
0巻 第 3号
(
I
S
O
/
D
I
Sによる。
表-2 スキーの寸法
mensionso
fs
k
i
s(measuredby
Table2
. Di
スキー名
公称長さ
(
c
m
)
長
滑走面
l
N
水平
l
p
さ
ショ
~ノレ
l
s
接触
l
c
ヒ
テール
距離
ーノレ部
幅
厚さ
キャ
ユ/ノミ
l
r
XH
bH
SH
hH
AtomicARC
'
l
J
}
7
1 2075 初 52
2 笈Y
l
5 忽>52
1
7
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1
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6
5
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F
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1 2(渇畠 '
l
J
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1
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2
4
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7
6
.
1
7
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2
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支点近くよりやや内側で最大曲率を示した。プ.{"シャーは SF
,SCともに両端に近づくにつ
れて曲率が大きくなって行くような弧を画き,ハガ GSもこの型である。ロシユョールは SM
,
FPともにテール付近でやや曲り方が大であるが,ほかは円弧の一部を画いてたわむ。ハガ SL
もこの型である。この曲家の変化は図-22に示す曲げ剛性の分布とも関係ある。中央部の曲げ
剛性は両フィッシャーおよびハガ GSにおいて最も大きく,ついでアトミヅグ,ハガ SLで
,
ロシニョールは両種類とも小さい。両端に向つてのその値の低下の傾向にもスキーによる特色
がみられる。
各測定位置における見かけのヤング係数は図ー23に示すとおりで,アトミ yグは全体にわ
2という大きな値でほぼ一定値である。フィッシャーは両種類ともに両端
たって E =却 Ot/cm
∞
2
2
程度の値である。ハガの 2種類はともに両
部で 3 t/cm
近い値であるが,中央部は 260t/cm
端部の値が若干小であるが,全体的に 260-270t/cm2 のほぼ一定した値を保っている。ロシニ
2
,中央部で 200t/cm
程度であり,同 FPはこれよりさらに値は小で,
ョール SMは両端部 250
全体的に 150-170t/cm2程度の値である。これは外層にメタルを用いていない。ヤング係数が
高い方がよいかどうかは一概にいえないが,中立軸の位置と同様,その値にあまり大きな変化
北 海 道 大 学 長 学 部 演 習 林 研 究 報 告 第 40巻 第 3号
414
表-3
スキーの
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図-20 中 立 軸 の 移 動 率
図-21 曲率のスパン内分布(中央集中荷重 10kg時)
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北 海 道 大 学 長 学 部 演 習 株 研 究 報 告 第 40巻 第 3号
がないものが好ましいといえよう。
4
.
2
.
2 繰り性能
表-3に摸り特性として示すのは前・後 1
/
2部の摸りパネ定数といわれるもので, 1度摸る
のに要するトルク (Nm)で表わされている。前回は中央集中荷重の曲げ試験のスパンを 4分割
r
a
d
/
kgcm'cm)で表わしたので,これを今回の方法による
して,それぞれの区間での摂り率 (
値に換算して比較するとつぎのようになる。
前回摂り剛性が最大であったミズノ・メタル 200cmは前半 5
.
2(Nm/
deg-以下単位省略),
後半 4
.
5で,これは今回のスキーにおいて最大であったロシニョール・ファーストの後半の 3
.
1
0
よりかなり大である。前回の他のメタルスキーは 3
.
3
4
.
8程度で,いずれも今回の調査値より
大きい。また前回の FRPスキーは1.
7-2.6程度で, 今回の競技用スキーより若干摸り剛性は
小であった。前回,摸り剛性が最小であったエアパ
ズノ
γ
ハ FRP195cmは1.1-1.3で,今回のミ
c
x.ハガ SL他初級者用スキーとほぼ同様の値である。このように,摂り剛性も曲げ剛性
同様に 1
0年余で,かなり小さくなった,といえる。また,今回のスキーは摸り剛性において,
競技用>一般用〉初級者用という関係が明確にみられる。
この摸り剛性試験から求めた見かけのせん断弾性係数はロシニョール FPを除く艶技用ス
2
キーの 6台がいずれも大で, 5
2
7
9t
/
c
m
である. ロシニョール FPは曲げ剛性試験で求めた
中立軸の位置が特異であり,見かけのヤング係数も小であったが,このせん断弾性係数も競技
2
用スキーの中で唯一その値が小さく, 36-38t
/c
m
である。一般用スキーのなかではロシニョ
2
ール・ファーストの値が大きし 59-68t/cm
である。 ハガ CTは前・後半部分の差が大きい。
2
初級者用スキーの値はいずれも小さく, 1
0
1
9t/cm
である。前回の測定結果ではメタルスキ
2
2
/
cm
2
2
4t
/
c
m
ーが 45-125t
という極めて広い範囲にあり ,FRPスキーは 1
であった。また
2
合板スキーは 10-15t/cm
で,今回の初級者用スキーの低い方に相当する。このせん断弾性係
2
数は使用材料の構成方法によってきまるもので,メタル(アルミニウム合金,E=720t
/
c
m
,G =
2
7
0
t
/
c
m
)を使用したものの
oが大きい。
以上述べた幽げおよび摂り剛性試験結果から曲げにおける中心パネ定数
数の前・後半部の平均値
Cxと摂りパネ定
(
C
:
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:
r
R
)
/
2の関係を求めると図ー2
4に示すようになる。
この図において,競技用スキーは曲げ剛性,摸り剛性ともに大きし初級者用はその両者
が小さく製作されていることがわかる。また一般用スキーには競技用に近いものから,初級者
用に近いものまで,その性能は広い範囲に分布している。
42
.3
. 領動特性および慣性モーメント
振動特性のうち,半減期ではオーリンおよびオガサカが若干小さい値であるが,他のもの
にはあまり差がない。周期および振動数においても特に大きな差は認められない。
慣性モーメシト試験においてスキーを横方向に回転振動させたときの周期(れ)は競技用
および一般用スキーにおいてほとんど差がないが,初級者用において 10-20%程度小である。
スキーの力学的佐賀に関する研究
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(宮島・小泉)
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図-24 曲げバネ定数と操りパネ定数との関係
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この性能は回転性能に関係すると考えられるが,どの程度が適切であるかは判断できない。慣
性モーメントにおいては明らかに競技用>一般用>初級者用という傾向がみられる。
これらの性能に関しては前回測定していないので,それらの変化はわからない。
4
.
2
.
4重 量
∞
表-3の終りから 3番目の欄に質量として記載されている。前回の調査において 2 -205
cmのスキーでは(重量 k
g
)
f
(
長さ m)は 0.96-1
.
20であったが,今回の 203-205cmのものでは
0.95-1
.0
2で,軽い方はほぼ同じであるが,重いものがなくなり,平均値は若干軽くなって,ほ
ぽ長さ 1 mにつき 1kgと考えてよい。とれは今回の 195cmの一般用スキーについても同様で
8
4kgである。
ある。初級者用はいずれも軽く, 1mにつき 0.76-0.
鎖
国P
北海道大学農学部演習林研究報告第 4
0巻 第 3号
4
.
2
.
6 曲げ強さ
曲げ破壊試験の結果を表4に示す。またこの表における破壊形態の表示は図2
5に示す
とおりである。
これは図1
6に示したように,スキーとして一般的に最も曲げ破壊の起りやすい位置で試
験を行ったものである。試験方法で述べたように,曲げ剛性のほぼ同一位置を選択して,スパ
ン250mmの中央集中荷重により試験を行ったもので,表に記載の各種の荷重ならびに最大た
わみの数字で直接スキーの曲げ破壊試験における性能を評価できる。
まず,比例限荷重
Pp は競技用スキー 7種類およびロシニョール・ファーストが大きく,
360kg以上である。これにつぐのが一般用のオガサカ,ハガ・カンパネラ、同 CTおよび SLで
ある。とくに低いのがオーリンとカザマであるが,これらはともに 2次 の 比 例 域 が 長 七 最 初
の比例限荷重を記載したため,このような数値となった。変形荷重 FD (図1
8参照)は初級者用
表-4 スキーの曲げ破嬢試験結果
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長い 2次比例域
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スキーの力学的性質に関する研究
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D2型破壊を伴うコアー材
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併f!!JJの勇断破壊(ロシニョール型)
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スキーには数値の小さいものがあるが,競技用と一般用にはあまり大きな差はみられない。破
壊荷重 FB はハガ SLが最大で, 880kg
,ついでカザマ 830kg
,ヤマハ 790kgで,一般用に競技
用より大きいものがあった。現在,競技用は競技ごとに新品に代えるという消耗品として扱わ
れているので,曲げ破壊強きをほとんど問題にしていないと思われる。最小はオガワ・プレシデ
2
,
9
3
7kg/cm
ントの 475kgであるが,スパン中央部の断面にもとづき曲げ強さを求めると 1
と
2
,
8
5
0kg/cm
とい
なり,無欠点木材の 3倍近い値である。また最大値を示したハガ SLでは 4
,メタル,スチールエッジ (
1本もののみ).などがこの強さ
う非常に大きな値で,滑走面の FRP
に大きく影響している。本試験の場合,カットエッジを用いているのはオーリン,オガサカお
よびヤマハの 3種類であるが,これらはすべて破壊荷重が大きく, 740~790kg であった。これ
により引張り強さのすぐれた材料を滑走面側に使用していることがわかる。
破壊までのたわみ量んu の大きなものが粘りがあるといえる。その最も大きなものはロ
シニョール・ファースト, ハガ SLの 2種で 38mm
,これらにつぐのがヤマハ,
SM
,オガサカ,アトミ
7
ロシニョール
ク,カザマおよびオーリンで, 32~35mm であった。この値の小さか
6
2
2
北海道大学長学部演習林研究報告
第4
0著
書
第 3号
ったのがロシニョール FP,ハガ・コンペ GS,同カンパネラで 16~19mm であった。
破壊形態にはコア材の性能がよく表われている。国2
5に示す Cl型および C2型は上面
の表面材とコア材との接着力が面材の座屈を防止できなかったもので,破壊後の形状はあまり
気にならない。破壊荷重は 475~570kg で,小~中の範囲にあり,外層がメタル,コアが木材の
ものに多い。 Tl型は滑走函の引張り強きが優れているもので,曲げモーメントにより面材よ
り先にコア材が破壊する形態である。この型の破壊をしたものの強さは比較的大で,中 やや
大きい方に入っている。 T2型は滑走面の材料とコア材の両者とも引張り強さが強くないもの
を使用したものに生ずる破壊形態で,エ
y
ジが切断すると同時に上面の材料のみを残して完全
に破壊する。フォームコアのインジェグショ
∞kg以上
γ方式のものにみられる。破壊荷重 7
の強度の大であったスキーはいずれも Cl+Tl型または S+C2型の複合型の破壊をした。
外層にメタル,コアにプラスチ
y
グを用いたスキーはいずれも S+C2型で,コアのせん断破壊
によった。急激に大きな破損を生ずるものがあり,破壊後の形状は惨憎たるものである。これ
に対し,外層にメタル,コアに木材を使用したハガの 2種類は接着層の剥離を伴う表面メタル
の座屈による破壊で, C2型であった。同様の構成であるフィ
y
シャー 2種類は Tl型の粘り
表-5 実 走 テ ス ト
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安 定 性 {8
. 安定感はあったか?
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. 横滑りはしやすいか?
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. 先がキョロキョロするか?
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スライド性
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5
. エ y ジはよく効くか?
品
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. 軽く振り廻わせるか?
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. 狙いどおりの方向に正確に図れるか?
操作性
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. 回転はしやすいか?
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. 回転後半の弧の鯵持はできるか?
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項 目
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スキーの力学的性質に関する研究 (宮島・小泉)
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4
.
3 実走テスト
7台について表面を塗装し スキー名
20台の供試スキーのうち, 初級者用の 3台を除く 1
を見えないように Lて
, 26名の指導員以上の技術をもっスキーヤーに 1台につき約 1
0名前後
の実走テストをしてもらい,表-5に示すような項目で最高点 5から最低点 1までの実感テスト
をしてもらった。その評価の個人差が大きく,またスキー表面を塗装してもスキー名が分ると
いうこともあって, これらの評価に対する判断は非常にむずかしい。各スキーヤーによる評価
のスキーごとの平均僚を表ー5に掲げた。
これらの数値を総括していえることは,評価は初級者用が最も低く, ついで一般用,競技
用と高くなり,競技用のなかでは輸入スキーへ評価がさらに高いということである。例えばロ
シニョール FPは力学的性能からいえば, その材料構成が特異なため中立軸の移動が全く特異
で
, また見かけのヤング係数が他より小で, かつ曲げ破壊試験では粘りがなく,強度も低かっ
たが, スキーヤーの評価は非常に高い。 このようにスキーの力学的性質とスキーヤーの評価と
の聞の関係は全く分らない。
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北海道大学長学部演習林研究報告第 4
0巻 第 3号
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. 結 言
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2年型の競技用(非市販品)7台,一般用 9台および初級者用 4台の合計 20台のスキー
について,国際標準化機構の試験規格により,形状および非破壊試験による力学的性質の測定
を行い,さらに実走テストの後,曲げ破壊試験を行った。
これらの結果のうち,前報の結果と比較できるものを中心にまとめると,つぎのように
なる。
1
) メタルスキーにおいては前回の場合とスキーの寸法があまり変らないものがあるが,
一般に細く,薄くなっている。すなわち,ウエストでの幅は 66~73mm が 65~68mm に,厚
さは 20~26mm が 18~19mm に減じている。
2
) 中央集中荷重による 30kg負荷時のたわみを今回のスパンに換算して比較すると,前
回の大回転用 46~47mm,回転用 49~58mm が,今回はそれぞれ 61~68 および 59~67mm と
なり,たわみは 10~15mm 増し,曲げ剛性は 13~25% 低下している。一般用スキーは 54~62
mm が 62~75mm となり, 8~13mm の増加で,曲げ剛伎は 13~17% の減少である。
3
) 摸り剛性も 1
0年余でかなり小さくなった。
4
) 曲げ剛性と摸り剛性の両方についてみると,それらはともに競技用が最も大で,つい
で一般用,初級用という順になり,それらの数値は前回の値より減じているが,傾向は同じで
ある。
5
) 見かけのヤング係数およびせん断弾性係数は競技用および一般用スキーにおいて前回
より大きくなっている。
6
)
中央集中荷重の曲げ試験における中立軸の位置に関し, ロシニョール
FPは非常に特
異であった。これは材料構成に起因するものである。
7
) スキーの重量に関しては前回のものの軽い方に近づいたという感じで,とくに重いも
のがなくなった。
8
) 曲げ破竣試験においては構成材料と接着剤の性能がよく現われた。外層がメタルか良
質の
FRPで,コアが木材で,かつ接着が充分な場合には粘りがあり,強度高く,破壊形態もは
げしくなかった。これに対し,コアにプラスチックを使用したものは,コアにおいてせん断破
壊が大きく生じた。また,コアに注入プラスチック方式を用い,滑走面の材料があまり良質で
ない場合はエッジの切断とともに,上面材のみを残 L,完全な引張り破壊をした。
9
) 実走テストの結果は初級者用,一般用,競技用の順で評価は高くなった。また競技用
の中では輸入スキーの評価が高かった。しかし,スキーの力学的性質との関係は明らかでない。
スキーの力学的性質に関する研究
(宮島・小泉)
6
2
5
文 献
1
) 沢田
稔・宮島
寛・上回恒司・悔田佳一: スキーの力学的性質に関する研究(第 1報),イタヤ合板
スキ{の力学的性質. 北大演報, 2
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伺.
2
) 沢田
稔・宮島
演報,
寛 ・ 上 田 恒 司 ・ 工 藤 修 : 同上(第 2報),市販スキーの曲げおよび操り性能. 北大
2
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北 海 道 大 学 食 学 部 演 習 林 研 究 報 告 第 40巻 第 3号
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