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シドニー工科大学への交換留学
シドニー工科大学への交換留学 人文学部 梶浦 有沙 私が留学を決めた理由は、将来日本と世界をつなぐ仕事をしたい と漠然と思っていたからです。今まで私は海外へ旅行でさえも行っ たことがなく、いきなり海外の留学に一年間留学ということで、最 初戸惑うことが多々ありました。しかし、この留学で見た、体験し た出来事、そして出会った人達は私を大きく成長させてくれました。 シドニー工科大学での最初の1学期は、Australian Language and Studies というコースを受講してい て、これは留学生向けのものでした。週 3 回、各 3 時間の授業でしたが、オーストラリアのメディアや 雇用環境などのトピックに関して理解を深め、議論していくというものでした。このコースでは、様々 な国から来て異なる文化背景を持った留学生たちと意見を交わすことができました。今まで当たり前だ と思っていたことが他の国ではそうではない、といった発見が多くあり、今まで自分がいかに狭い視野 でものを考えていたか実感することが度々ありました。 後期では、IELTS で語学の基準を達することができたので、英語のクラスを一つとるという条件付き で、現地の学生と同じ授業をとる学部に入ることができました。Communication Faculty に所属し、そ こで英語の授業に加えて、先住民族の文化について学ぶ Aboriginal Studies と歴史の中の思想の流れを 考察していく Ideas in History という授業をとりました。後期で最も苦労したのは、Ideas in History で、 そこでは期末課題として 3,000 語のエッセイと、そのエッセイを 5 人1グループでまとめ、一つのテー マに沿った電子書籍を発行する、というものがありました。この授業の形式は Lecture(講義形式)1 時 間、Tutorial が 2 時間でした。この Tutorial というのは、20 人ほどの少人数クラスで、1 時間の Lecture で扱われたトピックについて、より深い解説が加えられ、生徒がトピックについて議論します。ここで は、先生が言ったことをノートに書くということは全くしません。議論で 2 時間が過ぎていきます。現 地の学生の中で、授業から発展した議論に参加するのは最初容易ではなく、毎授業後はぐったりして帰 るほどでした。しかし、授業後にワークショップを開いてくださったり、先生が個別にエッセイの相談 に乗ってくださったりと、授業理解に苦労する私に多くのサポートをしてくださいました。そのおかげ で、最初難しいと言われていたこの授業を乗り切ることができました。 留学中は、クラスで出会う人のほかにも、大学や寮主催のイベント、サークル活動を通して出会う人 が多くいました。特に、寮で生活を共にした仲間とは、国籍の違いを感じないほど仲が良く、家族のよ うになりました。1 年間の留学で、語学力の向上が得られたのは確かですが、それだけはありません。今 までとは異なる環境・文化に足を踏み入れることは勇気がいるかもしれませんが、勇気を出した分だけ 楽しいこと、成長できることがあると思います。もし、留学を考えている人がいたら、ぜひ挑戦してい ただきたいです。留学すると、自分の目標・計画次第で自分がさらに成長できるチャンスが広がってく ると思います。異なる環境・文化で経験する出来事は今までにない発見であふれています。