Comments
Description
Transcript
経済産業省 平成25年7月 近畿経済産業局 エネルギー対策課
経済産業省 資源エネルギー庁 地球環境関西ファーラム 本日のあらまし 1.固定価格買取制度について 2.調達価格・調達期間 3.特定契約・接続契約 4.賦課金 5.認定状況等 6.再生可能エネルギーの課題について 7.導入支援策について 平成25年7月 近畿経済産業局 エネルギー対策課 0 2013年度夏季の電力需給について 2010年度夏季並みの猛暑となるリスクや直近の経済成長の伸び、企業や家庭における節電の定着などを織 り込んだ上で、何れの電力管内でも安定供給に最低限必要とされる予備率3%以上を確保できる見通し。 9電力管内において、大規模な電源脱落等が発生した場合には、電力需給がひっ迫する可能性もあり、引き続 き予断を許さない状況。 ○8月 現在定着している節電の取組が、国民生活や経済活動等への影響を極力回避した無理のない形で、確実に行 われるよう節電を要請する。具体的な数値目標は設けないが、電力管内ごとに見込んでいる節電値を目安とし て示し、節電を促す。需給見通し上見込んでいる各電力管内の定着節電値を目安として示す。 大規模な電源脱落等により、万が一、電力需給がひっ迫する場合への備えとして、需給両面での対策を講じる 1 2 日本の電力に占める再生可能エネルギーの位置づけ 発電コストは太陽光で約40円、その他の再生可能エネルギーでも約20円。 普及のためにはコスト問題が課題、市場原理を補うような強力な仕組みが必要。 → 固定価格買取制度(FIT)の導入へ。 【主要な電源間でのコスト比較】 3 固定価格買取制度の基本的な仕組み 「固定価格買取制度」では、最初に適用された価格(固定価格)のまま、一定期間、再エ ネ電力を販売することができます。発電事業に必要となる費用の大半は、発電所の建設コ ストが占めますが、当初にかかる多額の建設コストを、長期にわたって安定的に回収でき るよう保証することで、思い切った再エネ発電投資を広げるのが狙いです。 ただし、技術進歩や市場競争による価格低下などにより、発電所の建設コストは変化して いきます。このため、新たに参入する発電事業者に適用される調達価格については、毎年 度、見直しが行われます。 24FY 24年度参入者 25年度参入者 26年度参入者 ・ ・ ・ 25FY 26FY ・・・・・・ 42円*20年 建 設 コ ス ト かかったコストを20年で回収(+適正利潤) 適用される調達価格の見直し 37.8円*20年 建 設 コ ス ト かかったコストを20年で回収(+適正利潤) 適用される調達価格の見直し 建 設 コ ス ト ●●円*20年 かかったコストを20年で回収(+適正利潤) ・ ・ ・ 固定価格買取制度の基本的な仕組み 電力会社は、再生可能エネルギーで発電を行う事業者から、電力を供給したいとの申込みがあった場合 には、必ず応じなければなりません。その際、政府が定めた調達価格・調達期間での買い取りを義務づ ける法律であることから、「固定価格買取制度」と呼ばれます。 本制度では、政府による買取価格・期間の決定方法、買取義務の対象となる設備の認定、買取費用に関 する賦課金の徴収・調整、電力会社による契約・接続拒否事由などを、併せて規定しています。 再生可能エネルギー による発電事業者 他の電気と併せて 再エネ電気を供給 再生可能エネルギー による電気を供給 電力会社 固定期間、固定価格 で買取代金を支払い 買取費用 の交付 回収した 賦課金を納付 電気料金と合わせて 賦課金(サーチャー ジ)を回収 費用負担調整機関 (賦課金の回収・分配を行う中立的機関) 調達価格等算定委員会の 意見を尊重して買取価格・ 買取期間を設定(毎年度) 自宅で発電される方 電気をご利用 の皆様 kWh当たりの賦課金 単価を決定(毎年度) 経済産業大臣 ・設備を認定 (安定的かつ効率的に発電可能かど うか等を国が確認。要件を満たさなく なった場合には認定取消し。) 買取価格・買取期間について意見 調達価格等算定委員会 国 5 6 調達価格と調達期間の定め方 ○再生可能エネルギー源の種別、設置形態、規模に応じて、関係大臣(農水大臣、国交大臣、環境大臣、消費者担当大臣)に協議し た上で、中立的な第三者委員会(委員は国会の同意を得た上で任命)の意見に基づき経済産業大臣が告示します。 ○集中的な再生可能エネルギーの利用の拡大を図るため、法の施行後3年間は、買取価格を定めるに当たり、再生可能エネルギー 電気の供給者の利潤に特に配慮することとしています。 国会 報告 同意 任命 第三者委員会 経済産業大臣 (調達価格等算定委員会) 公開の場で買取価格、買取期間を審議 国民の皆様 買取価格買取期間 以下の点を考慮して決めます。 買取価格:通常必要となる発電コスト、再生可能エネルギー電気の供給者が受 けるべき適正な利潤等 買取期間:再生可能エネルギーの発電設備が設置されてから設備の更新が必 要になるまでの標準的な期間 ※集中的な再生可能エネルギーの利用の拡大を図るため、法の施行後3年間は、 買取価格を定めるに当たり、再生可能エネルギー電気の供給者の利潤に特に配 慮することとしています。 買取価格 買取期間 意見 (再生可能エネル ギー源別、設置形 態、規模等ごと) ※毎年度告示を行う (特段の事情ある場合 は半期ごと) ※賦課金が過重なも のにならぬよう配慮 農林水産大臣 国土交通大臣 環境大臣 消費者担当大臣 協議・意見聴取 告示 7 調達価格等算定委員会の開催状況(平成24年) 調達価格等算定委員会: 特措法第31条に基づき設置される委員会。委員は5名で両議院の同意が必要とされている。 <調達価格等算定委員会委員> (http://www.meti.go.jp/committee/gizi_0000015.html) ◎植田和弘京都大学大学院経済学研究科教授 辰巳菊子公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会理事・環境委員長 山内弘隆一橋大学大学院商学研究科教授 山地憲治公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)理事・研究所長 和田武 日本環境学会会長 第1回平成24年3月6日(火)12:30~14:30 ・運営規程及び会議の公開について ・再生可能エネルギー特措法の概要と調達価格等 算定委員会の検討事項 ・欧州の固定価格買取制度について ・我が国における再生可能エネルギーの現状 第2回平成24年3月15日(木)7:00~9:00 ・コスト等検証委員会の報告書の紹介 ・買取価格・買取期間に関する論点 第3回平成24年3月19日(月)13:00~15:30 ・ヒアリング① (社)太陽光発電協会 日本地熱開発企業協議会 ソフトバンク(株) 日本商工会議所 (社)日本風力発電協会 (社)日本経済団体連合会 日本小形風力発電協会 第4回平成24年4月3日(火)13:00~16:00 ・ヒアリング② 公営電気事業経営者会議日本製紙連合会、 全国小水力利用推進協議会、日本繊維板工業会、 グリーンサーマル(株)、電気事業連合会、水ing(株)、 東京23区清掃一部事務組合、日本製紙連合会、 バイオガス事業推進協議会、みずほ情報総研 第5回平成24年4月11日(水)10:00~12:00 ・ヒアリングの結果について ・住宅用太陽光発電の買取方法について 第6回平成24年4月25日(水)10:00~12:00 ・調達価格等算定委員会意見書作成の合意事項 ・特に議論が必要な論点 ・回避可能費用について ・バイオマス発電について(農水省、国交省より説明) 第7回平成24年4月27日(金)13:00~14:30 ・調達価格等算定委員会意見書(案) / ・2012年度のサーチャージ額の試算 8 8 平成24年度新規参入者に適用される調達価格・調達期間 電源 太陽光 調達区分 10kW以上 風力 10kW未満 20kW未 満 1.5万kW 以上 1.5万k W未満 1,000kW以上 30,000kW未 満 200kW 以上 1,000kW未満 200kW未 満 建設費 32.5万円/kW 46.6万円/kW 30万円/kW 125万円 /kW 79万円/kW 123万円 /kW 85万円/kW 80万円/kW 100万円/kW 運転維持費 10千円/kW 4.7千円/kW 6.0千円/kW - 33千円/kW 48千円 /kW 9.5千円/kW 69千円/kW 75千円/kW 税前6% 税前3.2% 税前8% 税前1.8% 税込 42.00円 42.00円 23.10円 57.75 円 27.30円 42.00 円 25.20円 30.45円 35.70 円 税抜 40円 42円 22円 55円 26円 40円 24円 29円 34円 20年 10年 20年 20年 15年 15年 (1年当たり) IRR 調達 価格 1kWh 当たり 調達期間 電源 税前13%(*2) 税前7% 税前7% 20年 バイオマス バイオマスの種類 費 用 中小水力 20kW以上 (余剰買取) 費 用 地熱 ガス化(下 水汚泥) ガス化 (家畜糞 尿) 固形燃料燃焼(未利 用木材) 固形燃料燃焼(一 般木材) 固形燃料燃 焼(一般廃棄 物) 固形燃料燃 焼(下水汚 泥) 固形燃料燃焼(リ サイクル木材) 建設費 392万円/kW 41万円/kW 41万円/kW 31万円/kW 35万円/kW 運転維持費 (1年当たり) 184千円/kW 27千円/kW 27千円/kW 22千円/kW 27千円/kW 税前1% 税前8% 税前4% 税前4% 税前4% 調達 区分 【メタン発酵ガス化バ イオマス】 【未利用木材】 【一般木材(含 パーム椰子殻)】 【廃棄物系(木質以外) バイオマス】 【リサイクル 木材】 税込 40.95円 33.60円 25.20円 17.85円 13.65円 税抜 39円 32円 24円 17円 13円 IRR 調達価格 1kWh当た り 調達期間 20年 調達価格等算定委員会の開催状況(平成25年) 調達価格等算定委員会: 特措法第31条に基づき設置される委員会。委員は5名で両議院の同意が必要とされている。 <調達価格等算定委員会委員> ◎植田和弘 京都大学大学院経済学研究科教授 辰巳菊子 公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会理事・環境委員長 山内弘隆 一橋大学大学院商学研究科教授 山地憲治 公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)理事・研究所長 和田武 日本環境学会会長 第8回平成25年1月21日(月) ・平成25年度調達価格検討用基礎資料 第9回平成25年2月19日(火) ・前回の指摘事項について 第10回平成25年3月6日(水) ・前回の指摘事項について 第11回平成25年3月11日(月) ・前回の指摘事項について ・平成25年度調達価格及び調達期間に関する意見(案) ・平成25年度調達価格及び調達期間についての委員長案 10 平成25年度調達価格及び調達期間についての調達価格等算定委員会案 ①太陽光発電(10kW未満): 平成24年度調達価格 調達価格 42円/kWh 平成25年度調達価格(案) 38円/kWh 42.7万円/kW (平成24年10~12月期の新築設置平 均) 国 :2.0万円/kW 地方 :3.4万円/kW システム単価 46.6万円/kW (平成24年1~3月期の新築設置平均) 補助金 国 :3.5万円/kW 地方:3.8万円/kW 修繕費 諸費 建設費の1%/年 今年度の前提を据え置き IRR 3.2% 今年度の前提を据え置き 調達期間 10年 資本費 運転維持費 10年 ②太陽光発電(10kW以上): 平成24年度調達価格 調達価格 資本費 運転維持費 IRR 調達期間 システム単価 土地造成費 土地賃借料 修繕費 諸費 一般管理費 人件費 平成25年度調達価格(案) 40円/kWh(税抜) 42円/kWh(税込) 36円/kWh(税抜) 37.8円/kWh(税込) 32.5 万円/kW 0.15 万円/kW 年間150円/㎡ 28.0 万円/kW 今年度の前提を据え置き 今年度の前提を据え置き 建設費の1.6%/年 今年度の前提を据え置き 修繕費・諸費の14%/年 300万円/年 6.0% 今年度の前提を据え置き 今年度の前提を据え置き 今年度の前提を据え置き 20年 20年 ③太陽光発電以外(風力、地熱、中小水力、バイオマス):平成24年度調達価格及び調達期間をそのまま据え置き 平成25年度新規参入者に適用される調達価格・調達期間 電源 太陽光 調達区分 10kW以上 風力 10kW未満 20kW未 満 1.5万kW 以上 1.5万k W未満 1,000kW以上 30,000kW未 満 200kW 以上 1,000kW未満 200kW未 満 建設費 28万円/kW 42.7万円/kW 30万円/kW 125万円 /kW 79万円/kW 123万円 /kW 85万円/kW 80万円/kW 100万円/kW 運転維持費 10千円/kW 4.7千円/kW 6.0千円/kW - 33千円/kW 48千円 /kW 9.5千円/kW 69千円/kW 75千円/kW 税前6% 税前3.2% 税前8% 税前1.8% 税込 37.80円 38.00円 23.10円 57.75 円 27.30円 42.00 円 25.20円 30.45円 35.70 円 税抜 36円 38円 22円 55円 26円 40円 24円 29円 34円 20年 10年 20年 20年 15年 15年 (1年当たり) IRR 調達 価格 1kWh 当たり 調達期間 電源 税前13%(*2) 税前7% 税前7% 20年 バイオマス バイオマスの種類 費 用 中小水力 20kW以上 (余剰買取) 費 用 地熱 ガス化(下 水汚泥) ガス化 (家畜糞 尿) 固形燃料燃焼(未利 用木材) 固形燃料燃焼(一 般木材) 固形燃料燃 焼(一般廃棄 物) 固形燃料燃 焼(下水汚 泥) 固形燃料燃焼(リ サイクル木材) 建設費 392万円/kW 41万円/kW 41万円/kW 31万円/kW 35万円/kW 運転維持費 (1年当たり) 184千円/kW 27千円/kW 27千円/kW 22千円/kW 27千円/kW 税前1% 税前8% 税前4% 税前4% 税前4% 調達 区分 【メタン発酵ガス化バ イオマス】 【未利用木材】 【一般木材(含 パーム椰子殻)】 【廃棄物系(木質以外) バイオマス】 【リサイクル 木材】 税込 40.95円 33.60円 25.20円 17.85円 13.65円 税抜 39円 32円 24円 17円 13円 IRR 調達価格 1kWh当た り 調達期間 20年 13 再生可能エネルギー発電設備を設置するまでの流れ • 発電事業の開始に当たっては、経済産業省が設備認定を、電力会社が接続可能性を、それぞれ 並行して審査・検討。通常は、設備認定の方が、アクセス検討より早く終了する。 • 適用される買取価格は、設備認定を経て、電力会社に正式に接続契約を申し込んだ時点で確定。 他方、接続の可否は、正式な接続契約の申込みを受けて、最終的に判断。 設 備 と し て の 適 格 性 審 査 事 業 計 画 立 案 原則 1か月 (バイオマスは 2か月) 【無料】 接電 続力 の会 簡社 易に 検よ 討る 原則 1か月 【無料】 正電 式力 ア会 ク社 セに スよ 検る 討 原則 3か月以内 【21万円】 ア電 ク力 セ会 ス社 検に 討よ 結る 果 接 続 契電 約力 の 申会 込社 みへ (の ※ 接 続 可 能 性 の 審 査 設経 備済 認産 定業 申省 請へ の 買取価格 決定 経 済 設産 備業 認省 定に よ る ) 特 定 契 約 ・ 接 続 契 約 締 結 完 成 ・ 電 力 供 給 開 始 接続拒否 省略可 ※)アクセス検討の結果前に、接続契約申込みを受け付ける場合がある 接続に関するルール 固定価格買取制度では、電気の供給に支障が生じることが合理的に見込まれる場合、電力会社 は、接続を拒否することが出来る旨、規定している。 ただし、拒否する際には、必ず合理的根拠を示した書面を提示し、接続ポイントでの容量不足に係 る拒絶については、必ず代案を提示するか、代案の提示自体が困難な場合はその理由を書面を もって説明するよう定められている。 <参考条文> 再生可能エネルギー特措法5条1項 「 電気事業者は、(中略)認定発電設備と当該電気事業者がその事業の用に供する(中略) 電気工作物とを電気的に接続することを求められたときは、次に掲げる場合を除き、当該接 続を拒んではならない。 一 当該特定供給者が当該接続に必要な費用であって経済産業省令で定めるものを負担 しないとき。 二 当該電気事業者による電気の円滑な供給の確保に支障が生ずるおそれがあるとき。 三 前二号に掲げる場合のほか、経済産業省令で定める正当な理由があるとき。」 再生可能エネルギー特措法施行規則6条5号 → 接続ポイント近辺での容量不足に係る拒絶に関し、 合理的根拠を示した書面提示義務と代案提示義務を規定。 再生可能エネルギー特措法施行規則6条6号 → エリア全体としての調整力不足に係る拒絶に関し、 合理的根拠を示した書面提示義務を規定。 接続拒否が発生する主なケース 接続拒否が発生しうるケースとしては、以下の二つに大別される。 ただし、状況は、個別案件ごとの立地条件等によって異なるため、接続拒否事由に該当するかど うかは、一件、一件、丁寧にその理由を精査していくことが必要。 マクロの問題 短期の周波数 調整力不足 下げ代不足 ミクロの問題 適正電圧超過、 逆潮流問題 熱容量超過 電力会社のエリア全体の調整力不足 → 現状、北海道地域のみ。エリア全体としての調整力増強が必要 太陽光や風力は日照や風況によって分単位で出力が変動。この変動を相 殺・吸収できる火力や水力の能力以上に太陽光・風力が接続されると、 管内全体の需給・周波数が乱れ、エリア全体の停電に繋がる。 昼間に、太陽光発電を大量に受け入れるため火力の出力を下げすぎると、 電力需要がピークを迎える(北海道の場合)夕刻以降に、火力の出力が 100%元には戻らず、エリア全体の電力が供給不足に陥る。 接続ポイント近辺の容量不足 → 全国の太陽光集中エリアで発生。接続ポイントの変更が必要 太陽光からの逆流電力が一定以上になると、配電に必要な電圧差が確保 できず、一般家庭等への電力の供給に支障が生じる。また、配電用変電 所から系統側への意図せぬ逆潮流が発生し、事故につながる恐れがある。 送配電線や変電所の変圧器が受け入れられる電力が一定以上になると、 変圧器が需要可能な熱容量を超過し、系統全体の機能が喪失する。 【参考】短期の周波数調整力とは エリア内全体の需給バランスが崩れると、周波数が変動。この変動が急激な場合、発電所の発 電機も回転数の急変動を察知し急停止する、ビルの明かりが明滅を始めるなど、電力供給に支 障が生じる(このため、規定上、周波数変動は、50±0.3Hzに収まるように制限)。 太陽光や風力は、日照や風況により分単位で出力が大きく変動。エリア全体の平滑化効果を計 算しても、なお残る出力変動分については、出力が微修正できる水力・火力の助けを借りて相殺 し、周波数変動の抑えられた安定した電気にすることが不可欠。 需 要 低 下 供 給 需 要 上 昇 周波数が急変動すると、 回転数が急変し発電機は停止 (ほぼ全ての発電機は、分当たり 3,000回転(50Hzの場合)) 分単位で出力調整ができる天然ガス 火力や水力(可変速)の助けを借り て、きめ細かく変動を相殺。安定し た電力に。この調整力のある電源を、 LFC:Load Frequency Control という。 周波数 分太 単陽 位光 でや 出風 力力 変は 動 天候により 4割前後変 動 系統全体で“ならし効果” 数%の変動に収束 天候により 4割前後変 動 天候により 4割前後変 動 17 【参考】 下げ代不足 火力発電は、大幅に出力を引き下げると、すぐにはフル出力に戻れない特性がある。このため、低 需要日の昼間に、大量の太陽光発電を無理に受け入れると、需要がピークを迎える夕方以降、火 力の出力が回復しきらず、電力供給不足に陥る可能性がある。 火力の出力を下げすぎに陥らない(「下げ代」を超過しない)よう、太陽光発電の側に出力抑制を要 請することもできるが、現行制度では、電力会社による出力抑制の濫発を回避するため、補償無く 出力抑制を行える日数を、省令上、年間30日までに制限している。 【需要が高い日】 太陽光が火力の出力を押し下げても 夕方、火力と揚水で需要をカバー。 【需要の低い日】 太陽光が火力の出力を押し下げた結果、 夕方、火力の出力が十分に戻らず 火力と揚水で需要をカバーできず。 火力の出力が戻ら ず供給不足に 揚水 太陽光 揚水 火力 水力(可変速) 水力(固定速)・地熱・原子力 揚水 太陽光 揚水 火力 水力(可変速) 水力(固定速)・地熱・原子力 18 【参考】 適正電圧超過・逆潮流問題、熱容量の超過問題 • 配電用変電所から一般家庭に電気を届けるためには、一定の電圧の差を保持する必要がある。 他方、配電用の電線の逆側から、太陽光発電が電流を逆流(:逆潮流)させると、電圧が上昇し、 その上昇幅が一定限度を超えると、一般家庭に電気を届けられなくなる。また、配電用変電所か ら系統側への意図せぬ逆潮流が発生し、事故につながる恐れがある。 • 変電所や電線の変圧器などは、一定の熱容量を超えると故障する恐れがある。太陽光発電の電 流の逆潮流により、設計仕様以上の過電流が流れると、熱容量が不足し、関係する配電系統全 体にわたって停電などの支障が生じる恐れがある。 適性電圧確保のイメージ 19 各課題への対応策 類型毎に以下のような対応策を展開。個別にきめ細かな対応を展開。 他方、国民負担への配慮も必要なため、発電事業者の方々には、並行して、対策コストが 少なくて済む、他地域での立地検討を依頼。 現状 短期の 周波数 調整力 不足 対応策 国が約200億円の予算を手当てし、電力会社の変電 北海道地域では、2,000kW 所に、出力変動を吸収できる大型蓄電池の設置・技術 を超える超大型の太陽光発電 実証を実施(1割程度受入可能量が拡大する見込み)。 が生み出す出力変動について、 発電事業者側で出力変動を吸収できるような要件を満 対応する調整力が不足。 たす蓄電池を設置すれば、接続可能。 2,000kW以下の平均的規模 地域間連系線の増強、広域連携の充実を検討。 のメガソーラーは、問題なし。 北海道地域では、500kWを 超える大型の太陽光発電につ いて、下げ代が不足 北海道地域に限定した措置として、30日を超えて出 力抑制が可能なようにルールを改正。これにより、下 げ代不足を理由とした接続拒否は解消。 発電事業者側の予測可能性を担保するため、出力抑制 予測及び実績の公表を、新たに義務づけ。 地域間連系線の増強、広域連携の充実を検討。 適正電 圧超過、 全国で、300を超える配電用 変電所において、発生。 逆潮流 問題 新たに、配電用変電所から系統側への逆潮流を認める 規制緩和を近々実施。追加的な設備投資は必要となる が、本措置により、問題の8割方は解消。 他の接続ポイントで連系すれば、引き続き接続可能。 全国の、主として2000kW 以上を連系する送電用の系統 で、事例が散見。 発電所側で系統に流す電流量を制御するか、電力会社 側設備での変圧器の増設、送配電線の増強・張り替え ることなどにより、対応可能。 他の接続ポイントで連系すれば、引き続き接続可能。 下げ代 不足 熱容量 不足 特定契約・接続契約に関するモデル契約書の公表 再生可能エネルギーを利用した発電事業を行う事業者が、 電気事業者と特定契約・接続契約を締結する際の モデル契約書を作成し、2012年9月26日に公表しました。 (モデル契約書の解説を2013年6月14日に公表) 本モデル契約書はあくまで特定契約・接続契約に関する 1つのモデルを提示しているものであり、 本モデル契約書を下敷きにしつつ、法律の規定や趣旨に 反しない限り、電源種別や発電設備の規模や個別の事案に 応じ、適宜条項の加除修正を行っていただいた上で 利用することを妨げるものではありません。 なお、本モデル契約書は、以下のような場合を念頭において 作成しています。 (1)特定契約と接続契約の相手方が同一の電気事業者(= 一般電気事業者又は特定電気事業者) (2)設備認定を受けた500kW以上の太陽光及び風力発電 設備を利用 (3)設備認定を受けた発電設備の建設着工前に特定契約 及び接続契約を締結 (4)発電事業を行うにあたり、金融機関等からの資金調達 を実施 ※ ホームページよりご覧いただけます 21 22 賦課金の回収・分配について ご負担いただく金額の基礎となる賦課金単価は、全国一律とします。賦課金単価は、導入見込量等を基に、 国が定めます。ただし、極めて大量のエネルギーを消費される事業者の方及び東日本大震災の被災者の方で 国が定める要件に合致する方は、賦課金が減免されます。 再生可能エネルギーの導入量には地域間でばらつきがあるため、その負担を調整するための機関を新たに 設置します。電力会社が集めた賦課金は、費用調整負担機関がいったん回収し、その上で、実際の買取費用 に応じて、同機関から交付金というかたちで、各電力会社に渡す仕組みとしています。 電気を供給 (買取分の支払い) 買取分の支払い (交付金) 賦課金の 回収・分配 を行う機関 (費用負担 調整機関※) 北海道電力 電気料金と合わせて 賦課金を支払う 集めた賦課金 賦課金をいったん 回収し、買取実績に 応じた交付金という 形で電力会社に交 付することで、賦課 金の負担水準の均 一化を行う。 北海道電力をご利用の皆様 東北電力 東北電力をご利用の皆様 東京電力 東京電力をご利用の皆様 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 東日本大震災の被災者 平成24年7月から9ヶ月間は賦課金を免除。 エネルギー多消費事業者 指定 国 毎年度認定 (賦課金の8割を減免) 23 ※一般社団法人低炭素投資促進機構 減免制度の実績 平成25年度においては、1031事業者が減免措置の適用を受けており、減免規模の総額は160億円とな る見込み。 減免分を補填するための予算については、平成24年度認定分及び被災地減免の不足分もあわせて、平成 25年度分は191億円を措置。 <平成25年度の減免事業者の認定実績> 減免額上位10業種 減免額上位10事業者 平成24年度減 免見込額 業種 事業者 事業者数 平成24年度減免 見込額 鉄鋼 51.2億円 49社 1 東京製鐵(株) 5.4億円 2 化学 32.4億円 92社 2 大同特殊鋼(株) 4.7億円 3 非鉄金属 16.2億円 29社 3 JFE 条鋼(株) 4.5億円 4 電子部品・デバイス 16.1億円 49社 5 鋳造・熱処理 9.4億円 212社 6 上下水道・工業用水 7.0億円 48社 7 窯業・鉱業 6.4億円 42社 8 熱供給 2.8億円 49社 6 (株)SUMCO 2.8億円 9 冷蔵倉庫 2.8億円 119社 7 旭硝子(株) 2.7億円 製紙・パルプ 1.9億円 33社 8 (株)JFEサンソセンター 2.6億円 … 9 ニチコン(株) 2.5億円 1031社 10 共英製鋼(株) 2.3億円 10 … 総計 … 1 約160億円 (株)JFEサンソセンター 4 山陽特殊製鋼(株) 3.0億円 5 (株)大阪チタニウムテクノロ 2.9億円 ジーズ (注)減免見込額:当該事業者の最新の電力使用量を基に算出した平成24年度における減免額の見込み 経済産業省 平成25年度における賦課金の負担水準 資源エネルギー庁 標準家庭の場合(月額) ※電気の使用量:300kWh 電気料金:約7,000円 を想定 再生可能エネルギーの固定 価格買取制度による分 (既存設備買取分を含む) ・・・ 105円 (参考: kWh当たりの単価) 0.35 (円/kWh) 約120円 + 太陽光発電の余剰電力 買取制度による分 (注) ・・・ 15円 0.05 (円/kWh) ※全国平均値 (注) 現行の余剰電力買取制度は、前年の買取費用を翌年度回収する仕組みを採用。新たな固定価格買取制度は、その年の買取費用をその年に回 収し、過不足があれば、年度末に費用負担調整機関を通じて翌々年度に繰り越す仕組みを採用。 このため、新制度の導入初年度となる平成24年度については、現行制度の昨年分と、新制度の本年度分の両方が賦課されることとなる。なお、 現行制度は、費用負担調整の仕組みを取り入れていないため、地域によって賦課金額が異なる。 経済産業省 再エネ賦課金と太陽光付加金の関係 資源エネルギー庁 H25 太陽光 付加金 北海道 電力 東北 電力 東京 電力 中部 電力 北陸 電力 関西 電力 中国 電力 四国 電力 九州 電力 沖縄 電力 単価 (円/kWh) 0.02 0.04 0.05 0.07 0.01 0.05 0.06 0.08 0.09 0.07 H22年度 H23年 1月 H24年度 H23年度 H23年 3月末 H23年 12月末 H24年 3月末 H25年 3月末 H24年 7月 H26年度 H25年度 H26年 3月末 H26年 9月末 H27年 3月末 太陽光の余剰買取制度 太陽光買取① 太陽光付加金① 太陽光付加金② 太陽光買取② 太陽光付加金 (過去調整分) 再生可能エネルギーの固定価格買取制度 再エネ買取A 再エネ賦課金A 再エネ買取B 再エネ賦課金B 再エネ買取C 再エネ賦課金C 太陽光付加金と再エネ賦課金が2重に生じる時期 26 27 【参考】設備導入状況(全国) 本省公表資料 平成24年度再エネ設備認定等の状況について 1.再生可能エネルギー設備認定状況 (平成25年2月末時点) ○平成24年7月から平成25年2月までの再エネ特措法に基づく設備認定状況は下表のとおり。 ○全国的にも管内においても太陽光発電の設備認定が先行している。 ○このような中、特に太陽光発電に係る認定での管内の特徴をあげるとすれば、ダブル発電に係 る認定件数・出力が全国比で見て高いこと。 ※ダブル発電とは:自家発電設備等と太陽光発電設備の双方を設置しているケース。代表的な例としては、エネファーム+太陽光発電。 売電量の押し上げ効果があることから、余剰電力買取にあたっての適用価格が通常とは異なる。 例:昨年度認定の場合:適用価格 42円→34円 (件数:件) (出力:kW) 太陽光発電 風力発電 10kW未満 うちダブル 発電 10kW以上 うち1000 kW以上 水力発電 バイオマス発 電 地熱発電 小計 合計 件数 46,158 6,950 13,054 157 59,212 4 5 0 3 59,224 出力 191,428 24,615 1,009,086 460,204 1,200,514 42,000 348 0 37,230 1,280,093 件数 283,332 17,034 101,058 1,755 384,390 49 39 5 27 384,510 出力 1,246,000 60,370 11,012,154 6,436,915 12,258,154 622,055 27,937 3,991 147,415 13,059,552 全国比(%) 件数 (A)/(B) 出力 16.3% 40.8% 12.9% 8.9% 15.4% 8.2% 12.8% 0% 11.1% 15.4% 15.4% 40.8% 9.2% 7.1% 9.8% 6.8% 12.5% 0% 25.3% 9.8% 近畿(A) 全国(B) 2.太陽光発電設備の認定等に見る管内の状況 2-1 月別認定件数等の推移 ○認定状況等の月別の推移を見ると、2月の認定件数等が突出している。これは、25年度の調達価格が24年 度の10kW未満で42円から38円、10kW以上で42円から37.8円に下がったことが要因となっている。 (単位:百件) (単位:千kW) 220.0 700.0 191.2 200.0 600.0 180.0 573.4 160.0 500.0 件数(百件) 140.0 出力(千kW) 400.0 120.0 100.0 300.0 80.0 60.0 52.5 61.6 50.8 57.4 62.7 51.4 58.6 141.8 40.0 99.3 20.0 7月 131.2 103.7 100.0 57.4 55.2 32.8 0.0 200.0 0.0 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 太陽光発電(調達価格と調達期間) 2-2 メガ―ソーラーの認定状況 ○府県別で見ると認定件数及び出力総計とも兵庫県が多く、双方とも管内で50%前後のシェアとなっている。 (参考) 全国平均 37件 136,956kW メガソーラー府県別認定件数 メガソーラー府県別認定出力 和歌山県 福井県 9 (6%) 6 (4%) 奈良県 10 (6%) 和歌山県 奈良県 25,204 (5%) 21,559 (5%) 福井県 8,980 (2%) 滋賀県 35,259 (8%) 滋賀県 15 (9%) 京都府 27,871 (6%) 京都府 15 (10%) 大阪府 90,835 (20%) 兵庫県 69 (44%) 兵庫県 250,496 (54%) 大阪府 33 (21%) 単位:件 ( )は構成比 単位:kW ( )は構成比 【参考】2012年度太陽電池セル・モジュール出荷統計(JPEA(太陽光発電協会)資料抜粋) 2012年度総出荷 (単位:kW) 前年度比 2012年度地域別輸出(単位:kW) 前年度比 33 再生可能エネルギーは何が難しいの? 一戸建ての家全てに太陽光パネルを載せても、日本の電気の5%です。 一方、地熱の資源量は世界第3位。でも、そのほとんどが自然公園の中・・・ また、世界の風力は平らなところや丘の上。人口密度が高く山も多い日本では、風車も 尾根の上などに無理してたてることになります(乱流や落雷の問題が生じる可能性) 【積載可能な全一戸建てに載せた場合の日本の太陽光発電量】 4kW(一戸あたり発電量)×1,200万(現在太陽光パネルを載せられる一戸建ての数)×12%(設備利用率)×24h×365日 =504億kWh(全住戸に太陽光パネルを載せた場合の、1年間の発電量) 504億kWh ÷ 1兆kWh(日本全国の1年間の総発電量) ≒ 5% 【日本の地熱資源量】 【尾根の上に立つ風車と人口密度】 世界の地熱資源量 国名 アメリカ合衆国 インドネシア 日本 フィリピン メキシコ アイスランド ニュージーランド イタリア 地熱資源量 地熱発電設備容量 (万kW) (万kW) 3,000 309.3 2,779 119.7 2,347 53.6 600 190.4 600 95.8 580 57.5 365 62.8 327 84.3 提供:(㈱ユーラスエナジーホールディングス) 約2300万 kW 人口密度と山間部面積を比較すると 日本 約360人 * 山7割 ドイツ 約240人 * 山3割 米国 約 30人 * 山_割 34 再生可能エネルギーが秘めるポテンシャル 大規模に風力発電所が開発できれば、そのコストは実は、火力や原子力並みまでもう下がっ ています。課題は、大需要地までの送電線と土地利用規制緩和です。 太陽光発電も既に様々な実装例が。家の屋根の上以外にも載せる場所はたくさんあります。 地域にある自然エネルギーを有効活用することが大事。 【風力発電の発電コスト】 【日本の風況と送電網】 (円/kWh) 50 45 45.8 40 35 30 30.1 25 24.0 20 15 18.0 10 10.5 5 9.0 14.0 10.0 9.5 8.9~ 10.6 0 【新しい太陽光発電の実用化例】 (キリン湘南工場、壁に太陽光パネル) (味の素スタジアム、屋根に透明な太陽光パネル) (太陽電池搭載バッグ) 35 再生可能エネルギーが秘めるポテンシャル 地域活性化のための仕組みとしても、再生可能エネルギーは大きな可能性を秘めています。 固定価格買取制度によって、長期に安定的な収入が約束されたことにより、地域の金融機関 も資金を提供しやすくなり、地域の様々な関係者が協力し合った、自立的な事業計画も、徐 々にではありますが、着実に増えてきています。(地域内で資金循環が可能に) 【長野県飯田市 メガさんぽ おひさま発電所プロジェクトの例】 出資(約4億円) 市民 ファンド 市民 15ヶ所に設置 地元設置業者 設置 賃借料 地域金融 機関 売電 収入 事公 業共 所施 等設 固定価格買取制度で、 全量を売電 電 力 会 社 (合計950kW) ファンドは、事業所・一般住宅・公共施設等の屋根や空地などを借り太陽光発電を 設備を設置。20年間にわたり発電した電気の全量を売電し、場所を提供した施設等 に賃借料(発電収入の10%相当)を支払う仕組み。 買取制度で収益確保の見通しがたてやすくなり、地域金融機関も本格的に参画。場 所を提供する飯田市、施工で参入する地元事業者など、様々な関係者が相互に協力 37 経済産業省 再生可能エネルギーに関する導入促進策について 資源エネルギー庁 補助金、研究開発、税制優遇等政策措置を総動員。 住宅向け 補 助 住宅用太陽光発電システム ○出力10kW未満、品質保証等の要件を満たすシステ ムに対し、システム価格に応じ定額を補助。 非住宅向け 独立型再生可能エネルギー発電システム ○太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギー発電 システムの導入に対し、補助を実施(補助率:自治体・N PO等1/2以内、事業者1/3以内) 再生可能エネルギー熱利用設備 ○太陽熱やバイオマス熱等の再生可能エネルギー熱利 用設備に対し、補助を実施 (補助率:自治体・NPO等 1/2以内、事業者1/3以内)。 太陽光発電システム ○実用化されている太陽電池の更なる低コスト化や効率向上のための研究開発、次世代太陽電池の基礎研究や海 外研究機関との連携、実用化間近の有機系太陽電池の実証実験等を実施。 研 究 開 発 風力発電 ○日本特有の気象条件や複雑地形等に適合した風車設計技術の確立のための技術開発、洋上風力発電システム の技術開発等を実施。 その他、バイオマス、蓄電池、海洋エネルギー等の技術開発を実施。 税 制 太陽光発電システム ○省エネ改修工事を行った場合、その省エネ改修の 一部に太陽光発電設備の導入を位置づけ、所得税額 控除。 再生可能エネルギー ○法人税額の7%税額控除(中小企業等)または取得額 の30%を特別償却。ただし、太陽光発電設備、風力発 電設備については、初年度即時償却(100%)が可能。 ○固定資産税の特例 (固定価格買取制度の認定を受けて取得された再生可 能エネルギー発電設備に係る固定資産税の1/3軽減) 次頁以降に説明あり 38 経済産業省 住宅太陽光発電への補助金制度について 資源エネルギー庁 H25年度の場合 ◆ 補助対象となる太陽光発電システムの条件 ①低圧配電線に連携される余剰配線のもの ②出力が10kW未満で、補助対象経費が50万円(税抜)/kW 以下であること ③J-PECにより登録されているモジュールであること ④モジュール及びパワコンは未使用品であること ◆ 補助金の額について kWあたりのシステム価格によって、定額補助を実施します。 (※システム価格の低減を図っていく観点から、システム価格に応じた補助額を設定しています。) kWあたりのシステム価格が2万円を超えて41万円以下のもの 補助額:2万円/kW kWあたりのシステム価格が41万円を超えて50万円以下のもの 補助額:1.5万円/kW ◆ 実施スキーム 経済産業省 補助 (基金造成) 一般社団法人太陽光発電協会(JPEA) (太陽光普及拡大センター(JPEC)) 申請 補助 設置者 39 経済産業省 独立型再生可能エネルギー発電システムの導入支援 資源エネルギー庁 ◆ 補助対象となる再生可能エネルギー発電等 システムの条件 取り組み例 ①自家消費向けの再生可能エネルギー発電システム※ ※固定価格買取制度において設備認定を受けないことが条件となります。 ②補助対象設備 ・太陽光発電、風力発電、バイオマス発電、小水力発電、 地熱発電 ・蓄電池(上記の再生可能エネルギー発電システムに併せて設置する 場合のみ) 太陽光発電(東京都の例) 蓄電池 太陽光発電+蓄電池の電力変動 ※エネルギー種別ごとに規模要件を定めています。 :充電 :放電 ◆ 補助金の額について 地方自治体等や民間事業者による再生可能エネルギー発電システム 利用設備等の導入に対し、その事業費の一部を補助します。 地方自治体、非営利法人等が設置する場合 民間事業者が設置する場合 補助率:1/2以内 補助率:1/3以内 ◆ 実施スキーム 経済産業省 補助 一般社団法人新エネルギー導入促進協議会 申請 補助 設置者 ◆ スケジュール 公募期間:今後実施予定 40 経済産業省 再生可能エネルギー熱利用設備の導入支援 資源エネルギー庁 ◆ 補助対象となる再生可能エネルギー熱利用設備 ①再生可能エネルギー熱利用設備 【取り組み例】 ②補助対象設備 ・太陽熱利用、バイオマス熱利用、地中熱利用、雪氷熱利用 温度差エネルギー利用、バイオマス燃料製造 太陽熱利用 ◆ 補助金の額について 雪氷熱利用 バイオマス熱利用 地方自治体等や民間事業者による再生可能エネルギー熱利用設備等の導入に対し、 その事業費の一部を補助します。 地方自治体、非営利法人等が設置する場合 民間事業者が設置する場合 補助率:1/2以内 補助率:1/3以内 ◆ 実施スキーム 経済産業省 補助 一般社団法人新エネルギー導入促進協議会 申請 補助 設置者 ◆ スケジュール 公募期間:今後実施予定 41 42 経済産業省 グリーン投資減税(法人税) 資源エネルギー庁 【概 要】再生可能エネルギー設備等を取得した場合の30%特別償却、又は法人税額(所 得税額)の7%税額控除(中小企業のみ)。但し、太陽光発電設備、風力発電設 備については、初年度即時償却(100%)が可能 【対 象】青色申告書を提出する個人又は法人 【措置期間】平成27年度末まで(即時償却については、平成26年度末まで) 【再生可能エネルギー対象設備】 太陽光発電設備(※) 風力発電設備(※) 中小水力発電設備(※平成25年度税制改正において追加) バイオマス利用装置 紙・パルプ製造工程バイオマス燃焼ボイラー リグニン燃焼ボイラー バイオマス利用メタンガス製造装置 バイオマスエタノール製造設備 下水汚泥固形燃料利用装置 未利用エネルギー利用設備 河川水又は海水を熱源とするもの 供給・回収導管 雪又は氷を熱源とするもの 下水熱利用設備(※平成25年度税制改正において追加) ※太陽光発電設備は、固定価格買取制度の設備認 定を受けた10kW以上の設備が対象。 ※風力発電設備は、固定価格買取制度の設備認定 を受けた10,000kW以上の設備が対象。 その他、省エネ設備等も本税制の対象。 (対象設備の例) 太陽光発電設備 バイオマス利用 メタンガス製造装置 風力発電設備 中小水力発電設備 固定資産税の軽減措置(地方税) 【概 要】 固定価格買取制度の認定を受けて取得された再生可能エネルギー発電設備につい て、新たに固定資産税が課せられることとなった年度から3年度分の固定資産税 に限り、課税標準を、課税標準となるべき価格の2/3に軽減する。 【適用期間】平成26年3月31日まで 【対象設備】固定価格買取制度の認定を受けて取得された再生可能エネルギー発電設備 (蓄電装置、変電設備、送電設備を含む、ただし、住宅等太陽光発電設備(低圧かつ10kW 未満)を除く。) 【水力発電設備】 【太陽光発電設備】 【バイオマス発電設備】 【風力発電設備】 【地熱発電設備】 再生可能エネルギーの導入支援のための融資制度 環境・エネルギー 対策貸付(政策金融公 庫 中小事業部) 貸付 対象 資金 使途 貸付 期間 中小企業向け 環境・エネルギー対策貸 付(政策金融公庫 国民 事業部) 国民一般向け (個人事業主など) 再生可能エネルギー 推進支援貸付 (商工中金) 固定価格買取制度の発電設 備の認定を受けた事業者 ・再生可能エネルギー設備(※)を導入するための費用 再エネ設備向け金融商 品 (各地方銀行) 固定価格買取制度を利用す る法人、個人事業主 ・再エネ発電事業(※)に必要な設備資金 ・売電事業にかかる運転資金用など ※太陽光、風力、太陽熱、温度差エネルギー、バイオマスエネルギー、雪 氷熱、地熱、水力、地中熱 ※太陽光、風力、地熱、中小水力、バイオマス ・10年以内(固定金利) ・個別の金融商品による。 ・20年以内(当初10年間固定、 (概ね10年~20年以内) 11年以降見直し) ・15年以内 貸付 限度 ・7億2千万円以内 (特利限度額2億7千万円→ 4億円へ拡充) 貸付 利率 ・基準利率 ただし再生エネルギー設備(地中熱を除く)は特別利率③ 地中熱利用設備は特別利率① ・7,200万円以内 ・なし ・個別の金融商品による。 (概ね3億~5億円以内) ・10年以内:長期プライムレー ト+0.2%以上 ・10年超:当初10年は長期プ ライムレート+0.5%以上 ・所定金利による。 (11年目以降は見直し時点の長期 プライムレート+0.2%以上) 利率 の例 特徴 貸付期間10年超11年以内 特利③の場合 0.95% (基準利率の場合1.85%) 貸付期間10年超11年以内 特利③の場合 1.85% (基準利率の場合2.75%) 10年以内 1.35% ・中小企業の長期資金向け。 ・大規模投資案件が増加してい るため、25年度制度改正で特 利限度額拡大。 ・小口、短期の資金向け。 ・借入申込書等の所定の様式 に記入して申し込み。 ・貸付限度額、下限は特に設定 なし。審査の結果に応じて決定。 - ※長期プライムレート1.15% (H25.2.18時点) ・地銀によって様々な金融商品。 ・融資限度が10億円以内のも のや、ABLを取り入れた金融商 品を出すところもあり。 ※ 金利は、返済期間、担保の有無、保証人の有無等によって異なる利率が適用。 45 従来の研究開発政策:太陽光パネルの例 現在の技術をベースに24円/kWh(家庭用電力料金並み)まで。 更に革新的技術開発により、産業用電力料金並みの水準を目指す。 1993 2010 2020 2030 260円/kWh 多結晶シリコン CIS(化合物系) 色素増感 49円/kWh 薄膜シリコン 革新的太陽電池技術開発 系統に負担をかけないシステム 系統に負担をかけないシステム 単独型から統合型システムへ 単独型から統合型システムへ 量子ドット構造 蓄電池付システム 発 電 コ ス ト バルク結晶シリコンに バルク結晶シリコンに 加え薄膜(シリコン、 加え薄膜(シリコン、 化合物)も市場化 化合物)も市場化 シリコンでも化合物でもない新 シリコンでも化合物でもない新 材料(色素等)や新構造(量子ナ 材料(色素等)や新構造(量子ナ ノ構造)を用いた太陽電池も登場 ノ構造)を用いた太陽電池も登場 24円/kWh 14円/kWh 技術革新による蓄電池 技術革新による蓄電池 コストの低下 コストの低下 変換効率:10~15% 出典:NEDO「2030年に向けた太陽光ロードマップ(PV2030)検討委員会報告書」2004年6月を基にMETI作成 7円/kWh 40%超 46 今後の研究開発について コスト低減、耐久性向上、を中心に取り組んできた研究開発活動に、今後は、多様 化、高付加価値化、など別の視点も加える必要。 出口ニーズからも積極的に新規テーマを発掘すべき。 技術名称 今年度の取り組み 取り組みの柱 その他サイドメニュー 太陽光発電 ・大量導入へ向けた技術的課題克服 ・発電コスト低減 ・立地制約解消 ・リサイクル ・標準、規格 ・高付加価値化と川下展開 ・海外市場への展開 ・高効率化も含め低コスト化 (コスト目標の精査が必要) ・載せる場所の多様化 ・多様なバリエーション ・熱とのハイブリッド ・蓄電池、FC、EMSなど 省エネ設備との連携 バイオマス 発電 ・バイオマス燃料の性状改良など既存発電 システムでの活用促進 ・ガス化、直接燃焼の分野で新機軸を ・バイオガス発電のコスト精査 バイオ燃料 ・第2世代(非食用)、第3世代(藻類、 BTL)の低コスト化 ・バイオ燃料のマーケット規模との正 確な見極めと着地点の再確認。 ・効率的な熱利用推進のた めの技術開発 陸上風力 ・大量導入に向けての技術的課題の克服 ・低コスト化(信頼性・稼働率向上) ・環境アセスの円滑化 ・出力変動の緩和技術 ・中・小型の低コスト化 ・アセス短縮 ・台風・雷対策 洋上風力 ・超大型(10MW)洋上風車技術の開発 ・洋上浮力実証研究、ポテンシャル評価 ・海洋関係者との共存へ向けた取り組み ・世界一の浮体式洋上風力発電所の実 証(福島沖) ・総合エンジニアリング技術の育成。 ・大型化戦略(10MWの次は?) ・大型化以外の方向性 (GE低速化のような) ・コストデータ取得(FIT 向け) 地熱 ・発電設備の小型・高効率化。 ・小規模・低温の熱利用。 ・地熱資源の評価・管理技術向上 ・自然公園に適応した発電所 ・未利用地熱の有効利用 ・持続可能な地熱資源開発の促進 ・地元理解(温泉) ・自然公園(規制緩和) ・アセス短縮 小水力 ・モデル事業(小型発電機の低コスト化な ど) ・機器やメンテのコモディティ化によ るコスト低減 ・水利権 海洋エネル ギー ・実海域での実証(波力、潮力) ・発電コスト低減 ・まずはポテンシャルを評価する尺度 が必要 ・洋上風力との連携(係留 技術・送電技術) 47