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はじめに 平成4年8月に定期借地権制度が創設され て本年8月で丸6年

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はじめに 平成4年8月に定期借地権制度が創設され て本年8月で丸6年
 に升導
願 ■
までは強い経済力を背景に急速に発展拡大し
■ ■
国際的にも高い地位を確保した。しかし、そ
平成4年8月に定期借地権制度が創設され
の反面、東京一極集中に象徴されるように、
■はじめに 圖
て本年8月で丸6年が経過した。この間、定
大都市においては国土の不均衡な発展、過密
期借地権付住宅(以下「定借住宅」という)は、
化から地価の異常高騰をもたらし、「土地神話」
一戸建住宅を中心にマンション供給も増加し、
が生まれた。それは根本的な土地政策や住宅
平成9年度までの実績は、14,441戸(うちマ
問題の歪みとなって居住環境を一層悪化させ、
ンション4,609戸)を数え一定の評価を受け
ECレポート(1979)で「日本人はウサギ小屋に
ている。そこで、本稿では住宅の「利用価値」
住む働き中毒」と的確に表現された。平成8年
と「住まう」の視点から、定借住宅におけるま
からは第7期住宅建設5同年計画が始まり、
ちづくり類型を検証し21世紀のあるべき姿を
総戸数730万戸の建設計画の他に最低居住水
考察するものである。なお、本稿の内容およ
準の早期解消があげられている。最低居住水
び見解については筆者の私見であることをあ
準以下の住宅は、現在(平成5年)、全国で
らかじめお断りしておく。期間満了時の問題
319万戸もあり、そのうち261万戸(81.8%)
点については、拙著『半世紀後の定期借地権』
は借家住宅である(1)。
(税務経理協会1998年)を参照されたい。
賃貸市場実態調査によれば、入居者の不満
足項目の第1位は「住宅の狭さ」(37.2%)であ
■ ■
田1 定借住宅の実纏と内容 雷
り、同様の調査結果もある(2)。また、欧米各
■匿 猶■
国の居住面積を比較すると、持家は遜色無い
(1)住まいの現状
ものの、借家住宅においてはそれが一層顕著
わが国の社会経済構造は、バブル経済崩壊
に表われており、居住水準の向上が枢要な課
題となっている(図1)。21世紀にむかって、
180
コミュニティとアメニティのある魅力的な住
160
宅やまちを形成するためには、基盤整備を図
140
りつつ、本来あるべき個々人の個性と主体性
望20
が優先され、住まう視点からゆとりと安心感
100
のある住宅と住環境を作ることが重要となる。
80
60
(2)門下住宅の実績と内容
40
①実績
20
平成5年9月にミサワホームが首都圏(千葉
県四街道)で最初に一戸建定借住宅を12区画
0
日本
イギリス
ドイツ
フランス
アメリカ
販売した。契約期間50年という限定はあるも
日本
イギリス
フランス
アメリカ
持家率
60
68
39
54
65
借家率
40
32
61
46
35
1人当り床面積
調査年
独(西独〉
30.8
40.2
35.5
34.0
64.0
1993
199等
1987
1992
1993
(資料):日本「平成5年住宅統計調査」〔総務庁統計局)
外国「世界統計年鑑」(国連)ほか
図1持家・借家別の1住宅当たり延べ床面積の国際比較
62 家とまちなみ39 1999.3
のの、価格が所有権付き住宅の半額というこ
とで即日完売した。他方、定借マンションは、
三和不動産が平成7年2月に実質1号案件を田
園調布において分譲した。阪神大震災直後(平
成7年1月17目)でマンションの倒壊による再
建のむつかしさから人気が落ちていたときに
所有権住宅と比較すると定借住宅の方が一
らの成功例から現在ではハウスメーカーやデ
般的に「広くて安く」なっており、基本理念が
ベロッパー以外に一般企業や地方住宅供給公
徐々ではあるが理解されつつある。しかし、
社なども旨旨事業に参入し、積極的な展開が
なかには借家住宅と変わらない最低事例(横浜
行なわれている(3)。
市西区59.93㎡)や敷地面積が100㎡以下の
その結果、定借住宅の実績は創設年は皆無
事例も散見される。
であったが、翌年以降は急速に拡大し平成9
(ロ)定借マンション
年度までの累計は14,441戸(うちマンション
定型マンションは、平成5年10月に愛知県
4,609戸)となった(表1)。
知多市で「レインボー知多長浦」(戸数63戸、
雛
も拘わらず、平均12倍で即日完売した。それ
。織
赤川彰彦
(あかがわ あきひこ)
1947年愛知県生まれ。武
地域別では三大都市圏が8割強(84%)を占
期間180年)が最初に販売され、都内では筆者
め、うち4割弱(39%)が首都圏に集中してい
が関与した藤和不動産「田園調布ホームズ」が
る。それらを都道府県別にみると、第1位は
実質1号案件として分譲された(5)。平成5年
愛知県の2,909戸で、第2位の埼玉県(1,403
以降の住宅価格、専有面積の具体的内容は表
戸)の2倍強あり、続いて千葉県(1,382戸)、
3のとおりである(6)。
神奈川県(1,328戸)、大阪府(1,264戸)、兵庫
定借マンションの専有面積は、所有権付き
県(1,102戸)、東京都(1,006戸)の順になって
よりも広いのが大きな特徴となっており、85
件)。また、長谷工不動産
いる。
㎡以上が全体の3割(29%)を占めている。こ
初の冷酷マンション「モア
②内容
れは、生活空間を重視した「曽和田園調布ホー
蔵大学経済学部卒業。筑波
大学大学院経営政策科学研
究科修了。72年、日本長
期信用銀行入行。95年、
都内で初の定借マンション
「藤和田園調布ホームズ」を
手掛け成功(実質第1号案
クレスト神宮前」のコンサ
ルティングを行なう。
(イ)一戸建定借住宅
ムズ」(85㎡)における永住型思想が受け継が
一戸建定借住宅は、平成5年5月に岸和田
れたもので、広い面積を確保する考え方が定
市において第1号案件として7区画が分譲され
着する傾向にあるといえる。しかし、賃貸予
区・豊島区などの地方自治
た。平成5年以降の住宅価格、保証金、敷地
定物件(横浜市青葉区)を便法として二二マン
体、大阪市住宅供給公社・
面積、床面積の具体的内容は表2のとおりで
ションに切り替えた事例(専有面積50.22㎡)
定期借地権推進協議会・都
ある(4)。
や専有面積が33.32㎡(芦屋市)しかない事例
定期借地権を研究する傍
ら、東京都・足立区・千代田
心居住推進協議会・街づく
り推進協議会、JA、東京商
工会議所、事業会社などで
表1定期借地権付き住宅の供給実績
多数講演。98年、価値総
1993(H5)
1994(H6)
260(159)
1,899(536)
首都圏
76(34)
781(88)
中部圏
164(125)
近畿圏
20(一)
1997(H9)
1995(H7)
1996(H8)
3,670(11112)
4,406(1,418)
95
4,111(1β84)
1,6t1(250)
1,606(410)
11
1,533(251)
5,618(1,033)
844(300)
973(440)
30
728(427)
3,331(1,634)
時期不明
合 計
合研究所(旧社名長銀総研
コンサルティング)出向開
全 国
14,441(4,609)
発調査事業部主席研究員
主な著書/『半世紀後の定
592(342)
期借地権』(税務経理協会
1998年)『失敗しないため
の定期借地権活用法』(共著
267(50)
738(469)
916(364)
43
1,052(463)
259(50)
477(93)
911(204)
11
798(243)
3,036(1β46)
税務経理協会1994年)『定
2,456(596)
復問題「企業法学」』(共著
期借地権付き住宅の原状回
その他
0
商事法務研究会1996年)他
注:(1)()内はマンションの供給実禎で内教
論文多数,
(2)首都圏;茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県
中部圏:愛知県、三重県
近畿圏:京都府、大阪府、兵庫県、奈良県
資料:(財)土地農地活用支援センター
表2一戸建て住宅の価格・保証金などの推移
項目
住宅価格
保証金
平成5年
3727
507
(単位:万円、πD
平成6年
2478
729
平成7年
2455
716
敷地面積
185
197
床面積
123
122
197
119
32277
28259
28342
地代
平成8年
平成9年
所有権
平均
2499
620
204
124
2474
675
2492
679
193
123
198
183
122
121
26719
26518
27524
5890(東京)
T904(大阪)
出所:定期借地権普及促進協議会「定期借地権付住宅の供給実績調査」(平成10)
都市開発協会「民間企業による宅地・建物供給実績報告書」(平成10年)より作成
表3定借マンションの価格・面積などの推移
項目
住宅価格
所有権価格(▲)
専有面積
平成5年
2688
493
79.4
(単位:万円、甫)
平成6年
2529
平成7年
平成8年
891
2372
1064
2393
858
66.8
76.8
76.8
平成9年
2941
413
83
所有権
平均
2492
679
76.6
3623(全国)
70
出所:不動産経済研究所「定心マンション市場動向」(平成10年)より作成
家とまちなみ39−19993
63
もある。
敷地内には公園や調整地が配置され、前面道
平成9年までの保証金と権利金の割合は、
路7m(都市計画16m)への接道は、通り抜け
保証金方式が7,825戸(79%)と圧倒的に多く、
と安全性を考慮して1カ所のみにしたループ
権利金方式(1,220戸12%)、併用方式(809戸
状の道路配置となっている。さらに、入居者
8%)の順になっている。また、保証金方式は、
ニーズを配慮し住民同士のコミュニティ醸成
一戸建定借住宅では96%(6,016件)利用され
のための集会所用地の確保と住環境を重視し
ているのに対し、定借マンションは半分以下
た緑化や庭園を付設し、「住の視点」を基底と
の49%(1,724件)となっている。今後、個人
した住宅づくり、まちづくりが行なわれてい
の価値観・ライフスタイルの多様化が一層見込
る。分譲価格は平均3,746万円(含む保証金)、
まれることから、「住まい」においても利用価
地代は32千円/月で市場価格の6割程度であ
値を重視する傾向が強まるものと予想される。
る。なお、敷地内道路は4,315㎡と宅地面積
しかし、定借事業は、管理を含め長期間にわ
の15%相当分が寄付されている。
たる「期間リスク」があるので、利用者の疑問
(ロ)江戸川台・四季の邸苑(1997年9月)
や気になる点を十分に把握しておくことが重
所在地:千葉県流山市東深井
要である(7)。
交 通:江戸川台駅(東武野田線)徒歩16分
面 積:20,328㎡うち宅地15,419㎡(76%)。定期借
匿綻韓㈱ちづ耀E
(1)郊外型
定借住宅の最も一般的な形態で、駅から遠
地権住宅(88区画)
用 途:第1種低層住宅専用地域
建ぺい率:50% 容積率:100% 期間53年
事業会社:住友不動産
地 主:個人
く賃貸住宅に向かない立地の有効活用策とし
本物件は、江戸川台駅から徒歩16分の北東
て多用されている類型である。このタイプに
に位置した南傾斜の山林で、土地面積175㎡
は広大な土地を面開発して何十戸単位のまち
(平均)、建物面積120∼130㎡の88区画でま
づくりに積極的に関与する開発型(面型)と、
ちづくりを考慮した分譲となっている(図4、
単に空地を利用する数戸単位の単発型(点型)
5)。土地全体は、①街区の中央部を南北に貫
のパターンがあるので、その具体例を検証し
く3mの緑道沿いゾーン、②街区南側には公
てみよう。
共的な公園・調整池(各600㎡)のある公園前
①開発型(面型)
ゾーン、③街区西側の西側住宅ゾーン、④区
(イ)ガーデナーズ新鎌ケ谷(1997年7月)
画道路の角地にエッジとしてイメージを付加
所在地:千葉県鎌ケ谷市南初富
できるコーナー住宅以外に、⑤一般ゾーン、
交 通:聖心ケ谷駅(京成・都営線)徒歩16分、初富駅
(新京成線)徒歩15分
面 積:28,917㎡うち宅地21,640㎡(75%)。定期借
地権住宅19,104㎡(102区画)
用 途:第1種低層住宅専用地域
建ぺい率:50% 容積率:100% 期間50年
事業会社:東急不動産(60%)、三井不動産(40%)
地 主:法人
本物件は、新鎌ケ谷駅から徒歩16分に位置
し土地面積187㎡(平均)、建物面積132㎡(平
均)の102区画の大型分譲である(図2、3)。
図3ガーデナーズ新口ヶ谷。街区の中央に公園を配置
64
家とまちなみ39 19993
図2ガーデナーズ新鎌ヶ谷。生け垣を配したまちなみ
⑥東西軸の区画道路の常緑樹・落葉樹ゾーン、
つまれた「自然と共生する美しい邸宅街」をコ
⑦まちのゲートとしてイメージを付加できる
ンセプトにゆとりを重視した敷地計画となっ
ゲート住宅ゾーンと街区が7つにゾーニング
ている。
されている。都市計画と同様の思想で明確な
住宅地の中央には、ゆるやかなS字型にカ
アーバンデザインを行なっているところに大
ーブした幅Ilmのメインストリートが通り、
きな特徴があり、分譲価格は3,375∼4,193
そこにはインターロッキング敷きの歩道と街
万円(含む保証金)、地代は32∼34千円/月
路樹があり、また各住宅は二重植栽が施され
である。
豊かな街路景観となっている。それ以外にも
(ハ)大津が丘パークビラ(1997年4月)
まちづくりに欠かせないコァとなる集会所や
所在地:千葉i県東葛飾郡
公園も設け、美しいゆとりのある街並みを整
交 通:柏駅(JR常磐線)バス18分「大津が丘団地」.ド
備したコミュニティ思想が見られる。分譲価
車徒歩3分
格は3,737万円(含む保証金)、地代は約3万
面積:2,8397㎡うち宅地ll,075㎡(39%)。定期借
円/月である。
地権住宅(51区画)
用 途:第1種低層住宅専用地域
これらの住宅の共通点は、広大地をフル活
建ぺい率:60% 容積率:150% 期間50年
用し自然を活かした住環境にウエイトをおき、
事業会社:三菱地所ホーム
定借住宅本来の住のニーズを先取りし、ゆと
地 主:個人
りと街並みを重視した良質廉価な住宅とまち
本物件は、柏駅からバス18分、下車徒歩3
づくりにコンセプトがあるといえる。換言す
分の立地条件にある(図6、7)。土地面積201
れば、統一1生のとれたまちづくり、街並みづ
㎡(平均)、建物面積117∼146㎡の51区画の
くりに積極的に参画し、「面」として開発し具
分譲である。広大な土地を活かしたまちづく
現化しているところに特色がある。海外の例
りを行なうために、有効宅地率を約39%に抑
としてはイギリスロンドン郊外のレッチワー
え周囲の自然環境を十分に残しながら緑につ
ス、ハムステッド田園郊外、ウェリン田園都
図5江戸川台・四季の医心。区画道路により分けられた住宅ゾーン
図4江戸川台・四季の邸苑。
耀
図6大津が丘パークビラ。植栽に囲まれた住宅
図7大津が丘パークビラ。全体計画図
家とまちなみ39 1999.3
65
市などがある。
㎡(3LDK)と広い居住スペースを確保し、ゆ
②単発型(点型)
とりと全戸南面の設計から即日完売した。価
このタイプは、開発型の「面」開発に対し開
格は5,050∼5,350万円(含む保証金)と所有
発許可申請が不要な狭い空地を「点」として活
権分i譲の6割相当で地代は55,600円/月で
用し、数戸単位のものが過半数を占めている。
ある。この「田園調布ホームズ」は、三野マン
報告書(8)によれば、首都圏の1団地の平均は
ションのモデルケースとして、関係省庁・大手
4.8戸であるが、1∼2戸が全体の4割強(41%)、
企業・団体・関係者・研究者に強いインパクトを
4戸以下が7割弱(67%)である。過去5年間
もたらした。その契約書の内容や考え方(無償
における4戸以下の平均供給は、192団地の
譲渡・中途解約不可。ただし、地震など天変地
65%と全体の3分の2を占めており、その傾
異により建物が減失した場合は、入居者全員
向は現在に至るまで変化していない。因に供
の合意により解約は可能とした。転売方式・契
給推移を見ると、1993年には10団地56%、
約期間は50年プラス工事期間・専有面積の広
1994年は178団地65%、1995年は286団
さを永住型にしたこと。都心居住の推進策・管
地68%、1996年は336団地74%、1997年
理業務の重要性など)は、建設省や住宅都市整
は152団地61%となっている。最近分譲され
備公団や事業会社などで高く評価され、本契
たA物件は、2戸の分譲で、駅から徒歩17分、
約書が定期借地権設定契約書の「ひな型」とし
敷地面積は196㎡・建物lI7㎡、価格は保証金
て現在も利用されている(9)。
(1,280万円)込みで4,304万円となっている。
本事例以外に、都心立地の定借マンション
この類型は、近隣の所有権価格とそれほど価
代表例として、筆者が関与したモアクレスト
格差がない場合には、売れ残る可能性がある
神宮前(長谷工不動産)やパークコート麻布鳥
ので注意を要する。
居坂(三井不動産)がある。これらの物件は都
心において、「安・近・広」の住宅が確i保され、
(2)市街地型
市街地型は、郊外型と異なり土地そのもの
職住のバランスがとれることから、日常生活
の中で心と時間の「ゆとり」が生じ、豊かなシ
が不足していることから、多くの場合、利便
ティライフが満喫できることになる。都心通
性を重視したマンション形態をとっているが、
勤者の中には長時間通勤から開放され都心居
その実績は毎年増加しており4,609戸と全体
住を望むものが若い層には多い(lo)。都心居住
(14,441戸)の3分の1を占めている。
の生活利点は、情報・文化・教育などを享受し
(イ)藤和田園調布ホームズ(1995年2月)
つつ利便性を背景とした「時間の有効活用」に
所在地:世田谷区玉川田園調布1丁目
ある。それを現実化できるところに定借マン
交 通;田園調布駅(東急東横線・目蒲線)徒歩4分
ションのレゾンデートルがある。本来の性格
面積:敷地488㎡、建築延床面積943㎡
用 途:第1種住居専用地域
構造規模:RC造、地上5階建地下1階建
とは若干異なるが、阪神大震災における被災
マンション(芦屋市)の建替事例や地方自治体
総戸数:9戸1間取り3LDK(84㎡)期間51年
(東京都・大阪市・足立区・千代田区)の公有地に
事業会社:藤和不動産
おける定借活用も今後、期待しうる手法であ
地 主:個人
る(ID。
筆者が手掛けた物件で、1995年2月に曽和
不動産が田園調布において実質第1号案件と
匿321世紀の定脇 塁
して分譲したものである(図8)。その居住思
想は、家族が永住できるために専有面積も84
(1)21世紀の社会経済的環境
本制度をとりまく社会的環境は徐々に整い
つつあるが、押借住宅が21世紀の住生活にお
いてリスクなく継続的に推移するかといえば、
必ずしも保証できるというものではない。今
後、杜会的経済的に大きな影響を与える次の
要因を考慮する必要がある。
第一は、少子化における人口減少社会であ
る。人口問題研究所の資料によれば、合計特
殊出生率(以下「出生率」という)は1947年に
図8藤和田園調布ホームズ
66
家とまちなみ39 1999.3
は4.54あったものが、その後低下し、ひのえ
うまの1966年には1.58まで下がった。第2
供給過剰感もあり住宅事業は一層厳しさを増
次ベビーブームの1973年には2.14まで回復
すことになろう(14)。
したものの、再び減少し1997年にはL39(東
第四は、価値観の多様化である。今後、少
京1.05)まで落ち込み少子化に一層拍車をかけ
子高齢化が確実にすすみ、社会経済のシステ
ている(12)。定期借地権が期間満了となる
ムそのものが構造的に変化し、長寿化による
2050年には出生率(低位推計)は1.38066、
生涯時間の増加および労働時間の短縮化によ
人口は9,231万人と推計されている。この現
る自由時間が増大すれば、「個」の価値観が一
象は経済成長において将来大きなマイナス要
段と重視されよう。個人生活をコアにしつつ
因となる。出生率の1.39は、人口置換基準の
趣味・健康・コミュニティなどに「個性」、「ゆと
2.08以下であり、60歳以上の世帯主の持家
り」や「生きがい」を求め、それぞれ年代・家族
率が約80%という客観的条件を鑑みれば、現
構成・居住形態に応じた生活スタイルに変化す
在借家住まいでも、いずれは「相続による住宅
るものと思われる。
取得」が可能となる。そのため、借金してまで
第五は、経済のグローバル化による産業・雇
住宅購入する積極的理由はないのである。換
用構造の変化である。日本経済は、情報通信
言すれば、今日における若年層の大半は、持
の高度化や規制緩和などを背景に世界経済の
家を求めるL時的借家層」ではなく、長男・長
グローバル化が進展し、国内外の枠組みを越
女を時代背景にして持家を必要としない「潜在
えた国際的なメガコンペティションに突入す
的持家層」として位置づけられることになる。
る。今後、急速に進展する高齢化と少子化か
したがって、21世紀においては定借住宅に
ら生産年齢人口の減少を招くことから、既婚
限らず住宅需要もそれほど望めず、家族構成
女性と老人の雇用、外国人労働者の増加が見
にあったリフォームや建替ニーズが強くなる
込まれ、産業構造と雇用形態が激変するため、
ものと思料される。
それに伴う新たな住宅問題が発生すると予想
第二は、高齢化社会である。将来人口推計
される。
(低位推計)によれば、1998年現在、総人口は
1億2,638万人であり、そのうち65歳以上の
(2)居住形態の変化
高齢者は15.1%を占めている。2004年間は1
将来住宅の在り方としては、「職と住と生活」
億2,705万人と人口はピークに達し、高齢者
の三つの生活スタイルの中でバランスをとり
は総人口の19.2%を占める。さらに、2050
ながら多彩な人間交流を享受し、生活の場に
年には高齢者は3,245万人となり、3人目う
応じたライフスタイルが一層鮮明になる。そ
ち1人目割合となる。雪釣住宅の購入者は、
の基盤となる生活は、年齢に伴うライフステ
当初は家族は多く年齢も若いため、広くて安
ージ毎の家族構成や身体的な問題から「画一的
いイメージから郊外型住宅を選択したとして
な住宅」でなく、それぞれの生活にあった「個
も、50年後には確実に老人になりライフスタ
性的な住宅」が求められる。そこで、ライフス
イルも変化する。
テージの変化から年代別の居住形態ニーズを
そうなれば、住居ニーズも加齢から起因す
見てみよう(15)。
る身体的な衰えから広い郊外型の家よりも狭
第一の20∼30代(前半)は、一般的には結
くても日常生活に便利なスーパーや病院や銀
婚により人生の新しい門出が始まり、子供も
行が近くにあり、また、文化・公共・行政施設
幼稚園や小学校に通う子育ての時期である。
のある都心型居住を望むことになる(13)。換言
住宅は2DK∼2LDKとそれほど広くなくても
すれば、加齢とともに家族構成、ライフスタ
十分生活できるが、子供達が幼いため病院や
イルおよび価値観が変わるので、高齢者にと
保育園・小学校が近いところが好まれる。
っては立地条件の悪い郊外型住宅は日常生活
第二の30(後半)∼40代(後半)は、子供達
をする上で不便であるとして居住に適さなく
が中学・高校に通う年齢になるので、独立した
なることは十分予想される。
部屋が必要となる。そのため、現状の住宅で
第三は、地価下落である。バブル経済崩壊
は物理的に狭くなり、多少不便になっても家
から地価は7年連続して下落し、全般的に定
族が早年できる広めの3LDK∼5LDKの郊外
借住宅の割安感が薄らぎ、地価の安い郊外地
型の一戸建住宅に変わりたい時期である。
では所有権との価格差がみられないため、売
第三の50∼60代(後半)は、子供達が独立
れ残り物件が散見される。今後、不良資産の
し教育費や住宅ローンの支払いから解放され
償却からさらに地価下落が予測され、住宅の
ることになる。しかし、自らが退職年齢に達
家とまちなみ39−1999.3
67
するため、今度は夫婦二人で老後の生活を考
大きな節目となり、その時点で急激に落ち込
え始める時期である。住宅は改修して二世帯
むことが予想される。特に、保証金が高く残
住宅にするか夫婦だけの都心型のマンション
存期間が短いケースにおいては、近隣の賃貸
にするかは居住者の価値観により異なる。
住宅との総額比較から保証金が全額承継され
第四の70代以上は、身体的な衰えから精神
ることなく大幅に減額されることになろう。
的にも経済的にも社会的弱者になる時期であ
また、残存期間が5年未満のケースでは、賃
る。そのため、多くの場合、子供らの同居や
貸住宅(特に定期借家数)との総費用比較か
近住を望むことになる。住居は健康に対する
ら利用価値が減少し、売買が困難となり、限
不安から買物や通院などを第一・と考え、広い
りなくゼロもしくはスラム化の可能性がある
土地や建物よりもむしろ狭小でも利便性の高
(図9)。
い都市型のバリアフリーマンションが好まれ
仮に、広く立派な住宅を郊外に建てたとし
ても、上述のように50年のうちには加齢によ
る。
50年という定借期間の中で確実に居住者の
る身体的衰え、家族構成の変化、経済的側面
ライフステージが変化するため、そのニーズ
から生活スタイルが変わらざるを得なくなる
は個々人の生活・個性・価値観にあったものが
のが現実である。そのため、老人にとって日
求められよう。
常生活をする上で不可欠なスーパーや病院な
どが遠い場合には、不便を余儀なくされ、そ
匿4鐸囎閥、 聾
の場所に適応しづらくなる可能性がある。つ
居住者が、加齢と共に居住スタイルが変わ
価値の劣化」が生じるのである。その条件下で、
ってもその場所に永続的に住むことができる
定借住宅の居住者はライフステージが変化し
ためには、日常生活において利便性があり、
ても、安心して生活できる「普遍的な利用価値」
「利用価値」が存在しなければならない。土地
が存在し続ける必要がある。生活上の利用価
まり、期間経過と並行して定借における「利用
値がなければ、意味をなさないのである。
しかし、一部の専門家によれば、都心から
権が重視されるため、その利用価値が50年間
離れ、かつ駅から徒歩20分以上離れた「二等
存続し続けることが大前提となる。同住宅は、
地、三等地が定借地に一番向いている」とか
性格上、利用価値は期間の経過とともに逓減
「事業リスクがない」と説明している(16)。これ
し、期間満了時には限りなくゼロに近づく。
は、少子高齢化や価値観の多様化など将来の
しかし、それはなだらかな右肩下がりの直線
社会経済に大きな影響を与え、「利用価値」を
でなく、①地価下落、②残存期間、③個別事
減少させる条件を全く考慮していない近視眼
由、④立地条件などの利用価値の減少要因か
的な見方であり、極めて安易で無責任な考え
ら20年目、30年目、40年目、45年目には
方といえる。事業者がそうした考え方をペー
□ 利用価値減価償却に伴う理論価格 予想価格愚ノ悔マ7急灘格が落ち込む . .
は利用されてこそ初めて本来の価値が生じる
のである。特に、定借住宅は所有権より利用
価格
スにして、二等地、三等地の遊休地を「便法」
で定借活用しても「利用価値」の視点からいえ
ば、将来にリスクと問題点を残すだけである。
要するに定借住宅に向く土地は、巷で言われ
ている使えそうもない土地の活用ではなく、
利便性の高い都会型の一等地こそが最も適し
ていると言っても過言ではない。そのために
は、事業者は「利用できる土地」と「利用でき
ない土地」を正確に見極め、そして「利用価値
稠個素目 により ゼロに近づく
が見込める土地」に限定して事業化していくこ
とがリスク回避の唯一の道となる。
m冒冒一曹一一一一一一一一1
また、定借住宅を評価する場合、契約期間
が長いだけに現下の成功だけで評価すること
保証金の減価 ..ζ7一一一
は必ずしも正しくない。50年後の期間満了時
ロ証金
0 10 20 30 40 45 50年
@ 期間
いう認識を甥っことが重要である。その意味
は、定借住宅には半世紀にわたる「期間リスク」
図9利用価値減少に伴う価格イメージ
68 家とまちなみ39
の結果によって初めて真正な評価ができると
1999.3
が存在するからである。その点を考慮すると
ン・ド・ポルザンパルク氏は、都市について「土
し定の範囲と限界」があり、極めて限定され
地の経済的な理由だけで都市をつくらずに、
た「地域」のみが定借の活用地といえる。そこ
周りを考えつくっていかなければならない。
には、期間リスクに耐えられるだけの「立地条
一定のルールをつくり、様々な建築家に参加
件」が必然的に枢要な要素となる。しかし、そ
してもらう。ルールを守り内と外への開放性
れ以外に流通市場の未整備、住宅ローン(含む
を持たせることにより、都市に独特のリズム
中古)、借地権価格、道路の返還問題、造成工
感が生まれ、特徴のあるまちになる」(22)と説
事における有益費の償還請求問題など多くの
明している。また、世界保健機構(WHO)の
課題が残されており、今後、それらを解決し
住宅の基本環境指標は、①安全性②保健性③
ていくことが正しく評価するための条件とな
利便性④快適性の4つをあげており、ケビ
る。したがって、定借事業を推進する場合、
ン・リンチは環境評価の規範として、①活力②
期間が半世紀という特殊性を鑑みると、紛争
感覚③適合④到達⑤管理の5つをあげ、さら
回避のためには、光の部分である入口から入
に⑥効率⑦公正の2つ要素を付け加えている
るのではなく、むしろ陰の部分である出口か
(23)。
ら入るべきである。つまり、問題点と対峙し
一般国民が、これらの全ての指標を満たし
壁にぶち当たりながら解決していく「出口か
た住宅(所有権)を購入することは現状では資
らの視点」が重要なのである。
金的に困難である。しかし、馬借住宅であれ
ば、土地代が不要という経済的利点から、都
心であっても、「安・近・広」に代表される利便
性・快適性・経済性が十分享受でき、郊外であ
「住」という漢字は、「人」という偏と「主(あ
れば、自然環境・保健性が確保され、それらの
るじ)」という労から構成されている。その字
指標が充足されることになる。
義は「人が歩行しないで立ち止まる」(17)である
また、「住まう」(24)視点から見ると、住宅
が、その意味するところは、「人が主」になる
はオギュスタン・ベルクのいう「おもむき」(25)
ことが前提であり、「ゆっくりとくつろぎ、や
と内井昭蔵氏の主張する「丈夫で長持ちと空気
すめる人間主体の住まい」と考えられる(18)。
の換気力」、「アットホーム」というぬくもり
また、「住む」と同じ「棲む」には「ねぐらに
(26)、並びに日常生活における住民同志の暖
いこうようにゆっくりとやすむ」の意味があ
かい交流が必要である。それらの要素から創
ることから、住まいという言葉の中には、人
出される住民主体の「コミュニティ」の醸成こ
の気持ちを安らかにし、澄ませ、、清らかにす
そがまちづくりの原点であり、それが「住まう」
るという意味が含まれていると解せられる。
ための基礎である。
したがって、土地と密接な関係のある住宅
定借住宅において借地人が長期間安心して
は、単に「居住のための道具」(19)ではなく、
住まうためには、そのシステムを次世代・次々
日常生活を行なう上でも地域コミュニティや
世代まで永続的に継承発展させていくことが
環境保全などが配慮され、「良好な自然環境の
不可欠である。その積み重ねの努力と義務を
もとで人間にふさわしい住居に住むこと」(20)
利害関係者も二丁関係者も決して忘れてはな
が保証されていなければならない。しかし、
らないのである。そして、その種を結実させ
日本の住宅は「ウサギ小屋」で代表されるよう
生活文化に根付いた多種多様な人間交流の中
に欧米の住宅と比較すると狭く単に寝るだけ
でお互いに「住まう」喜びが得られることを強
の機能しかないネグラ的シェルターに近い。
く期待するものである。
住居には、家族や仲間との団樂、集まり、楽
しむ部屋としての居間があり、生活する上で
暖かさ、安心感、安定感、存在感、健康性が
あり、安らぎの場が存在する。他方、都市は
単に「家々の任意の集積によって成立している
のではなく、意図的な創立によってできあが
っている」(21)ので、開放的なコミュニケーシ
ョンや憩いの場所となる公園・広場・施設があ
り、文化や伝統を個人以上に重視されている。
フランスの国際的建築家であるクリスチャ
家とまちなみ39−1999.3
69
(1)「住宅統計調査」昭和58年3,945千戸(IL4%)、昭和63
・本郷尚『定期借地権活用の実際』(日木実業出版社1993
年3,550千戸(9.5%)、平成5年3,191千戸(総戸数
年〉「経営リスク不安なし」(20頁)、「借入金、経営、リ
4,077万戸の7.8%)。
スクがない」(172頁)、「リスクなし」(179頁)。
・さくら総合事務所(代表杉本茂)『定期借地権を巡る諸
あり方』(平成5年)63頁。住宅金融公庫「住宅の選択行
問題』(新日本法規出版社1995)「ノーリスク」(65頁、
動とその要因」(平成7年)46∼49頁。住宅の取得動機
91頁)。なお、本書は筆者の著書(共著)『失敗しないた
をみると、「住宅が狭かった」(50.3%)が最も多く、次
めの定期借地権活用法』(税務経理協会1994)を著作権
いで「より良い住宅に住みたかった」(47.0%)と続いて
侵害したため、東京地裁(平成10年1月23日)より40
いる。
万円の支払いが命じられている。
・山田淳一郎『Q&A定期借地権の実務と税務』(税務経理
249頁。全国一・二部上場会社および店頭登録企業
協会平成6年)「事業リスクがないというのが地主の最
(3,109社のうち470社の回答)の本制度の活用意向状
大のメリット」(16頁)。
況をみると、既に134社は活用・検討したことがあると
(17)加藤常賢『漢字の起源』(角川書店昭和45年)507頁。
している。
(18)赤川彰彦・前揚注(II)479頁。
拙稿「公有地における定期借地権i活用の現状と今後の動
(19)ル・コルビジェ『輝く都市』(鹿島出版会 1968年)
向」(定期借地権普及促進協議会会報 晦14 1998年4
84頁。
(20)国際住宅都市問題研究ロンドン会議「住宅人権宣言」
足立区「公共用地の活用による定期借地権付き住宅の開
1981年5月
発」(1996)
日本住宅会議(1982年7月)標語「住宅は人権である」
宇賀潔(足立区住宅課長)「住宅政策としての定期借地権
(21)オットー・フリードリッヒ・ボルノウ『人間と空間』(せり
基礎的自治体からの発想」(定期借地権普及促進協議会
か書房1978年)138頁。
会報Nα91997年1月)4∼10頁。
(22)日刊建設工業新聞1997年7月25日第38回アイカ現
千代田区『住宅供給の促進施策についての調査・研究』
代建築セミナー「都市の第3期」。
(平成7年)。
焉.一.
月)16∼20頁。
溜
(3)国土庁『土地白書』(平成10年度)241∼244・246∼
1
窪
(2)住宅金融普及協会『貸家市場の現状と今後の貸家施策の
(23)ケビン・リンチ『居住環境の計画』(彰国社1934年)l16
(4)定期借地権普及促進協議会『定期借地権付住宅の供給実
頁。
績調査報告書』(平成10年)14∼15・30∼35・42∼57
(24)・オットー・フリードリッヒ・ボルノウ前掲注(19)121頁。
頁。
「住まうということは、一定の場所でそこをわが家とし
(5)東京都『東京都住宅白書』(平成6年)田園調布物件が都内
1号の定日マンションとして紹介されている。
(6)不動産経済研究所『定日マンション市場動向』(1997年)4
∼6頁
てくつろぎ、その場所に根をおろし、その場所に適合
していることである」。
・内田勝一「都市定住の権利」『講座 現代居住 4』(東京
大学出版会1996年)94頁。「定着して生活することを
(7)定期借地権普及促進協議会会報Nα5 1996年1月14∼
『住まう』という言葉で表現しておこう。『住まう』場が
16頁。定借住宅については、一戸建では91%、マンシ
住居であり、その対象となる建造物が住宅である。都
ョンで83%の入居者が満足感を抱いている。しかし、
市は生活を営み、『すまう』個々の人間からなっており、
逆に「地代の値上がりが不明」(65%)、「期限到来時の社
『すまう』主体である個人が都市の主体であり、都市の
会・経済状況が不明」(52%)、.「期間途中の売却がいくら
主体である個人、自然人が形成される場一空間が住宅
になるか不明」(43%)などの問題点を指摘している。
である」とわかりやすく説明している。
(8)定期借地権普及促進協議会「定期借地権付住宅の実態調
(25)二二ュスタン・ベルグ『風土としての地球』(筑摩書房
査報告書」(都市農地活用支援センター平成10年8月)
1994年)14頁。「間われているのはまさに、われわれの
38∼39頁。
社会の、空間および自然に対する関係のおもむきなの
(9)赤川彰彦(共著)『失敗しないための定期借地権活用法』
である」。
(税務経理協会1994年)238∼258頁。
(26)内井昭蔵『健康な建築』(彰国社1985年)144−179頁。
(10)国土庁『都心部の総合住宅環境基準によるコミュニティ
「私は建築が健康でなければならないとかねがね考えて
再生方策検討調査』(平成6年目64頁。都心通勤者のう
いるが、そのための条件は丈夫で長持ちすることと空
ち約33%は都心居住したいとしている。
気の換気力があること、であると思う」。「アットホー
(ll)赤川彰彦『半世紀後の定期借地権』(税務経理協会1998
ム、つまり暖かさ、安心感、安定感、そして存在感、
年)410∼419、428∼443頁。
これこそ住宅の必要欠くべからざる要素である」。
(12)出生率のL39が今後も変わらず、死亡率と平均世代間
隔を一定と仮定したならば、日本の人口はわずか51年
後に半減し、169年後には10分の1に激減し、1000年
後には150人しかいない計算となる(読売新聞1998年
人」)。
(13)総務庁『高齢者の住宅と生活環境に関する調査』(平成7
年6月)40∼41頁。高齢者がよく出かける場所(大都
市)/①商店・スーパー(53.3%)、②病院・診療所
(35.9%)、③銀行(273%)。
(14)エコノミスト「特集 地価底無し 再び下落傾向」
(1998年9月22日号)。住宅新報1998年10月23日
「東京圏の住宅地、下落に加速」
(15)赤川彰彦・前掲注(9)221∼223頁。国土庁『土地白書』
(平成9年)205∼219頁。世帯形成、世帯成長、世帯
分周・再編、世帯収縮の4つのライフステージに分けて
分析している。
(16)・本郷尚「定期借地権付き一戸建分譲のすすめ」(不動産
コンサルィング1992年ll月号)27頁。同氏は定借に向
く土地として「①駅から遠く、アパートに不向き、②一
種住専で、建ぺい率、容積率が低く、採算性が悪い、
③造成費がかかり、コスト的に合わない。(中略)こう
した二等地、三等地にこそピッタリなのである」と説明
している。
・江口正夫・佐藤清次『定期借地権」(にじゅういち出版
平成5年)102∼104頁。
家とまちなみ39
1999.3
鞠
70
il重量難産肉﹄璽薯廟闘匿閣幽.羅鞭ξ!肇竃
10月9日「結婚メリットない積極シングル派4人に1
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