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当院看護職員の防災に関する意識調査と今後の課題(PDFファイル)

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当院看護職員の防災に関する意識調査と今後の課題(PDFファイル)
40
当院看護職員の防災に関する意識調査と今後の課題
看護部
百々幸子
山中京子
田嶋千秋
堤 美穂
田村玉美
1.はじめに
看護部では当院の患者の特性に合った様々な状況や夜間想定の防災訓練を実施している。また
他部門から効果的に応援体制が得られるよう介助方法教育訓練の実施や「災害時駆けつける職員
のために」のマニュアルを作成し周知を図ってきた。東日本大震災では各地で想定以上の被害に
みまわれ防災対策の重要性が示唆された。今後の防災対策に役立てることを目的に看護職員を対
象に防災に関するアンケート調査を行い、今後の課題を検討したので報告する。
2.方
法
調査対象:当院看護師 72 名・看護助手 57 名、計 129 名に質問紙を配布し 126 名の回答を得た
(回収率 97.6%)、調査期間:平成 23 年 7 月 5 日~7 月 11 日
3.結
果
災害発生時に病院に勤務していない時の行動について、病院に応援に行く、と答えたのは看護
師 34 名(47.2%)看護助手 8 名(14.8%)であった。職員宿舎の居住者 18 名中「駆けつける病棟」
を知っているのは 13 名(72%)であった。災害対策の認識について、緊急連絡体制を知っている
看護師 65 名(90.3%)・看護助手 33 名(61.1%)、緊急時応援体制を知っている、看護師 48 名
(66.7%)
・看護助手 3 名(5.9%)、第一避難場所を知っている、看護師 47 名(65.3%)看護助手
14 名(25.9%)、避難訓練に参加したことがある、看護師 66 名(91.7%)看護助手 39 名(72.2%)
であった。入院時オリエンテーションで患者に避難方法や非常口を説明している看護師は 48 名
(66.7%)であった。
「訓練で改善すべき点」があると 126 名中 41 名(56.9%)が回答していた。
改善すべき点の意見は【防災対策マニュアルに関すること】【防災教育・訓練に関すること】【職
員の災害意識に関すること】の3つのカテゴリーに分類した。
4.考
察
職員宿舎の居住者が災害時に駆けつける病棟を知らない、緊急応援体制や第一避難場所を知ら
ない看護職員が多く東日本大震災の後であるが、災害対策の認識は高いとは言えない。自由記載
の【防災対策マニュアルに関すること】では「いざという時に行動可能な行動表やチェック様式
が必要ではないか」、「避難誘導した後の行動、食料、トイレ、防寒、防暑対策などどうするのか
わからない」など実践的なマニュアルを必要とする意見が多く、マニュアルを見直し行動レベル
を明確にする必要がある。
【防災教育・訓練に関すること】では「ベランダへ一時避難する訓練で
本当に良いのか」と避難方法の妥当性や方法についての疑問が多かった。新採用時の研修や職員
全員が定期的な防災教育を受ける機会を設け防災対策に関する知識を習得できることが実践に繋
がると考え、防災教育の方法を構築し評価していくことが重要となる。【防災意識に関すること】
では東日本大震災が起こった後でも危機感が薄く、防災訓練のマニュアルを理解していない、緊
張感に欠ける職員がいる。効果的な教育・訓練を行うことは災害に対する意識が高まると考えら
れる。他部門とも連携を図り、いざという時に活かせる防災対策に取り組んでいく必要がある。
図1.病院に
病院に応援に
応援に行く
看護師 n
看護師 n=72
n
図2.緊急連絡体制を
緊急連絡体制を知っている
看護師 n
看護師 n72
n
無回答
0%
わからな
い
44%
いいえ
7%
はい
48%
無回答
3%
はい
90%
いいえ
8%
図3.緊急応援体制を
緊急応援体制を知っている
看護師 n
看護師 n=72
n
図4.第一避難場所を
第一避難場所を知っている
看護師 n
看護師 n72
n
無回答
3%
いいえ
31%
いいえ
31%
はい
66%
無回答
4%
はい
65%
表1.改善点の意見
課題
カテゴリー
サブカテゴリー
防災対策マニュア
内容について
ルに関すること
n
意見
マニュアルを見ての行動、いざという時に行動可能な行動表やチェック
4
様式が必要ではないか
2
より実践的に(応援体勢、建物から脱出するための手段、傷病者の手
当や対応
1
避難誘導した後の行動や食料、トイレ、防寒・防暑対策をどうするのか
わからない。
各自の役割が常に決まっていたらそれぞれがスムーズに行くのではな
いか
緊急地震速報がでた場合のマニュアル化はされていない。
訓練に参加できなかった職員への訓練、シミュレーション等を行った方
4
が良い。全職員が年1回は訓練が必要。
1
防災訓練・教育に
方法・回数について
関すること
回数を増やす。見学と経験では全く違うので実際の訓練経験者を増や
す。
ベランダへ一次避難する訓練で本当によいのか。患者はどのタイミン
20 グで建物から避難するのか?それを看護師はどのタイミングで判断す
るのか、そのことを周知する必要性を感じている。
2 実際に寝たきりや車いすの患者を外へ避難する訓練がない
頸損の方達は外気温に耐えられない人が多い。視覚障害者の方達の
支援等各障害に応じたポイントがあると思う。
3
避難方法について
訓練内容について
応援体制について
評価について
災害意識に関する
こと
応援の人数が少なく患者の説明・誘導が伝わり理解して動くのは災害
時特に難しいと思う。
2 病棟スタッフと応援者が上手く連携がとれていない
各病棟の参加当事者同士が反省会をして具体的な改善点について話
1
し会う
5
1 訓練時の応援の人がハイヒールできていたのが気になった。
1 緊張感がない
1 慣例的な訓練である。
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